JP4237892B2 - 固化体の製造方法 - Google Patents

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    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/91Use of waste materials as fillers for mortars or concrete

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、石炭灰と高炉スラグ微粉末を用いた路床材、路盤材または盛土材に適した固化体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
石炭火力発電所から排出されるフライアッシュなどの石炭灰は、一部がセメント製造の際に原料として利用されているが、そのセメント原料としての粘土代替には限度がある。また、この石炭灰は埋め立て用材料としても利用されているが、その埋め立て量にも限界がある。それゆえ、有効利用できない石炭灰は、無用の産業廃棄物として処理されるが、近年、埋め立て地の確保及び環境保全の影響のためにその産業廃棄物としての処理にも制約を受けることになっている。
【0003】
そこで、この石炭灰の有効利用が多く検討されている。例えば、高炉スラグに対して小割合の石炭灰を配合して舗装材などに利用できる固化体を製造する技術が特開昭58−199901号公報、特開平4−16534号公報、特開平4−24301号公報などにより開示されている。しかしながら、これらの技術では、石炭灰の配合割合が少量であるため、大量の石炭灰の有効利用にはならない。
【0004】
一方、石炭灰に適当量の石膏・消石灰またはセメントを混合し、これを固化した固化体として石炭灰を積極的に有効利用することが試みられている。例えば、特開昭62−182145号公報によれば、石炭灰、石灰源材料および石膏からなる混合粉体に水を加えて攪拌造粒した後、水硬性に欠ける石炭灰や石粉などの乾粉を添加して水蒸気処理する固化体の製造方法が開示されている。また、石炭灰にセメント類を配合して固化体を製造する技術が特開平4−187551号公報、特開平8−259946号公報に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、石炭灰にセメントを配合すると、石炭灰の処理コストが増大する。また、特開昭62−182145号公報に記載の技術のように、複数成分を配合し、造粒後に更に乾粉を添加して水蒸気処理する固化体の製造法は、製造工程が複雑であるという課題がある。
【0006】
また、石炭灰の種類によっては、重金属のうち、六価クロム、セレン、ホウ素が土壌の汚染に係る環境基準を上回る量で含まれていることがある。例えば、クロム化合物としては、主に三価クロム化合物及び六価クロム化合物がよく知られているが、生物に対する毒性は六価クロムの方がはるかに高く、またこの六価クロム化合物は、土壌中での移動性が大きいといわれている。そのため、この六価クロムによる公害を防止するため、水質汚濁及び土壌汚染に係る環境基準等が設定されて対策が進められている。
【0007】
つぎに、このような、六価クロム、ホウ素、セレンの悪影響について述べる。六価クロムは、酸化クロムに比べて毒性が強い。六価クロムは接触時や摂取時に、急性中毒としての皮膚や粘膜の火傷、炎症、吸入したときの咳、たん、呼吸困難等の呼吸器症状、飲んだときの腹痛、緑黄色の粘液嘔吐がある。ひどい場合は肝臓障害、腎臓障害で死亡する場合もある。慢性中毒として皮膚、粘膜の腫瘍、鼻中隔穿孔が著名である。アレルギー性皮膚炎、肺癌その他の癌も報告されている。
【0008】
次にセレンについては、人に対する急性毒性では、二酸化セレンなど無機セレン化合物による接触部の皮膚炎があり、全身中毒症状に水素化セレン、オキシ塩化セレンのようなハロゲン化物、メチルセレン等のガス曝露がある。眼、鼻等の粘膜の刺激、咳、頭痛、嘔吐に続き、精神状態鎮静、傾眠、昏蒙が認められる。一方、呼吸が苦しくなったり、強い場合には呼吸困難となる。慢性中毒症状では、顔面蒼白、舌苔、消化器障害、神経過敏、呼気のニンニク臭がある。呼吸器系症状として、鼻、喉、気管の刺激、腰部疼痛、鼻腔炎症、寝汗などが認められる。動物に対する中毒例として、土壌にセレンの多い地方の放牧動物に、視力障害、歩行障害、腹部疼痛、麻痺が起こり、呼吸麻痺で死亡例もある。
【0009】
また、ホウ素については、経口摂取による急性毒性は比較的弱い。ホウ酸やホウ砂の慢性曝露は、緩やかな胃腸刺激を起こして、食欲減退、寒気、吐き気を起こしたり、紅疹を引き起こすことがある。潅漑用水にホウ酸がホウ素として数ppm以上あると、植物の生育を阻害する。一方、微量のホウ素は、植物の生育に必要な成分であり、1〜2ppmがその境界である。
【0010】
本発明者らの検討によれば、石炭灰に石膏・消石灰またはセメントなどを配合して固化した固化体では、六価クロムの溶出をある程度抑えることができる。しかしながら、石炭灰中の六価クロムの含有量が高い場合には、これらの固化体では、六価クロムの溶出が土壌汚染に係る環境基準を満足しない場合があった。このような場合には、この固化体を路盤材、路床材、盛土材などとして、雨水、地下水などの水と接触する自然環境下で使用するのに必ずしも適さなくなる。
【0011】
昨今の社会情勢から、産業廃棄物の処分用地の確保がますます困難となりつつあり、石炭灰を埋立処分するのには限度がある。
【0012】
そこで、本発明は、石炭灰中に溶出成分としての汚染物を比較的多く含む石炭灰であってもそれを固化することにより、路盤材料などとして利用した際の土壌汚染に係る環境基準を満たし易い固化体を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、ホウ素溶出量が1mg/L〜50mg/Lの範囲内である石炭灰を一成分とした固化体の製造方法であって、前記石炭灰の100重量部に対して、ブレーン比表面積が2000cm2/g以上の高炉スラグ微粉末を5〜200重量部の割合で、更に必要に応じ石膏を0〜20重量部の割合で配合した混合物に対して、10〜50重量%の範囲内の水を添加して固化させることを特徴とする固化体の製造方法である。
【0014】
このように構成すれば、ホウ素の溶出量が高い石炭灰を用いても、得られた固化体は、ホウ素の溶出量が減少され、かつ、圧縮強度が高い。これにより、ホウ素を比較的多く溶出する石炭灰を用いても、路盤材料などとして利用した際の土壌汚染に係る環境基準を満たすことができる。これにより、石炭灰の利用拡大を図ることができる。
【0015】
また、本発明は、前記石炭灰は、ホウ素に加えて更に六価クロムの溶出量が0.01mg/L〜0.1mg/ L の範囲内である石炭灰が用いられることを特徴とする請求項1に記載の固化体の製造方法である。
【0016】
このように構成すれば、ホウ素の溶出を抑制すると同時に、六価クロムの溶出量を抑制するので、ホウ素および六価クロムの溶出量が環境基準よりも高い石炭灰を用いても、この環境基準を満足させることができる。
【0017】
また、本発明は、前記石炭灰は、更にセレン又はその化合物の溶出量が0.1mg/L〜0.1mg/ L の範囲内である石炭灰が用いられることを特徴とする請求項1に記載の固化体の製造方法である。
【0018】
このように構成すれば、ホウ素の溶出量を抑制すると同時に、セレンの溶出量を抑制するので、ホウ素およびセレン溶出量が環境基準よりも高い石炭灰を用いても、この環境基準を満足させることができる。
【0019】
また、このようにして得られた固化体は、路盤材料などとして利用するのに必要な強度を備え、かつ、石炭灰に含まれているホウ素、六価クロム、セレンの土壌中への溶出を抑えることができるので、そのまま、または適宜な大きさに粉砕されて、路床材、路盤材などとして利用できる。
【0020】
また、これにより、河川、湖沼、海岸などの水辺または水中で利用される盛土材、埋立材、藻礁ブロックなどの土木・建築材としても利用できる。
【0021】
これにより、従来産業廃棄物として不要物とされている石炭灰及び高炉スラグ、特に石炭灰を大量に有効利用することができる。これにより、産業廃棄物の発生量を抑制し、環境に対する負荷を軽減することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明は、石炭灰、高炉スラグ及び石膏を主体とした固化体である。ここで、石炭灰、高炉スラグ及び石膏を主体としたとは、全重量の50%以上がこれらの材料から構成されることを意味し、好ましくは、80%以上、更に好ましくは90%以上である。これにより、石炭灰及び高炉スラグの有効利用を図ることができる。
【0023】
本発明において用いられる石炭灰としては、石炭火力発電所において微粉炭が燃焼ボイラで焼成された後、灰分が排煙処理システム内の電気集塵器により捕集されたものであり、その主成分は、シリカ(SiO2)及びアルミナ(Al23)である。この石炭灰は、通常フライアッシュと呼称されている。
【0024】
フライアッシュは、火力発電所から排出される一種の廃棄物で、セメント原料あるいはコンクリート混和材として、また路盤材等として全排出量の約45%が利用され、残りは埋立廃棄されているが、本発明においては、埋め立て廃棄されているフライアッシュを含めて全てのフライアッシュが適用可能である。
【0025】
これらの石炭灰の粒子径は、通常、lμm〜100μmの範囲内であり、その比重は2.0〜2.4の範囲内である。石炭灰のブレーン比表面積は、2,400cm2/g〜4,700cm2/gの範囲内であるが、そのブレーン比表面積は、これに限定されない。また、石炭灰の強熱減量も限定されずに、5%以下であっても、また、5%を超えて高いものの使用も可能である。それゆえ、これらのフライアッシュの利用には、例えば、JISに規定された各種のフライアッシュに限らずに広く利用できる。
【0026】
また、本発明においては、この石炭灰は、例えば、環境庁告示46号に従う条件で検液1リットル(L)につき溶出される六価クロムの溶出量が0.05mg/Lよりも高いものが使用可能であるという特徴を有する。例えば、この溶出量が0.05mg/L〜0.5mg/L程度の六価クロムが含まれている石炭灰を用いても、本発明に従えば、固化体での六価クロムの溶出量を0.05mg/L以下として、土壌汚染に係る環境基準を満たすことができる。もちろん、これ以上の六価クロムが含まれている石炭灰を用いても、六価クロムの溶出量抑制効果は認められる。
【0027】
また、この石炭灰には、環境庁告示46号に従う条件で検液1Lにつき溶出されるセレン又はセレン化合物の溶出量が0.01mg/Lよりも高い石炭灰が含まれていてもよい。例えば、この溶出量が0.01mg/L〜0.1mg/L程度のセレン又はセレン化合物が含まれている石炭灰を用いても、本発明に従えば、固化体でのセレン又はその化合物の溶出量を土壌の汚染に係る環境基準の0.01mg/L以下とすることができる。もちろん、これ以上のセレン又はその化合物が含まれていても、溶出量抑制効果は認められる。
【0028】
また、この石炭灰には、環境庁告示46号に規定する方法で調整した液1Lにつき、JIS K 0102 47.3に定める方法により分析された溶出量が1mg/Lよりも高いホウ素(ホウ素を含む化合物を含む)が含まれていてもよい。例えば、この溶出量が1mg/L〜50mg/L程度のホウ素が含まれている石炭灰を用いても、本発明に従えば、固化体でのホウ素の溶出量を土壌の汚染に係る環境基準の1mg/L以下とすることができる。もちろん、これ以上のホウ素が含まれていても、ホウ素の溶出量抑制効果は認められる。
【0029】
本発明においては、この石炭灰100重量部に対して、5〜200重量部の範囲内で高炉スラグ微粉末が配合される。この高炉スラグ微粉末は、製鉄所の高炉より副生される水砕スラグを微粉砕した水硬性の混和材であり、そのブレーン比表面積は2000cm2/g以上であり高炉水砕スラグとも呼称されている。ブレーン比表面積がこの値よりも小さく、微粉末ではない砂状の高炉スラグは、硬化性が低く六価クロムの溶出抑制効果が不十分である。このブレーン比表面積(ブレーン値)は、大きければ大きいほど強度の発現性、六価クロムの溶出抑制効果が大きい。それゆえ、好ましいブレーン比表面積は、3000cm2/g以上である。このような、高炉スラグ微粉末は、良質な高炉水砕スラグから生産され、品質の安定したものが広く比較的廉価に市販されている。
【0030】
この高炉スラグ微粉末の配合割合は、石炭灰100重量部に対して5重量部より多く、200重量部以下である。高炉スラグ微粉末を5重量部を超えて配合することにより強度の高い固化体を製造でき、また、六価クロムの溶出量を抑制することができ、この配合量が少ないと、強度発現及び六価クロムの溶出を抑制する効果が少ない。また、固化体の圧縮強度は、高炉スラグ微粉末の配合量を多くすることにより増大され、目的とする固化体の圧縮強度により、その配合量が適宜決定される。200重要部を超えて高炉スラグ微粉末を配合させることは、石炭灰の有効利用という目的にもそぐわなくなるばかりか、圧縮強度の飛躍的な増大は望めない。
【0031】
本発明においては、上述の混合物には、小割合の石膏を配合してもよい。石膏を配合することにより固化体の圧縮強度は増大される。一方、この石膏量を多くすると、コストが嵩むのみならず、六価クロムの溶出量抑制効果が低減される場合があるので、この石膏の配合割合の上限は20重量部である。
【0032】
以上の各成分を混合する方法は特には限定されない。一般的な粉体用ミキサによる混練でよく、混練装置としては、例えば、オムニミキサ、強制2軸ミキサが例示される。もちろんバッチ処理により混練しても、連続処理により混練してもよい。
【0033】
以上のようにして調整された混合物は所定量の水と混合されて固化できるが、必要に応じて、細骨材、粗骨材、クリンカーアッシュなどを本発明の効果を損なわない範囲で配合してもよい。また、セメント、界面活性剤などを含むその他の混和剤、増粘剤などを併用することができる。
【0034】
水の配合量は、用いられる各材料の粒度や性状の相違により適宜の量が選択されるが、通常石炭灰、石膏及び高炉スラグ微粉末の合計量に対する外割で5〜100重量%であるが、水の使用量が少なすぎると十分固化しない場合があり、一方、水の使用量を多くすると流動性は増大するが得られた固化体の圧縮強度が低下することがあり、一般には、10〜50重量%の範囲内が好ましい。
【0035】
水と混練された混合物は、そのまま常温・常圧で固化されるが、加圧、加熱、水蒸気などを付加する固化などの工程を付加してもよい。
【0036】
水の配合量を少なくして、水とよく混合した後、道路に混合物を敷き詰め、突き固め、ローラなどの締め固め成形することにより固化させて、道路の路床材、路盤材、または盛土材などに適した固化体を製造することができる。
【0037】
また、水の配合量を増大させて、流動性をもたせてコンクリート施工と同様にペースト状として必要に応じて型枠に注型させた後、固化させることもできる。このような、ペースト状成形固化体は、盛土材、埋立材または藻礁ブロックなどとして利用することができる。
【0038】
これにより、環境庁告示に定められた検定方法により重金属の溶出を抑え、かつ、十分な圧縮強度を備えた固化体が形成される。
【0039】
【実施例】
以下、実施例により本発明の効果を具体的に説明する。なお、実施例中、断りのない限り組成割合は重量で表現する。
【0040】
なお、実施例に使用した石炭灰(記号F)は、石炭火力発電所において電気集塵器により捕集されたものであり、その詳細は表1及び図1に示した。また、使用した高炉スラグ微粉末(記号S)は、ブレーン比表面積4580cm2/g、平均粒子径11.2μm、比重2.97であり、その粒度分布を図1に併せて示した。
【0041】
なお、実施例において、六価クロム及びセレン又はその化合物の溶出量は環境庁告示46号により調整した液を用い、それぞれJIS K 0102 65.2.1、JIS K 0102 67.3に定める方法により、また、ホウ素溶出量は、環境庁告示46号により調整した液を用いJIS K 0102 47.3に定める方法により、強熱減量はJIS A 6201の強熱減量の試験に準じて、ブレーン比表面積はJIS R 5201(比表面積試験)によるブレーン法に準じて求めた値である。
【0042】
また、粒子径はJIS Z 8801の試験用ふるいを用い、平均粒子径は加重平均により、比重はJIS R 5201の6(比重試験)に準じて求めた値である。
【0043】
表2〜表4に示す組成により固化体を製造した。ここで、突固め成型とは、水の配合量が少なく流動性のない混合物を所定の型枠に詰め込み、突き固めて成形したものであり、ペースト状成型とは、水の配合量を増大させて、混合物に流動性をもたせ、型枠に注いだ後に常法により振動を付与後に固化させたものである。これにより、円柱状のテストピースを作製し、所定の材令まで放置後、JSFT 511(土の一軸圧縮強度試験法)に従い圧縮強度を測定し、また、重金属溶出試験を行い、六価クロム及びホウ素等の溶出量を測定した。
【0044】
結果を表2〜4及び図2〜5に併せて示した。なお、これらの表及び図中、符号Fは石炭灰を、符号Sは高炉スラグ微粉末を、符号Gは石膏を示し、石膏を含む固化体はFGS型固化体とし、石膏を含まない固化体はFS型固化体と略称している。
【0045】
比較として、石炭灰に石膏及び消石灰を用いて同様に成形した固化体を従来型と略称して示している。
【0046】
なお、セレンの溶出量については、灰▲1▼を用いた材令14日のFS型固化体において環境基準値以下の0.007mg/Lが検出されたが、その他の実施例及び比較例においては、検出限界の0.002mg/L以下であった。また、その他の重金属(カドミニウム、鉛、砒素、総水銀)についても測定は行ったが、実施例及び比較例ともにいずれも検出されないか、環境基準値以下であった。
【0047】
【表1】
Figure 0004237892
【0048】
【表2】
Figure 0004237892
【0049】
【表3】
Figure 0004237892
【0050】
【表4】
Figure 0004237892
【0051】
以上により、本発明の組成を採用することにより、従来型の固化体に比較して六価クロムの溶出量が大きく抑制されていることが理解される。また、本発明に従えば、いずれの固化体も、アスファルト道路の路盤材としての舗装要綱(材令10日で10kgf/cm2)の規準を十分に満足する結果が得られた。また、ホウ素の溶出量については、「土壌の汚染に係る環境基準」の1.0mg/Lを十分満足する結果が得られた。
【0052】
以上は、石炭灰及び高炉スラグ微粉末の一実施例について述べたが、石炭灰の種類(粒子径や比表面積など)、高炉スラグ微粉末の粒子径や比表面積、及びそれらの組成割合を本発明で開示される範囲内で種々変更しても、本発明は実施可能である。また、六価クロムやホウ素の含有量の少ない石炭灰に用いても、圧縮強度の高められた各種道路路床・路盤材、土木建築材として使用することができる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、六価クロムを比較的多く溶出する石炭灰であってもそれを固化することにより、路盤材料などとして利用した際の土壌汚染に係る環境基準を満たし易い固化体を提供することができる。これにより、産業廃棄物としての石炭灰を大量に有効利用することができるとともに、産業廃棄物の発生量を抑制し、環境に対する負荷を軽減することが可能となる、という実用上有益な効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る原材料の粒度分布を説明する図である。
【図2】 本発明の実施例に係る突固め成型固化体の一軸圧縮強度を説明する図である。
【図3】 本発明の実施例に係る突固め成型固化体の六価クロム溶出量の変化を示す図である。
【図4】 本発明の実施例に係るペースト状成型固化体の一軸圧縮強度を説明する図である。
【図5】 本発明の実施例に係るペースト状成型固化体の六価クロム溶出量の変化を示す図である。
【符号の説明】
F 石炭灰
S 高炉スラグ微粉末
G 石膏
Ca 消石灰
W 水
FS型固化体 F及びSからなる固化体
FGS型固化体 F、G及びSからなる固化体

Claims (4)

  1. ホウ素溶出量が1mg/L〜50mg/Lの範囲内である石炭灰を一成分とした固化体の製造方法であって、前記石炭灰の100重量部に対して、ブレーン比表面積が2000cm2/g以上の高炉スラグ微粉末を5〜200重量部の割合で、更に必要に応じ石膏を0〜20重量部の割合で配合した混合物に対して、10〜50重量%の範囲内の水を添加して固化させることを特徴とする固化体の製造方法。
  2. 前記石炭灰は、前記ホウ素に加えて更に六価クロムの溶出量が0.05mg/L〜0.5mg/Lの範囲内である石炭灰が用いられることを特徴とする請求項1に記載の固化体の製造方法。
  3. 前記石炭灰は、更にセレン又はその化合物の溶出量が0.01mg/L〜0.1mg/Lの範囲内である石炭灰が用いられることを特徴とする請求項1に記載の固化体の製造方法。
  4. 前記固化体は、前記石炭灰、前記高炉スラグ及び前記石膏の合計量が全重量の50重量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の固化体の製造方法。
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