JP4237342B2 - Cdmaセルラ無線システム、無線基地局装置および移動無線端末装置 - Google Patents

Cdmaセルラ無線システム、無線基地局装置および移動無線端末装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、CDMA(Code Division Multiple Access)方式を通信方式として採用する携帯電話システムなどのCDMAセルラ無線システム、およびこのシステムで用いられる無線基地局装置および移動無線端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
CDMA方式を用いたセルラ型の携帯電話システムでは、移動無線端末装置(以下、移動機と略称する)は待ち受け中、通話中のどちらの場合でも現在接続している無線基地局装置(以下、基地局と略称する)から、周辺基地局のチャネル番号に相当するPN_OFFSET値の情報を受信している。
【0003】
なお、このPN_OFFSET値とは、各基地局が送信(受信)信号に対してスペクトラム拡散(逆拡散)処理を行う際に、図4に示すように、short code1周期につき、基準(0 OFFSET)となるshort codeに対して、どれだけ時間(チップ数;例えば64チップずつ)をずらしたshort codeを用いているかを示す。
【0004】
そして移動機は、接続中の基地局より得た周辺基地局のPN_OFFSET情報を基に、周辺基地局から送信されるpi1ot信号を時分割で順番に受信して逆拡散処理して、受信信号のエネルギーを算出する。そして、この算出値を周辺基地局にハンドオフする際の判断材料としている。
【0005】
しかし、周辺基地局から送信されているpi1ot信号は、移動機に到達するまでの遅延や反射の影響により、接続中の基地局より得たPN_OFFSET情報で指定される時間からズレたマルチパスが存在する可能性が高い。
【0006】
このため、基地局は、移動機に対してwindow sizeを指定し、これに対して移動局は、指定されたwindow size以内でずれたPN_OFFSET値を有する受信信号については、同一の基地局から送信された信号のマルチパス波とみなすようにしている。
【0007】
したがって、移動機がエネルギが大きいマルチパス波を確実につかむためには、window sizeを大きく設定すればよいが、大きく設定しすぎると1つの周辺基地局に対するPi1ot信号のエネルギ算出時間が長くなるため、ハンドオフに必要な情報の入手が間に合わなくなることがある。このため、従来は、window sizeを、一律に適当な値に設定していた。
【0008】
しかしながら、各基地局が形成するセル(無線ゾーン)の半径は、基地局毎に異なっているため、pi1ot信号が移動機に到達するまでの遅延や反射の影響も異なり、移動機は、セルによって必要以上にマルチパス波の捕捉に時間をかけたり、あるいは十分なマルチパス波をつかめなかったりして、マルチパスのサーチ効率が悪いという問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来では、移動無線端末装置が、セルによって必要以上にマルチパス波の捕捉に時間をかけたり、あるいは十分なマルチパス波をつかめなかったりして、マルチパスのサーチ効率が悪いという問題があった。
【0010】
この発明は上記の問題を解決すべくなされたもので、移動無線端末装置におけるマルチパスのサーチ効率を高めることが可能な移動無線通信システム、無線基地局装置および移動無線端末装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明は、無線基地局装置が、接続中の移動無線端末装置に対して、自装置の周辺で無線ゾーンを形成する周辺無線基地局装置からの送信信号を受信するタイミングに関する情報を送信し、これに対して、移動無線端末装置が、接続中の無線基地局装置から得た情報に基づいて、接続可能な無線基地局装置を探索するCDMAセルラ無線システムにおいて、無線基地局装置は、周辺無線基地局装置の送信信号を受信するタイミングを範囲で指定するウィンドウ情報を、各周辺無線基地局装置毎に記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶されるウィンドウ情報を、接続中の移動無線端末装置に対して、送信する送信手段とを具備し、移動無線端末装置は、接続中の無線基地局装置から、送信手段より送信されるウィンドウ情報を受信する受信手段と、この受信手段にて受信したウィンドウ情報で指定される範囲内で、接続可能な無線基地局装置を探索する信号探索手段とを具備して構成するようにした。
【0012】
上記構成の移動無線通信システムでは、無線基地局装置が各周辺無線基地局装置について、各周辺無線基地局装置の送信信号を受信するタイミングを範囲で指定するウィンドウ情報を移動無線端末装置に通知し、これに対して移動無線端末装置は、上記ウィンドウ情報に基づく範囲のタイミングで、接続可能な無線基地局装置を探索するようにしている。
【0013】
したがって、上記構成の移動無線通信システムによれば、移動無線端末装置が各周辺無線基地局装置に応じてパスサーチを行うので、効率よくパスサーチを行うことができる。
【0014】
また、上記の目的を達成するために、この発明は、無線基地局装置が、接続中の移動無線端末装置に対して、自装置の周辺で無線ゾーンを形成する周辺無線基地局装置からの送信信号を受信するタイミングに関する情報を送信し、これに対して、移動無線端末装置が、接続中の無線基地局装置から得た情報に基づいて、接続可能な無線基地局装置を探索するCDMAセルラ無線システムで用いられる無線基地局装置において、周辺無線基地局装置の送信信号を受信するタイミングを範囲で指定するウィンドウ情報を、各周辺無線基地局装置毎に記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶される情報を、接続中の移動無線端末装置に対して、送信する送信手段とを具備して構成するようにした。
【0015】
上記構成の無線基地局装置では、各周辺無線基地局装置について、各周辺無線基地局装置の送信信号を受信するタイミングを範囲で指定するウィンドウ情報を移動無線端末装置に通知するようにしている。
【0016】
したがって、上記構成の無線基地局装置によれば、移動無線端末装置に、各周辺無線基地局装置に応じたウィンドウ情報を通知するので、移動無線端末装置が各周辺無線基地局装置に応じてパスサーチを行うことになり、効率よくパスサーチを行うことができる。
【0017】
また、上記の目的を達成するために、この発明は、無線基地局装置が、接続中の移動無線端末装置に対して、自装置の周辺で無線ゾーンを形成する周辺無線基地局装置からの送信信号を受信するタイミングに関する情報を送信し、これに対して、移動無線端末装置が、接続中の無線基地局装置から得た情報に基づいて、接続可能な無線基地局装置を探索するCDMAセルラ無線システムで用いられる移動無線端末装置において、接続中の無線基地局装置から送信されるウィンドウ情報を受信する受信手段と、この受信手段にて受信したウィンドウ情報により各周辺無線基地局装置毎に指定される範囲内で、接続可能な無線基地局装置を探索する信号探索手段とを具備して構成するようにした。
【0018】
上記構成の移動無線端末装置では、各周辺無線基地局装置について、各周辺無線基地局装置の送信信号を受信するタイミングを範囲で指定するウィンドウ情報を取得し、このウィンドウ情報に基づく範囲のタイミングで、接続可能な無線基地局装置を探索するようにしている。
したがって、上記構成の移動無線端末装置によれば、各周辺無線基地局装置に応じてパスサーチを行うので、効率よくパスサーチを行うことができる。
【0019】
また、この発明では、ウィンドウ情報を、各周辺無線基地局装置が形成する無線ゾーンの大きさに応じて設定するようにしている。
このため、この発明によれば、無線ゾーンに適したパスサーチが行え、必要以上にマルチパス波の捕捉に時間をかけたり、あるいは十分なマルチパス波をつかめなかったりすることがなく、マルチパスのサーチ効率を高めることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明の一実施形態について説明する。
図1は、この実施形態に係わるCDMAセルラ無線システムの基地局BS1〜BS13の配置と、移動局MSを示すものである。
【0021】
各基地局BS1〜BS13は、下りキャリアを通じてパイロットチャネル、シンクチャネル、ページングチャネルおよび下りトラヒックチャネルをそれぞれ送信する。一方移動局MSは、上りキャリアを通じてアクセスチャネルおよび上りトラヒックチャネルをそれぞれ送信する。
【0022】
また、基地局BS1〜BS13は、それぞれ割り当てられたPN_OFFSET値を使用して拡散処理を行いて、移動局MSとの間でCDMA方式による無線通信を行う。
【0023】
システムとしては、無線通信に係わる種々の制御としては、移動局MSが基地局BS1〜BS13のセル間を移動する場合に行うモバイル・ハンドオフ制御や、特定の無線周波数のトラヒックが同一の基地局BSに割り当てられた他の無線周波数のトラヒックに比べて著しく増加した場合に行うアイドル・ハンドオフ制御などを行う。
【0024】
図2は上記システムで使用される移動局MSの構成を示す回路ブロック図である。
この図に示すように移動局MSは、マイクロホン10a、スピーカ10b、アナログ−ディジタル変換器(以下、A−D変換器と称する)11a、ディジタル−アナログ変換器(以下、D−A変換器と称する)11b、音声符号化−復号化器(以下、ボコーダと称する)12、移動局制御部13、データ生成回路14、畳み込み符号化器15、インタリーブ回路16、スペクトラム拡散器17、ディジタルフィルタ18、ディジタル−アナログ変換器(以下、D−A変換器と称する)19、アナログフロントエンド20、アンテナ21、アナログ−ディジタル変換器(以下、A−D変換器と称する)22、サーチ受信機(以下、サーチャーと称する)23、自動利得制御(AGC)回路24、フィンガ回路25,26,27、シンボル合成器28、デインタリーブ回路29、ビタビ復号化器30、誤り訂正回路31、キーパッド/ディスプレイ32およびメモリ部33を有している。
【0025】
マイクロホン10aから出力された話者の送話音声信号は、A−D変換器11aでディジタル信号に変換されたのち、ボコーダ12で符号化される。移動局制御部13では、ボコーダ12から出力された符号化送話信号に制御信号等が付加され、これにより伝送データが生成される。
【0026】
この伝送データは、データ生成回路14で誤り検出符号および誤り訂正符号が付加されたのち畳み込み符号化器15にて符号化され、さらにインタリーブ回路16によりインタリーブのための処理が施される。
【0027】
そして、このインタリーブ回路16から出力された伝送データは、スペクトラム拡散器17でPN符号およびウォルシュ符号により広帯域の信号にスペクトラム拡散される。
【0028】
このスペクトラム拡散された送信信号は、ディジタルフィルタ18で不要な周波数成分が除去されたのちD−A変換器19によりアナログ信号に変換される。そして、このアナログ送信信号は、アナログフロントエンド20で所定の無線チャネル周波数にアップコンバートされるとともに所定の送信電力レベルに電力増幅されたのち、アンテナ21から基地局BSに向け送信される。
【0029】
一方、アンテナ21で受信された無線信号は、アナログフロントエンド20において低雑音増幅されるとともに中間周波数またはベースバンド周波数にダウンコンバートされる。
【0030】
そして、このアナログフロントエンド20から出力された受信信号は、A−D変換器22で所定のサンプリング周期でディジタル信号に変換されたのち、サーチャー23、自動利得制御回路24、および3個のフィンガ回路25,26,27にそれぞれ入力される。
【0031】
フィンガ回路25,26,27はそれぞれ、初期捕捉部、クロック追尾部およびデータ復調部を備えている。このうちデータ復調部は、基地局BSから到来した受信伝送信号を、後述のサーチャー23より割り当てられたタイミングでPN符号を用いて、スペクトラム逆拡散し、さらに積分ダンプフィルタにて1シンボル期間にわたって積分する。
【0032】
なお、フィンガ回路を3個設けている理由は、マルチパス受信信号をパスダイバーシチ効果を用いて高SN比で受信するためと、通信中に接続先の基地局BSを無線パスを切断せずに切り替えるいわゆるソフトハンドオフを行うためである。
【0033】
フィンガ回路25,26,27により復調された各シンボルは、同期情報とともにシンボル合成器28に入力されて相互に合成される。そして、この合成された復調シンボルはタイミング情報とともにデインタリーブ回路29に入力され、このデインタリーブ回路29においてデインタリーブ処理が施される。
【0034】
続いて、このデインタリーブ後の復調シンボルは、ビタビ復号化器30においてビタビ復号され、さらにこのビタビ復号後の復調シンボルは誤り訂正回路31で誤り訂正復号処理されて受信データとなり、移動局制御部13に入力される。
【0035】
移動局制御部13では、上記入力された受信データが音声データと制御データとに分離される。このうち音声データは、ボコーダ12で音声復号されたのちD−A変換器11bでアナログ信号に変換され、しかるのちスピーカ10bから拡声出力される。
【0036】
なお、キーパッド/ディスプレイ32は、ユーザがダイヤルデータや制御データ等の入力を行ったり、また移動局MSの動作状態に係わる種々情報を表示するために設けられている。このキーパッド/ディスプレイ32の動作は移動局制御部13により制御される。
【0037】
またメモリ部33は、移動局制御部13の制御プログラム、および各種の処理を行う上で必要となる各種のデータを記憶しておくためのものであり、EEPROMなどのような不揮発性の記憶媒体を有している。そしてこのメモリ部33は、上記不揮発性の記憶媒体によりなる記憶領域に、無線周波数リストなどを記憶する。
【0038】
サーチャー23は、サーチ対象とする基地局毎に、移動局制御部13よりPNサーチ制御信号を通じてPN_OFFSET値およびwindow sizeが指定される。そして、サーチャー23は、指定されたPN_OFFSET値に基づいて、上記window size内で、基地局BS1〜BS13から放送されているPi1ot信号のPN符号を、それぞれ逆拡散処理によりサーチして、そのオフセット(すなわち逆拡散タイミング)を捕捉するとともに、逆拡散されたPilot信号のエネルギー強度を求める。
【0039】
このようなPN符号のサーチ動作により、捕捉したオフセットのうち、エネルギー強度が大きく、有効なものがフィンガ回路25,26,27に割り当てられ、上記エネルギー強度とオフセットが電力制御データとして移動局制御部13に取り込まれる。サーチャー23は、基本的にはフィンガ回路25,26,27と同じ構成である。
【0040】
移動局制御部13は、例えばマイクロプロセッサを主体としてなるものであり、移動局MSの各部を統括して制御し、通信に関わる種々の制御を司るものである。また、移動局制御部13は、新たな制御機能としてウィンドウサイズ制御手段13aを備える。
【0041】
このウィンドウサイズ制御手段13aは、通信中か待ち受け中かによらず、接続中に基地局から得た周辺基地局毎に設定されるPN_OFFSET値およびwindow sizeを受信データから抽出する。そして、この抽出したデータをPNサーチ制御信号を通じて、順次サーチャー23に入力して割り当て、サーチャー23が各基地局からの受信信号を、上記PN_OFFSET値およびwindow sizeに基づいてサーチするように制御している。
【0042】
図3は基地局BS1〜BS13の構成を示す回路ブロック図である。
この図に示すように基地局BS1〜BS13は、制御局インタフェース部41、音声符号化−復号化器(以下、ボコーダと称する)42、基地局制御部43、CDMA変調部44(44-1〜44-p)、CDMA復調部45(45-1〜45-p)、パイロット信号発生部46、合成器47、アナログフロントエンド48、アンテナ49を有する。
【0043】
制御局インタフェース部41は、システムの制御局(図示しない)との間で音声データおよび制御データの送受信を行うものである。制御局から例えば時分割多重された状態で到達した音声データは、この制御局インタフェース部41でそれぞれ分離されて並列的にボコーダ42へと与えられ、それぞれ符号化される。基地局制御部43では、ボコーダ42から出力された各符号化音声データに制御信号等がそれぞれ付加され、これにより伝送データが生成される。
【0044】
これらの伝送データは、対応するトラフィックチャネル用のCDMA変調部44に入力される。CDMA変調部44は、それぞれ移動局MSにおけるデータ生成回路14、畳み込み符号化器15、インタリーブ回路16、スペクトラム拡散器17、ディジタルフィルタ18およびD−A変換器19と同様な回路を有したものである。
【0045】
従って伝送データはCDMA変調部44で、誤り検出符号および誤り訂正符号の付加、畳み込み符号化、インタリーブ処理、スペクトラム拡散およびアナログ信号への変換がそれぞれなされてアナログ送信信号とされる。
【0046】
なおここで、CDMA変調部44-1〜44-pは、それぞれ対応するトラフィックチャネルに応じた互いに異なるウォルシュ符号をスペクトラム拡散の際に用いる。
【0047】
そして、各CDMA変調部44で得られたアナログ送信信号は、合成器47にて互いに合成される。このとき合成器47では、パイロット信号発生部46が発生するパイロットチャネルの信号も合成される。このパイロットチャネルの信号は、CDMA変調部44がスペクトラム拡散の際に用いるPN符号を含む。
【0048】
合成器47の出力信号は、ともにアナログフロントエンド48に入力され、ここで合成器47の出力信号は高周波信号にアップコンバートされるとともに、所定の送信電力レベルに電力増幅されたのち、アンテナ49から移動局MSに向け送信される。
【0049】
一方、アンテナ49で受信された無線信号は、アナログフロントエンド48において低雑音増幅されたのちに当該基地局に割り当てられた2つの無線周波数のそれぞれでの帯域の信号がそれぞれ抽出されるとともに中間周波数またはベースバンド周波数にダウンコンバートされる。
【0050】
そして、このアナログフロントエンド48から出力された受信信号は、CDMA復調部45-1〜45-pのそれぞれに分岐入力される。CDMA復調部45は、それぞれ移動局MSにおけるA−D変換器22、サーチャー23、自動利得制御回路24、フィンガ回路25,26,27、シンボル合成器28、デインタリーブ回路29、ビタビ復号化器30および誤り訂正回路31と同様な回路を有したものである。
【0051】
従って受信信号はCDMA復調部45で、ディジタル信号への変換、スペクトラム逆拡散、1シンボル期間にわたっての積分、シンボル合成、デインタリーブ処理、ビタビ復号および誤り訂正復号処理がそれぞれなされて受信データとなり、基地局制御部43に並列的に入力される。なおここで、CDMA復調部45-1〜45-pは、それぞれ対応するトラフィックチャネルに応じた互いに異なるウォルシュ符号をスペクトラム逆拡散の際に用いる。この結果、CDMA復調部45では、受信データが抽出される。
【0052】
基地局制御部43では、上記入力された受信データが音声データと制御データとに分離される。このうち音声データは、ボコーダ42でそれぞれ音声復号されたのち制御局インタフェース部41により制御局CSに向けて送信される。
【0053】
基地局制御部43は、例えばマイクロプロセッサを主体としてなるものであり、基地局BSの各部を統括して制御し、通信に関わる種々の制御を司るもので、後述のメモリ部50に記憶されるPN_OFFSET値およびwindow sizeを、通信中か待ち受け中かによらず、接続中の移動局MSに対して、報知する機能を備える。
【0054】
メモリ部50は、基地局制御部43の制御プログラム、および各種の処理を行う上で必要となる各種のデータを記憶しておくためのものであり、EEPROMなどのような不揮発性の記憶媒体を有している。そしてこのメモリ部50は、上記不揮発性の記憶媒体によりなる記憶領域に、新たに周辺基地局情報記憶エリア50aを備えている。
【0055】
この周辺基地局情報記憶エリア50aは、自局の周辺に無線ゾーン(セル)を形成する基地局(以下、周辺基地局と称する)それぞれについて、そこでスペクトラム拡散を行う際のPN_OFFSET値と、上記無線ゾーンの大きさに応じて設定されたwindow sizeが対応づけられて記憶される。なお、window sizeは、無線ゾーンが大きいほど、大きく設定されるものである。
【0056】
次に、以上のように構成されたシステムの動作を説明する。
なお、移動局MSは、図1に示すように、基地局BS1の無線ゾーン内に位置しているものとする。
【0057】
基地局BS1では、基地局制御部43が基地局BS1内の各部を統括して制御し、通信に関わる種々の制御を司っている。
【0058】
また、この他に、基地局制御部43は、メモリ部50の周辺基地局情報記憶エリア50aに記憶される、周辺基地局BS2〜BS13、それぞれについてのPN_OFFSET値とwindow sizeを、自局の無線ゾーン内に位置する移動局MSに対して、通信中か待ち受け中かによらず通知する。
【0059】
これに対して、移動局MSは、移動局制御部13のウィンドウサイズ制御手段13aが、基地局BS1より通知された受信データから、周辺基地局BS2〜BS13のPN_OFFSET値とwindow sizeを抽出する。
【0060】
そして、これをウィンドウサイズ制御手段13aは、順次サーチャー23に入力して割り当てて、サーチャー23に、周辺基地局BS2〜BS13から送出されるPilot信号のエネルギー強度と、そのオフセットを、時分割で求めさせる。
【0061】
そしてこの求めたPilot信号のエネルギー強度と、そのオフセットは、電力制御データとして、移動局制御部13に入力される。これに対して、移動局制御部13は、上記エネルギー強度が、所定の閾値を越えていれば、待ち受け中の場合には、それに対応する周辺基地局にIdle Handoffする。
【0062】
また、上記エネルギー強度が、所定の閾値を越えていて、通話中の場合には、接続中の基地局BS1に対して、Pilot Strength Measurement Messageを送信し、基地局BS1からのHandoff Direction Messageを待つ。
【0063】
以上のように、上記構成のCDMAセルラ無線システムでは、移動局MSが、各周辺基地局BS2〜BS13が形成する無線ゾーンの大きさに応じたwindow sizeで、基地局からのPilot信号を受信するようにしている。
【0064】
したがって、上記構成のCDMAセルラ無線システムによれば、周辺基地局が形成する無線ゾーンが大きいために、周辺基地局より移動局MSに到達するPilot信号が遅延や反射の影響を大きく受けていたとしても、そのPilot信号は大きなwindow sizeで受信されるため、確実にマルチパス波が受信できる。また、周辺基地局が形成する無線ゾーンが小さい場合には、小さなwindow sizeでPilot信号は受信されるため、サーチ時間を短縮することができる。
【0065】
このため、上記構成のCDMAセルラ無線システムでは、移動局MSが効率よく周辺基地局のマルチパスサーチを行えるので、これによりハンドオフに必要な情報を迅速かつ正確に入手でき、呼切断の抑制を図ることができる。
【0066】
尚、この発明は上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、上記実施の形態では、基地局のメモリ部50の周辺基地局情報記憶エリア50aには、周辺基地局毎に、PN_OFFSET値と、その無線ゾーンの大きさに応じたwindow sizeが対応づけられて記憶され、そのwindow sizeは、無線ゾーンが大きいほど、大きく設定されるものとしたが、これに代わり例えば、上記記憶されるwindow sizeを、無線ゾーンの大きさに応じて段階的に設定するようにしても、ほぼ同様の効果を得られる。
その他、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を施しても同様に実施可能であることはいうまでもない。
【0067】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明では、無線基地局装置が各周辺無線基地局装置について、各周辺無線基地局装置の送信信号を受信するタイミングを範囲で指定するウィンドウ情報を移動無線端末装置に通知し、これに対して移動無線端末装置は、上記ウィンドウ情報に基づく範囲のタイミングで、接続可能な無線基地局装置を探索するようにしている。
【0068】
したがって、この発明によれば、移動無線端末装置におけるマルチパスのサーチ効率を高めることが可能な移動無線通信システム、無線基地局装置および移動無線端末装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わるCDMAセルラ無線システムの基地局装置の配置と、移動局の位置を示す図。
【図2】図1に示したCDMAセルラ無線システムの基地局装置の構成を示す回路ブロック図。
【図3】図1に示したCDMAセルラ無線システムの移動局の構成を示す回路ブロック図。
【図4】CDMAセルラ無線システムで用いられるshort codeのPN_OFFSET値を説明するための図。
【符号の説明】
MS…移動局
BS1〜BS13…基地局
10a…マイクロホン
10b…スピーカ
11a…アナログ−ディジタル変換器(A−D変換器)
11b…ディジタル−アナログ変換器(D−A変換器)
12…音声符号化−復号化器(ボコーダ)
13…移動局制御部
13a…ウィンドウサイズ制御手段
14…データ生成回路
15…畳み込み符号化器
16…インタリーブ回路
17…スペクトラム拡散器
18…ディジタルフィルタ
19…ディジタル−アナログ変換器(D−A変換器)
20…アナログフロントエンド
21…アンテナ
22…アナログ−ディジタル変換器(A−D変換器)
23…サーチ受信機(サーチャー)
24…自動利得制御回路(AGC回路)
25,26,27…フィンガ回路
28…シンボル合成器
29…デインタリーブ回路
30…ビタビ復号化器
31…誤り訂正回路
32…キーパッド/ディスプレイ
33…メモリ部
41…制御局インタフェース部
42…音声符号化−復号化器(ボコーダ)
43…基地局制御部
44−1〜44−p…CDMA変調部
45−1〜45−p…CDMA復調部
46…パイロット信号発生部
47…合成器
48…アナログフロントエンド
49…アンテナ
50…メモリ部
50a…周辺基地局情報記憶エリア

Claims (6)

  1. 無線基地局装置が、接続中の移動無線端末装置に対して、自装置の周辺で無線ゾーンを形成する周辺無線基地局装置からの送信信号を受信するタイミングに関する情報を送信し、これに対して、前記移動無線端末装置が、接続中の無線基地局装置から得た前記情報に基づいて、接続可能な無線基地局装置を探索するCDMA(Code Division Multiple Access)セルラ無線システムにおいて、
    前記無線基地局装置は、
    周辺無線基地局装置の送信信号を受信するタイミングを範囲で指定するウィンドウ情報を、各周辺無線基地局装置毎に記憶する記憶手段と、
    この記憶手段に記憶されるウィンドウ情報を、接続中の移動無線端末装置に対して、送信する送信手段とを具備し、
    前記移動無線端末装置は、
    接続中の無線基地局装置から、前記送信手段より送信されるウィンドウ情報を受信する受信手段と、
    この受信手段にて受信したウィンドウ情報で指定される範囲内で、接続可能な無線基地局装置を探索する信号探索手段とを具備することを特徴とするCDMAセルラ無線システム。
  2. 前記記憶手段に記憶されるウィンドウ情報は、各周辺無線基地局装置が形成する無線ゾーンの大きさに比例した範囲を指定するものであることを特徴とする請求項1に記載のCDMAセルラ無線システム。
  3. 無線基地局装置が、接続中の移動無線端末装置に対して、自装置の周辺で無線ゾーンを形成する周辺無線基地局装置からの送信信号を受信するタイミングに関する情報を送信し、これに対して、前記移動無線端末装置が、接続中の無線基地局装置から得た前記情報に基づいて、接続可能な無線基地局装置を探索するCDMA(Code Division Multiple Access)セルラ無線システムで用いられる無線基地局装置において、
    周辺無線基地局装置の送信信号を受信するタイミングを範囲で指定するウィンドウ情報を、各周辺無線基地局装置毎に記憶する記憶手段と、
    この記憶手段に記憶される情報を、接続中の移動無線端末装置に対して、送信する送信手段とを具備することを特徴とする無線基地局装置。
  4. 前記記憶手段に記憶されるウィンドウ情報は、各周辺無線基地局装置が形成する無線ゾーンの大きさに比例した範囲を指定するものであることを特徴とする請求項3に記載の無線基地局装置。
  5. 無線基地局装置が、接続中の移動無線端末装置に対して、自装置の周辺で無線ゾーンを形成する周辺無線基地局装置からの送信信号を受信するタイミングに関する情報を記憶する記憶手段を備え、この情報を送信し、これに対して、前記移動無線端末装置が、接続中の無線基地局装置から得た前記情報に基づいて、接続可能な無線基地局装置を探索するCDMA(Code Division Multiple Access)セルラ無線システムで用いられる移動無線端末装置であって
    接続中の無線基地局装置から送信されるウィンドウ情報を受信する受信手段と、
    この受信手段にて受信したウィンドウ情報により各周辺無線基地局装置毎に指定される範囲内で、接続可能な無線基地局装置を探索する信号探索手段とを具備することを特徴とする移動無線端末装置。
  6. 前記ウィンドウ情報は、各周辺無線基地局装置が形成する無線ゾーンの大きさに比例した範囲を指定するものであることを特徴とする請求項5に記載の移動無線端末装置。
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