JP2003215544A - 調光装置及びその駆動方法、並びに撮像装置 - Google Patents
調光装置及びその駆動方法、並びに撮像装置Info
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Abstract
度比(コントラスト比、ダイナミックレンジ)を確保
し、かつ迅速な過渡応答動作を両立できる調光装置及び
その駆動方法、並びに撮像装置を提供すること。 【解決手段】 液晶素子と、素子環境温度を検出する検
出部と、前記検出部による検出値を受けて、前記液晶素
子を駆動する交流パルスの周波数を前記素子環境温度に
応じて変化させるパルス制御部とを有する、調光装置、
及びこの調光装置が撮像系の光路中に配されてなる撮像
装置。液晶素子からなる調光装置を駆動する方法であっ
て、前記液晶素子を駆動する際に、前記液晶素子に印加
する交流パルスの周波数を、前記液晶素子の環境温度に
応じて変化させる、調光装置の駆動方法。
Description
光量を調節して出射するための調光装置及びその駆動方
法、並びにこの調光装置を用いた撮像装置に関するもの
である。
偏光板が使用される。この液晶セルには、例えばTN
(Twisted Nematic)型液晶セルやゲスト−ホスト(G
H(GuestHost))型液晶セルが用いられる。
す概略図である。この調光装置は、主に偏光板1とGH
セル2とで構成される。GHセル2は、図示省略した
が、2枚のガラス基板の間に封入され、また動作電極や
液晶配向膜を有している(以下、同様)。GHセル2に
は、ポジ型液晶分子3とポジ型二色性染料分子4とが封
入されている。
方性を有し、例えば分子長軸方向の光を吸収するポジ型
(p型)色素分子である。また、ポジ型液晶分子3は、
例えば誘電率異方性が正のポジ型(正型)である。
(電圧無印加)時のGHセル2の状態を示す。入射光5
は、偏光板1を透過することにより直線偏光される。図
13(a)では、この偏光方向とポジ型二色性染料分子
4の分子長軸方向とが一致するので、光は、ポジ型二色
性染料分子4に吸収され、GHセル2の光透過率が低下
する。
セル2に電圧印加を行なうと、ポジ型液晶分子3が電界
方向に向くに伴って、ポジ型二色性染料分子4の分子長
軸方向は、直線偏光の偏光方向と直角になる。このた
め、入射光5はGHセル2によりほとんど吸収されずに
透過する。
(n型)の二色性染料分子を用いる場合は、上記ポジ型
の二色性染料分子4の場合と逆になり、電圧無印加時に
は光が吸収されず、電圧印加時に光が吸収される。
と電圧無印加時との吸光度の比、即ち、光学濃度の比が
約10である。これは、偏光板1を使用せずにGHセル
2のみで構成される調光装置に比べて約2倍の光学濃度
比を有する。
たような液晶素子を用いた調光装置においては、通常矩
形波等の交流パルスを印加して駆動し、調光動作を行な
う際に、動作環境温度によっては、液晶分子の運動状態
が変化して、所望の誘電率異方性が得られなくなること
があり、期待した調光動作特性が安定して得られなくな
る場合があった。
るためになされたものであって、その目的は、動作環境
温度に依らずに、常に大きな光学濃度比(コントラスト
比、ダイナミックレンジ)を確保し、かつ迅速な過渡応
答動作を両立できる調光装置及びその駆動方法、並びに
この調光装置を光路中に配して性能、画質、信頼性の向
上を実現できる撮像装置を提供することにある。
子と、素子環境温度を検出する検出部と、前記検出部に
よる検出値を受けて、前記液晶素子を駆動する交流パル
スの周波数を前記素子環境温度に応じて変化させるパル
ス制御部とを有する、調光装置に係わるものである。
る方法であって、前記液晶素子を駆動する際に、前記液
晶素子に印加する交流パルスの周波数を、前記液晶素子
の環境温度に応じて変化させる、調光装置の駆動方法に
係わるものである。
系の光路中に配されている撮像装置であって、前記調光
装置が、液晶素子と;素子環境温度を検出する検出部
と;前記検出部による検出値を受けて、前記液晶素子を
駆動する交流パルスの周波数を前記素子環境温度に応じ
て変化させるパルス制御部と;を具備する、撮像装置に
係わるものである。
制御部を有し、前記液晶素子の動作環境温度に応じて、
前記駆動交流パルスの周波数を最適化することができる
ので、様々な環境温度下においても、最適な調光動作特
性で駆動することができ、広いダイナミックレンジ(高
光学濃度比、高コントラスト比)での調光動作を、高速
かつ低消費電力で行なうことができる。
の性能、画質、信頼性の向上を図るために極めて有効で
ある。
の駆動は、ある一定の周波数の交流パルスを液晶セルに
印加して行なっているのであるが、液晶素子の動作環境
温度が変化すると、調光できる光透過率の範囲(ダイナ
ミックレンジ、コントラスト比)が大きく変動すること
が判明した。
大きな特性の一つである誘電率異方性が、液晶素子の動
作環境温度に依存して変化することに起因して生じてい
ること、更に、これらは液晶素子を駆動する交流パルス
の周波数によっても大きく変化することが、検討を進め
ていくなかで分かった。
の駆動周波数依存特性を、液晶素子の動作環境温度をパ
ラメータにして比較したデータの一例である。
度が高いほど、液晶分子の運動が活発になり、定常状態
での分子の熱ゆらぎの影響が大きくなることが主因で、
液晶材料の誘電率異方性は、高温になるほど一様に低下
する。これによって、液晶素子の動作環境温度が高温に
なるほど、制御できる光透過率のダイナミックレンジが
狭くなってしまう。
流パルスの周波数がある一定の値を越えると、大きく低
下し始める(ローパスフィルタの周波数特性を示す)こ
とが分かる。そして、この誘電率異方性が低下し始める
周波数値は、液晶素子の動作環境温度にも左右され、低
温下ほど、より低い駆動交流パルスの周波数で、誘電率
異方性の低下が現れている。
度および周波数依存性は、液晶材料のもつ誘電緩和特性
に因るものであり、その尺度となる誘電緩和周波数は、
双極子モーメントが電場の変化に追従できなくなり、誘
電率へ寄与しなくなる周波数であり、材料に特有な値を
示すものである。そして、このような液晶材料の誘電率
異方性の低下は、液晶素子の駆動しきい値電圧を上昇さ
せ、消費電力の増加を招くことにもつながる。
z未満のとき、液晶材料の誘電率異方性の安定性が崩れ
ていることが分かり、これにより応答速度の低下を招く
ことがある。これは、液晶素子中に含まれる可動イオン
が低周波数領域での極性の切り替わりに追従するように
なり、セル電極間の実効電界が低下することにより生じ
る現象と考えられる。そして、この現象は、液晶素子の
動作環境温度が高いほど、高い周波数側にシフトしてい
ることが分かる。
の動作環境温度に応じて、前記駆動交流パルスの周波数
を変化させることが重要であるが、前記周波数を100
Hz〜20kHzの間で変化させることが好ましく、よ
り好ましくは1〜20kHz、更には1〜2kHzであ
る。
れば、前記液晶素子の動作環境温度に応じて、前記駆動
交流パルスの周波数を最適化することができるので、様
々な環境温度下においても、最適な調光動作特性で駆動
することができ、広いダイナミックレンジ(高光学濃度
比、高コントラスト比)での調光動作を、高速かつ低消
費電力で行なうことができる。
記液晶素子から出射する光の透過率を現光透過率から目
標光透過率へ変化させる際に、前記交流パルスの少なく
ともパルス幅を制御することが好ましい。
率を現光透過率から目標光透過率へ変化させる際に、前
記交流パルスの少なくともパルス電圧を制御することが
好ましい。
過率を、現透過率から目標透過率へ中間調においてわず
かに変化させる際においても、中間調における光透過率
の過渡応答時間を大幅に短縮することができ、調光装置
として必要な速度で、液晶素子を応答動作させることが
可能となる。
ト材料とし、二色性染料をゲスト材料とするゲスト−ホ
スト型液晶素子であるのがよい。
出した特願平11−322186号に係わる先願発明に
依拠したものである。この先願発明によれば、液晶素子
と、この液晶素子に入射する光の光路中に配される偏光
板とで調光装置を構成し、更に、ネガ型液晶をホスト材
料とするゲスト−ホスト型液晶を用いることにより、電
圧無印加時と電圧印加時の吸光度の比(即ち光学濃度の
比)が向上し、調光装置のコントラスト比が大きくな
り、明るい場所から暗い場所までにおいて、調光動作を
正常に行なうことを可能とする。
(GHセル)2において、ホスト材料3として誘電率異
方性(Δε)が正のポジ型の液晶を用い、ゲスト材料4
には二色性を有する光吸収異方性(ΔA)が正のポジ型
染料4を用い、偏光板1をGHセル2の入射側に配し、
矩形波を駆動波形として動作電圧印加時の光透過率の変
化を計測すると、図14に示すように、動作電圧の印加
に伴って、可視光の平均光透過率(空気中。液晶セルに
加えて偏光板を足したときの透過率を参照(=100
%)とした:以下、同様)が増加するが、電圧を10V
にまで上昇させたときの最大光透過率は60%程度であ
り、しかも光透過率の変化が緩やかである。
合、電圧無印加時に液晶セルの液晶配向膜との界面での
液晶分子の相互作用(interaction)が強いため、電圧
を印加してもダイレクタの向きが変化しない(或いは、
変化し難い)液晶分子が残ってしまうからであると考え
られる。
うに、ゲスト−ホスト型液晶セル(GHセル)12にお
いて、ホスト材料13として、誘電率異方性(Δε)が
負のネガ型の液晶であるMerck社製のMLC−66
08を一例として用い、ゲスト材料4には二色性を有す
るポジ型染料であるBDH社製のD5を一例として用い
ることにより、偏光板11をGHセル12の入射側に配
し、矩形波を駆動波形として動作電圧印加時の光透過率
の変化を計測したところ、図3に示すように、動作電圧
の印加に伴って、可視光の平均光透過率(空気中)が最
大光透過率約75%から数%にまで減少し、しかも光透
過率の変化が比較的急峻となる。
合、電圧無印加時に液晶セルの液晶配向膜との界面での
液晶分子の相互作用(interaction)が非常に弱いた
め、電圧無印加時に光が透過し易く、また電圧印加と共
に液晶分子のダイレクタの向きが変化し易くなるからで
あると考えられる。
のホスト材料を用いてGHセルを構成すれば、光透過率
(特に透明時)が向上し、GHセルを撮像光学系中にそ
のまま位置固定して使用できるコンパクトな調光装置が
実現可能となる。この場合、液晶素子への入射光の光路
中に偏光板を配することにより、電圧無印加時と電圧印
加時の吸光度の比(即ち光学濃度の比)が一層向上し、
調光装置のコントラスト比が更に大きくなり、明るい場
所から暗い場所までにおいて、調光動作をより正常に行
なうことができる。
ネガ型液晶の誘電率異方性は負であるのがよいが、ゲス
ト材料は、ポジ型又はネガ型の二色性染料分子からなっ
ていてよい。また、ホスト材料はネガ型であるのがよい
が、ポジ型でも差支えはない。
ホスト材料、ポジ型(又はネガ型)のゲスト材料は公知
の材料から選択して用いることができる。但し、実際の
使用の場合は、実使用温度範囲でネマチック性を示すよ
うに選択し、ブレンドした組成物を用いてよい。
は、例えば図7に示すように、ズームレンズのように複
数のレンズで構成されるレンズ前群15とレンズ後群1
6との間に配置される。レンズ前群15を透過した光
は、偏光板11を介して直線偏光された後、GHセル1
2に入射する。GHセル12を透過した光は、レンズ後
群16で集光され、撮像面17に映像として映し出され
る。
出願人による上述した先願発明と同様に、GHセル12
に入射する光の有効光路に対して出し入れ可能である。
具体的には、偏光板11を仮想線で示す位置に移動させ
ることにより、光の有効光路の外へ出すことができる。
この偏光板11を出し入れする手段として、図8に示す
ような機械式アイリスが用いられてもよい。
チルカメラやビデオカメラ等に用いられる機械式絞り装
置であり、主として2枚のアイリス羽根18、19と、
アイリス羽根18に貼付された偏光板11とからなる。
アイリス羽根18、19は、上下方向に移動させること
ができる。矢印21で示される方向に、図示せぬ駆動モ
ーターを用いてアイリス羽根18、19を相対的に移動
させる。
羽根18、19は部分的に重ねられ、この重なりが大き
くなると、アイリス羽根18、19の中央付近に位置す
る有効光路20上の開口部22が、偏光板11により覆
われる。
スの部分拡大図である。アイリス羽根18が下方に移動
すると同時に、アイリス羽根19が上方に移動する。こ
れに伴って、図9(a)に示すように、アイリス羽根1
8に貼付された偏光板11も有効光路20の外へと移動
する。逆に、アイリス羽根18を上方に、またアイリス
羽根19を下方に移動させることにより、互いのアイリ
ス羽根18、19が重なる。これに従って、図9(b)
に示すように、偏光板11は有効光路20上に移動し、
開口部22を次第に覆う。アイリス羽根18、19の互
いの重なりが大きくなると、図9(c)に示すように、
偏光板11は開口部20を全て覆う。
置の調光動作について説明する。
9(a)で示したように、上下方向に開いていたアイリ
ス羽根18、19は、図示せぬモーターにより駆動さ
れ、重なり始める。これによって、アイリス羽根18に
貼付されている偏光板11は、有効光路20上に入り始
め、開口部22の一部を覆う(図9(b))。
態にある(なお、熱的揺らぎ、又は表面反射等のため、
GHセル12による若干の吸収はある。)。このため、
偏光板11を通過した光と開口部22を通過した光は、
ほぼ強度分布が同等となる。
を覆った状態になる(図9(c))。さらに、被写体の
明るさが増す場合は、GHセル12への電圧を上昇し、
GHセル12で光を吸収することにより調光を行なう。
まず、GHセル12への電圧を減少又は無印加とするこ
とにより、GHセル12による光の吸収効果を無くす
る。さらに被写体が暗くなった場合は、図示せぬモータ
ーを駆動することにより、アイリス羽根18を下方へ、
またアイリス羽根19を上方へ移動させる。こうして、
偏光板11を有効光路20の外へ移動させる(図9
(a))。
(例えば、透過率40%〜50%)を光の有効光路20
から外に出すことができるので、偏光板11に光が吸収
されない。従って、調光装置の最大透過率を例えば2倍
以上に高めることができる。具体的には、この調光装置
を、従来の固定されて設置される偏光板及びGHセルか
らなる調光装置と比較すると、最大透過率は例えば約2
倍になる。なお、最低透過率は両者で等しい。
れている機械式アイリスを用いて、偏光板11の出し入
れが行なわれるので、調光装置は容易に実現可能とな
る。また、GHセル12を用いるので、偏光板11によ
る調光に加えて、GHセル12自体が光を吸収すること
により、調光を行なうことができる。
のコントラスト比を高めると共に、光量分布をほぼ均一
に保つことができるものとなる。
に説明する。
装置の例を説明する。
セル12と偏光板11とからなる。そして、GHセル1
2は、透明電極と配向膜をそれぞれ形成した2枚のガラ
ス基板(いずれも図示せず)の間に、ネガ型の液晶分子
(ホスト材料)とポジ型又はネガ型の二色性染料分子
(ゲスト材料)との混合物が封入されている。
ネガ型液晶であるMerck社製のMLC−6608を
一例として用い、また二色性染料分子4には、光の吸収
に異方性を有し、例えば分子長軸方向の光を吸収するポ
ジ型染料であるBDH社製のD5を一例として用いた。
偏光板11の光吸収軸は、GHセル12に電圧を印加し
た時の光吸収軸と直交させた。
えば図7に示したように、ズームレンズのように複数の
レンズで構成されるレンズ前群15とレンズ後群16と
の間に配置される。レンズ前群15を透過した光は、偏
光板11を介して直線偏光された後、GHセル12に入
射する。GHセル12を透過した光は、レンズ後群16
で集光され、撮像面17に映像として映し出される。
1は、本出願人による上述した先願発明と同様に、GH
セル12に入射する光の有効光路に対して出し入れ可能
である。
置に移動させることにより、光の有効光路の外へ出すこ
とができる。この偏光板11を出し入れする手段とし
て、図8及び図9に示した機械式アイリスが用いられて
もよい。
ンサー(図示省略)によって、液晶素子の動作環境温度
を検知し、その検出温度に応じて、一例として以下の様
に、GHセルに印加する駆動交流パルスの周波数を制御
した。
駆動 B)5℃≦T≦30℃→2kHzでパルス駆動 C)T>30℃→3kHzでパルス駆動
セル12に対して室温(25℃)下にて2kHzの矩形
波を駆動交流パルス波形として入力し、動作電圧印加時
の光透過率の変化を計測したところ(図2)、図3に示
すように、動作電圧の増加に伴って、可視光の平均光透
過率(空気中)が最大透過率約75%から数%にまで減
少した。
る液晶セル構造や構成材料によっても異なるが、今回の
GHセル12では、±5V(2kHz)以上のパルス電
圧印加で、ほぼ最小透過率に達した。
に対して1kHzの矩形波を駆動パルス波形として入力
し、また、40℃の環境温度下で、GHセル12に対し
て3kHzの矩形波を駆動パルス波形として入力し、パ
ルス電圧変調駆動した時の液晶素子の過渡応答特性の一
例を、室温(25℃)下で、GHセル12に対して2k
Hzの矩形波を駆動交流パルス波形として入力して駆動
した場合と比較して、図4及び図5に示す。
(25℃、2kHz駆動)下に比べて、低温(0℃、1
kHz駆動)環境下では、過渡応答速度の低下が認めら
れるものの、液晶分子の熱ゆらぎの影響が低減したこと
に加えて、液晶材料の誘電率異方性の低下が抑制された
ことにより、調光動作のダイナミックレンジは、確実に
広がっている。
下では、ダイナミックレンジの低下を極力抑えた上で、
過渡応答速度の大幅な向上が確認できる。
は、前記液晶素子の環境温度に応じて、前記液晶素子に
印加する駆動交流パルスの周波数を最適に制御すること
ができるので、調光動作のダイナミックレンジを高く保
ち、かつ高速で過渡応答する液晶素子を実現できた。
止されることによって、駆動しきい値電圧の上昇を招く
ことなく、より低消費電力での液晶素子の駆動が可能と
なった。
ルス電圧変調(PHM)からパルス幅変調(PWM)に
変えたものである。
し、GHセル12の近傍に設置した温度センサー(図示
省略)によって、液晶素子の動作環境温度を検知し、そ
の検出温度に応じて、一例として以下の様に、GHセル
12に印加する駆動交流パルスの周波数を制御した。
駆動 B)5℃≦T≦30℃→2kHzでパルス駆動 C)T>30℃→3kHzでパルス駆動
セル12に対して、室温(25℃)下にて2kHzの矩
形波を駆動交流パルス波形として入力し、パルス幅変調
駆動時の光透過率の変化を計測した。
パルス発生周期(100%)を250μsとして、この
基本パルス発生周期内でパルス幅(PW)を制御するこ
とにより(25℃、2kHz駆動)、図6(b)に示す
ように、パルス幅の増加に伴って、前述のパルス電圧変
調駆動の場合と同様に、可視光の平均光透過率(空気
中)が最大透過率約75%から数%にまで減少した。
に対して1kHzの矩形波を駆動交流パルス波形として
入力し(但し、基本的なパルス発生周期:500μ
s)、また、40℃の環境温度下で、GHセル12に対
して3kHzの矩形波を駆動交流パルス波形として入力
し(但し、基本的なパルス発生周期:167μs)、パ
ルス幅変調方式で駆動した時の液晶調光素子の過渡応答
特性を、室温(25℃)下で、2kHzの矩形波を駆動
交流パルス波形として入力し(但し、基本的なパルス発
生周期:250μs)、駆動した場合と比較したとこ
ろ、実施例1と同様にして、図4及び図5に示す結果が
得られた。
Hz駆動、基本的なパルス発生周期:250μs)下に
比べて、低温(0℃、1kHz駆動、基本的なパルス発
生周期:500μs)環境下では、過渡応答速度の低下
が認められるものの、液晶分子の熱ゆらぎの影響が低減
したことに加えて、液晶材料の誘電率異方性の低下が抑
制されたことにより、調光動作のダイナミックレンジを
拡大させることができた。
的なパルス発生周期:167μs)環境下では、ダイナ
ミックレンジの低下を極力抑えた上での過渡応答速度の
大幅な向上を確認できた。
は、前記液晶素子の環境温度に応じて、前記液晶素子に
印加する駆動交流パルスの周波数を最適に制御し、パル
ス幅変調駆動での調光動作のダイナミックレンジを高く
保ち、かつ高速で過渡応答することができた。
止されることによって、駆動しきい値電圧の上昇を招く
ことなく、より低消費電力での液晶素子の駆動も可能と
なった。
て液晶素子を駆動しているため、実施例1のパルス電圧
変調駆動に比べて、しきい値実効電圧がより一層低く、
全体的に特性が低電圧側にシフトするため、より低電圧
での制御が可能となり、消費電力を一層低減することが
できた。
なるため、電圧(パルス幅)により光透過率を制御しや
すくなり、階調性が向上した。
arge coupled device)カメラに組み込んだ例を示すも
のである。
線で示す光軸に沿って、前記のレンズ前群15に相当す
る1群レンズ51及び2群レンズ(ズーム用)52、前
記のレンズ後群16に相当する3群レンズ53及び4群
レンズ(フォーカス用)54、CCDパッケージ55が
適宜の間隔をおいてこの順に配設されており、CCDパ
ッケージ55には赤外線カットフィルタ55a、光学ロ
ーパスフィルタ系55b、CCD撮像素子55cが収納
されている。
は、3群レンズ53寄りに、上述した本発明に基づくG
Hセル12と偏光板11からなる調光装置23が光量調
節(光量絞り)のために同じ光路上に取付けられてい
る。なお、フォーカス用の4群レンズ54は、リニアモ
ータ57により光路に沿って3群レンズ53とCCDパ
ッケージ55との間を移動可能に配設され、またズーム
用の2群レンズ52は、光路に沿って1群レンズ51と
調光装置23との間を移動可能に配設されている。
調光装置23による光透過率制御のシーケンスのアルゴ
リズムを示す。
群レンズ53の間に本発明に基づく調光装置23が設け
られているので、上述したように電界の印加によって光
量を調節でき、システムを小型化でき、実質的に光路の
有効範囲の大きさまで小型化できる。したがって、CC
Dカメラの小型化を達成することが可能である。また、
パターン化された電極への印加電圧の大きさによって光
量を適切に制御できるので、従来のような回析現象を防
止し、撮像素子へ十分な光量を入射させ、像のぼやけを
なくせる。
ブロック図である。
配されたCCD撮像素子55cの駆動回路部60を有
し、CCD撮像素子55cの出力信号がY/C信号処理
部61で処理され、輝度情報(Y信号)としてGHセル
駆動制御回路部62にフィードバックされる。また、G
Hセル12の環境温度をサーミスタ65で検出し、この
検出温度情報を制御回路部62にフィードバックする。
号により、駆動回路部60の基本クロックと同期して、
前述した様に、検出されたセル環境温度に応じて、駆動
周波数が最適に制御された交流パルスがパルス発生回路
部63から得られるようになっている。
ためのGH液晶駆動制御部64は、制御回路部62とパ
ルス発生回路部63とにより構成されている。
前記液晶素子の駆動電極が少なくとも有効光透過部の全
域にわたって形成されている場合に好適であり、そのよ
うに形成された駆動電極への駆動パルスの制御によっ
て、有効光路幅全体にわたって光透過率の一括制御を高
精度に行なうことができる。
いて説明したが、上述の例は、本発明の技術的思想に基
づき種々に変形が可能である。
ルの駆動方法、調光装置の形態等は、発明の主旨を逸脱
しない範囲で、適宜選択可能であることは言うまでもな
い。
造や材質、その駆動機構、駆動回路、制御回路の構成等
は、種々に変更が可能である。また、駆動波形は矩形
波、台形波、三角波、正弦波のいずれでも駆動可能であ
り、液晶セルを構成する2枚の電極間の電位差に応じて
液晶分子の傾きが変化し、光透過率が制御される。
に、2層構造等のGHセルも使用可能である。偏光板1
1のGHセル12に対する位置は、レンズ前群15とレ
ンズ後群16との間としたが、この配置に限らず、撮像
レンズの設定条件から最適となる位置に配置されればよ
い。即ち、位相差フィルム等の偏光状態が変化する光学
素子を用いない限り、偏光板11は、例えば撮像面17
とレンズ後群16との間等、被写体側又は撮像素子側の
任意の位置に置くことができる。さらにまた、偏光板1
1は、レンズ前群15又はレンズ後群16に代わる単一
のレンズ(単レンズ)の前又は後に配置されてもよい。
られず、より多くの枚数を用いることにしてもよいし、
逆に1枚でもよい。また、アイリス羽根18、19は、
上下方向に移動することにより重ねられるが、他の方向
に移動してもよく、周囲から中央に向けて絞り込むこと
にしてもよい。
貼付されているが、アイリス羽根19の方に貼付されて
いてもよい。
偏光板11の出し入れによる調光を行なった後、GHセ
ル12による光の吸収を行なったが、逆に、先にGHセ
ル12の光吸収による調光を行なうことにしてもよい。
この場合、GHセル12の透過率が所定の値まで低下し
た後に、偏光板11の出し入れによる調光を行なう。
入れする手段として、機械式アイリスを用いたが、これ
に限られない。例えば、偏光板11が貼付されたフィル
ムを駆動モーターに直接設置することにより、偏光板1
1を出し入れしてもよい。
20に対して出し入れしたが、有効光路中に位置固定す
ることも勿論可能である。
他のフィルター材(例えば、有機系のエレクトロクロミ
ック材、液晶、エレクトロルミネッセンス材等)と組み
合わせて用いることも可能である。
スタに限ることなく、他のセンサーを用いてもよい。
たCCDカメラ等の撮像装置の光学絞り以外にも、各種
光学系、例えば、電子写真複写機や光通信機器等の光量
調節用としても広く適用が可能である。さらに、本発明
に基づく調光装置は、光学絞りやフィルター以外に、キ
ャラクターやイメージを表示する各種の画像表示素子に
適用することができる。
使用したCCD(Charge Coupled Device)以外にも、
CMOSイメージセンサー等への適用も勿論可能であ
る。
ス制御部を有し、前記液晶素子の動作環境温度に応じ
て、前記駆動交流パルスの周波数を最適化することがで
きるので、様々な環境温度下においても、最適な調光動
作特性で駆動することができ、広いダイナミックレンジ
(高光学濃度比、高コントラスト比)での調光動作を、
高速かつ低消費電力で行なうことができる。
の性能、画質、信頼性の向上を図るために極めて有効で
ある。
異方性の周波数依存性の一例を、液晶素子の動作環境温
度の違いで比較したグラフである。
ある。
M)駆動した場合の調光装置の光透過率と駆動印加電圧
との関係を示すグラフである。
て得られた、調光動作の過渡応答特性の一例を示すグラ
フである。
て得られた、調光動作の過渡応答特性の一例を示すグラ
フである。
M)駆動した場合の調光装置の光透過率と駆動印加パル
ス幅との関係を示すグラフである。
ある。
る。
の動作を示す概略部分拡大図である。
概略断面図である。
アルゴリズムである。
ク図である。
る。
関係を示すグラフである。
晶分子、4…ポジ型二色性染料分子、5…入射光、13
…ネガ型液晶分子、15…レンズ前群、16…レンズ後
群、17…撮像面、18、19…アイリス羽根、20…
有効光路(セル中間部又は中央部)、21…動作方向、
22…開口部、23…調光装置、24…セル周辺部、5
0…CCDカメラ、51…1群レンズ、52…2群レン
ズ、53…3群レンズ、54…4群レンズ、55…CC
Dパッケージ、55a…赤外線カットフィルタ、55b
…光学ローパスフィルタ系、55c…CCD撮像素子、
60…CCD駆動回路部、61…Y/C信号処理部、6
2…GH駆動制御回路部、63…パルス発生回路部、6
4…周波数、パルス電圧又はパルス幅の制御部(GH液
晶駆動制御部)
Claims (11)
- 【請求項1】 液晶素子と、素子環境温度を検出する検
出部と、前記検出部による検出値を受けて、前記液晶素
子を駆動する交流パルスの周波数を前記素子環境温度に
応じて変化させるパルス制御部とを有する、調光装置。 - 【請求項2】 液晶素子からなる調光装置が撮像系の光
路中に配されている撮像装置であって、前記調光装置
が、液晶素子と;素子環境温度を検出する検出部と;前
記検出部による検出値を受けて、前記液晶素子を駆動す
る交流パルスの周波数を前記素子環境温度に応じて変化
させるパルス制御部と;を具備する、撮像装置。 - 【請求項3】 前記パルス制御部により、前記周波数が
100Hz〜20kHzの間で変化される、請求項1又
は2に記載した装置。 - 【請求項4】 前記液晶素子から出射する光の透過率を
現光透過率から目標光透過率へ変化させる際に、前記交
流パルスの少なくともパルス電圧を制御する、パルス制
御部を具備する、請求項1又は2に記載した装置。 - 【請求項5】 前記液晶素子から出射する光の透過率を
現光透過率から目標光透過率へ変化させる際に、前記交
流パルスの少なくともパルス幅を制御する、パルス制御
部を具備する、請求項1又は2に記載した装置。 - 【請求項6】 前記液晶素子が、ネガ型液晶をホスト材
料とし、二色性染料をゲスト材料とするゲスト−ホスト
型液晶素子である、請求項1又は2に記載した装置。 - 【請求項7】 液晶素子からなる調光装置を駆動する方
法であって、前記液晶素子を駆動する際に、前記液晶素
子に印加する交流パルスの周波数を、前記液晶素子の環
境温度に応じて変化させる、調光装置の駆動方法。 - 【請求項8】 前記周波数を100Hz〜20kHzの
間で変化させる、請求項7に記載した調光装置の駆動方
法。 - 【請求項9】 前記液晶素子から出射する光の透過率を
現光透過率から目標光透過率へ変化させる際に、前記交
流パルスの少なくともパルス電圧を制御する、請求項6
に記載した調光装置の駆動方法。 - 【請求項10】 前記液晶素子から出射する光の透過率
を現光透過率から目標光透過率へ変化させる際に、前記
交流パルスの少なくともパルス幅を制御する、請求項6
に記載した調光装置の駆動方法。 - 【請求項11】 前記液晶素子として、ネガ型液晶をホ
スト材料とし、二色性染料をゲスト材料とするゲスト−
ホスト型液晶素子を用いる、請求項6に記載した調光装
置の駆動方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002016420A JP2003215544A (ja) | 2002-01-25 | 2002-01-25 | 調光装置及びその駆動方法、並びに撮像装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002016420A JP2003215544A (ja) | 2002-01-25 | 2002-01-25 | 調光装置及びその駆動方法、並びに撮像装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003215544A true JP2003215544A (ja) | 2003-07-30 |
Family
ID=27652491
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002016420A Pending JP2003215544A (ja) | 2002-01-25 | 2002-01-25 | 調光装置及びその駆動方法、並びに撮像装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003215544A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019133091A (ja) * | 2018-02-02 | 2019-08-08 | キヤノン株式会社 | 撮像装置および制御方法 |
-
2002
- 2002-01-25 JP JP2002016420A patent/JP2003215544A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019133091A (ja) * | 2018-02-02 | 2019-08-08 | キヤノン株式会社 | 撮像装置および制御方法 |
JP6991874B2 (ja) | 2018-02-02 | 2022-01-13 | キヤノン株式会社 | 撮像装置および制御方法 |
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