JP4239236B2 - 螺合式締結装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、締結装置に係り、更に詳細には螺合式の締結装置に係る。
【0002】
【従来の技術】
螺合式の締結装置の一つとして、例えば実開平1−42781号公報に記載されている如く、鋼製のナットと、ナットを圧入嵌合式に受けるアルミニウム合金製の実質的に筒状のリテーナとを有し、リテーナは一端に鍔部を有し、鍔部の被締結部材に当接する面には溶接用の小突起が設けられ、リテーナにナットを圧入する際の加圧力を利用してプロジェクション溶接によりリテーナがアルミニウム合金製の被締結部材に固定されるよう構成された螺合式締結装置が従来より知られている。
【0003】
かかる螺合式締結装置によれば、リテーナが溶接により被締結部材に固定され、ナットは圧入によりリテーナに固定されるので、リテーナを介してナットを被締結部材に固定することができ、従ってリテーナが使用されない場合に比して被締結部材を良好に締結固定することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上述の如き従来の螺合式締結装置に於いては、ナットとリテーナとの間の相対回転はこれらの部材間の圧入による残留応力及びナットの外周面に設けられたスプラインにより防止されるようになっているため、ナット及びリテーナの構成材料の熱膨張率の相違に起因してナットとリテーナとの間に経時的に緩みが生じ、ナットがリテーナ及びボルトに対し相対的に回転することにより被締結部材の締結固定状態が比較的早期に悪化し易いという問題がある。
【0005】
また上述の如き従来の螺合式締結装置に於いては、ナットはリテーナに嵌合する構造であるため、ナットの直径を大きくすることができず、そのため被締結部材に対するナットの接触面積が小さく、締結による高い圧縮応力が被締結部材に局部的に作用し、アルミニウム合金製の被締結部材が損傷され易いという問題がある。
【0006】
本発明は、ナットを圧入嵌合式に受けるリテーナを有し、リテーナは鍔部にて被締結部材に溶接により固定されるよう構成された従来の螺合式締結装置に於ける上述の如き問題に鑑みてなされたものであり、本発明の主要な課題は、ナットがリテーナに対し相対回転することを防止すると共に、締結による圧縮応力が確実にリテーナを介して被締結部材に伝達されるよう構成することにより、被締結部材の締結固定状態が比較的早期に悪化したり被締結部材が損傷したりする虞れを低減することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の主要な課題は、本発明によれば、請求項1の構成、即ち被締結部材に固定される実質的に筒状のリテーナと、締結軸線の周りに相対回転不能に前記リテーナに嵌合する第一の螺合式締結部材と、前記第一の螺合式締結部材と螺合し少なくとも前記リテーナとの間に前記被締結部材を挾持する第二の螺合式締結部材とを有し、前記第一の螺合式締結部材は前記被締結部材とは反対の側にて前記リテーナに当接する鍔部を有し、前記リテーナ及び前記第一の螺合式締結部材の互いに嵌合する部分は前記締結軸線に沿って延在し互いに対向する平面状の部分を含み、それらの平面状の部分が互いに係合することにより相対回転不能に嵌合していることを特徴とする螺合式締結装置によって達成される。
【0008】
上記請求項1の構成によれば、第一の螺合式締結部材は締結軸線の周りに相対回転不能にリテーナに嵌合し、第一の螺合式締結部材は被締結部材とは反対の側にてリテーナに当接する鍔部を有するので、ナット及びリテーナの構成材料の熱膨張率の相違等に起因してナットとリテーナとの間に経時的に緩みが生じても、ナットがリテーナ及びボルトに対し相対的に回転することがなく、また締結による圧縮応力が鍔部より確実にリテーナを介して被締結部材に伝達され、これにより被締結部材に作用する圧力が低減され、従って被締結部材の締結固定状態が比較的早期に悪化したり被締結部材が損傷したりする虞れが低減される。
また上記請求項1の構成によれば、リテーナ及び第一の螺合式締結部材の互いに嵌合する部分は締結軸線に沿って延在し互いに対向する平面状の部分を含み、それらの平面状の部分が互いに係合することにより相対回転不能に嵌合しているので、第一及び第二の螺合式締結部材による締結部が冷熱サイクルや振動等に曝されることに起因してたとえ第一の螺合式締結部材とリテーナとの間に緩みが生じても、第二の螺合式締結部材がリテーナ及び第一の螺合式締結部材に対し相対回転することが確実に阻止され、従って締結固定状態が悪化することを効果的に防止することが可能になる。
【0009】
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、被締結部材及びリテーナは実質的に同種の軽合金にて形成される(請求項2の構成)。
【0010】
上記請求項2の構成によれば、被締結部材及びリテーナは実質的に同種の軽合金にて形成されるので、溶接によりリテーナを被締結部材に容易に且つ確実に固定することが可能であり、また被締結部材が損傷する虞れを更に一層低減することが可能になる。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1又は2の構成に於いて、前記鍔部は前記被締結部材とは反対の側の前記リテーナの端面全体に当接しているよう構成される(請求項3の構成)。
上記請求項3の構成によれば、鍔部は被締結部材とは反対の側のリテーナの端面全体に当接しているので、第一及び第二の螺合式締結部材の締め付けによる力を鍔部よりリテーナの端面全体を経てリテーナへ伝達させることができ、これにより締め付けによる力を鍔部よりリテーナを介して被締結部材へ効果的に伝達させることが可能になる。
【0011】
【課題解決手段の好ましい態様】
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至3の何れか一つの構成に於いて、第一の螺合式締結部材はナットであり、第二の螺合式締結部材はボルトであるよう構成される(好ましい態様1)。
【0012】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至3の何れか一つの構成に於いて、第一の螺合式締結部材はボルトであり、第二の螺合式締結部材はナットであるよう構成される(好ましい態様2)。
【0013】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至3の何れか一つの構成に於いて、リテーナ及び第一の嵌合式締結部材の互いに嵌合する部分は互いに圧入固定されるよう構成される(好ましい態様3)。
【0014】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様3の構成に於いて、リテーナ及び第一の嵌合式締結部材の互いに嵌合する部分の少なくとも一方は微小な凹凸を有するよう構成される(好ましい態様4)。
【0016】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至3の何れか一つの構成に於いて、第一の螺合式締結部材のリテーナに嵌合する部分の締結軸線に沿う方向の長さはリテーナの長さと同一又はこれよりも僅かに小さいよう構成される(好ましい態様)。
【0017】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至3の何れか一つの構成に於いて、リテーナは押し出し成形材が切断されることにより形成される(好ましい態様)。
【0018】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至3の何れか一つの構成に於いて、第一の螺合式締結部材の鍔部はリテーナと実質的に同一の大きさ及び外形を有するよう構成される(好ましい態様)。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を幾つかの好ましい実施形態について詳細に説明する。
【0020】
図1は本発明による螺合式締結装置の第一の実施形態を示す縦断面図、図2及び図3はそれぞれ第一の実施形態のリテーナ及びナットを示す斜視図、図4はリテーナの拡大部分断面図である。
【0021】
これらの図に於いて、10及び12はそれぞれ互いに締結固定されるべき板状の被締結部材を示し、14はリテーナを示し、16及び18はそれぞれ第一及び第二の螺合式締結部材としてのナット及びボルトを示している。図示の実施形態に於いては、被締結部材10、12及びリテーナ14は実質的に同種又は異種のアルミニウム合金にて形成され、ナット16及びボルト18は鋼にて形成され、リテーナ14はすみ肉溶接による溶接部20により一端にて被締結部材10に固定されている。
【0022】
リテーナ14は実質的に断面正方形の四角柱状をなし、締結軸線22に沿って延在するナット受入れ孔24を有している。ナット受入れ孔24も実質的に断面正方形をなし、図4に示されている如くナット受入れ孔24の壁面には微小な凹凸として締結軸線22に沿って延在するセレーション26が設けられている。尚図5に示されている如く、リテーナ14は中空四角柱状の押し出し成形材28がシャーリング等により切断線30に沿って切断されることにより形成されることが好ましく、またセレーション26は押し出し成形時に形成されることが好ましい。
【0023】
ナット16は締結軸線22に沿って延在しボルト18のシャフト部18Aを受けるボルト孔32を有している。またナット16はリテーナ14のナット受入れ孔24に圧入により嵌合固定される嵌合部16Aと、被締結部材10及び12とは反対側の端部に嵌合部16Aと一体に形成され締結軸線22に垂直に延在する鍔部16Bとを有している。
【0024】
嵌合部16Aはナット受入れ孔24と実質的に同一の断面正方形をなし、嵌合部16Aの四つの側壁がそれらに対向するナット受入れ孔24の側壁に係合することにより、ナット16が締結軸線22の周りにリテーナ14に対し相対的に回転することが確実に防止されるようになっている。また嵌合部16Aはリテーナ14の締結軸線22に沿う方向の長さと同一の長さ又はこれよりも僅かに小さい長さを有し、先端にはナット受入れ孔24に対する嵌合部16Aの圧入を容易にするための面取り部34が設けられている。更に鍔部16Bはリテーナ14と実質的に同一の大きさの断面正方形をなしている。
【0025】
図示の実施形態に於いては、ボルト18はシャフト部18Aとヘッド部18Bとの間に実質的に円板状の鍔部18Cを有し、鍔部18Cはナット16の嵌合部16Aの側壁の長さよりも大きい直径を有している。尚ボルト18は鍔部を有しないボルトであってもよく、その場合にはヘッド部18Bと被締結部材12との間に座金が介装され、座金の直径は嵌合部16Aの側壁の長さよりも大きいことが好ましい。
【0026】
上述の如く構成された第一の実施形態により二つの被締結部材10及び12を締結固定する場合には、まずナット16の鍔部16Bがリテーナ14の端面に当接するよう、ナット16の嵌合部16Aをリテーナ14に圧入により嵌合固定する。次いでナット16のボルト孔32が被締結部材10及び12のボルト挿通孔に整合するよう、リテーナ14の一端(鍔部16Bとは反対の側の端部)を溶接により被締結部材10に固定する。更にボルト18を被締結部材10及び12のボルト挿通孔を経てボルト孔32に挿入し、ボルトをねじ込むことによりボルト及びナット16を締め付け、ボルトの鍔部18Cとナット16及びリテーナ14との間に被締結部材10及び12を所定のねじ込み圧縮力にて挾持させる。
【0027】
かくして図示の第一の実施形態によれば、ナット16はその鍔部16Bがリテーナ14の端面に当接するよう嵌合部16Aがリテーナ14に圧入により嵌合固定され、その状態にてリテーナ14が被締結部材10に溶接により固定されるので、リテーナ14を介して被締結部材10に固定されたナット16に対しボルト18を所定の締結トルクにて締め付けることができ、従って被締結部材10及び12を強固に締結固定することができる。
【0028】
またリテーナ14のナット受入れ孔24及びナット16の嵌合部16Aは実質的に断面正方形をなすので、ナット16及びボルト18による締結部が冷熱サイクルや振動等に曝されることに起因してたとえナット16とリテーナ14との間に緩みが生じても、ナット16がリテーナ14及びボルト18に対し相対回転することが確実に阻止され、従って締結固定状態が悪化することを効果的に防止することができる。
【0029】
更にナット16及びボルト18の締め付けによる圧縮応力は嵌合部16Aより直接被締結部材10に与えられるだけでなく、鍔部16Bよりリテーナ14を介して被締結部材10に与えられるので、被締結部材10が受ける圧力を低減し、これにより被締結部材10がナット16により損傷される虞れを効果的に低減することができる。
【0030】
特に図示の実施形態によれば、リテーナ14のナット受入れ孔24の壁面にはセレーション26が設けられているので、嵌合部16A及びナット受入れ孔24の寸法公差が厳密に管理されなくても嵌合部16Aをナット受入れ孔24に確実に圧入固定することができ、またセレーション26は締結軸線22に沿って延在し、嵌合部16Aの先端には面取り部34が設けられているので、ナット受入れ孔24に対する嵌合部16Aの圧入を容易に行うことができる。
【0031】
図6は本発明による螺合式締結装置の第二の実施形態を示す縦断面図、図7及び図8はそれぞれ第二の実施形態のリテーナ及びボルトを示す斜視図である。尚これらの図に於いて、図1乃至図3に示された部分と実質的に同一の部分には図1乃至図3に於いて付された符号と同一の符号が付されている。
【0032】
これらの図に於いて、36及び38はそれぞれ第一及び第二の螺合式締結部材としてのボルト及びナットを示している。この実施形態に於いても、被締結部材10、12及びリテーナ14は実質的に同種又は異種のアルミニウム合金にて形成され、ボルト36及びナット38は鋼にて形成され、リテーナ14はすみ肉溶接による溶接部20により一端にて被締結部材12に固定されている。
【0033】
リテーナ14は実質的に断面正方形の四角柱状をなし、締結軸線22に沿って延在するボルト受入れ孔40を有している。ボルト受入れ孔40も実質的に断面正方形をなし、ボルト受入れ孔40の壁面には微小な凹凸として締結軸線22に沿って延在するセレーションが設けられている。尚この実施形態に於いても、リテーナ14は中空四角柱状の押し出し成形材がシャーリング等によって切断されることにより形成されることが好ましく、またセレーションは押し出し成形時に形成されることが好ましい。
【0034】
ボルト36は締結軸線22に沿って延在するシャフト部36Aと、ボルト受入れ孔40と実質的に同一の大きさの断面正方形のヘッド部36Bと、該ヘッド部36Bと一体に形成された鍔部36Cを有している。ヘッド部36Bの側壁の長さはシャフト部36Aの直径よりも遥かに大きく、これによりヘッド部36Bのシャフト部36Aの側の端面には肩部42が郭定されている。またヘッド部36Bはリテーナ14の締結軸線22に沿う方向の長さと同一の長さ又はこれよりも僅かに小さい長さを有している。
【0035】
ヘッド部36Bのシャフト部36Aの側の端部の外周にはボルト受入れ孔40に対するヘッド部36Bの圧入を容易にするための面取り部44が設けられている。鍔部36Cはリテーナ14と実質的に同一の大きさの断面正方形をなしており、鍔部36Cのヘッド部36Bとは反対側の端面には図には示されていない六角レンチによりボルト36を締結軸線22の周りに回転させるための六角形の窪み46が設けられている。
【0036】
ナット38は一端に実質的に円板状の鍔部38Cを有し、鍔部38Cはボルト36のヘッド部36Bの側壁の長さよりも大きい直径を有している。尚ナット38は鍔部を有しないナットであってもよく、その場合にはナットと被締結部材10との間に座金が介装され、座金の直径はヘッド部36Bの側壁の長さよりも大きいことが好ましい。
【0037】
上述の如く構成された第二の実施形態により二つの被締結部材10及び12を締結固定する場合には、まずボルト36の鍔部36Cがリテーナ14の端面に当接するよう、ボルト36のヘッド部36Bをリテーナ14に圧入により嵌合固定する。次いでボルト36のシャフト部36Aを被締結部材10及び12のボルト挿通孔に挿入し、リテーナ14の一端(鍔部36Cとは反対の側の端部)を溶接により被締結部材12に固定する。更にナット38をシャフト部36Aにねじ込むことによりボルト36及びナット38を締め付け、ボルトのヘッド部36B及びリテーナ14とナット38との間に締結部材10及び12を所定のねじ込み圧縮力にて挾持させる。
【0038】
かくして図示の第二の実施形態によれば、ボルト36はその鍔部36Cがリテーナ14の端面に当接するようヘッド部36Bがリテーナ14に圧入により嵌合固定され、その状態にてリテーナ14が被締結部材12に溶接により固定されるので、リテーナ14を介して被締結部材12に固定されたボルト36に対しナット38を所定の締結トルクにて締め付けることができ、従って被締結部材10及び12を強固に締結固定することができる。
【0039】
また第二の実施形態に於いても、リテーナ14のボルト受入れ孔40及びボルト36のヘッド部36Bは実質的に断面正方形をなすので、ボルト36及びナット38による締結部が冷熱サイクルや振動等に曝されることに起因してたとえボルト36とリテーナ14との間に緩みが生じても、ボルト36がリテーナ14及びナット38に対し相対回転することが確実に阻止され、従って締結固定状態が悪化することを効果的に防止することができる。
【0040】
またボルト36及びナット38の締め付けによる圧縮応力はヘッド36Bより直接被締結部材12に与えられるだけでなく、鍔部36Cよりリテーナ14を介して被締結部材12に与えられるので、被締結部材12が受ける圧力を低減し、これにより被締結部材12がボルト36により損傷される虞れを効果的に低減することができる。
【0041】
更にこの実施形態に於いてもリテーナ14のボルト受入れ孔40の壁面にはセレーションが設けられているので、ヘッド部36B及びボルト受入れ孔40の寸法公差が厳密に管理されなくてもヘッド部36Bをボルト受入れ孔40に確実に圧入固定することができ、またセレーションは締結軸線22に沿って延在し、ヘッド部36Bの先端には面取り部44が設けられているので、ボルト受入れ孔40に対するヘッド部36Bの圧入を容易に行うことができる。
【0042】
図9は第一の実施形態のリテーナの修正例を示す斜視図、図10は図9に示されたリテーナを形成するための中空四角柱状の押し出し成形材に対する切断態様を示す部分斜視図である。尚これらの図に於いて、図1乃至図3に示された部分と実質的に同一の部分には図1乃至図3に於いて付された符号と同一の符号が付されている。
【0043】
この修正例に於いては、リテーナ14の被締結部材に固定される側の端部の両側縁には一対の突起14Aが設けられている。尚この修正例のリテーナも例えば図10に示されている如く中空四角柱状の押し出し成形材28がシャーリング等により屈曲した切断線48に沿って切断されることにより形成されることが好ましい。
【0044】
またこの修正例によるリテーナは、図11に示されている如く、突起14Aが被締結部材10に当接する状態にてナット16をリテーナ14に圧入する際の加圧力Fにより突起14Aを被締結部材10に押し付け、その状態にて図には示されていない電極を介してリテーナ14と被締結部材10との間に大電流を通電し、その通電抵抗による発熱により突起14を溶融させ、これにより図12に示されている如く、元の突起14Aの部分に溶接部50を形成することによって被締結部材に固定される。
【0045】
従ってこの修正例によれば、上述の第一及び第二の実施形態の如く例えばすみ肉溶接によりリテーナを被締結部材に固定する場合に比して、能率よくリテーナ14を被締結部材に固定することができる。またこの修正例は上述の第二の実施形態に適用されてもよい。
【0046】
以上に於いては本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【0047】
例えば上述の各実施形態に於いては、嵌合部16A、ナット受入れ孔24、ヘッド部36B、ボルト受入れ孔40は断面正方形をなしているが、リテーナ及び第一の螺合式締結部材の互いに嵌合する部分は実質的に締結軸線22に沿って延在し互いに対向する実質的に平面状の部分を含み、それらの実質的に平面状の部分が互いに係合することによりリテーナ及び第一の螺合式締結部材が相対回転不能に嵌合する限り、例えばD形の如き任意の断面形状であってよい。
【0048】
また上述の各実施形態に於いては、ナット受入れ孔24及びボルト受入れ孔40の壁面には微小な凹凸として締結軸線22に沿って延在するセレーション26が設けられているが、セレーションの延在方向は締結軸線22に沿う方向以外の方向であってもよく、セレーションの如き微小な凹凸が省略されてもよい。
【0049】
また上述の各実施形態に於いては、締結により互いに固定されるべき二つの被締結部材10及び12はリテーナ14とボルト18の鍔部18Cとの間又はリテーナ14とナット38の鍔部38Cとの間に挾持されるようになっているが、一方の締結部材がナット又はボルトに一体的に固定されてもよい。
【0050】
更に上述の各実施形態に於いては、鍔部16B及び36Cはリテーナ14と実質的に同一の大きさの断面正方形をなしており、従ってリテーナに対するナットやボルトの挿入を容易に行うことができ、また外観上もきれいであるが、リテーナ及び鍔部の形状は任意の形状であってよく、またリテーナ及び鍔部の外形が相互に異なっていてもよい。
【0051】
【発明の効果】
以上の説明より明らかである如く、本発明の請求項1の構成によれば、第一の螺合式締結部材は締結軸線の周りに相対回転不能にリテーナに嵌合し、第一の螺合式締結部材は被締結部材とは反対の側にてリテーナに当接する鍔部を有するので、ナット及びリテーナの構成材料の熱膨張率の相違等に起因してナットとリテーナとの間に経時的に緩みが生じても、ナットがリテーナ及びボルトに対し相対的に回転することがなく、また締結による圧縮応力が鍔部より確実にリテーナを介して被締結部材に伝達され、これにより被締結部材に作用する圧力が低減され、従って被締結部材の締結固定状態が比較的早期に悪化したり被締結部材が損傷したりする虞れを効果的に且つ確実に低減することができる。
また上記請求項1の構成によれば、リテーナ及び第一の螺合式締結部材の互いに嵌合する部分は締結軸線に沿って延在し互いに対向する平面状の部分を含み、それらの平面状の部分が互いに係合することにより相対回転不能に嵌合しているので、第一及び第二の螺合式締結部材による締結部が冷熱サイクルや振動等に曝されることに起因してたとえ第一の螺合式締結部材とリテーナとの間に緩みが生じても、第二の螺合式締結部材がリテーナ及び第一の螺合式締結部材に対し相対回転することを確実に阻止することができ、従って締結固定状態が悪化することを効果的に防止することができる。
【0052】
また第一の螺合式締結部材はリテーナに対し相対回転しないので、締結の解除が必要になった場合にも第一の螺合式締結部材を工具によって回転しないよう固定する必要がなく、第二の螺合式締結部材を回転させるだけで容易に且つ確実に締結を解除することができる。
【0053】
また請求項2の構成によれば、被締結部材及びリテーナは実質的に同種の軽合金にて形成されるので、溶接によりリテーナを被締結部材に容易に且つ確実に固定することができ、従ってリテーナを介して第一の螺合式締結部材を被締結部材に容易に且つ確実に固定することができ、また被覆締結部材が損傷する虞れを更に一層低減することができる。
また上記請求項3の構成によれば、鍔部は被締結部材とは反対の側のリテーナの端面全体に当接しているので、第一及び第二の螺合式締結部材の締め付けによる力を鍔部よりリテーナの端面全体を経てリテーナへ伝達させることができ、これにより締め付けによる力を鍔部よりリテーナを介して被締結部材へ効果的に伝達させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による螺合式締結装置の第一の実施形態を示す縦断面図である。
【図2】第一の実施形態のリテーナを示す斜視図である。
【図3】第一の実施形態のナットを示す斜視図である。
【図4】第一の実施形態のリテーナの拡大部分断面図である。
【図5】リテーナを形成するための中空四角柱状の押し出し成形材を示す部分斜視図である。
【図6】本発明による螺合式締結装置の第二の実施形態を示す縦断面図である。
【図7】第二の実施形態のリテーナを示す斜視図である。
【図8】第二の実施形態のボルトを示す斜視図である。
【図9】第一の実施形態のリテーナの修正例を示す斜視図である。
【図10】図9に示されたリテーナを形成するための中空四角柱状の押し出し成形材に対する切断態様を示す部分斜視図である。
【図11】図9に示されたリテーナを抵抗溶接により被締結部材に固定する要領を示す斜視図である。
【図12】図11に示された要領により被締結部材に固定されたリテーナを示す拡大部分断面図である。
【符号の説明】
10、12…被締結部材
14…リテーナ
16…ナット
16A…嵌合部
16B…鍔部
18…ボルト
20…溶接部
22…締結軸線
24…ナット受入れ孔
26…セレーション
32…ボルト孔
36…ボルト
36C…鍔部
38…ナット
40…ボルト受入れ孔

Claims (3)

  1. 被締結部材に固定される実質的に筒状のリテーナと、締結軸線の周りに相対回転不能に前記リテーナに嵌合する第一の螺合式締結部材と、前記第一の螺合式締結部材と螺合し少なくとも前記リテーナとの間に前記被締結部材を挾持する第二の螺合式締結部材とを有し、前記第一の螺合式締結部材は前記被締結部材とは反対の側にて前記リテーナに当接する鍔部を有し、前記リテーナ及び前記第一の螺合式締結部材の互いに嵌合する部分は前記締結軸線に沿って延在し互いに対向する平面状の部分を含み、それらの平面状の部分が互いに係合することにより相対回転不能に嵌合していることを特徴とする螺合式締結装置。
  2. 前記被締結部材及び前記リテーナは実質的に同種の軽合金にて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の螺合式締結装置。
  3. 前記鍔部は前記被締結部材とは反対の側の前記リテーナの端面全体に当接していることを特徴とする請求項1又は2に記載の螺合式締結装置。
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