JP4240493B2 - 粉粒状放射性廃棄物の投入装置 - Google Patents

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本発明は、収納容器に収納されている放射性廃棄物などの粉粒体を減容設備などの粉粒体シュートの投入口から投入するための、粉粒状放射性廃棄物の投入方法及びその投入装置に関するものである。
原子力設備からは廃棄物としての放射性廃棄物などの粉粒体が発生するが、この粉粒状放射性廃棄物は、特許文献1に示すように、減容設備の燃焼炉などに投入、焼却されて減容化される。
粉粒状放射性廃棄物は通常は粉砕等されてドラム缶状の収納容器に収納されており、粉粒状放射性廃棄物を減容設備などに投入するに際しては、この収納容器を投入装置によって上下反転させることにより行っていた。しかしながら、従来は粉粒状放射性廃棄物の投入口は外気と遮断されていなかったので、収納容器を傾倒させると粉粒状放射性廃棄物の粉塵が舞い上がるおそれがあった。また、収納容器の外周側面も汚染されるおそれがあって環境衛生上好ましくないという問題があった。
特開2001−33587号公報 (図2)
本発明は上記した従来の問題点を解決して、粉粒状放射性廃棄物を粉粒体投入口に投入するに際して、大気中に粉粒状放射性廃棄物を飛散させるおそれがない粉粒状放射性廃棄物の投入方法及びその投入装置を提供するためになされたものである。
発明の粉粒状放射性廃棄物の投入装置は、粉粒状放射性廃棄物の収納容器の開口部に当接される平板環状部材と、平板環状部材の中央孔を塞ぐ内蓋と、平板環状部材と内蓋とにより開口部が閉鎖された前記収納容器を転倒させて平板環状部材を粉粒体シュートの投入口に当接させる転倒用アームと、転倒された前記収納容器の開口部を塞ぐ内蓋を開くために粉粒体シュート内に設けられた内蓋開放機構とからなる粉粒状放射性廃棄物の投入装置であって、平板環状部材の中央孔に内方にせり出す複数の突出片を設け、内蓋の裏側の周縁付近には前記突出片を挟み付ける複数のクランプ片を軸着して、内蓋と平板環状部材とを係脱自在とし、内蓋には、外力により作動されてクランプ片を回動させるリンク機構を備え、内蓋開放機構を、水平シャフトに回動自在に取り付けられた基板に、内蓋のリンク機構に係合してクランプ片と平板環状部材の突出片との係止を解除する係合部と、リンク機構を係止して内蓋の開放を可能とする係止部とを備えるものとして、平板環状部材との係合が解除され基板に係止された内蓋を、水平シャフトの回動により密閉空間内で開放するようにしたことを特徴とするものである。
上記した発明において、平板環状部材の中央孔の対向する位置に二つの突出片を設け、内蓋の裏側の周縁付近には、前記突出片を挟み付ける二つのクランプ片を軸着したうえに、内蓋の表側に、内蓋の中心から互いに反対方向に延出し内蓋開放機構の係合部に係合して回動される2本の第1リンクアームと、クランプ片の回転軸に設けられた第2リンクアームと、第1リンクアームと第2リンクアームとを接続するリンクロッドとからなるリンク機構を設けることができる。
また、内蓋開放機構の係合部を、基板の裏側に貫通する回転軸の先端に設けられた突条部からなるものとして、第1リンクアームの基部に、前記突条部が嵌め込まれる凹溝部を設けるとともに、内蓋開放機構の係止部を、第1リンクアームを係止可能に基板の裏側に突設された断面逆L字形の係止片からなるものとすることができる。
本発明の粉粒状放射性廃棄物の投入方法は、内蓋によって中央孔が塞がれた平板環状部材により開口部が閉鎖された収納容器を転倒させて、この収納容器を粉粒体シュートの投入口に当接して粉粒体シュートの内部を密閉空間となしたうえで、内蓋を開放するようにしたので、粉粒状放射性廃棄物を粉粒体シュートに密閉空間内で投入することができる。よって粉粒状放射性廃棄物が大気中に飛散するおそれがない。
また、本発明の粉粒状放射性廃棄物の投入装置は、収納容器の開口部に当接される平板環状部材と、平板環状部材の中央孔を塞ぐ内蓋と、収納容器を転倒させる転倒用アームと、粉粒体シュートの内部に設けられた内蓋開放機構とからなるものとしたので、開口部が平板環状部材と内蓋とで閉鎖された収納容器を転倒させて粉粒体シュートの内部を密閉空間とすることができ、この密閉空間内で内蓋を開放することによって、粉粒状放射性廃棄物を外部に飛散させることなく投入することができる。
始めに、本発明の粉粒状放射性廃棄物の投入方法について、図10を参照しつつ概説する。
先ず、運搬されてきた放射性粉粒体の収納容器1の開口部12に、内蓋5によって中央孔14が塞がれた平板環状部材4を当接してその開口部12を閉鎖するとともに、収納容器1を転倒用アーム9に保持させる。その後、転倒用アーム9を旋回させて収納容器1を転倒し、粉粒体シュート2の投入口21に平板環状部材4を当接して粉粒体シュート2の内部を密閉空間となす。次いで、粉粒体シュート2内に回動自在に設けられた内蓋開放機構6の基板20により内蓋5を係止したうえ、回動用アーム22を回動させる。これによって、放射性粉粒体を密閉空間内で粉粒体シュート2に投入することができる。
以下に、本発明に係る粉粒状放射性廃棄物の投入装置について、好ましい実施形態を説明する。
図1、2は、雑固体減容処理設備における粉粒状放射性廃棄物の投入装置の構成を示す図、図3はその要部を拡大して示す図である。
本投入装置においては、粉粒体保管庫10に保管されていた収納容器1がローラーコンベア7付きのリフト8上に運搬されて据え置かれる。その収納容器1はリフト8によって上方に持ち上げられた後に転倒用アーム9に係止爪17で保持される。さらに収納容器1の開口部12には施蓋用アーム13により蓋が施される。蓋は既記した平板環状部材4と、平板環状部材4の中央孔14を塞ぐ内蓋5とからなる。平板環状部材4は係止爪17により収納容器1にロックされる。
転倒用アーム9は、水平軸18に軸着されており、施蓋された収納容器1を旋回して転倒させる。この転倒によって粉粒体シュート2の投入口21に平板環状部材4が当接して、粉粒体シュート2の内部を密閉することができる。粉粒体シュート2の内部には回動用アーム22を有する内蓋開放機構6が設けられており、この内蓋開放機構6は、内蓋5と係合してこの内蓋5を開放し粉粒状放射性廃棄物を粉粒体シュート2に投入する。
粉粒体通路3には、上方ダンパー24と下方ダンパー25とが設けられていて、投入された粉粒状放射性廃棄物を少量づつ送出して下方の小収納容器26に供給する。粉粒状放射性廃棄物が充填された小収納容器26は燃焼炉などに運搬されて粉粒状放射性廃棄物が減容化される。
本発明の投入装置の詳細を、図4〜9により説明する。
図4において、平板環状部材4は収納容器1の上縁にパッキン27を介して密着されている。平板環状部材4の中央孔14の左右には内方にせり出す二つの突出片28が対向してボルト15の締結により設けられている。そして、その中央孔14は内蓋5によって閉鎖されているが、この内蓋5は、内蓋5の周縁近傍の回転軸29に軸着されたクランプ片31が回動されて前記突出片28を挟み付けることによって、平板環状部材4と係合している。2本の回転軸29は、内蓋5の表側に設けたリンク機構により接続されている。
当該リンク機構は、図5に示すように、内蓋5の中心部に枢設されて、その中心から互いに反対方向に延出する2本の第1リンクアーム32と、クランプ片31の回転軸29に設けられた第2リンクアーム33と、これらのリンクアーム32、33を接続するリンクロッド34とからなる。そして、第1リンクアーム32の基部には、内蓋開放機構6と係合可能な凹溝部35が形成されている。
内蓋開放機構6と内蓋5と平板環状部材4の間の係合機構を以下に説明する。
内蓋開放機構6は、図6に示すように、円形の基板20に、第1リンクアーム32の凹溝部35に嵌め込まれて第1リンクアーム32を回動する突条部36からなる係合部と、この突条部36の近傍に断面逆L字形に突設された係止片37からなり、第1リンクアーム32の裏側を係止して内蓋5の開放を可能とする係止部とを備えている。基板20には、図7にも示すシリンダロッド41によって回転用アーム42を介して回転される回転軸43が設けられていて、この回転軸43の先端に前記突条部36を備えている。
凹溝部35に突条部36を嵌め込んだ後に、回転軸43をシリンダロッド41によって回転させることによって、リンク機構が作動し、内蓋5のクランプ片31と平板環状部材4の突出片28との係合が解除されると同時に、回動された第1リンクアーム32が基板20に設けた係止片37に係止されるので、内蓋5は内蓋開放機構6によって開放可能な状態とされる。
内蓋開放機構6の基板20は、図8、9に示すように、回動用アーム22に固定されており、この回動用アーム22は、パワーシリンダ45によって回転される水平シャフト46に接続されているので、内蓋5を係止した基板20を水平シャフト46によって回動させることにより、密閉された空間内で内蓋5を開放することができる。
以上のように構成された粉粒状放射性廃棄物の投入装置においては、リフト8によって上方に持ち上げられた収納容器1の開口部12を内蓋5と平板環状部材4とで密閉する。その後、当該収納容器1を転倒用アーム9により旋回して転倒させる。この転倒によって粉粒体シュート2の投入口21に平板環状部材4が当接されるので、粉粒体シュート2の内部を密閉空間とすることができる。そして、内蓋開放機構6の突条部36を第1リンクアーム32の凹溝部35に嵌め込んで、突条部36を回転することによって、リンク機構が作動して平板環状部材4と内蓋5との係止が解除されるとともに、係止片37が第1リンクアーム32を係止するので、内蓋5は開放可能な状態となる。その後、シャフト46を回転させて回動用アーム22を回動することによって、内蓋5を密閉空間内で開放することができる。従って、粉粒状放射性廃棄物を外部に飛散させることなく粉粒体シュート2に投入することができる。
粉粒状放射性廃棄物を投入した後は、回動用アーム22を逆方向に回動させて、内蓋5を平板環状部材4の中央孔14に当接して、その中央孔14を塞ぐ。そして、回転軸43を前と逆の方向に回転させることによって、係止片37による基板20と内蓋5との係止が解除されるとともに、クランプ片31が再び突出片28を挟み付けるので、内蓋5を平板環状部材4にロックした状態で固定することができる。その後、転倒用アーム9を旋回させて収納容器1を元の位置に戻すことによって、収納容器1を別の収納容器1と交換することができる。
以上説明したように、本発明の粉粒状放射性廃棄物の投入方法及びその投入装置は、密閉空間内で粉粒状放射性廃棄物を粉粒体シュートに投入することができるので、粉粒状放射性廃棄物を外部に飛散させることがないという大きな利点を有する。
粉粒状放射性廃棄物の投入装置の正面図である。 図1のA−A線断面図である。 粉粒状放射性廃棄物の投入装置の要部拡大図である。 平板環状部材と内蓋と内蓋開放機構との係合状態を示す断面図である。 内蓋のリンク機構を示す平面図である。 内蓋と内蓋開放機構との係止状態を示す断面図である。 シリンダ部の正面図である。 図3のB−B線断面図である。 図8のC方向矢視図である。 本発明に係る粉粒状放射性廃棄物の投入装置の概略構成図である。
符号の説明
1 収納容器、2 粉粒体シュート、3 粉粒体通路 4 平板環状部材、5 内蓋、6 内蓋開放機構、7 ローラーコンベア、8 リフト、9 転倒用アーム、10 粉粒体保管庫、11 チャック、12 収納容器の開口部、13 施蓋用アーム、14 平板環状部材の中央孔、15 ボルト、17 係止爪、18 水平軸、20 基板、21 粉粒体シュートの投入口、22 回動用アーム、24 上方ダンパー、25 下方ダンパー、26 小収納容器、27 パッキン、28 突出片、29 回転軸、31 クランプ、32 第1リンクアーム、33 第2リンクアーム、34 リンクロッド、35 凹溝部、36 突条部、37 係止片、41 シリンダロッド、42 回転用アーム、43 回転軸、45 モートルシリンダ、46 水平シャフト。

Claims (3)

  1. 粉粒状放射性廃棄物の収納容器の開口部に当接される平板環状部材と、平板環状部材の中央孔を塞ぐ内蓋と、平板環状部材と内蓋とにより開口部が閉鎖された前記収納容器を転倒させて平板環状部材を粉粒体シュートの投入口に当接させる転倒用アームと、転倒された前記収納容器の開口部を塞ぐ内蓋を開くために粉粒体シュート内に設けられた内蓋開放機構とからなる粉粒状放射性廃棄物の投入装置であって、
    平板環状部材の中央孔に内方にせり出す複数の突出片を設け、内蓋の裏側の周縁付近には前記突出片を挟み付ける複数のクランプ片を軸着して、内蓋と平板環状部材とを係脱自在とし、
    内蓋には、外力により作動されてクランプ片を回動させるリンク機構を備え、
    内蓋開放機構を、水平シャフトに回動自在に取り付けられた基板に、内蓋のリンク機構に係合してクランプ片と平板環状部材の突出片との係止を解除する係合部と、リンク機構を係止して内蓋の開放を可能とする係止部とを備えるものとして、平板環状部材との係合が解除され基板に係止された内蓋を、水平シャフトの回動により密閉空間内で開放するようにしたことを特徴とする粉粒状放射性廃棄物の投入装置。
  2. 平板環状部材の中央孔の対向する位置に二つの突出片を設け、内蓋の裏側の周縁付近には、前記突出片を挟み付ける二つのクランプ片を軸着したうえに、内蓋の表側に、内蓋の中心から互いに反対方向に延出し内蓋開放機構の係合部に係合して回動される2本の第1リンクアームと、クランプ片の回転軸に設けられた第2リンクアームと、第1リンクアームと第2リンクアームとを接続するリンクロッドとからなるリンク機構を設けた請求項1に記載の粉粒状放射性廃棄物の投入装置。
  3. 内蓋開放機構の係合部を、基板の裏側に貫通する回転軸の先端に設けられた突条部からなるものとして、第1リンクアームの基部に、前記突条部が嵌め込まれる凹溝部を設けるとともに、内蓋開放機構の係止部を、第1リンクアームを係止可能に基板の裏側に突設された断面逆L字形の係止片からなるものとした請求項2に記載の粉粒状放射性廃棄物の投入装置。
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