以下、本発明の一実施の形態の電気掃除機の構成を図1ないし図5を参照して説明する。
図5において、1は掃除機本体であり、この掃除機本体1は床面を走行可能である。また、この掃除機本体1は、下部ケース2と、この下部ケース2の上部に、この下部ケース2の上部を開放可能に覆って取り付けられる上部ケース3とを備えた本体ケース4と、この本体ケース4内に収容された電動送風機5とを有している。
本体ケース4内の下部ケース2の前側下部には、電動送風機5の吸込側に連通する本体吸込口9が前方に向けて開口されている。また、この本体吸込口9には、蛇腹状のホース体11の基端側が着脱可能に連通接続される。このホース体11の先端側には、第1の集塵部としての筒状の握り管部12が設けられている。この握り管部12の吸気側である先端側には、パイプ状の延長管14を介して吸込口体としての床ブラシ15が着脱可能に連通されて接続される。
握り管部12は、図2に示すように、延長管14の基端側に連通する略円筒状の分離部21、この分離部21の下流側に連通可能、かつホース体11の先端側に連通する連通部22、分離部21の下流側および連通部22の上流側に連通する集塵部23、および、作業者が把持する把持部24を備えている。
分離部21は、略円筒状に形成され、延長管14の基端側が挿入されて着脱可能に連通接続される吸入口26と、この吸入口26の下流側に連通し分離部本体27を収容した通路28とを有している。また、この分離部21の外周面の両側部には、分離部本体27を目視可能にする外周面の両側に略矩形状の窓部29がそれぞれ設けられている。
吸入口26は、分離部21を軸方向に貫通して設けられ、下流側の開口端が下流側に向けて縮径されている。
分離部本体27は、吸入口26から吸い込まれた空気に含まれる塵埃を、この空気から慣性分離するもので、上流側が吸入口26の下流側に連通する管部31と、この管部31に連通する連通管部32とを備えている。
管部31は、下流側に向けて縮径された略円筒状に形成されている。また、この管部31の周壁には、この周壁を管部31の径方向に貫通する開口33が複数設けられている。そして、これら開口33には、メッシュ状の第1のフィルタ34が取り付けられている。
連通管部32は、上流側から下流側へとL字状に屈曲されたパイプ状に形成されている。さらに、この連通管部32は、上流側が管部31の下流側に連通し、かつ下流側が分離部21の下部に開口形成された下部連通口35を介して集塵部23の上流側に連通している。
下部連通口35の内周縁部には、可撓性を有するパッキン36が全周に亘って嵌着されている。
通路28は、開口33に連通し、かつこの開口33および第1のフィルタ34を介して管部31の内部と連通している。このため、分離部21は、管部31と通路28とにより、同軸状の二重管構造に形成されている。
一方、連通部22は、通路28の下流側に連通する直線パイプ状の通路部41が同軸上に収容されている。この通路部41は、連通部22の先端側から基端側に亘って設けられている。
また、通路部41の下側には、集塵部23の下流側に連通する連通開口部45が開口形成されている。さらに、この連通開口部45に対応する連通部22の下側には、この連通開口部45に連通する取付開口部46が開口形成されている。そして、これら連通開口部45および取付開口部46の内周縁部には、シールパッキン47が全周に亘って嵌着されている。
そして、連通部22の取付開口部46よりも基端側の下部には、集塵部23を固定する固定部48が下方に向けて突設されている。
さらに、連通部22は、分離部21に対して下方に屈曲されている。したがって、握り管部12は、側面視で略への字状に形成されている。
また、集塵部23は、分離部21で分離された塵埃を集塵するもので、分離部21および連通部22の下部に着脱可能に取り付けられる。そして、この集塵部23は、略円筒状の集塵部本体51と、この集塵部本体51に開閉可能に設けられた集塵部蓋体52とを備えている。
集塵部本体51は、集塵部23を分離部21および連通部22に取り付けた状態で下部連通口35に連通する上流側開口55を軸方向の一端側の上部に備え、取付開口部46の上流側に連通する下流側開口56を、集塵部蓋体52側である軸方向の他端側の上部に備えている。そして、下流側開口56には、メッシュ状の第2のフィルタ57が取り付けられている。
集塵部蓋体52は、集塵部23を開閉するもので、集塵部23を分離部21および連通部22に取り付ける際に固定部48に固定されるものである。そして、集塵部蓋体52は、集塵部23を固定部48に固定した状態で開閉できなくなっている。
把持部24は、分離部21の下流側の外周面の上部に、連通部22側へと突設されている。そして、この把持部24には、図5に示すように、電動送風機5の駆動状態などを設定する設定ボタン58が複数設けられている。
一方、本体ケース4内には、図1、図3および図4に示すように、本体吸込口9に連通する本体集塵室61と、この本体集塵室61の下流側に配置された塵落とし機構62と、この塵落とし機構62の下流側に連通するとともに電動送風機5の吸込側に連通する補助空間部63とをそれぞれ備えている。また、この本体ケース4の下部には、本体集塵室61および補助空間部63の下端部に連通する本体開口部64が開口形成されている。さらに、この本体開口部64には、この本体開口部64を開閉可能に設けられた旋回輪65と、第2の集塵部としての集塵ボックス66とがそれぞれ設けられている。そして、本体ケース4の後部の両側には、大径の走行輪67がそれぞれ回転可能に設けられている。これら走行輪67および旋回輪65により、掃除機本体1が被掃除面としての床面上を走行可能となっている。
本体集塵室61は、本体ケース4の下端部から上端部に亘って形成されている。そして、この本体集塵室61には、フィルタ部としての集塵フィルタ組立68が着脱可能に設けられている。
この集塵フィルタ組立68は、旋回輪65にて開けた状態の本体開口部64から本体ケース4の外部へと取り外し可能に設けられている。そして、この集塵フィルタ組立68は、フィルタ取付枠71と、このフィルタ取付枠71に取り付けられるフィルタ72とを有している。
フィルタ取付枠71は、フィルタ72の前側に位置する取付枠本体73と、フィルタ72を保持して取付枠本体73に取り付けられるフィルタ保持枠74とを備えている。
取付枠本体73は、フィルタ72の前側に位置する前面部73a、この前面部73aの後端部から後方に突設されフィルタ保持枠74の周囲に位置する側面部73b、および、側面部73bの下端部の前後方向の中心部に穿設された枠開口部73cをそれぞれ有している。
前面部73aは、集塵フィルタ組立68を本体集塵室61に取り付けた状態で本体集塵室61の前部に当接する。また、この前面部73aの上下方向の中心域には、集塵フィルタ組立68を本体集塵室61に取り付けた状態で本体吸込口9に連通する連通開口75が穿設されている。そして、この連通開口75の前側の周縁部は、本体吸込口9の下流側の端部に嵌着された本体パッキン76により、本体吸込口9に気密に接続される。
側面部73bは、フィルタ保持枠74が気密に嵌着される部分であり、前面部73aの外周縁部全体に設けられている。そして、この側面部73bは、上側が後方に向けて上方向に傾斜している。このため、フィルタ72は、フィルタ保持枠74とともに、上部が下部よりも前側に位置するように傾斜した状態で取付枠本体73に取り付けられる。さらに、側面部73bの上端部の外部には、集塵フィルタ組立68を本体集塵室61に固定可能にする固定突出部77が上方向に向けて突設されている。この固定突出部77は、本体集塵室61内の上部に設けられた嵌合凹部78に下側から嵌合されることで集塵フィルタ組立68を本体集塵室61に固定するものである。
枠開口部73cは、フィルタ保持枠74の下端部の前方に位置し、集塵ボックス66と取付枠本体73内とを互いに連通するものである。さらに、この枠開口部73cの後側の縁部には、前方に向けて下方向に傾斜した枠傾斜面81が設けられている。そして、この枠開口部73cの下側の周縁部には、集塵ボックス66と取付枠本体73内とを気密に接続する開口部パッキン82が嵌着されている。
また、フィルタ保持枠74は、このフィルタ保持枠74を取付枠本体73に取り付けた状態で取付枠本体73の側面部73bの内周縁部に気密に当接する外枠部74aと、この外枠部74aよりも内側に設けられた嵌合部74bと、フィルタ72の下方に位置した傾斜面部74cとを有している。
外枠部74aには、全周に亘って嵌合凹部83が設けられている。この嵌合凹部83には、取付枠本体73の側面部73bに気密に当接する枠部パッキン84が嵌着されている。また、この外枠部74aの後端部には、取付枠本体73の側面部73bの後端部に当接するフランジ部85が突設されている。
嵌合部74bは、フィルタ72の下流側に嵌合されてこのフィルタ72をフィルタ保持枠74に保持するもので、フィルタ保持枠74の後側から前側に突設されている。
傾斜面部74cは、フィルタ72の下方に設けられ、前方に向けて下方に傾斜している。そして、この傾斜面部74cは、枠開口部73cの後側の枠傾斜面81に連続している。
また、フィルタ72は、各フィルタ34,57を通過した空気に含まれる微細塵を捕集するもので、電動送風機5の吸込側に位置し、これら各フィルタ34,57よりも目が細かいメッシュ状に形成されている。さらに、このフィルタ72は、幅方向に沿って前後方向に交互に山谷となるように折り曲げられた、いわゆるプリーツ状となっている。
塵落とし機構62は、フィルタ72で捕集した塵埃を、このフィルタ72から叩き落とすもので、略円形板状の後側板部87と、この後側板部87の前側に回転可能に軸支された略円形板状の前側板部88とを有している。
後側板部87は、外周縁部に後側パッキン87aが嵌着され、この後側パッキン87aにより集塵フィルタ組立68の後部に気密に配置されている。また、この後側板部87の中心部には、前側板部88を回転可能に軸支する軸支突出部87bが前方向に突設されている。さらに、この後側板部87の軸支突出部87bの周囲には、補助空間部63に連通する後側連通孔87cが厚さ方向である前後方向に穿設されている。そして、この後側板部87の上側寄りの位置には、ギア89が取り付けられるギア取付孔87dが穿設されている。また、この後側板部87の下側寄りの位置には、補助塵落とし機構としての塵落とし体91が嵌着される嵌着孔87eが穿設されている。
一方、前側板部88は、後側板部87の前側にこの後側板部87に対して略同軸状に隙間なく配置され、集塵フィルタ組立68のフィルタ72の下流側に対向している。また、この前側板部88の中心部には、後側板部87の軸支突出部87bに回転可能に嵌合される被軸支部88aが後方に向けて突設されている。さらに、この前側板部88の被軸支部88aの周囲には、後側板部87の後側連通孔87cに連通する前側連通孔88bが厚さ方向である前後方向に穿設されている。そして、この前側板部88の前側には、叩き部材としてのスプリング93が取り付けられている。また、前側板部88の外周縁部には、ギア89に歯合するギア歯合部88cが設けられている。
ギア89は、前側板部88のギア歯合部88cに歯合する歯合部89aを外周部に備えている。そして、このギア89は、モータ92により周方向に回転されることで、前側板部88を周方向に回転させるものである。
塵落とし体91は、前側板部88の回転に伴って回転されて補助フィルタ105に付着した塵埃を集塵ボックス66内に落とすものである。そして、この塵落とし体91は、ギア歯合部88cに歯合する歯合体91aと、この歯合体91aに取り付けられた突出体91bとを備えている。
歯合体91aは、略円柱状に設けられ、後側板部87の嵌着孔87eに挿通され、後側板部87の前後にそれぞれ突出し、後側板部87の前側で前側板部88のギア歯合部88cに歯合されている。
突出体91bは、補助フィルタ105の下流側を叩いてこの補助フィルタ105で捕集された塵埃を集塵ボックス66内へと叩き落とすもので、歯合体91aの後端部に、この歯合体91aの径方向に沿って突設され、先端部が補助フィルタ105の下流側に接触している。
スプリング93は、前側板部88とフィルタ72の下流側との間に配置され、このフィルタ72の山谷の下流側に弾性的に嵌合することで、フィルタ72に付着した塵埃を下流側から叩いて上流側に落とすものである。
補助空間部63は、塵落とし機構62の周縁部に後側パッキン87aにより気密に嵌着された区画板部94により塵落とし機構62の下流側と電動送風機5の上流側との間に区画形成されている。そして、この区画板部94は、電動送風機5の吸込側に連通する連通開口94aと、モータ92が嵌着されるモータ嵌着部94bと、集塵ボックス66に連通する空間開口部94cとをそれぞれ備えている。
連通開口94aは、区画板部94の後側に、電動送風機5と同軸状に穿設されている。
モータ嵌着部94bは、区画板部94の上側寄りの位置に、前方向に凹状に設けられ、モータ92が前後方向に沿って配置されている。
空間開口部94cは、補助空間部63と集塵ボックス66とを連通するもので、下側の周縁部に、補助空間部63と集塵ボックス66とを気密に接続する補助開口部パッキン95が嵌着されている。
そして、本体開口部64は、下部ケース2の下部の前側寄りの位置に上下方向に穿設されている。また、この本体開口部64の後側寄りの位置には、旋回輪65を上下方向に回動可能に軸支する軸支突部96が本体ケース4の幅方向に沿って設けられている。
旋回輪65は、本体ケース4に回動可能に設けられた軸支板部97と、この軸支板部97に旋回可能に軸支された旋回輪本体98とを備えている。
軸支板部97は、本体開口部64を開閉可能とするもので、軸支突部96に回動可能に係合される係合部97aを後端部に有しているとともに、旋回輪本体98を床面に対して旋回可能に軸支する旋回軸支部97bを前後方向の中心部に有している。
旋回輪本体98は、軸支板部97の旋回軸支部97bに旋回可能に軸支された本体部98aと、この本体部98aの後端部に前後方向に回転可能に軸支された回転部98bとを有している。
集塵ボックス66は、旋回輪65にて開けた状態の本体開口部64から本体ケース4の外部へと取り外し可能に設けられている。また、この集塵ボックス66は、枠開口部73cから空間開口部94cに亘って受け皿状に設けられ、枠開口部73cに連通する開口部101と、空間開口部94cに連通する補助開口部102とを上端部にそれぞれ備えている。さらに、この集塵ボックス66には、開口部101の下方から補助開口部102の下方へと側方に延設された塵溜め部103が設けられている。そして、この塵溜め部103には、前側から後側に向けて下方に傾斜した壁部である傾斜部104が設けられている。
開口部101は、フィルタ72の下方に位置し、開口部パッキン82により枠開口部73cに気密に接続される。
補助開口部102は、開口部101から水平方向後側に離間された位置に設けられ、補助開口部パッキン95により空間開口部94cに気密に接続される。したがって、この補助空間部102は、補助空間部63を介して電動送風機5の吸込側に連通する。また、この補助開口部102には、補助フィルタ105が取り付けられている。この補助フィルタ105は、集塵ボックス66内を通過する空気に含まれる塵埃を捕集するもので、塵落とし体91により塵落としされる。
塵溜め部103は、集塵ボックス66内に吸い込まれた塵埃および塵落とし体91により補助フィルタ105から叩き落とされ開口部101から流入する塵埃を集塵するもので、集塵ボックス66の前側よりも広い袋状の空間部となっている。
傾斜部104は、集塵ボックス66内に集塵された塵埃を塵溜め部103へと導くもので、開口部101に対応するこの開口部101の下方の位置から水平方向に離れた位置である後側に向けて下方に低くなるように傾斜している。また、この傾斜部104は、補助開口部102に対応するこの補助開口部102の下方の位置近傍で、下方に向けて急角度に傾斜している。
走行輪67は、電動送風機5の両側方に位置し、図5に示すように、多数の排気孔106が穿設されている。これら排気孔106は、電動送風機5の排気側に連通し、この電動送風機5から排気された排気風の一部を本体ケース4の外部に排気するものである。また、これら走行輪67は、掃除機本体1の後部を床面に置いて立てる際に、この掃除機本体1の後端部とともにこの掃除機本体1を支持するものである。したがって、掃除機本体1は、この立てた状態で後側が下側となる。このため、集塵ボックス66の塵溜め部103は、掃除機本体1の後部を下にして立てた状態での下方向に設けられている。
電動送風機5は、前後方向に沿って配置され、上部がモータカバー107により覆われている。また、この電動送風機5は、本体ケース4から後方に導出された電源プラグ108を介して図示しない商用交流電源から供給される電力により駆動される。そして、本体ケース4内のモータカバー107の上方には、制御回路109が配置されている。この制御回路109は、電動送風機5、設定ボタン58およびモータ92などに電気的に接続され、作業者の操作に応じて電動送風機5をオンオフさせたり、所定の駆動モードで作動させたり、また、モータ92を駆動させて塵落とし機構62を駆動させるものである。
そして、本体ケース4の電動送風機5の後部には、この電動送風機5から排気された排気風の一部を本体ケース4の外部に排気する本体排気孔110が複数穿設されている。
次に、上記一実施の形態の動作を説明する。
まず、本体吸込口9にホース体11、延長管14および床ブラシ15を順次連通接続し、握り管部12の分離部21の下部に集塵部23を取り付ける。
この後、握り管部12の把持部24を把持しつつ、この把持部24の所定の設定ボタン58をオンして本体ケース4内の電動送風機5を駆動させ、作業者が把持部24を把持して床ブラシ15を前後に操作して掃除する。
電動送風機5の駆動により、空気とともに床ブラシ15から吸い込まれた床面上の塵埃は、延長管14内をこの延長管14の軸方向に沿って直線状に通過し、握り管部12の吸入口26に流入し、下流側に向けて絞られて流速を速められつつ、分離部本体27内へと流入する。
この分離部本体27内に流入した塵埃は、比較的重量が大きい、すなわち慣性が大きいものが、管部31を直進した後、連通管部32を経由して下部連通口35および上流側開口55から集塵部23内へと流入し、この集塵部23内に集塵される。
一方、分離部本体27内に流入した塵埃で比較的重量が小さい、すなわち慣性が小さいものは、管部31の開口33を通過する空気により運ばれて第1のフィルタ34に捕集される。
集塵部23に流入した空気は、下流側開口56、取付開口部46および連通開口部45を通過した後、連通部22へと流入する。このとき、第2のフィルタ57により、微細な塵埃が捕集される。
一方、開口33を通過した空気は、連通部22へと流入する。
そして、これら連通部22に流入した空気は、ホース体11を介して本体吸込口9から掃除機本体1内の本体集塵室61内へと吸い込まれる。
さらに、この本体集塵室61内に吸い込まれた空気の一部は、フィルタ72を通過する際に微細塵を捕集され、補助空間部63へと流入する。
また、この本体集塵室61内に吸い込まれた空気の他の一部は、枠開口部73cおよび開口部101から集塵ボックス66内へと流入し、この集塵ボックス66内の塵埃を塵溜め部103へと圧縮しつつ、補助開口部102および空間開口部94cを経由して補助空間部63へと流入する。このとき、補助フィルタ105により、この空気に含まれる塵埃が捕集される。
この後、補助空間部63に流入した空気は、連通開口94aを介して電動送風機5の吸込側に吸い込まれ、電動送風機5内を冷却しつつこの電動送風機5内を通過し、排気孔106および本体排気孔110から本体ケース4の外部へと排気される。
そして、制御回路109は、電動送風機5のオフ動作に連動するなどのタイミングでモータ92を駆動させ、塵落とし機構62を駆動させる。
すなわち、モータ92により回転されたギア89に歯合した前側板部88が回動し、スプリング93がフィルタ72の山谷に嵌合することで、フィルタ72を下流側から叩き、このフィルタ72に捕集された塵埃を叩き落とす。
このフィルタ72から叩き落とされた塵埃は、傾斜面部74cに落下するなどして枠開口部73cおよび開口部101から集塵ボックス66内へと溜められ、この集塵ボックス66内の傾斜部104に沿って塵溜め部103へと、すなわちフィルタ72の下方から離れた位置へと導かれる。
同時に、前側板部88の回動により、この前側板部88に歯合した塵落とし体91の歯合体91aが回動し、突出体91bが補助フィルタ105が下流側から叩き、この補助フィルタ105に捕集された塵埃を塵溜め部103へと叩き落とす。
塵埃が集塵部23内に所定量溜まった際には、集塵部23を取り外し、集塵部蓋体52を開けて集塵部23内の塵埃を廃棄した後、集塵部蓋体52を閉じて集塵部23を再び取り付けて使用する。
また、集塵ボックス66を掃除する際には、図3に示すように、軸支突部96を中心として旋回輪65を後方に回動させ、集塵ボックス66を本体開口部64から外部に取り外して掃除する。
さらに、フィルタ72を掃除する際には、図4に示すように、集塵ボックス66を取り外した状態で集塵フィルタ組立68を本体集塵室61から取り外した後、フィルタ72をフィルタ保持枠74とともに取付枠本体73から取り外し、掃除する。
上述したように、上記一実施の形態では、塵落とし機構62により叩き落とされた塵埃を集塵する集塵ボックス66に、フィルタ72の下方に位置した開口部101と、この開口部101の下方から側方に延設された塵溜め部103とを設ける構成とした。
この結果、フィルタ72から叩き落とされた塵埃が開口部101から集塵ボックス66内に流入すると、開口部101の下方から側方に延設された塵溜め部103に集塵されるので、集塵ボックス66内の塵埃が開口部101からの負圧の影響を受けにくくなり、電動送風機5を再度駆動させた際に、集塵ボックス66内の塵埃が電動送風機5の負圧により開口部101から吸い出されて漏れることを抑制でき、一度落とされた塵埃が再浮上してフィルタ72に再度付着することを抑制できる。
また、開口部101から下方に低くなるように傾斜した傾斜部104を塵溜め部103に設けることで、集塵ボックス66に流入した塵埃を、傾斜部104に沿ってフィルタ72から離れる方向へと確実に移動して塵溜め部103へと追いやることができる。
またさらに、塵溜め部103を、掃除機本体1の後部を下にした状態での下方向に設けることで、作業者が頻繁に行なう掃除機本体1を立てる際などでも、集塵ボックス66内の塵埃が開口部101から漏れることを、より確実に抑制できる。
さらに、傾斜部104が補助開口部102の下方で急角度に下方に傾斜していることで、集塵ボックス66に吸い込まれた塵埃が塵溜め部103へと、より移動し易くなるとともに、掃除機本体1を立てた際に、下側に位置した塵溜め部103側が広くなるので、集塵ボックス66内に集塵された塵埃を集塵ボックス66の外部に、より漏れにくくできる。
そして、集塵ボックス66に、電動送風機5の吸込側に連通する補助開口部102を設け、この補助開口部102に補助フィルタ105を設けることで、電動送風機5の駆動により補助開口部102から空気が補助空間部63へと引き込まれるため、集塵ボックス66内の塵埃が開口部101から離れた位置へと効率よく移動して追いやられるので、開口部101からの塵埃の漏れを、より確実に抑制できる。
また、叩き落した塵埃のフィルタ72への再度の付着を防止できるので、フィルタ72が目詰まりしにくく、電動送風機5による吸込効率の低下などをも防止でき、電気掃除機の信頼性を向上できる。
さらに、補助フィルタ105で捕集した塵埃を、塵落とし機構62の駆動に連動した塵落とし体91で集塵ボックス66の塵溜め部103に叩き落とすため、補助フィルタ105の目詰まりを確実に防止できる。
しかも、塵落とし体91の駆動源を塵落とし機構62を駆動させるためのモータ92で共用できるので、掃除機本体1内の構成を簡略化できる。
そして、集塵ボックス66の補助開口部102の下方に塵溜め部103を設けることで、集塵ボックス66内に集塵された塵埃が開口部101から漏れることを、より確実に防止できるとともに、補助フィルタ105から叩き落とされた塵埃を直接塵溜め部103に集塵でき、集塵ボックス66の集塵効率を向上できる。
また、本体集塵室61および補助空間部63の下方に本体開口部64を設け、この本体開口部64を旋回輪65で開閉可能とすることにより、集塵ボックス66および集塵フィルタ組立68を下方に取り外すことが可能になる。
さらに、集塵ボックス66および集塵フィルタ組立68をそれぞれ本体ケース4から着脱可能とすることで、これら集塵ボックス66および集塵フィルタ組立68を、それぞれ容易に掃除できる。
そして、フィルタ72を、上側が下側に対して前方に傾斜するように掃除機本体1内に配置することで、フィルタ72から叩き落とされた塵埃を開口部101へと確実に落下させることができる。
また、フィルタ保持枠74のフィルタ72の下方に、開口部101へと傾斜する傾斜面部74cを設けることで、フィルタ72から叩き落とされた塵埃を開口部101へと確実に落下させることができる。
さらに、開口部101の後側に、傾斜面部74cに連続する枠傾斜面81を設けることで、傾斜面部74cにより導かれた塵埃を開口部101へと、より確実に導くことができる。
なお、上記一実施の形態において、集塵ボックス66には、傾斜部104を設けない構成も可能である。
また、掃除機本体1内の構造の細部、あるいは握り管部12の構造は、上記構成に限定されるものではない。