JP4235947B2 - 監視カメラ装置および監視方法 - Google Patents

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Description

本発明は、撮影領域を水平方向に移動可能な監視カメラ装置に係り、特に広い範囲を効率良く監視する装置に関する。
近年、カメラとカメラの回転台とをドーム型のハウジングに収めたドームカメラと呼ばれるビデオカメラが監視用途に用いられている。このドームカメラは、回転台の動作によりパン(水平方向の回転)とチルト(垂直方向の回転)とを合わせて行うことができ、パン方向には360度のエンドレス、チルト方向には0度から90度の回転が可能である。このようなドームカメラを建物の天井などに設置し、コントローラの操作によって、所望の方角を撮影し、モニターで監視することが行われている(例えば、特許文献1参照。)。
図5は、従来から行われているドームカメラを使った監視システムの構成を示したものである。ドームカメラ51は、コントローラ52に設けられているジョイステック522でパン・チルトの回転方向を手動制御できるようになっている。ドームカメラ51で撮影した画像はモニター53に表示し監視を行う。
このドームカメラを用いて所望の場所を監視したい場合は、ジョイステック522を操作して、カメラをその方向に任意の速度で向けることができる。ジョイステック522を傾けると、ドームカメラはジョイステック522の縦軸方向の傾き量に応じた速度でチルト方向に回転し、また、横軸方向の傾き量に応じた速度でパン方向に回転する。操作者はモニター53に表示される画像を見ながら所望位置の画像が映し出されたとき、ジョイステック522を中立位置に戻してカメラの回転を停止させる。
また、指定した範囲を繰り返し撮影するためにオートパンと呼ばれる機能が用意されている。これは、コントローラ52に設けられている巡回ボタン521を押すことにより、設定されている水平方向の一定区域を往復撮影するもので、これにより広い範囲を連続して監視することができる。ことに監視したい区域がカメラを中心として扇状若しくは水平に並んでいる場合には有効な監視を行うことができる。
特開2001−103456号公報
前記のオートパンは、ドームカメラを中心として監視したい区域が扇状若しくは水平に連続している場合は有効な機能であるが、監視したい区域が連続していない場合には、監視の必要がない区間が何度も撮影されてしまい効率的でない。このことを図6で説明する。
図6はドームカメラと監視対象物を上からみた図である。同図に示すように、ドームカメラ51を中心にして、監視の開始点62から終了点63までをゆっくりと往復パン撮影した場合、監視対象物64a、64b、64cのグループと同64d、64e、64fのグループとが離れている場合には、64cと64dの区間は毎回無駄な監視時間が生じるという問題があった。
本発明は、このような従来の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、監視の必要がない区間の撮影時間を短縮することが可能な、効率の良い監視カメラ装置を提供するものである。
本発明は、上記課題を解決する手段として以下の(1)(2)に記載の構成からなる。すなわち、
(1)撮影の方向を略水平方向の一定角度範囲にわたって繰り返し移動し、監視対象物を順次撮影する監視カメラ装置において、
当該監視カメラ装置は、制御信号により回転方向と回転速度が制御される回転可能な雲台部と、前記雲台部に固定され監視対象物を撮影する撮像部と、前記雲台部の回転角度を検出するセンサーと、前記センサーの検出値が入力されると共に前記雲台部に前記制御信号を出力するカメラCPU部と、複数の角度情報を前記カメラCPU部に出力するメモリ部とを有する構成であり、
前記メモリ部は、前記監視対象物の監視領域の開始点と終了点および前記監視領域内における監視不要区間の開始点と終了点とにおける前記センサーの値を夫々前記雲台の回転角度情報として記憶し、
前記カメラCPU部は、前記監視領域内では、第1の回転速度で前記雲台を往復駆動する制御信号を出力し、前記監視不要区間では、前記第1の回転速度に代わり、前記第1の速度よりも高速の第2の回転速度で前記雲台を駆動する制御信号を出力する
ことを特徴とする監視カメラ装置。
(2)制御信号により回転方向と回転速度が制御される回転可能な雲台部と、前記雲台部に固定され監視対象物を撮影する撮像部と、前記雲台部の回転角度を検出するセンサーと、前記センサーの検出値が入力されると共に前記雲台部に前記制御信号を出力するカメラCPU部と、複数の角度情報を前記カメラCPU部に出力するメモリ部と
で構成されている監視カメラ装置の監視方法において、
監視領域の開始点と終了点および前記監視領域内における監視不要区間の開始点と終了点とを、夫々前記雲台の回転角度情報として、前記センサーの値を前記メモリ部に記憶させる記憶ステップと、
前記記憶ステップにより記憶されたメモリ部の情報に基づき、前記監視領域においては、前記雲台部を第1の回転速度で繰り返し往復回転させる第1の駆動ステップと、
前記監視不要区間においては、前記雲台部を前記第1の回転速度に代わり、前記第1の速度よりも高速の第2の回転速度で駆動する第2の駆動ステップと、
前記撮像部の映像信号出力を監視する監視ステップと
を備えたことを特徴とする監視カメラ装置の監視方法。
監視の開始点から終了点までをゆっくりと往復パン撮影する場合に、監視の必要がない区間をあらかじめ設定することにより、その区間の撮影時間を短縮し、その分の時間を監視対象物に割り当てることができる効率の良い監視が可能になる。
以下、本発明の監視カメラ装置および監視方法の実施形態につき、好ましい実施例により図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る監視カメラ装置の構成を示すブロック図、図2はオートパンによる撮影範囲を示した図、図3はオートパン設定画面を示した図、図4はオートパン設定ファイルの例を示した図である。なお、図1を説明するにあたり、図2、図3、図4等の符号を参照することがある。
図1において、1はドームカメラで、その内部の11は撮像部、12は撮像部をパン方向に駆動する雲台駆動部、13は主に雲台駆動部12を制御するカメラCPU、14は内蔵メモリである。雲台駆動部12には雲台の回転角度を測定するセンサー15が内蔵されている。また、2はコントローラで、その内部の21はジョイスティック、22は上ボタン、23は下ボタン、24はセットボタン、25はメニューボタン、26はオートパンボタンである。
ドームカメラ1とコントローラ2はケーブルで接続されていて、RS−485などの通信プロトコルでコントローラ2によってドームカメラ1が制御されている。また撮像部11で撮影されたドームカメラ2の映像出力はケーブルを通してモニター3に接続されていて、ドームカメラ1で撮影した画像がモニター3に表示される。
図2において、1はドームカメラで、その内部にある図1に示す撮像部11が回転し、オートパン開始点42とオートパン終了点43との間を繰り返し連続撮影を行う。また、44は監視する必要がない区間の始まりであるスキップ開始点、45は同じく監視する必要がない区間の終わりであるスキップ終了点で、46a、46b、46cと46d、46e、46fは夫々監視したい対象物である。
次にオートパンの設定について説明する。操作者は図1に示すコントローラ2のジョイスティック21を使ってドームカメラ1を制御する。ジョイスティック21を動かすとコントローラ2からドームカメラ1に制御信号が送られ、カメラCPU13が雲台駆動部12を駆動して撮像部11を水平方向の左右に回転させる。これらの操作でまずオートパンを開始したい地点をモニター3の画面で探し出す。この地点は図2のオートパン開始点42にあたる。
次にコントローラ2のメニューボタン25を押すと、モニター3には図3(a)に示す「MENU」画面が表示される。そしてジョイスティック21または上ボタン22か下ボタン23を使って矢印表示されたカーソルを動かし、この画面の中から「AUTOPAN」を選択し、次いでセットボタン26を押し設定を確定する。
この操作で、モニター3の画面は図3(b)に示す「AUTOPAN」に表示が切り替る。そして再びジョイスティック21を使ってカーソルを動かし、この画面の中から「AUTOPAN START」を選択してセットボタン24を押す。
この操作によりカメラCPU13は、雲台駆動部12に内蔵されたセンサー15からオートパン開始点42の水平角度のデータを取得し、このデータを内蔵メモリ14の設定ファイルに記録する。この設定が済むとモニター3にはドームカメラ1の映像が再び表示される。
次に操作者は、ジョイスティック21でドームカメラ1を操作し、オートパンを終了したい地点がモニター3の画面に写るようにする。この地点は図2に示すオートパン終了点43にあたる。そして再度メニューボタン25を押し、図3(a)に示す画面から「AUTOPAN」を選択し、次いで同図(b)に示す画面に移り、この中から「AUTOPAN END」を選択してセットボタン24を押す。これによりカメラCPU13はセンサー15からオートパン終了点43の水平角度のデータを取得し、内蔵メモリ14の設定ファイルに記録する。
次に、オートパンによる撮影で監視する必要がない区間の設定について説明する。
操作者はジョイスティック21でドームカメラ1を操作し、監視する必要がない区間の開始点をモニター3の画面に写す。この地点は図2に示すスキップ開始点44にあたる。そして前述の操作と同様にメニューボタン25を押し、図3(a)に示す画面から「AUTOPAN」を選択、次いで同図(b)に示す画面から「AUTOPAN SKIP START」を選択してセットボタン24を押す。これによりカメラCPU13はセンサー15からスキップ開始点44の水平角度のデータを取得し、内蔵メモリ14の設定ファイルに記録する。
同様に、監視する必要がない区間の終了点を撮影し、同じ手順で図3(b)に示す画面から「AUTOPAN SKIP END」を選択してセットボタン24を押し、スキップ終了点45の水平角度のデータを内蔵メモリ14の設定ファイルに記録する。以上でオートパンの設定は終了である。
図4は上記の設定操作で内蔵メモリ14に記憶されたオートパン設定ファイルの例を示したものである。この図においては左側がオートパンの動作切り替え点の名称、右側がその点の水平角度である。
次に、ドームカメラ1が実際にオートパン撮影を行う動作について説明する。
オートパン撮影を開始するには、まずコントローラ2のオートパンボタン26を押す。オートパンボタン26が押されると、カメラCPU13は内蔵メモリ14に記憶されている図4に示す設定ファイルのデータから「AUTO PAN START」の値を参照し、センサー15の出力が上記の値になるように雲台駆動部12を駆動する。こうしてドームカメラ1は図2に示すオートパン開始点42の場所にセットされる。なお、この時の雲台の回転速度は最高速度とする。一例として雲台の最高回転速度は360度/秒である。
ドームカメラ1がオートパン開始点42の角度にセットされると、次いでカメラCPU13は内蔵メモリ14から「AUTOPAN SKIP START」の値を参照し、この角度になるまで雲台駆動部12を監視に適した速度(例えば5度/秒)で時計回りに回転させる。この間ドームカメラ1で撮影された映像はモニター3に表示され、監視が行われる。
次いで、センサー15の値が上記「AUTOPAN SKIP START」の角度になると、カメラCPU13は内蔵メモリ14から「AUTOPAN SKIP END」の値を参照し、センサー15の値がこの角度になるまで雲台駆動部12を時計回りに最高速度で駆動する。
そして、センサー15の値が上記「AUTOPAN SKIP END」になると、カメラCPU13は雲台駆動部12の回転速度を監視に適した速度に下げると共に、内蔵メモリ14から「AUTOPAN END」の値を参照し、センサー15の値がこの値になるまでこの回転速度を継続する。この間ドームカメラ1が撮影した映像はモニター3に表示され、監視が続けられる。
次いで、センサー15の値が「AUTOPAN END」の値になると、カメラCPU13は雲台駆動部12の回転駆動を反時計方向に反転させる。反時計方向の回転速度は時計方向の時と同一である。こうして前述の「AUTOPAN SKIP END」の角度になるまでこの回転を継続し監視が続けられる。
次にセンサー15の値が「AUTOPAN SKIP END」の値になると、カメラCPU13は雲台駆動部12の回転駆動を「AUTOPAN SKIP START」の角度になるまで、反時計回りのまま最高速度で駆動する。センサー15の値が「AUTOPAN SKIP START」の値になると、カメラCPU13は雲台駆動部12の回転駆動を監視に適した速度に下げ、次の動作切り換え点である「AUTO PAN START」の位置まで再び監視状態にする。
こうしてセンサー15の値が「AUTOPAN START」の値になると、カメラCPU13は雲台駆動部12の回転駆動を再度時計方向に反転させ、監視状態を継続する。ここまでがオートパンの1周期である。図2において、扇状に示した実線区間がドームカメラ41の監視領域、点線区間がスキップ区間、矢印の方向は撮影の移動方向である。
以上の動作を繰り返すことで、監視の必要のない区間は短時間で通過し、監視が必要な区間はゆっくりと撮影できるので、従来の方法に比し効率の良いオートパンによる監視が行える。
なお、本実施例の説明では、撮像部11を水平方向に動かす記述になっているが、これに限ることはなく、たとえばドームカメラ1が監視対象物よりも高所に設置されている場合には、雲台駆動部12を傾けて設置すれば、同様な動作で若干の俯瞰撮影が行えることは明白である。
本発明に係る監視カメラ装置の構成を示すブロック図である。 オートパンによる撮影範囲を示した図である。 オートパン設定画面を示した図である。 オートパン設定ファイルの例を示した図である。 従来の監視カメラ装置の構成図である。 従来のオートパンの撮影範囲を示した図である。
符号の説明
1 ドームカメラ
11 撮像部
12 雲台駆動部
13 カメラCPU
14 内蔵メモリ
15 センサー
2 コントローラ
21 ジョイスティック
22 上ボタン
23 下ボタン
24 セットボタン
25 メニューボタン
26 オートパンボタン
3 モニター
42 オートパン開始点
43 オートパン終了点
44 スキップ開始点
45 スキップ終了点
46a−46f 監視対象物
51 ドームカメラ
52 コントローラ
53 モニター
62 監視の開始点
63 監視の終了点
64a−64f 監視対象物

Claims (2)

  1. 撮影の方向を略水平方向の一定角度範囲にわたって繰り返し移動し、監視対象物を順次撮影する監視カメラ装置において、
    当該監視カメラ装置は、制御信号により回転方向と回転速度が制御される回転可能な雲台部と、前記雲台部に固定され監視対象物を撮影する撮像部と、前記雲台部の回転角度を検出するセンサーと、前記センサーの検出値が入力されると共に前記雲台部に前記制御信号を出力するカメラCPU部と、複数の角度情報を前記カメラCPU部に出力するメモリ部とを有する構成であり、
    前記メモリ部は、前記監視対象物の監視領域の開始点と終了点および前記監視領域内における監視不要区間の開始点と終了点とにおける前記センサーの値を夫々前記雲台の回転角度情報として記憶し、
    前記カメラCPU部は、前記監視領域内では、第1の回転速度で前記雲台を往復駆動する制御信号を出力し、前記監視不要区間では、前記第1の回転速度に代わり、前記第1の速度よりも高速の第2の回転速度で前記雲台を駆動する制御信号を出力する
    ことを特徴とする監視カメラ装置。
  2. 制御信号により回転方向と回転速度が制御される回転可能な雲台部と、前記雲台部に固定され監視対象物を撮影する撮像部と、前記雲台部の回転角度を検出するセンサーと、前記センサーの検出値が入力されると共に前記雲台部に前記制御信号を出力するカメラCPU部と、複数の角度情報を前記カメラCPU部に出力するメモリ部と
    で構成されている監視カメラ装置の監視方法において、
    監視領域の開始点と終了点および前記監視領域内における監視不要区間の開始点と終了点とを、夫々前記雲台の回転角度情報として、前記センサーの値を前記メモリ部に記憶させる記憶ステップと、
    前記記憶ステップにより記憶されたメモリ部の情報に基づき、前記監視領域においては、前記雲台部を第1の回転速度で繰り返し往復回転させる第1の駆動ステップと、
    前記監視不要区間においては、前記雲台部を前記第1の回転速度に代わり、前記第1の速度よりも高速の第2の回転速度で駆動する第2の駆動ステップと、
    前記撮像部の映像信号出力を監視する監視ステップと
    を備えたことを特徴とする監視カメラ装置の監視方法。

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