JP4243477B2 - 不良配線を補修したアレイ基板および補修方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶ディスプレイに代表されるフラットパネルディスプレイのアレイ基板の配線において、断線や短絡した不良配線を補修したアレイ基板およびその補修方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶ディスプレイなどのフラットパネルディスプレイはパーソナル・コンピュータやテレビなどをはじめとして、多くの分野で使用されている。フラットパネルディスプレイに使用されるアレイ基板は、複数の配線、スイッチング素子、電極などがガラス基板上に配置されている。需要に伴いフラットパネルディスプレイの大型化ならびに高精細化が進んでおり、高精細化に伴ってゲート線、信号線、スイッチング素子などは微細化が進んでいる。
【0003】
アレイ基板は、ゲート線、信号線、ゲート絶縁膜、スイッチング素子などの材料を積層、エッチングを繰り返して製造する。アレイ基板の製造時に、アレイ基板上への異物の付着やエッチングのミスなどによって信号線などが開放、すなわち断線する場合がある。例えば図4(a)に示すように、アレイ基板50は、エッチングのミスによってガラス基板12上に設けられた信号線16が断線する場合がある。この場合の信号線16の補修方法は以下の工程になる。
【0004】
図4(a)に示すように、パルスレーザ34にて被覆絶縁膜18の表面から信号線16までコンタクトホール46を開ける。コンタクトホール46を開ける位置は、断線部分32の近傍の信号線16である。図4(a)に示すように一対のコンタクトホール46を開ける。例えばパルスレーザ34の出力は、0.2から1.0mJである。なお、レーザの出力を測定するパワーモニターおよび、測定位置によって誤差が発生する場合がある。
【0005】
一対のコンタクトホール46を開けたあと、図4(b)に示すように、コンタクト48を形成する。さらに図4(c)に示すように、バイパス線28を形成する。コンタクト48やバイパス線28の形成は、CVD(Chemical Vapor Deposition)でおこなう。コンタクト48やバイパス線28を形成するとき、CW(Continuous Wave)レーザ36を使用して、被覆絶縁膜18の上面にCWレーザ36を走査する。例えばCWレーザ36の出力は2から40mW、走査速度は0.5から3μm/secである。以上の工程によって、図4(d)に示すように、バイパス線28が形成され、信号線16の補修が完了する。
【0006】
異物によって断線が生じると、被覆絶縁膜18の表面に凹凸が生じたり、被覆絶縁膜18上に異物が突出したりするため、バイパス線28の形成が難しくなる。
【0007】
前記アレイ基板の被覆絶縁膜18上に樹脂膜20を形成するアレイ基板がある。信号線と画素電極の間に樹脂膜を設けることで、信号線と画素電極とをオーバーラップさせることが可能となり、開口率向上、信号線−画素電極間の容量成分によるクロストークなどの影響を緩和することができる。また樹脂膜を設けることで前記アレイ基板の表面を平坦化させることが可能になり、配向不良を抑制することができる。
【0008】
樹脂膜が形成されたアレイ基板では、断線が起きた場合における補修方法が確立されていない。例えば樹脂膜の厚さが2μmから5μm程度であり、前記パルスレーザを使用して樹脂膜表面から信号線まで貫通するコンタクトホールを開けるとき、コンタクトホールが樹脂膜の厚さの分深くなり、その内壁にCVDをおこなうためにCWレーザを照射することが困難である。また長時間、樹脂膜にレーザを照射すると、樹脂膜が溶融する温度まで温度上昇してしまう恐れがある。よって十分なコンタクトを形成することができない。同様に樹脂膜上にバイパス線を形成するときにも、レーザのエネルギーによって樹脂膜が溶融する恐れがある。
【0009】
樹脂膜を形成する前に断線をチェックすると、断線している信号線を特定できても、断線の位置を特定することができない。これは、樹脂膜を形成したあとに画素電極を形成するため、一般的なアレイテスターで断線を検査できる構成にアレイ基板がなっていないからである。
【0010】
アレイ基板は複数の層に配線がされるため、層間で配線が短絡する場合がある。特許文献1には、複数の層間で短絡があった場合に、レーザを用いて短絡を矯正する方法が開示されている。レーザCVDによって被覆絶縁膜上にバイパス線を形成する。短絡部分が分離するように配線をカットすることによって、短絡を矯正している。特許文献1に記載の方法は、樹脂膜がないアレイ基板に有効である。樹脂膜を設けたアレイ基板の場合、特許文献1に記載の方法では、樹脂膜上にバイパス線を形成することは、上述したように困難である。
【0011】
【特許文献1】
特開2001−77198号公報(図1、図2)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、樹脂膜のあるアレイ基板において、断線や短絡した不良配線を補修したアレイ基板および補修方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明のアレイ基板の要旨は、基板と、前記基板上の複数の配線と、前記配線上の絶縁膜と、前記絶縁膜上の樹脂膜と、を含むアレイ基板であって、前記複数の配線のうち、断線によって2つに分かれた配線と、前記樹脂膜の表面から前記2つに分かれた配線のそれぞれまで貫通し、かつ、樹脂膜の部分の内壁をテーパー状に形成した一対のコンタクトホールと、前記一対のコンタクトホールを通って前記2つに分かれた配線を接続するバイパス線と、を含む。本発明は、一対のコンタクトホールを介してバイパス線を形成し、断線によって2つに分かれた配線を接続している。コンタクトホールは、樹脂膜表面から配線まで貫通している。コンタクトホールの内壁において、樹脂膜の部分をテーパー状にし、内壁を傾斜させる。テーパー状であるため、従来困難であったコンタクトホールの配線形成が可能である。
【0014】
前記樹脂膜の部分のコンタクトホールの大きさは前記絶縁膜および配線の部分コンタクトホールの大きさよりも大きい。
【0015】
本発明の他のアレイ基板の要旨は、基板と、前記基板上の複数の下層配線と、前記基板と下層配線上の第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜を介して下層配線と立体交差する複数の上層配線と、前記上層配線上の第2絶縁膜と、前記第2絶縁膜上の樹脂膜と、を含むアレイ基板であって、前記上層配線と下層配線との立体交差する部分において、該上層配線における前記層間短絡部を挟む位置までを貫通し、前記樹脂膜の部分の内壁をテーパー状に形成した一対のコンタクトホールと、前記一対のコンタクトホールを通って上層配線に接続するバイパス線と、前記上層配線において、前記一対のコンタクトホールに挟まれ、かつ、前記層間短絡部を挟む位置に、該上層配線の層間短絡部を分離する断線部と、を含む。本発明は、一対のコンタクトホールを介してバイパス線を形成し、層間短絡部を断線部によって分離することによって、短絡した配線を補修している。コンタクトホールは、樹脂膜表面から配線まで貫通している。コンタクトホールの内壁において、樹脂膜の部分をテーパー状にする。テーパー状であるため、従来困難であったコンタクトホールの配線形成が可能である。
【0016】
前記コンタクトホールにおいて、前記樹脂膜の部分のコンタクトホールの大きさは前記第2絶縁膜および上層配線の部分のコンタクトホールの大きさよりも大きい。
【0017】
前記樹脂膜において、前記コンタクトホールの開口部を形成する部分は曲面になっている。
【0018】
前記樹脂膜に設けられた前記一対のコンタクトホールを結ぶ溝を含み、前記バイパス線は、該溝の中に設けられる。
【0019】
本発明のアレイ基板の補修方法の要旨は、基板と、前記基板上の複数の配線と、前記配線上の絶縁膜と、前記絶縁膜上の樹脂膜と、を含むアレイ基板の補修方法であって、前記複数の配線のうち、断線によって2つに分かれた配線を検出するステップと、前記樹脂膜表面から前記2つに分かれた配線のそれぞれまで貫通し、かつ、樹脂膜の部分の内壁をテーパー状に形成したコンタクトホールを設けるステップと、前記一対のコンタクトホールを通って、前記2つに分かれた配線を接続するバイパス線を設けるステップと、を含む。
【0020】
本発明の他の補修方法の要旨は、基板と、前記基板上の複数の下層配線と、前記基板と下層配線上の第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜を介して下層配線と立体交差する複数の上層配線と、前記上層配線上の第2絶縁膜と、前記第2絶縁膜上の樹脂膜と、を含むアレイ基板の補修方法であって、前記上層配線と下層配線との立体交差する部分において、該上層配線と下層配線とを短絡する層間短絡部を検出するステップと、前記樹脂膜上面から前記上層配線における前記層間短絡部を挟む位置を貫通し、かつ、前記樹脂膜の部分の内壁をテーパー状に形成した一対のコンタクトホールを設けるステップと、前記一対のコンタクトホールを電気的に接続するバイパス線を設けるステップと、前記上層配線において、前記一対のコンタクトホールに挟まれ、かつ、前記層間短絡部を挟む位置に、該上層配線を分離する断線部を設けるステップと、を含む。
【0021】
前記樹脂膜において、前記コンタクトホールの開口部を形成する部分に曲面を形成するステップと、前記一対のコンタクトホールを接続する溝を設けるステップと、を含み、前記バイパス線は該曲面および溝に設けられる。
【0022】
前記コンタクトホールを設けるステップ、溝を設けるステップ、および、バイパス線を設けるステップはレーザを用いて行う。
【0023】
前記溝を設けるステップにおけるレーザの走査速度はバイパスを設けるステップにおけるレーザの走査速度よりも速い。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明のアレイ基板および補修方法の実施の形態について図面を用いて説明する。先に配線が断線した場合について説明する。
【0025】
図1は断線が補修されたアレイ基板10の断面図であり、アレイ基板10は、基板12と、基板12上の複数の信号線(配線)16と、信号線16上の被覆絶縁膜(絶縁膜)18と、被覆絶縁膜18上の樹脂膜(ポリマー)20とを含む。
【0026】
図1においては、アレイ基板10の製造時に異物30によって信号線16に断線部分32が生じ、信号線16が分かれている。例えば樹脂膜20の厚みは2から5μm、信号線16の厚みは0.3から0.5μm、被覆絶縁膜18の厚みは0.2から0.5μmである。図示していないが、所定位置において、基板12とゲート絶縁膜14との間に複数のゲート線が設けられ、信号線16と立体交差する。基板12はガラス基板を用いる。
【0027】
樹脂膜20は、樹脂材料を被覆絶縁膜18上に塗布し、アレイ基板10をスピンさせる。スピンにより樹脂材料が平坦化される。そして樹脂材料を硬化させて平らな樹脂膜20を形成する。樹脂膜20が信号線16などと比較して厚いため、異物30があっても樹脂膜20を形成したときに樹脂膜20表面が平坦化される。異物30としては、CVDゴミやレジストゴミなどがある。エッチングのミスなどによって断線した場合も、断線部分32の被覆絶縁膜18は凹むが樹脂膜20の表面は平坦化される。
【0028】
断線によって分かれた信号線16のそれぞれ、被覆絶縁膜18、および樹脂膜20を貫通するコンタクトホール22が一対設けられる。コンタクトホール22において、樹脂膜20の部分の内壁はテーパー状になっている。コンタクトホール22の開口部は、例えば円形である。コンタクトホール22において、樹脂膜20の部分は被覆絶縁膜18や信号線16の部分の大きさより大きくなっている。例えば樹脂膜20の部分のコンタクトホール22の大きさは、コンタクトホール22の開口部で直径15から30μmである。被覆絶縁膜18や信号線16の部分のコンタクトホール22の大きさは、直径3から10μmである。
【0029】
樹脂膜20において、コンタクトホール22の開口部を形成する部分は、曲面24になっている。曲面24は、バイパス線28が設けられる部分のみでも良い。コンタクトホール22と溝26の境が曲面24になり、バイパス線28が断線しにくくなる。
【0030】
コンタクトホール22同士を接続する溝26が樹脂膜20に設けられ、この溝26の中にバイパス線28が設けられる。一方のコンタクトホール22において信号線16に接続されて設けられたバイパス線28は、溝26の中を介して他方のコンタクトホール22の信号線16に接続される。
【0031】
以上の樹脂膜20の形状にすることによって、従来では難しかった樹脂膜20があるアレイ基板10の信号線16の断線をバイパス線28によって接続できる。
【0032】
信号線16の補修を行う補修装置は、周知の補修装置で、後述するように2種類のレーザを使用し、各工程でレーザの出力や走査速度を変更する。
【0033】
断線のある信号線16の補修方法について説明する。アレイテスターによって、アレイ基板10の信号線16の断線をチェックする。図2(a)に示す断線部分32を発見すると、後述する工程によって、断線部分32にバイパス線28を形成する。
【0034】
樹脂膜20上を介して2本に切断された信号線16をバイパス線28で接続するために、図2(b)のように樹脂膜20の表面から断線された信号線16まで、コンタクトホール22を開ける。コンタクトホール22を開けるとき、従来の被覆絶縁膜18と信号線16にコンタクトホール22を開ける場合より高パワー、例えば0.4mJから1.3mJのパルスレーザ34を使用する。パルスレーザ34を高パワーで使用することで、信号線16を配線金属が急激に昇華する温度までエネルギーを与え、吹き飛ばす。樹脂膜20を吹き飛ばして、コンタクトホール22の内壁において、樹脂膜20の部分をテーパー状にする。
【0035】
図2(c)に示すように、CWレーザ36の走査速度を高速にして、2つのコンタクトホール22を結ぶ溝26を設ける。例えばこのときのCWレーザ36の出力は2から40mW、走査速度は6から20μm/secである。溝26の深さは、例えば、0.2から2μmとし、断線の原因となった異物30の影響を受けない深さにする。
【0036】
高パワーのパルスレーザ34でコンタクトホール22を開けただけでは、コンタクトホール22の開口部が鋭利になっている。このままバイパス線28を形成するとバイパス線28が開口部で切断される恐れがある。図2(c)のように溝26を設けるときにコンタクトホール22の開口部に曲面24が設けられるようにCWレーザ36を走査し、バイパス線28を形成したときに、バイパス線28が切断されなくする。溝26や曲面24を形成するときに、バイパス線28を形成するための原料ガスを用いる。原料ガスは、例えばタングステンヘキサカーボニル(W(CO)6)を使用する。溝26や曲面24を形成したときにわずかにバイパス線28が形成される。
【0037】
溝26や曲面24の形成に原料ガスを用いると、次の工程でバイパス線28を形成するときに、直ちにバイパス線28を形成することができる。溝26や曲面24の形成ならびにバイパス線28の形成の時間を問わないのであれば、原料ガスを用いずに溝26や曲面24を形成することが可能である。
【0038】
コンタクトホール22の形成後、バイパス線28の形成をおこなう。樹脂膜20のない従来技術であれば、コンタクト48を形成する工程を別途に設けるが、従来の方法でコンタクト48を形成すると、長時間、コンタクトホール22にレーザ光を照射することになり、レーザのエネルギーによって樹脂膜20の温度が熱分解温度に達し、樹脂膜20が熱分解して溶融や蒸散する恐れがある。本発明では後述する方法で、バイパス線28を形成する際に同時にコンタクト48を形成する。
【0039】
図2(d)に示すように、2つのコンタクトホール22および溝26を通して2つに分かれた信号線16を接続するバイパス線28を形成する。CWレーザ36で、従来の配線時よりも低いレーザパワーで、かつCWレーザの走査速度を溝26形成時よりも低速にして配線する。バイパス線28を形成するときの原料ガスは上記のように、例えばタングステンヘキサカルボニルを使用することで、バイパス線28はタングステンで形成される。タングステン以外にもクロムやモリブデンで形成するようにしてもよい。CWレーザ36の出力は、例えば1から10mW、レーザ走査速度は0.3ら5μm/secである。レーザ出力を抑えているため、樹脂膜20が熱分解して溶融や蒸散する恐れがない。
【0040】
コンタクトホール22の内壁を形成する樹脂膜20の部分はテーパー状になっている。コンタクトホール22の深さが深くなってもコンタクトホール22の内壁にCWレーザ36を照射することができる。これによりコンタクトホール22の内壁にバイパス線28を形成することができる。内壁にバイパス線28を形成する際、コンタクトホール22の信号線16にバイパス線28が接続され、この接続部分がコンタクトとなる。
【0041】
バイパス線28は、コンタクトホール22の内壁を形成している信号線16に接続するようにする。レーザ出力が低パワーであるが、低速で走査するので、十分な膜厚があるバイパス線28が形成される。膜厚は例えば0.2から2μm以下にし、バイパス線28が溝26からはみ出さないようにする。
【0042】
バイパス線28は溝26の中に形成されるため、樹脂膜20の表面を傷つけることはない。またバイパス線28は溝26の中に配線されているため、樹脂膜20の表面にバイパス線28が突出することはない。そのため液晶ディスプレイの製造工程であるラビング処理の際に、アレイ基板10からバイパス線28がはがれる問題が起こりにくい。
【0043】
以上のように本発明によって、従来困難であった樹脂膜20を有するアレイ基板10の断線を補修することができるようになった。アレイ基板10の歩留まりを向上することができる。
【0044】
次に複数の層間で短絡が発生した場合について説明する。図3に示すように、2本の配線16,38が立体交差する箇所で短絡が発生している場合である。この短絡箇所を層間短絡部40とする。
【0045】
アレイ基板11は、基板12上に設けられたゲート線(下層配線)38がゲート絶縁膜(第1絶縁膜)14を介して信号線(上層配線)16と立体交差する。信号線16やゲート絶縁膜14上に被覆絶縁膜(第2絶縁膜)18が設けられ、被覆絶縁膜18上に樹脂膜20が設けられる。
【0046】
補修をおこなったアレイ基板11の構成は、樹脂膜20上面から信号線16における層間短絡部40を挟む位置を貫通し、樹脂膜20の部分の内壁がテーパー状になっている一対のコンタクトホール22と、一対のコンタクトホール22を通って信号線16に接続するバイパス線28と、信号線28において、一対のコンタクトホール22に挟まれ、かつ、層間短絡部40を挟む位置に、信号線16の層間短絡部40を分離する断線部42と、を含む。
【0047】
コンタクトホール22の構成は、断線を補修したアレイ基板10のコンタクトホール22と同様の構成である。
【0048】
バイパス線28は、樹脂膜20の表面でコの字型(溝型)になっている。これは、穴44を開けて断線部42を信号線16に設ける必要があるからである。バイパス線28は、断線を補修したアレイ基板10と同様に、樹脂膜20に設けられた溝26の中に設けられる。
【0049】
断線部42は、樹脂膜20の表面から信号線16を貫通する穴44によって形成する。断線部42は2箇所に設ける。層間短絡部40を挟む位置で信号線16に穴44を開けて断線させることによって、信号線16とゲート線38との短絡を補修、すなわち信号線16とゲート線38とを分離している。断線された信号線16はバイパス線28によって接続される。
【0050】
断線部42およびコンタクトホール22の形成する位置は、できる限り層間短絡部40の近傍にする。
【0051】
配線16,38が短絡したアレイ基板11の補修方法について説明する。断線の場合と同様に一般的なアレイテスターで短絡を検査する。短絡が発見されたアレイ基板11を後述する方法で補修する。
【0052】
コンタクトホール22を設ける。コンタクトホール22の設け方は、配線16が断線したアレイ基板10での設け方と同様である。
【0053】
コンタクトホール22の開口部に曲面を設け、さらに溝26を設ける。曲面や溝26の設ける場合も、配線が断線したアレイ基板10での設け方と同様である。溝26を設けるときに、樹脂膜20の表面でコの字型になるようにする。
【0054】
コンタクトホール22にコンタクトを設けずにバイパス線28を形成するのは、断線の補修方法と同様である。
【0055】
バイパス線28を設ける。バイパス線28の設け方も、配線が断線したアレイ基板10での設け方と同様である。樹脂膜20の表面で溝26がコの字型になっているため、バイパス線28も溝26にあわせてコの字型になる。
【0056】
溝26、バイパス線28をコの字型に形成する以外に、溝26、バイパス線28と穴44とが交叉しない形であれば任意でよい。
【0057】
信号線16に断線部42を設ける。使用するレーザはパルスレーザである。例えば、出力を1.1mJにして、樹脂膜20の表面から信号線16まで貫通する穴44を開ける。断線部42は信号線16に2箇所設ける。断線部42の位置は、信号線16において、一対のコンタクトホール22に挟まれ、かつ、層間短絡部40を挟む位置である。
【0058】
以上の工程で、層間短絡部40が発生したアレイ基板11の補修が完了する。本発明によって、断線したアレイ基板10の補修と同様に、樹脂膜20を有するアレイ基板11の補修をおこなうことができる。断線部42を設けた時の穴44を、被覆絶縁膜18や樹脂膜20と同様の材料で穴埋めしても良い。
【0059】
信号線16の断線や信号線16とゲート線38との短絡の補修について記載したが、他の配線においても同様の方法で補修が可能である。
【0060】
樹脂膜20をテーパー状にする以外に、コンタクトホール22の内壁にレーザを照射できる形状であれば、他の形状でも良い。コンタクトホール22において信号線16や被覆絶縁膜18の部分をテーパー状にしても良い。
【0061】
レーザの種類を1種類にして、上記の出力や走査速度で使用しても良い。
【0062】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されることはない。その他、本発明は、主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変更を加えた態様で実施できるものである。
【0063】
【発明の効果】
本発明によると、レーザによってコンタクトホールの内壁をテーパー状にしたり、溝を設けたりした後、バイパス線を形成することによって、従来困難であった樹脂膜を有するアレイ基板の断線や短絡を補修することができるようになった。アレイ基板の歩留まりを向上することができる。コンタクトホールの開口部に曲面を設けることによって、バイパス線を形成するときにバイパス線が断線しにくくなっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る断線した配線を補修したアレイ基板の断面図である。
【図2】アレイ基板の補修方法を示す図であり、(a)は断線を示す断面図であり、(b)はコンタクトホールを開ける断面図であり、(c)は曲面と溝を設ける断面図であり、(d)はバイパス線を形成する断面図である。
【図3】本発明に係る短絡した配線を補修したアレイ基板の断面斜視図である。
【図4】樹脂膜のない場合の補修方法を示す図であり、(a)はコンタクトホールを開ける断面図であり、(b)はコンタクトを形成する断面図であり、(c)はバイパス線を形成する断面図であり、(d)は補修されたアレイ基板の断面図である。
【符号の説明】
10,11,50:アレイ基板
12:基板
14:ゲート絶縁膜(第1絶縁膜)
16:信号線(配線、上層配線)
18:被覆絶縁膜(絶縁膜、第2絶縁膜)
20:樹脂膜
22,46:コンタクトホール
24:曲面
26:溝
28:バイパス線
30:異物
32:断線部分
34:パルスレーザ
36:CWレーザ
38:ゲート線
40:層間短絡部
42:断線部
44:穴
48:コンタクト
Claims (10)
- 基板と、
前記基板上の複数の配線と、
前記配線上の絶縁膜と、
前記絶縁膜上の樹脂膜と、
を含むアレイ基板であって、
前記複数の配線のうち、断線によって2つに分かれた配線と、
前記樹脂膜の表面から前記2つに分かれた配線のそれぞれまで貫通し、かつ、樹脂膜の部分の内壁をテーパー状に形成した一対のコンタクトホールと、
前記一対のコンタクトホールを通って前記2つに分かれた配線を接続するバイパス線と、
前記樹脂膜に設けられた前記一対のコンタクトホールを結ぶ溝と、
を含み、前記バイパス線が、該溝の中に設けられるアレイ基板。 - 前記樹脂膜の部分のコンタクトホールの大きさが前記絶縁膜および配線の部分のコンタクトホールの大きさよりも大きい請求項1に記載のアレイ基板。
- 基板と、
前記基板上の複数の下層配線と、
前記基板と下層配線上の第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜を介して下層配線と立体交差する複数の上層配線と、
前記上層配線上の第2絶縁膜と、
前記第2絶縁膜上の樹脂膜と、
を含むアレイ基板であって、
前記上層配線と下層配線との立体交差する部分において、該上層配線と下層配線とを短絡する層間短絡部と、
前記樹脂膜上面から前記上層配線における前記層間短絡部を挟む位置までを貫通し、かつ、前記樹脂膜の部分の内壁をテーパー状に形成した一対のコンタクトホールと、
前記一対のコンタクトホールを通って上層配線に接続するバイパス線と、
前記上層配線において、前記一対のコンタクトホールに挟まれ、かつ、前記層間短絡部を挟む位置に、該上層配線の層間短絡部を分離する断線部と、
前記樹脂膜に設けられた前記一対のコンタクトホールを結ぶ溝と、
を含み、前記バイパス線が、該溝の中に設けられるアレイ基板。 - 前記樹脂膜の部分のコンタクトホールの大きさが前記第2絶縁膜および上層配線の部分のコンタクトホールの大きさよりも大きい請求項3に記載のアレイ基板。
- 前記樹脂膜において、前記コンタクトホールの開口部を形成する部分が曲面になっている請求項1乃至4に記載のアレイ基板。
- 基板と、
前記基板上の複数の配線と、
前記配線上の絶縁膜と、
前記絶縁膜上の樹脂膜と、
を含むアレイ基板の補修方法であって、
前記複数の配線のうち、断線によって2つに分かれた配線を検出するステップと、
前記樹脂膜表面から前記2つに分かれた配線のそれぞれまで貫通し、かつ、樹脂膜の部分の内壁をテーパー状に形成したコンタクトホールを設けるステップと、
前記一対のコンタクトホールを通って、前記2つに分かれた配線を接続するバイパス線を設けるステップと、
を含むアレイ基板の補修方法。 - 基板と、
前記基板上の複数の下層配線と、
前記基板と下層配線上の第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜を介して下層配線と立体交差する複数の上層配線と、
前記上層配線上の第2絶縁膜と、
前記第2絶縁膜上の樹脂膜と、
を含むアレイ基板の補修方法であって、
前記上層配線と下層配線との立体交差する部分において、該上層配線と下層配線とを短絡する層間短絡部を検出するステップと、
前記樹脂膜上面から前記上層配線における前記層間短絡部を挟む位置をまで貫通し、かつ、前記樹脂膜の部分の内壁をテーパー状に形成した一対のコンタクトホールを設けるステップと、
前記一対のコンタクトホールを電気的に接続するバイパス線を設けるステップと、
前記上層配線において、前記一対のコンタクトホールに挟まれ、かつ、前記層間短絡部を挟む位置に、該上層配線を分離する断線部を設けるステップと、
を含むアレイ基板の補修方法。 - 前記樹脂膜において、前記コンタクトホールの開口部を形成する部分に曲面を形成するステップと、
前記一対のコンタクトホールを接続する溝を設けるステップと、
を含み、前記バイパス線が該曲面および溝に設けられる請求項6または7に記載のアレイ基板の補修方法。 - 前記コンタクトホールを設けるステップ、溝を設けるステップ、および、バイパス線を設けるステップがレーザを用いて行う請求項8に記載のアレイ基板の補修方法。
- 前記溝を設けるステップにおけるレーザの走査速度がバイパスを設けるステップにおけるレーザの走査速度よりも速い請求項9に記載のアレイ基盤の補修方法。
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