JP4241399B2 - 水田作業車 - Google Patents

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本発明は、走行機体に対して昇降自在に対地作業装置を連結し、対地作業装置から斜め後方下方に、かつ、取り付け点を支点周りに上下に姿勢変更可能に支持アームを延出し、支持アームの後部の横軸芯周りに、接地フロートの後部を上下揺動自在に支持してある水田作業車に関する。
従来、この種の水田作業車では、走行作業中の接地フロートは略水平状態を基準状態として揺動するが、作業中の田面の状況によっては、一時的に接地フロートが不適切な位置にまで過剰に揺動してしまう場合があった。この問題に対して、特許文献1で開示されているように、接地フロートと対地作業装置との間に連係規制部材(特許文献1の図2の10)を別途構成して接地フロートの揺動範囲を規制したものがある。
特開平8−27号公報(図2の10)
上述のような水田作業車では、対地作業装置の走行機体に対する位置が作業状態に応じて上下に変更操作されると、対地作業装置と接地フロートとの上下位置が変化することになる。ところが、上記特許文献1のような構成であると、接地フロートの揺動範囲の規制下限位置が変化することになり、接地フロートの基準状態である略水平状態から揺動下限位置までの揺動可能幅が、対地作業装置と接地フロートの上下位置の変化により増減してしまい、安定した水田作業の支障となる場合がある。
そこで、本発明は上記事情に鑑み、作業状態に応じて対地作業装置に対する接地フロートの上下位置が変更されても、接地フロートの揺動下限位置の変化が抑えられる水田作業車を構成すること目的としている。
[I]
(構成)
本発明の第1特徴は、走行機体に対して昇降自在に対地作業装置を連結し、対地作業装置から斜め後方下方に、かつ、取り付け点を支点周りに上下に姿勢変更可能に支持アームを延出し、支持アームの後部の横軸芯周りに、接地フロートの後部を上下揺動自在に支持してある水田作業車において次のように構成することにある。
対地作業装置の固定部または接地フロートの後端部のうちの一方に側面視で高さが異なる突部を設け、対地作業装置の固定部または接地フロートの後端部のうちの他方に当接部を設けて、接地フロートの下方への揺動により、突部と当接部が当接することによって、接地フロートの揺動下限が決められるように構成し、支持アームの姿勢を上下に変更することにより、当接部が突部の異なる部分に当接することによって、接地フロートの揺動下限の変化が抑えられるように、突部を構成してある。
(作用)
対地作業装置から斜め後方下方に、かつ、取り付け点を支点周りに上下に姿勢変更可能に支持アームを延出し、支持アームの後部の横軸芯周りに、接地フロートの後部を上下揺動自在に支持して、対地作業装置の固定部または接地フロートの後端部のうちの一方に側面視で高さが異なる突部を設け、対地作業装置の固定部または接地フロートの後端部のうちの他方に当接部を設けてある。
したがって、基準状態(略水平状態)にある接地フロートが田面の変化により下方へ揺動すれば、接地フロートの後端部は、支持アームの後部の横軸芯周りに上方に揺動し、当接部が突部の当接箇所と当接する。当接したときの接地フロートの揺動位置が、接地フロートの揺動下限となる。揺動限界がこのように決定されるので、接地フロートが基準状態にあるときの、当接部と突部の当接箇所との距離によって、接地フロートの揺動下限が決定されることになる。
支持アームの姿勢を上下に変更すると、接地フロートを支持している横軸芯は、支持アームの取り付け点を中心に支持アームを回転半径として回転移動する。このとき、横軸芯は前向き下方或いは後ろ向き上方へ移動することになる。したがって、支持アームの姿勢を上下に変更すると、横軸芯は上下方向の移動とともに、前後方向の移動も伴う。
接地フロートの横軸芯の上下方向の移動により、接地フロートの後端部と対地作業装置の固定部との距離が増減する。一方、接地フロートの横軸芯の前後方向の移動により、接地フロートの後端部の側面視における揺動軌跡も前後方向に移動し、接地フロートの後端部が有する突部(或いは当接部)と対地作業装置の固定部が有する当接部(或いは突部)とが当接する当接箇所は、突部において前後方向に変更される。突部は前後方向に高さが異なる構成であるから、当接部が突部に当接する当接箇所が前後方向に変更されれば、突部の高さが異なる箇所で当接部が当接する。
以上のように、支持アームの姿勢を上下に変更すると、横軸芯が上下方向に移動するとともに、突部における当接箇所も同様に上下方向に移動する。したがって、前述のような構成であれば、基準状態(略水平状態)にある接地フロートにおいて横軸芯と突部の当接箇所(或いは当接部)とを結ぶ仮想線と、揺動下限状態(突部が当接部と当接した状態)にある接地フロートにおいて横軸芯と突部の当接箇所(或いは当接部)とを結ぶ仮想線とがなす角は、支持アームの姿勢を上下に変更しても、略一定となる。接地フロートの下方への揺動範囲は前述の2本の仮想線がなす角で表せるので、接地フロートの下方への揺動限界がほぼ一定に維持できることになり、揺動下限の変化は抑えられることになる。
(効果)
本発明の第1特徴によると、支持アームの姿勢を上下に変更しても揺動下限の変化を抑えることができるので、作業状況が変化して支持アームが上下に姿勢変化しても、接地フロートの揺動は略一定の位置で制限でき、接地フロートの下方への過剰な揺動は生じず、水田作業の安定性が向上する。
[II]
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴において次のように構成することにある。
突部を側面視で階段状に構成してある。
(作用)
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
突部を側面視で階段状に構成してあるので、当接部は突部が有する略水平の面上で当接することになる。したがって、当接部と突部の当接箇所における接触面積がある程度確保できるので、当接部と突部の平面部分との当接箇所では、安定した当接状態が現出し、接地フロートの揺動下限位置が確実に決定される。
また、当接部と突部の当接箇所における単位面積当たりの接触圧は接触面積の大きさに反比例するので、接触面積が大きくなることで突部と当接部の当接箇所の損傷や磨耗の程度が低減される。さらに、段階的に設定された突部の高さ変化により、接地フロートの揺動下限は段階的に変化することになるので、支持アームの上下姿勢変化による設置フロートの揺動下限の変化をある程度まで制限できる。
(効果)
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前述の本発明の第1特徴の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第2特徴によると、安定した当接状態が現出し、接地フロートの揺動下限位置が確実に決定されるので、水田作業の安定性が増す。また、突部と当接部の当接箇所の損傷や磨耗の程度が低減されるので、水田作業車の耐久性が向上する。さらに、支持アームの上下姿勢変化による設置フロートの揺動下限の変化をある程度まで制限できるので、水田作業の安定性が精度良く向上する。
[III]
(構成)
本発明の第3特徴は、本発明の第1特徴において次のように構成することにある。
突部を側面視で斜めの傾斜面状に構成してある。
(作用)
本発明の第3特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
突部を側面視で斜めの傾斜面状に構成してあるので、当接部は突部が有する傾斜面上で当接することになり、当接箇所は連続的に移動可能である。したがって、支持アームの姿勢が上下に変更されて任意の姿勢に設定されても、当接部と突部は突部の傾斜面上の任意の箇所において当接できる。すなわち、支持アームの夫々の上下位置に対応して突部の異なる高さで当接することができるので、支持アームの姿勢変化による接地フロートの揺動下限の変化を精度良く抑制できる。
(効果)
本発明の第3特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前述の本発明の第1特徴の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第3特徴によると、支持アームの姿勢変化による接地フロートの揺動下限の変化を精度良く抑制できるので、水田作業の安定性が一層精度よく向上する。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。水田作業車の一例として乗用型田植機を図1及び図2に示す。この田植機は乗用型走行機体の後部にリンク機構1を介して苗植付装置2(本発明の対地作業装置に相当)を油圧シリンダー31によって昇降自在に並びに前後軸芯周りでローリング自在に連結して構成してある。苗植付装置2は、一定ストロークで往復横移動する苗載台3、この苗載台3の下端部から一株ずつ植付け苗を取り出して圃場に植えつける4対8個の植付爪4a、1個の略T字形のセンターフロート11、このセンターフロート11の両側にぞれぞれ位置する一対の逆U字形のサイドフロート12(本発明の接地フロートに相当)等を備えており、走行機体の前後車輪7,8が耕盤上を走行しながら苗植付装置2により田面Tに4条ずつ苗を植えつけることができるようにしてある。
苗植付装置2における植付伝動ケース5(本発明の固定部に相当)と各フロート11,12の周りの構成について説明すると、植付伝動ケース5にフロート11,12の後部を枢支連結して、各フロート11,12を後ろ中心に上下揺動自在に構成し、2個のサイドフロート12に対応する左右一対の植付伝動ケース5がメインフレーム10に連結してある。メインフレーム10の左右端部には、ブラケット6を介して左右一対の苗載台サポート9の基端部を各別に固定してある。
図3に各フロート11,12及び左右の植付伝動ケース5の配置構成を示してある。また、図4には苗植付装置2における植付伝動ケース5と左側のサイドフロート12の周辺の構成を示してある。変速機構を内装するフィードケース13がリンク機構1の後部の下方に接続されており、フィードケース13の下方で左右に延設された角パイプ製のメインフレーム10に植付伝動ケース5の前端部が左右2箇所で連結されている。植付伝動ケース5は植付回転ケース4bを駆動する駆動機構を内装し、植付伝動ケースカバーによってカバーされている。植付伝動ケースの後端の下方側には当接部30が下方に向けて突設されており、サイドフロート12が下方へ揺動したときにサイドフロート12の後端部に設けた後述する突部28と当接するように構成されている。
左右の植付伝動ケース5の前端部の下方には、メインフレーム10と平行して丸パイプ製のフロート支持軸14(本発明の取り付け点に相当)が架設されている。フロート支持軸14は、メインフレーム10の左右端面にあるブラケット6にボルト固定された板材からなる左右のロッド支持ブラケット15に亘って回動自在に挿通されている。フロート支持軸14の中央および左右箇所から2本ずつ合計6本のフロート支持アーム16が後向き片持ち状に延出され、その延出端にセンターフロート11及びサイドフロート12が連結金具17,18を介してそれぞれ横軸芯P周りに上下揺動自在に連結支持されている。
センターフロート11,サイドフロート12はブロー成形によって形成されたものであり、各フロート11,12の連結金具18に頭付き連結ピン24を介して連結されるフロート支持アーム16は下向きコの字状の板金プレス構造に構成されている。サイドフロート12には前部を引き上げ方向に揺動付勢するねじりバネ25が、一端をフロート支持アーム16の上面に係止された状態で頭付き連結ピン24に外嵌装着されている。
左右一対のサイドフロート12の形状及び揺動について左側のサイドフロート12で説明する。図3に示すように、サイドフロート12は前頭部12Fの左右後方に外側接地部12a,内側接地部12bを配した構造となっており、合成樹脂材料で平面視で略U字の形状に一体成形されている。各外側接地部12a,内側接地部12bの天面には前述の連結金具18が設けられ、両連結金具18を介してフロート支持アーム16に上下揺動自在に連結されている。
図4に示すように、内側接地部12bの後端左側は側面視で下向きの略円弧状に窪み27を設けてあり、植付爪4aを回転動作させる植付回転ケース4bと接触しないように構成されている。内側接地部12bの後端右側には、内側接地部12bの天面より上方に突出した突部28が、後端に至るほど次第に高さが高くなるように一体形成されている。サイドフロート12は田面Tの変化により横軸芯P周りに上下に揺動するが、横軸芯P周りにサイドフロート12の前方が下方に揺動すると、サイドフロート12の後端部の突部28がその傾斜面の何れかの箇所でサイドフロート12の上部にある植付伝動ケース5の後方下部の当接部30に当接して、サイドフロート12の下方への揺動が規制される。
左右のサイドフロート12の中間位置にあるセンターフロート11は、前後向き姿勢のフロート本体11Mの前部に左側に突出する左整地部11Lと右側に突出する右整地部11Rとを一体形成した構造を有し、合成樹脂材料で平面視略T字の形状に一体成形されている。センターフロート11の天面には前述の連結金具17が設けられ、連結金具17を介して2本のフロート支持アーム16に上下揺動自在に連結されている。
センターフロート11,サイドフロート12の高さを変更することで、植付深さを変更調節することができるようになっている。つまり、図3に示すようにフロート支持軸14にはブラケット29を介して機体側に向けて延出された植付深さ調節レバー26が備えられており、この植付深さ調節レバー26を上下に揺動してフロート支持軸14を回動させると、フロート支持アーム16が上下揺動してセンターフロート11及び左右のサイドフロート12の共通の横軸芯Pの高さを変更することができる。横軸芯Pの高さを変更することで、田面Tに対する苗植付装置2の高さが変更されて苗植付深さが変更調節される。
前述の構成においては、苗植付深さが変更調節された場合、サイドフロート12の下方への揺動限界の変化が抑えられることになる。以下に、具体的な操作に基づいて説明する。植付深さ調節レバー26を上下に揺動操作して植付深さを変更するべくサイドフロート12の高さを変更調節した場合、サイドフロート12はフロート支持軸14周りにフロート支持アーム16を介して回転操作されるので、田面T及びサイドフロート12に対する植付伝動ケース5の高さが変更されると同時に、サイドフロート12に対する植付伝動ケース5の相対前後位置も変化する。
例えば、図4の状態から、植付深さ調節レバー26を上方に揺動操作して植付深さが浅くなるようにサイドフロート12の高さを図5の状態に変更調節した場合、植付伝動ケース5とサイドフロート12の上下距離は拡大し、同時に植付伝動ケース5と横軸芯P及びサイドフロート12との前後位置も変更され、植付伝動ケース5から見ると、横軸芯P及びサイドフロート12は前方に移動する。
したがって、サイドフロート12の前方が横軸芯P周りに下方に揺動して突部28が当接部30に当接する当接箇所は突部28において後方側に移動することになる。突部28はサイドフロート12の後端に至るほど次第に高さが高くなるように一体形成された傾斜を有しているので、当接部30との当接箇所が後方に移動すれば、突部28の傾斜面において後端寄りの高い箇所で当接する。このとき、突部28における当接箇所が突部28上で後上方に移動することになるので、サイドフロート12の高さを、図4に示す高さから図5に示す高さに植付深さ調節レバー26により変更調節された場合に、基準状態(略水平状態)にあるサイドフロート12の横軸芯P周りの下方への揺動範囲の増加を抑えることができる。
センターフロート11は苗植付装置2を昇降させて田面Tに追従させるための接地センサとしての機能を有している。つまり、図6に示すように、センターフロート11の前部には、連結金具32を介してセンサリンク33がピン連結されて上方に延出されており、このセンサリンク33の上端屈曲部33aに、センサワイヤ34におけるアウタワイヤ34aの後側のフロート側端部金具34cが連結支持されるとともに、このフロート側端部金具34cから下方に向けて導出されたインナワイヤ34bが、連係アーム36を介してフロート支持軸14に連係連結された支持アーム37の前端ピン37aに連結されている。ここで、前端ピン37aはセンサリンク33に形成した長孔38に挿通され、センサリンク33が起立姿勢に保持されている。そして、センサワイヤ34は機体側に延出されて、油圧シリンダー31の作動を司る制御バルブ39に連動連結されている。
上記構成においては、苗植付装置2が田面Tに対して所定の高さに至ると、センターフロート11の横軸芯P周りの揺動姿勢が基準状態にあり、この時、機体側の制御バルブ39は中立位置にある。そして、走行機体の沈下に伴って苗植付装置2が沈下しかかると、センターフロート11が横軸芯P周りに上方に揺動して、センサリンク33が上方に変位してアウタワイヤ34aのフロート側端部金具34cが支持アーム37の前端ピン37aから離間変位し、相対的にインナワイヤ34bがフロート側端部金具34cから引き出し変位される。機体側では、インナワイヤ34bが後方に引き出し変位されることで制御バルブ39が上昇位置に切り換えられて苗植付装置2が駆動上昇され、センターフロート11が元の基準状態に復帰するまで上昇制御がなされる。
逆に、苗植付装置2が浮上しかかると、センターフロート11が横軸芯P周りに下方に揺動し、センサリンク33が下方に変位してアウタワイヤ34aのフロート側端部金具34cが支持アーム37の前端ピン37aに接近変位し、相対的にインナワイヤ34bが弛められる。機体側の制御バルブ39は、後述する感度調節機構40の付勢バネ42によって予め下降方向に付勢されており、上記のようにインナワイヤ34bが弛められることで、制御バルブ39が下降位置に切り換えられて、苗植付装置2が自重によって下降作動し、センターフロート11が元の基準状態に復帰するまで下降制御がなされるのである。
ここで、センサワイヤ34におけるインナワイヤ34bの端部を前端ピン37aで固定支持する支持アーム37は、メインフレーム10の下部で、支点Qを中心に上下揺動可能に支持されるとともに、その後端部が、フロート支持軸14から前方に延出された連係アーム36に係合連動されており、植付深さ調節レバー26によってフロート支持軸14が回動操作されてセンターフロート11の横軸芯Pが上方または下方に変位調節されると、これに連動して支持アーム37の前端ピン37aも同方向に略同量だけ変位するようになっている。つまり、植付け深さの調節にかかわらず制御中立時におけるセンターフロート11の基準姿勢が一定になるよう構成されている。
前述のような昇降制御方式においては、制御中立時のセンターフロート11の基準姿勢におけるセンターフロート11の底面と田面Tとの接触面積の大きさが田面Tの変化に対するセンターフロート11の揺動感度を決定するので、基準姿勢を設定調節することで、昇降制御の感度調節が可能である。作業状況に応じた昇降制御感度を実現すべく、制御バルブ39とセンサリンク33とを連係しているセンサワイヤ34の途中にセンターフロート11の基準姿勢を調節設定する感度調節機構40が設けてある。以下に感度調節機構40について説明する。
図6及び図7に示すように、感度調節機構40は運転座席の右手下側でリンク機構1の前端上方に配備されている。走行作業中でも作業者によって操作可能な位置に、感度調節レバー41がレバー揺動軸芯41a周りに揺動自在に設けてある。感度調節レバー41は係止ブラケット35と係止ピン35aとが係合して位置保持可能に構成してある。リンク機構1のトップリンクの機体側端部にはワイヤガイド支持ブラケット46が固設されている。ワイヤガイド支持ブラケット46が有する長穴に、ワイヤガイド板43がスライド自在に貫通支持されており、感度調節レバー41の操作により連結ピン43bを介して前後スライド可能に構成されている。ワイヤガイド板43後端側の屈曲端部43aにはアウタワイヤ34aのブラケット側端部34dが固定連結されており、ワイヤガイド板43の屈曲端部43aと反対側の端部には、付勢バネ42が係設されている。付勢バネ42の他端は揺動ブラケット44に立設された入力ピン44aと連結されている。
揺動ブラケット44はリンク機構1のトップリンクの走行機体側端部の連結揺動軸芯において支点R周りに揺動自在に設けられており、揺動ブラケット44には支点Rに関して入力ピン44aの反対側の位置に出力ピン44bが設けてある。出力ピン44bを介して揺動ブラケット44に連動連結された制御バルブ操作ロッド45により、制御バルブ39が切換操作される。一方、センサワイヤ34のインナワイヤ34bはワイヤガイド板43の屈曲端部43aより機体前方箇所において、融通バネ47と連結されており、融通バネ47を介して入力ピン44aに接続されている。
上記の構成においては、感度調節レバー41を揺動操作するとワイヤガイド板43とともに、ワイヤガイド板43とブラケット側端部34dで連結されたセンサワイヤ34のアウタワイヤ34aをインナワイヤ34bに対して相対移動させることができる。この時、センサワイヤ34におけるアウタワイヤ34aがワイヤガイド板43の屈曲端部43aにおいて固定連結されており、ワイヤガイド板43はセンサワイヤ34の配索方向と略同一の方向にスライド操作されるので、感度調節機構40付近のアウタワイヤ34aはワイヤガイド板43と略同一の方向で安定して相対移動する。
以上のような構成において、昇降制御の感度調節機構40における作用を以下に説明する。上記の構成によると、入力ピン44aにおいてアウタワイヤ34aとインナワイヤ34bとが付勢バネ42を介して付勢連結されていることになり、アウタワイヤ34aは押し出し方向、つまり、センサリンク33を介してセンターフロート11の前方部を田面Tからの押上力に抗して下方へ押し付ける向きに付勢されている。
感度調節レバー41を後方側へ揺動操作すると、前述のようにワイヤガイド板43が前方にスライド操作されて、センターフロート11の姿勢が下向きから上方向きの姿勢変化をするが、この姿勢変化の方向に応じて、田面Tからの押上力に抗した下方への付勢力が増大することになる。要するに、センターフロート11が上向き姿勢であれば強い付勢力を、下向き付勢であれば弱い付勢力を得ることになる。基準状態では、センターフロート11が付勢バネ42により田面Tに対して下方に押し付け付勢された状態で田面Tからの押上力と平衡しており、制御バルブ39が中立位置にある。このように、センターフロート11の基準状態の設定姿勢に応じて、田面Tに対する押し付け付勢力は変化することになる。
感度調節レバー41を、例えば後方に揺動操作すると、感度調節機構40付近ではワイヤガイド板43とともに、アウタワイヤ34aが前方に移動し付勢バネ42の付勢力が強まる。一方、センターフロート11側では、アウタワイヤ34aがセンターフロート11の前方部に設けたセンサリンク33と共に上方に移動するので、センターフロート11は前上がり姿勢になるとともに、付勢バネ42によるアウタワイヤ34a,センサリンク33を介してセンターフロート11の前方を田面Tへ押し付け付勢する力が強くなる。センターフロート11が前上がり姿勢であると、田面Tとの接触面積は小さくなり、センターフロート11の揺動は田面Tの変化に対して鈍感になるとともに、田面に対して押し付け付勢が強くなるので、田面の変化を受けにくい鈍感状態になる。
感度調節レバー41を反対側(前方)に操作すると、センターフロート11は前下がり姿勢になるとともに、付勢バネ42によるアウタワイヤ34a,センサリンク33を介してセンターフロート11の前方を田面Tへ押し付け付勢する力が弱くなる。センターフロート11が前下がり姿勢であると、田面Tとの接触面積は大きくなり、センターフロート11の揺動は田面Tの変化に対して敏感になるとともに、田面に対して押し付け付勢が弱くなるので、田面の変化を受け易い敏感状態になる。
このように、感度調節レバー41を前後に操作した時、センサワイヤ34のインナワイヤ34bはアウタワイヤ34aとの相対位置は変化するが、インナワイヤ34bの両端に位置する前端ピン37aと融通バネ47とに注目すると、その相対位置に変化はない。したがって、揺動ブラケット44は揺動せず、制御バルブ39は操作されないので、制御バルブ39は中立位置を維持できる。以上のように、感度調節機構40により、中立状態でのセンターフロート11の基準姿勢を変更設定して、昇降制御感度を変更設定することができる。
〔発明の実施の別形態〕前項で記述した〔発明を実施するための最良の形態〕におけるセンターフロート11の後端形状は、後端に至るほど次第に高さが高くなるような斜面により突部28が形成されているが、図8に示すように、複数の段部28aにより階段状の形状で形成してもよい。また、突部28を植付伝動ケース5に、当接部30をサイドフロート12の後端に構成してもよい。この場合、突部の形状は前方側から後方側にかけて突出量が小さくなるように構成すればよい。〔発明を実施するための最良の形態〕におけるセンターフロート11及びサイドフローと12の形状は図9,図10,図11に示すものでもよい。以下にそれぞれの形状について説明する。
(1)図9に示すセンターフロート11において、左右に張り出した部分である左整地部11L及び右整地部11Rは、それぞれの外側部分に段部11Gを有している。段部11Gの前端前後位置L1は、センターフロート11の左右両側後方に配置されているサイドフロート12の先端前後位置L2よりも前方に位置しており、段部11Gとサイドフロート12の内側接地部12bとの間隔が広くなるように構成されている。段部11Gの後端にはセンターフロート11の裏面側に作溝器48が設けられており、走行機体が苗植付装置2を牽引すると田面Tに施肥用の溝がつくり出され、苗植付作業時に施肥作業も行えるようになっている。より効率的な肥料効果を得るために、一般に施肥用の溝は植付爪4aによる苗の植付箇所に左右方向で近接させているため、施肥用の溝へ周辺の泥水が流れ込むことによって、既植苗が倒されるおそれがある。前述のようなセンターフロート11の構造によれば、機体の前進によってセンターフロート11とサイドフロート12の間に流れ込む泥水は、センターフロート11の前端前後位置L1から段部11G横側を経て施肥用の溝に段階的に流れ込むことになる。したがって、段部11Gを有しない場合に比べると、センターフロート11の左右両脇の苗植付位置G周辺への泥水の流れ込み速度が緩和され、施肥用の溝への泥水の流れ込みにより既植苗が倒れるというおそれが低減する。
(2)図10に示すセンターフロート11において、左右に張り出した部分である左整地部11L及び右整地部11Rは、それぞれの外側部分に張り出しガード部11Wを有している。張り出しガード部11Wは平面視で植付前後位置L3の後方まで延出しており、張り出しガード部11Wより内側、すなわち苗植付位置G周辺に泥水が流れ込まないように構成してある。田面Tに一時的に形成される植付爪4aの痕跡により植付直後の苗は不安定な状態であるが、前述のようなセンターフロート11の構造によれば、張り出しガード部11Wの後端が植付前後位置L3を通過するまでは張り出しガード部11Wにより植付直後の既植苗は保護され、この期間に植付位置の植付爪4aによる痕跡はなくなり、既植苗の植付状態が安定する。張り出しガード部11Wの後端が通過後は張り出しガード部11Wとサイドフロート12の間から張り出しガード部11W後方に向けての泥水の流れ込みはあるが、張り出しガード部11Wがサイドフロート12側に寄った位置、すなわち苗植付位置Gから離れた位置に構成されているので、流れ込む泥水は、苗植付位置G周辺には影響を及ぼしにくい。したがって、張り出しガード部11Wを有しない場合に比べると、センターフロート11の左右両脇の苗植付位置G周辺への泥水の流れ込み量が減少し、泥水の流れ込みにより既植苗が倒れるというおそれが低減する。
(3)図11に示すサイドフロート12において、内側接地部12bの外側面が、サイドフロート12の中心側に寄るように屈曲した形状をしている。このような形状にすることで、センターフロート11の右整地部11R(或いは左整地部11L)とサイドフロート12の前頭部12Fとの間を抜けた泥水は、センターフロート11の後部と内側接地部12bとで区切られる広い領域に流れ込むので、泥水は広い範囲に分散することになり、特定箇所に対する泥水の流れ込みの影響が低下する。したがって、サイドフロート12が前頭部12Fから内側接地部12bにかけて直線的に構成された場合に比べると、センターフロート11の左右両脇の苗植付位置G周辺への泥水の流れ込み量が減少し、泥水の流れ込みにより既植苗が倒れるというおそれが低減する。
乗用型田植機の全体側面図 乗用型田植機の全体平面図 各フロートの取り付け構造を示す平面図 苗植付深さを深く設定した場合のサイドフロート周辺の構造を示す縦断側面図 苗植付深さを浅く設定した場合のサイドフロート周辺の構造を示す縦断側面図 センターフロートと接地センサの感度調節機構との連係状態を示す縦断側面図 感度調整機構の縦断平面図 発明の実施の別形態におけるサイドフロートの後端形状を示す側面図 発明の実施の別形態(1)におけるセンターフロートの構造を示す平面図 発明の実施の別形態(2)におけるセンターフロートの構造を示す平面図 発明の実施の別形態(3)におけるサイドフロートの構造を示す平面図
符号の説明
P 横軸芯
2 対地作業装置
5 固定部
12 接地フロート
14 取り付け点
16 支持アーム
28 突部
30 当接部

Claims (3)

  1. 走行機体に対して昇降自在に対地作業装置を連結し、前記対地作業装置から斜め後方下方に、かつ、取り付け点を支点周りに上下に姿勢変更可能に支持アームを延出し、前記支持アームの後部の横軸芯周りに、接地フロートの後部を上下揺動自在に支持してある水田作業車であって、
    前記対地作業装置の固定部または前記接地フロートの後端部のうちの一方に側面視で高さが異なる突部を設け、前記対地作業装置の固定部または前記接地フロートの後端部のうちの他方に当接部を設けて、
    前記接地フロートの下方への揺動により、前記突部と当接部が当接することによって、前記接地フロートの揺動下限が決められるように構成し、
    前記支持アームの姿勢を上下に変更することにより、前記当接部が突部の異なる部分に当接することによって、前記接地フロートの揺動下限の変化が抑えられるように、前記突部を構成してある水田作業車。
  2. 前記突部を側面視で階段状に構成してある請求項1記載の水田作業車。
  3. 前記突部を側面視で斜めの傾斜面状に構成してある請求項1記載の水田作業車。
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