JP2004115291A - 石炭灰を用いた固化体及び該固化体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】石炭灰を用いた固化体において、骨材として砂・砂利以外の代替材料を採用し、しかも配合する石炭灰の品質に影響されずに高強度を発現する固化体を提供する。
【解決手段】少なくとも石炭灰と、高炉スラグ微粉末と、骨材と、を含む組成物から形成された固化体において、骨材としてガラスカレットを含むものを採用した。更に、前記組成物として二水石膏を含ませても良い。
また、前記固化体の製造方法として、少なくとも石炭灰と、高炉スラグ微粉末と、骨材としてのガラスカレットと、を配合し、適当量の水を添加して固化させる固化体の製造方法を採用した。
【選択図】 図1
【解決手段】少なくとも石炭灰と、高炉スラグ微粉末と、骨材と、を含む組成物から形成された固化体において、骨材としてガラスカレットを含むものを採用した。更に、前記組成物として二水石膏を含ませても良い。
また、前記固化体の製造方法として、少なくとも石炭灰と、高炉スラグ微粉末と、骨材としてのガラスカレットと、を配合し、適当量の水を添加して固化させる固化体の製造方法を採用した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は石炭灰を用いた固化体及び該固化体の製造方法に関するものであり、詳しくは、ガラスカレットを配合した固化体及び該固化体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、我が国の石炭灰発生量は760万トンで、この内の81%が有効利用されており、残りの19%が埋め立て処理されている(平成11年度、財団法人石炭利用総合センター)。
【0003】
しかし、環境対策および灰処理対策の確立が困難になりつつあり、多量の石炭灰をリサイクル資源として有効利用することが望まれている。
【0004】
このため、従来から、この石炭灰の有効利用に関し多くの検討がなされてきている。
【0005】
その一つとして、高炉スラグに対して小割合の石炭灰を配合して舗装材などに利用できる固化体を製造する技術が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照。)。
【0006】
また、石炭灰に適当量の石膏・消石灰またはセメントを混合し、これを固化した固化体として石炭灰を積極的に有効利用することが試みられている。
【0007】
その一つとして、石炭灰、石灰源材料および石膏からなる混合粉体に水を加えて攪拌造粒した後、水硬性に欠ける石炭灰や石粉などの乾粉を添加して水蒸気処理する固化体の製造方法が知られている(例えば、特許文献4参照。)。
【0008】
また、石炭灰にセメント類を配合して固化体を製造する技術も知られている(例えば、特許文献5、特許文献6参照。)
このように、石炭灰の有効利用が多く検討されているなか、橋本親典らは石炭灰の利用範囲を拡大すべく、石炭灰と、高炉スラグ微粉末と、二水石膏と、の混合物に、更に第4の成分として骨材を配合した固化体を考案した(非特許文献1参照。)。
【0009】
これは、石炭灰と、高炉スラグ微粉末と、二水石膏と、の混合物をセメント代替とし、骨材として砂・砂利を配合した固化体(コンクリート組成物)に関するものである(以下「砂・砂利を配合した固化体」という。)。
【0010】
この砂・砂利を配合した固化体は、材齢28日で35N/mm2程度の、コンクリート組成物としては充分な強度(圧縮強度)を発現するものである。
【0011】
したがって、砂・砂利を配合した固化体であれば、高強度のコンクリート構造物を得ることができ、石炭灰の更なる利用範囲の拡大が期待できるものであった。
【0012】
【特許文献1】
特開昭58−199901号公報(第1−3頁)
【特許文献2】
特開平4−16534号公報(第1−2頁)
【特許文献3】
特開平4−24301号公報(第1−4頁)
【特許文献4】
特開昭62−182145号公報(第1−3頁)
【特許文献5】
特開平4−187551号公報(第1−2頁)
【特許文献6】
特開平8−259946号公報(第2−3頁)
【非特許文献1】
「コンクリート工学年次論文集vol.24、No.1」日本コンクリート工学協会、2002年6月、P.11−18
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、骨材として用いる川砂など良質なコンクリート用骨材の枯渇化が進んでおり、環境保全の観点からその採取が規制される場合も多くなってきている。このため、骨材資源の確保が困難になってきているという課題があった。
【0014】
更に、砂・砂利を配合した固化体は、必ずしも高い強度を有するものではなかった。すなわち、同一の石炭火力発電所で発生した石炭灰であっても、石炭灰の発生日が異なると固化体が充分な強度を発現できない場合があり、圧縮強度が数N/mm2程度の低強度なものとなってしまう場合があるという課題があった。
【0015】
そして、このように充分な強度を発現できなかった固化体に用いられた石炭灰の物性と、充分な強度を発現できた固化体に用いられた石炭灰の物性との相違は解明されておらず、砂・砂利を配合した固化体は実用化には至っていなかった。
【0016】
このため、骨材として砂・砂利を用いず、更に、従来は充分な強度を発現できなかった石炭灰を配合しても高い強度を発現する固化体の案出が望まれていた。
【0017】
そこで、本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、石炭灰と、高炉スラグ微粉末と、二水石膏と、骨材と、を含み、適当量の水を添加されて固化した固化体であって、前記骨材として砂・砂利を用いず、更に、従来は充分な強度を発現できなかった石炭灰を配合しても高強度を発現する固化体を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の一つは、少なくとも石炭灰と、高炉スラグ微粉末と、骨材と、を含む組成物から形成された固化体であって、前記骨材は、ガラスカレットであることを特徴とする固化体である。
【0019】
このように構成された本発明は、前記組成物に、従来は充分な強度を発現できなかった石炭灰を含んでいても、高い圧縮強度を有する固化体である。
【0020】
更に、砂・砂利に替え骨材としてガラスカレットを含んだ組成物から形成されているため、砂・砂利の枯渇防止に寄与すると共に、産業副産物であるガラスカレットの有効活用を図ることができる。
【0021】
また、本発明の他の一つは、少なくとも石炭灰と、高炉スラグ微粉末と、骨材と、を配合し、適当量の水を添加して固化させる固化体の製造方法であって、前記骨材としてガラスカレットを用いることを特徴とする固化体の製造方法である。
【0022】
このように構成された本発明では、従来は充分な強度を発現できなかった石炭灰を配合しても、高い(充分な)圧縮強度を発現させることができる固化体の製造方法である。
【0023】
更に、砂・砂利に替え骨材としてガラスカレットを配合するため、砂・砂利の枯渇防止に寄与すると共に、産業副産物であるガラスカレットの有効活用を図ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の一つは、少なくとも石炭灰と、高炉スラグ微粉末と、骨材と、を含む組成物から形成された固化体であって、前記骨材は、ガラスカレットであることを特徴とする固化体(コンクリート組成物)である。
【0025】
また、本発明の他の一つは、前記固化体の製造方法である。すなわち、少なくとも石炭灰と、高炉スラグ微粉末と、骨材と、を配合し、適当量の水を添加して固化させる固化体の製造方法であって、前記骨材としてガラスカレットを用いることを特徴とする固化体の製造方法である。
【0026】
コンクリート組成物は、一般的にセメントと骨材とを含んでいる。
【0027】
本発明においては、このコンクリート組成物におけるセメントの代替材料として、石炭灰及び高炉スラグ微粉末の混合物、或いは石炭灰、高炉スラグ微粉末及び二水石膏の混合物を用いる(これらのセメント代替材料を以下「粉体」と称する)。
【0028】
まず、粉体に配合する各成分の特性について説明する。
【0029】
石炭灰としては、石炭火力発電所において微粉炭が燃焼ボイラで焼成された後、灰分が排煙処理システム内の電気集塵器により捕集されるものであり、その主成分は、シリカ(SiO2)及びアルミナ(Al2O3)である。この石炭灰は、通常フライアッシュと呼称されている。
【0030】
フライアッシュは、火力発電所から排出される一種の廃棄物で、セメント原料あるいはコンクリート混和材として、また路盤材等として全排出量の約81%が利用され、残りは埋立廃棄されているが、本発明においては、埋め立て廃棄されているフライアッシュを含めて全てのフライアッシュが適用可能である。
【0031】
これらの石炭灰の粒子径は、通常、lμm〜100μmの範囲内であると共に、その密度は2.0〜2.5g/cm3の範囲内であり、また、石炭灰のブレーン比表面積は、2,100〜5,600cm2/gの範囲内である(石炭灰ハンドブック平成12年度版、環境技術協会・日本フライアッシュ協会)が、そのブレーン比表面積は、これに限定されない。
【0032】
また、石炭灰の強熱減量も限定されずに、5%以下であっても、また、5%を超えて高いものの使用も可能である。
【0033】
それゆえ、これらのフライアッシュの利用には、例えば、JISに規定された各種のフライアッシュに限らずに広く利用できる。
【0034】
また、本発明で用いられる高炉スラグ微粉末は、製鉄所の高炉より副生される水砕スラグを微粉砕した水硬性の混和材であり、そのブレーン比表面積は2000cm2/g以上であり高炉水砕スラグとも呼称されている。このブレーン比表面積(ブレーン値)は、大きければ大きいほど強度の発現性が大きい。それゆえ、好ましいブレーン比表面積は、3000cm2/g以上である。このような、高炉スラグ微粉末は、良質な高炉水砕スラグから生産され、品質の安定したものが広く比較的廉価に市販されている。
【0035】
また、本発明では、粉体への二水石膏の配合は必ずしも必須とするものではないが、より高強度の固化体とするためには二水石膏を配合することが望ましい。
【0036】
なお、この二水石膏は天然石膏、化学工業の副産石膏、排煙脱硫装置から発生する石膏のいずれでもよい。
【0037】
次に、粉体に配合する各成分の配合割合(粉体が含む各成分の割合)について説明する。
【0038】
まず、粉体における高炉スラグ微粉末の配合割合は特に限定されるものではないが、石炭灰100質量部に対して5質量部より多く、200質量部以下であることが好ましい。高炉スラグ微粉末を5質量部を超えて配合することにより圧縮強度の高い固化体を製造でき、また、この配合量が少ないと発現する圧縮強度が低いものとなる。
【0039】
また、固化体の圧縮強度は、高炉スラグ微粉末の配合量を多くすることにより増大され、目的とする固化体の圧縮強度により、その配合量が適宜決定される。
【0040】
ただし、石炭灰100質量部に対して200質量部を超えて高炉スラグ微粉末を配合させることは、圧縮強度の飛躍的な増大は望めない。
【0041】
更に、本発明では、石炭灰100質量部に対し、必要に応じて20質量部以下の二水石膏を配合してもよい。この二水石膏を配合することにより、固化体の圧縮強度は増大される。
【0042】
そして、これら石炭灰、高炉スラグ微粉末、二水石膏の混合物(粉体)の質量比は、本発明においては、石炭灰:高炉スラグ微粉末:二水石膏=1:0.2:0.1が好ましい。この配合割合では、特に高い強度を発現することが判明している。
【0043】
更に、本発明では、コンクリート組成物における骨材の代替材料としてガラスカレットを用いる。
【0044】
ガラスカレットとは、主にガラス瓶を破砕した粒状のガラス材であり、ガラスの着色等により分別され、無色透明等のガラスカレットはガラス瓶にリサイクルされている。しかしながら、リサイクルされるガラスカレットは全てではなく、その余剰が問題となっている。特に、ガラスの品質(着色の種類等)によりガラス瓶としてリサイクルすることができないガラスカレットにあっては、産業副産物として深刻な問題となっている。
【0045】
本発明においては、このようなリサイクルできないガラスカレットであっても、リサイクルできるものであっても用いることができる。すなわち、産業副産物として発生するガラスカレットであれば、その品質を問わず骨材として用いることができる。
【0046】
また、一般的なガラスカレットであれば、その粒径も特に調整することなく用いることができる。
【0047】
そして、上述の石炭灰、高炉スラグ微粉末、二水石膏の混合物にガラスカレットを配合する。このガラスカレットの配合割合は、特に限定されるものではないが固化体の50質量%より高くなるように配合することが好ましい。
【0048】
水の配合量は、用いられる各材料の粒度や性状の相違により適宜の量が選択されるが、通常、石炭灰、高炉スラグ微粉末、及び二水石膏の合計量に対する外割で5〜100質量%である。ただし、水の使用量が少なすぎると十分固化しない場合があり、一方、水の使用量を多くすると流動性は増大するが得られた固化体の圧縮強度が低下することがあり、一般には、10〜50質量%の範囲内が好ましい。
【0049】
また、必要に応じて、その他の混和剤、増粘剤等を本発明の効果を損なわない範囲で配合してもよい。このような混和剤としては、界面活性剤(AE剤,拡散剤)や、珪酸白土、けいそう土、火山灰等の可溶性珪酸を含む耐海水性剤、炭酸ソーダ、水ガラス、明ばん、塩化石灰等の急結剤等を挙げることができる。
【0050】
特に本発明においては、混和剤として高性能AE減水剤を固化体の1質量%程度添加することが好ましい。
【0051】
なお、これらの混和剤は、その一種を単独で配合しても二種以上を組合せて配合しても良い。
【0052】
そして、以上の各成分を混合する方法は特には限定されない。一般的な粉体用ミキサによる混練でよく、混練装置としては、例えば、オムニミキサ、強制2軸ミキサが例示される。もちろんバッチ処理により混練しても、連続処理により混練してもよい。
【0053】
また、水と混練された混合物は、そのまま常温・常圧で固化されるが、加圧、加熱、水蒸気などを付加する固化などの工程を付加してもよい。
【0054】
【実施例】
以下、実施例により本発明の効果を具体的に説明する。なお、実施例中、断りのない限り組成割合は質量で表現する。
【0055】
なお、実施例に使用した石炭灰は、石炭火力発電所において電気集塵器により捕集されたものであり、その詳細は表1に示した。ここで、密度、比表面積、フロー値比、活性度指数、二酸化ケイ素、湿分及び強熱減量は、「コンクリート用フライアッシュ JIS A 6201」に基づき求めた値である。
【0056】
【表1】
【0057】
表2に示す配合により固化体を製造した。本実施例では、添加した高性能AE減水剤の配合割合の異なる本発明の固化体▲1▼、▲2▼と共に、更に比較例として、骨材として砂・砂利を用いた固化体▲1▼、▲2▼を採用した。なお、混和剤にはポリカルボン酸系高性能AE減水剤を用いた。
【0058】
【表2】
【0059】
また、本実施例では、本発明の固化体▲1▼、▲2▼は50リットル用の強制二軸型ミキサを用いて練り混ぜ、練り混ぜ時間は、粉体及び骨材としてのガラスカレットを投入して30秒間、水と高性能AE減水剤を加え2分30秒間で計3分間練り混ぜた。
【0060】
同様に、砂・砂利を用いた固化体▲1▼、▲2▼は50リットル用の強制二軸型ミキサを用いて練り混ぜ、練り混ぜ時間は、粉体、細骨材(砂)を投入して30秒間、水と高性能AE減水剤を加え1分間、さらに粗骨材(砂利)を投入して1分30秒間で計3分間練り混ぜた。
【0061】
なお、石炭灰、高炉スラグ微粉末、及び二水石膏は、あらかじめ5リットル用のモルタルミキサで練り混ぜを行った。
【0062】
供試体作製時には、各固化体の配合が低水粉体比であることを考慮し、加振装置を用いて振動締め固めを行った。加振条件は、振幅1mm、周波数50Hzとし、振動時間は目視により締め固めが終了と確認できる時間の目安が3分間程度であったことから、3分間で一定とした。
【0063】
なお、高性能AE減水剤を粉体量に対して1%使用した配合は、高い流動性を呈したことから、加振せずに流し込んだ。
【0064】
圧縮強度は、「コンクリートの圧縮強度試験方法(JIS A 1108−19999)」に基づき測定した。
【0065】
この測定結果を表3、図1に示す。なお、表3、図1中の材齢とは、固化体を練り混ぜてからの経過時間をいう。
【0066】
表3、図1に示した様に、石炭灰Aを配合した場合、砂・砂利を用いた固化体▲1▼では、材齢28日で27.4N/mm2と充分な強度を発現している。しかしながら、石炭灰Bを配合した場合、砂・砂利を用いた固化体▲2▼では4.58N/mm2しか強度を発現しておらず、コンクリート組成物としては強度が不十分なものである。
【0067】
【表3】
【0068】
しかも、表1に示すように、砂・砂利を用いた固化体▲1▼、▲2▼に用いた石炭灰A、Bの物性はほぼ同じであるため、砂・砂利を用いた固化体では、締め固め前に充分な強度を発現するか否かを判断することが困難であることが分かる。このため、砂・砂利を用いた固化体の実用化は難しいものと考えられる。
【0069】
これに対し、石炭灰Bを配合した場合でも、骨材としてガラスカレットを用いた本発明の固化体▲1▼では、材齢28日で30.8N/mm2と充分な強度を発現し、本発明の固化体▲2▼においても20.3N/mm2と高い強度を発現している。
【0070】
このため、骨材の代替材料としてガラスカレットを採用することにより、配合する(又は含む)石炭灰の品質に影響されずに充分な強度を発現する固化体を得ることができる。
【0071】
しかも、産業副産物である石炭灰、高炉スラグ微粉末、二水石膏、ガラスカレットを有効利用できると共に、砂・砂利の枯渇防止に寄与できるため、環境に対する負荷を軽減することができる。
【0072】
以上は、本発明の固化体及び該固化体の製造方法の一実施例について述べたが、各成分の配合割合(含む割合)は本実施例に限定されず、本発明の目的を損なわない範囲内で変更できる。
【0073】
そして、本発明の固化体は、含有する石炭灰の品質に影響されずに高い圧縮強度を有するため、各種道路路床・路盤材への使用のみならず、高い強度が要求される建築構造物への使用も期待できる。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、少なくとも石炭灰と、高炉スラグ微粉末と、骨材と、を含む組成物から形成された固化体であって、前記骨材としてガラスカレットを採用したものであるため、前記組成物が、従来は充分な強度を発現できなかった石炭灰を含んでいても、高い圧縮強度を発現する固化体を得ることができる。更に、産業副産物である石炭灰、高炉スラグ微粉末、二水石膏、ガラスカレットを有効利用できると共に、砂・砂利の枯渇防止に寄与できるため、環境に対する負荷を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る固化体の圧縮強度の経時変化を示した図である。
【符号の説明】
W 水
P 粉体(石炭灰、高炉スラグ微粉末、二水石膏)
【発明の属する技術分野】
本発明は石炭灰を用いた固化体及び該固化体の製造方法に関するものであり、詳しくは、ガラスカレットを配合した固化体及び該固化体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、我が国の石炭灰発生量は760万トンで、この内の81%が有効利用されており、残りの19%が埋め立て処理されている(平成11年度、財団法人石炭利用総合センター)。
【0003】
しかし、環境対策および灰処理対策の確立が困難になりつつあり、多量の石炭灰をリサイクル資源として有効利用することが望まれている。
【0004】
このため、従来から、この石炭灰の有効利用に関し多くの検討がなされてきている。
【0005】
その一つとして、高炉スラグに対して小割合の石炭灰を配合して舗装材などに利用できる固化体を製造する技術が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照。)。
【0006】
また、石炭灰に適当量の石膏・消石灰またはセメントを混合し、これを固化した固化体として石炭灰を積極的に有効利用することが試みられている。
【0007】
その一つとして、石炭灰、石灰源材料および石膏からなる混合粉体に水を加えて攪拌造粒した後、水硬性に欠ける石炭灰や石粉などの乾粉を添加して水蒸気処理する固化体の製造方法が知られている(例えば、特許文献4参照。)。
【0008】
また、石炭灰にセメント類を配合して固化体を製造する技術も知られている(例えば、特許文献5、特許文献6参照。)
このように、石炭灰の有効利用が多く検討されているなか、橋本親典らは石炭灰の利用範囲を拡大すべく、石炭灰と、高炉スラグ微粉末と、二水石膏と、の混合物に、更に第4の成分として骨材を配合した固化体を考案した(非特許文献1参照。)。
【0009】
これは、石炭灰と、高炉スラグ微粉末と、二水石膏と、の混合物をセメント代替とし、骨材として砂・砂利を配合した固化体(コンクリート組成物)に関するものである(以下「砂・砂利を配合した固化体」という。)。
【0010】
この砂・砂利を配合した固化体は、材齢28日で35N/mm2程度の、コンクリート組成物としては充分な強度(圧縮強度)を発現するものである。
【0011】
したがって、砂・砂利を配合した固化体であれば、高強度のコンクリート構造物を得ることができ、石炭灰の更なる利用範囲の拡大が期待できるものであった。
【0012】
【特許文献1】
特開昭58−199901号公報(第1−3頁)
【特許文献2】
特開平4−16534号公報(第1−2頁)
【特許文献3】
特開平4−24301号公報(第1−4頁)
【特許文献4】
特開昭62−182145号公報(第1−3頁)
【特許文献5】
特開平4−187551号公報(第1−2頁)
【特許文献6】
特開平8−259946号公報(第2−3頁)
【非特許文献1】
「コンクリート工学年次論文集vol.24、No.1」日本コンクリート工学協会、2002年6月、P.11−18
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、骨材として用いる川砂など良質なコンクリート用骨材の枯渇化が進んでおり、環境保全の観点からその採取が規制される場合も多くなってきている。このため、骨材資源の確保が困難になってきているという課題があった。
【0014】
更に、砂・砂利を配合した固化体は、必ずしも高い強度を有するものではなかった。すなわち、同一の石炭火力発電所で発生した石炭灰であっても、石炭灰の発生日が異なると固化体が充分な強度を発現できない場合があり、圧縮強度が数N/mm2程度の低強度なものとなってしまう場合があるという課題があった。
【0015】
そして、このように充分な強度を発現できなかった固化体に用いられた石炭灰の物性と、充分な強度を発現できた固化体に用いられた石炭灰の物性との相違は解明されておらず、砂・砂利を配合した固化体は実用化には至っていなかった。
【0016】
このため、骨材として砂・砂利を用いず、更に、従来は充分な強度を発現できなかった石炭灰を配合しても高い強度を発現する固化体の案出が望まれていた。
【0017】
そこで、本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、石炭灰と、高炉スラグ微粉末と、二水石膏と、骨材と、を含み、適当量の水を添加されて固化した固化体であって、前記骨材として砂・砂利を用いず、更に、従来は充分な強度を発現できなかった石炭灰を配合しても高強度を発現する固化体を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の一つは、少なくとも石炭灰と、高炉スラグ微粉末と、骨材と、を含む組成物から形成された固化体であって、前記骨材は、ガラスカレットであることを特徴とする固化体である。
【0019】
このように構成された本発明は、前記組成物に、従来は充分な強度を発現できなかった石炭灰を含んでいても、高い圧縮強度を有する固化体である。
【0020】
更に、砂・砂利に替え骨材としてガラスカレットを含んだ組成物から形成されているため、砂・砂利の枯渇防止に寄与すると共に、産業副産物であるガラスカレットの有効活用を図ることができる。
【0021】
また、本発明の他の一つは、少なくとも石炭灰と、高炉スラグ微粉末と、骨材と、を配合し、適当量の水を添加して固化させる固化体の製造方法であって、前記骨材としてガラスカレットを用いることを特徴とする固化体の製造方法である。
【0022】
このように構成された本発明では、従来は充分な強度を発現できなかった石炭灰を配合しても、高い(充分な)圧縮強度を発現させることができる固化体の製造方法である。
【0023】
更に、砂・砂利に替え骨材としてガラスカレットを配合するため、砂・砂利の枯渇防止に寄与すると共に、産業副産物であるガラスカレットの有効活用を図ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の一つは、少なくとも石炭灰と、高炉スラグ微粉末と、骨材と、を含む組成物から形成された固化体であって、前記骨材は、ガラスカレットであることを特徴とする固化体(コンクリート組成物)である。
【0025】
また、本発明の他の一つは、前記固化体の製造方法である。すなわち、少なくとも石炭灰と、高炉スラグ微粉末と、骨材と、を配合し、適当量の水を添加して固化させる固化体の製造方法であって、前記骨材としてガラスカレットを用いることを特徴とする固化体の製造方法である。
【0026】
コンクリート組成物は、一般的にセメントと骨材とを含んでいる。
【0027】
本発明においては、このコンクリート組成物におけるセメントの代替材料として、石炭灰及び高炉スラグ微粉末の混合物、或いは石炭灰、高炉スラグ微粉末及び二水石膏の混合物を用いる(これらのセメント代替材料を以下「粉体」と称する)。
【0028】
まず、粉体に配合する各成分の特性について説明する。
【0029】
石炭灰としては、石炭火力発電所において微粉炭が燃焼ボイラで焼成された後、灰分が排煙処理システム内の電気集塵器により捕集されるものであり、その主成分は、シリカ(SiO2)及びアルミナ(Al2O3)である。この石炭灰は、通常フライアッシュと呼称されている。
【0030】
フライアッシュは、火力発電所から排出される一種の廃棄物で、セメント原料あるいはコンクリート混和材として、また路盤材等として全排出量の約81%が利用され、残りは埋立廃棄されているが、本発明においては、埋め立て廃棄されているフライアッシュを含めて全てのフライアッシュが適用可能である。
【0031】
これらの石炭灰の粒子径は、通常、lμm〜100μmの範囲内であると共に、その密度は2.0〜2.5g/cm3の範囲内であり、また、石炭灰のブレーン比表面積は、2,100〜5,600cm2/gの範囲内である(石炭灰ハンドブック平成12年度版、環境技術協会・日本フライアッシュ協会)が、そのブレーン比表面積は、これに限定されない。
【0032】
また、石炭灰の強熱減量も限定されずに、5%以下であっても、また、5%を超えて高いものの使用も可能である。
【0033】
それゆえ、これらのフライアッシュの利用には、例えば、JISに規定された各種のフライアッシュに限らずに広く利用できる。
【0034】
また、本発明で用いられる高炉スラグ微粉末は、製鉄所の高炉より副生される水砕スラグを微粉砕した水硬性の混和材であり、そのブレーン比表面積は2000cm2/g以上であり高炉水砕スラグとも呼称されている。このブレーン比表面積(ブレーン値)は、大きければ大きいほど強度の発現性が大きい。それゆえ、好ましいブレーン比表面積は、3000cm2/g以上である。このような、高炉スラグ微粉末は、良質な高炉水砕スラグから生産され、品質の安定したものが広く比較的廉価に市販されている。
【0035】
また、本発明では、粉体への二水石膏の配合は必ずしも必須とするものではないが、より高強度の固化体とするためには二水石膏を配合することが望ましい。
【0036】
なお、この二水石膏は天然石膏、化学工業の副産石膏、排煙脱硫装置から発生する石膏のいずれでもよい。
【0037】
次に、粉体に配合する各成分の配合割合(粉体が含む各成分の割合)について説明する。
【0038】
まず、粉体における高炉スラグ微粉末の配合割合は特に限定されるものではないが、石炭灰100質量部に対して5質量部より多く、200質量部以下であることが好ましい。高炉スラグ微粉末を5質量部を超えて配合することにより圧縮強度の高い固化体を製造でき、また、この配合量が少ないと発現する圧縮強度が低いものとなる。
【0039】
また、固化体の圧縮強度は、高炉スラグ微粉末の配合量を多くすることにより増大され、目的とする固化体の圧縮強度により、その配合量が適宜決定される。
【0040】
ただし、石炭灰100質量部に対して200質量部を超えて高炉スラグ微粉末を配合させることは、圧縮強度の飛躍的な増大は望めない。
【0041】
更に、本発明では、石炭灰100質量部に対し、必要に応じて20質量部以下の二水石膏を配合してもよい。この二水石膏を配合することにより、固化体の圧縮強度は増大される。
【0042】
そして、これら石炭灰、高炉スラグ微粉末、二水石膏の混合物(粉体)の質量比は、本発明においては、石炭灰:高炉スラグ微粉末:二水石膏=1:0.2:0.1が好ましい。この配合割合では、特に高い強度を発現することが判明している。
【0043】
更に、本発明では、コンクリート組成物における骨材の代替材料としてガラスカレットを用いる。
【0044】
ガラスカレットとは、主にガラス瓶を破砕した粒状のガラス材であり、ガラスの着色等により分別され、無色透明等のガラスカレットはガラス瓶にリサイクルされている。しかしながら、リサイクルされるガラスカレットは全てではなく、その余剰が問題となっている。特に、ガラスの品質(着色の種類等)によりガラス瓶としてリサイクルすることができないガラスカレットにあっては、産業副産物として深刻な問題となっている。
【0045】
本発明においては、このようなリサイクルできないガラスカレットであっても、リサイクルできるものであっても用いることができる。すなわち、産業副産物として発生するガラスカレットであれば、その品質を問わず骨材として用いることができる。
【0046】
また、一般的なガラスカレットであれば、その粒径も特に調整することなく用いることができる。
【0047】
そして、上述の石炭灰、高炉スラグ微粉末、二水石膏の混合物にガラスカレットを配合する。このガラスカレットの配合割合は、特に限定されるものではないが固化体の50質量%より高くなるように配合することが好ましい。
【0048】
水の配合量は、用いられる各材料の粒度や性状の相違により適宜の量が選択されるが、通常、石炭灰、高炉スラグ微粉末、及び二水石膏の合計量に対する外割で5〜100質量%である。ただし、水の使用量が少なすぎると十分固化しない場合があり、一方、水の使用量を多くすると流動性は増大するが得られた固化体の圧縮強度が低下することがあり、一般には、10〜50質量%の範囲内が好ましい。
【0049】
また、必要に応じて、その他の混和剤、増粘剤等を本発明の効果を損なわない範囲で配合してもよい。このような混和剤としては、界面活性剤(AE剤,拡散剤)や、珪酸白土、けいそう土、火山灰等の可溶性珪酸を含む耐海水性剤、炭酸ソーダ、水ガラス、明ばん、塩化石灰等の急結剤等を挙げることができる。
【0050】
特に本発明においては、混和剤として高性能AE減水剤を固化体の1質量%程度添加することが好ましい。
【0051】
なお、これらの混和剤は、その一種を単独で配合しても二種以上を組合せて配合しても良い。
【0052】
そして、以上の各成分を混合する方法は特には限定されない。一般的な粉体用ミキサによる混練でよく、混練装置としては、例えば、オムニミキサ、強制2軸ミキサが例示される。もちろんバッチ処理により混練しても、連続処理により混練してもよい。
【0053】
また、水と混練された混合物は、そのまま常温・常圧で固化されるが、加圧、加熱、水蒸気などを付加する固化などの工程を付加してもよい。
【0054】
【実施例】
以下、実施例により本発明の効果を具体的に説明する。なお、実施例中、断りのない限り組成割合は質量で表現する。
【0055】
なお、実施例に使用した石炭灰は、石炭火力発電所において電気集塵器により捕集されたものであり、その詳細は表1に示した。ここで、密度、比表面積、フロー値比、活性度指数、二酸化ケイ素、湿分及び強熱減量は、「コンクリート用フライアッシュ JIS A 6201」に基づき求めた値である。
【0056】
【表1】
【0057】
表2に示す配合により固化体を製造した。本実施例では、添加した高性能AE減水剤の配合割合の異なる本発明の固化体▲1▼、▲2▼と共に、更に比較例として、骨材として砂・砂利を用いた固化体▲1▼、▲2▼を採用した。なお、混和剤にはポリカルボン酸系高性能AE減水剤を用いた。
【0058】
【表2】
【0059】
また、本実施例では、本発明の固化体▲1▼、▲2▼は50リットル用の強制二軸型ミキサを用いて練り混ぜ、練り混ぜ時間は、粉体及び骨材としてのガラスカレットを投入して30秒間、水と高性能AE減水剤を加え2分30秒間で計3分間練り混ぜた。
【0060】
同様に、砂・砂利を用いた固化体▲1▼、▲2▼は50リットル用の強制二軸型ミキサを用いて練り混ぜ、練り混ぜ時間は、粉体、細骨材(砂)を投入して30秒間、水と高性能AE減水剤を加え1分間、さらに粗骨材(砂利)を投入して1分30秒間で計3分間練り混ぜた。
【0061】
なお、石炭灰、高炉スラグ微粉末、及び二水石膏は、あらかじめ5リットル用のモルタルミキサで練り混ぜを行った。
【0062】
供試体作製時には、各固化体の配合が低水粉体比であることを考慮し、加振装置を用いて振動締め固めを行った。加振条件は、振幅1mm、周波数50Hzとし、振動時間は目視により締め固めが終了と確認できる時間の目安が3分間程度であったことから、3分間で一定とした。
【0063】
なお、高性能AE減水剤を粉体量に対して1%使用した配合は、高い流動性を呈したことから、加振せずに流し込んだ。
【0064】
圧縮強度は、「コンクリートの圧縮強度試験方法(JIS A 1108−19999)」に基づき測定した。
【0065】
この測定結果を表3、図1に示す。なお、表3、図1中の材齢とは、固化体を練り混ぜてからの経過時間をいう。
【0066】
表3、図1に示した様に、石炭灰Aを配合した場合、砂・砂利を用いた固化体▲1▼では、材齢28日で27.4N/mm2と充分な強度を発現している。しかしながら、石炭灰Bを配合した場合、砂・砂利を用いた固化体▲2▼では4.58N/mm2しか強度を発現しておらず、コンクリート組成物としては強度が不十分なものである。
【0067】
【表3】
【0068】
しかも、表1に示すように、砂・砂利を用いた固化体▲1▼、▲2▼に用いた石炭灰A、Bの物性はほぼ同じであるため、砂・砂利を用いた固化体では、締め固め前に充分な強度を発現するか否かを判断することが困難であることが分かる。このため、砂・砂利を用いた固化体の実用化は難しいものと考えられる。
【0069】
これに対し、石炭灰Bを配合した場合でも、骨材としてガラスカレットを用いた本発明の固化体▲1▼では、材齢28日で30.8N/mm2と充分な強度を発現し、本発明の固化体▲2▼においても20.3N/mm2と高い強度を発現している。
【0070】
このため、骨材の代替材料としてガラスカレットを採用することにより、配合する(又は含む)石炭灰の品質に影響されずに充分な強度を発現する固化体を得ることができる。
【0071】
しかも、産業副産物である石炭灰、高炉スラグ微粉末、二水石膏、ガラスカレットを有効利用できると共に、砂・砂利の枯渇防止に寄与できるため、環境に対する負荷を軽減することができる。
【0072】
以上は、本発明の固化体及び該固化体の製造方法の一実施例について述べたが、各成分の配合割合(含む割合)は本実施例に限定されず、本発明の目的を損なわない範囲内で変更できる。
【0073】
そして、本発明の固化体は、含有する石炭灰の品質に影響されずに高い圧縮強度を有するため、各種道路路床・路盤材への使用のみならず、高い強度が要求される建築構造物への使用も期待できる。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、少なくとも石炭灰と、高炉スラグ微粉末と、骨材と、を含む組成物から形成された固化体であって、前記骨材としてガラスカレットを採用したものであるため、前記組成物が、従来は充分な強度を発現できなかった石炭灰を含んでいても、高い圧縮強度を発現する固化体を得ることができる。更に、産業副産物である石炭灰、高炉スラグ微粉末、二水石膏、ガラスカレットを有効利用できると共に、砂・砂利の枯渇防止に寄与できるため、環境に対する負荷を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る固化体の圧縮強度の経時変化を示した図である。
【符号の説明】
W 水
P 粉体(石炭灰、高炉スラグ微粉末、二水石膏)
Claims (8)
- 少なくとも石炭灰と、高炉スラグ微粉末と、骨材と、を含む組成物から形成された固化体であって、
前記骨材は、ガラスカレットであることを特徴とする固化体。 - 前記組成物は、前記石炭灰100重量部に対して、前記高炉スラグ微粉末を5重量部以上200重量部以下の範囲内の割合で含むことを特徴とする請求項1に記載の固化体。
- 前記組成物は、二水石膏を含むことを特徴とする請求項1に記載の固化体。
- 前記組成物は、前記石炭灰100重量部に対して、前記高炉スラグ微粉末を5重量部以上200重量部以下の範囲内の割合で含み、前記二水石膏を20重量部以下の割合で含むことを特徴とする請求項3に記載の固化体。
- 少なくとも石炭灰と、高炉スラグ微粉末と、骨材と、を配合し、適当量の水を添加して固化させる固化体の製造方法であって、
前記骨材としてガラスカレットを用いることを特徴とする固化体の製造方法。 - 前記石炭灰100重量部に対して、前記高炉スラグ微粉末を5重量部以上200重量部以下の範囲内の割合で配合することを特徴とする請求項5に記載の固化体の製造方法。
- 二水石膏を配合することを特徴とする請求項5に記載の固化体の製造方法。
- 前記石炭灰100重量部に対して、前記高炉スラグ微粉末を5重量部以上200重量部以下の範囲内の割合で配合し、前記二水石膏を20重量部以下の範囲内の割合で配合することを特徴とする請求項7に記載の固化体の製造方法。
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