JP4241908B2 - 固形物の粉砕設備 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固形物の粉砕設備に係り、特に、固形物を微粒子状に粉末化して利用する好適技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
固形物を微粒子状に粉末化するための関連技術として、以下のようなものが挙げられる。
(A)技術例1:特公平07−004553号公報「原料の摩擦粉砕方法」
(B)技術例2:特公平07−083840号公報「粉砕機」
(C)技術例3:特開平11−300224号公報「粉砕機」
(D)技術例4:特開2000−061340号公報「粉砕機」
【0003】
技術例1は、ケーシング内に対向し独立駆動する第1回転体と第2回転体間に原料を供給し、その原料が互いにすり合い摩擦粉砕され、該摩擦粉砕された原料を回転中心側から回収する技術であり、排出口の例として、第2回転体の回転軸の中心穴が選択されている。
技術例2は、技術例1と類似するものであるが、第1回転体を例えば複数羽根形状とし、第2回転体を例えば円板の中心に穴を開けたものとして、粉砕物を回転中心に集めて回収するようにしている。
技術例3は、一つの回転軸に、間隔を空けた第1,第2回転翼を取り付けて一体回転させ、全体として、原料を軸線方向に導きながら、粉砕物を回転中心部から吸引して取り出すようにしている。
技術例4は、技術例3と類似するものであるが、特に、回転軸の先端部分のケーシングに蓋を取り付けて解体の便を向上させるというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記した技術例1〜4は、いずれもケーシングの内部で固形物の原料を回転させ、場合により原料の粒を相互に摩擦接触させて、粉砕化を促すものであるが、粉砕品を回転中心に集めて取り出すようにしているために、固形物原料の多様性や粉砕粒度の設定に十分に対応できるとは言いがたく、融通性に欠けるものであった。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、以下の目的を達成するものである。
(1)粉砕品の微細化および高品質化を図ること。
(2)固形物原料の種類にほとんど左右されることなく、効率よく微細化を行うこと。
(3)固形物が飲食品,工業原料などである場合や、植物性,動物性,鉱物性のいずれに対しても適用可能にすること。
(4)固形物原料の多様性や粉砕粒度の設定に対する融通性を高めること。
(5)コスト低減を図ること。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明における固形物の粉砕設備は、固形物原料が供給され相反する方向に回転させる回転羽根(14A,14B,14C,14D)を有するとともに該回転羽根の間に介在している固形物原料を相互摩擦により粉砕する粉砕機(B)と、
該粉砕機の内部に接続され、気体の吸引により粉砕品を回収する回収手段(D)と、
該回収手段に接続され、粉砕品以外の気体を分離して粉砕品を捕捉する捕捉手段(EA,EB)と、
前記粉砕機に接続され、固形物原料を供給する原料供給手段(C)と、
を有し、
前記粉砕機(B)に、粉砕品を駆動するための気体供給手段(I)が配されるとともに、
粉砕機(B)に、粉砕作業域(X)の温度上昇を抑制するための水冷ジャケット(11c)が配され、
粉砕作業および粉砕品の回収および捕捉に使用される各機器や手段が、大気圧よりも減圧雰囲気とする負圧プレナム部(3)に収容されており、
前記原料供給手段(C)には、予備破砕手段が接続されており、
予備破砕手段は、固形物原料を原料供給手段(C)に引き継ぐ前に所望粉砕粒度の1000倍以下まで予備破砕し、
前記粉砕機(B)は、前記予備破砕手段によって予備破砕された固形物原料が前記原料供給手段(C)を介して供給されると、予備破砕して供給された固形物原料を相反する方向に回転させられている回転羽根の間で受け入れて、予備破砕して供給された固形物原料を回転方向に移動させながら相互摩擦により粉砕し、該粉砕作業域に供給された気体により粉砕品を回転軸線方向に駆動するように構成されている。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る固形物の粉砕設備の第1実施形態を示している。
図中、符号Aは粉砕建屋、Bは粉砕機、Cは原料供給手段、Dは回収手段、EA,EBは捕捉手段、Fは制御手段、Gは粗破砕手段(予備破砕手段)、Hは給水手段、Iは窒素ガス供給系(気体供給手段)、Jは潤滑油供給系、Kは計量手段、Lは加振手段である。
【0008】
該第1実施形態では、粉砕建屋Aの内部に、粉砕機B,原料供給手段C,回収手段D,捕捉手段EA,EB,制御手段F,粗破砕手段G,計量手段K、加振手段Lが、周囲の環境から隔離された状態に設置されている。
【0009】
前記粉砕建屋Aは、図1に示すように、外側隔壁1および内側隔壁2からなる2重構造とされるとともに、外側隔壁1および内側隔壁2の間が負圧プレナム部3とされ、該負圧プレナム部3が負圧発生手段4に接続されて、粉砕作業時において、粉砕建屋Aの内部が周囲の環境よりも減圧された雰囲気となるように設定して、粉砕品が漏洩などによって外部に拡散しないように配慮されている。
また、粉砕建屋Aには、2重構造でかつ気密性を有する開閉扉5が、作業員の出入りや機器,原料および製品の搬出入のために設置されるとともに、室内の温度や湿度を調整するための空気調和設備6と、室内および負圧プレナム部3に入った異物や粉砕品などの塵埃を捕捉除去するための空気清浄機7と、粉砕機Bを収容して粉砕作業時に周囲から隔離して粉砕品などの飛散および拡散を抑制するための粉砕室8とが配される。
【0010】
前記粉砕機Bは、図2に示すように、粉砕作業域Xを形成するためのケーシング11と、該ケーシング11の内部に挿入され図示を省略した回転駆動源(電動機など)により相反する方向の回転力を伝達するとともに同一軸線上に配される回転駆動系12A,12Bと、該回転駆動系12A,12Bの回転伝達軸を支持するための軸受け部13と、該回転駆動系12A,12Bの先端に対向状態に配される対をなす回転羽根14A,14Bと、ケーシング11の中間に介在状態に配され対をなす回転羽根14A,14Bの間隙設定やケーシング11の内部のメンテナンスなどの便を図るための接続リング15と、ケーシング11などを支持するためのベッド16と、ケーシング11およびベッド16の間に介在して接続リング15の着脱のためにケーシング11をスライド移動させるためのスライダー17とを具備している。
【0011】
前記原料供給手段Cは、図1および図2に示すように、粗破砕手段G,計量手段Kおよびホッパ18に接続され、粉砕作業当初に作業場19に搬入した必要量の固形物原料を計量手段Kで計測してホッパ18に投入するとともに、回収手段Dによる引き取り量に見合った量を投入する定量供給機能や、ホッパ18の内部に被粉砕物が停滞する現象を抑制するための加振機能が付加される。
【0012】
前記回収手段Dは、粉砕機Bの内部から粉砕品を気体とともに吸引して、捕捉手段EA,EBに対しては加圧状態にして送り込む機能を有するものが適用され、かかる目的でブロアが適用されている。
【0013】
前記捕捉手段EA,EBは、回収手段Dの下流に、それぞれ開閉接続具Mを介在させた状態で接続されており、図1にあっては、2種類の形態が示されている。
捕捉手段EAは、バグフィルタのように設定メッシュ以上の粒度の粒体を捕捉して、ガス成分などを通過させる機能を有するもので、図1では袋状のものが適用されて、複数配されている。
捕捉手段EBは、バグフィルタ機能を有するもの以外に、同様のフィルタ機能を有して一時貯留しておく機能を有するものが適用され、必要に応じて貯留物を重量計測器Nに移送するものとされている。
【0014】
前記制御手段Fは、粉砕建屋Aの内部あるいは付属している機器、つまり、粉砕機B,原料供給手段C,回収手段D,捕捉手段EA,EB,粗破砕手段G,給水手段H,窒素ガス供給系I,潤滑油供給系J,計量手段K,加振手段L,重量計測器N,負圧発生手段4,空気調和設備6,空気清浄機7などを制御するものであり、以下に説明するように、必要に応じて機器(手段)の運転や切り替えなどの制御を行うものである。
【0015】
前記粗破砕手段(予備破砕手段)Gは、固形物原料を原料供給手段Cに引き継ぐ前に、所望粉砕粒度の1000倍以下まで予備破砕することにより、本粉砕作業の効率化を図る機能を有するものが適用される。
【0016】
前記ケーシング11には、図2に示すように、原料供給手段Cにホッパ18を経由して接続されて被粉砕材料(固形物)を供給するための供給口11aと、回収手段Dに接続されて破砕品を取り出すための取出し口11bと、冷却水を挿通させて内部(粉砕作業域X)の温度を調整するための水冷ジャケット11cと、該水冷ジャケット11cに配され給水手段Hに接続状態の給水口11dおよび排水口11eと、供給口11aの部分に傾斜状態に配されるとともに窒素ガス供給系Iに接続されて冷却ガス(例えば窒素ガス)を供給口11aの内部に噴出することにより被粉砕材料とともにを粉砕作業域Xに送り込むためのガス供給口11fと、接続リング15との接触部分の気密性保持と組付け性確保のための段部11gとが配される。
【0017】
前記回転駆動系12A,12Bは、回転羽根14A,14Bを相反する方向に回転させるものであり、供給口11aに近い方(以下上流)の回転羽根14Aと取出し口11bに近い方(以下下流)の回転羽根14Bとを同一の回転数とするか、あるいは下流の回転羽根14Bの回転数を、上流の回転羽根14Aの回転数よりも多くするように設定されている。
上述において、上流の回転羽根14Aの回転を下流の回転羽根14B以下とする理由は、投入直後である上流位置の被粉砕物の粒度が大きく、負荷が増大するためである。
【0018】
前記回転羽根14A,14Bは、粉砕作業域Xに介在している被粉砕物を相反する方向に回転させて攪拌しながら接触を促して摩擦粉砕させるものであり、図3に示すように、複数の羽根yを有するものが適用される。
該羽根yの形状(横断面形状)は、図4(a)〜(c)に示すように、正方形,平行四辺形,丸形などが適宜適用される。正方形や丸形は、回転接線方向に対して左右対称にし得るため、被粉砕物を左右均等に攪拌することになるが、図4(b)に示すように、傾斜面を有する場合には、被粉砕物を回転軸線方向に移動させる力が作用するために、特に負荷が大きくなる回転羽根14Aにあっては、粉砕作業域Xの方向に被粉砕物を移動させるように設定される。
これらのうち、回転羽根14Bの羽根yには、図示左方への粉砕品の送り込み性を高めるために、傾斜部sが配される。
【0019】
このような構成を有する固形物の粉砕設備における粉砕の概略を、図5に基づいて説明する。
【0020】
図5において、白抜きの矢印aに示すように、被粉砕物をホッパ18経由でケーシング11の内部に投入し、窒素ガス供給系Iと回収手段Dとを作動させると、窒素ガスの噴出力と破砕品などの吸引とにより、ケーシング11の内部には、全体として矢印bに示す方向の気体の流れが生じ、取出し口11bから排出されることになる。
【0021】
回転駆動系12A,12Bを作動させると、ケーシング11の内部に投入された被粉砕材料は、矢印d,eに示すように、相反するように回転駆動させられるため、回転羽根14A,14Bの羽根yの間に介在する被粉砕材料の一部が攪拌されて、矢印f〜iで示す方向にも移動させられる。
【0022】
回転羽根14A,14Bの間の粉砕作業域Xにおいては、被粉砕材料が全体として、矢印d,eのように相反する方向に移動させられるため、相互に接触して摩擦作用により粉砕されることになる。
【0023】
微粒子状に粉砕された粉砕品は、回転羽根14A,14Bの回転力や遠心力で飛ばされるとともに、次第に矢印bの方向に移送され、主として微粒子化されて軽くなり、かつケーシング11の上方に位置しているものが、矢印cに示すように取り出される。
【0024】
図6は、粉砕機Bの第2実施形態を示している。
該粉砕機Bは、船舶などを対象としている2重反転プロペラ機構における同軸2重反転技術の応用が可能である。
例えば、特開平11−291992号公報、特開平09−323698号公報、特開平09−301277号公報、特開平09−240591号公報、特開平09−066891号公報に開示されている技術を応用することが可能である。つまり、相反する回転方向に設定された回転駆動系12A,12B,12C,12Dにより、ケーシング11の粉砕作業域Xにおいて、回転羽根14A,14B,14C,14Dが、それぞれ矢印で示すように、回転させられる。
この場合、図2例と比較して、3倍の摩擦粉砕域を提供して効率が向上すると期待される。
【0025】
〔粉末茶の製造〕
図7のフローチャートは、お茶を粉砕して粉末状に加工する場合の実施形態を示している。
以下、フローチャートに基づいて、ステップ(工程)順に説明する。
【0026】
「S1」:製茶設備などにおいて、製茶された被粉砕物(煎茶など)を製造する。
「S2」:被粉砕物を図1に示した固形物の粉砕設備に搬入する。
「S3」:被粉砕物の粒度が大きい場合には、予備破砕を実行する。該予備破砕の目安は、最終的な粉砕粒度の例えば1000倍以下に設定する。
なお、予備破砕を行う施設にあっては、任意のものを使用することができる。
【0027】
「S4」:固形物の粉砕設備の運転を開始する。
「S5〜S7」:粉砕設備の運転開始により、図1の設備にあっては、軸受け部13などへの給油開始,水冷ジャケット11cへの給水開始,供給口11aから粉砕作業域Xへの窒素ガスの供給開始を行う。
【0028】
「S8」:必要に応じて予備破砕を行った被粉砕物をケーシング11に供給する。
「S9」:ケーシング11の内部に被粉砕物を供給したか否かを確認(または自動判別)し、「YES」である場合にはS10に移行し、「NO」である場合には、被粉砕物の供給を継続する。
「S10」:ケーシング11の内部に、冷却ガスと搬送ガスを兼用する窒素ガスを供給しているか否かを検出し、「YES」である場合にはS11に移行し、「NO」である場合には、窒素ガスの供給を行う。
【0029】
「S11」:粉砕機Bの準備が整った状態で、被粉砕材料(お茶)を相反する方向に回転させられている回転羽根14A,14Bの間に供給すると、被粉砕材料の相互摩擦により次第に粒度が小さくなる粉砕が行われる。粉砕品は、窒素ガスの流れに乗って次第に取出し口11bの方向に移送される。
「S12」: 被粉砕材料が所望の粒度まで粉砕されたか否かを判別し、「YES」である場合にはS13に移行し、「NO」である場合には、粉砕を継続する。
【0030】
「S13」:所望粒度まで達した粉砕品は、回収手段Dの作動により吸引される。
「S14」:吸引された粉砕品は、必要に応じて分級されるか、あるいは捕捉手段EAでガス分を通過させるなどの実質的分級により捕捉されて、捕捉手段EAに貯留される。
「S15」:所望粒度の粉砕品(粉砕茶)は、捕捉手段EAに貯留される。
「S16」:貯留量が必要量に達したか否かを判別し、「YES」である場合にはS17またはS18に移行し、「NO」である場合には、貯留を継続する。
【0031】
「S17」:捕捉手段EAに袋詰めされた粉砕品(粉砕茶)は、開閉接続具Mの切り替えにより、取り外されて設備外に搬出される。
「S18」:最初の捕捉手段EAが満杯状態に達した場合には、別の捕捉手段EAまたは捕捉手段EBへに切り替えられ、貯留が続行される。
このような工程で製造された粉砕品(粉砕茶)は、お茶としての全成分を含んでおり、そのまま飲用したり食品にまぜて飲食して、全成分を摂取することができる。
【0032】
〔粉末大豆の製造〕
図8のフローチャートは、大豆を粉砕して粉末大豆を製造する場合の実施形態を示している。
以下、フローチャートに基づいて、ステップ(工程)順に説明する。
なお、図7のフローチャートと共通する箇所については、説明を簡略化する。
「S21」:生の粒大豆が被粉砕材料として選定される。
「S22」:該被粉砕材料を粉砕設備に搬入する。
「S23」:被粉砕材料が粒大豆である場合には、必要に応じて脱皮処理が付加されて、皮の部分が除去される。皮付き大豆をそのまま粉砕する場合には、破線で示すように、この工程が省略される。
「S24」:皮を除去した被粉砕材料は、乾燥処理される。なお、この乾燥処理は、被粉砕材料の水分量が6〜12%の範囲内となるように設定される。
「S25」:乾燥状態の被粉砕材料は予備破砕されるが、S23の脱皮工程において、破砕が十分に行われている場合には、破線で示すように、予備破砕処理を省略することもできる。
「S26」:被粉砕材料を粉砕作業域Xに供給して、粉砕を行う。
「S27」:被粉砕材料が所望の粒度(実用的には60μm以下、例えば20〜40μm以下、望ましくは20μm未満)まで粉砕されたか否かを判別し、「YES」である場合にはS28に移行し、「NO」である場合には、粉砕を継続する。
「S28」:所望の粒度に達した粉砕品は、吸引により取り出される。
「S29」:吸引された粉砕品は、捕捉手段EAなどにより貯留される。
「S30」:貯留量が必要量に達した場合には、捕捉手段EAに袋詰めされるなどにより、取り外されて設備外に搬出される。
「S31」:このようにして粉末化された大豆(粉末大豆原料)は、図9に示すように、豆乳や豆腐の原料として使用される。
この粉末大豆原料は、大豆本来の全成分を含んでいる。(ただし脱皮処理をした場合には皮の成分が含まれない。)
【0033】
〔豆乳および豆腐の製造〕
図9のフローチャートは、粉末大豆原料を使用して、豆乳や豆腐を製造する場合の実施形態を示している。
以下、フローチャートに基づいて、ステップ(工程)順に説明する。
【0034】
〔豆乳の製造〕
「S31」:図8の工程により製造された粉末大豆原料は、豆乳製造現場や豆腐製造現場に搬入される。
「S32」:粉末大豆原料には、清水が付加される。
「S33」:粉末大豆原料と清水とは、攪拌,混合,混練される。
「S34」:混合物は、所望温度,所望時間煮沸処理される。
「S35」:不純物などは除去される。
「S36」:不純物を除去して豆乳が製造される。
「S37」:該豆乳は、皮の部分を除いて全大豆成分を含む豆乳および豆乳加工品として提供される。
【0035】
〔充填豆腐の製造〕
「S41」:S36で製造された豆乳を使用して冷却処理する。
「S42」:該豆乳には、「にがり」などの凝固剤が付加される。
「S43」:豆乳および凝固剤は、攪拌,混合,混練される。
「S44」:混合物は、そのまま所望の容器に充填される。
「S45」:容器に充填した混合物は加熱処理される。
「S46」:加熱後、自然放置などにより冷却処理される。
「S47」:充填豆腐が製造される。該充填豆腐は、皮の部分を除く全大豆成分を含むものであり、いわゆる「おから」成分も取り込んでおり、かつ、製造に際して「おから」などの廃棄部分の生産を伴うことがない。
【0036】
〔絹豆腐の製造〕
「S51」:S35の工程後、液状の煮沸物には、「にがり」などの凝固剤が付加される。
「S52」:煮沸物および凝固剤は、攪拌,混合,混練処理される。
「S53」:混合物は、凝固剤の添加と放熱により凝固状態となり、所望の大きさに裁断されて豆腐となる。
「S54」:裁断された豆腐は、所望のパックに詰められる(パッキングされる)。
「S55」:必要に応じて、搬送用などの包装が施される。
「S56」:絹豆腐製品として提供される。該絹豆腐にあっても、皮の部分を除く全大豆成分を含んで、「おから」成分も取り込んでおり、かつ、製造に際して「おから」などの余剰廃棄物の生産を伴うことがない。
【0037】
〔粉砕処理例〕
図10ないし図12は、粉砕用原料として燐酸メラミンを選定した場合の粉砕実験例を示している。
図10は、被粉砕材料(粉砕前の材料)として、工業材料である燐酸メラミンを予め破砕した状態のものの、粒度分布を示している。
該被粉砕材料は、平均粒度が42.8μm,粒度分布が最小0.5μm〜最大704μm(ただしこれより大きいものは測定外)の仕様である。
図11は、粉砕実験例1を示し、図10の被粉砕材料を図1に示した設備を利用して、回転羽根14A,14Bを相反する方向にそれぞれ回転数毎分6000rpmで回転させて粉砕処理し、かつブロアの吸引力を生かして粉砕作業域Xを強制的に減圧雰囲気にするように、ガス供給口11fを閉塞状態として粉砕を行ったものである。この実験に使用したケーシング11の内径は、φ250に設定した。なお、被粉砕材料をケーシング11に投入したものが、直ちに破砕されて回収されたため、粉砕時間は、数秒程度の短いものであった。
粉砕実験例1の実施結果、平均粒度が4.15μm,粒度分布が最小0.3μm〜最大50μm,全体の80%が粒度約8μm以下まで粉砕された破砕品が得られた。図12は、粉砕実験例2を示し、粉砕実験例1と同様の設備,回転数で粉砕処理した。ただし、ガス供給口11fを開放状態にして、この箇所から空気を吸引し、ブロアの吸引力と空気の供給とをほぼ平衡(平衡吸引)させるようにした。この場合も、被粉砕材料をケーシング11に投入したものが、直ちに破砕されて回収されたため、粉砕時間は、数秒程度の短いものである。
粉砕実験例2の実施結果、平均粒度が3.68μm,粒度分布が最小0.3μm〜最大40μm,全体の80%が粒度約7μm以下まで粉砕された破砕品が得られた。
【0038】
これらの比較をすると、破砕前に粒度分布が3桁以上であったものが、処理後には両方とも2桁程度に収まっており、図11および図12に示す破砕品とも、平均粒度付近の粒度分布が大きくなっているとともに、粉砕品の全体の80%が、ほぼ平均粒度の2倍以下の範囲に収まっており、また、平均粒度の10倍以上の粒度成分について着目すると、その含有量が3%以下に達しており、全体としてほぼ均一に粉砕されていることが明らかである。
粉砕実験例1と粉砕実験例2との比較では、後者が優れた結果を示した。
【0039】
〔他の実施の形態〕
本発明にあっては、以下の技術を包含している。
被粉砕材料が、固形物であり、固形物が飲食可能な乾燥品であるとともに、植物性乾燥品,動物性乾燥品のいずれか、あるいはこれらの組み合わせ品であること。
固形物は、鉱物性乾燥品あるいは植物性乾燥品,動物性乾燥品の組み合わせ品である場合も含まれる。
固形物が、飲食可能または添加される植物性乾燥品,動物性乾燥品である場合、茶葉,大豆,きのこ類,雑穀,玄米,麦,蕎麦,アイスクリーム用パウダー,野菜,果物,香辛料,イチョウなどの木の葉,ハーブ類,骨,貝殻,蟹や海老の甲羅,皮などに対しても適用される。
豆腐や豆乳を製造する際に、大豆以外の食品、例えば緑茶粉末を混合するなど、粉末食品の組み合わせを行う技術を採用すること。
固形物が、鉱物性乾燥品である場合、セラミックス,トナー材料,燃料電池用カーボン担体,塗料材料,金属材料,鉱石,木炭などに対しても適用される。
固形物の粉砕設備において、下流の回転羽根の回転数が、上流の回転羽根の回転数以上に設定されている技術,冷却ガスが窒素以外の不活性ガスである技術も必要に応じて付加される。
固形物の粉砕設備において、回転羽根が、同軸線上の2重軸により駆動される場合には、対をなす回転羽根が一つの回転軸に配される技術や、同軸線上に、固形物原料を相反する方向に回転させる3または4の回転羽根が配される技術を採用することができる。
【0040】
【発明の効果】
本発明に係わる固形物の粉砕設備によれば、以下の効果を奏する。
(1) 固形物原料を相反する方向に回転させられている回転羽根の間に供給しながら、相互摩擦により粉砕し、粉砕作業域に気体を供給して粉砕品を移動させながら取り出す技術の採用により、粉砕品の微細化および高品質化を容易に達成することができる。
(2) 粉砕作業域を窒素などの不活性ガス雰囲気にすることにより、粉砕品の変質を抑制し、固形物原料の種類にほとんど左右されることなく、効率よく微細化を行うことができる。
(3) 上記により、固形物が飲食品,工業原料などである場合や、植物性,動物性,鉱物性のいずれに対しても適用可することができる。
(4) 相反する回転羽根と挿通気体の流れを利用した一方向の被粉砕物の駆動により、固形物原料の多様性や粉砕粒度の設定に対する融通性を高めることができる。
(5) 固形物原料を回転羽根の間に供給する前に、所望粉砕粒度の1000倍以下まで予備破砕する技術の採用により、粉砕品製造効率を向上させ、コスト低減を図ることができる。
(6) 飲食可能な乾燥品である固形物に対して適用することにより、飲食物の全成分の摂取を可能にし、例えば茶殻やおからのような廃棄物を出すことなく、廃棄物の排出量を低減することができる。
(7) 平均粒度を10μm未満まで粉砕し、かつ破砕品について、全体の80%が平均粒度の2倍以下に抑制する粉砕が可能となり、均質な粉砕品を提供することができる。
(8) 上記により、動物および植物食品においては、細胞レベルよりも細かくする粉砕が可能になり、摂取時の吸収率を向上させ得るものと期待される。
(9) 固形物の粉砕設備について、負圧プレナム部の設置などの配慮をすることにより、粉砕作業設備周囲の環境への影響を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる固形物の粉砕設備の第1実施形態を示す平面図である。
【図2】 図1における粉砕機の第1実施形態を示す正断面図である。
【図3】 図2における回転羽根を示し、(a)は側断面図、(b)はそのZ−Z線矢視図である。
【図4】 図3における回転羽根の横断面図である。
【図5】 図1における粉砕機内部の粉砕状態を示す模式図である。
【図6】 図1における粉砕機の第2実施形態を示す正断面図である。
【図7】 粉末茶を製造する場合の一実施形態を示すフローチャートである。
【図8】 粉末大豆を製造する場合の一実施形態を示すフローチャートである。
【図9】 粉末大豆原料によって豆乳や豆腐を製造する場合の一実施形態を示すフローチャートである。
【図10】 粉砕前の燐酸メラミンの粒度分布図である。
【図11】 図10の原料を本発明の粉砕技術によって回転数毎分2550rpmで粉砕処理した場合の粒度分布図である。
【図12】 図10の原料を本発明の粉砕技術によって回転数毎分2700rpmで粉砕処理した場合の粒度分布図である。
【符号の説明】
A…粉砕建屋、B…粉砕機、C…原料供給手段、D…回収手段、EA,EB…捕捉手段、F…制御手段、G…粗破砕手段(予備破砕手段)、H…給水手段、I…窒素ガス供給系(気体供給手段)、J…潤滑油供給系、K…計量手段、L…加振手段、M…開閉接続具、N…重量計測器、X…粉砕作業域、1…外側隔壁、2…内側隔壁、3…負圧プレナム部、4…負圧発生手段、5…開閉扉、6…空気調和設備、7…空気清浄機、8…粉砕室、11…ケーシング、11a…供給口、11b…取出し口、11c…水冷ジャケット、11d…給水口、11e…排水口、11f…ガス供給口、11g…段部、12A,12B…回転駆動系、13…軸受け部、14A,14B,14C,14D…回転羽根、y…羽根、15…接続リング、16…ベッド、17…スライダー、18…ホッパ、19…作業場。
Claims (1)
- 固形物原料が供給され相反する方向に回転させる回転羽根(14A,14B,14C,14D)を有するとともに該回転羽根の間に介在している固形物原料を相互摩擦により粉砕する粉砕機(B)と、
該粉砕機の内部に接続され、気体の吸引により粉砕品を回収する回収手段(D)と、
該回収手段に接続され、粉砕品以外の気体を分離して粉砕品を捕捉する捕捉手段(EA,EB)と、
前記粉砕機に接続され、固形物原料を供給する原料供給手段(C)と、
を有し、
前記粉砕機(B)に、粉砕品を駆動するための気体供給手段(I)が配されるとともに、
粉砕機(B)に、粉砕作業域(X)の温度上昇を抑制するための水冷ジャケット(11c)が配され、
粉砕作業および粉砕品の回収および捕捉に使用される各機器や手段が、大気圧よりも減圧雰囲気とする負圧プレナム部(3)に収容されており、
前記原料供給手段(C)には、予備破砕手段が接続されており、
予備破砕手段は、固形物原料を原料供給手段(C)に引き継ぐ前に所望粉砕粒度の1000倍以下まで予備破砕し、
前記粉砕機(B)は、前記予備破砕手段によって予備破砕された固形物原料が前記原料供給手段(C)を介して供給されると、予備破砕して供給された固形物原料を相反する方向に回転させられている回転羽根の間で受け入れて、予備破砕して供給された固形物原料を回転方向に移動させながら相互摩擦により粉砕し、該粉砕作業域に供給された気体により粉砕品を回転軸線方向に駆動するように構成されている固形物の粉砕設備。
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