JP4240948B2 - ポリアミド樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はポリアミド樹脂組成物の製造方法に関する。より詳しくは、ポリアミド中にカーボンナノチューブが凝集することなく分散し、フィルムや繊維に加工することが可能なポリアミド樹脂組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリアミド樹脂は一般的に、それ自身の導電性が低いため、導電性の高い導電性フィラーなどを配合することによって、導電性を付与する検討が行われている。導電性フィラーとしては、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、金属繊維、金属粉末などが用いられている。
【0003】
しかしながら、上記の導電性フィラーを用いた場合は優れた導電性を発現させるためには添加量を多くする必要があり、本来のポリアミド樹脂が有する機械的強度や成形加工性を損なうという課題があった。
【0004】
そこで、特開平3−74465号公報には、フィブリルの直径が3.5〜70nmの極細炭素フィブリルが互いに絡み合った凝集体を樹脂中に含有させた導電性に優れたポリアミド樹脂組成物が検討されており、前記の導電性フィラーを用いた場合より少ない添加量で高い導電性を示すことが開示されている。しかしながら、極細炭素フィブリルを互いに絡み合った凝集体の状態で分散させる必要があるために、導電性を発現させるために必要な炭素フィブリルの量を低減させるには限度があった。また、導電性を発現させるために炭素フィブリルを多く分散させたポリアミド樹脂組成物では溶融粘度や溶液粘度が著しく高くなるため、成形加工性に問題が生じていた。さらに、ポリアミド樹脂組成物中へ炭素フィブリルを均一に分散させることは難しく、生産性の面でも問題になっていた。
特に、フィルムや繊維などに加工が可能なレベルにまでカーボンナノチューブが分散したポリアミド組成物を得ることは困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような事情に鑑みなされたものであり、優れた導電性を有し、かつ機械的強度にも優れ、フィルムや繊維に加工が可能なポリアミド樹脂組成物を容易に達成できる製造方法の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、カーボンナノチューブをポリアミドモノマーに均一に分散した後重合することによって上記課題を解決できることを見出し本発明に至った。
【0007】
すなわち本発明は、
【0008】
(1)プラズマ発生ガスに窒素を使用して2〜5層の多層カーボンナノチューブをプラズマ処理し、外表面の炭素に対する酸含有割合が2%以上とした後、ポリアミドモノマー中に分散させた後に重合を行うことを特徴とするポリアミド樹脂組成物の製造方法。
【0009】
(2)前記カーボンナノチューブをポリアミドモノマーに分散させるときに超音波を使用することを特徴とする前記(1)記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法。
【0010】
(3)前記カーボンナノチューブを分散させたポリアミドモノマー分散液を重合するときにポリアミドモノマー分散液をコロイダル溶液とした後に重合を行うことを特徴とする前記(1)または(2)記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法。
【0011】
(4)カーボンナノチューブを分散させたポリアミドモノマーを重合する方法が溶融重合であることを特徴とする前記(1)〜(3)いずれか記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法。
【0012】
(5)前記ポリアミドモノマーがラクタムおよび/またはアミノカルボン酸であることを特徴とする前記(4)記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法。
【0013】
(6)前記ラクタムがカプロラクタム、ラウロラクタム、エナントラクタム、バレロラクタムの中から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記(5)記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法。
を提供するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0017】
本発明のポリアミド樹脂組成物の製造方法で使用されるポリアミドモノマーは、ラクタムないしはジカルボン酸とジアミンからなるナイロン塩が使用される。
【0018】
ラクタムとしては、カプロラクタム、ラウロラクタム、エナントラクタム、バレロラクタムなどが挙げられる。なかでもカプロラクタム、ラウロラクタムが好ましく、カプロラクタムがより好ましい。
【0019】
また、ナイロン塩を構成するジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシリン酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、オクタデカン二酸のような脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸のような脂環式ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸のような芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。またナイロン塩をを構成するジアミンとしては、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,13−ジアミノトリデカン、1,14−ジアミノテトラデカン、1,15−ジアミノペンタデカン、1,16−ジアミノヘキサデカン、1,17−ジアミノヘプタデカン、1,18−ジアミノオクタデカン、1,19−ジアミノノナデカン、1,20−ジアミノエイコサン、ジエチルアミノプロピルアミンなどの脂肪族ジアミン、シクロヘキサンジアミン、ビス−(4−アミノヘキシル)メタンのような脂環式ジアミン、キシリレンジアミンのような芳香族ジアミンなどが挙げられる。
【0020】
本発明のポリアミド樹脂組成物の製造方法では、ナイロン塩、ラクタムを任意の混合比で混合しても良く、混合比などに特に制限はない。
【0021】
本発明のカーボンナノチューブを分散させるポリアミドモノマーは液体状であることが好ましく、加温して溶融させるまたは水溶液として用いることが好ましい。通常ポリアミドモノマーは常温下で固体であることが多く、水溶液の形で用いられることが多い。
【0022】
本発明で用いるカーボンナノチューブは、グラファイトの1枚面を巻いて円筒状にした形状を有しており、そのグラファイト層が2層以上で巻いた多層カーボンナノチューブを使用し、特にグラファイト層が2〜5層の多層カーボンナノチューブを用いる。
【0023】
カーボンナノチューブの特徴である円筒状のグラファイト構造は高分解能透過型電子顕微鏡で調べることができる。グラファイトの層は、透過型電子顕微鏡でまっすぐにはっきりと見えるほど好ましいが、グラファイト層は乱れていても構わない。グラファイト層が乱れたものは、カーボンナノファイバーと定義することがあるが、このようなカーボンナノファイバーも本発明においてはカーボンナノチューブに含むものとする。
【0024】
本発明において用いられるカーボンナノチューブは、一般にレーザーアブレーション法、アーク放電法、熱CVD法、プラズマCVD法、燃焼法などで製造できるが、どのような方法で製造したカーボンナノチューブでも構わない。篠原らが報告しているようにゼオライトを触媒の担体としてアセチレンを原料に熱CVD法で作る方法は、特に精製することなく、多少の熱分解による不定形炭素被覆はあるものの、純度が高く、良くグラファイト化された多層カーボンナノチューブが得られる点で特に好ましい方法である(Chemical Physics Letters 303(1999) 117-124)。
【0025】
本発明においては、カーボンナノチューブ外表面の炭素に対する酸含有率が2%以上であるカーボンナノチューブを用いることが好ましい。
【0026】
ここで、酸含有割合は下式で求めたものと定義する。
【0027】
【数1】
【0028】
Ac:カーボンナノチューブ1gに含まれる酸のモル数
2πRa:カーボンナノチューブ平均外周(nm)
[(Ra−Rb)/Rk]+1:カーボンナノチューブ平均層数
2π(Ra+Rb)/2:カーボンナノチューブ平均円周(nm)
Ra:カーボンナノチューブ平均外半径
Rb:カーボンナノチューブ平均内半径
Rk:カーボンナノチューブ平均層間距離。
【0029】
上式に示す分子のAcは、外表面に酸を有するカーボンナノチューブ1gに含まれる酸のモル数である。純度100%のカーボンナノチューブを得ることは困難であり、それを同定することも困難であるため、ここで言うカーボンナノチューブとは5万倍の倍率で走査型電子顕微鏡で見たときに繊維状の物質がその電子顕微鏡の視野の中に80%以上であるカーボン質材料であればカーボンナノチューブと言って差し支えない。従って、厳密に定義すればカーボンナノチューブ外表面だけに酸性基を有するのではなく、カーボンナノチューブに付着した炭素、カーボンナノチューブに混在する炭素粒子も含んだ状態で酸量を測定し、すべてカーボンナノチューブの表面に酸性基があるとして計算したものである。外表面に酸を有するカーボンナノチューブに含まれる酸のモル数の測定は、カーボンナノチューブを溶媒に分散させ、中和滴定によって求めたものである。外表面に酸を有するカーボンナノチューブとは、カーボンナノチューブ外表面に少なくとも1種類以上の酸性の官能基を有するカーボンナノチューブのことである。酸性の官能基の種類は特に限定されず、例えば、カルボキシル基、水酸基、スルホン基などである。また、それ以外の官能基、例えばカルボニル基、ニトロ基、エーテル基、などを有していても良い。外表面に酸を有するカーボンナノチューブの模式図を図1に示す。
【0030】
上式に示す分母は、カーボンナノチューブ1gに含まれるカーボンナノチューブ外表面の炭素のモル数である。カーボンナノチューブ平均外周を、カーボンナノチューブ平均層数とカーボンナノチューブ平均円周の乗算結果を用いて除算することで、カーボンナノチューブ全体に対するカーボンナノチューブ外表面の炭素率を求める。これに、カーボンナノチューブ1gを炭素原子の原子量(12g/mol)で除算した結果(つまり、カーボンナノチューブ1g中に含まれる炭素原子のモル数)を乗算することで、カーボンナノチューブ1gに含まれるカーボンナノチューブ外表面の炭素のモル数を求める。
【0031】
カーボンナノチューブ平均外半径Ra、カーボンナノチューブ平均内半径Rbは図1に示すように定義され、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)観察結果から、ひとつのカーボンナノチューブを重複して用いないルール適用して、任意に少なくとも10点以上、好ましくは20点以上のカーボンナノチューブの外半径、内半径を計測し、それぞれ平均値を計算することで求める。
【0032】
カーボンナノチューブ層間距離Rkは、公知の値である0.34nmを用いる。
【0033】
前記式で示される、カーボンナノチューブ外表面の炭素に対する酸含有率は2%以上、好ましくは4%以上、さらに好ましくは8%以上であることが好ましい。2%より小さいと、樹脂中への分散性が低下する可能性がある。
【0034】
また、前記式を満たすカーボンナノチューブの官能基を、エステル化、アミド化、イミド化などの化学反応などの手法を用いてさらに修飾して用いてもかまわない。
【0035】
上記の如く、前記式で示されるカーボンナノチューブ外表面の炭素に対する酸含有率が2%以上であるカーボンナノチューブを得るための鍵となる技術は、プラズマ処理である。
【0036】
上記のプラズマ処理とは、特に制限されないが、例えば公知の低温プラズマ処理のことをいい、処理空間内にカーボンナノチューブと処理するガスを供給した状態で高電圧を印可して発生するプラズマにより、カーボンナノチューブを処理する方法である。プラズマ発生ガスとしては、窒素を使用する。処理装置としては、特に限定されるものではなく、公知の内部電極方式または外部電極方式が使用されるが、電極の汚染のない点から外部電極方式が好ましい。処理圧力、電源周波数、処理出力などの処理条件は特に限定されるものではなく目的に応じ好ましく選定すればよい。
【0039】
2層〜5層のカーボンナノチューブの処理には、窒素プラズマを使用する。酸素プラズマよりもマイルドに処理が出来るため、カーボンナノチューブ自体が燃え尽きて無くなることはない。窒素プラズマ処理でも、処理後空気中にさらすことにより、窒素プラズマにより切断された結合は、空気中の酸素と反応して、カルボキシル基やカルボニル基、ヒドロキシル基等になる。
【0040】
本発明で得られるポリアミド樹脂組成物中におけるカーボンナノチューブの含有量は、ポリアミド樹脂組成物100重量%中の0.01〜50重量%であることが好ましい。特に0.05〜20重量%であることが好ましい。含有量が50重量%を超えるとポリアミド樹脂組成物の加工性が低下する場合があり、また0.01重量%未満では導電性付与効果が低下する場合があり、いずれも好ましくない。
【0041】
本発明のポリアミド樹脂組成物の製造方法では、カーボンナノチューブをポリアミドモノマー中に均一に分散させることを特徴としている。その際、カーボンナノチューブは前述したプラズマ処理を施した後にポリアミドモノマー中に分散させることが好ましい。さらに、プラズマ処理を施した後において、カーボンナノチューブの外表面の炭素に対する酸含有割合は2%以上とした上でポリアミドモノマーに分散させることが好ましい。
【0042】
本発明において、カーボンナノチューブをポリアミドモノマー中へ均一に分散させるとは、カーボンナノチューブ分散後10分間静置したのちカーボンナノチューブによる凝集沈殿物がほとんど確認できない状態まで分散させることを意味し、例えばろ紙を用いてろ過した場合にはろ紙に残差がほとんど残らず、また遠心分離を行った場合には沈殿物がほとんど確認できない状態に至らしめた、一般にコロイダル溶液と呼ばれる状態になるまで分散を行ったものであることが好ましい。ここで、ろ過に用いるろ紙は、JIS P 3801 2種における保留粒子径5(μm)である、また、遠心分離の際の遠心加速度は1000(×g)であり、処理時間は15分である。
【0043】
本発明において、カーボンナノチューブをポリアミドモノマー中に分散させる方法としては、上記のごとく均一に分散させることができれば、ホモジナイザーを用いた高速撹拌、ボールミル等の機械的衝撃を加える撹拌、超音波処理など公知の方法を適用することができる。一般にポリアミドモノマーの溶液または融解液は、長時間酸化等を防いで安定に保存することが難しいため、超音波処理によりカーボンナノチューブを分散する方法が処理時間を短くすることができるため好ましい。超音波により、分散中のカーボンナノチューブ試料とモノマー界面の気泡等が除かれ密着性が向上するために分散性が良くなるためである。超音波処理の出力について特に制限はないが、有意な効果を得るためには通常10W以上であることが好ましい。
【0044】
本発明のポリアミド樹脂組成物の製造方法において、ポリアミドの重合方法については、水分存在下での溶融重合やアニオン重合などが挙げられるが、特に制限はない。重合の容易さから溶融重合が好ましい。通常の溶融重合は、水分存在下にモノマー融点以上かつポリアミド樹脂の分解温度以下の範囲で行われる。カプロラクタムをモノマーとしたポリアミド樹脂(ナイロン6)の重合の際にはカプロラクタムを水の存在下に加圧下加熱反応した後に放圧し、水分を除去する加圧溶融重合や、約260℃に加熱された常圧重合塔に供給し、この重合塔内で約10時間滞留させる常圧溶融重合法が一般的である。
【0045】
本発明のポリアミド樹脂組成物には必要に応じて他の公知の添加剤を併用することも可能である。添加剤の具体例としては、酸化防止剤や耐熱安定剤、耐候剤、離型剤及び滑剤、顔料、染料、可塑剤、帯電防止剤、難燃剤、強化材などが挙げられる。
【0046】
本発明のポリアミド樹脂組成物は公知の方法で成形して成形品として用いることができる。成形方法としては、射出成形、押出成形、プレス成形などが挙げられる。成形品には、射出成形品、シート、未延伸フィルム、延伸フィルム、丸棒や異形押出品などの押出成形品、繊維、フィラメントなどが挙げられる。発泡成形や2色成形、インサート成形、アウトサート成形、インモールド成形など公知の複合成形技術を適用することも可能である。また、本発明のポリアミド樹脂組成物を溶液あるいは懸濁液として接着剤やペースト、塗料、コーティング剤として用いることも可能である。
【0047】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はここに掲げる実施例によって限定されるものではない。
【0048】
参考例1(カーボンナノチューブの合成)
K.Hernadi、A.Fonsecaらによる報告を参照(Zeolites 17:416−423、1996)し、酢酸鉄(2g)、酢酸コバルト(2g)、Y型ゼオライト(10g)を秤量し、メタノール(100ml)を加えて、振とう器にて1時間攪拌後、メタノール分を乾燥除去し、触媒を得た。次に、CVD反応装置を用いて、反応管内の石英ウール上に触媒1gをあらかじめセットし、窒素(30cc/分)雰囲気下で600℃まで昇温後、アセチレン(6cc/分)、窒素(30cc/分)雰囲気下で600℃×5時間保持しカーボンナノチューブを合成した。その後、窒素(30cc/分)雰囲気下で室温まで冷却し、反応混合物を取り出した。
【0049】
前記の反応混合物を、フッ化水素酸10%水溶液中で3時間攪拌後、ろ紙(Toyo Roshi Kaisha、Filter Paper 2号 125mm)を用いてろ過し、ろ紙上の固形物を、イオン交換水、アセトン溶液にて洗浄後、乾燥し、カーボンナノチューブ(CNT−1)を得た。CNT−1の透過型電子顕微鏡(TEM)観察結果、グラファイト層の構造が確認でき、多層カーボンナノチューブを多く含むことがわかった。また、SEMのEDXを用いて元素分析を行ったところ、Y型ゼオライトの存在率はEDXの測定限界以下(ほぼ0%)である結果を得た。
【0050】
前記カーボンナノチューブ(CNT−1)10mgに、イオン交換水50mlを加えて、超音波洗浄機(YAMATO化学製、BRANSON3210、発信周波数47KHz、出力130W)にて1時間処理後、48時間静置して得られた試料のpHをガラス電極式水素イオン濃度計(東亜電波工業、HM−30V)を用いて測定したところ、pH=7.0でり、この結果からCNT−1の酸のモル数は10mgあたり、ほぼ0molであり、前記式を用いてカーボンナノチューブ外表面の炭素に対する酸含有率(%)を計算すれば、0%と算出される。
【0051】
参考例2(プラズマ処理したカーボンナノチューブの合成)
参考例1で得たカーボンナノチューブ(CNT−1)0.5gを、ガラス製シャーレー上にうすく広げて、YAMATO化学製PLASMA CHAMBERMODEL PC−101Aを用いて、酸素ガス、圧力20Pa、POWER300Wの条件で、5分間プラズマ処理を行い、一度取り出して、シャーレー上のプラズマ処理カーボンナノチューブを、かき混ぜ(ひっくり返す、転がす等の動作)、シャーレー上にうすく広げ、再び同様のプラズマ処理を行う作業を繰り返し、合計15分(計3回)のプラズマ処理を行いプラズマ処理したカーボンナノチューブ(CNT−2)を得た。前記プラズマ処理カーボンナノチューブ(CNT−2)の透過型電子顕微鏡(TEM)観察結果から、多層カーボンナノチューブを多く含むことが確認できた。
【0052】
前記プラズマ処理後のカーボンナノチューブ(CNT−2)10mgに、イオン交換水50mlを加えて、超音波洗浄機(YAMATO化学製、BRANSON3210、発信周波数47KHz、出力130W)にて1時間処理後、48時間静置して得られた分散液のpHを、ガラス電極式水素イオン濃度計(東亜電波工業、HM−30V)を用いて測定したところ、pH=5.5であった。一般によく知られた中和滴定を、42.5×10−6(mol/l)の水酸化ナトリウム水溶液を用いて、pH=7.0を終点として行った結果、水酸化ナトリウム水溶液145mlを要した。つまり、0.25mgの水酸化ナトリウム(NaOH、40g/mol)を要した。この結果から、プラズマ処理後のカーボンナノチューブ10mg中の酸のモル数は6.3×10−6(mol)と計算できる。
【0053】
透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、ひとつのカーボンナノチューブを重複して用いないルールを適用して、任意に20点のカーボンナノチューブの外半径、内半径を計測し、それぞれ平均値を計算した結果、Ra:カーボンナノチューブ平均外半径11.5nm、Rb:カーボンナノチューブ平均内半径3.3nmの結果を得た。また、Rk:カーボンナノチューブ層間距離0.34nmを用いた。
【0054】
これらの結果から、前記式を用いてカーボンナノチューブ外表面の炭素に対する酸含有率(%)を計算した結果、12%の結果を得た。
【0055】
参考例3(プラズマ処理したカーボンナノチューブの合成)
J.L.Hutchisonらの方法(Carbon 39 (2001) 761-770)に従って、アーク放電法でカーボンナノチューブを生成した。アノードは直径3.2mm長さ140mmの穴に触媒が埋め込まれた直径8.2mmのグラファイトロッド、カソードは直径10mm,長さ25mmのグラファイトロッドとした。触媒は、次のように調製した。粒子径2-5μmのNi,Co,Fe粉末の混合物と硫黄原子を良く粉砕した後、アルゴンガス下で500℃1時間焼成した。ボールミルでμサイズまで粉砕した後すぐにカーボン粉末と混ぜた。3.2mmの穴をドリルであけたグラファイトロッドにぎっしりつめた。アノードの組成は、カーボンに対して、Ni 2.6at%,Co 0.7at%,Fe 1.45at%,S 0.75at%であった。アルゴン:水素体積比1:1で350torrで75−80Aのアーク電流でCNT合成を行った。両電極は2mmの距離で電圧差は26〜28Vとした。
【0056】
得られたカーボンナノチューブを含むカーボン0.5gを、ガラス製シャーレー上にうすく広げて、YAMATO化学製PLASMA CHAMBER MODEL PC−101Aを用いて、窒素ガス、圧力20Pa、POWER300Wの条件で、5分間プラズマ処理を行い、一度取り出して、シャーレー上のプラズマ処理カーボンナノチューブを、かき混ぜ(ひっくり返す、転がす等の動作)、シャーレー上にうすく広げ、再び同様のプラズマ処理を行う作業を繰り返し、合計10分(計2回)のプラズマ処理を行った。
【0057】
プラズマ処理後のカーボン材料10mgに、イオン交換水50mlを加えて、超音波洗浄機(YAMATO化学製、BRANSON3210、発信周波数47KHz、出力130W)にて1時間処理後、48時間静置して得られた試料を観察したところ、カーボンナノチューブ分散液と黒い沈殿物が確認できた。分散液を、遠心分離器(装置:KUBOTA KR−20000T、ローター:RA−3 50ml×8本)を用いて、回転数12000rpm(約17000(×g))×1時間、遠心分離したところ、上澄み液として、透明感のある黒色の溶液を得た。スポイトで溶液部分を回収し、高分解能透過型電子顕微鏡で観察した結果、炭素不純物の付着した2〜5層のカーボンナノチューブが多く見られた。5万倍の走査型電子顕微鏡で見たところ、80%は、繊維状のグラファイト構造を有するカーボンナノチューブで、20%は粒子状の不定形炭素であった。
【0058】
乾燥させてプラズマ処理したカーボンナノチューブ(CNT−3)を得た。CNT−3を再度水に分散させて、参考例2と同様に酸量を量り、酸含有率を求めたところ、8.5%であった。
【0059】
参考例4
ε−カプロラクタム(東京化成工業株式会社、特級試薬)を溶融しモレキュラーシーブで乾燥し、このカプロラクタム800gに精製水200gを加え参考例2でしめす手順で作成したCNT−3を8g加えて60rpmで3時間撹拌した。この分散液は透明感のある黒色をしていた。得られた分散液を5μメッシュのフィルターで濾過したが、フィルター上に黒色の付着物は見られなかった。スポイトで分散液を回収し、高分解能透過型電子顕微鏡で観察した結果、炭素不純物の付着した2〜5層のカーボンナノチューブが多く見られた。
【0060】
参考例5
カーボンナノチューブをCNT−3からCNT−1へ変更した以外は参考例4と同じ方法でカプロラクタム中へナノチューブを分散した。分散液中に黒色の粒子が見られ、10分静置したところ黒色の粒子は全て沈殿していた。黒色の粒子を濾過により回収し、高分解能透過型電子顕微鏡で観察した結果、2〜5層のカーボンナノチューブが絡まり合い凝集したものが見られた。
【0062】
実施例および比較例中に記載されているポリアミド樹脂組成物の諸特性は以下の(1)〜(2)の方法で測定した。
(1)相対粘度:98%硫酸中、0.01g/ml濃度、25℃でオストワルド式粘度計を用いて測定を行った。
(2)体積固有抵抗:ポリアミド樹脂組成物を、表に示す成形加工温度でプレス成形を行い、厚さ1mmのシート状に加工した。このシートを用い、ASTM D257に準じて体積固有抵抗を測定した。
【0069】
実施例1
参考例4に示す手順で作成したεーカプロラクタムのカーボンナノチューブ分散液(固形分80重量%)を加圧重合缶(オートクレーブ)に仕込み、攪拌下昇温し、水蒸気圧10kg/cm2 で1.5時間反応させた後、約2時間かけて徐々に放圧し、さらに常圧窒素気流下で30分反応した。この時の最終重合缶内温度は250℃であった。反応終了後重合缶下部の吐出口から生成ポリマーをストランド状に吐出し、冷却槽で冷却した後カッターでペレタイズ化した。得られたポリマーをポリマーに対して10倍量の熱水中で約15時間抽出した後乾燥した。相対粘度は2.8であった。導電性の測定結果を表1に示した。得られたポリアミド樹脂組成物を高分解能透過型電子顕微鏡で観察した結果、樹脂中に分散する2〜5層のカーボンナノチューブが多く見られた。
【0070】
このカーボンナノチューブの分散したポリアミド樹脂組成物を東洋精機製作所製キャピログラフ1cを用いて表1に示す加工温度で溶融し、クロスヘッドスピード2mm/分でピストンを降下させ、直径0.5mm×5mm長のキャピラリーから吐出し、引き取り速度200mm/分で連続3分間紡糸を行った。糸切れはなく、黒色の繊維が得られた。
【0071】
また、ポリアミド樹脂組成物を溶融し、プレス装置で100μm厚のフィルム状に表に示す成形加工温度でプレス加工したところ、黒色のフィルムが得られた。このフィルムを短冊状に切削し、50℃で保温しつつ引張試験機で一軸方向に2倍延伸したところ破れることなく延伸できた。
【0077】
比較例1
参考例2で得たカーボンナノチューブ(CNT−2)とナイロン6樹脂(東レCM1017)を表1に示した配合比率でプレブレンドした後、250℃に設定した容量100mlのミキサー(東洋精機:ラボプラストミル)で溶融混練した。窒素雰囲気下で、回転数100rpmで20分間混練した後、溶融状態で取り出し、直ちに水で冷却してポリアミド樹脂組成物を得た。得られたポリアミド樹脂組成物は黒色の凝集粒子が見られた。ポリアミド樹脂組成物を高分解能透過型電子顕微鏡で観察した結果、黒色の凝集物は絡まり合い凝集した2〜5層のカーボンナノチューブであった。
【0078】
このカーボンナノチューブの分散したポリアミド樹脂組成物を実施例1と同じように表2に示す加工温度で紡糸を行おうとしたところ、糸切れがひどく、繊維状のポリアミド樹脂組成物は得られなかった。
【0079】
また、ポリアミド樹脂組成物を溶融し、プレス装置で100μm厚のフィルム状に表に示す成形加工温度でプレス加工したところ、黒色の凝集物のあるフィルムが得られた。このフィルムを短冊状に切削し、50℃で保温しつつ引張試験機で一軸方向に2倍延伸したところ、フィルムに穴ができ、途中で切断した。
【0080】
実施例1と比較例1を比べることにより、ポリアミドモノマー中へ分散させることにより容易にカーボンナノチューブの分散した、繊維や延伸フィルムへの加工可能なポリアミド樹脂組成物が得られることがわかる。
【0081】
比較例2
参考例5で得られたカーボンナノチューブカプロラクタム分散液を実施例1と同じ方法で重合しポリアミド樹脂組成物を得た。得られたポリアミド樹脂組成物中には、黒色の凝集粒子が多く見られた。導電性の測定結果を表2に示した。得られたポリアミド樹脂組成物を高分解能透過型電子顕微鏡で観察した結果、2〜5層のカーボンナノチューブの凝集物であった。
【0082】
このカーボンナノチューブの分散したポリアミド樹脂組成物を実施例1と同じように表2に示す加工温度で紡糸を行おうとしたところ、糸切れがひどく、繊維状のポリアミド樹脂組成物は得られなかった。
【0083】
また、ポリアミド樹脂組成物を溶融し、プレス装置で100μm厚のフィルム状に表に示す成形加工温度でプレス加工したところ、黒色の凝集物のあるフィルムが得られた。このフィルムを短冊状に切削し、50℃で保温しつつ引張試験機で力をかけたとたんに破れてしまった。
【0084】
実施例1と比較すると、ポリアミドモノマー中へ均一に分散させることにより、容易にカーボンナノチューブの分散しかつ繊維や延伸フィルムへの加工可能なポリアミド樹脂組成物が得られることがわかる。
【0085】
比較例3
カーボンナノチューブを添加しないこと以外は実施例1と同じ方法でポリアミド樹脂組成物を得た。導電性の測定結果を表2に示した。実施例1と比較してカーボンナノチューブを添加することにより体積抵抗は減少することがわかる。
【0086】
得られたポリアミド樹脂組成物を実施例1と同じように表2に示す加工温度で紡糸を行ったところ、糸切れはなく、繊維状のポリアミド樹脂が得られた。
【0087】
また、得られたポリアミド樹脂を溶融し、プレス装置で100μm厚のフィルム状に表に示す成形加工温度でプレス加工し、フィルムを得た。このフィルムを短冊状に切削し、50℃で保温しつつ引張試験機で一軸方向に2倍延伸したところいずれのポリアミド樹脂も破れることなく延伸できた。
【0089】
【表1】
【0090】
【表2】
【0091】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のポリアミド樹脂の製造方法では、重合前のポリアミドモノマーへ分散することにより容易にカーボンナノチューブを分散したポリアミド樹脂組成物が得られる。また得られたポリアミド樹脂組成物は、高い導電性を示し、繊維やフィルムへの加工が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】多層カーボンナノチューブの模式図である。
Claims (6)
- プラズマ発生ガスに窒素を使用して2〜5層の多層カーボンナノチューブをプラズマ処理し、外表面の炭素に対する酸含有割合が2%以上とした後、ポリアミドモノマー中に分散させた後に重合を行うことを特徴とするポリアミド樹脂組成物の製造方法。
- 前記カーボンナノチューブをポリアミドモノマーに分散させるときに超音波を使用することを特徴とする請求項1記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法。
- 前記カーボンナノチューブを分散させたポリアミドモノマー分散液を重合するときにポリアミドモノマー分散液をコロイダル溶液とした後に重合を行うことを特徴とする請求項1または2記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法。
- カーボンナノチューブを分散させたポリアミドモノマーを重合する方法が溶融重合であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法。
- 前記ポリアミドモノマーがラクタムおよび/またはアミノカルボン酸であることを特徴とする請求項4記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法。
- 前記ラクタムがカプロラクタム、ラウロラクタム、エナントラクタム、バレロラクタムの中から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項5記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法。
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