JP4234519B2 - 現像剤測定装置及び現像剤測定方法 - Google Patents

現像剤測定装置及び現像剤測定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体とトナーとを含有する液体現像剤の性状(性質や状態)を測定するための現像剤測定装置及び現像剤測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、粘度100〜10000[mPa・s]、トナー濃度5〜40[wt%]などといった高粘度且つ高濃度の液体現像剤を用いて画像を形成する画像形成装置が知られている(例えば特許文献1等に記載のもの)。この種の画像形成装置では、表面移動する感光体等の潜像担持体に対して露光処理等による静電潜像を担持せしめる。この一方で、シリコーンオイル等の絶縁性液体中にトナーが分散せしめられた液体現像剤を表面移動する現像ローラ等の現像剤担持体に担持する。そして、現像剤担持体の表面移動に伴い、液体現像剤を潜像担持体に対向する現像領域に搬送する。
【0003】
現像領域では、現像剤担持体上の液体現像剤が現像剤担持体と潜像担持体との間に挟まれながら搬送される。この搬送過程で、潜像担持体の画像部(潜像部)と現像剤担持体との間に挟まれている画像部現像剤は、両者間の電位差である現像ポテンシャルの影響によってトナーを現像剤担持体側から静電潜像に向けて泳動させて集結させる。そして、現像領域を出る際に、現像剤担持体の表面に引き続き残留する残留層と、潜像担持体の表面に転移する転移層とに分かれる。残留層は静電潜像への泳動によって多量のトナーを失った層になるのに対し、転移層は同泳動によって集結した多量のトナーと少量の液体とを含む層になってトナー像として視認されるようになる。このようにして静電潜像が現像されるのである。
【0004】
一方、現像領域で潜像担持体の非画像部(非潜像部)と現像剤担持体との間に挟まれている非画像部現像剤は、両者間の電位差である非現像ポテンシャルの影響の影響によってトナーを非画像部側から現像剤担持体側に向けて泳動させる。そして、現像領域を出る際に、現像剤担持体への泳動によって多量のトナーを集結させた残留層と、同泳動によってトナーを殆ど失った転移層とにわかれる。このようにして潜像担持体の非画像部へのトナー付着が抑えられるのである。
【0005】
以上のようなプロセスで画像を形成する画像形成装置においては、上述の現像領域におけるトナーの泳動性や凝集性が画像形成性能を大きく左右する。そして、トナーの泳動性や凝集性は、現像条件(現像領域に対する現像剤通過時間、現像ポテンシャル、非現像ポテンシャル等)や液体現像剤の特性によって異なってくる。よって、決められた現像条件で適切に泳動し得る液体現像剤を選択することが、高画質を得るための重要な要件となる。
【0006】
従来より、液体現像剤の特性については、特許文献2の図6や図7に記載されているような泳動試験装置を用いて評価することが一般的に行われてきた。この泳動試験装置は、所定のギャップを介して相対向するように2つの透明電極が平行配設されたガラス基板を備えている。ギャップに液体現像剤を充填して両透明電極間に電位差を生じせしめると、液体現像剤中のトナーが一方の透明電極側から他方の透明電極側に向けて泳動する。この泳動の様子を高速度カメラで撮影して、泳動量や泳動速度などを解析することで、液体現像剤の特性を評価することができる。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−89577号公報
【0008】
【特許文献2】
特開2002−174958号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、同泳動試験装置では、複数の泳動条件(上記ギャップ、電位差、電位差発生時間など)についてそれぞれトナーの泳動性を試験する場合に、非常に手間がかかってしまう。泳動条件を異ならせる毎に、上述のガラス基板を交換したり、泳動済みの液体現像剤をガラス基板から拭き取ったり、新たな液体現像剤をギャップに充填したりなどといった煩雑な手作業が必要になるからである。
【0010】
また、同泳動試験装置では、それによる試験で良好な成績が得られた液体現像剤であっても、実機で良い成績を発揮するとは限らなかった。これは、同泳動装置における泳動条件を、実機における現像条件に近づけることが極めて困難であることに起因している。例えば、実機の現像条件に近づけることが困難な泳動条件の1つとして、トナーに作用する静電気力の総量が挙げられる。具体的には、同泳動試験装置の2つの透明電極間に形成されるギャップは、電極表面方向において一様な寸法になっており、電極間に形成される電界の強度も一様である。よって、ギャップに存在するトナーに対しては、電極表面方向において一様な静電気力が作用する。これに対し、実機においては、例えばドラム状の感光体と現像ローラとの組合せなど、互いに曲率のある表面を対向させたり、当接させたりして現像領域を形成している。このため、現像ローラの表面移動に伴って現像領域入口から出口にかけて移動していくトナーに対する静電気力の総量が、同泳動試験装置によるものと異なってしまう。更に、同泳動試験装置では、電気抵抗の極めて低い透明電極(例えばインジウムスズ電極)間の電位差の値が透明電極への印加電圧にほぼ等しくなるのに対し、実機ではそうならない。現像ローラや感光体がある程度の高い電気抵抗を発揮するからである。このことも、トナーに作用する静電気力の総量を異ならせてしまう要因になっている。
【0011】
また、実機の現像条件に近づけることが困難な泳動条件としては、液体現像剤にかかる圧力も挙げられる。具体的には、実機においては、金属等の剛性の高い感光体に対して、ある程度の弾性を発揮する現像ローラを押し付けて弾性変形させるなどして、現像領域に現像ニップを形成するのが一般的である。かかる現像ニップでは、弾性変形した現像ローラと、感光体との間に挟み込まれた液体現像剤に相当の圧力がかかる。そして、この圧力によってトナーの凝集力が高められる。2つの透明電極間に液体現像剤を充填する同泳動試験装置にて、同様の圧力を液体現像剤に付与するのは極めて困難である。
【0012】
また、実機の現像条件に近づけることが困難な泳動条件としては、液体現像剤の分離条件も挙げられる。具体的には、実機においては、液体現像剤が現像領域の出口で感光体等の潜像担持体と現像ローラ等の現像剤担持体とが離間する際に、液体現像剤が上述の残留層と転移層とに分離される。両層の境目は、潜像担持体と現像剤担持体とを離間させる際の速度や方向によって異なってくるが、実機においてこれら速度や方向は機械による駆動に依存しているため、経時に渡って安定している。ところが、同泳動試験装置において、ガラス板上に積層した2つの透明電極を離間させるのは不可能である。また、仮に2つの透明電極を移動可能あるいは取り外し可能に設けたとしても、両者を離間させるのは手作業に頼ることになるため、実機と同様の条件で離間させるのは殆ど無理である。
【0013】
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、次のような現像剤測定装置及び現像剤測定方法を提供することである。即ち、より実機の現像条件に近い条件で、より効率良く、トナー泳動性などといった液体現像剤の性状を測定することができる現像剤測定装置等である。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、液体とトナーとを含有する液体現像剤における所定の性状を測定するための現像剤測定装置において、2つの表面移動体の表面をそれぞれ互いの対向部に向けて近づけた後に遠ざけるように駆動するための駆動手段と、何れか一方の表面移動体の表面に液体現像剤を供給するための現像剤供給手段と、両表面移動体間に電位差を生じせしめるための電位差発生手段と、該電位差を、単位時間あたりの電位差変化量を変化させる条件で変化させる電位差変化手段と、液体現像剤の所定の性状を検知する性状検知手段とを設けたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の現像剤測定装置において、上記電位差変化手段に加えて、上記駆動手段による両表面移動体の駆動速度を変化させる駆動速度変化手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の現像剤測定装置において、両表面移動体の表面に付着した液体現像剤をクリーニングするためのクリーニング手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れかの現像剤測定装置において、上記電位差変化手段として、上記電位差の極性も変化させることが可能なものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れかの現像剤測定装置において、上記電位差発生手段として、両表面移動体のうちの少なくとも何れか一方に電圧を印加するものを用いるとともに、該電位差発生手段から、少なくとも該一方の表面への電流値を検知する電流値検知手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れかの現像剤測定装置において、物体の表面電位を検知する表面電位検知手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6の現像剤測定装置において、上記表面電位検知手段を複数設けたことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7の何れかの現像剤測定装置において、上記性状検知手段として、物体の表面平滑性を検知するものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項8の現像剤測定装置において、上記表面平滑性を検知する上記性状検知手段として、物体の表面における光反射性に基づいて該表面平滑性を検知するものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1乃至9の何れかの現像剤測定装置において、上記性状検知手段として、液体現像剤中のトナー含有量を検知するものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項9又は10の現像剤測定装置において、上記性状検知手段として、複数の検知位置でそれぞれ上記性状を同時に検知し得るものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項11の現像剤測定装置において、上記トナー含有量について互いに異なる検知位置で検知された複数の検知結果に基づいて、一方の表面移動体からもう一方の表面移動体へのトナー移動率を演算する移動率演算手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項12の現像剤測定装置において、上記電位差と上記トナー移動率との関係式を演算する関係式演算手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、液体とトナーとを含有する液体現像剤における所定の性状を測定する現像剤測定方法において、第1表面移動体を所定方向に表面移動させる工程と、該第1表面移動体に液体現像剤を供給して担持させる工程と、該第1表面移動体に相対する対向位置で該第1表面移動体との間に液体現像剤を挟み込ませるように第2表面移動体を表面移動させる工程と、両表面移動体間に電位差を生じせしめて該対向位置における液体現像剤中のトナーを該第1表面移動体側から該第2表面移動体側に泳動させる工程と、該電位差を、単位時間あたりの電位差変化量を変化させる条件で変化させる工程と、両表面移動体のうち、少なくとも一方の表面に付着している液体現像剤における所定の性状を測定する工程とを実施することを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、請求項14の現像剤測定方法において、上記電位差を変化させる工程に加えて、上記第1表面移動体に担持された液体現像剤の上記対向位置に対する通過時間を変化させる工程を実施することを特徴とするものである。
また、請求項16の発明は、請求項14又は15の現像剤測定方法において、上記電位差を変化させながら、上記第1表面移動体の表面領域と上記第2表面移動体の表面領域とで構成される全表面領域に対し、複数の箇所について、そこに付着している液体現像剤のトナー含有量を上記性状として測定し、測定結果に基づいて、上記電位差と、上記対向位置における上記第1表面移動体から上記第2表面移動体へのトナー移動率との関係を求めることを特徴とするものである。
また、請求項17の発明は、請求項16の現像剤測定方法において、上記電位差を変化させながら、上記全表面領域に対し、複数の箇所における現像剤付着量を測定し、測定結果に基づいて、上記電位差と、上記対向位置における上記第1表面移動体から上記第2表面移動体への現像剤転移率との関係を求めることを特徴とするものである。
【0015】
これらの発明においては、例えば実機において相対向しながら回転する感光体と現像ローラとの組合せのように、2つの表面移動体をそれぞれの表面が互いの対向部に向けて近づいた後に遠ざかるように駆動する。このような駆動では、一方の表面移動体の表面に供給した液体現像剤を上記対向部で両表面移動体間に挟み込ませながら、両表面移動体間の距離を徐々に近づけていった後、今度は逆に遠ざけていく。そして、このように近づけたり遠ざけたりする過程で、液体現像剤中のトナーに作用する静電気力を実機と同様に変化させながら、トナーを一方の表面移動体側からもう一方の表面移動体側に向けて電気泳動させることができる。
また、2つの表面移動体としては、実機に搭載する感光体や現像ローラそのもの、あるいはそれと同様のものを用いることが可能なので、それらの電気抵抗による電位差損失分を実機と同様に生じせしめることもできる。
また、上記対向部にて、一方の表面移動体を弾性変形させるように両表面移動体を当接させてニップを形成すれば、両表面移動体間のトナーに対して実機と同様の圧力をかけることもできる。
また、機械的な駆動によって両表面移動体の表面を徐々に遠ざけていくことで、トナー泳動後の液体現像剤を実機と同様の条件で残留層と転移層とに分離することもできる。
これらの結果、従来よりも実機の現像条件に近い条件で液体現像剤の性状を測定することができる。
更には、一方の表面移動体に液体現像剤を連続的に供給することで、上記対向部に新鮮な液体現像剤を連続的に送り込むことが可能になるので、電位差などの諸条件を変更する場合でも、液体現像剤を拭き取ったり充填したりといった手作業を強いられることがない。よって、従来よりも効率良く液体現像剤の性状を測定することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
まず、液体現像剤を用いて画像を形成する電子写真方式の画像形成装置である液体式プリンタについて説明する。
図1は、この液体式プリンタの一例を示す概略構成図である。同図において、潜像担持体たるドラム状の感光体1の表面にはa−SiやOPC等からなる感光層が形成されている。感光体1の周囲には、チャージャ帯電方式の帯電器2、レーザー照射方式の露光装置3、現像装置4、転写装置5、感光体クリーニング装置6、除電ランプ7などから構成された可視像形成手段が配設されている。なお、帯電器2として、チャージャ帯電方式のものに代えて、ローラやブラシ等の帯電部材を接触せしめる接触帯電方式のものを用いてもよい。また、露光装置3として、レーザー照射方式のものに代えて、LED方式のものを用いてもよい。
【0017】
以下、反転現像によって画像を形成する反転現像方式を採用した場合を例にして、同図の液体式プリンタを説明する。感光体1は、図示しないモータや駆動伝達系を有する駆動手段により、一定速度で図中時計回りに回転駆動される。そして、その表面が帯電器2によって暗中にて一様に帯電せしめられた後、露光装置3によって画像情報に基づいた光走査がなされる。この光走査により、感光体1の表面に静電潜像が形成される。この静電潜像は、後述の現像装置4の現像ローラ402と感光体1とが当接する現像ニップAを通過する際に、図示しないトナーが付着せしめられてトナー像に現像される。
【0018】
現像ニップAで現像されたトナー像は、感光体1の回転に伴って1次転写ニップBに送られる。この1次転写ニップBでは、複数のローラによって中間転写ベルト502を張架しながら無端移動せしめる転写装置5が、転写ローラ501によって中間転写ベルト502を裏面側(ループ内面側)から感光体1に向けて押圧している。これにより、中間転写ベルト502と感光体1とが当接する1次転写ニップBが形成されているのである。
【0019】
1次転写ニップBにおいては、図示しない電源によって中間転写バイアスが印加される転写ローラ501と感光体1との間に転写電界が形成される。感光体1の回転に伴って1次転写ニップBに送られた上述のトナー像は、この転写電界の影響を受けて感光体1表面から中間転写ベルト502に1次転写される。なお、転写装置5としては、図示の転写ローラ501を用いる方式のものに代えて、転写チャージャ方式、粘着転写方式、熱転写方式のものを用いてもよい。
【0020】
中間転写ベルト502上に1次転写されたトナー像は、ベルトの無端移動に伴って図示しない2次転写領域に送られて、ここで転写紙等の記録シートに2次転写される。そして、記録シートとともに図示しない定着手段に送られて、加熱や加圧の影響によって記録シートに定着せしめられた後、機外に排出される。なお、この定着手段は、加熱転写方式、加圧定着方式、加熱加圧定着方式、溶剤定着方式、UV定着などにより、トナー像を記録シートに定着せしめるものである。
【0021】
1次転写ニップBを通過した感光体1表面は、除電ランプ7によって残留電荷が除電された後、感光体クリーニング装置6によって転写残現像剤がクリーニングされる。そして、帯電器2によって一様帯電せしめられて、次の作像に備えられる。
【0022】
感光体1上の静電潜像の現像には、液体現像剤が用いられる。この液体現像剤は、エクソン社製のIsopar(登録商標)をキャリア液とした低粘度(1mPa・s程度)、低トナー濃度(1%程度)のものではなく、高粘度高トナー濃度のものが用いられている。例えば粘度が100〜10000[mPa・s]で、トナー濃度が5〜40[%]のものである。かかる高粘度高トナー濃度の液体現像剤に用いられるキャリア液としては、シリコーンオイル、ノルマルパラフィン、IsoparM(エクソン商標)、植物油、鉱物油など、絶縁性の高いものを用いることが可能である。また、キャリア液の揮発性、不揮発性については、目的に合わせて何れかを選択することが可能である。また、キャリア液中に分散せしめるトナーとしては、粒径がサブミクロンから6[μm]程度までのものを、目的に合わせて選択することができる。
【0023】
現像装置4は、同図に示したように、現像部401と、スイープ部490とを備えている。そして、現像部401には、現像剤貯留部、2つの攪拌スクリュウ406、塗布ローラ404、現像ローラ402、現像クリーニングブレード407、回収部412、回収スクリュウ412、メータリングブレード420などを有している。また、スイープ部490には、スイープローラ491、スイープクリーニングブレード492、スイープ液回収スクリュウ493などを有している。
【0024】
現像部401において、上記現像剤貯留部内には液体現像剤Dが貯留されている。上述の2つの攪拌スクリュウ406は、この液体現像剤Dに浸るように互いに平行配設され、図中矢印で示されるように、図示しない駆動手段によって互いに逆方向に回転駆動せしめられる。現像装置4が現像動作に入ると、2つの攪拌スクリュウ406がこのように互いに逆回転し、現像剤貯留部内の液体現像剤Dが攪拌せしめられる。この攪拌により、液体現像剤Dは、そのトナー濃度や粘度が均一化せしめられる。また、2つの攪拌スクリュウ406が互いに逆回転することで、両者間で図示のように液体現像剤Dの液面が盛り上がってその上方に配設された塗布ローラ404に付着する。塗布ローラ404は、図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転駆動せしめられながら、このようにして付着した液体現像剤Dを汲み上げる。汲み上げられた液体現像剤Dは、ステンレス等の金属からなるメータリングブレード420によって塗布ローラ404上の量が規制される。
【0025】
現像部材たる上記現像ローラ402は、液体現像剤量が規制された後の塗布ローラ404表面に接触しながら、接触部で塗布ローラ404と逆方向に表面移動するように図中反時計回りに回転駆動される。そして、その表面に塗布ローラ404上の液体現像剤Dが均一な厚みで塗布される。この塗布により、現像ローラ402の表面に液体現像剤Dからなる均一な厚みの現像剤薄層が形成され、現像ローラ402と感光体1との当接部である現像ニップAに搬送される。
【0026】
また、現像ローラ402は、その周面に導電性のウレタンゴム等からなる導電弾性層を備えており、感光体1と等速に回転しながらこれに接触して現像ニップAを形成している。また、図示しない現像バイアス電源回路から現像バイアスが印加される。この現像バイアスは、液体現像剤D中のトナーの帯電極性と同じ正極性で且つ感光体1の一様帯電電位よりも小さい値(例えば500V)に設定されている。現像ニップAでは、現像ローラ402、感光体1の地肌部(非露光部)、静電潜像がそれぞれトナーと同極性の電位を帯びている。加えて、地肌部、現像ローラ402、静電潜像の順で電位値が小さくなっている(600V、500V、50V)。このため、上記地肌部と現像ローラ402との間では、プラス帯電性のトナーに対して電位のより小さい現像ローラ402に向けて静電的に移動させるような非現像ポテンシャルが作用する(600V→500V)。また、現像ローラ402と静電潜像との間では、トナーを電位のより低い静電潜像に向けて移動させるような現像ポテンシャルが作用する(50V←500V)。よって、現像ニップAにおいては、上記現像剤薄層中のトナーが、現像ローラ402と上記地肌部との間で現像ローラ402の表面に向けて電気泳動して集結する。この一方で、現像ローラ402と静電潜像との間で静電潜像に向けて電気泳動して付着する。そして、この付着によって静電潜像が現像されてトナー像となる。
【0027】
上記現像クリーニングブレード407は金属やゴム等の部材から構成され、現像ローラ402に当接するように配設されている。そして、現像ニップAを通過した後の現像ローラ403表面に残留している現像残液を掻き取り除去する。掻き取られた液体現像剤は、その自重によって回収部412に落下した後、回収スクリュウ412によって図示しない現像剤調整部に返送される。この現像剤調整部は、返送されてきた現像剤液に液体キャリアを添加したりトナーを添加したりして、そのトナー濃度を復活させた後、現像部401の現像剤貯留部に再返送する役割を担っている。
【0028】
上記現像ニップAにおいて、現像ローラ402と感光体1の地肌部との間に挟まれたトナーは、現像ローラ402の表面に向けて電気泳動して集結するため、基本的には感光体1の地肌部に付着しない。しかし、通常よりも帯電量の少ないトナーが他のトナーよりも遅れて電気泳動するなどして、地肌部に付着していわゆる地汚れ(カブリともいう)という現象を引き起こす場合がある。
【0029】
上記スイープ部490は、かかる地汚れを引き起こしたカブリトナーを感光体1から清掃する役割を担っている。具体的には、スイープ部490は現像ニップAよりもドラム回転方向下流側で感光体1に接触しながら回転するスイープローラ491を有している。このスイープローラ491は、その周面に導電性のウレタンゴム等からなる導電弾性層が設けられており、感光体1と等速に回転しながらこれに接触してスイープニップを形成している。スイープローラ491には、図示しない電源によってトナーの帯電極性と同極性のスイープバイアスが印加される。スイープニップにおいては、スイープローラ491、上記地肌部及び静電潜像がそれぞれトナーと同極性の電位を帯び、その値が地肌部、スイープローラ491、静電潜像の順に低くなっている。このため、現像ニップAで現像ローラ402の表面に集結しきれなかったカブリトナーが、上記地肌部とスイープローラ491との間でスイープローラ491に向けて電気泳動して地肌部から除去される。スイープニップでスイープローラ491に付着したキャリア液やトナーは、スイープクリーニングブレード492によって掻き取られる。そして、スイープ液回収スクリュウ493によって上述の現像剤調整部に送られる。
【0030】
なお、現像部401やスイープ部490において、現像ローラ402やスイープローラ492をブレードによってクリーニングする方式に代えて、ローラ方式など他の方式によるクリーニングを採用してもよい。
【0031】
現像ローラ402やスイープローラ492の導電弾性層については、JIS−A硬度で50度以下にすることが望ましい。更には、これらの材質としては、ウレタンゴムに限られるものではなく、キャリア液で膨潤したり溶解したりしない材質であればよい。また、現像ローラ402やスイープローラ491は、その表面が導電性を有し、キャリア液で膨潤したり溶解したりしない材質であり、その内層にキャリア液・現像剤を接触させない構成になっている。かかる構成が実現されていれば、必ずしもこれらローラの表面を弾性層とする必要はなく、内層を弾性層としてもよい。但し、内層としての弾性層を絶縁体で構成した場合には、現像バイアスやスイープバイアスを、ローラの芯金からでなく、表面から印加する必要がある。
【0032】
現像ニップAやスイープニップの表面移動方向の長さ(以下、ニップ幅という)を大きくする方法として、これらローラに弾性層を設ける方法を採用するのではなく、感光体1に弾性層を設けてもよい。更には、感光体1としてドラム状のものを用いるのではなく、ベルト状のものを用いてもよい。また、現像ローラ402やスイープローラ491には、その表面をRz3μm以下の平滑性なものにすべく、コーティングやチューブ被服処理を施してもよい。
【0033】
ニップ幅は、現像ローラ402やスイープローラ491の線速と現像時定数との積よりも大きな幅に設定されている。この現像時定数とは、現像量が飽和するまでに要する時間であって、必要最小ニップ幅をプロセス速度で除したものである。例えば、必要最小ニップ幅が3[mm]でプロセス速度が300[mm/sec]であれば、現像時定数は10[msec]となる。
【0034】
上記現像剤調整部から現像装置4の現像剤貯留部への液体現像剤Dの供給量は、現像に伴う現像剤消費量より若干多くなるように設定されている。かかる設定により、現像剤貯留部からは液体現像剤Dが溢れ出すことになるが、これは図示しないオーバーフロー管を通って現像剤調整部に戻されるようになっている。
【0035】
次に、本発明を適用した現像剤測定装置の一実施形態について説明する。この現像剤測定装置は、これまで説明した構成の液体式プリンタにおける液体現像剤の性状を測定するのに適した構成となっている。図2は、本現像剤測定装置の要部構成を示す構成図である。本現像剤測定装置は、2つの表面移動体たる被検ドラムと被検ローラとを向かい合わせながらそれぞれ回転駆動せしめるための駆動手段を備えている。この駆動手段は、次に列記するものから構成されている。即ち、ローラ駆動回路700、ローラ駆動モータ701、ローラ駆動伝達系702、ドラム駆動回路703、ドラム駆動モータ704、ドラム駆動伝達系705、被検ドラムや被検ローラを回転自在に支持する図示しない支持手段等である。図示の例では、被検ドラム及び被検ローラとして、先に図1で示した液体式プリンタの感光体1と現像ローラ402とを支持手段に回転自在に支持させている。但し、これらに代えて、他の被検ドラムや被検ローラに容易に交換し得る構成となっている。上記支持手段に支持される被検ドラム(図示の例では感光体1、以下同様)と被検ローラ(図示の例では現像ローラ402、以下同様)とは、互いの対向部で当接して泳動ニップを形成する。そして、互いに、対向部に向けて近づけた後に遠ざけ、対向部で同方向且つ等速で表面移動するように回転駆動される。
【0036】
泳動ニップに進入する前の被検ローラの表面には、後述する現像剤供給手段によって液体現像剤が塗布される。塗布された液体現像剤は、被検ローラの回転に伴って泳動ニップに向けて搬送され、被検ローラと被検ドラムとの間に挟まれる。そして、互いの表面を塗布ニップ及びその前後で近づけたり遠ざけたりするように回転する被検ローラと被検ドラムとに挟まれながら、塗布ニップ上流側から下流側に向けて搬送される。また、塗布ニップ内では、ニップ圧によって加圧されながら搬送される。
【0037】
また、本現像剤測定装置は、2つの表面移動体たる被検ドラムと被検ローラとの間の電位差である泳動電位差を生じせしめる電位差発生手段も備えている。この電位差発生手段は、電流検知回路708を介してローラに泳動バイアスを印加するバイアス電源回路709、ドラムに接続されたアース線、バイアス電源回路709からの出力電圧を制御する制御回路710などから構成されている。これらは、泳動電位差を変化させる電位差変化手段としても機能している。バイアス電源回路709からは、例えば−700〜+700[V]の直流電圧パルスが出力される。この出力により、アース接続された被検ドラムに対し、被検ローラとの間に−700〜+700[V]の泳動電位差が生起せしめられる。かかる泳動電位差により、液体現像剤中のトナーが被検ローラ側から被検ドラム側に向けて、あるいはこれとは逆方向い電気泳動する。
【0038】
また、本現像剤測定装置は、何れか一方の表面移動体である被検ローラの表面に対して、上記塗布ニップよりもローラ回転方向上流側で液体現像剤を供給するための現像剤供給手段も備えている。この現像剤供給手段は、ローラに当接しながら回転する塗布ローラ706、メータリングブレード707、図示しない液層、2つの攪拌スクリュウなどから構成されている。即ち、先に図1に示した液体式プリンタの現像部(401)における塗布ローラ(404)、メータリングブレード(420)、現像剤貯留部、2つの搬送スクリュウ(406)等と同様のものから構成されているのである。
【0039】
また、本現像剤測定装置は、液体現像剤の所定の性状を検知する性状検知手段として、各種センサと制御回路710との組合せからなるものを備えている。この各種センサとは、具体的には、第1表面センサ711、第1トナー付着量センサ712、第2表面センサ714及び第2トナー付着量センサ715である。第1表面センサ711、第1トナー付着量センサ712は、それぞれ上記塗布ニップを通過した後の被検ローラの表面に付着している液体現像剤を被検対象とするように配設されている。そして、その液体現像剤の表面平滑性、トナー付着量に応じて変化する所定の特性を検知して、検知結果に応じた信号を制御回路710に出力する。制御回路710は、この信号に基づいて、液体現像剤の表面平滑性や、ドラム等に対するトナー付着量を把握することができる。一方、第2表面センサ714、第2トナー付着量センサ715は、それぞれ上記塗布ニップを通過した後の被検ドラムの表面に付着している液体現像剤を被検対象にするように配設されている。そして、同様にして制御回路710との組合せによってその液体現像剤の表面平滑性や、ドラム等に対するトナー付着量を検知する。
【0040】
なお、表面平滑性やトナー付着量に代えて、液体現像剤の性状として、トナーの泳動状態を画像として検知する高速カメラや、単位面積あたりの現像剤付着量を検知する手段などを設けてもよい。また、本現像剤測定装置では、第1トナー付着量センサ712や第2トナー付着量センサ715として、それぞれ、液体現像剤に対する透過光量に応じた電圧を出力するものを用いている。より詳しくは、発光手段と、これから発せられた後に液体現像剤を透過した透過光を受光する受光手段とを有し、受光手段による受光量に応じた電圧を制御回路710に出力するものである。液体現像剤に対する透過光量は、その液体現像剤のトナー含有量、即ち、ドラム等の被付着体に対するトナー付着量に応じて変化するため、透過光量に基づいてトナー含有量たるトナー付着量を検知することができる。透過光を受光手段に受光させる方法としては、被検ドラムや被検ローラ表面に受光手段を埋め込む方法、透過光を被検ドラムや被検ローラの表面で反射させて反射光を受光手段に検知させる方法、の何れを採用してもよい。
【0041】
また、本現像剤測定装置は、上述した各種センサの他に、液体現像剤の性状を検知する性状検知手段ではないセンサも備えている。上記塗布ニップを通過した後の被検ローラや被検ドラムの表面電位を検知する第1表面電位センサ713や第2表面電位センサ716である。
【0042】
また、本現像剤測定装置は、ドラムやローラに付着した液体現像剤をクリーニングするクリーニング手段も備えている。このクリーニング手段は、ドラムをクリーニングするドラムクリーニングブレード717と、ローラをクリーニングするローラクリーニングブレード718との組合せからなる。ドラムクリーニングブレード717、ローラクリーニングブレード718は、それぞれ、上記塗布ニップを通過した後の被検ドラム、被検ローラの表面に付着している液体現像剤をクリーニングする。クリーニング後の被検ドラム表面は、除電ランプ719によって除電される。
【0043】
以上の構成の本現像剤測定装置において、被検ローラ上に塗布された液体現像剤が塗布ニップやその前後で被検ローラと被検ドラムとの間に挟まれながら搬送される過程で、泳動電位差による静電気力がトナーに作用する。この静電気力によってトナーが電気泳動するのであるが、静電気力は上述の液体式プリンタにおける現像ニップと同様に、被検ドラムと被検ローラとの距離変化に応じて微妙に変化する。よって、本現像剤測定装置では、被検ドラムと被検ローラとに挟み込んだ液体現像剤中のトナーに作用する静電気力を実機と同様に変化させながら、トナーを一方の表面移動体(被検ドラム又は被検ローラ)側からもう一方の表面移動体側に向けて電気泳動させることができる。更には、塗布ニップ内において、実機と同様のニップ圧をトナーに対して付与することができる。
【0044】
また、図2に示したように、2つの表面移動体たる被検ドラム及び被検ローラとして、実機に搭載する感光体1や現像ローラ402そのもの、あるいはそれと同様のものを用いることが可能である。よって、被検ドラムや被検ローラの電気抵抗による電位差損失分を実機と同様に生じせしめることもできる。
【0045】
また、上記塗布ニップの出口では、被検ドラムと被検ローラとの機械的な回転駆動によって両者の表面を徐々に遠ざけていくことで、トナー泳動後の液体現像剤を実機と同様の条件で残留層と転移層とに分離することもできる。
【0046】
これらの結果、従来よりも実機の現像条件に近い条件で液体現像剤の性状である表面平滑性やトナー付着量を測定することができる。
【0047】
また、一方の表面移動体である被検ローラに液体現像剤を連続的に供給することで、上記塗布ニップに新鮮な液体現像剤を連続的に送り込むことが可能になる。このため、作業者は、泳動電位差を変更する場合でも、液体現像剤を拭き取ったり充填したりといった手作業を強いられることがなく、従来よりも効率良く液体現像剤のトナー付着量を測定することができる。
【0048】
図3(a)は、被検ローラ(図示の例では現像ローラ402)にプラスの泳動バイアスを印加したとき、即ち、被検ドラム(図示の例では感光体1)に対してプラスの電位差を生起せしめたとき、の液体現像剤の状態を示している。被検ドラムが接地された状態で被検ローラにプラスの泳動バイアスが印加されると、図示のように液体現像剤はプラスに帯電したトナーを被検ローラ表面側から被検ドラム表面側に向けて電気泳動させる。実機における画像部現像剤と同様の振る舞いをするのである。塗布ニップの出口では、図示のように、被検ローラ上に残る残留層D中にトナーが殆ど残っていないのに対し、被検ドラム上に転移する転移層D中には、泳動によって集結した多量のトナーが含まれている。
【0049】
図3(b)は、被検ローラにマイナスの泳動バイアスを印加したとき、即ち、被検ドラムに対してマイナスの電位差を生起せしめたとき、の液体現像剤の状態を示している。被検ドラムが接地された状態で被検ローラにマイナスの泳動バイアスが印加されると、図示のように液体現像剤はプラスに帯電したトナーを被検ドラム表面側から被検ローラ表面側に向けて電気泳動させる。実機における非画像部現像剤と同様の振る舞いをするのである。塗布ニップの出口では、図示のように、被検ローラ上に残る残留層D中に、泳動によって集結した多量のトナーが含まれているのに対し、被検ドラム上に転移する転移層D中には、トナーが殆ど混入していない。
【0050】
このように、本現像剤測定装置では、泳動電位差を変化させる電位差変化手段として、上述のプラスの電位差、マイナスの電位差といった具合に、泳動電位差の極性も変化させることが可能なものを用いている。かかる構成では、被検ドラムに対して露光等による画像部と非画像部とを形成する装置を設けていなくても、画像部における液体現像剤の性状と、非画像部における液体現像剤の性状との両方を試験することができる。
【0051】
図3(c)は、図3(b)の状態よりも低強度の電界を作用させた場合の液体現像剤の状態を示す模式図である。被検ドラムが接地された状態で被検ローラにマイナスの泳動バイアスが印加されると、図示のように液体現像剤がプラスに帯電しているトナーを被検ドラム表面側から被検ローラ表面側に向けて電気泳動させる。このとき、電界強度がトナーを十分に泳動させるほど強くないため、被検ドラムにトナーを残留させてしまう。実機において、トナーの泳動特性が通常よりも減少したときなどには、非画像部現像剤と同様の振る舞いをしてしまうのである。つまり、塗布ニップの出口では、図示のように、被検ローラ上に残る残留層Dと、被検ドラム上に転移する転移層Dとの両方に、トナーが含まれてしまう。
【0052】
図4は、本現像剤測定装置を用いて求めた現像剤転移率やトナー移動率と、泳動電位差との関係を示すグラフである。現像剤転移率とは、泳動ニップに進入する前の被検ローラ表面に付着していた液体現像剤のうち、どれだけの量が転移層としてニップ通過後の被検ドラム表面に転移したかを示すものである。次に掲げる3つの箇所のうち、何れか2つの箇所における単位面積あたりの現像剤付着量を拭き取り試験によって測定すれば、現像剤転移率を求めることができる。
(1)泳動ニップ進入前の被検ローラ表面における単位面積あたりの現像剤付着量
(2)泳動ニップ通過後の被検ドラム表面における単位面積あたりの現像剤付着量
(3)泳動ニップ通過後の被検ローラ表面における単位面積あたりの現像剤付着量
【0053】
上記(1)と上記(2)との組合せによって現像剤転移率を求める場合には、次式を用いる。
【数1】
現像剤転移率=(2)/(1)
【0054】
また、上記(1)と上記(3)との組合せによって現像剤転移率を求める場合には、次式を用いる。
【数2】
現像剤転移率={(1)−(3)}/(1)
【0055】
また、上記(2)と上記(3)との組合せによって現像剤転移率を求める場合には、次式を用いる。
【数3】
現像剤転移率=(2)/{(2)+(3)}
【0056】
上記トナー移動率とは、泳動ニップに進入する前の被検ローラ表面に付着している液体現像剤のトナーのうち、どれだけの量が転移層としてニップ通過後の被検ドラム表面に移動したかを示すものである。第1トナー付着量センサ712による検知結果と、第2トナー付着量センサ715による検知結果に基づいて求めることができる。即ち、次に掲げる2つのトナー付着量に基づいて求めることができる。
(4)泳動ニップを通過した後の被検ローラ表面に対するトナー付着量
(5)泳動ニップを通過した後の被検ドラム表面に対するトナー付着量
【0057】
トナー移動率の算出には次式を用いる。
【数4】
トナー移動率=(5)/{(4)+(5)}
【0058】
なお、本現像剤測定装置では、上記(4)と上記(5)とを検知させ得るように第1トナー付着量センサ712と第2トナー付着量センサ715とを配設したために、上記数4で示した式でトナー移動率を求める。しかし、泳動ニップに進入する前の被検ローラ表面に対するトナー付着量(以下、(6)という)を検知させるように何れか一方のセンサを配設して、次に掲げる式の何れかでトナー移動率を求めるようにしてもよい。
【数5】
トナー移動率=(5)/(6)
【数6】
トナー移動率={(6)−(4)}/(6)
【0059】
上記制御回路710は、次のような制御を行うように構成されている。即ち、泳動電位差を−600[V]から+600[V]まで順次変化させながら、上記(4)や(5)の検知結果を順次記憶手段に記憶していき、それらに基づいて泳動電位差とトナー移動率との関係式を演算するための処理である。図4に示したトナー移動率のグラフは、この関係式に基づいて作成したものである。なお、本現像剤測定装置は、記憶手段に記憶した検知結果や関係式を、図2に示したデータ入出力ポート720を介して、外部のパーソナルコンピュータ等の演算手段に送ることもできる。
【0060】
図4に示すように、塗布ニップ内を画像部対応領域に見立てた条件、即ち、プラスの泳動電位差を生起せしめた条件では、泳動電位差が0[V]からプラス側に高くなるのに伴って、トナー移動率が上昇していく。そして、泳動電位差が+300[V]まで高くなった時点で、トナー移動率がほぼ100[%]に達する。即ち、ほぼ全量のトナーが被検ローラ上から被検ドラム上に移動して、余すことなく現像に寄与する。そして、以降、泳動電位差がプラス側に高くなっても、トナー移動率の上昇は頭打ちの状態になる。
【0061】
また、現像剤転移率も、泳動電位差が0[V]からプラス側に高くなるのに伴って上昇していく。そして、泳動電位差が+300[V]まで高くなった時点で、現像剤転移率が90[%]というピーク値まで上昇する。但し、それ以降、泳動電位差が更にプラス側に高くなると、現像剤転移率は徐々に90[%]よりも低くなっていく。これは、液体現像剤中のトナーの凝集に起因する。具体的には、液体現像剤中のトナーの泳動による集結度合いが不完全である場合、図示の例ではプラス側の泳動電位差が+300[V]未満である場合には、残留層にトナーを残した状態で液体現像剤が分離してしまう。このため、トナー移動率が100[%]未満になるのである。一方、泳動による集結度合いがある程度のレベルに達した場合、図示の例では泳動電位差が+300[V]まで上昇した場合には、転移層と残留層との境界が、トナーの集結によってできるトナー層とキャリア液層との境目になる。図5(a)に示すような境目になるのである。泳動電位差が更にプラス側に高くなっていくと、更なる泳動によってトナーが凝集していき、図5(b)に示すようにトナー層が薄くなっていく。そして、それに伴って転移層Dの量も少なくなるため、現像剤転移率が低くなるのである。現像濃度不足を解消するという観点だけから見れば、図5(a)の状態で両層を分離させればよい。しかし、ランニングコスト、トナー像の定着性、画質の解像性をも考慮すれば、図5(b)の状態までトナーを凝集させることが望ましい。感光体1に転移させるキャリア液の量を大きく低減することで、記録シートに対するトナー像の定着性を高めるとともに、キャリア液の損失量を減らしてランニングコストを抑えることができるからである。また、トナー層の凝集度を高めることで、より解像性を高めることもできるからである。
【0062】
なお、図4でマイナス側の泳動電位差のグラフで示したように、非画像部においても、同様の現象が生ずる。また、トナーの泳動の度合い、即ち凝集度を高める方法としては、泳動電位差を大きくする方法の他、現像時間を長くする方法もある。本現像剤測定装置では現像時間を約7[msec]に設定しているが、これをより長く設定すれば、例えば+300[V]の泳動電位差であっても、トナーを十分に泳動させて、転移層における現像剤量を低減することができる。また、現像時間を長く設定する方法としては、被検ローラ及び被検ドラムの線速をそれぞれ遅くする方法や、塗布ニップをより長く形成する方法が挙げられる。このうち、前者の方法は、実機においてはプロセス線速を遅くしてプリントアウトを低速化してしまうことになる。よって、この方法は好ましくない。よって、実機においては、後者の方法で現像時間の長時間化を図ることが望ましい。より強い当接圧によって現像ローラ402を大きく弾性変形させたり、現像剤担持体及び潜像担持体の少なくとも何れか一方に、ベルト部材を採用してもう一方に巻き掛けるように当接させたりするのである。
【0063】
図6は、図5のグラフに、現像時間を14[msec]に引き延ばしたときのグラフを重ねて示したものである。現像時間を14[msec]に引き延ばした場合には、ほぼ100[%]のトナー移動率が得られる(十分な現像性能が得られる)泳動電位差の値が+200[V]になる。7[msec]のときと比較すると、100[V]も小さい値である。
【0064】
図4や図6に示したグラフは、例えば1秒毎に泳動電位差を10[V]ずつ変化させるといった具合に、単位時間あたりの泳動電位差変化量を一定にして得た測定結果に基づいて作成したものである。トナーの泳動性が比較的劣る液体現像剤の場合には、このように泳動電位差変化量を一定にして測定しても、現像剤転移率のピーク点をある程度正確に見極めることができる。しかしながら、トナーの泳動性に優れた液体現像剤の場合には、0[V]の泳動電位差からピーク点までのグラフの傾きがより急になるとともに、ピーク点付近の測定頻度が少なくなる。このため、ピーク点を正確に見極めるが困難になる。ピーク点付近の測定頻度を高める方法としては、線速を遅くする方法があるが、線速、即ち、現像時間については実機と同様の値に固定したい場合も少なくない。そこで、本現像剤測定装置では、比較的低い泳動電位差領域での測定頻度を高めるべく、上述の電位差発生手段として、単位時間あたりの泳動電位差変化量を変化させることが可能なものを用いている。そして、比較的低い領域での泳動電位差変化量を、比較的高い領域での泳動電位差変化量よりも小さくする測定も行えるようにしている。例えば、図7に示すように単位時間あたりの泳動電位差変化量を一定にする測定の他に、図8や図9に示すように、単位時間あたりの泳動電位差変化量を変化させるように変調した電圧を出力する測定も行えるようにしているのである。
【0065】
なお、図4や図6のグラフに示したように、トナー移動率のグラフはある程度の泳動電位差上昇点を境にして頭打ちとなり、それよりも小さい泳動電位差領域ではほぼ直線状の比例グラフとなる。よって、図10に示すように、泳動ニップを通過した後の被検ドラム表面(画像部)や、現像ローラ(非画像部)に対するトナー付着量の変化率だけに基づいて、トナー移動率を求めることも可能である。しかしながら、この場合、単位時間あたりの泳動電位差変化量を一定にする必要があるため、図8や図9に示したような条件で測定を行うことができなくなる。なお、図10に示したグラフにおいて、単位時間あたりにおけるトナー付着量変化量を泳動電位差変化量で除した値である現像能が、泳動電位差±100[V]のときに0.003以上であれば、十分な現像能力のある液体現像剤であると評価して差し支えない。好ましくは、0.006以上であれば、どのような状況でもある程度ラチチュードの広い液体現像剤であると評価して差し支えない。
【0066】
先に図2に示した第1表面センサ711や第2表面センサ714は、上述したように、泳動ニップを通過した後の液体現像剤の表面平滑性を検知する。本発明者らは、鋭意研究を行った結果、液体現像剤の表面平滑性とその内部のトナー凝集性とに高い相関関係が成立することを見出した。図11(a)は、トナー移動率がほぼ100[%]まで上昇するのに必要な泳動バイアス(+300V)を印加したときにおける感光体1と転移層Dとを示す模式断面図である。また、図11(b)は、+500Vの泳動バイアスを印加したときにおける感光体1と転移層Dとを示す模式断面図である。それぞれの図に示すように、感光体1に転移した転移層Dの表面には、微妙な凹凸が形成されるが、図11(b)に示したものは、図11(a)に示したものよりも、凹凸が少なくてより平滑性が高くなっている。これは、図11(b)に示した転移層D中のトナーは、図11(a)に示したものよりも強い電界で感光体1に向けて引き寄せられて、より凝集性を増したためである。よって、転移層D(残留層D1も同様である)の表面平滑性を測定することで、トナーの凝集度を把握することができるのである。
【0067】
図12は、図2に示した第2表面センサ714と、感光体1とを示す模式図である。図12において、第2表面センサ714は、発光器714a、偏光板714b、ビームスプリッタ714c、受光器714d、補正受光器714eなどを有している。発光器714aは、発光ダイオードやレーザーダイオード等から構成され、感光体1の表面に形成された液体現像剤の転移層D2に向けて単一波長の光Lを所定の照射角θで発する。発せられた光Lは、偏光板714bに進入し、一方向の偏光特性を有する単一偏光光のみが転移層Dに向けて透過する。そして、透過光Lは、転移層Dに向けて照射角θで入射した後、転移層D2の表面で反射する。このようにして得られた反射光のうち、照射角θと同じ角度である反射角θで反射したものは、ビームスプリッタ714cに進入する。そして、ここで、偏光板714bによる偏光方向と同一の偏光特性を有する単一偏光光が分離されて、ビームスプリッタ714cを透過した後、受光器714dに受光される。また、この光以外の光成分は、この光とは略直角に異なる方向に偏光せしめられて補正受光器714eに受光される。
【0068】
かかる構成の第2表面センサ714においては、転移層Dの表面平滑性に応じて補正受光器714eによる受光量が変化する。そして、この変化に伴って補正受光器714eからの出力電圧値が変化する。先に図2に示した制御回路(710)は、このように変化する出力電圧値に基づいて、転移層Dの表面平滑性、ひいてはトナー凝集度を把握することができる。
【0069】
受光器714dや補正受光器714eとしては、シリコンフォトダイオードなど、発光器714aから発せられる光Lの波長に対して応答するものが使用される。発光器714dとしては、単一波長で発光するものが用いられており、それによる光Lはスペクトル帯域を有していない。このため、転移層Dのトナーがイエロー、マゼンタ、シアンなどのカラートナーであっても、反射光のスペクトル分布は、その色にかかわらず同様になる。よって、カラートナーを含有したカラー液体現像剤であっても、その凝集度を精度良く測定することができる。
【0070】
上述のように、転移層Dの表面で反射した反射光のうち、発光器714aから発せられた光Lと偏光方向を有するものは受光器714dに受光される一方で、異なる偏光方向を有するものは補正受光器714eに受光される。各々の反射光成分を、それぞれ受光器714dと補正受光器714eとで別々に受光することで、トナーの凝集度に加えて、トナー付着量も測定することができる。なお、この場合、測定光と同一方向の偏光を有する反射光成分は、転移層Dの表面で反射した反射光ではなく、転移層Dを透過した後、その下のドラム面(又はローラ面)で反射した反射光となる。よって、この同一方向の偏光を有する反射光成分の受光量に基づいて、トナー付着量を求めることができるのである。なお、先に図2に示した第1表面センサ711についても、同様の構成となっている。
【0071】
図13は、本現像剤測定装置によって測定されたトナー移動率と、第2表面センサ(714)からの出力電圧との関係を示すグラフである。同図に示すように、画像部においては、泳動電位差が0[V]から+300[V]までの範囲においては、泳動電位差が大きくなるほど、現像率が上昇していく。これは上述したように、泳動電位差が+300[V]未満の領域では、残留層Dに若干量のトナーが残留してしまうからである。これに対し、泳動電位差が+300[V]未満の領域にて、第2表面センサ(714)からの出力電圧は、泳動電位差が大きくなるほど、小さくなっていく。これは、0〜+300[V]の領域では、泳動電位差が大きくなるほど、第2表面センサ(714)の受光器(714d)による受光量が大きくなる、即ち、反射角θでの反射光量が多くなることを示している。そして、反射角θでの反射光量が多くなることは、表面平滑性が低くなることを示している。つまり、0〜+300[V]の領域では、泳動電位差が大きくなるほど、転移層Dの表面平滑性が低くなっている。このような結果になるのは、0〜+300[V]の領域では、泳動電位差が大きくなるほど、転移層D内で凝集不足のトナーが増加して、層表面に凹凸を形成するからである。一方、+300[V]を超えた領域では、泳動電位差が大きくなるほど、第2表面センサからの出力電圧が上昇している。即ち、転移層Dの表面平滑性が高まっている。これは、+300[V]を超えた領域では、泳動電位差が大きくなるほど、転移層D内に集結したトナーの凝集度が高まるからである。
【0072】
本発明者らの実験によれば、泳動電位差とトナー付着量との関係を示すグラフにおいて、現像率が飽和に達する以前における箇所の傾きが0.003以上、より好ましくは0.006以上である液体現像剤が実機でも良好な結果を示した。更には、画像部において、第2表面センサ(714)からの出力電圧が、下降ピーク点を示すときの泳動電位差よりも、大きい現像ポテンシャルを生起せしめることで、実機において更に良好な結果を示した。なお、かかる液体現像剤は、キャリア液であるシリコンオイル中に、次のようなトナーを含有するものであった。即ち、プラス帯電性で、母体樹脂としてアクリル樹脂系の樹脂が用いられ、その樹脂中にカーボン粒子が分散され、且つ黒色の色素を含有するものである。母体樹脂に電荷制御剤を添加したものは、更に良好であった。
【0073】
なお、これまで、表面移動体として、被検ドラムや被検ローラを回転駆動する現像剤測定装置の例について説明したが、表面移動体たるベルト部材を無端移動させる現像剤測定装置についても、本発明の適用が可能である。
【0074】
以上、実施形態に係る現像剤測定装置においては、電位差変化手段に加えて、2つの表面移動体たる被検ドラム及び被検ローラを駆動する駆動手段による駆動速度を変化させる駆動速度変化手段を設けている。かかる構成では、泳動電位差の変化による液体現像剤の性状の変化に加えて、泳動時間(現像時間)の変化による液体現像剤の性状の変化も測定することができる。
【0075】
また、被検ドラム及び被検ローラの表面に付着した液体現像剤をクリーニングするためのクリーニング手段を設けている。かかる構成では、それら表面に残留した液体現像剤を新鮮な液体現像剤に混ぜて再び泳動ニップに搬送してしまうことによる測定精度の悪化を回避することができる。
【0076】
また、泳動電位差を変化させる電位差変化手段として、泳動電位差の極性も変化させることが可能なものを用いているので、被検ドラムに静電潜像を形成する手段を設けていなくても、画像部現像剤と非画像部現像剤との両方の性状を測定することができる。
【0077】
また、泳動電位差を変化させる電位差変化手段として、単位時間あたりの泳動電位差変化量を変化させることが可能なものを用いているので、トナーの泳動に優れた液体現像剤でも、現像剤転移率の上昇ピーク点や下降ピーク点を正確に見極めることができる。
【0078】
また、泳動電位差を生起せしめる電位差発生手段として、何れか一方の表面移動体たる被検ローラに電圧を印加するものを用いるとともに、その電位差発生手段から被検ローラへの電流値を検知する電流値検知手段たる電流検知回路(708)を設けている。かかる構成では、液体現像剤の性状として、被検ドラムと被検ローラとの間で電流を過剰にリークさせてしまうか否かという電流リーク性を測定することもできる。
【0079】
また、物体たる被検ローラや被検ドラムの表面電位を検知する表面電位検知手段としての、第1表面電位センサ713や第2表面電位センサ716を設けているので、泳動電位差を正確に測定することができる。
【0080】
更には、表面電位検知手段を複数設けているので、被検ローラと被検ドラムとの両方について表面電位を測定して、泳動電位差を更に正確に測定することができる。
【0081】
また、液体現像剤の性状として、物体たる液体現像剤の表面平滑性を検知する第1表面センサ711や第2表面センサ714を設けているので、転移層Dや残留層Dについて、その表面平滑性に基づいてトナーの凝集度を測定することができる。
【0082】
また、表面平滑性を検知する第1表面センサ711や第2表面センサ714として、液体現像剤の表面における光反射性に基づいて転移層Dや残留層Dおける表面平滑性を検知するものを用いている。かかる構成では、転移層Dや残留層Dの比重を測定するための複雑な構成を付設することなく、それら層におけるトナーの凝集度を測定することができる。
【0083】
また、性状検知手段として、液体現像剤中のトナー含有量であるトナー付着量を検知するトナー付着量センサも用いているので、トナー移動率を求めることができる。更には、かかるトナー付着量センサや上述の表面センサ(711、714)として、互いに異なる検知位置で液体現像剤の性状を同時に検知するものを用いているので、転移層D及び残留層Dのうちの一方だけでなく、両方の性状を測定することができる。
【0084】
また、トナー含有量たるトナー付着量について、互いに異なる検知位置で検知された複数の検知結果に基づいて、一方の表面移動体からもう一方の表面移動体へのトナー移動率を演算する移動率演算手段たる制御回路710を設けているので、トナー移動率を人手によらずに求めることができる。更には、この制御回路710については、求めたトナー移動率と泳動電位差との関係式を演算する関係式演算手段としての機能ももたせているので、両者の関係を作業者に容易に把握させることができる。
【0085】
【発明の効果】
請求項1乃至1の発明によれば、より実機の現像条件に近い条件で、より効率良く、液体現像剤の性状を測定することができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】液体式プリンタの一例を示す概略構成図。
【図2】実施形態に係る現像剤測定装置を示す要部構成図。
【図3】(a)は、同現像剤測定装置に搭載した被検ローラにプラスの泳動バイアスを印加したときにおける泳動ニップでの液体現像剤の状態を示す模式図。
(b)は、同被検ローラにマイナスの泳動バイアスを印加したときにおける泳動ニップでの液体現像剤の状態を示す模式図。
(c)は、図3(b)の状態よりも低強度の電界を作用させた場合の液体現像剤の状態を示す模式図。
【図4】同現像剤測定装置を用いて求めた現像剤転移率やトナー移動率と、泳動電位差との関係を示すグラフ。
【図5】(a)はトナー移動率がほぼ100[%]まで上昇した時点における泳動ニップでの液体現像剤の状態を示す模式図。
(b)同時点よりも泳動電位差を大きくしたときにおける泳動ニップでの液体現像剤の状態を示す模式図。
【図6】(a)は、図5(a)に、現像時間を14[msec]に引き延ばしたときの結果を重ねたグラフ。
(b)は、図5(b)に、現像時間を14[msec]に引き延ばしたときの結果を重ねたグラフ。
【図7】単位時間あたりの変化量を一定にした泳動電位差の出力電圧と経過時間との関係を示すグラフ。
【図8】低電圧領域における単位時間あたりの変化量を高電圧領域における変化量よりも小さくした泳動電位差の出力電圧と経過時間との関係を示すグラフ。
【図9】図8の関係を繰り返し生起せしめた泳動電位差の出力電圧と経過時間との関係を示すグラフ。
【図10】トナー付着量とトナー移動率との関係を示すグラフ。
【図11】(a)は、泳動電位差を+300Vにしたときにおける感光体と転移層とを示す模式断面図。
(b)は、泳動電位差を+500Vにしたときにおける感光体と転移層とを示す模式断面図。
【図12】同現像剤試験装置の第2表面センサと、感光体とを示す模式図。
【図13】同現像剤測定装置によって測定されたトナー移動率と、第2表面センサからの出力電圧との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1 感光体(もう一方の表面移動体)
402 現像ローラ(一方の表面移動体)
700 ローラ駆動回路(駆動手段の一部)
701 ローラ駆動モータ(駆動手段の一部)
702 ローラ駆動伝達系(駆動手段の一部)
703 ドラム駆動回路(駆動手段の一部)
704 ドラム駆動モータ(駆動手段の一部)
705 ドラム駆動伝達系(駆動手段の一部)
706 塗布ローラ(供給手段の一部)
707 メータリングブレード(供給手段の一部)
708 電流検知回路(電流検知手段)
709 バイアス電源回路(電位差発生手段や電位差変化手段の一部)
710 制御回路(性状検知手段や電位差変化手段の一部)
711 第1表面センサ(性状検知手段の一部)
712 第1トナー付着量センサ(性状検知手段の一部)

Claims (17)

  1. 液体とトナーとを含有する液体現像剤における所定の性状を測定するための現像剤測定装置において、
    2つの表面移動体の表面をそれぞれ互いの対向部に向けて近づけた後に遠ざけるように駆動するための駆動手段と、何れか一方の表面移動体の表面に液体現像剤を供給するための現像剤供給手段と、両表面移動体間に電位差を生じせしめるための電位差発生手段と、該電位差を、単位時間あたりの電位差変化量を変化させる条件で変化させる電位差変化手段と、液体現像剤の所定の性状を検知する性状検知手段とを設けたことを特徴とする現像剤測定装置。
  2. 請求項1の現像剤測定装置において、
    上記電位差変化手段に加えて、上記駆動手段による両表面移動体の駆動速度を変化させる駆動速度変化手段を設けたことを特徴とする現像剤測定装置。
  3. 請求項1又は2の現像剤測定装置において、
    両表面移動体の表面に付着した液体現像剤をクリーニングするためのクリーニング手段を設けたことを特徴とする現像剤測定装置。
  4. 請求項1乃至3の何れかの現像剤測定装置において、
    上記電位差変化手段として、上記電位差の極性も変化させることが可能なものを用いたことを特徴とする現像剤測定装置。
  5. 請求項1乃至4の何れかの現像剤測定装置において、
    上記電位差発生手段として、両表面移動体のうちの少なくとも何れか一方に電圧を印加するものを用いるとともに、該電位差発生手段から、少なくとも該一方の表面への電流値を検知する電流値検知手段を設けたことを特徴とする現像剤測定装置。
  6. 請求項1乃至5の何れかの現像剤測定装置において、
    物体の表面電位を検知する表面電位検知手段を設けたことを特徴とする現像剤測定装置。
  7. 請求項6の現像剤測定装置において、
    上記表面電位検知手段を複数設けたことを特徴とする現像剤測定装置。
  8. 請求項1乃至7の何れかの現像剤測定装置において、
    上記性状検知手段として、物体の表面平滑性を検知するものを用いたことを特徴とする現像剤測定装置。
  9. 請求項8の現像剤測定装置において、
    上記表面平滑性を検知する上記性状検知手段として、物体の表面における光反射性に基づいて該表面平滑性を検知するものを用いたことを特徴とする現像剤測定装置。
  10. 請求項1乃至9の何れかの現像剤測定装置において、
    上記性状検知手段として、液体現像剤中のトナー含有量を検知するものを用いたことを特徴とする現像剤測定装置。
  11. 請求項9又は10の現像剤測定装置において、
    上記性状検知手段として、複数の検知位置でそれぞれ上記性状を同時に検知し得るものを用いたことを特徴とする現像剤測定装置。
  12. 請求項11の現像剤測定装置において、
    上記トナー含有量について互いに異なる検知位置で検知された複数の検知結果に基づいて、一方の表面移動体からもう一方の表面移動体へのトナー移動率を演算する移動率演算手段を設けたことを特徴とする現像剤測定装置。
  13. 請求項12の現像剤測定装置において、
    上記電位差と上記トナー移動率との関係式を演算する関係式演算手段を設けたことを特徴とする現像剤測定装置。
  14. 液体とトナーとを含有する液体現像剤における所定の性状を測定する現像剤測定方法において、
    第1表面移動体を所定方向に表面移動させる工程と、
    該第1表面移動体に液体現像剤を供給して担持させる工程と、
    該第1表面移動体に相対する対向位置で該第1表面移動体との間に液体現像剤を挟み込ませるように第2表面移動体を表面移動させる工程と、
    両表面移動体間に電位差を生じせしめて該対向位置における液体現像剤中のトナーを該第1表面移動体側から該第2表面移動体側に泳動させる工程と、
    該電位差を、単位時間あたりの電位差変化量を変化させる条件で変化させる工程と、
    両表面移動体のうち、少なくとも一方の表面に付着している液体現像剤における所定の性状を測定する工程とを実施することを特徴とする現像剤測定方法。
  15. 請求項14の現像剤測定方法において、
    上記電位差を変化させる工程に加えて、上記第1表面移動体に担持された液体現像剤の上記対向位置に対する通過時間を変化させる工程を実施することを特徴とする現像剤測定方法。
  16. 請求項14又は15の現像剤測定方法において、
    上記電位差を変化させながら、上記第1表面移動体の表面領域と上記第2表面移動体の表面領域とで構成される全表面領域に対し、複数の箇所について、そこに付着している液体現像剤のトナー含有量を上記性状として測定し、測定結果に基づいて、上記電位差と、上記対向位置における上記第1表面移動体から上記第2表面移動体へのトナー移動率との関係を求めることを特徴とする現像剤測定方法。
  17. 請求項16の現像剤測定方法において、
    上記電位差を変化させながら、上記全表面領域に対し、複数の箇所における現像剤付着量を測定し、測定結果に基づいて、上記電位差と、上記対向位置における上記第1表面移動体から上記第2表面移動体への現像剤転移率との関係を求めることを特徴とする現像剤測定方法。
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