JP4238464B2 - 車両用ロックアップクラッチの制御装置 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は、車両用ロックアップクラッチの制御装置に関し、特に、過給機付リーンバーンエンジンの燃料が安定する領域ではさらにロックアップクラッチの係合領域或いはスリップ領域を拡大して燃費をさらに低める(良くする)技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
過給機付リーンバーンエンジンにおいて、低燃費の運転領域を多くするために過給域における低速域で定常走行できるように自動変速機の変速比制御の特性を設定することが提案されている。たとえば、特開平7−156691号公報に記載された車両用制御装置がそれである。これによれば、過給域における低速域すなわち低燃費領域を多用することができ、大幅に燃費を改善することができる。
【0003】
【発明が解決すべき課題】
ところで、上記従来の車両では、過給域における低速域においてはエンジンの燃焼が安定することを利用してその領域を多用できるように自動変速機の変速比が制御されていたが、ロックアップクラッチの係合領域は何ら工夫されておらず、過給機付リーンバーンエンジンを備えた車両の低燃費を得るためにはさらに改善の余地が残されていた。
【0004】
本発明は以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、過給機付リーンバーンエンジンを備えた車両の一層の低燃費を得ることができる車両用ロックアップクラッチの制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための第1の手段】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、過給機付リーンバーンエンジンを備えた車両において、車両の走行状態が予め設定されたロックアップ領域となるとロックアップクラッチを係合させる車両用ロックアップクラッチの制御装置であって、上記過給機による過給圧が高くなって燃焼が安定する領域となるほど前記ロックアップ領域を拡大させて、ロックアップを開放していた条件でもロックアップさせるロックアップ領域変更手段を、含むことにある。
【0006】
【第1発明の効果】
このようにすれば、ロックアップ領域変更手段により前記過給機による過給圧が高くなって燃焼が安定する領域となるほど前記ロックアップ領域が拡大されて、ロックアップを開放していた条件でもロックアップされることから、過給機付リーンバーンエンジンにおいて過給圧が高くなって燃焼が安定する領域となるほどロックアップ領域を可及的に拡大することができるので、トルク伝達効率を可及的に向上させ、低燃費を図ることができる。
【0007】
【課題を解決するための第2の手段】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、過給機付リーンバーンエンジンを備えた車両において、車両の走行状態が予め設定されたロックアップスリップ領域内となるとロックアップクラッチをスリップ係合させる車両用ロックアップクラッチの制御装置であって、上記過給機による過給圧が高くなって燃焼が安定する領域となるほど前記ロックアップスリップ領域を拡大させて、ロックアップを開放していた条件でもスリップ制御させるロックアップスリップ領域変更手段を、含むことにある。
【0008】
【第2発明の効果】
このようにすれば、ロックアップスリップ領域変更手段により前記過給機による過給圧が高くなって燃焼が安定する領域となるほど前記ロックアップスリップ領域が拡大されて、ロックアップを開放していた条件でもスリップ制御されることから、過給機付リーンバーンエンジンにおいて過給圧が高くなって燃焼が安定する領域となるほどロックアップスリップ領域を可及的に拡大することができるので、トルク伝達効率を可及的に向上させることができ、低燃費化を図ることができる。
【0011】
【発明の他の態様】
ここで、好適には、前記第1発明および第2発明において、前記過給機による過給圧と前記過給機付リーンバーンエンジンに吸入される混合気の空燃比とに基づいてその過給機付リーンバーンエンジンの出力トルクを一定とするエンジントルク制御手段がさらに設けられる。このようにすれば、過給圧が高くなると出力トルクを一定とするために空燃比がリーン側へ変化させられるので、低速高負荷領域すなわち過給域における低速領域において一層低燃費となる利点がある。
【0012】
【発明の好適な実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施例の制御装置が適用された車両用動力伝達装置の構成を説明する骨子図である。図において、動力源としてのエンジン10の出力は、クラッチ12、トルクコンバータ14を介して自動変速機16に入力され、図示しない差動歯車装置および車軸を介して駆動輪へ伝達されるようになっている。上記クラッチ12とトルクコンバータ14との間には、電動モータおよび発電機として機能する第1モータジェネレータMG1が配設されている。上記トルクコンバータ14は、クラッチ12に連結されたポンプ翼車20と、自動変速機16の入力軸22に連結されたタービン翼車24と、それらポンプ翼車20およびタービン翼車24の間を直結するためのロックアップクラッチ26と、一方向クラッチ28によって一方向の回転が阻止されているステータ翼車30とを備えている。
【0014】
上記自動変速機16は、ハイおよびローの2段の切り換えを行う第1変速機32と、後進変速段および前進4段の切り換えが可能な第2変速機34とを備えている。第1変速機32は、サンギヤS0、リングギヤR0、およびキャリアK0に回転可能に支持されてそれらサンギヤS0およびリングギヤR0に噛み合わされている遊星ギヤP0から成るHL遊星歯車装置36と、サンギヤS0とキャリアK0との間に設けられたクラッチC0および一方向クラッチF0と、サンギヤS0およびハウジング38間に設けられたブレーキB0とを備えている。
【0015】
第2変速機34は、サンギヤS1、リングギヤR1、およびキャリアK1に回転可能に支持されてそれらサンギヤS1およびリングギヤR1に噛み合わされている遊星ギヤP1から成る第1遊星歯車装置40と、サンギヤS2、リングギヤR2、およびキャリアK2に回転可能に支持されてそれらサンギヤS2およびリングギヤR2に噛み合わされている遊星ギヤP2から成る第2遊星歯車装置42と、サンギヤS3、リングギヤR3、およびキャリアK3に回転可能に支持されてそれらサンギヤS3およびリングギヤR3に噛み合わされている遊星ギヤP3から成る第3遊星歯車装置44とを備えている。
【0016】
上記サンギヤS1とサンギヤS2は互いに一体的に連結され、リングギヤR1とキャリアK2とキャリアK3とが一体的に連結され、そのキャリアK3は出力軸46に連結されている。また、リングギヤR2がサンギヤS3に一体的に連結されている。そして、リングギヤR2およびサンギヤS3と中間軸48との間にクラッチC1が設けられ、サンギヤS1およびサンギヤS2と中間軸48との間にクラッチC2が設けられている。また、サンギヤS1およびサンギヤS2の回転を止めるためのバンド形式のブレーキB1がハウジング38に設けられている。また、サンギヤS1およびサンギヤS2とハウジング38との間には、一方向クラッチF1およびブレーキB2が直列に設けられている。この一方向クラッチF1は、サンギヤS1およびサンギヤS2が入力軸22と反対の方向へ逆回転しようとする際に係合させられるように構成されている。
【0017】
キャリアK1とハウジング38との間にはブレーキB3が設けられており、リングギヤR3とハウジング38との間には、ブレーキB4と一方向クラッチF2とが並列に設けられている。この一方向クラッチF2は、リングギヤR3が逆回転しようとする際に係合させられるように構成されている。
【0018】
以上のように構成された自動変速機16では、例えば図2に示す作動表に従って後進1段および変速比が順次異なる前進5段の変速段のいずれかに切り換えられる。図2において「○」は係合状態を表し、空欄は解放状態を表し、「◎」はエンジンブレーキのときの係合状態を表し、「△」は動力伝達に関与しない係合を表している。この図2から明らかなように、第2変速段(2nd)から第3変速段(3rd)へのアップシフトでは、ブレーキB3を解放すると同時にブレーキB2を係合させるクラッチツークラッチ変速が行われ、ブレーキB3の解放過程で係合トルクを持たせる期間とブレーキB2の係合過程で係合トルクを持たせる期間とがオーバラップして設けられる。それ以外の変速は、1つのクラッチまたはブレーキの係合或いは解放作動だけで行われるようになっている。上記クラッチおよびブレーキは何れも油圧アクチュエータによって係合させられる油圧式摩擦係合装置である。
【0019】
前記エンジン10は、後述する過給機54を備えているとともに、燃料が筒内噴射されることにより軽負荷時においては空燃比A/Fが理論空燃比よりも高い燃焼である希薄燃焼が行われるリーンバーンエンジンである。このエンジン10は、3気筒ずつから構成される左右1対のバンクを備え、その1対のバンクは単独で或いは同時に作動させられるようになっている。すなわち、作動気筒数の変更が可能となっている。
【0020】
たとえば図3に示すように、上記エンジン10の吸気配管50および排気管52には、排気タービン式過給機(以下、過給機という)54が設けられている。この過給機54は、排気管52内において排気の流れにより回転駆動されるタービン翼車56と、エンジン10への吸入空気を圧縮するために吸気配管50内に設けられ且つタービン翼車56に連結されたポンプ翼車58とを備え、そのポンプ翼車58がタービン翼車56によって回転駆動されるようになっている。
【0021】
上記エンジン10の吸気配管50には、スロットルアクチュエータ60によって操作されるスロットル弁62とが設けられている。このスロットル弁62は、基本的には図示しないアクセルペダルの操作量すなわちアクセル開度θACC に対応する開度θTHとなるように制御されるが、エンジン10の出力を調節するために変速過渡時などの種々の車両状態に応じた開度となるように制御されるようになっている。
【0022】
また、図3に示すように、前記第1モータジェネレータMG1はエンジン10と自動変速機16との間に配置され、クラッチ12はエンジン10と第1モータジェネレータMG1との間に配置されている。上記自動変速機16の各油圧式摩擦係合装置およびロックアップクラッチ26は、電動油圧ポンプ64から発生する油圧を元圧とする油圧制御回路66により制御されるようになっている。また、エンジン10には第2モータジェネレータMG2が作動的に連結されている。そして、第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2の電源として機能する燃料電池70および二次電池72と、それらから第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2へ供給される電流を制御したり或いは充電のために二次電池72へ供給される電流を制御するための切換スイッチ74および76とが設けられている。この切換スイッチ74および76は、スイッチ機能を有する装置を示すものであって、たとえばインバータ機能などを有する半導体スイッチング素子などから構成され得るものである。
【0023】
図4は、電子制御装置80に入力される信号およびその電子制御装置80から出力される信号を例示している。たとえば、電子制御装置80には、アクセルペダルの操作量であるアクセル開度θACC を表すアクセル開度信号、自動変速機16の出力軸46の回転速度NOUT に対応する車速信号、エンジン回転速度NE を表す信号、吸気配管50内の過給圧PINを表す信号、空燃比A/Fを表す信号、シフトレバーの操作位置SH を表す信号などが図示しないセンサから供給されている。また、電子制御装置80からは、燃料噴射弁からエンジン10の気筒内へ噴射される燃料の量を制御するための噴射信号、自動変速機16のギヤ段を切り換えるために油圧制御回路66内のシフト弁を駆動するシフトソレノイドを制御する信号、ロックアップクラッチ26を開閉制御するために油圧制御回路66内のロックアップコントロールソレノイドを制御する信号などが出力される。
【0024】
図5は、車両のコンソールに立設された図示しないシフトレバーの操作位置を示している。このシフトレバーは、車両の前後方向に位置するPポジション、Rポジション、Nポジション、Dおよび4ポジション、3ポジション、2およびLポジションへ択一的に操作されるとともに、Dポジションと4ポジションの間が車両の左右方向に操作されるように、また、3ポジションと2ポジションとの間、および2ポジションとLポジションとの間が斜め方向に操作されるように、その支持機構が構成されている。また、そのコンソールには、自動変速モードとマニアル変速モードとを択一的に選択するためのモード切換スイッチ82が設けられている。
【0025】
上記電子制御装置80は、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェースなどから成る所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、ロックアップクラッチ26の係合、解放、或いはスリップを実行する制御や上記自動変速機16の変速制御などを行うものである。たとえば、ロックアップクラッチ制御では、たとえば図7或いは図8に示す予め記憶された関係から実際の車両走行状態を表す車速V(出力側回転速度NOUT に対応)および運転者の要求出力量を表すアクセル開度θACC に基づいて、係合領域、解放領域、スリップ領域のいずれに属するかを判定し、その判定された領域に対応する状態が得られるように油圧制御回路66内のロックアップコントロールソレノイドを制御してロックアップクラッチ26を係合、解放、或いはスリップのいずれかの状態とする制御を実行する。また、変速制御では、予め記憶されたよく知られた関係(変速線図)からアクセル開度θACC (%)および車速Vに基づいて変速判断を行い、その変速判断に対応してギヤ段が得られるように油圧制御回路66内のシフトソレノイドを制御する。
【0026】
図6は、上記電子制御装置80の制御機能の要部すなわちロックアップクラッチ26の解放、係合、スリップ制御を説明する機能ブロック線図である。図6において、記憶手段90は、たとえば図7および図8に示すようなロックアップクラッチ26の解放、係合、スリップ制御を行うための関係すなわちマップを複数種類記憶する。図7および図8においては、高車速となるほど高アクセル開度θACC となる斜めの曲線から成るロックアップ係合線図と、そのロックアップ係合線図の下部に連結された閉曲線とが描かれており、そのロックアップ係合線図を横切る点が係合開始車速VACC である。車速Vを表す横軸とアクセル開度θACC を表す縦軸との二次元座標内において上記ロックアップ係合線図の左右に解放領域および係合領域が設定され、上記閉曲線内にスリップ領域が設定されている。図8に示す関係は通常の車両走行状態におけるロックアップクラッチ制御に対して適用されるものであり、図7に示す関係は、エンジン10がたとえば1500乃至2500rpm程度までの低回転速度域の過給域では、過給リーンバーン状態において筒内噴射による吸入空気の冷却により充填効率増大およびノッキング抑制作用が得られてノッキング抑制のための点火時期遅角によるトルク低下が少ないことから、過給圧PINが高くなるほどエンジン10の燃焼が安定してその出力トルクが増大することを利用して、そのような過給圧PINが高くなる領域においてロックアップ領域およびスリップ領域をエンジン10の振動が許容される範囲で可及的に拡大するように設定されたものである。この図7に示す関係は、主として低車速側へ拡大されている。
【0027】
領域変更手段92は、過給圧に応じてロックアップ領域を変更するためのロックアップ領域変更手段および過給圧に応じてスリップ領域を変更するためのスリップ領域変更手段に対応するものであって、エンジン10の過給リーンバーン状態において過給圧PINが高くなるほどロックアップ領域およびロックアップスリップ領域を拡大するように、過給圧検出手段94により検出された吸気配管50内の過給圧PIN、および図示しないエンジン制御用電子制御装置からの空燃比A/Fに基づいて、上記記憶手段90に記憶されている複数種類の関係を選択して変更する。たとえば、1500乃至2500rpm程度までの低回転速度域を判定するために予め設定されたエンジン10の低回転速度域において、吸気配管50内の過給圧PINが予め設定された値よりも低く且つ空燃比A/Fが予め設定された値よりも低い場合にはロックアップクラッチ制御手段96において用いられるように図8の関係(B域)を選択するが、その過給圧PINが予め設定された値よりも高い場合には、過給リーンバーン状態であるのでロックアップクラッチ制御手段96において用いられる関係を図7の関係(A域)に変更する。この場合は、過給圧PINの上昇に応じて2種類の関係が選択されることから、ロックアップ係合開始車速VLCが2段階に変化させられるが、過給圧PINの上昇に応じて多種類の関係が選択されるようにすれば、たとえば図9に示すようにロックアップ係合開始車速VLCが連続的に変化させられるようになる。
【0028】
ロックアップクラッチ制御手段96は、自動変速機16の高速側ギヤ段たとえば第4速ギヤ段および第5速ギヤ段が選択されている場合において、上記記憶手段90に記憶されている複数種類の関係のうち領域変更手段92により選択(変更)された関係から、実際のアクセル開度θACC および車速Vにより表される車両走行状態に基づいて領域判定を行い、判定された領域に応じてロックアップクラッチ26の作動状態を切り換える。たとえば、車両走行状態がロックアップ領域(係合領域)内であればロックアップクラッチ26を係合させ、車両走行状態が解放領域内であればロックアップクラッチ26を解放させ、車両走行状態がスリップ領域内であればロックアップクラッチ26のスリップ率或いはスリップ回転速度を予め設定された目標スリップ率或いは目標スリップ回転速度と一致するように制御する。なお、図7および図8に示す関係は概略的に示すものであって、実際にはロックアップクラッチ26の作動状態のばらつきを防止するためのヒステリシスが設けられる。
【0029】
エンジントルク制御手段98は、過給圧PINおよび空燃比A/Fに基づいてエンジン10の出力トルクを一定とする。たとえば、前記1500乃至2500rpm程度までの低回転速度域において過給圧PINが上昇してエンジン10の出力トルクが増加しようとした場合には、スロットル弁62の開度θTHは全開(100%)であることから、燃料噴射弁100から気筒内へ噴射される燃料の量を減少させることにより空燃比A/Fを高めて(リーンとして)エンジン10の出力トルクを一定とする。
【0030】
図10は、電子制御装置66の制御作動の要部を説明するフローチャートであって、所定のサイクルタイムで繰り返し実行されるものである。ステップ(以下、ステップを省略する)SA1では、エンジン10の過給リーンバーン状態であるか否かが、過給圧PINおよび空燃比A/Fに基づいて判断される。このSA1の判断が否定される場合は、前記領域変更手段92に対応するSA2において、ロックアップクラッチ26の係合制御およびスリップ制御のために、記憶手段90において記憶された関係のうち図8に示す通常の関係(B域)が選択される。次いで、前記ロックアップクラッチ制御手段96に対応するSA5乃至SA9が実行されることにより、図8に示す関係から実際の車速Vおよびアクセル開度θACC に基づいて制御領域の判定が行われ、判定された領域に応じてロックアップクラッチ26の作動状態が切り換えられる。たとえば、車両走行状態がロックアップ領域(係合領域)内であればロックアップクラッチ26が係合させられ、車両走行状態が解放領域内であればロックアップクラッチ26が解放させられ、車両走行状態がスリップ領域内であればロックアップクラッチ26のスリップ率或いはスリップ回転速度が予め設定された目標スリップ率或いは目標スリップ回転速度と一致するように制御される。
【0031】
しかし、上記SA1の判断が肯定された場合は、前記過給圧検出手段94に対応するSA3において、吸気配管50内の過給圧PINが図示しない圧力センサの出力信号から検出された後、前記領域変更手段92に対応するSA4において、ロックアップクラッチ26の係合制御およびスリップ制御のために、記憶手段90において記憶された関係のうち図7に示す過給リーンバーン状態のための関係(A域)が選択される。次いで、前記ロックアップクラッチ制御手段96に対応するSA5乃至SA9が実行されることにより、図7に示す関係から実際の車速Vおよびアクセル開度θACC に基づいて制御領域の判定が行われ、判定された領域に応じてロックアップクラッチ26の作動状態が切り換えられる。
【0032】
上述のように、本実施例によれば、ロックアップ領域変更手段として機能する領域変更手段92(SA2、SA4)により過給機54による過給圧PINに基づいてロックアップ領域が変更されることから、過給機付リーンバーンエンジン10において過給圧PINに関連して燃焼が安定する領域の変化に応じてロックアップ領域を可及的に拡大することができるので、トルク伝達効率が可及的に向上させられ、低燃費が得られる。
【0033】
また、本実施例によれば、上記ロックアップ領域変更手段として機能する領域変更手段92(SA2、SA4)は、過給圧PINが高くなるほどロックアップ領域を低車速側へ拡大するものであることから、過給リーンバーン状態において、過給圧が高くなって燃焼が安定する領域となるほどロックアップ領域が拡大されてトルク伝達効率が可及的に高められ、低燃費が得られる。
【0034】
また、本実施例によれば、ロックアップスリップ領域変更手段として機能する領域変更手段92(SA2、SA4)により過給機54による過給圧PINに基づいてスリップ領域が変更されることから、過給機付リーンバーンエンジン10において過給圧PINに関連して燃焼が安定する領域の変化に応じてスリップ領域を可及的に拡大することができるので、トルク伝達効率が可及的に向上させられ、低燃費が得られる。
【0035】
また、本実施例によれば、ロックアップスリップ領域変更手段として機能する領域変更手段92(SA2、SA4)は、過給圧PINが高くなるほどロックアップスリップ領域を低車速側へ拡大するものであることから、過給リーンバーン状態において、過給圧が高くなって燃焼が安定する領域となるほどロックアップスリップ領域が拡大されてトルク伝達効率が可及的に高められ、低燃費が得られる。
【0036】
また、本実施例によれば、過給機54による過給圧PINと過給機付リーンバーンエンジン10に吸入される混合気の空燃比A/Fとに基づいてその過給機付リーンバーンエンジン10の出力トルクを一定とするエンジントルク制御手段98がさらに設けられていることから、過給圧PINが高くなると出力トルクを一定とするために空燃比A/Fがリーン側へ変化させられるので、低速高負荷領域すなわち過給域における低速領域において一層低燃費となる利点がある。
【0037】
以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
【0038】
たとえば、前述の実施例のエンジン10は、過給機54を備え且つ燃料が筒内噴射されることにより軽負荷時に希薄燃焼させられるリーンバーンエンジンであったが、過給機54を備え且つスワール制御弁を有するリーンバーンエンジンであってもよい。要するに、たとえば1500乃至2500rpm程度までの低回転速度域の過給域では、吸入空気の冷却により充填効率増大或いはノッキング抑制作用が得られてノッキング抑制のための点火時期遅角によるトルク低下が少ないことから、過給圧PINが高くなるほどエンジン10の燃焼が安定してその出力トルクが増大する特性を備えたものであればよい。
【0039】
また、前述の実施例では、過給圧PINが高くなるほどロックアップクラッチ26の係合(ロックアップ)領域およびロックアップスリップ領域が低車速側へ拡大されていたが、低アクセル開度側に拡大余地がある場合には、その低アクセル開度側へ拡大されてもよい。
【0040】
また、前述の実施例において、自動変速機16は前進5速の有段式変速機であったが、変速比γが無段階に変化させられる無段式自動変速機であってもよい。
【0041】
また、前述の実施例の車両では、ロックアップクラッチ26の係合制御およびスリップ制御を行うために、図7或いは図8の二次元座標内にはロックアップ領域およびロックアップスリップ領域が設けられていたが、それらロックアップ領域およびロックアップスリップ領域のうちの一方は必ずしも設けられていなくてもよい。
【0042】
また、前述の実施例の過給機54は、排気によって駆動される排気タービン式過給機であったが、たとえば、電動機やエンジン10によって駆動される機械式過給機であってもよい。
【0043】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の車両用ロックアップクラッチの制御装置が適用された車両用駆動装置の要部骨子図である。
【図2】図1の車両用駆動装置内の自動変速機において、その摩擦係合装置の作動の組み合わせとそれにより得られるギヤ段との関係を示す係合表である。
【図3】図1の車両用駆動装置を備えた車両のエンジンに関連する装備を説明する図である。
【図4】図1の車両に設けられた電子制御装置の入出力信号の要部を説明する図である。
【図5】図1の車両のコンソール付近に設けられたシフトレバーの操作位置とモード切換スイッチを説明する図である。
【図6】図4の電子制御装置の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図7】図6の領域変更手段により変更される関係の一方であって、過給リーンバーン状態において選択される関係を示す図である。
【図8】図6の領域変更手段により変更される関係の一方であって、過給リーンバーン状態ではない燃焼状態において選択される関係を示す図である。
【図9】図6の領域変更手段により関係が変更される結果として得られる、ロックアップ係合開始車速と過給圧との関係の変化傾向を説明する図である。
【図10】図6の電子制御装置の制御作動の要部を説明するフローチャートであって、ロックアップクラッチ制御ルーチンを示す図である。
【符号の説明】
10:過給機付リーンバーンエンジン
26:ロックアップクラッチ
54:過給機
92:領域変更手段(ロックアップ領域変更手段、ロックアップスリップ領域変更手段)
98:エンジントルク制御手段
Claims (7)
- 過給機付リーンバーンエンジンを備えた車両において、車両の走行状態が予め設定されたロックアップ領域となるとロックアップクラッチを係合させる車両用ロックアップクラッチの制御装置であって、
前記過給機による過給圧が高くなって燃焼が安定する領域となるほど前記ロックアップ領域を拡大させて、ロックアップを開放していた条件でもロックアップさせるロックアップ領域変更手段を、含むことを特徴とする車両用ロックアップクラッチの制御装置。 - 過給機付リーンバーンエンジンを備えた車両において、車両の走行状態が予め設定されたロックアップスリップ領域内となるとロックアップクラッチをスリップ係合させる車両用ロックアップクラッチの制御装置であって、
前記過給機による過給圧が高くなって燃焼が安定する領域となるほど前記ロックアップスリップ領域を拡大させて、ロックアップを開放していた条件でもスリップ制御させるロックアップスリップ領域変更手段を、含むことを特徴とする車両用ロックアップクラッチの制御装置。 - 前記ロックアップ領域変更手段は、前記ロックアップ領域を低車速側へ拡大することを特徴とする請求項1の車両用ロックアップクラッチの制御装置。
- 前記ロックアップスリップ領域変更手段は、前記ロックアップスリップ領域を低車速側へ拡大することを特徴とする請求項2の車両用ロックアップクラッチの制御装置。
- 前記ロックアップ領域変更手段は、前記ロックアップ領域を低アクセル開度側へ拡大することを特徴とする請求項1の車両用ロックアップクラッチの制御装置。
- 前記ロックアップスリップ領域変更手段は、前記ロックアップスリップ領域を低アクセル開度側へ拡大することを特徴とする請求項2の車両用ロックアップクラッチの制御装置。
- 前記過給圧および空燃比に基づいて前記車両のエンジンの出力トルクを一定とするエンジントルク制御手段をさらに含むものである請求項1乃至6のいずれか1の車両用ロックアップクラッチの制御装置。
Priority Applications (5)
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