JP4237914B2 - タイヤのリム組み付け方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビード部とリムとの高い嵌合強度を得ることのできるタイヤのリム組み付け方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
空気入りタイヤをリム組みした場合、ビード部とリムとの間に空気溜まりがある、即ち、ビード部がリムに適性に密着していないと、ビード部とリムとの嵌合が低下し、操縦安定性の低下を招く場合がある。
【0003】
ビード部とリムとの嵌合を向上する技術として、空気入りタイヤのビード部構造(特開平6−40223号)、空気入りタイヤリム(特開平6−191201号)が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平6−40223号の技術では、突起を有するビード背面形状とリムフランジ形状との差が大きく、嵌合する面積(リム内面とビード部外面との接触面積)が少なく、実際にはさほど嵌合強度を大きくとれない問題がある。
【0005】
また、特開平6−191201号の技術では、内圧充填中にリムフランジ下部に形成した孔から充填空気圧の漏れが生じたり、リムフランジに形成した孔から水分等が進入して溜まり、リムに腐食を生じる可能性がある。
【0006】
本発明は、上記事実を考慮して、ビード部とリムとの高い嵌合強度を得ることのできるタイヤのリム組み付け方法を提供することが目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、タイヤをリムに組み付けるタイヤのリム組み付け方法であって、ビード部をリムに配置した後、少なくとも正規の内圧の70%以上の内圧を充填した後に内圧を減じ、その後、リムに形成された孔からビード部とリムとの間に充填剤を注入し、ビード部とリムとの間の間隙を充填剤で埋め、前記充填剤の注入後に正規の内圧を充填することを特徴としている。
【0008】
請求項1に記載のタイヤのリム組み付け方法では、タイヤのビード部をリムに配置した後、リムの孔からビード部とリムとの間に充填剤を注入するので、ビード部とリムとの間の間隙が充填剤で埋められる。
【0009】
充填剤によって、リムとビード部との間の空隙(空気溜まり)が無くなるので、ビード部とリムとの嵌合が強固なものとなり、操縦安定性を確保することができる。
【0011】
タイヤをリムに装着した後、正規の内圧を充填すると、内圧によりビード部がリムフランジ側へ押し付けられる。即ち、ビード部は、常にリムフランジへある力で押し付けられていることになる。
【0012】
リムの孔からビード部とリムとの間に充填剤を注入すると、孔から空気溜まりまでの距離が短い場合には、ある程度の圧力をかけて充填剤を注入すれば空気溜まりの部分に充填剤が注入されると共に、空気がビード部とリムとの間を通って外部へと放出されるが、孔と空気溜まりと距離が長いと充填剤が空気溜まりに到達しない場合が考えられる。
【0013】
そこで、請求項1に記載の発明では、以下のようにする。
【0014】
少なくとも正規の内圧の70%以上の内圧を充填し、ビード部をリムフランジ側へ移動させ、リムと接していなかったビード部外側面をリムに接触させる。
【0015】
次に、タイヤの空気を抜いて内圧を減じ(内圧を零とすることが好ましい。)とする。
【0016】
そして、この状態で、リムの孔より充填剤の注入を行う。
【0017】
内圧を減ずることにより、ビード部のリムに対する押圧力が低下するので、小さい圧力で充填剤を注入しても、充填剤はビード部の表面のゴムを押し退けながら遠方の空気溜まり部分まで容易に到達することができ、溜まっていた空気も少ない抵抗で外部へ放出させることができる。
【0018】
これにより、リムとビード部との間の間隙に充填剤を確実に行き渡らせることができる。
【0019】
その後、正規の内圧を充填することにより、操縦安定性を確保したタイヤ・リム組立体が得られる。
【0020】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のタイヤのリム組み付け方法において、ビード部のビードヒールと対向する位置に設けられている前記孔から前記充填剤の注入を行うことを特徴としている。
【0021】
請求項2に記載のタイヤのリム組み付け方法では、ビード部のビードヒールと対向する位置に設けられている孔から充填剤が注入される。
【0022】
ビード部とリムとの間の間隙は、ビードヒール付近に生じやすいため、ビードヒールと対向する部分に孔を設けることが好ましい。
【0023】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のタイヤのリム組み付け方法において、前記充填剤は、注入前では液体であり、注入後に固化することを特徴としている。
【0024】
充填剤は、注入前の状態が液体であるため、タイヤとリムとの間の間隙に注入し易い。注入後は、充填剤が固化するので、タイヤとリムとを強固に結合させる。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図1及び図2にしたがって説明する。
【0031】
図2には、リム組み前のリム10及びタイヤ12の腰部の断面が示されている。
【0032】
図2に示すタイヤ12は一般的な構造の空気入りタイヤであるので内部構造は簡略化して図示されており、タイヤ内部品としてはビードコア14のみが図示されている。
【0033】
このリム10は、タイヤ12のビード部18のビードベース18Aと接触するビードシート部10Aおよび、そのビードシート部10Aに連続して、ビード部18の外側面18Bと接触するフランジ10Bを備えていると共に、これらのビードシート部10Aとフランジ10Bとの間に位置してビードヒール部(外側へ凸となる円弧形状部分)18Cの接触を許容する湾曲遷移区域10Cを備えている。なお、リム10の形状自体は公知(JATMA規格等)の形状である。
【0034】
このリム10の湾曲遷移区域10Cには、リム10の内外側の連通をもたらす複数の貫通孔20が周方向に所定の間隔をおいて形成されている。
【0035】
貫通孔20は、後述する充填剤26を注入する注入口であり、充填剤26を注入可能な径に設定されている。
【0036】
ビード部18の外側面18Bには、タイヤ軸方向外側に突出する凸部22が設けられている。
【0037】
この凸部22のタイヤ加硫成形時(リム装着前の状態)における膨出量Aは、リム10の図示のような幅方向断面内で、ビードシート部10Aを湾曲遷移区域10C側へ延長した直線lとフランジ10Bの内面に接触してリム10の中心軸線に直交する直線mとの交点Pと対応する、タイヤ設計上予定される基点Qを通り、そこからタイヤ中心軸線に下した垂線nを基準として定められており、その膨出量Aは2mm〜4mmが好ましい。
【0038】
また、ビード部18とリム10との嵌合を強固なものとするため、ビードコア14は1本の素線(鋼線)を複数回巻回して構成された構造のものが好ましい。
【0039】
ビードコア14は、底面(内径側の面)がビードシート部10Aと同方向に傾斜しており、鋼線の最下段巻数が全巻数の4/13以上、隣り合う段の巻数を変えて素線を交互配列として隣り合う素線は出来る限り間隔を狭くすることが好ましい。
【0040】
図2に示すように、本実施形態のビードコア14は断面形状が6角形であり、全巻数が13巻、最下段の巻数が4巻、2段目の巻数が5巻、3断目(最上段)の巻数が4巻であり、最下段の底面がビードシート部10Aと平行に設定されている。
【0041】
(作用)
つぎに、リム組み手順を説明する。
(1) 先ず、従来通りにリム10にタイヤ12を組み付ける。
【0042】
タイヤ12のリム10への配設は、フランジ10Bの周りでビード部18を部分的に順次乗り越えさせることによって行われる。
(2) 少なくとも正規の内圧(例えば、JATMAに規定の内圧)の70%以上の内圧を充填する。
【0043】
内圧により、ビード部18はリム10の傾斜したビードシート部10Aに沿って移動し、ビード部18の外測面10Bがフランジ10Bに接触する。
【0044】
ここで、リム10に対してビードコア14が斜めに配置されている状態で内圧が充填されると、ビード部18の一部がフランジ10Bに対して強く接触し(例えば、ビードコア14が正規の位置よりもフランジ10B側に配置される)、前記一部とは回転軸を挟んで反対側においてはビードコア14が正規の位置よりもタイヤ軸方向内側へ配置されてしまい、リム10に対してビードコア14が斜めになった状態で保持されてしまう場合がある。
【0045】
本実施形態のタイヤ12では、リム10に対してビードコア14が斜めに配置されている状態で内圧が充填された場合、フランジ10Bに最初に接触する凸部22がビード部18がフランジ10B側へ行過ぎないように反発するので、反対側において、ビードコア14が正規の位置よりもタイヤ軸方向内側へ配置されてしまうことが抑えられ、リム10に対してビードコア14が斜めになった状態で保持されてしまうことを抑制する。
(3) 次に、リム10に設けられているバルブ(図示せず)を開けて内圧を零とする。
(4) 次に、図2に示すように、注入装置24を用いてリム10の貫通孔20から充填剤26を注入する。
【0046】
充填剤26としては、例えば、東レダウニングシリコン株式会社製、SE9530A等を用いることができ、また、注入装置24としては、例えば、注射器等のピストン形式のものを用いることができる。
【0047】
充填剤26の注入は、フランジ10Bとビード部18との間から充填剤26が漏れ出るまで、または、充填剤26の注入に使用している貫通孔20に隣接する他の貫通孔20から充填剤26が漏れ出るまで圧力をかけて行う。これを全ての貫通孔20に対して行う。
【0048】
これにより、リム10とビード部18との間に溜まっている空気が充填剤26の進入によりフランジ20Bとビード部18との間または貫通孔20を介して外部へと押し出され、リム10とビード部18との間の隙間が無くなる。
(5) 充填剤26の注入後、直ちに(充填剤26が固化する前に)正規の内圧(例えば、JATMAに規定の内圧)を充填し、貫通孔20やタイヤ12とリム10との間からはみ出した充填剤26を取り除く。
【0049】
その後、充填剤26は固化するので、リム10とビード部18との嵌合が強固なものとなり、高い操縦安定性を確保することができる。
【0050】
なお、このようにして完成されたリム10とタイヤ12とのタイヤ・リム組立体では、貫通孔24を介してリム10とビード部18との間に水等が進入しないのでリム10を腐食させる虞が無い。
【0051】
なお、上記実施形態では、タイヤ12をリム10に組み付けた後、一旦正規の内圧の70%以上の内圧を充填し、その後、内圧を零にし、最後に正規の内圧を充填したが、タイヤ12をリム10に組み付けた後に正規の内圧を充填してもよい。
【0052】
また、充填剤26の注入は、正規の内圧を充填した後に行っても良い。
【0053】
また、充填剤26を注入中に、充填剤26の注入に使用している貫通孔20以外の他の貫通孔20に真空ポンプを連結し、他の貫通孔20を介してリム10とビード部18との間に介在していた空気や余剰の充填剤26を吸引しても良い。
【0054】
また、上記実施形態では充填剤26を貫通孔20から注入したが、本発明はこれに限らず、ビード部18とフランジ10Bとの間から充填剤26を注入(または、フランジ内面に貼り付け)しても良い。
【0055】
また、充填剤26は、ビード部18とフランジ10Bとの間に注入する際に流動性を有していれば良く、固化する前の状態は、液体に限らず、ゲル状、粘土状等であっても良い。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のタイヤのリム組み付け方法によれば、ビード部とリムとの高い嵌合強度を得ることができ、高い操縦安定性を確保することができる、という優れた効果を有する。
【0057】
また、本発明のタイヤ・リム組立体では、ビード部とリムとの間に空隙がなく、ビード部とリムが高い強度で嵌合しているので、高い操縦安定性を確保することができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】タイヤ・リム組立体の断面図である。
【図2】リム組み前のリムとタイヤの断面図である。
【符号の説明】
10 リム
12 タイヤ
18 ビード部
18C ビードヒール
20 貫通孔(孔)
26 充填剤
Claims (3)
- タイヤをリムに組み付けるタイヤのリム組み付け方法であって、
ビード部をリムに配置した後、少なくとも正規の内圧の70%以上の内圧を充填した後に内圧を減じ、
その後、リムに形成された孔からビード部とリムとの間に充填剤を注入し、ビード部とリムとの間の間隙を充填剤で埋め、
前記充填剤の注入後に正規の内圧を充填することを特徴とするタイヤのリム組み付け方法。 - ビード部のビードヒールと対向する位置に設けられている前記孔から前記充填剤の注入を行うことを特徴とする請求項1に記載のタイヤのリム組み付け方法。
- 前記充填剤は、注入前では液体であり、注入後に固化することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のタイヤのリム組み付け方法。
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