JP4244447B2 - アクリル系エラストマー組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクリル系エラストマー組成物に関する。更に詳しくは、加硫特性、耐熱性、圧縮永久歪特性などにすぐれたアクリル系エラストマー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
アクリル系エラストマーは、耐熱性および耐油性にすぐれたゴムとして、各種シール材やホース材等の加硫成形材料として広く用いられている。こうした用途に用いられるアクリル系エラストマーにあっては、共重合されている架橋性モノマーの種類や架橋剤の種類によって、加硫物の物性が大きく変化する。
【0003】
ハロゲン含有アクリル系エラストマーをイオウで加硫した場合、常態物性にすぐれた加硫物が得られるものの、ポリサルファイドの生成により圧縮永久歪特性に劣るという問題がみられる。また、これをトリアジン化合物およびジチオカルバミン酸金属塩で加硫した場合には、圧縮永久歪特性にすぐれた加硫物が得られるものの、二次加硫を省略すると十分なる圧縮永久歪特性が得られない。また、耐熱性の点でも、これをイオウ加硫した場合やカルボキシル基含有アクリル系エラストマーの加硫物よりも劣っている。
【0004】
例えば、特開平2-173149号公報には、活性ハロゲンアクリルゴム、トリチオシアヌル酸、ジチオカルバミン酸金属塩およびチウラムスルフィドを含有するアクリルゴム配合物が記載されており、二次加硫を省略しても良好な圧縮永久歪特性が得られると述べられているが、それが用いられる用途によっては圧縮永久歪特性の点で未だ十分ではなく、また耐スコーチ性の点での改善も求められている。
【0005】
カルボキシル基含有アクリル系エラストマーについては、一般にアミン加硫が行われており、その加硫物は常態物性、耐熱性、圧縮永久歪特性、耐金属腐食性などの点ではすぐれているものの、昨今の自動車部品の長寿命化に伴ない、より耐熱性や圧縮永久歪特性にすぐれているものが求められている。
【0006】
例えば、特開平11-80488号公報には、ブテンジオン酸モノアルキル共重合アクリル系エラストマー、ジアミン化合物加硫剤および1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン-5またはこれらの塩を加硫促進剤として含有するアクリル系エラストマー組成物が記載されており、これはスコーチ安定性および圧縮永久歪特性にすぐれていると述べられているが、使用する用途によっては更なる圧縮永久歪特性の改善が求められている。
【0007】
また、特開平11-92614号公報には、フマル酸モノ低級アルキルエステルを共重合させたアクリル系エラストマー、芳香族ジアミン化合物加硫剤およびグアニジン化合物加硫助剤を含有するアクリル系エラストマー組成物が記載されており、これは耐金属腐食性、耐油性および圧縮永久歪特性にすぐれてはいるものの、やはり使用する用途によっては更なる圧縮永久歪特性の改善が求められている。
【0008】
更に、特開平11-100478号公報には、カルボキシル基含有アクリル系エラストマー、多官能性イソシアネート化合物および加硫促進剤としてのグアニジン、4級オニウム塩、3級アミン塩または3級ホスフィンを含有するアクリル系エラストマー組成物が記載されており、これは常態物性、耐熱性、圧縮永久歪特性などを低下させることなく、スコーチ性を改善せしめると記載されている。しかるに、この場合にあっても使用する用途によっては、圧縮永久歪特性などの点で未だ十分とはいえない。
【0009】
過酸化物加硫可能なアクリル系エラストマーにおいては、加硫速度は速いものの、耐熱性が不十分であることが一般に知られている。
【0010】
例えば、特開平2-269706号公報には、アクリル系エラストマーを製造するに際し、重合開始剤として非共役二重結合を有する有機過酸化物を用いて重合反応を行ない、この有機過酸化物に由来する二重結合を架橋性基として一般に用いられている有機過酸化物でアクリル系エラストマーを架橋することが記載されているが、得られた加硫物は常態物性にはすぐれているものの、耐熱性などの点では未だ十分とはいえない。
【0011】
また、特開平5-214196号公報には、メトキシエチルアクリレート共重合体よりなるアクリルゴム、有機過酸化物およびビスマレイミド化合物を含有するアクリルゴム組成物が記載されており、これは加硫速度が迅速で、圧縮永久歪、強度、伸びおよび引裂強度にすぐれた加硫物を与えると述べられているが、やはり耐熱性の点では十分でない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、加硫特性、耐熱性、圧縮永久歪特性などにすぐれたアクリル系エラストマー組成物を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
かかる本発明の目的は、アクリル系エラストマー100重量部当り一般式 M(HPO4)2・nH20 (ここで、MはTi 、 Zr 、 Hf 、 Sn 、 PbまたはCeであり、nは0、1または2である)で表わされる結晶性層状リン酸化合物またはトリポリリン酸アルミニウムである結晶性層状リン酸化合物を0.1〜30重量部添加したアクリル系エラストマー組成物によって達成される。
【0014】
【発明の実施の形態】
アクリル系エラストマーとしては、一般に架橋性基、例えばハロゲン原子、カルボキシル基等を有するアクリル系エラストマーが用いられる。
【0015】
これらのアクリル系エラストマーに添加される結晶性層状リン酸化合物としては、一般式
M(HPO4)2・nH2O
M:Ti 、 Zr 、 Hf 、 Sn 、 PbまたはCe
n:0、1または2
で表わされるもの、具体的には結晶性層状のリン酸チタン、リン酸ジルコニウム、リン酸ハフニウム、リン酸錫、リン酸鉛、リン酸セリウムまたはこれらの水和物、あるいは式 AlH2P3O10・2H2O で表わされるトリポリリン酸アルミニウムが用いられる。前者は、4価金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩等とリン酸とを水蒸気の存在下で反応させることにより得られ(特開平3-150214号公報)、また後者は、市販品、例えばテイカ(株)製品K-フレッシュ#100Pなどをそのまま使用することができる。
【0016】
これらの化合物は、アクリル系エラストマー100重量部当り約0.1〜30重量部、好ましくは約0.3〜15重量部の割合で用いられる。これ以下の添加割合では、本発明の目的とする諸特性の改善効果が得られず、一方これ以上の割合で添加して用いられると、常態物性の低下が著しくなる。
【0017】
アクリル系エラストマーがハロゲン含有アクリル系エラストマーの場合、ハロゲン含有アクリル系エラストマーとしては、アルキルアクリレートおよびアルコキシアルキルアクリレートの少くとも一種を主成分(約20〜99.9重量%、好ましくは約40〜99重量%)とし、これに架橋サイトハロゲン含有単量体を共重合させたものが用いられる。
【0018】
アルキルアクリレートとしては、炭素数が1〜8のアルキル基を有するアルキルアクリレート、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、n-オクチルアクリレート等が用いられ、中でもエチルアクリレートおよびn-ブチルアクリレートは、耐油性および耐寒性のバランス性の点からみて好ましい。一般には、アルキル基の鎖長が長くなると、耐寒性には有効となるが耐油性は不利となり、鎖長が短かいとその逆となる。
【0019】
また、アルコキシアルキルアクリレートとしては、炭素数が2〜8のアルコキシアルキル基を有するアルコキシアルキルアクリレート、例えばメトキシメチルアクリレート、2-メトキシエチルアクリレート、2-エトキシエチルアクリレート、2-ブトキシエチルアクリレート、2-または3-エトキシプロピルアクリレート等が用いられ、中でも2-メトキシエチルアクリレート、2-エトキシエチルアクリレートが好んで用いられる。これらのアルコキシアルキルアクリレートは、側鎖にエーテル基を有するので、耐寒性および耐油性のバランス性にすぐれている。
【0020】
架橋サイトハロゲン含有単量体としては、(1)2-クロロエチルビニルエ−テル、2-クロロエチルアクリレ−ト、ビニルベンジルクロライド、(2)ビニルクロロアセテート、アリルクロロアセテート、(3)グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテルなどのグリシジル化合物とモノクロロ酢酸との付加反応生成物、あるいは(4)α-またはβ-ハロゲン置換脂肪族モノカルボン酸のアルケニルエステル、(メタ)アクリル酸のハロアルキルエステル、ハロアルキルアルケニルエステル、ハロアルキルアルケニルケトンまたはハロアセトキシアルキルエステル、ハロアセチル基含有不飽和化合物等が用いられる。これらの架橋サイトハロゲン含有単量体は、共重合体中約0.1〜15重量%、好ましくは約0.3〜5重量%を占めるような割合で用いられ、この共重合体中には他の一般的なビニル化合物を約30重量%以下の範囲内で共重合させることもできる。あるいはラクトン変性アクリレート(特開昭63-264612号公報)や末端シアノラクトン変性アクリレート(特開平1-123809号公報)などを共重合させたアクリル共重合体を用いることもできる。
【0021】
また、ハロゲン含有アクリル系エラストマーとしては、ハロゲンおよびカルボキシル基含有アクリル系エラストマー、例えば上記ハロゲン含有アクリル系エラストマー中に、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等の不飽和モノカルボン酸またはマレイン酸モノ低級アルキル等の不飽和ジカルボン酸モノエステルを約0.1〜10重量%、好ましくは約1〜5重量%共重合させたものなども用いられる。
【0022】
これらのハロゲン含有アクリル系エラストマーは、好ましくは(a)トリチオシアヌル酸および(b)ジチオカルバミン酸金属塩またはチウラムスルフィドよりなる加硫系を用いて加硫することができる。
【0023】
(a)成分のトリチオシアヌル酸としては、例えば2,4,6-トリメルカプト-s-トリアジン等が、アクリル系エラストマー100重量部当り約0.1〜10重量部、好ましくは約0.3〜2重量部の割合で用いられる。
【0024】
(b)成分のジチオカルバミン酸金属塩としては、次の一般式で示されるものが用いられ、
(RR′N-CSS)nM
R,R′:炭素原子1〜12のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、フェニル基またはRとR′とが結合した複素環である
M:亜鉛、銅、カドミウム、鉛、ビスマス、鉄、コバルト、マンガン、テルル、セレンの如き1〜4価の金属である(n:1〜4)
好ましくは、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛等が、アクリル系エラストマー100重量部当り約0.1〜10重量部、好ましくは約0.3〜2重量部の割合で用いられる。
【0025】
やはり(b)成分のチウラムスルフィドとしては、次の一般式で示されるものが用いられ、
RR′N−CS−(S)n−CS−NRR′
R,R′:アルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基
またはRとR′とが結合した複素環である
n: 1〜6の整数
好ましくはテトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等が、アクリル系エラストマー100重量部当り約0.01〜5重量部、好ましくは約0.05〜2重量部の割合で用いられる。
【0026】
これら以外にも、次のような加硫系も用いられる。
・脂肪族アルカリ金属塩/イオウ系
・ジアミンまたはそのカーバメート/二塩基性亜リン酸鉛系
・トリチオシアヌル酸/脂肪族アルカリ金属塩系
・トリチオシアヌル酸/ジシアンジアミド/二塩基性亜リン酸鉛系
・トリチオシアヌル酸/ジシアンジアミド/金属酸化物系
・トリチオシアヌル酸/ジシアンジアミド/アルミニウム含有化合物系
・トリチオシアヌル酸/ジシアンジアミド/脂肪族アルカリ土類金属塩または亜鉛塩系
・トリチオシアヌル酸/ジチオカルバミン酸金属塩/第4級アンモニウム塩またはホスホニウム塩系
・トリチオシアヌル酸/トリメチルチオ尿素/金属酸化物系
・トリチオシアヌル酸/脂肪酸アルカリ土類金属塩または亜鉛塩系
【0027】
また、アクリル系エラストマーがカルボキシル基含有アクリル系エラストマーの場合には、アルキルアクリレート、アルコキシアルキルアクリレート等の少くとも一種類を主成分(約20〜99.9重量%、好ましくは約40〜99重量%)とし、これにカルボキシル基含有不飽和化合物を共重合させたアクリル共重合体を用いることができる。
【0028】
カルボキシル基含有不飽和化合物としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸等のモノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等のジカルボン酸またはこれらのモノメチルマレエート、モノエチルマレエート、モノブチルマレエート、モノメチルフマレート、モノエチルフマレート、モノブチルフマレート等のジカルボン酸モノエステルが用いられ、好ましくはモノエチルマレエート、モノエチルフマレートが用いられる。これらのカルボキシル基含有不飽和化合物は、約0.1〜15重量%、好ましくは約1〜10重量%の割合で共重合体中に共重合せしめる。
【0029】
以上の各成分以外に、約60重量%以下の割合で用いられた共重合可能な不飽和化合物、例えば塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、フェニル(メタ)アクリレート等のビニル化合物、エチレン、プロピレン等のモノオレフィン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジオレフィンを共重合させたものであってもよい。
【0030】
これらの各成分の共重合体であるカルボキシル基含有アクリル系エラストマーには、架橋剤としての(c)ポリイソシアネート化合物または(d)ブロック化イソシアネートおよび加硫促進剤が添加される。
【0031】
(c)成分のポリイソシアネート化合物としては、例えばo-トリレンジイソシアネート、ナフチレン-1,5-ジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリス(p-イソシアネートフェニル)チオホスファイト、ポリメチレンポリフェニルジイソシアネート、クロロフェニルジイソシアネート、ジメトキシジフェニルジイソシアネート、ジメチルジフェニレンジイソシアネート、テトラメチルジフェニレンジイソシアネート、ジフェニルジフェニレンジイソシアネート、ジクロロジフェニレンジイソシアネート、ジメトキシジフェニレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、トランスビニレンジイソシアネート、N,N′-(4,4′-ジメチル-3,3′-ジフェニルジイソシアネート)ウレジオン、4,4′,4″-トリメチル-3,3′,3″-トリイソシアネート-2,4,6-トリフェニルシアヌレート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
【0032】
これらのポリイソシアネート化合物は、少なくとも一種がアクリル系エラストマー100重量部当り約0.1〜10重量部、好ましくは約0.2〜5重量部の割合で用いられる。使用割合がこれ以下では、加硫トルク、常態物性および圧縮永久歪特性が低下し、一方これより多い割合で用いられると、スコーチ改善効果が小さくなる。
【0033】
また、これらのポリイソシアネート化合物は、(d)ブロック化イソシアネートとしても用いられる。(d)成分のブロック化イソシアネートは、一般式 R(NCO)n [ここで、Rはアルキル基、アルコキシル基、アリール基、アルキルアリール基またはアラルキル基であり、nは2以上の整数である]で表わされ、上記の如きイソシアネート化合物とブロック化剤とを反応させて得られた化合物である。
【0034】
イソシアネートと反応するブロック化剤としては、例えばジフェニルアミン、ビス(ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、メチルフェニルアミン、エチルフェニルアミン、フェニルイソプロピルアミン、フェニルナフチルアミン、ナフチルフェニレンジアミン、ジフェニルフェニレンジアミン、ジナフチルフェニレンジアミン、N-フェニル-N′-メチルフェニレンジアミン、N-フェニル-N′-エチルフェニレンジアミン、N-フェニル-N′-イソプロピルフェニレンジアミン、アニリン、カルバゾール等のアミン類、フェノール、クレゾール、キシレノール、p-エチルフェノール、o-イソプロピルフェノール、p-第3ブチルフェノール、p-第3オクチルフェノール、2,6-ジ第3ブチル-4-メチルフェノール、2,6-ジ第3ブチル-4-エチルフェノール、メチレンビス(エチル-第3ブチルフェノール)、2,5-ジ第3ブチルハイドロキノン、チモール、ナフトール、ニトロフェノール、クロロフェノール等のフェノール類、メタノール、エタノール、ブロパノール、ブタノール、エチレングリコール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ベンジルアルコール、フェニルセロソルブ、シクロヘキサノール等のアルコール類、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸エチル等の活性メチレン類、ブチルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、チオフェノール等のメルカプタン類、アセトアニリド、アセトアニシジド、酢酸アミド、ベンズアミド、スルフェンアミド等のアミド類、コハク酸イミド、マレイン酸イミド等のイミド類、イミダゾール、エチルイミダゾール、メルカプトベンツイミダゾール等のイミダゾール類、尿素、エチレン尿素、チオ尿素等の尿素類、フェニルカルバミン酸フェニル、オキサゾリドン等のカルバミン酸塩類、エチレンイミン等のイミン類、ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム類、ジフェニルグアニジン、ジトリルグアニジン、トリルビグアニド等のグアニジン類、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム等の亜硫酸塩類、ε-カプロラクタム等のラクタム類などが挙げられる。これらのブロック化剤は、多官能性イソシアネート化合物の場合と同様に、分解温度などを考慮して選択される。
【0035】
これらのブロック化イソシアネートは、その少なくとも一種がアクリル系エラストマー100重量部当り約0.1〜15重量部、好ましくは約0.2〜8重量部の割合で用いられる。使用割合がこれ以下では、加硫トルク、常態物性および圧縮永久歪特性が低下し、一方これより多い割合で用いられると、スコーチ改善効果が小さくなる。
【0036】
これらのポリイソシアネート化合物またはブロック化イソシアネートと併用される加硫促進剤としては、グアニジン類、4級オニウム塩類、3級アミン類または3級ホスフィン類の少くとも一種が用いられる。
【0037】
グアニジン類としては、グアニジンまたはその置換体、例えばアミノグアニジン、1,1,3,3-テトラメチルグアニジン、n-ドデシルグアニジン、メチロールグアニジン、ジメチロールグアニジン、1-フェニルグアニジン、1,3-ジフェニルグアニジン、1,3-ジ-o-トリルグアニジン、トリフェニルグアニジン、1-ベンジル-2,3-ジメチルグアニジン、シアノグアニジン等が用いられ、この他1,6-グアニジノヘキサン、グアニル尿素、ビグアニド、1-o-トリルビグアニド等も用いられる。
【0038】
4級オニウム塩は、次のような一般式で表わされる。
(R1R2R3R4N)+X- または (R1R2R3R4P)+X-
R1〜R4:炭素数1〜25のアルキル基、アルコキシル基、アリール基、アルキルアリール基、アラルキル基またはポリオキシアルキレン基であり、あるいはこれらの内2〜3個がNまたはPと共に複素環構造を形成することもできる。
X-:Cl-、Br-、I-、HSO4 -、H2PO4 -、RCOO-、ROSO2 -、CO3 --等のアニオン
【0039】
具体的には、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムアイオダイド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムアイオダイド、n-ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、オクタデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムブロマイド、セチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、セチルピリジウムブロマイド、セチルピリジウムサルフェート、テトラエチルアンモニウムアセテート、トリメチルベンジルアンモニウムベンゾエート、トリメチルベンジルアンモニウムボレート、5-ベンジル-1,5-ジアザビシクロ[4,3,0]-5-ノネニウムクロライド、5-ベンジル-1,5-ジアザビシクロ[4,3,0]-5-ノネニウムテトラフルオロボレート等の4級アンモニウム塩類、またはテトラフェニルホスホニウムクロライド、ベンジルトリフェニルホスホニウムブロマイド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド、トリフェニルメトキシメチルホスホニウムクロライド、トリフェニルメチルカルボニルメチルホスホニウムクロライド、トリフェニルエトキシカルボニルメチルホスホニウムクロライド、トリオクチルベンジルホスホニウムクロライド、トリオクチルメチルホスホニウムクロライド、トリオクチルエチルホスホニウムアセテート、テトラオクチルホスホニウムクロライド、トリオクチルエチルホスホニウムジメチルホスフェート等の4級ホスホニウム塩類が用いられる。
【0040】
3級アミン類としては、例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン、ジエチルシクロヘキシルアミン、ジメチルラウリルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチルプロピレンジアミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N-ジメチルベンジルアミン、トリフェニルアミン、トリエチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ヘキサメチルトリエチレンテトラミン、1,8-ジアザ-ビシクロ[5,4,0]ウンデセン-7、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、ピリジンおよびその置換体、ピロールおよびその置換体、メチルモルホリン、エチルモルホリン、ジメチルピペラジン、ジエチルピペラジン等が用いられる。
【0041】
また、3級ホスフィンとしては、例えばトリフェニルホスフィン、トリ(メチルフェニル)ホスフィン等が用いられる。
【0042】
これらの加硫促進剤は、アクリル系エラストマー100重量部当り約0.5〜15重量部、好ましくは約1〜10重量部の割合で用いられる。使用割合がこれより少ないと、加硫速度、加硫トルクおよび常態物性が低下し、一方これよりも多い割合で用いられると、スコーチ改善効果が小さくなる。
【0043】
カルボキシル基含有アクリル系エラストマーは、(e)ジアミン化合物架橋剤および加硫促進剤を用いても加硫される。
【0044】
(e)成分のジアミン化合物加硫剤としては芳香族ジアミン化合物が好ましく、例えば4,4′-メチレンジアニリン、m-フェニレンジアミン、4,4′-ジアミノジフェニルエーテル、p-フェニレンジアミン、p,p′-エチレンジアニリン、4,4′-(p-フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、4,4′-(m-フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、3,4′-ジアミノジフェニルエーテル、4,4′-ジアミノジフェニルスルホン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、4,4′-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェノール、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン等が用いられ、好ましくはp-ジアミノ置換体が用いられる。これらの芳香族ジアミン化合物以外にも、例えばヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカーバメート、ヘキサメチレンジアミン−シンナムアルデヒド付加物、ヘキサメチレンジアミンベンゾエート等の脂肪族ジアミン化合物あるいは4,4′-メチレンビスシクロヘキシルアミン、ビス(4-アミノ-3-メチルジシクロヘキシル)メタン、4,4′-メチレンビスシクロヘキシルアミン-シンナムアルデヒド付加物等の脂環状ジアミン化合物を用いることもできる。これらのジアミン化合物架橋剤は、アクリル系エラストマー100重量部当り約0.1〜5重量部、好ましくは約0.2〜4重量部の割合で用いられる。
【0045】
これらのジアミン系化合物よりなる架橋剤は、アクリル系エラストマー100重量部当り約0.1〜10重量部、好ましくは約0.3〜6重量部の割合で用いられる前記グアニジン化合物加硫促進剤と併用される。
【0046】
アクリル系エラストマーとしては、過酸化物架橋可能なアクリル系エラストマーを用いることもできる。かかるアクリル系エラストマーとしては、例えばメトキシエチルアクリレート30〜80重量%、アルキルアクリレートおよび/またはアルコキシアルキルアクリレート(メトキシアルキルアクリレートを除く)70〜20重量%およびこれらと共重合可能な、架橋点を有しない単量体0〜30重量%の共重合体であるアクリル系エラストマー等が挙げられ、これに架橋剤として有機過酸化物およびビスマレイミド化合物を配合することにより、過酸化物架橋が可能となる(特開平5-214196号公報)。
【0047】
有機過酸化物としては、例えばジ第3ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ第3ブチルクミルパーオキサイド、1,1-ジ(第3ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、1,3-ジ(第3ブチルパーオキシジイソプロピル)ベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、第3ブチルパーオキシベンゾエート、第3ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、n-ブチル-4,4-ジ(第3ブチルパーオキシ)バレレート等が、アクリル系エラストマー100重量部当り約0.2〜10重量部、好ましくは約0.75〜2重量部の割合で用いられる。
【0048】
また、ビスマレイミド化合物としては、例えばN,N′-m-フェニレンビスマレイミド、N,N′-p-フェニレンビスマレイミド、N,N′-p-フェニレン(1-メチル)ビスマレイミド、N,N′-2,7-ナフテンビスマレイミド、N,N′-m-ナフテンビスマレイミド、 N,N′-m-フェニレン-4-メチルビスマレイミド、N,N′-m-フェニレン(4-エチル)ビスマレイミド等が用いられ、好ましくはN,N′-m-フェニレンジマレイミドが、アクリル系エラストマー100重量部当り約0.2〜10重量部、好ましくは約0.5〜3重量部の割合で用いられる。
【0049】
更に、過酸化物架橋性アクリル系エラストマーとしては二重結合含有アクリル系エラストマーを用いることができ、過酸化物架橋性二重結合の導入が、アルキルアクリレート、アルコキシアルキルアクリレート等の少くとも一種類を重合させるに際し、重合開始剤として非共役二重結合を有する有機過酸化物を用い、好ましくはかかる有機過酸化物と共に非共役二重結合を有する有機メルカプト化合物または有機スルフィド化合物を併用することによって行われる(特開平2-269706号公報)。
【0050】
非共役二重結合を有する有機過酸化物としては、例えば第3ブチルパーオキシアリルカーボネート、第3ブチルパーオキシメタクリレート、第3ブチルパーオキシクロトネート、イソプロピルパーオキシアリルカーボネート、第3ブチルパーオキシジヒドロジシクロペンテニル等が用いられ、また非共役二重結合を有する有機メルカプト化合物または有機スルフィド化合物としては、例えばアリルメルカプタン、ジヒドロジシクロペンテニルメルカプタン、アリルジスルフィド、ジヒドロジシクロペンテニルジスルフィド等が用いられる。このような有機過酸化物を用いることにより、分子中に導入された二重結合を含有するアクリル系エラストマーは、前述の如き架橋剤としての有機過酸化物が、アクリル系エラストマー100重量部当り約0.1〜10重量部、好ましくは約0.5〜5重量部の割合で用いられる。
【0051】
これらの有機過酸化物と共に、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、N,N′-m-フェニレンビスマレイミドなどの多官能性不飽和化合物をアクリル系エラストマー100重量部当り約0.1〜10重量部、好ましくは約0.5〜10重量部の割合で併用することが好ましい。
【0052】
組成物の調製は、これらの加硫系成分を、他の添加剤、例えば補強剤、充填剤、老化防止剤、安定剤、可塑剤、滑剤などと共に、ロール混合、バンバリー混合、溶液混合など一般に用いられている方法によって行われる。調製された組成物のプレス加硫は、一般に約150〜210℃で約1〜30分間程度行われ、更に必要に応じて二次加熱(オーブン加硫)を行うこともできる。
【0053】
【発明の効果】
本発明に係るアクリル系エラストマー組成物は、加硫特性にすぐれており、また耐熱性および圧縮永久歪特性にすぐれた加硫物を与えることができる。特に、ハロゲン含有アクリル系エラストマー組成物にあっては、二次加硫を省略しても、実用上十分なる常態物性を有する加硫物を与えることができる。
【0054】
【実施例】
次に、実施例について本発明を説明する。
【0055】
参考例1
温度計、攪拌機、窒素ガス導入管および減圧装置を備えたセパラブルフラスコ中に、
エチルアクリレート 48.0重量部
n-ブチルアクリレート 25.0 〃
2-メトキシエチルアクリレート 25.0 〃
ビニルクロロアセテート 2.0 〃
ラウリル硫酸ナトリウム 5.5 〃
水 150.0 〃
を仕込み、脱気および窒素ガス置換をくり返して系内の酸素を十分に除去した後、
ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート 0.002重量部
第3ブチルハイドロパーオキサイド 0.005 〃
を加え、室温条件下で重合反応を開始させ、転化率が90%に達する迄重合反応を継続した。得られた水性ラテックスを塩化ナトリウム水溶液で凝固させ、水洗、乾燥して、アクリル系エラストマーAを得た。
【0056】
参考例2
参考例1において、モノマー混合物として次のものが用いられ、アクリル系エラストマーBを得た。
エチルアクリレート 46.0重量部
n-ブチルアクリレート 25.0 〃
2-メトキシエチルアクリレート 25.0 〃
モノエチルマレエート 4.0 〃
【0057】
参考例3
参考例1において、モノマー混合物として次のものが用いられ、アクリル系エラストマーCを得た。
エチルアクリレート 71.0重量部
n-ブチルアクリレート 25.0 〃
モノエチルマレエート 4.0 〃
【0058】
参考例4
参考例1において、モノマー混合物として次のものが用いられ、アクリル系エラストマーDを得た。
エチルアクリレート 45.0重量部
n-ブチルアクリレート 25.0 〃
2-メトキシエチルアクリレート 30.0 〃
【0059】
参考例5
参考例1において、モノマー混合物として次のものが用いられ、アクリル系エラストマーEを得た。なお、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート量は0.16重量部に変更され、また第3ブチルハイドロパーオキサイドは第3ブチルパーオキシアリルカーボネート0.16重量部に変更されて用いられた。
エチルアクリレート 45.0重量部
n-ブチルアクリレート 25.0 〃
2-メトキシエチルアクリレート 30.0 〃
【0060】
実施例1
参考例1で得られたハロゲン含有アクリル系エラストマーA 100部(重量、以下同じ)に、次の表1に記載される各配合成分を加え、
オープンロールで混練し、混練物について180℃、8分間のプレス加硫および175℃、4時間のギヤオーブン中での二次加硫を行った。
【0061】
ロール混練によって得られた未加硫物について、JIS K-6300に準じて加硫特性(125℃)を測定し、またプレス加硫物および二次加硫物について、JIS K-6301に準じて常態物性、耐熱老化性(175℃、500時間)および圧縮永久歪(150℃)の測定を行ない、次の表2に示されるような結果を得た。
【0062】
実施例2
参考例2で得られたカルボキシル基含有アクリル系エラストマーB 100部に、次の表3に記載される各配合成分を加え、
オープンロールで混練し、混練物について実施例1と同様の条件下でプレス加硫および二次加硫を行った。
【0063】
未加硫物についての加硫特性および二次加硫物についての諸特性の測定を実施例1と同様に行ない、次の表4に示されるような結果を得た。
【0064】
実施例3
参考例3で得られたカルボキシル基含有アクリル系エラストマーC 100部に、次の表5に記載される各配合成分を加え、
オープンロールで混練し、混練物について実施例1と同様の条件下でプレス加硫および二次加硫を行った。
【0065】
未加硫物についての加硫特性および二次加硫物についての諸特性の測定を実施例1と同様に行ない、次の表6に示されるような結果を得た。
【0066】
実施例4
参考例4で得られた過酸化物加硫可能なアクリル系エラストマーD 100部に、次の表7に記載される各配合成分を加え、
オープンロールで混練し、混練物について実施例1と同様の条件下でプレス加硫および二次加硫を行った。
【0067】
未加硫物についての加硫特性および二次加硫物についての諸特性の測定を実施例1と同様に行ない、次の表8に示されるような結果を得た。
【0068】
実施例5
実施例4において、参考例4で得られた過酸化物加硫可能なアクリル系エラストマーDの代りに、参考例5で得られた過酸化物加硫可能なアクリル系エラストマーEが同量用いられた。
【0069】
未加硫物についての加硫特性および二次加硫物についての諸特性の測定を実施例1と同様に行ない、次の表9に示されるような結果を得た。
【0070】
比較例1
実施例1のNo.1において、トリポリリン酸アルミニウムが用いられなかった。未加硫物についての加硫特性、プレス加硫物および二次加硫物についての諸特性の測定を実施例1と同様に行ない、後記表10に示されるような結果を得た。
【0071】
比較例2
実施例1のNo.2において、トリポリリン酸アルミニウムが用いられなかった。未加硫物についての加硫特性、プレス加硫物および二次加硫物についての諸特性の測定を実施例1と同様に行ない、次の表10に示されるような結果を得た。
【0072】
比較例3
実施例2のNo.1において、トリポリリン酸アルミニウムが用いられなかった。未加硫物についての加硫特性および二次加硫物についての諸特性の測定を実施例1と同様に行ない、後記表11に示されるような結果を得た。
【0073】
比較例4
実施例2のNo.2において、トリポリリン酸アルミニウムが用いられなかった。未加硫物についての加硫特性および二次加硫物についての諸特性の測定を実施例1と同様に行ない、後記表11に示されるような結果を得た。
【0074】
比較例5
実施例2のNo.3において、トリポリリン酸アルミニウムが用いられなかった。未加硫物についての加硫特性および二次加硫物についての諸特性の測定を実施例1と同様に行ない、後記表11に示されるような結果を得た。
【0075】
比較例6
実施例3のNo.1において、トリポリリン酸アルミニウムが用いられなかった。未加硫物についての加硫特性および二次加硫物についての諸特性の測定を実施例1と同様に行ない、後記表11に示されるような結果を得た。
【0076】
比較例7
実施例4のNo.1において、トリポリリン酸アルミニウムが用いられなかった。未加硫物についての加硫特性および二次加硫物についての諸特性の測定を実施例1と同様に行ない、後記表11に示されるような結果を得た。
【0077】
比較例8
実施例5のNo.1において、トリポリリン酸アルミニウムが用いられなかった。未加硫物についての加硫特性および二次加硫物についての諸特性の測定を実施例1と同様に行ない、次の表11に示されるような結果を得た。
Claims (9)
- アクリル系エラストマー100重量部当り一般式 M(HPO4)2・nH20 (ここで、MはTi 、 Zr 、 Hf 、 Sn 、 PbまたはCeであり、nは0、1または2である)で表わされる結晶性層状リン酸化合物またはトリポリリン酸アルミニウムである結晶性層状リン酸化合物を0.1〜30重量部添加してなるアクリル系エラストマー組成物。
- アクリル系エラストマーが架橋性基含有アクリル系エラストマーである請求項1記載のアクリル系エラストマー組成物。
- 架橋性基がハロゲン原子またはカルボキシル基である請求項2記載のアクリル系エラストマー組成物。
- アクリル系エラストマーがハロゲン含有アクリル系エラストマーであり、架橋剤として(a)トリチオシアヌル酸および(b)ジチオカルバミン酸金属塩またはチウラムスルフィドを添加した請求項3記載のアクリル系エラストマー組成物。
- アクリル系エラストマーがハロゲンおよびカルボキシル基含有アクリル系エラストマーであり、架橋剤として(a)トリチオシアヌル酸および(b)ジチオカルバミン酸金属塩またはチウラムスルフィドを添加した請求項3記載のアクリル系エラストマー組成物。
- アクリル系エラストマーがカルボキシル基含有アクリル系エラストマーであり、架橋剤としての(c)ポリイソシアネート化合物または(d)ブロック化イソシアネートおよび加硫促進剤を添加した請求項3記載のアクリル系エラストマー組成物。
- アクリル系エラストマーがカルボキシル基含有アクリル系エラストマーであり、架橋剤としての(e)ジアミン系化合物および加硫促進剤を添加した請求項3記載のアクリル系エラストマー組成物。
- カルボキシル基含有アクリルエラストマーが不飽和ジカルボン酸モノエステル由来のカルボキシル基含有アクリル系エラストマーである請求項6または7記載のアクリル系エラストマー組成物。
- アクリル系エラストマーが過酸化物架橋可能なアクリル系エラストマーである請求項1記載のアクリル系エラストマー組成物。
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