JP4239059B2 - 調光装置及びその駆動方法、並びに撮像装置 - Google Patents

調光装置及びその駆動方法、並びに撮像装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、入射光の光量を調節して出射するための調光装置及びその駆動方法、並びにこの調光装置を用いた撮像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
通常、液晶素子(液晶セル)を用いる調光装置には、偏光板が使用される。この液晶セルには、例えばTN(Twisted Nematic)型液晶セルやゲスト−ホスト(GH(Guest Host))型液晶セルが用いられる。
【0003】
図18は、従来の調光装置の動作原理を示す概略図である。この調光装置は、主に偏光板1とGHセル2とで構成され、GHセル2は、図示省略したが、2枚のガラス基板の間に封入され、また動作電極や液晶配向膜を有している(以下、同様)。GHセル2内には、液晶分子3と二色性染料分子4とが封入されている。
【0004】
二色性染料分子4は、光の吸収に異方性を有し、例えば分子長軸方向の光を吸収するポジ型(p型)色素分子である。また、液晶分子3は、誘電率異方性が正のポジ型(正型)である。
【0005】
図18(a)は、電圧を印加していない(電圧無印加)時のGHセル2の状態を示す。入射光5は、偏光板1を透過することによって直線偏光にされる。図18(a)では、この偏光方向と、二色性染料分子4の分子長軸方向とが一致するので、入射光5は二色性染料分子4に吸収され、GHセル2の光透過率が低下する。
【0006】
そして、図18(b)で示すように、GHセル2に電圧印加を行うと、液晶分子3が電界方向に向くに伴って、二色性染料分子4の分子長軸方向は、直線偏光の偏光方向と直角になる。このため、入射光5はGHセル2によりほとんど吸収されずに透過する。
【0007】
なお、分子短軸方向の光を吸収するネガ型(n型)の二色性染料分子を用いる場合は、上記ポジ型の二色性染料分子4の場合と逆になり、電圧無印加時には光が吸収されず、電圧印加時に光が吸収される。
【0008】
図18に示された調光装置では、電圧印加時と電圧無印加時との吸光度の比、即ち、光学濃度の比が約10である。これは、偏光板1を使用せずにGHセル2のみで構成される調光装置に比べて約2倍の光学濃度比を有する。
【0009】
ここで、図20にGHセルを構成する2枚のガラス基板間の距離(以下、セルギャップと称する。)による光透過率の変化を示すように、光学濃度比及びその変化(印加電圧−光透過率特性)は、セルギャップによって左右される。
【0010】
即ち、セルギャップが大きく、液晶層の厚みが厚いほど、透明時と遮光時との光透過率の差が大きくなり、光学濃度比は大きく取れるが、透明時の光透過率が低下してしまう。
【0011】
また、図21に示すように、セルギャップが変化すると、GHセルに与える印加電圧と光透過率との関係(印加電圧−光透過率特性)も変化し、例えばセルギャップが大きいほど、光透過率が変化し始める閾値電圧が低電圧側にシフトする。或いは、図21に併せて示すように、セルギャップが変化すると、GHセルに与える印加パルス幅(Duty比)と光透過率との関係(印加パルス幅−光透過率特性)も変化し、例えばセルギャップが大きいほど、光透過率が変化し始める閾値パルス幅が低パルス幅側にシフトする。
【0012】
そして、パルス電圧変調(PHM)駆動による上記の印加電圧−光透過率特性から得られる閾値電圧と比べて、パルス幅変調(PWM)駆動による上記の印加パルス幅−光透過率特性から得られる閾値パルス幅のほうが、かなり低実効電圧(パルス幅)側にシフトする。
【0013】
【発明に至る経過】
上述した調光装置の駆動においては、GHセルの光透過率を変化させる際に、ステップ状に駆動パルスを変化させるのだが、用いる液晶素子の構造や材料、その使用環境によっては、透明時(最大透過率)から遮光時(最小透過率)への大きなステップ応答(または遮光時から透明時への大きなステップ応答)時に比べて、中間調で光透過率をわずかに変化させようとする場合に応答時間が著しく長くなることがあり、その改善を図ることが切望されていた。
【0014】
本出願人は、上記のような従来の技術が抱えている問題点について鋭意検討した結果、目標光透過率に達するまでの応答時間を大幅に短縮できる調光装置を、特願2000−311501号において、提案した。
【0015】
即ち、特願2000−311501号に係る発明(以下、先願発明と称する。)によれば、液晶素子の光透過率を、現光透過率から目標光透過率へ中間調でわずかに変化させる際に、目標光透過率に対応する駆動パルスを与える前に、完全遮光時(最小透過率)若しくは完全透明時(最大透過率)に対応する制御駆動パルスを予め適度に挿入することにより、単に目標光透過率に対応する駆動パルスをステップ状に与えて駆動する従来の駆動方法に比べて、液晶の配向変化(若しくはその緩和)がスムーズに立ち上がるようになり、目標光透過率に達するまでの応答時間を大幅に短縮することができたのである。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者が更なる改善を図るよう検討を鋭意進めた結果、液晶素子の過渡応答速度の低下が顕著となる領域は、特にGHセルの印加電圧(又はパルス幅)−光透過率特性の閾値電圧(又はパルス幅)を挟んで中間調で僅かに光透過率を変化させる場合であることがわかった。そこで、光透過率を中間調で僅かに変化させる際に応答時間を短縮することができかつ先願発明よりも簡便な駆動法を可能とする手段が求められていた。
【0017】
また、図22に示すように、GHセルに印加する実効駆動電圧(印加電圧)を5V以上に増加させると、僅かながらも光透過率(但し、光学系トータルとしての光透過率)は低下し続け、遮光性能を向上させることができ、前記液晶素子のダイナミックレンジの拡大を図ることが期待できる。
【0018】
しかしながら、遮光性能を向上させるために駆動電圧をあまり大きなステップ幅で変化させると、液晶分子に配向乱れが生じ、これによって光学特性が不安定になる。この現象は、バックフロー(背流)によって生じる蹴り返し(Optical Bounce)と言われ、ある程度時間が経つと、液晶及び色素の再配向によって回復することが多いが、これが過渡応答時間の遅れとなるという問題があった。
【0019】
例えば、図23に示すように、0V→5Vで駆動した場合に比べて、遮光性能を向上させるために0V→7V或いは0V→10Vと最大駆動電圧を大きくした場合は、明らかに光透過率の不安定な領域が発生している。
【0020】
そこで、本発明の目的は、光透過率を中間調で僅かに変化させる際にも応答時間を短縮することができ、また遮光性能の向上を図ることができる、調光装置及びその駆動方法、並びに撮像装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、液晶素子とこの液晶素子から出射する光の透過率を現光透過率から目標光透過率へ変化させるように駆動を行う制御回路部とを具備し、
前記液晶素子の印加電圧の増大に伴って光透過率が減少若しくは増大する場合、前記 液晶素子の最大光透過率が得られる印加電圧と、前記液晶素子の最小光透過率が得られ る印加電圧との間の中間電圧範囲において、前記液晶素子の印加電圧−光透過率特性の 閾値電圧を挟んでその一方側にある印加電圧V 1 からその他方側にある印加電圧V 2 へと 印加電圧が増大して、中間調の光透過率変化を得る中間調駆動が行われる際に、前記閾 値電圧以上であって前記印加電圧V 2 以下の実効電圧が初期印加電圧として印加され、 更に前記印加電圧V 2 へと電圧変化される
ように前記制御回路部が動作する調光装置、及びこの調光装置が撮像系の光路中に配されている撮像装置に係るものである。
【0022】
また、液晶素子からなる調光装置を駆動する方法であって、前記液晶素子から出射する光の透過率を現光透過率から目標光透過率へ変化させるように駆動を行う際に、
前記液晶素子の印加電圧の増大に伴って光透過率が減少若しくは増大する場合、前記 液晶素子の最大光透過率が得られる印加電圧と、前記液晶素子の最小光透過率が得られ る印加電圧との間の中間電圧範囲において、前記液晶素子の印加電圧−光透過率特性の 閾値電圧を挟んでその一方側にある印加電圧V 1 からその他方側にある印加電圧V 2 へと 印加電圧を増大させて、中間調の光透過率変化を得る中間調駆動を行う際に、前記閾値 電圧以上であって前記印加電圧V 2 以下の実効電圧を初期印加電圧として印加し、更に 前記印加電圧V 2 へと電圧変化させる、
調光装置の駆動方法に係るものである。
【0023】
さらに、液晶素子とこの液晶素子から出射する光の透過率を現光透過率から目標光透過率へ変化させるように駆動を行う制御回路部とを具備し、
前記液晶素子の印加電圧の減少に伴って光透過率が増大若しくは減少する場合、前記 液晶素子の最大光透過率が得られる印加電圧と、前記液晶素子の最小光透過率が得られ る印加電圧との間の中間電圧範囲において、前記液晶素子の印加電圧−光透過率特性の 閾値電圧を挟んでその一方側にある印加電圧V 1 ’からその他方側にある印加電圧V 2 へと印加電圧が減少して、中間調の光透過率変化を得る中間調駆動が行われる際に、前 記閾値電圧以下であって前記印加電圧V 2 ’以上の実効電圧が初期印加電圧として印加 され、更に前記印加電圧V 2 ’へと電圧変化される
ように前記制御回路部が動作する調光装置、及びこの調光装置が撮像系の光路中に配されている撮像装置に係るものである。
【0024】
また、液晶素子からなる調光装置を駆動する方法であって、前記液晶素子から出射する光の透過率を現光透過率から目標光透過率へ変化させるように駆動を行う際に、
前記液晶素子の印加電圧の減少に伴って光透過率が増大若しくは減少する場合、前記 液晶素子の最大光透過率が得られる印加電圧と、前記液晶素子の最小光透過率が得られ る印加電圧との間の中間電圧範囲において、前記液晶素子の印加電圧−光透過率特性の 閾値電圧を挟んでその一方側にある印加電圧V 1 ’からその他方側にある印加電圧V 2 へと印加電圧を減少させて、中間調の光透過率変化を得る中間調駆動を行う際に、前記 閾値電圧以下であって前記印加電圧V 2 ’以上の実効電圧を初期印加電圧として印加し 、更に前記印加電圧V 2 ’へと電圧変化させる、
調光装置の駆動方法に係るものである。
【0025】
本発明によれば、前記液晶素子から出射する光の透過率を現光透過率から目標光透過率へ変化させるように駆動を行う際に、前記液晶素子の印加電圧の増大に伴って光透過率が減少若しくは増大する場合には、前記液晶素子の前記印加電圧−光透過率特性の閾値電圧以上の実効電圧を前記液晶素子に印加してから、前記駆動を行わせる、或いは、前記液晶素子の印加電圧の減少に伴って光透過率が増大若しくは減少する場合には、前記液晶素子の前記印加電圧−光透過率特性の閾値電圧以下の実効電圧を前記液晶素子に印加してから、前記駆動を行わせるので、従来最も過渡応答速度の低下が顕著であった、前記液晶素子の中間調駆動において、液晶の配向変化又はその緩和をスムーズに立ち上がらせ、光透過率の過渡応答時間を大幅に短縮することができる。
【0026】
また、調光における光学濃度比(即ちダイナミックレンジ)を拡大すべく、遮光性能を向上させるために、前記液晶素子に対して従来よりも高い実効駆動電圧を印加した場合でも、前記印加電圧−光透過率特性の閾値電圧以上又は以下の実効電圧を前記液晶素子に印加してから、前記駆動を行わせるので、即ち、初期電圧を前記印加電圧−光透過率特性の閾値電圧以上又は以下に設定しているので、従来のように、過渡応答速度が低下したり、バックフロー(背流)による蹴り返し(optical bounce)が生じて、液晶分子の配向状態が不安定になることを防止することもでき、光透過率の安定制御を容易に行うことを可能とする。従って、遮光性能の向上を図ることができるので、調光における光学濃度比を拡大することができる。
【0027】
従って、本発明は、液晶素子を用いた調光装置及び撮像装置の性能、画質、信頼性の向上を図るために極めて有効である。
【0028】
また、本発明は、液晶素子とこの液晶素子から出射する光の透過率を現光透過率から目標光透過率へ変化させるように駆動を行う制御回路部とを具備し、
前記液晶素子の印加パルス幅(Duty比)の増大に伴って光透過率が減少若しくは 増大する場合、前記液晶素子の最大光透過率が得られる印加パルス幅と、前記液晶素子 の最小光透過率が得られる印加パルス幅との間の中間パルス幅範囲において、前記液晶 素子の印加パルス幅−光透過率特性の閾値パルス幅を挟んでその一方側にある印加パル ス幅PW 1 からその他方側にある印加パルス幅PW 2 へと印加パルス幅が増大して、中間 調の光透過率変化を得る中間調駆動が行われる際に、前記閾値パルス幅以上であって前 記印加パルス幅PW 2 以下の実効パルス幅が初期印加パルス幅として印加され、更に前 記印加パルス幅PW 2 へとパルス幅変化される
ように前記制御回路部が動作する調光装置、及びこの調光装置が撮像系の光路中に配されている撮像装置に係るものである。
【0029】
また、液晶素子からなる調光装置を駆動する方法であって、前記液晶素子から出射する光の透過率を現光透過率から目標光透過率へ変化させるように駆動を行う際に、
前記液晶素子の印加パルス幅(Duty比)の増大に伴って光透過率が減少若しくは 増大する場合、前記液晶素子の最大光透過率が得られる印加パルス幅と、前記液晶素子 の最小光透過率が得られる印加パルス幅との間の中間パルス幅範囲において、前記液晶 素子の印加パルス幅−光透過率特性の閾値パルス幅を挟んでその一方側にある印加パル ス幅PW 1 からその他方側にある印加パルス幅PW 2 へと印加パルス幅を増大させて、中 間調の光透過率変化を得る中間駆動を行う際に、前記閾値パルス幅以上であって前記印 加パルス幅PW 2 以下の実効パルス幅を初期印加パルス幅として印加し、更に前記印加 パルス幅PW 2 へとパルス幅変化させる、
調光装置駆動方法に係るものである。
【0030】
さらに、液晶素子とこの液晶素子から出射する光の透過率を現光透過率から目標光透過率へ変化させるように駆動を行う制御回路部とを具備し、
前記液晶素子の印加パルス幅(Duty比)の減少に伴って光透過率が増大若しくは 減少する場合、前記液晶素子の最大光透過率が得られる印加パルス幅と、前記液晶素子 の最小光透過率が得られる印加パルス幅との間の中間パルス幅範囲において、前記液晶 素子の印加パルス幅−光透過率特性の閾値パルス幅を挟んでその一方側にある印加パル ス幅PW 1 ’からその他方側にある印加パルス幅PW 2 ’へとパルス幅が減少して、中間 調の光透過率変化を得る中間調駆動が行われる際に、前記閾値パルス幅以下であって前 記印加パルス幅PW 2 ’以上の実効パルス幅が初期印加パルス幅として印加され、更に 前記印加パルス幅PW 2 ’へとパルス幅変化される
ように前記制御回路部が動作する調光装置、及びこの調光装置が撮像系の光路中に配されている撮像装置に係るものである。
【0031】
また、液晶素子からなる調光装置を駆動する方法であって、前記液晶素子から出射する光の透過率を現光透過率から目標光透過率へ変化させるように駆動を行う際に、
前記液晶素子の印加パルス幅(Duty比)の減少に伴って光透過率が増大若しくは 減少する場合、前記液晶素子の最大光透過率が得られる印加パルス幅と、前記液晶素子 の最小光透過率が得られる印加パルス幅との間の中間パルス幅範囲において、前記液晶 素子の印加パルス幅−光透過率特性の閾値パルス幅を挟んでその一方側にある印加パル ス幅PW 1 ’からその他方側にある印加パルス幅PW 2 ’へと印加パルス幅を減少させて 、中間調の光透過率変化を得る中間駆動を行う際に、前記閾値パルス幅以下であって前 記印加パルス幅PW 2 ’以上の実効パルス幅を初期印加パルス幅として印加し、更に前 記印加パルス幅PW 2 ’へとパルス幅変化させる、
調光装置の駆動方法に係るものである。
【0032】
本発明によれば、前記液晶素子から出射する光の透過率を現光透過率から目標光透過率へ変化させるように駆動を行う際に、前記液晶素子の印加パルス幅の増大に伴って光透過率が減少若しくは増大する場合には、前記液晶素子の前記印加パルス幅−光透過率特性の閾値パルス幅以上の実効パルス幅を前記液晶素子に印加してから、前記駆動を行わせる、或いは、前記液晶素子の印加パルス幅の減少に伴って光透過率が増大若しくは減少する場合には、前記液晶素子の印加パルス幅−光透過率特性の閾値パルス幅以下の実効パルス幅を前記液晶素子に印加してから、前記駆動を行わせるので、上述したと同様の効果が奏せられる。
【0033】
【発明の実施の形態】
本発明においては、液晶素子と;この液晶素子から出射する光の透過率を現光透過率から目標光透過率へ変化させるように駆動を行う際に、前記液晶素子の印加電圧(又は印加パルス幅)−光透過率特性の閾値電圧(又は閾値パルス幅)以上又は以下の実効電圧(又は実効パルス幅)を予め前記液晶素子に印加してから、前記駆動を行わせる制御回路部と;を具備することが望ましい。
【0034】
また、前記印加電圧(又は印加パルス幅)−光透過率特性を検出する検出部を有し、前記検出部で得られた検出値から前記閾値電圧(又は閾値パルス幅)を算出し、この閾値電圧(又は閾値パルス幅)以上又は以下の実効電圧(又は実効パルス幅)を前記制御回路部によって前記液晶素子に印加することが好ましい。
【0035】
即ち、前記液晶素子が、ネガ型液晶分子をホスト材料とし、二色性染料分子をゲスト材料とするゲスト−ホスト型液晶素子であり、この液晶素子の印加電圧(又は印加パルス幅)を増大させて光透過率を大から小へ変化させる場合、或いは、前記液晶素子が、ポジ型液晶分子をホスト材料とし、二色性染料分子をゲスト材料とするゲスト−ホスト型液晶素子であり、この液晶素子の印加電圧(又は印加パルス幅)を増大させて光透過率を小から大へ変化させる場合、前記液晶素子の印加電圧(又は印加パルス幅)−光透過率特性の閾値電圧(又は閾値パルス幅)以上の実効電圧(又は実効パルス幅)を予め前記液晶素子に印加してから、駆動を行わせる。
【0036】
または、前記液晶素子が、ネガ型液晶分子をホスト材料とし、二色性染料分子をゲスト材料とするゲスト−ホスト型液晶素子であり、この液晶素子の印加電圧(又は印加パルス幅)を減少させて光透過率を小から大へ変化させる場合、或いは、前記液晶素子が、ポジ型液晶分子をホスト材料とし、二色性染料分子をゲスト分子とするゲスト−ホスト型液晶素子であり、この液晶素子の印加電圧(又は印加パルス幅)を減少させて光透過率を大から小へ変化させる場合、前記液晶素子の印加電圧(又は印加パルス幅)−光透過率特性の閾値電圧(又は閾値パルス幅)以下の実効電圧(又は実効パルス幅)を予め前記液晶素子に印加してから、駆動を行わせる。
【0037】
さらに、前記光透過率を最大光透過率と最小光透過率との間の中間値で変化させるか、或いは、前記光透過率を最大光透過率から最小光透過率へ変化させることが好ましい。
【0038】
そして、前記駆動時の駆動パルスの少なくともパルス電圧又はパルス幅を制御してよい。
【0039】
また、前記液晶素子が、ネガ型液晶分子をホスト材料とし、二色性染料分子をゲスト材料とするゲスト−ホスト型液晶素子であるのがよい。
【0040】
このような液晶素子は、本出願人が既に提出した特願平11−322186号に係る先願発明に依拠したものである。この先願発明によれば、液晶素子と、この液晶素子に入射する光の光路中に配される偏光板とで調光装置を構成し、更に、ネガ型液晶分子をホスト材料とするゲスト−ホスト型液晶を用いることにより、電圧無印加時と電圧印加時の吸光度の比(即ち光学濃度の比)が向上し、調光装置のコントラスト比が大きくなり、明るい場所から暗い場所までにおいて、調光動作を正常に行うことを可能とする。
【0041】
図18に示したゲスト−ホスト型液晶セル(GHセル)2において、ホスト材料3として誘電率異方性(Δε)が正のポジ型の液晶分子を用い、ゲスト材料4には二色性を有する光吸収異方性(ΔA)が正のポジ型染料分子を用い、偏光板1をGHセル2の光入射側に配し、矩形波を駆動波形として動作電圧印加時の光透過率の変化を計測すると、図19に示すように、動作電圧の印加に伴って、可視光の平均光透過率(空気中。液晶セルに加えて偏光板を足したときの透過率を参照(=100%)とした:以下、同様)が増加するが、電圧を10Vにまで上昇させたときの最大光透過率は60%程度であり、しかも光透過率の変化が緩やかである。
【0042】
これは、ポジ型のホスト材料を用いる場合、電圧無印加時に液晶セルの液晶配向膜との界面での液晶分子の相互作用(interaction)が強いため、電圧を印加してもダイレクタの向きが変化しない(或いは、変化し難い)液晶分子が残ってしまうからであると考えられる。
【0043】
これに対し、先願発明では、図11に示すように、ゲスト−ホスト型液晶セル(GHセル)12において、ホスト材料13として、誘電率異方性(Δε)が負のネガ型の液晶分子であるMerck社製のMLC−6608を一例として用い、ゲスト材料4には二色性を有するポジ型染料分子であるBDH社製のD5を一例として用いることにより、偏光板11をGHセル12の光入射側に配し、矩形波を駆動波形として動作電圧印加時の光透過率の変化を計測したところ、図12に示すように、動作電圧の印加に伴って、可視光の平均光透過率(空気中)が最大光透過率約80%から数%にまで減少し、しかも光透過率の変化が比較的急峻となる。
【0044】
これは、ネガ型のホスト材料を用いる場合、電圧無印加時に液晶セルの液晶配向膜との界面での液晶分子の相互作用(interaction)が非常に弱いため、電圧無印加時に光が透過し易く、また電圧印加と共に液晶分子のダイレクタの向きが変化し易くなるからであると考えられる。
【0045】
このようにして、本発明において、ネガ型のホスト材料を用いてGHセル12を構成すれば、光透過率(特に透明時)が向上し、GHセル12を撮像光学系中にそのまま位置固定して使用できる、よりコンパクトな調光装置を実現可能となる。この場合、液晶素子への入射光の光路中に偏光板を配することにより、電圧無印加時と電圧印加時の吸光度の比(即ち光学濃度の比)が一層向上し、調光装置のコントラスト比が更に大きくなり、明るい場所から暗い場所までにおいて、調光動作を正常に行うことができる。
【0046】
なお、本発明においては、前記液晶素子のネガ型液晶分子の誘電率異方性は負であるのがよいが、ゲスト材料は、ポジ型又はネガ型の二色性染料分子からなっていてよい。また、ホスト材料はネガ型であるのがよいが、ポジ型でも差支えはない。
【0047】
本発明において、ネガ型(又はポジ型)のホスト材料、ポジ型(又はネガ型)のゲスト材料は公知の材料から選択して用いることができる。但し、実際の使用の場合は、実使用温度範囲でネマチック性を示すように選択し、ブレンドした組成物を用いてよい。
【0048】
図10に示すような、本発明に基づく調光装置において、偏光板11は、本出願人による上述した先願発明と同ように、GHセル12に入射する光の有効光路に対して出し入れ可能である。具体的には、偏光板11を仮想線で示す位置に移動させることにより、光の有効光路の外へ出すことができる。この偏光板11を出し入れする手段として、図13に示すような機械式アイリスが用いられてもよい。
【0049】
この機械式アイリスは、一般にデジタルスチルカメラやビデオカメラ等に用いられる機械式絞り装置であり、主として2枚のアイリス羽根18、19と、アイリス羽根18に貼付された偏光板11とからなる。アイリス羽根18、19は、上下方向に移動させることができる。矢印21で示される方向に、図示せぬ駆動モーターを用いてアイリス羽根18、19を相対的に移動させる。
【0050】
これにより、図13で示すように、アイリス羽根18、19は部分的に重ねられ、この重なりが大きくなると、アイリス羽根18、19の中央付近に位置する有効光路20上の開口部22が、偏光板11により覆われる。
【0051】
図14は、有効光路20付近の機械式アイリスの部分拡大図である。アイリス羽根18が下方に移動すると同時に、アイリス羽根19が上方に移動する。これに伴って、図14(a)に示すように、アイリス羽根18に貼付された偏光板11も有効光路20の外へと移動する。逆に、アイリスはね18を上方に、またアイリス羽根19を下方に移動させることにより、互いのアイリス羽根18、19が重なる。これに従って、図14(b)に示すように、偏光板11は有効光路20上に移動し、開口部22を次第に覆う。アイリス羽根18、19の互いの重なりが大きくなると、図14(c)に示すように、偏光板11は開口部22を全て覆う。
【0052】
次に、この機械式アイリスを用いた調光装置の調光動作について説明する。
【0053】
図示せぬ被写体が明るくなるにつれて、図14(a)で示したように、上下方向に開いていたアイリス羽根18、19は、図示せぬモーターにより駆動され、重なり始める。これによって、アイリス羽根18に貼付されている偏光板11は、有効光路20上に入り始め、開口部22の一部を覆う(図14(b))。
【0054】
この時、GHセル12は光を吸収しない状態にある(なお、熱的揺らぎ、又は表面反射等のため、GHセル12による若干の吸収はある。)。このため、偏光板11を通過した光と開口部22を通過した光は、ほぼ強度分布が同等となる。
【0055】
その後、偏光板11は、完全に開口部22を覆った状態になる(図14(c))。さらに、被写体の明るさが増す場合は、GHセル12への電圧を上昇し、GHセル12で光を吸収することにより調光を行う。
【0056】
これとは逆に、被写体が暗くなる場合は、まず、GHセル12への電圧を減少又は無印加とすることにより、GHセル12による光の吸収効果をなくする。さらに被写体が暗くなった場合は、図示せぬモーターを駆動することにより、アイリス羽根18を下方へ、またアイリス羽根19を上方へ移動させる。こうして、偏光板11を有効光路20の外へ移動させる(図14(a))。
【0057】
また、図10に示したように、偏光板11(例えば、透過率40%〜50%)を光の有効光路から外に出すことができるので、偏光板11に光が吸収されない。従って、調光装置の最大光透過率を例えば2倍以上に高めることができる。具体的には、この調光装置を、従来の固定されて設置される偏光板及びGHセルからなる調光装置と比較すると、最大光透過率は約2倍になる。なお、最低光透過率は両者で等しい。
【0058】
また、デジタルスチルカメラ等に実用化されている機械式アイリスを用いて、偏光板11の出し入れが行われるので、調光装置は容易に実現可能となる。また、GHセル12を用いるので、偏光板11による調光に加えて、GHセル12自体が光を吸収することにより、調光を行うことができる。
【0059】
このようにして、この調光装置は、明、暗のコントラスト比を高めると共に、光量分布をほぼ均一に保つことができるものとなる。
【0060】
【実施例】
以下、本発明の好ましい実施例を図面参照下に説明する。
【0061】
実施例1
まず、ゲスト−ホスト型液晶(GH)セルを用いる調光装置の例を説明する。
【0062】
本実施例の調光装置は、図10に示すように、偏光板11とGHセル12とをこの順に具備させた。そして、GHセル12は、透明電極と配向膜をそれぞれ形成した2枚のガラス基板(いずれも図示せず)の間に、ネガ型の液晶分子(ホスト材料)とポジ型又はネガ型の二色性染料分子(ゲスト材料)との混合物を封入した。
【0063】
液晶分子には、例えば誘電率異方性が負のネガ型液晶分子であるMerck社製のMLC−6608を一例として用い、また二色性染料分子には、光の吸収に異方性を有し、例えば分子長軸方向の光を吸収するポジ型染料分子であるBDH社製のD5を一例として用いた。偏光板11の光吸収軸は、GHセル12に電圧を印加した時の光吸収軸と直交させた。
【0064】
この偏光板11及びGHセル12からなる調光装置は、例えば図10に示したように、ズームレンズのように複数のレンズで構成されるレンズ前群15とレンズ後群16との間に配置した。レンズ前群15を透過した光は、偏光板11を介して直線偏光され、GHセル12に入射する。GHセル12を透過した光は、レンズ後群16で集光され、撮像面17に映像として映し出される。
【0065】
そして、この調光装置を構成する偏光板11は、本出願人による上述した先願発明と同様に、GHセル12に入射する光の有効光路に対して出し入れ可能とした。
【0066】
具体的には、偏光板11を仮想線で示す位置に移動させることにより、光の有効光路の外へ出すことができる。この偏光板11を出し入れする手段として、図13及び図14に示した機械式アイリスを用いた。
【0067】
そして、GHセル12に矩形波を駆動波形として入力し、動作電圧印加時の光透過率の変化を計測したところ(図11)、その結果を図12に示すように、動作電圧の印加に伴って、可視光の平均光透過率(空気中)が最大光透過率約80%から数%にまで減少した。
【0068】
また、用いる液晶セルの構造や構成材料によっても異なるが、今回のGHセル12は、±5V(1kHz)以上のパルス電圧印加で、ほぼ最小透過率に達した。
【0069】
しかし、0V→±5V、±5→0Vのように、透明状態から完全遮光状態へ、又は完全遮光状態から透明状態へと変化させた場合、光透過率は、ある程度高速に応答するが、中間調で光透過率をわずかに変化させようとした場合は、数倍の応答時間を要する場合があった。
【0070】
また、この過渡応答速度は、液晶素子のセルギャップと動作環境温度の影響を大きく受け、例えばセルギャップが大きくなるほど、また環境温度が低温になるほど、液晶素子としての過渡応答に要する時間が増加した。
【0071】
例えば、図1に示すように、25℃の環境温度下でセルギャップが4.1μmのGHセルは、0V→5Vの駆動電圧変化に対して光透過率が約23msで応答した。これに対し、図1及び下記表1に示すように、25℃の環境温度下でセルギャップが4.1μmのGHセルは、2.0V→3.0Vで中間調の駆動を行うと、応答時間が約95msまで悪化した。
【0072】
【表1】
Figure 0004239059
【0073】
GHセルを調光装置に用いて撮像装置を実現しようとする場合、上記のような、セルギャップのばらつきや環境温度の変化に影響を受けた過渡応答速度の極端な低下は、自動露出調整等に支障をきたしてしまうことになる。
【0074】
これを解決するために、本発明者が鋭意努力したところ、GHセルに印加する駆動電圧を変化させて、図21に示すような、実装したGHセルの印加電圧−光透過率特性を予め把握しておき、例えばGHセルの印加電圧の増大に伴って光透過率を減少させる場合には、撮像装置の使用開始と同時に(電源投入した状態又は撮影モードが選択された状態で:以下、同様)、前記印加電圧−光透過率特性の閾値電圧以上の実効電圧を初期(アイドリング)電圧としてGHセルに加えておけば、中間調で駆動する場合にも、過渡応答時間を大幅に短縮できることを突き止めた。
【0075】
図21にセルギャップによる印加電圧と光透過率との関係を示すように、例えば、セルギャップが約4.1μmのGHセルの印加電圧−光透過率特性の閾値電圧は約2.2Vである。
【0076】
そして、図1及び上記表1に示すように、予めGHセルに初期電圧として、前記印加電圧−光透過率特性の閾値電圧(2.2V)以上となる2.3Vを加え、2.3V→3.0Vで中間調の駆動を行ったところ、過渡応答時間は約60msと、大幅に短縮することができた。
【0077】
なお、本実施例において、初期実効電圧を2.3Vとし、2.3V→3.0Vで中間調の駆動を行ったが、本発明に基づく調光装置は、前記印加電圧−光透過率特性の閾値電圧以上の実効電圧を予めGHセルに印加してから、前記中間調の駆動を行うのが好ましい。
【0078】
図1及び図2に示すように、例えばセルギャップが4.1μmのGHセルにおいて、2.0V→3.0Vで中間調駆動を行った場合(25℃環境温度下)、応答時間が約95msであったのに対し、図21の前記印加電圧−光透過率特性により得られたこのGHセルの前記閾値電圧、即ち2.2V→3.0Vで中間調駆動した場合は、応答時間は約60msと短縮された。従って、前記閾値電圧(2.2V)を境界にして、この閾値電圧以上の実効電圧を印加することにより、中間調駆動での大幅な応答時間の短縮が実現可能となる。
【0079】
また、GHセルに初期電圧として予め印加する前記実効電圧は、GHセルの構造やその駆動方法に応じて、制御し易いように、適宜選択してよい。
【0080】
例えば、上記のように、撮像装置に搭載された状態で、個々の実装されたGHセルの前記印加電圧−光透過率特性を測定し、それにより得られた閾値電圧から初期印加電圧(即ち前記実効電圧)を定めずとも、GHセルの製造工程で事前にセルギャップを把握しておき、その印加電圧−光透過率特性図及びその閾値電圧から、適当な前記初期印加電圧を固定して決定してもよい。
【0081】
しかし、本実施例のように、個々の撮像装置に実装されているGHセルの特徴及び動作環境温度に応じて、使用都度、前記印加電圧−光透過率特性を測定して前記閾値電圧を得、この閾値電圧以上の最適な前記実効電圧(即ち前記初期印加電圧)を決定して用いるのがより一層好ましい。
【0082】
さらに、例えばGHセル(但し、上記と同様にしてホスト材料がネガ型液晶分子であり、ゲスト材料がポジ型の二色性染料分子である。)の印加電圧の減少に伴って光透過率を増大させる場合には、撮像装置の使用開始と同時に、前記印加電圧−光透過率特性の閾値電圧以下の実効電圧を初期(アイドリング)電圧としてGHセルに加えておけば、上記と同様にして、中間調で駆動する場合にも、過渡応答時間を大幅に短縮することができた。
【0083】
実施例2
本実施例は、前記液晶素子のダイナミックレンジを拡大させるべく、GHセルに印加する最大駆動電圧を増加させた場合における本発明の効果を示す例である。なお、本実施例において前記液晶素子及び本発明に基づく調光装置の構造は、上記の実施例1と同様とした。
【0084】
図22に示すように、GHセルに印加する実効駆動電圧を5V以上に増加させると、僅かながらも光透過率は低下し続け、遮光性能を向上させることができ、前記液晶素子のダイナミックレンジの拡大を図ることが期待できる。
【0085】
しかしながら、遮光性能を向上させるために駆動電圧をあまり大きなステップ幅で変化させると、液晶分子に配向乱れが生じ、これによって光学特性が不安定になる。この現象は、バックフロー(背流)によって生じる蹴り返し(Optical Bounce)と言われ、ある程度時間が経つと、液晶及び色素の再配向によって回復することが多いが、これが過渡応答時間の遅れとなるという問題があった。
【0086】
例えば、図23に示すように、0V→5Vで駆動した場合に比べて、遮光性能を向上させるために0V→7V或いは0V→10Vと最大駆動電圧を大きくした場合は、明らかに光透過率の不安定な領域が発生している。
【0087】
これを解決するために、本発明者が鋭意検討を重ねたところ、実施例1の場合と同様にして、GHセルに印加する駆動電圧を変化させて、図21に示すような、実装したGHセルの印加電圧−光透過率特性を予め把握しておき、撮像装置の使用開始と同時に、前記印加電圧−光透過率特性の閾値電圧以上の実効電圧を初期(アイドリング)電圧としてGHセルに加えておけば、大きなステップ幅の駆動でより広いダイナミックレンジが得られる調光動作を行った場合にも、過渡応答時間の低下及び液晶配向乱れによる光透過率の不安定さを大幅に改善することができることを突き止めた。
【0088】
図21にセルギャップによる印加電圧と光透過率との関係を示すように、例えば、セルギャップが約4.1μmのGHセルの印加電圧−光透過率特性の閾値電圧は約2.2Vである。
【0089】
そして、図3に示すように、予めGHセルに初期電圧として、前記印加電圧−光透過率特性の閾値電圧(2.2V)以上となる2.3Vを加え、2.3V→5.0V、2.3V→7V又は2.3V→10Vで駆動を行ったところ、過渡応答速度が低下したり、バックフロー(背流)による蹴り返し(optical bounce)が生じ、液晶分子の配向状態が不安定になることを防止することができ、光透過率の制御を容易に行うことを可能とした。従って、遮光性能の向上を図ることができ、調光における光学濃度比を拡大することができる。
【0090】
なお、本実施例においても、前記実効電圧を2.3Vとし、2.3V→5V、2.3V→7V又は2.3V→10Vで駆動を行ったが、本発明に基づく調光装置は、前記印加電圧−光透過率特性の閾値電圧以上の実効電圧を予めGHセルに印加してから、前記駆動を行うのが好ましい。
【0091】
図4に示すように、例えばセルギャップが4.1μmのGHセルにおいて、最大駆動電圧を7Vとして駆動を行った場合、20ms後の光透過率は、図21の前記印加電圧−光透過率特性により得られたこのGHセルの前記閾値電圧、即ち2.2Vを境界にして、この閾値電圧以上の実効電圧(開始電圧)を印加することにより、安定値を維持することができた。
【0092】
また、GHセルに初期電圧として予め印加する前記実効電圧は、GHセルの構造やその駆動方法に応じて、制御し易いように、適宜選択してよい。
【0093】
例えば、上記のように、撮像装置に搭載された状態で、個々の実装されたGHセルの前記印加電圧−光透過率特性を測定し、それにより得られた閾値電圧から初期印加電圧(即ち前記実効電圧)を定めずとも、GHセルの製造工程で事前にセルギャップを把握しておき、その印加電圧−光透過率特性図及びその閾値電圧から、適当な前記初期印加電圧を固定して決定してもよい。
【0094】
しかし、本実施例のように、個々の撮像装置に実装されているGHセルの特徴及び動作環境温度に応じて、使用都度、前記印加電圧−光透過率特性を測定して前記閾値電圧を得、この閾値電圧以上の最適な前記実効電圧(即ち前記初期印加電圧)を決定して用いるのがより一層好ましい。
【0095】
また、上述した本発明に基づく調光装置は、前記液晶素子の駆動電極が少なくとも有効光路の全域にわたって形成されている場合に特に好適であり、そのように形成された駆動電極への駆動パルスの制御によって、有効光路幅全体にわたって光透過率の一括制御を高精度に行うことができる。
【0096】
さらに、GHセル(但し、上記と同様にしてホスト材料がネガ型液晶分子であり、ゲスト材料がポジ型の二色性染料分子である。)の印加電圧の減少に伴って光透過率を増大させる場合には、撮像装置の使用開始と同時に、前記印加電圧−光透過率特性の閾値電圧以下の実効電圧を初期(アイドリング)電圧としてGHセルに加えておけば、上記と同様にして、過渡応答速度の低下や液晶分子の配向が不安定になることを防止することができ、光透過率の制御を容易に行うことができた。従って、遮光性能の向上を図ることができ、調光における光学濃度比を拡大することができる。
【0097】
実施例3
本実施例は、液晶セルの駆動法を、実施例1及び2で述べたパルス電圧変調(PHM)からパルス幅変調(PWM)に変えたものである。
【0098】
例えば、基本的なパルス発生周期を500μs(1kHz)として、この基本周期内でパルス幅(Duty比)を制御することにより、図5に示すように、パルス幅の増加に伴って、前述のパルス電圧変調と同様に、可視光の平均光透過率(空気中)が最大光透過率約80%から数%にまで減少した。
【0099】
そして、パルス波高値を5Vで固定し、パルス幅(Duty比)を制御して、0%→100%、100%→0%のように、透明状態から完全遮光状態へ、又は完全遮光状態から透明状態へと変化させた場合、光透過率は、ある程度高速に応答するが、中間調で光透過率をわずかに変化させようとした場合は、やはり数倍の応答時間を要した。
【0100】
例えば、図6に示すように、25℃の環境温度下でセルギャップが4.1μmのGHセルは、0%→100%の駆動パルス幅変化に対して、光透過率が約23msで応答した。これに対し、図6及び下記表2に示すように、25℃の環境温度下でセルギャップが4.1μmのGHセルは、10%→35%で中間調の駆動を行うと、応答時間が約95msまで悪化した。
【0101】
【表2】
Figure 0004239059
【0102】
GHセルを調光装置に用いて撮像装置を実現しようとする場合、上記のような、セルギャップのばらつきや環境温度の変化に影響を受けた過渡応答速度の極端な低下は、自動露出調整等に支障をきたしてしまうことになる。
【0103】
これを解決するために、本発明者が鋭意努力したところ、GHセルに印加する駆動パルス幅(Duty比)を変化させて、図21に示すような、実装したGHセルの印加パルス幅−光透過率特性を予め把握しておき、例えばGHセルの印加パルス幅の増大に伴って光透過率を減少させる場合には、撮像装置の使用開始と同時に、前記印加パルス幅−光透過率特性の閾値パルス幅以上の実効パルス幅を初期(アイドリング)パルス幅としてGHセルに加えておけば、中間調で駆動する場合にも、過渡応答時間を大幅に短縮できることを突き止めた。
【0104】
図21にセルギャップによる印加パルス幅と光透過率との関係を示すように、例えば、セルギャップが約4.1μmのGHセルの印加パルス幅−光透過率特性の閾値パルス幅(Duty比)は約15%である。
【0105】
そして、図6及び上記表2に示すように、予めGHセルに初期パルス幅として、前記印加パルス幅−光透過率特性の閾値パルス幅(15%)以上となる20%を加え、20%→35%で中間調の駆動を行ったところ、過渡応答時間は約60msと、大幅に短縮することができた。
【0106】
なお、本実施例において、初期実効パルス幅を20%とし、20%→35%で中間調の駆動を行ったが、本発明に基づく調光装置は、前記印加パルス幅−光透過率特性の閾値パルス幅以上の実効パルス幅を予めGHセルに印加してから、前記中間調の駆動を行うのが好ましい。
【0107】
図6及び図7に示すように、例えばセルギャップが4.1μmのGHセルにおいて、10%→35%で中間調駆動を行った場合、応答時間が約95msであったのに対し、図21の前記印加パルス幅−光透過率特性により得られたこのGHセルの前記閾値パルス幅、即ち15%→35%で中間調駆動した場合は、応答時間は約60msと短縮された。従って、前記閾値パルス幅(15%)を境界にして、この閾値パルス幅以上の実効パルス幅を印加することにより、中間調駆動での大幅な応答時間の短縮が実現可能となる。
【0108】
また、GHセルに初期パルス幅として予め印加する前記実効パルス幅は、GHセルの構造やその駆動方法に応じて、制御し易いように、適宜選択してよい。
【0109】
例えば、上記のように、撮像装置に搭載された状態で、個々の実装されたGHセルの前記印加パルス幅−光透過率特性を測定し、それにより得られた閾値パルス幅から初期印加パルス幅(即ち前記実効パルス幅)を定めずとも、GHセルの製造工程で事前にセルギャップを把握しておき、その印加パルス幅−光透過率特性図及びその閾値パルス幅から、適当な前記初期印加パルス幅を固定して決定してもよい。
【0110】
しかし、本実施例のように、個々の撮像装置に実装されているGHセルの特徴及び動作環境温度に応じて、使用都度、前記印加パルス幅−光透過率特性を測定して前記閾値パルス幅を得、この閾値パルス幅以上の最適な前記実効パルス幅(即ち前記初期印加パルス幅)を決定して用いるのがより一層好ましい。
【0111】
さらに、例えばGHセル(但し、上記と同様にしてホスト材料がネガ型液晶分子であり、ゲスト材料がポジ型の二色性染料分子である。)の印加パルス幅の減少に伴って光透過率を増大させる場合には、撮像装置の使用開始と同時に、前記印加パルス幅−光透過率特性の閾値パルス幅以下の実効パルス幅を初期(アイドリング)パルス幅としてGHセルに加えておけば、上記と同様にして、中間調で駆動する場合にも、過渡応答時間を大幅に短縮することができた。
【0112】
また、PWM駆動において、5VのPWM駆動でパルス幅(Duty比)0%→100%で駆動した場合と比較して、7VのPWM駆動でパルス幅0%→100%又は10VのPWM駆動でパルス幅0%→100%で駆動すると、実施例2の図23に示すような応答の遅れ及び不安定領域が認められた。
【0113】
これに対し、前記印加パルス幅−光透過率特性の閾値パルス幅(15%)以上の実効パルス幅で駆動、例えば、7V又は10VのPWM駆動でパルス幅20%→100%で駆動することによって、図8に示すように、実施例2と同様の改善効果が得られた。また、図9に示すように、例えばセルギャップが4.1μmのGHセルにおいて、駆動電圧を7Vとして駆動を行った場合、20ms後の光透過率は、図21の前記印加パルス幅−光透過率特性により得られたこのGHセルの前記閾値パルス幅、即ち15%を境界にして、この閾値パルス幅以上の実効パルス幅(開始パルス幅)を印加することにより、安定値を維持することができた。
【0114】
実施例4
図15は、上記実施例1による調光装置をCCD(Charge coupled device)カメラに組み込んだ例を示すものである。
【0115】
即ち、CCDカメラ50において、一点鎖線で示す光軸に沿って、前記のレンズ前群15に相当する1群レンズ51及び2群レンズ(ズーム用)52、前記のレンズ後群16に相当する3群レンズ53及び4群レンズ(フォーカス用)54、CCDパッケージ55が適宜の間隔をおいてこの順に配設されており、CCDパッケージ55には赤外線カットフィルター55a、光学ローパスフィルター系55b、CCD撮像素子55cが収納されている。
【0116】
2群レンズ52と3群レンズ53との間には、3群レンズ53寄りに、偏光板11及びGHセル12とからなる本発明に基づく調光装置が配置されている。なお、フォーカス用の4群レンズ54は、リニアモーター57により光路に沿って3群レンズ53とCCDパッケージ55との間を移動可能に配設され、またズーム用の2群レンズ52は、光路に沿って1群レンズ51と調光装置23との間を移動可能に配設されている。
【0117】
図16は、上記のCCDカメラの駆動回路ブロック図である。
【0118】
これによれば、調光装置23の光射出側に配されたCCD撮像素子55cの駆動回路部60を有し、CCD撮像素子55cの出力信号がY/C信号処理部61で処理され、輝度情報(Y信号)としてGHセル駆動制御回路部62にフィードバックされ、予めここでGHセル12の前記印加電圧−光透過率特性を測定し、制御回路部62内の印加電圧−光透過率特性の閾値判定回路65で前記閾値電圧を算出し、その閾値以上の実効電圧を、撮影開始と同時にGHセル12に印加した上で、この制御回路部62からの制御信号により、駆動回路部60の基本クロックと同期して、前述したようにパルス電圧またはパルス幅が制御された駆動パルスがパルス発生回路部63から得られるようになっている。
【0119】
パルス電圧又はパルス幅の制御のためのGH液晶駆動制御装置64は、印加電圧−光透過率特性の閾値判定回路65を有する制御回路部62とパルス発生回路部63とにより構成されている。
【0120】
図17は、このカメラシステムにおける調光装置23による光透過率制御のシーケンスのアルゴリズムを示す。
【0121】
この実施例によると、2群レンズ52と3群レンズ53の間に本発明に基づく調光装置23が設けられているので、上述したように電界の印加によって光量を調節でき、システムを小型化でき、実質的に光路の有効範囲の大きさまで小型化できる。従って、CCDカメラの小型化を達成することが可能である。また、パターン化された電極への印加電圧の大きさによって光量を適切に制御できるので、従来のような回析現象を防止し、撮像素子へ充分な光量を入射させ、像のぼやけをなくせる。
【0122】
以上、本発明を実施の形態及び実施例について説明したが、上述の例は、本発明の技術的思想に基づき種々に変形が可能である。
【0123】
例えば、サンプル構造や使用材料、液晶セルの駆動方法、調光装置の形態等は、発明の主旨を逸脱しない範囲で、適宜選択可能であることは言うまでもない。
【0124】
また、液晶素子や偏光板の構造や材質、その駆動機構、駆動回路、制御回路の構成等は、種々に変更が可能である。また、駆動波形は、矩形波、台形波、三角波、正弦波のいずれでも駆動可能であり、液晶セルを構成する2枚の電極間の電位差に応じて液晶分子の傾きが変化し、光透過率が制御される。
【0125】
また、GHセル12として、上述したもの以外に、2層構造等のGHセルも使用可能である。偏光板11のGHセル12に対する位置は、撮像レンズの設定条件から最適となる位置に配置されればよい。
【0126】
そして、被写体が明るくなるにつれて、先に偏光板11の出し入れによる調光を行った後、GHセル12による光の吸収を行う例を示したが、逆に、先にGHセル12の光吸収による調光を行うことにしてもよい。この場合、GHセル12の透過率が所定の値まで低下した後に、偏光板11の出し入れによる調光を行うことが好ましい。
【0127】
また、偏光板11を有効光路20から出し入れする手段として、機械式アイリスを用いたが、これに限らない。例えば、偏光板11が貼付されたフィルムを駆動モーターに直接設置することにより、偏光板11を出し入れしてもよい。
【0128】
アイリス羽根18、19は2枚に限られず、より多くの枚数を用いることにしてもよいし、逆に1枚でもよい。また、アイリス羽根18、19は、上下方向に移動することにより重ねられるが、逆の方向に移動してもよく、周囲から中央に向けて絞り込むことにしてもよい。
【0129】
また、偏光板11は、アイリス羽根18に貼付されているが、アイリス羽根19の方に貼付されていてもよい。
【0130】
また、上記の例では偏光板11を有効光路20に対して出し入れしたが、有効光路中に位置固定することも勿論可能である。
【0131】
本発明に基づく調光装置を構成する前記液晶素子として透過型液晶素子を例示したが、この他にも反射型の液晶素子として構成してもよい。
【0132】
また、本発明に基づく調光装置は、公知の他のフィルター材(例えば、有機系のエレクトロクロミック材、液晶、エレクトロルミネッセンス材等)と組み合わせて用いることも可能である。
【0133】
また、既述したCCDカメラ等の撮像装置の光学絞り以外にも、各種光学系、例えば、電子写真複写機や光通信機器等の光量調節用としても広く適用が可能である。さらに、光学絞りやフィルター以外に、キャラクターやイメージを表示する各種の画像表示装置などにも適用することができる。
【0134】
さらに、撮像デバイスとしては、本実施の形態で使用したCCD(Charge Coupled Device)以外にも、CMOSイメージセンサー等への適用も勿論可能である。
【0135】
【発明の作用効果】
本発明によれば、前記液晶素子から出射する光の透過率を現光透過率から目標光透過率へ変化させるように駆動を行う際に、前記液晶素子の印加電圧(又は印加パルス幅)の増大に伴って光透過率が減少若しくは増大する場合には、前記液晶素子の前記印加電圧(又は印加パルス幅)−光透過率特性の閾値電圧(又は閾値パルス幅)以上の実効電圧(又は実効パルス幅)を前記液晶素子に印加してから、前記駆動を行わせる、或いは、前記液晶素子の印加電圧(又は印加パルス幅)の減少に伴って光透過率が増大若しくは減少する場合には、前記液晶素子の印加電圧(又は印加パルス幅)−光透過率特性の閾値電圧(又は閾値パルス幅)以下の実効電圧(又は実効パルス幅)を前記液晶素子に印加してから、前記駆動を行わせるので、従来最も過渡応答速度の低下が顕著であった、前記液晶素子の中間調駆動において、液晶の配向変化又はその緩和をスムーズに立ち上がらせ、光透過率の過渡応答時間を大幅に短縮することができる。
【0136】
また、調光における光学濃度比(即ちダイナミックレンジ)を拡大すべく、遮光性能を向上させるために、前記液晶素子に対して従来よりも高い実効駆動電圧を印加した場合でも、前記印加電圧(又は印加パルス幅)−光透過率特性の閾値電圧(又は閾値パルス幅)以上又は以下の実効電圧(又は実効パルス幅)を前記液晶素子に印加してから、前記駆動を行わせるので、即ち、初期電圧を前記印加電圧(又は印加パルス幅)−光透過率特性の閾値電圧(又は閾値パルス幅)以上又は以下に設定しているので、従来のように、過渡応答速度が低下したり、バックフロー(背流)による蹴り返し(optical bounce)が生じて、液晶分子の配向状態が不安定になることを防止することもでき、光透過率の安定制御を容易に行うことを可能とする。従って、遮光性能の向上を図ることができるので、調光における光学濃度比を拡大することができる。
【0137】
従って、本発明は、液晶素子を用いた調光装置及び撮像装置の性能、画質、信頼性の向上を図るために極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による、印加電圧によるセルギャップと応答時間との関係を示すグラフである。
【図2】同、開始電圧と応答時間との関係を示すグラフである。
【図3】同、最大駆動電圧による経過時間と光透過率との関係を示すグラフである。
【図4】同、開始電圧と光透過率との関係を示すグラフである。
【図5】本発明の他の実施例による、調光装置の光透過率と駆動パルスのパルス幅との関係を示すグラフ及び駆動パルス波形図である。
【図6】同、印加パルス幅によるセルギャップと応答時間との関係を示すグラフである。
【図7】同、開始パルス幅と応答時間との関係を示すグラフである。
【図8】同、最大駆動パルス幅による経過時間と光透過率との関係を示すグラフである。
【図9】同、開始パルス幅と光透過率との関係を示すグラフである。
【図10】本発明による、液晶素子を用いた調光装置の概略側面図である。
【図11】同、調光装置の一例の動作原理を示す概略図である。
【図12】同、調光装置の光透過率と駆動印加電圧との関係を示すグラフである。
【図13】同、調光装置の機械式アイリスの正面図である。
【図14】同、調光装置の有効光路付近の機械式アイリスの動作を示す概略部分拡大図である。
【図15】同、調光装置を組み込んだカメラシステムの概略断面図である。
【図16】同、駆動回路を含むカメラシステムのブロック図である。
【図17】同、カメラシステムにおける光透過率制御のアルゴリズムである。
【図18】従来例による、調光装置の動作原理を示す概略図である。
【図19】同、調光装置の光透過率と駆動印加電圧との関係を示すグラフである。
【図20】同、セルギャップによる光透過率の変化を示すグラフである。
【図21】同、セルギャップによる印加電圧(又は印加パルス幅)と光透過率との関係を示すグラフである。
【図22】同、印加電圧と光透過率との関係を示すグラフである。
【図23】同、最大駆動電圧による経過時間と光透過率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1、11…偏光板、2、12…GHセル、3…ポジ型液晶分子、
4…ポジ型染料分子、5…入射光、13…ネガ型液晶分子、
15、16…レンズ群、17…撮像面、18、19…アイリス羽根、
20…有効光路(セル中間部又は中央部)、22…開口部、23…調光装置、
50…CCDカメラ、51…1群レンズ、52…2群レンズ、
53…3群レンズ、54…4群レンズ、55…CCDパッケージ、
56b…光学ローパスフィルター、55c…CCD撮像素子、
60…CCD駆動回路部、61…Y/C信号処理部、62…制御回路部、
63…パルス発生回路部、
64…パルス電圧又はパルス幅の制御部(GH液晶駆動制御装置)、
65…印加電圧−光透過率特性の閾値判定回路

Claims (22)

  1. 液晶素子とこの液晶素子から出射する光の透過率を現光透過率から目標光透過率へ変化させるように駆動を行う制御回路部とを具備し、
    前記液晶素子の印加電圧の増大に伴って光透過率が減少若しくは増大する場合、前記 液晶素子の最大光透過率が得られる印加電圧と、前記液晶素子の最小光透過率が得られ る印加電圧との間の中間電圧範囲において、前記液晶素子の印加電圧−光透過率特性の 閾値電圧を挟んでその一方側にある印加電圧V 1 からその他方側にある印加電圧V 2 へと 印加電圧が増大して、中間調の光透過率変化を得る中間調駆動が行われる際に、前記閾 値電圧以上であって前記印加電圧V 2 以下の実効電圧が初期印加電圧として印加され、 更に前記印加電圧V 2 へと電圧変化される
    ように前記制御回路部が動作する調光装置。
  2. 液晶素子とこの液晶素子から出射する光の透過率を現光透過率から目標光透過率へ変化させるように駆動を行う制御回路部とを具備し、
    前記液晶素子の印加電圧の減少に伴って光透過率が増大若しくは減少する場合、前記 液晶素子の最大光透過率が得られる印加電圧と、前記液晶素子の最小光透過率が得られ る印加電圧との間の中間電圧範囲において、前記液晶素子の印加電圧−光透過率特性の 閾値電圧を挟んでその一方側にある印加電圧V 1 ’からその他方側にある印加電圧V 2 へと印加電圧が減少して、中間調の光透過率変化を得る中間調駆動が行われる際に、前 記閾値電圧以下であって前記印加電圧V 2 ’以上の実効電圧が初期印加電圧として印加 され、更に前記印加電圧V 2 ’へと電圧変化される
    ように前記制御回路部が動作する調光装置。
  3. 前記液晶素子の印加電圧−光透過率特性の前記閾値電圧以上又は以下の前記実効電圧予め前記液晶素子に印加されてから、前記駆動行わる、請求項1又は2に記載した調光装置。
  4. 前記印加電圧−光透過率特性を検出する検出部を有し、この検出部で得られた検出値から前記閾値電圧算出され、この閾値電圧以上又は以下の前記実効電圧前記制御回路部によって前記液晶素子に印加される、請求項1又は2に記載した調光装置。
  5. 前記液晶素子が、ネガ型液晶分子をホスト材料とし、二色性染料分子をゲスト材料とするゲスト−ホスト型液晶素子である、請求項1又は2に記載した調光装置。
  6. 液晶素子からなる調光装置を駆動する方法であって、前記液晶素子から出射する光の透過率を現光透過率から目標光透過率へ変化させるように駆動を行う際に、
    前記液晶素子の印加電圧の増大に伴って光透過率が減少若しくは増大する場合、前記 液晶素子の最大光透過率が得られる印加電圧と、前記液晶素子の最小光透過率が得られ る印加電圧との間の中間電圧範囲において、前記液晶素子の印加電圧−光透過率特性の 閾値電圧を挟んでその一方側にある印加電圧V 1 からその他方側にある印加電圧V 2 へと 印加電圧を増大させて、中間調の光透過率変化を得る中間調駆動を行う際に、前記閾値 電圧以上であって前記印加電圧V 2 以下の実効電圧を初期印加電圧として印加し、更に 前記印加電圧V 2 へと電圧変化させる、
    調光装置の駆動方法。
  7. 液晶素子からなる調光装置を駆動する方法であって、前記液晶素子から出射する光の透過率を現光透過率から目標光透過率へ変化させるように駆動を行う際に、
    前記液晶素子の印加電圧の減少に伴って光透過率が増大若しくは減少する場合、前記 液晶素子の最大光透過率が得られる印加電圧と、前記液晶素子の最小光透過率が得られ る印加電圧との間の中間電圧範囲において、前記液晶素子の印加電圧−光透過率特性の 閾値電圧を挟んでその一方側にある印加電圧V 1 ’からその他方側にある印加電圧V 2 へと印加電圧を減少させて、中間調の光透過率変化を得る中間調駆動を行う際に、前記 閾値電圧以下であって前記印加電圧V 2 ’以上の実効電圧を初期印加電圧として印加し 、更に前記印加電圧V 2 ’へと電圧変化させる、
    調光装置の駆動方法。
  8. 前記液晶素子の印加電圧−光透過率特性の前記閾値電圧以上又は以下の前記実効電圧を予め前記液晶素子に印加してから、前記駆動を行わせる、請求項又はに記載した調光装置の駆動方法。
  9. 検出部にて前記印加電圧−光透過率特性を検出し、この検出値から前記閾値電圧を算出し、この閾値電圧以上又は以下の前記実効電圧を制御回路部によって前記液晶素子に印加する、請求項又はに記載した調光装置の駆動方法。
  10. 前記液晶素子として、ネガ型液晶分子をホスト材料とし、二色性染料分子をゲスト材料とするゲスト−ホスト型液晶素子を用いる、請求項又はに記載した調光装置の駆動方法。
  11. 請求項1〜のいずれか1項に記載した調光装置が撮像系の光路中に配されている、撮像装置。
  12. 液晶素子とこの液晶素子から出射する光の透過率を現光透過率から目標光透過率へ変化させるように駆動を行う制御回路部とを具備し、
    前記液晶素子の印加パルス幅(Duty比)の増大に伴って光透過率が減少若しくは 増大する場合、前記液晶素子の最大光透過率が得られる印加パルス幅と、前記液晶素子 の最小光透過率が得られる印加パルス幅との間の中間パルス幅範囲において、前記液晶 素子の印加パルス幅−光透過率特性の閾値パルス幅を挟んでその一方側にある印加パル ス幅PW 1 からその他方側にある印加パルス幅PW 2 へと印加パルス幅が増大して、中間 調の光透過率変化を得る中間調駆動が行われる際に、前記閾値パルス幅以上であって前 記印加パルス幅PW 2 以下の実効パルス幅が初期印加パルス幅として印加され、更に前 記印加パルス幅PW 2 へとパルス幅変化される
    ように前記制御回路部が動作する調光装置。
  13. 液晶素子とこの液晶素子から出射する光の透過率を現光透過率から目標光透過率へ変化させるように駆動を行う制御回路部とを具備し、
    前記液晶素子の印加パルス幅(Duty比)の減少に伴って光透過率が増大若しくは 減少する場合、前記液晶素子の最大光透過率が得られる印加パルス幅と、前記液晶素子 の最小光透過率が得られる印加パルス幅との間の中間パルス幅範囲において、前記液晶 素子の印加パルス幅−光透過率特性の閾値パルス幅を挟んでその一方側にある印加パル ス幅PW 1 ’からその他方側にある印加パルス幅PW 2 ’へとパルス幅が減少して、中間 調の光透過率変化を得る中間調駆動が行われる際に、前記閾値パルス幅以下であって前 記印加パルス幅PW 2 ’以上の実効パルス幅が初期印加パルス幅として印加され、更に 前記印加パルス幅PW 2 ’へとパルス幅変化される
    ように前記制御回路部が動作する調光装置。
  14. 前記液晶素子の印加パルス幅−光透過率特性の前記閾値パルス幅以上又は以下の前記実効パルス幅予め前記液晶素子に印加されてから、前記駆動行わる、請求項12又は13に記載した調光装置。
  15. 前記印加パルス幅−光透過率特性を検出する検出部を有し、この検出部で得られた検出値から前記閾値パルス幅算出され、この閾値パルス幅以上又は以下の前記実効パルス幅前記制御回路部によって前記液晶素子に印加される、請求項12又は13に記載した調光装置。
  16. 前記液晶素子が、ネガ型液晶分子をホスト材料とし、二色性染料分子をゲスト材料とするゲスト−ホスト型液晶素子である、請求項12又は13に記載した調光装置。
  17. 液晶素子からなる調光装置を駆動する方法であって、前記液晶素子から出射する光の透過率を現光透過率から目標光透過率へ変化させるように駆動を行う際に、
    前記液晶素子の印加パルス幅(Duty比)の増大に伴って光透過率が減少若しくは 増大する場合、前記液晶素子の最大光透過率が得られる印加パルス幅と、前記液晶素子 の最小光透過率が得られる印加パルス幅との間の中間パルス幅範囲において、前記液晶 素子の印加パルス幅−光透過率特性の閾値パルス幅を挟んでその一方側にある印加パル ス幅PW 1 からその他方側にある印加パルス幅PW 2 へと印加パルス幅を増大させて、中 間調の光透過率変化を得る中間調駆動を行う際に、前記閾値パルス幅以上であって前記 印加パルス幅PW 2 以下の実効パルス幅を初期印加パルス幅として印加し、更に前記 加パルス幅PW 2 へとパルス幅変化させる、
    調光装置の駆動方法。
  18. 液晶素子からなる調光装置を駆動する方法であって、前記液晶素子から出射する光の透過率を現光透過率から目標光透過率へ変化させるように駆動を行う際に、
    前記液晶素子の印加パルス幅(Duty比)の減少に伴って光透過率が増大若しくは 減少する場合、前記液晶素子の最大光透過率が得られる印加パルス幅と、前記液晶素子 の最小光透過率が得られる印加パルス幅との間の中間パルス幅範囲において、前記液晶 素子の印加パルス幅−光透過率特性の閾値パルス幅を挟んでその一方側にある印加パル ス幅PW 1 ’からその他方側にある印加パルス幅PW 2 ’へと印加パルス幅を減少させて 、中間調の光透過率変化を得る中間駆動を行う際に、前記閾値パルス幅以下であって前 記印加パルス幅PW 2 ’以上の実効パルス幅を初期印加パルス幅として印加し、更に前 記印加パルス幅PW 2 ’へとパルス幅変化させる、
    調光装置の駆動方法。
  19. 前記液晶素子の印加パルス幅−光透過率特性の前記閾値パルス幅以上又は以下の前記実効パルス幅を予め前記液晶素子に印加してから、前記駆動を行わせる、請求項17又は18に記載した調光装置の駆動方法。
  20. 検出部にて前記印加パルス幅−光透過率特性を検出し、この検出値から前記閾値パルス幅を算出し、この閾値パルス幅以上又は以下の前記実効パルス幅を制御回路部によって前記液晶素子に印加する、請求項17又は18に記載した調光装置の駆動方法。
  21. 前記液晶素子として、ネガ型液晶分子をホスト材料とし、二色性染料分子をゲスト材料とするゲスト−ホスト型液晶素子を用いる、請求項17又は18に記載した調光装置の駆動方法。
  22. 請求項1316のいずれか1項に記載した調光装置が撮像系の光路中に配されている、撮像装置。
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