JP4236872B2 - 折畳み式携帯情報端末装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、折畳み式の携帯電話機や携帯情報端末などの装置本体の開閉の有無を高感度に検知可能とする、折畳み式携帯情報端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話機や携帯情報端末などの装置は、人が携行するために、小型化の必要性が高い反面、表示器やボタン類は、操作性向上の観点から大きい方が望まれる。そこで、装置の構造を折畳み式にすることが知られている。閉じた状態では、装置全体の投影面積が小さく、開いた状態では、装置の表面積が増大して表示器やボタン類を大きくすることができる。
【0003】
また、折畳み式携帯電話機では、装置全体が開いているか閉じているかを検出し、表示器のバックライトの点灯あるいは消灯を行ったり、通話の開始あるいは切断を行うなど、開閉検知により折畳み式携帯電話機の動作状態を制御することが行われている。
【0004】
図10は、従来の折り畳み式携帯電話機における磁気式開閉検知スイッチ機構を示す。
【0005】
折り畳み式携帯電話機は、第1の本体41と第2の本体42とから構成され、第1の本体41及び第2の本体42は、結合部43を介して開閉可能に結合されている。
【0006】
第1の本体41は、各種情報を可視表示する液晶表示器44と、アンテナ45と、ボタンスイッチ46と、受話時に音声を出力する受話器53とを有している。第2の本体42は、文字・数字入力スイッチを含む機能ボタンスイッチ47を有し、本体内部には、着信音を出力するスピーカー54が設けられている。
【0007】
折畳み式携帯電話機の第2の本体42には磁気センサ51が、第1の本体41にはマグネット52が配設されている。磁気センサ51とマグネット52は、折畳み式電話機を閉じた状態において、ほぼ対向するような位置関係に配置されている。
【0008】
このような構成により、折畳み式携帯電話機を閉じた状態の時には、マグネット52から磁気センサ51へ貫通する磁束密度が大きいため、磁気センサ51は、予め定めた規定値以上の信号を出力する。折畳み式携帯電話機を開いた状態の時には、マグネット52から磁気センサ51へ貫通する磁束密度が小さくなるため、磁気センサ51は、予め定めた規定値以下の信号を出力する。このようにして、磁気センサ51の信号出力を利用して、折畳み式携帯電話機の開閉検知を行っている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、携帯電話機に必須の部品であるスピーカー及び受話器などの発音装置は、机上で使用される一般電話機に使用されるものと比較して小型化がなされているので、同等の機能を持たせるために、強力なマグネットが使用されている。例えば直径7mm程度のサマリウム−コバルト系もしくはネオジ系のマグネットが使用されている。このような発音装置に内包されるマグネットは、磁気センサの感磁部付近にまで漏れ磁界を発生させることがあり、折畳み式携帯電話機の開閉検知に誤動作をひき起こすという問題があった。
【0010】
また、近年の携帯電話機の高機能化が進むにつれて、より一層の部品点数の削減と、小型・軽量化とが望まれている。しかしながら、折畳み式携帯電話機においては、磁気センサとマグネット間のギャップが、大きいもので10mm程度あるため、携帯電話機で使用される部品としては、比較的大きな5mm角程度のマグネットを使用しなければならず、小型化が図れないという問題もあった。
【0011】
そこで、本発明の目的は、スピーカーや受話器などに内蔵された磁束発生手段から発生した磁束を高感度に検出することにより、本体間での漏れ磁束による開閉有無の検知の誤作動を防いで検出精度を向上させることが可能な、折畳み式携帯情報端末装置、および、磁気センサを提供することにある。
【0012】
また、本発明の他の目的は、部品点数を削減して製造コストを安価にし、小型化・軽量化を図ることが可能な、折畳み式携帯情報端末装置、および、磁気センサを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、開閉可能に結合した対向する少なくとも2つの本体部を備え、各本体部に情報処理機能を有する情報処理手段が設けられた折畳み式携帯情報端末装置であって、前記一方の本体部に設けられた前記情報処理手段が、磁束を発生する磁束発生手段を内蔵している構成において、前記他方の本体部内における前記磁束発生手段からの磁束を検出可能な所定の領域に、該磁束発生手段によって発生された磁束密度を検出する磁気センサを具え、ここで、前記所定の領域は、前記磁束発生手段を内蔵した前記情報処理手段に対向する位置、又は、該対向する位置から離れた周辺領域を含み、前記磁気センサが、感磁面に対して垂直方向の磁束を検出する、化合物半導体からなるセンサ部と、前記センサ部により検出された信号から、オフセット成分を除去して信号成分を出力する信号処理制御部と、前記信号処理された信号をデジタル的に遷移する信号として出力する、トランジスタを含む出力部とを具え、前記信号処理制御部と前記出力部は、CMOSのICにより一体に構成され、前記信号処理制御部は、前記信号成分を±1.5mTの範囲内での磁束密度の変化に対応して出力変化し、磁束密度が±1.5mTの範囲内での増減変化に対応して、出力値がデジタル的な遷移を行うヒステリシス特性を有することを特徴とする。
【0015】
前記磁気センサは、ホールセンサであり、該ホールセンサは、磁束を検出可能な領域であって前記情報処理手段に対向する位置に配設してもよい。
【0017】
前記一方の本体部の前記情報処理手段は、音声を出力する発音手段であり、前記磁束発生手段は、前記発音手段に内蔵されたマグネットとしてもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
[第1の例]
本発明の第1の実施の形態を、図1〜図7に基づいて説明する。
(装置構成)
図1は、本発明にかかる折畳み式携帯情報端末装置としての折畳み式携帯電話機を、本体の開いた状態として示す。図2は、折畳み式携帯電話機を、本体の閉じた状態として示す。
【0019】
折畳み式携帯電話機は、第1の本体1と第2の本体2とから構成され、第1の本体1および第2の本体2は、結合部3を介して開閉可能に結合されている。これら第1の本体1および第2の本体2には、以下に述べるような各種の情報処理手段を備えている。
【0020】
第1の本体1は、情報処理手段として、各種情報を可視表示する液晶表示器4と、アンテナ5と、ボタンスイッチ6と、音声を出力する発音手段としての受話器13とを有している。受話器13は、磁束発生手段としてのマグネット13aを内蔵している。なお、発音手段から出力される音声には、受話時の音声又は着信音、ゲーム時の音楽等を含む。
【0021】
第2の本体2は、文字・数字入力スイッチを含む機能ボタンスイッチ7を有し、本体内部には、着信音を出力するスピーカー14が設けられている。
【0022】
この第2の本体2において、磁束発生手段であるマグネット13aからの磁束を検出可能な所定の領域には、折畳み式携帯電話機の開閉検出手段として用いられる、磁束密度を検出する磁気センサ11が配置されている。ここでいう所定の領域とは、磁束発生手段を内蔵した情報処理手段(例えば、発音手段としての受話器13)に対向する位置、又は、該対向する位置から離れた周辺領域のことをいうものとする。
【0023】
本例では、磁気センサ11は、第1の本体1の受話器13にほぼ対向する第2の本体2の場所に配置されているものとする。また、磁気センサ11を受話器13と対向する場所ではなく、スピーカー14と対向する場所に配置しても、同様の機能を有する開閉検知手段を構成することができる。
【0024】
この構成により、図1に示した折畳み式携帯電話機が開いた状態では、磁気センサ11が受話器13に内蔵されたマグネット13aの磁束密度を検知せず、図2に示した折畳み式携帯電話機を閉じた状態では、磁気センサ11が受話器13に内蔵されたマグネット13aの磁束密度を検知して、折畳み式電話機の開閉を知ることができる。
【0025】
本例によれば、従来、開閉検知のためだけに別個に設けていたマグネットを備える必要がなく、磁気センサ11を備えるだけで、折畳み式電話機の開閉検知を行うことができる。
【0026】
(磁気センサの回路構成)
図3は、折畳み式携帯電話機に使用する磁気センサ11の回路構成を示す。
磁気センサ11は、本例では、ホールICを用いるものとする。ホールICは、回路に一定電圧を供給するレギュレータ30と、ホール素子31と、チョッパー回路32と、信号処理回路33と、信号処理されたホール素子31からの検出信号を増幅する増幅器34と、増幅された検出信号をヒステリシスを有した出力信号に変換するように識別するシュミットトリガ回路35と、シュミットトリガ回路35の識別結果を出力する出力トランジスタ36a,36b(CMOSトランジスタ)とから構成されている。
【0027】
この構成により、レギュレータ30から電流が供給されていたホール素子31は、このホール素子31を通過する感磁面に対して垂直な磁場を検出し、磁束密度によって出力値が変化する。そして、ホール素子31から出力された検出信号は、チョッパー回路32によって信号の切替え制御が行われて、信号処理回路33によってオフセット等の不要な成分を除去する信号処理が行われた後、増幅器34によって増幅され、シュミットトリガ回路35において、ヒステリシスを有した特性によりON/OFFが識別される。シュミットトリガ回路35の識別結果は、出力トランジスタ36から開閉検知用の出力信号Voとして出力される。
【0028】
図3のホールICの回路において、ホール素子31と増幅器34の間に接続されたチョッパー回路32を用いて、ホール素子31の入力端子と出力端子とをある一定周期毎に切り替え制御を行う。そして、信号処理回路33を用いて、そのホール素子31の出力電圧を平均化する。
【0029】
具体的には、今、時刻tにおいて、ホール素子31は、入力端子a,c、出力端子b,dの接続状態にあるとすると、ホール素子31の出力電圧Voは、ホール電圧Vhの他に正のオフセット電圧+Vfを含むため、Vo=Vh+Vfとなる。次に、一周期後の時刻tにおいて、入力端子b,d、出力端子a,cの接続状態にあるとすると、ホール電圧Vhの他に負のオフセット電圧−Vfを含むため、ホール素子31の出力電圧Voは、Vo=Vh−Vfとなる。そして、これら出力電圧Voを平均化して、Vo={(Vh+Vf)+(Vh−Vf)}/2=Vhが求まる。
【0030】
これにより、従来、ホールICの特性バラツキの主原因であったホール素子31の出力オフセットである不平衡電圧の影響を無視できるようになるので、特性バラツキの非常に小さいホールICを作製することができ、検出精度すなわちセンサ感度を図4に示すような従来の回路よりも格段に向上させることができる。
【0031】
本発明では、磁気センサ11は、図5に示すように、磁束密度Bが±1.5mTの範囲内でのハイレベル/ローレベルの増減変化に対応して、出力電圧Vaがデジタル的な遷移を行うヒステリシス特性を有する。
【0032】
(磁気センサの比較)
ここで、図3に示す本発明の磁気センサ11の特徴を、図4に示す従来の磁気センサ11aに対して比較して説明する。
【0033】
図3の回路に用いるホール素子31の膜材料としては、高感度なインジウム・アンチモン膜や、温度特性の良好なガリウム・砒素膜が適している。
【0034】
しかし、図4に示したような従来のホールICに用いられるホール素子31の膜材料は、シリコン膜であることがほとんどである。ホール素子31の感度は、上記膜材料の持つ移動度μ(=v/E、v:キャリアの移動速度、E:電界)によって決定されるが、シリコンがμ=0.15〔m/Vs〕であるのに対し、化合物半導体としてのインジウム・アンチモン(InSb)の持つ移動度は、μ=8.20であり、ガリウム・砒素(GaAs)の持つ移動度は、μ=0.97である。
【0035】
シリコンのように低感度な膜材料からなるホール素子31を用いて図3に示すような従来のホールICを構成する場合、もともとのホール素子31のS/Nが小さいうえ、増幅器34のゲインを大きくする必要があるため、特性バラツキは、図6に示すような値、すなわち、磁束密度Bが±6mTの範囲内で変化する程度の値に抑えるのが限界である。
【0036】
また、S/Nの良好なインジウム・アンチモンの膜材料からなるホール素子を用いて図4に示すような従来のホールICを構成したとしても、図6に示す程度のバラツキしか抑えることができない。
【0037】
これに対して、S/Nが大きく高感度な化合物半導体からなるホール素子31を用いて図3に示す本発明のような回路構成とした場合、図5に示す値、すなわち、磁束密度Bが±1.5mTの範囲内で変化する程度の特性バラツキが非常に小さな値に抑えることが可能となり、高感度なホールICを作製することができる。
【0038】
次に、図4の従来の磁気センサ11aは、全ての回路素子をパイポーラICとして一体に作り込んだものである。
【0039】
これに対して、図3の本発明の磁気センサ11は、化合物半導体(InSb、GaAs)からなるホール素子31以外の全ての回路素子をCMOSICとして作り込んだものである。
【0040】
従って、バイポーラICとせずCMOSICとして構成していることから、低消費電力化を図ることができ、また、ホール素子31の出力信号に対して、高速な信号処理を行うことができる。このような高速処理を可能とし、さらにホール素子31のS/Nが大きいので、ホール素子31のもつ不平衡電圧を無視することもできる。
【0041】
そして、本発明のホールICに備えられた図3のチョッパー回路32の端子切替え機能、信号処理回路回路33の信号判別処理の機能は、図4の従来のパイポーラICには存在しない新たな制御機能である。
【0042】
従って、ホール素子31による検出信号から、±1.5mTの範囲内での磁束密度の変化を高感度に検出することができ、出力オフセット等の不平衡電圧の影響を除去した高精度な出力信号を得ることができる。
【0043】
(磁気センサの適用例)
図7は、市販の携帯電話機に用いられるスピーカがもつ周囲磁束密度分布の実測値を示す。
【0044】
発音手段としてのスピーカに内蔵される磁石は、円柱状磁石であるので、周方向(r方向)はどの方向に向かっても対称な分布を示し、スピーカに対向する場所から離れる(z方向)ほど磁束密度Bzは小さくなる。
【0045】
もし、スピーカに対向する場所から磁気センサ11を配置する場所までの距離が、z=6.8mmよりも近い範囲内に配置できれば、磁束密度Bzが±6mT以内で反応するセンサでよいが、実際はそれ以上離れた場所(z=7.8mm,8.8mm,9.8mm)にしか配置できないようなこともあり、このような場合には高感度の磁気センサが必要になっている。
【0046】
その一方で、z方向の磁束密度Bzを検知するホールICは、磁束密度の大きい発音手段等の情報処理手段に対向する場所の近くに配置することが望ましい。
【0047】
そこで、磁束密度が±1.5mTの範囲内で変化するのを検出可能な、高感度な磁気センサ11を作製したことによって、スピーカに対向する場所からz=6.8mm以上離れた場所においても配置することが可能となり、これにより、携帯電話機等の回路設計やスペース面における制約も解消することができ、コンパクトな構成とすることができる。
【0048】
上述したように、発音手段に内蔵された磁束発生手段(マグネット等)は、従来開閉検知用として別個に用いていたものとは異なり、表面磁束密度等の特性値のばらつきが大きいため、磁気センサ11を±1.5mT以内の磁束密度で出力変化する高感度センサにすることによって、発音手段に予め内蔵されている磁束発生手段の特性値のばらつきを無視することができ、確実に開閉検知を行うことができるようになる。
【0049】
以上の説明により、マグネット13aを内蔵する受話器13又はスピーカー14と、±1.5mT以内の磁束密度で出力変化する磁気センサ11との組み合わせによって開閉検知を行うので、部品点数を削減して製造コストを安価にし、小型・軽量化を図った折畳み式携帯電話機を構成できる。
【0050】
また、スピーカー14および受話器13などのマグネットの漏れ磁束や、マグネットの特性ばらつきによる開閉検知の誤動作を防ぐことができる。
【0051】
なお、磁気センサ11としては、ホール素子、ホールIC、磁気抵抗効果素子、磁気抵抗効果IC、またはリードスイッチなど、様々な磁気センサが適用可能である。磁気センサは、好ましくは、開閉検知信号がデジタル出力されるものが望ましい。
【0052】
[第2の例]
本発明の第2の実施の形態を、図8〜図9に基づいて説明する。なお、前述した第1の例と同一部分についてはその説明を省略し、同一符号を付す。
本例は、磁気センサ11を、前述したホールICの代わりに磁気抵抗効果ICを用いて構成した場合の例である。
【0053】
この磁気抵抗効果ICも、磁束密度が±1.5mTの範囲内での増減変化に対応して、出力値がデジタル的な遷移を行うヒステリシス特性を有する。
【0054】
ホールICの場合と同様に、磁気抵抗効果ICについてもシリコンの磁気抵抗効果は非常に小さいので、強磁性体MR(例えば、ニッケル・鉄)などの磁気抵抗効果素子とICとを組み合わせることによって、特性バラツキの小さい磁気センサを構成することができる。
【0055】
ただし、磁気抵抗効果素子のオフセットの影響を無視できるような回路構成(図3に示したようなホールICを用いた構成)は現在存在しないので、ホールICの方が磁気抵抗効果ICに比べ、特性バラツキを小さくすることができる可能性がある。
【0056】
(オフセット配置)
磁気抵抗効果ICは、磁石(磁束発生手段)を内蔵した発音手段(情報処理手段)に対して、オフセット配置することができる。ここでいうオフセット配置とは、磁束発生手段を内蔵した情報処理手段に対向する位置から離れた周辺領域を意味するものである。
【0057】
図8および図9は、それぞれ、円柱状磁石のr方向、z方向に対する磁束密度Br,Bzの分布(計算値)を示す。
【0058】
円柱状磁石のサイズは、5mmφで厚さが1.5mmである。図9のz方向の磁束密度Bzは円柱状磁石中心に対向する場所が一番大きくなるのに対して、図8のr方向の磁束密度Brは磁石中心よりオフセットした場所(この例では、r方向に4〜5mmだけ中心からずれた場所)で最大値をとることがわかる。
【0059】
この磁気抵抗効果ICに関しては、r方向の磁束密度Brを検知するので、オフセットした場所に当たる上記最大値をとる場所に、磁気センサ11を配置することが望ましい。
【0060】
以上のようにオフセット配置することにより、以下の利点を得る。
【0061】
一般に、折畳み式携帯電話器の受話器に内包されるマグネットと磁気センサとしてホールセンサを用いて開閉検知を行う場合、受話器と対向する場所で検出磁束密度が最大になるので、受話器に対向する場所に磁気センサを配置することが望ましいが、通常、受話器に対向する場所には送話器が配置されているので、磁気センサを配置することは難しい。
【0062】
しかしながら、磁気センサ11として感磁面に対して平行な磁場を検出する磁気抵抗効果センサを用いる場合は、受話器に対向する場所ではなく、オフセットした場所で検出される磁束密度が最大となり、さらに、本発明の特徴である±1.5mTという高感度な検出機能を合わせもつことによって、その対向する場所からより遠く離れた場所においても広範囲に渡って検出可能となるため、送話器の配置を変更することなく、開閉検出手段を構成することができる。その結果、”回路基板の部品配置を余儀なく変更しなければならない”といった不具合もなく、設計段階の制約を解消することができる。
【0063】
なお、携帯情報端末装置としては、ノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、電子手帳、ゲーム機、又は携帯電話機など様々な装置を用いることができる。
【0064】
また、発音装置としては、マグネットを内蔵していればよく、例えば、コイルに電流を流して音を発生するスピーカーを用いることができる。携帯電話機においては、着信音を発生させたり、音楽を出力するスピーカーや、受話時に音声を出力する受話器を使用することができる。
【0065】
さらに、発音装置以外にも携帯電話機で使用される部品としては、アイソレータ(isolator)などマグネット等の磁束発生手段を内蔵する情報処理手段の部品が他にもあるので、それら部品を開閉検知に用いてもよい。
【0066】
上述した例では、第2の本体2側に磁気センサ13を配置したが、これとは逆の構成で第1の本体1側に配置してもよく、さらに、対向する本体が2つ以上ある場合にも、同様に構成することができる。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、開閉可能な対向する本体間において、その一方の本体に配設された磁束発生手段(マグネット等)を内蔵する情報処理手段と、他方の本体に配設された±1.5mTの範囲内での磁束密度の変化を高感度に検出可能な磁気センサとを組み合わせて構成し、チョッパー回路や信号処理回路を用いた信号制御処理によって本体間の開閉有無を高感度に検出するようにしたので、マグネットの漏れ磁束や、マグネットの特性ばらつきによる開閉有無の検知の誤動作を防いで、検出精度を一段と向上させることができる。
【0068】
また、本発明によれば、磁束発生手段を別個に設けず、既存のスピーカや受話器等の情報処理手段に内蔵された磁束発生手段を使用したので、部品点数を削減して製造コストを安価にすることができる。
【0069】
さらに、本発明によれば、磁束発生手段を内蔵した情報処理手段に対向した位置のみなず、その対向した位置から離れた周辺領域にも磁気センサを配置できるので、部品配置等の設計変更に裕度をもたせることができ、小型化・軽量化を図った折畳み式携帯情報端末装置を作製することができる。
【0070】
さらにまた、磁気センサ材料として化合物半導体を使用し、CMOSIC回路を構成しているので、非常に高感度で、特性バラツキが小さいのみならず、消費電力の小さい携帯情報端末装置に適した磁気センサを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である、折畳み式携帯電話機の開状態の外観を示す斜視図である。
【図2】折畳み式携帯電話機の閉状態の外観を示す斜視図である。
【図3】折畳み式携帯電話機に使用する磁気センサを示す回路図である。
【図4】比較例として示す従来の折畳み式携帯電話機に使用する磁気センサを示す回路図である。
【図5】ホールICの出力特性(磁束密度−出力電圧)を示す特性図である。
【図6】従来のホールICの出力特性(磁束密度−出力電圧)を示す特性図である。
【図7】ホールICのr方向に対するz方向磁束密度Bzの分布を示す特性図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態である、磁気抵抗効果ICのr方向に対するr方向磁束密度Brの分布を示す特性図である。
【図9】磁気抵抗効果ICのr方向に対するz方向磁束密度Bzの分布を示す特性図である。
【図10】従来の折畳み式携帯電話機における磁気式開閉検知スイッチ機構を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 第1の本体
2 第2の本体
3 結合部
4 液晶表示器
5 アンテナ
6 ボタンスイッチ
7 機能ボタンスイッチ
11 磁気センサ
11a 磁気センサ
13 受話器
13a マグネット
14 スピーカー
30 レギュレータ
31 ホール素子
32 チョッパー回路
33 信号処理回路
34 増幅器
35 シュミットトリガ
36a,36b CMOSトランジスタ
41 第1の本体
42 第2の本体
43 結合部
44 液晶表示器
45 アンテナ
46 ボタンスイッチ
47 機能ボタンスイッチ
51 磁気センサ
52 マグネット
53 受話器
54 スピーカー

Claims (3)

  1. 開閉可能に結合した対向する少なくとも2つの本体部を備え、各本体部に情報処理機能を有する情報処理手段が設けられた折畳み式携帯情報端末装置であって、
    前記一方の本体部に設けられた前記情報処理手段が、磁束を発生する磁束発生手段を内蔵している構成において、
    前記他方の本体部内における前記磁束発生手段からの磁束を検出可能な所定の領域に、該磁束発生手段によって発生された磁束密度を検出する磁気センサを具え、ここで、
    前記所定の領域は、前記磁束発生手段を内蔵した前記情報処理手段に対向する位置、又は、該対向する位置から離れた周辺領域を含み、
    前記磁気センサが、
    感磁面に対して垂直方向の磁束を検出する、化合物半導体からなるセンサ部と、
    前記センサ部により検出された信号から、オフセット成分を除去して信号成分を出力する信号処理制御部と、
    前記信号処理された信号をデジタル的に遷移する信号として出力する、トランジスタを含む出力部とを具え、
    前記信号処理制御部と前記出力部は、CMOSのICにより一体に構成され、
    前記信号処理制御部は、前記信号成分を±1.5mTの範囲内での磁束密度の変化に対応して出力変化し、磁束密度が±1.5mTの範囲内での増減変化に対応して、出力値がデジタル的な遷移を行うヒステリシス特性を有することを特徴とする折畳み式携帯情報端末装置。
  2. 前記一方の本体部の前記情報処理手段は、音声を出力する発音手段であり、
    前記磁束発生手段は、前記発音手段に内蔵されたマグネットであることを特徴とする請求項1に記載の折畳み式携帯情報端末装置。
  3. 前記磁気センサは、ホールセンサであり、
    該ホールセンサは、磁束を検出可能な領域であって前記情報処理手段に対向する位置に配設されたことを特徴とする請求項1または2に記載の折畳み式携帯情報端末装置。
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