JP4235261B2 - 高度充填された粗大粒子充填材を含む反応性プラスチック成形体の製造方法 - Google Patents

Description

本発明は、内部にたとえば砂利、砕石材、スラグ、微粉化石屑、フォームコンクリート、プラスチック廃棄物など粗大粒子の充填材が埋封された反応性プラスチック（特にポリウレタン）のマトリックスから成形体を製造する方法に関するものである。
石材片を混合装置内で減圧下に有機結合剤と混合し、次いで圧縮後にこれらを減圧金型内にて、ブロックとなるように振動させてプレスすることにより合成石材ブロックを製造することが既に提案されている（ＤＥ−Ａ ３５ ２２ ９１０号）。この種の方法の範囲においては、反応性プラスチック（特に、高い反応速度を有するもの）を結合剤として使用しえない。何故なら、結合剤と石材片との混合に際し既に反応が生ずるからである。
ＷＯ ９１／１８７２５号によれば、充填材を先ず最初に金型中へ充填し、反応性混合物を密閉金型中へホースにより導入することが提案されている。この場合、ホースを金型から抜き取る際に金型内に残留するキャビティーが充填されるようにホースを抜き取る。ＵＳ−Ａ ５ ３２８ ６４８号によれば、この方法に従いコンクリート包封鋼材パイプのための結合要素が提供される。この場合、鋼材パイプは包封されてない端部を有し、これら端部を互いに溶接する。次いで、溶接部の周囲にスリーブを設け、ここに結合剤および充填材として砂利のための供給ホースを挿入する。その後、ポリウレタン反応性混合物をホースによって充填し、充填材と反応性混合物との間のキャビティーが埋められるようにホースをスリーブから抜き取る。この方法の欠点は、除去すべき、反応性混合物のための供給ホースがキャビティーを残すことになり、その結果、少なくともホースが元々配置されていた領域に結合剤が不均一に分配される点である。さらに、成形体にわたり結合剤の履歴に分布があるという点である。最初に結合剤が充填された成形体の部分は、急速反応する反応性プラスチックを用いる場合、金型の最後の部分に結合剤を充填する際に既に硬化している。これにより、成形体の内部に不均一な力が生じて焼成または破断さえ生ぜしめる。これに対処するためＵＳ−Ａ ５ ３２８ ６４８号によれば、結合剤を相当量の可塑剤（たとえば有機カーボネート）により希釈することが提案されている。
今回、粗大粒子の充填材が充填された急速反応性の反応性プラスチックの成形体は、金型中への結合剤の充填に際し、充填材の温度が結合剤の硬化を促進する６０〜８０℃である場合、容易に製造できることが突き止められた。
従って、本発明の主題は粗大粒子の充填材により高度充填された反応性プラスチック成形体の製造方法であり、この方法は充填材を６０〜８０℃の温度まで加熱し、この充填材を金型中へ充填し、必要に応じ圧縮し、次いで反応性プラスチック混合物を金型中へ導入することを特徴とする。好ましくは反応性プラスチック混合物の導入は金型の底部から行われる。特に好ましくは、反応性プラスチック混合物を金型中への導入の直前に向流高圧混合室にて生成させる。反応性プラスチック混合物の温度は１０〜３０℃、特に室温とすることができる。
本発明によれば、実質的に応力フリーの成形体が得られる。これは、反応性プラスチック混合物がより高い温度にある充填材の表面で極めて急速に硬化し、しかも充填材粒子の間の中間部に位置するプラスチック混合物が流動性のままであり、金型内における結合剤の圧力によりさらに分配され、そして、他の充填材の表面で反応するという事実に基づいている。本発明によれば、このことによって最初に充填された結合剤により充填材粒子の表面が覆われ、後で充填される結合剤が中間部を占めるために、反応性プラスチック混合物の履歴が均一になる。他方、成形体の硬化は常に充填材粒子の表面から中間部の内部に向かって生ずる。その結果、成形体は完全硬化するまで金型において応力フリー状態となり得る。
反応性プラスチック混合物としては、好ましくはポリウレタン反応性混合物が使用される。ポリウレタン反応性混合物の基本的に適当な成分はたとえばＤＥ−Ａ １ ６９４ １３８号に開示されている。好ましくはイソシアネートとしてはジフェニルメタンジイソシアネートに基づくものが用いられる。好適ポリオールはポリエーテルポリオールである。さらに混合物は、硬化したポリウレタンの密度が２００〜１２００ｋｇ／ｍ³、好ましくは４００〜８００ｋｇ／ｍ³となるような量で発泡剤をも含有することができる。好ましくは、発泡剤としては混合物に対し０．５〜３重量％の量にて水を使用する。
好ましくは混合物は、出口から直接的に金型中へ供給する射出混合ヘッドにて生成される。この種の混合ヘッドはポリウレタン技術にて基本的に公知である（ベッカー／ブラウン、プラスチック・ハンドブーフ、第７巻：ポリウレタン（１９９３）、第１７７頁以降参照）。作成すべき成形部品の複雑性に応じ、同時に金型中へ供給する複数の混合ヘッドを設けて金型容積にわたり均一な反応混合物の分配を達成することも必要である。
コンクリートまたは慣用のポリマーコンクリートと比較した本発明による成形体の利点は、ポリウレタン反応性混合物の急速硬化に基づく高い生産性、成形体の一層良好な耐薬品性および耐摩耗性、一層良好なタフネスおよび一層低い重量である。
本発明による成形体は防音壁、排水路、排水溝、シャフトライニング、徐水システム、機械フレーム、ベアリング部材、供給トラフまたはグリース分離器として作成することができる。コンクリートに対するポリウレタン反応混合物の顕著な付着性に基づき、本発明による方法は高層建築におけるコンクリート部材の結合に或いはコンクリートパイプの付設に極めて適している。この場合は結合すべき部材を、金型キャビティを形成するスリーブによって包囲する。
以下、添付図面を参照して本発明を詳細に説明する。
図１は、本発明による成形体の製造を原理的に示す。金型１は好ましくは金型壁部部材で構成され、これらを蝶番２によって開口させうる。好ましくは金型の底部空間には１個（必要に応じ複数）の射出混合ヘッド３を配置し、これにたとえば矢印３１および３２で示したように反応性混合物の各成分を供給する。必要温度まで予備加熱された粗大粒子の充填剤（好ましくは５〜２５ｍｍの粒子寸法を有する）をファネル４を介し金型中へ充填する。次いで、金型を閉鎖すると共に反応混合物を注入する。数分間以内に（必要に応じ１分間の数分の１の後にも）成形部品を取り出すことができる。
図２は本発明による切断成形体の顕微鏡写真図であり、これは砂利２１の緻密な充填物と６５０ｋｇ／ｍ³の密度を有するポリウレタンフォームマトリックス２２とで構成される。

Claims (2)

1. ５〜２５ｍｍの粒子寸法を有する粒子の充填材で充填された反応性プラスチック成形体の製造方法において、５〜２５ｍｍの粒子寸法を有する粒子の充填材を６０〜８０℃の温度まで加熱し、金型中へ充填し、次いで反応性プラスチック混合物を金型中へ導入することを特徴とする反応性プラスチック成形体の製造方法。
2. 充填剤を金型へ充填した後、圧縮し、次いで反応性プラスチック混合物を金型中へ導入することを特徴とする請求の範囲１に記載の製造方法。

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