JP4237603B2 - 鋼管矢板及びその施工方法並びにその鋼管矢板を用いた空間の施工方法 - Google Patents
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また従来の鋼管矢板を用いて土留めや止水工事を行う際、あるいは通路等の空間の施工などにも、上述の鋼管矢板の構造上の問題点が現れることがあった。
一方、上記2個の係合部と、鋼管矢板の直径線に対して対称位置の鋼管矢板の外側表面に、中央部が長手方向に沿って湾曲した長尺体の基部とその先端に固定した円柱状の係止体からなる係止部を2個構成し、上記上方の係止部の基部は湾曲面が下方を向き、下方の係止部の基部は湾曲面が上方を向いた状態で取り付け、上記2個の係合部と他の鋼管矢板の2個の係止部を結合することにより複数の鋼管矢板を接触して連結打設可能とした鋼管矢板である。
また、この鋼管矢板を連続打設する場合、容易かつ効率的な施工が可能となり、土圧に対して強固であり止水効果も優れた鋼管矢板列を構築できる等の効果を奏する。さらには、硬質地盤には継手部の内側にアースオーガを用いることができる。
また、本鋼管矢板を水平施工することにより、安全な電車の軌道と立体交差する通路あるいは倉庫などの空間の作成を効率よく行うことができるのである。
以上
さらに本発明を実施するための最良の形態は、上記の鋼管矢板を用いた施工方法であり、地中に第1の鋼管矢板を打設し、次いで第2の鋼管矢板を、その係止部を上記第1の鋼管矢板の係合部に結合させ、かつ鋼管矢板の表面を接触又は近接させながら打設し、次いで第3の鋼管矢板を、その係止部を上記第2の鋼管矢板の係合部に結合させ、かつ鋼管矢板の表面を接触又は近接させながら打設し、同様にして既設の鋼管矢板の係合部に、打設する鋼管矢板の係止部を結合させ、かつ表面を互いに接触又は近接させながら鋼管矢板を所定本数連結して打設する鋼管矢板の施工方法である。
さらに本発明を実施するための最良の形態は、上記の鋼管矢板を用いて上記と同様の施工方法で水平施工を行い、安全な通路等の空間の作成を効率よく行うことができる空間の施工方法である。
図1乃至図3において、符号P1は鋼管矢板、10は係合部、20は係止部であり、上記係合部10及び係止部20は鋼管矢板P1の表面の軸方向に沿い全長にわたって形成されている。
そして、この基部12の先端に固定した係合体11は、一部に切欠部11aを設けた円筒状の長尺体からなる。
係止体21は円柱状の長尺体であり、この係止体21は上記係合体11に摺動しながら嵌合可能な構成となっているのである。
まず、第1の鋼管矢板P1を地中に垂直に打設して、次いで第2の鋼管矢板P2をこの鋼管矢板P1に並べて打設する。このとき、第2の鋼管矢板P2の係止部20の係止体21を、第1の鋼管矢板P1の係合部10の係合体11に嵌合させて摺動させながら打設していく。そして、第1の鋼管矢板P1と第2の鋼管矢板P2の表面を互いに接触させながら打設していく。
なお、各実施例における鋼管矢板の打設は、鋼管矢板同士の表面を互いに接触させても良く、互いに近接した状態で行っても良いのである。
そして、上記と同様にして第3の鋼管矢板P3を第2の鋼管矢板P2に連結して打設する。以下同様にして複数の鋼管矢板を連結して打設することができる。これにより、上記係合部10と係止部20からなる継手部8が鋼管矢板列が構成する壁面の表面に沿って構成されていくのである。
また、上記係合部10と係止部20の連結部分にシール材を充填することで変形を防止し、あるいは止水効果を高めることができる。
そして、次の第5の鋼管矢板P5の係止部20,20を上記第4の鋼管矢板P4の係合部10,10に係合させれば、第5の鋼管矢板P5は鋼管矢板P1から鋼管矢板P4が構成する鋼管矢板列に対して直交する位置に打設されるのである。
さらに上記アースオーガGで掘削した部位にコンクリート注入することで継手部8の止水効果を高め、継手部8の変形を抑え連結時の強度を保ちズレを防止できるのである。
図6示すように、鋼管矢板列を構成する鋼管矢板P1,P2の表面に固定された係合部10と係止部20は互いに係合して円弧状の継手部8を形成する。
この状態で係合部10と係止部20に対し、図6の矢印方向より土圧がかかった場合、この土圧は係合部10の基部12と係止部20の基部22を介して鋼管矢板P1,P2の表面にかかってくる。
この鋼管矢板P1,P2の表面にかかる圧力Vは、鋼管矢板P1,P2の表面から中心O方向に働き、水平方向の圧力V1と垂直方向の圧力V2に分力されるため、圧力V2のみが鋼管矢板P1,P2を図中下方に押圧する力となる。
このように継手部8の円弧状の形状は外部からの圧力に対して強いだけでなく、土圧は鋼管矢板P1,P2に吸収されることになる。さらに土圧は、その圧力が分散されて小さくなるため、鋼管矢板列は土圧に対して強固なものとなるのである。
また、必要に応じて、更に強度を高めるために鋼管矢板の内部にコンクリートを注入しても良い。
このように継手部の構成を簡易にすれば、製造費が廉価になると共に、施工時間も節約できる等のメリットがある。
この実施例でも、上記で説明した図5に示す鋼管矢板のように係合部40と係止部50からなる継手部81を用いても良い。
本実施例に示した通路Tの施工方法は、まず地中に第1の鋼管矢板P11を水平方向に打設し、次いで第2の鋼管矢板P12を、その係止部を上記第1の鋼管矢板P11の係合部に結合させ、かつ表面を接触又は近接させながら打設していく。
次いで上記で説明したように第3の鋼管矢板P13を第2の鋼管矢板P12に結合させて表面を接触又は近接させながら打設し、同様にして既設の鋼管矢板に結合させながら、かつ表面を接触又は近接させながら新たな鋼管矢板を所定本数打設する。
この施工方法は、図4に示した垂直施工方法と同様であり、水平圧入ができる鋼管矢板圧入機を用いて行う。
これにより、電車と自動車が立体的に交通できるため、踏み切りが不必要となり、踏み切り事故が無くなると共に、自動車の交通が便利となる。
10 係合部
11 係合体
12 基部
11a 間隙
20 係止部
21 係止体
22 基部
P 鋼管矢板
T 通路
D 直径
R 半径
Claims (4)
- 鋼管矢板の外側表面に、中央部が長手方向に沿って湾曲した長尺体の基部と、一部に切欠部を設けた円筒状の長尺体からなり、前記基部の先端に固定した係合体からなる係合部を2個構成し、
上記2個の係合部を、鋼管矢板の直径を3等分した2本の平行線と鋼管矢板の表面との交点より上方及び下方に取り付けると共に、上方の基部は湾曲面が下方を向き、下方の基部は湾曲面が上方を向いた状態で取り付け、
一方、上記2個の係合部と、鋼管矢板の直径線に対して対称位置の鋼管矢板の外側表面に、中央部が長手方向に沿って湾曲した長尺体の基部とその先端に固定した円柱状の係止体からなる係止部を2個構成し、
上記上方の係止部の基部は湾曲面が下方を向き、下方の係止部の基部は湾曲面が上方を向いた状態で取り付け、上記2個の係合部と他の鋼管矢板の2個の係止部を結合することにより複数の鋼管矢板を接触して連結打設可能とした鋼管矢板。 - 上記湾曲した係合部と湾曲した係止部から構成される継手部の形状を、この継手部と2本の鋼管矢板が構成する場所にアースオーガを収納可能な形状にしたことを特徴とする請求項1に記載の鋼管矢板。
- 請求項1あるいは請求項2のいずれかの鋼管矢板を用いた施工方法であり、地中に第1の鋼管矢板を打設し、次いで第2の鋼管矢板を、その係止部を上記第1の鋼管矢板の係合部に結合させ、かつ鋼管矢板の表面を接触させながら打設し、次いで第3の鋼管矢板を、その係止部を上記第2の鋼管矢板の係合部に結合させ、かつ鋼管矢板の表面を接触させながら打設し、同様にして既設の鋼管矢板の係合部に、打設する鋼管矢板の係止部を結合させ、かつ表面を互いに接触させながら連結して打設することを特徴とする鋼管矢板の施工方法。
- 請求項1あるいは請求項2のいずれかの鋼管矢板を用いた施工方法であり、空間の施工場所の所定個所に第1の鋼管矢板を水平方向に打設し、次いで第2の鋼管矢板を、その係止部を上記第1の鋼管矢板の係合部に結合させ、かつ鋼管矢板の表面を接触させながら水平方向に打設し、次いで第3の鋼管矢板を、その係止部を上記第2の鋼管矢板の係合部に結合させ、かつ鋼管矢板の表面を接触させながら水平方向に打設し、同様にして既設の鋼管矢板の係合部に、打設する鋼管矢板の係止部を結合させ、かつ表面を互いに接触させながら水平方向に連結して打設することにより空間の両側壁と天壁を構成し、その後、上記両側壁と天壁に囲まれた部分の土砂を排除して空間を作ることを特徴とする鋼管矢板を用いた空間の施工方法。
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