JP4234412B2 - 電子商取引に係わる代金の決済サービス方法、決済システム、コンピュータプログラム、プログラム格納媒体 - Google Patents

電子商取引に係わる代金の決済サービス方法、決済システム、コンピュータプログラム、プログラム格納媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は電子商店やネットオークションなど、Webページを媒介とした電子商取引において、買い手と売り手の決済手続きを代行するためのサービス方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インターネットを介しての商取引(電子商取引)が盛んに行われるようになった。電子商取引の場としては、商店に相当するWebサイト(電子商店)や、出品者と入札者によるオークション取引を仲介するWebサイト(オークションサイト)などがある。
【0003】
ところで、電子商取引における決済方法としては、銀行振込や郵便振替など、買い手が金融機関に赴き、売り手が指定する口座へ直接現金を振り込むのが一般的である。しかし、従来の決済方法では、買い手にとっては、わざわざ金融機関に足を運ぶための時間と、窓口やATMでの振込作業という面倒な作業が必要となる。また、支払い代金を現金ですぐに用意できなければ購入すらできないという問題もある。一方、売り手にとっては自身の口座番号など、秘匿性の高い情報を買い手に告知しなければならない。売り手が商店であればともかく、オークションにおける個人の出品者であれば、このような情報を見知らぬ人に公開することには大きな抵抗がある。
【0004】
売り手がクレジットカード加盟店で、電子商店の管理運営者であれば、落札者は、このWebサイト上からクレジットカードによる決済を依頼することができる。例えば、電子商店とCAFIS(登録商標)などの周知のオンライン与信照会システムとをC−HASなどのデータ転送システムを介して連携させ、落札者がWebページ上で入力したクレジットカード番号を与信照会システムに転送し、リアルタイムで与信照会とクレジットカード決済とが行える(例えば、非特許文献1参照)。
【0005】
クレジットカード決済なら、買い手は、あわてて金融機関に赴いて煩雑な振込作業を行わなくてよいし、手元に現金が無くても所定の期日時点で引き落とし口座に所要の残高があればよい。売り手は口座番号などを知られずに販売代金を徴収できる。
【0006】
【非特許文献1】
日経デジタルマネー・システム編,「デジタルマネーのすべて」,
1997年10月,p61−p67
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、買い手がクレジットカード決済を利用するためには、売り手が、クレジットカードの加盟店としてクレジットカード会社に登録されている必要がある。加盟店になるには各種費用や設備投資が必要となる。取引ごとに手数料も掛かる。上述のWebページを利用した決済サービスを提供しようとすれば、売り手は、さらに電子商店のWebサイトを立ち上げておく必要がある。したがって、個人間、あるいは個人とクレジットカード未加入店との電子商取引ではクレジットカード決済ができないのが現状となっている。
【0008】
したがって本発明の目的は、どのような電子商取引の形態であってもその決済にクレジットカードを利用できるようにした決済サービス方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明は、電子商取引のWebサイトを開設しているWWWサーバーと、このWWWサーバー、クレジットカード会社のオンライン与信照会システム及び金融機関の電子銀行業務システムと連携するコンピュータシステムとからなるシステムにおいて、前記Webサイトで成立した商取引に係わる代金の決済を行う方法であって、
前記Webサイトの会員について、会員IDと、会員が買い手となった場合にクレジットカードによって代金を支払うのに必要なカード決済情報とを対応付けて第1のデータベースに記録管理すると共に、会員IDと、会員が売り手となった場合に代金が振込まれる口座を特定するための受取口座情報とを対応付けて第2のデータベースに記録管理しておき、
前記コンピュータシステムが、
前記WWWサーバーから前記Webサイトにて成立した商取引の内容情報を取得すると共に、当該商取引における買い手の会員IDに対応して前記第1のデータベースに記録された買い手のカード決済情報を取得し、売り手の会員IDに対応して前記第2のデータベースに記録された受取口座情報を取得するステップと、
前記取得したカード決済情報に基づき、クレジットカード番号、クレジットカード有効期限情報、クレジットカード所有者の生年月日、クレジットカード所有者の氏名、クレジットカード所有者の電話番号の与信照会を前記オンライン与信照会システムを介して行い、買い手のクレジットカードに対する信用供与の可否情報を取得する与信照会システム連携ステップと、
前記与信照会システム連携ステップにより信用供与の旨の情報を取得したならば、決済履行の旨の通知をWWWサーバーに通知する決済履行通知ステップと、
前記与信照会システム連携ステップにより信用供与の旨の情報を取得したならば、金融機関の電子銀行業務システムに、全銀協TCP/IP手順に従い所定の口座から前記取得した受取口座情報に該当する受取口座へ前記商取引に係わる代金を送金する旨を依頼する電子銀行業務システム連携ステップと、
前記与信照会システム連携ステップにより信用供与の旨の情報を取得したならば、オンライン与信照会システムを介して所定の口座を振込先とした前記商取引に係わる代金のクレジットカード決済を依頼するカード決済ステップと、を実行し、
前記電子銀行業務システム連携ステップでは、前記商取引に係わる代金を送金する旨を依頼する先となる銀行業務システムが複数存在する場合に、前記取得した受取口座情報に基づいて送金依頼先を決定し、
前記与信照会システム連携ステップでは、複数のクレジットカード会社のそれぞれのオンライン与信照会システムにアクセス可能な照会窓口システムと通信し、当該照会窓口システムにカード決済情報を送付して与信照会を依頼するとともに、前記照会窓口システムが当該カード決済情報に基づいて該当のクレジットカード会社のオンライン与信照会システムに与信照会を行った結果を取得する電子商取引に係わる代金の決済サービス方法としている。
【0010】
また、本発明は、電子商取引のWebサイトを開設しているWWWサーバーと、このWWWサーバー、クレジットカード会社のオンライン与信照会システム及び金融機関の電子銀行業務システムと連携するコンピュータシステムとにより構成され、前記Webサイトで行われた商取引の代金決済を行うためのシステムであって、
前記Webサイトの会員のうち、取引の買い手となった場合にその代金決済をクレジットカードで行う会員について、会員IDと、クレジットカードで決済を行うのに必要なカード決済情報とが対応付けて記録された第1のデータベースと、
前記Webサイトの会員について、会員IDと、会員が売り手となった場合に代金が振込まれる口座を特定するための受取口座情報とが対応付けて記録された第2のデータベースと、
前記Webサイトで成立した商取引の内容情報を取得する取引関連情報取得手段と、
当該商取引における買い手である会員の会員IDに対応して前記第1のデータベースに記録されたカード決済情報を取得する手段と、
当該商取引における売り手である会員の会員IDに対応して前記第2のデータベースに記録された受取口座情報を取得する手段と、
クレジットカード会社のオンライン与信照会システムと通信する手段と、
金融機関の電子銀行業務システムと通信する手段と、
前記取得したカード決済情報に基づき、クレジットカード番号、クレジットカード有効期限情報、クレジットカード所有者の生年月日、クレジットカード所有者の氏名、クレジットカード所有者の電話番号の与信照会を前記オンライン与信照会システムを介して行い、買い手のクレジットカードに対する信用供与の可否情報を取得する与信照会システム連携手段と、
前記与信照会システム連携手段により信用供与の旨の照会結果を取得したならば、決済履行の旨の通知をWWWサーバーに通知する決済履行通知手段と、
前記与信照会システム連携手段により信用供与の旨の照会結果を取得したならば、金融機関の電子銀行業務システムに、全銀協 TCP IP 手順に従い所定の口座から前記取得した受取口座情報に該当する受取口座へ前記商取引に係わる代金を送金する旨を依頼する電子銀行業務システム連携手段と、
前記与信照会システム連携手段により信用供与の旨の照会結果を取得したならば、オンライン与信照会システムに所定の口座を振込先とした前記商取引に係わる代金のクレジットカード決済を依頼するカード決済依頼手段と、を備え、
前記電子銀行業務システム連携手段は、前記商取引に係わる代金を送金する旨を依頼する先となる銀行業務システムが複数存在する場合に、前記取得した受取口座情報に基づいて送金依頼先を決定し、
前記オンライン与信照会システムと通信する手段は、複数のクレジットカード会社のそれぞれのオンライン与信照会システムにアクセス可能な照会窓口システムと通信し、前記与信照会システム連携手段は、当該照会窓口システムにカード決済情報を送付して与信照会を依頼するとともに、前記照会窓口システムが当該カード決済情報に基づいて該当のクレジットカード会社のオンライン与信照会システムに与信照会を行った結果を取得することを特徴としている。
【0013】
なお 本発明には、コンピュータにより実行されて、当該コンピュータを上記決済システムとして機能させるコンピュータプログラムやそのコンピュータプログラムを格納したコンピュータにより読み取り可能なプログラム格納媒体も含まれる。
【0014】
【発明の実施の形態】
===ネットワーク構成と決済サービスの概略===
ネットオークションにおける落札代金の決済に本発明の決済サービス方法を適用した形態を例に挙げる。図1は本実施例の決済サービス方法が適用されるネットワークの概略構成図を示している。インターネット20上にはオークション参加者が使用する利用者コンピュータ21とネットオークションを開催するオークションシステム10が接続されている。オークションシステム10は、オークションサイトを公開するためのWWWサーバー12、オークション参加資格を持つ多数の会員についての個人情報を蓄積管理する個人情報データベース13、オークションサイトによって開催される全オークションについての各種情報を蓄積管理するオークションデータベース15、会員に対する各種通知を電子メールによって送信するためのメールサーバー14などを含んで構成されている。オークション参加者は、ブラウザや電子メール送受信ソフトウエアを実装する利用者コンピュータ21によってインターネット20を介してオークションサイトにアクセスする。オークションサイトでは、WWWサーバー12が提供している各種Webページを通じて、出品手続きの案内や、出品者と入札者との取引の仲介などをしながらオークションを開催している。
【0015】
オークションシステム10は、オークション開催者が管理運営するイントラネット11上に構築され、落札されたオークション案件の代金決済を行うための決済システム1がこのイントラネット11に接続されている。この決済システム1が主体となって提供される落札代金決済サービス(以下、決済サービス)では、落札されたオークション案件について、この決済システムを管理運営する決済仲介業者が落札者に代わって落札代金を出品者に立て替え払いをする。そして、クレジットカード会社によって落札者の口座からクレジットカード決済によってその落札代金が後日引き落とされると、その代金が決済仲介業者の口座に振り込まれる。それによって、落札者は落札代金をクレジットカード決済により支払うことができ、また、出品者は落札後短時間の内に落札代金が自分の口座に振り込まれることになる。
【0016】
決済システム1は、 上記サービスを提供するために、例えば、OBN(Open Business Network)40などの通信回線を介してクレジットカード会社のオンライン与信照会システムに接続し、落札者が所有するクレジットカードやそのカードによる落札代金決済についての与信照会を行う機能を備えている。そして、オークションシステム10によってあるオークションの出品商品が落札されたならば、落札者がその落札代金を出品者に支払う手続きに介在して個人間でのオークション取引であっても落札者のクレジットカードを利用して決済できる仕組みを提供している。なお本実施例では、決済仲介業者は、複数のクレジットカード会社と個別に契約していない。すなわち、落札者のクレジットカードに応じて各クレジット会社と個別に与信照会をする形態を採用していない。その代わりに、複数のクレジットカード会社と個別に契約している窓口機関のオンライン与信照会システム(以下、照会窓口システム)41に一括して各クレジットカード会社への与信照会を依頼することとしている。本実施例ではe−SCOTT(登録商標)と呼ばれる照会窓口システム41を利用している。照会窓口システム41は、各クレジットカード会社におけるカード利用者データベース42にアクセスする権限を有しており、このデータベースにはクレジットカード番号ごとにそのカード利用者についての個人情報やクレジットカード決済の利用状況などが蓄積管理されている。照会窓口システム41は、決済システム1から与信照会を依頼されたクレジットカード決済案件について、該当するクレジットカード会社のカード利用者データベース42にそのカード番号を照会するとともに、決済に対する与信の可否情報を決済システム1に返送する。なお、照会窓口システム41を介した与信照会では、カード利用者データベースに照会する情報(カード決済情報)として、クレジットカード番号とカードの有効期限に加え、カードの所有者本人を特定できる所定の個人情報(生年月日、氏名、電話番号など)もクレジットカード会社に照会することとしている。
【0017】
また決済システム1は、決済仲介業者が出品者に落札代金を立て替え払いするために、ISDN30などの通信回線を介して金融機関の電子銀行業務(Electronic banking:以下、EB)システム31に接続してデータ通信を行う機能を備えている。周知のごとく、EBシステム31は、金融機関のホストコンピュータと企業などの顧客側の経理業務用コンピュータとを通信回線によって接続し、口座振替など金融機関が顧客に対して提供している各種銀行業務に係わるサービスをオンラインで行えるものである。本実施例では全銀協TCP/IP手順に従って金融機関のEBシステム31と通信する。そして、EBシステム31に対し決済仲介業者の所定の口座から、出品者が指定する受取口座への落札代金の口座振替を依頼する。なお、決済仲介業者が自身の口座から出品者の口座へ落札代金を振り替える際には、同じ金融機関の本支店間で送金する方がその手数料が安く済むことから、決済仲介業者は複数の金融機関に口座を有し、決済システム1は各金融機関のそれぞれのEBシステム31と通信して口座振替を依頼するように構成されている。それによって、可能な限り同じ金融機関同士で送金が行えるようにしている。
【0018】
===データベース===
本実施例では、オークション取引における商品や代金の詐取などの問題に対応するために、出品や入札などオークションに実際に参加したい利用者は、会員として固有の会員IDと、このオークションシステム10にログインするためのパスワードと、会員本人を特定できる情報とを個人情報データベース13に登録することとしている。そしてオークションシステム10は、オークション取引に際して会員IDを名乗ってアクセスしてきた参加者の本人確認を適時に行っている。またオークション開催者は、この本人確認の手続きに対して手数料(本人確認費)を会員から徴収することとしているため、この手数料の徴収に係わる各種情報も個人情報データベース13に登録することとしている。
【0019】
会員は、本人確認費をクレジットカードによって決済するか、あるいはオークション開催業者が指定する金融機関に口座を開設してこの口座から引き落として決済するか、いずれかを選択することができるようになっており、個人情報データベース13には、氏名、年齢(生年月日)、連絡先(住所、電話番号、電子メールアドレス)などの個人情報や本人確認費の支払い情報(クレジットカード、あるいは口座に関連する情報)が会員IDに対応付けされて格納されている。
【0020】
また、オークションシステム10は、自身が開催している全オークション案件をオークションIDによって識別し、各オークションについての開催経過や出品・入札・落札・決済に関する情報などをオークションデータベース15に蓄積管理している。そして、出品者の会員IDや出品商品、入札者の会員IDや入札額などを対応付けさせながらオークションデータベース15を随時更新している。
【0021】
また、決済サービスを利用する際には、落札者側はカード決済情報を、出品者側は落札代金が振り込まれる口座についての口座情報(本実施例では、金融機関名、店名、名義、口座種別、口座番号:以下、受取口座情報)を、オークションシステム10および決済システム1に通知する必要がある。落札者が本人確認費の決済に利用するクレジットカードを利用するのであれば、カード決済情報はすでに個人情報データベース13で管理されていることになる。個人情報データベース13にクレジットカードについての情報が無くても、個人情報は通知済みであるので、クレジットカード自体についての情報は、この決済サービスを実際に利用する時点で通知すればよい。もちろん、決済サービスを利用する際には個人情報データベースに登録されているものとは別のクレジットカードを利用するように通知することもできる。いずれにしても、クレジットカード番号などの秘匿性の高い情報は、他の会員に一切知られないようになっている。さらに、本人確認費の支払いと決済サービスによる落札代金の支払いに同じクレジットカードを使用すれば、そのカードの番号は会員IDに対応付けされて管理されているので、オークションシステムや決済システムは、会員IDさえ特定できればカード決済情報を取得することができる。したがって会員は、オークション取引でクレジットカードを使用する場合、取引機会ごとにクレジットカード番号などを通信ネットワーク上に送出する必要が無く、情報漏洩の危険性をきわめて低くすることを可能にしている。
【0022】
なお受取口座情報は、金融機関のEBシステム31にその口座への振替を依頼することから、少なくとも決済システム1側のデータベース(以下、受取情報データベース)2で管理されることになる。個人情報データベース13でも受取口座情報を管理するようにしてもよい。もちろん、オークションシステム10と決済システム1の双方が所要の情報にアクセスできるように各情報を管理しておけば、データベースの形態や構成はどのようなものであってもよい。すなわち、上述した各種データベースはどちらのシステムに所属していてもよいし、オークションシステム10や決済システム1が会員IDに対応付けされた特定の情報を取得できれば、そのハードウエア構成はどのようなものであってもよい。各情報が一つのデータベースによって一括して管理されていてもよいし、複数のデータベースによって所定の情報が分散管理されていてもよい。
【0023】
図2にオークションの参加希望者が、本人確認費に関する支払い情報と、必要に応じて受取口座の情報を所定のデータベースに登録するための処理の流れ図を示している。また、図3、図4にこの登録過程を会員の利用者コンピュータ21に表示される画面遷移図によって示した。これら図2〜図4に示した例では、少なくとも会員IDとこのオークションシステム10へのログインパスワードと電子メールアドレスとが事前に個人情報データベースに登録されているある会員が、本実施例の決済サービスの利用を希望した場合、他の情報を個人情報データベースや受取情報データベース2に登録するという事例を想定している。
【0024】
まず、この会員が自身の利用者コンピュータ21のブラウザにより会員IDとパスワードとによる認証手続きを経てオークションシステム10にログインし、その上で、決済サービスの利用申し込みを行うためのWebページ(登録申し込みページ)の送付要求を出す(s1)。オークションシステム10は、個人情報データベース13を参照し、この会員について、本人確認費の支払い方法が登録されていない場合やクレジットカード以外の方法で本人確認費を支払うように登録されている場合、与信照会に必要なカード決済情報を入力させるためのフォームを含んだ登録申し込みページ(図3(A))を送信し、このページの所定のフォームに入力された所定の情報を返送してもらう(s2,s3→s4,s6,s7)。支払い方法としてクレジットカードが指定されていてそのカード番号が登録済みであることを認知すれば、カード決済情報が記入された状態の登録申し込みページ(図3(A))を利用者コンピュータ21に送信し、その記入事項に間違いがなければこの記入情報を返送してもらう(s2,s3,s5〜s7)。
【0025】
オークションシステム10は、利用者コンピュータ21から返送されてきたカード決済情報を取得し、これを所定の体裁のWebページ(登録確認ページ:図3(B))にしてこれを利用者コンピュータに送信し(s8,s9)、登録申し込みページのフォームに記入した情報に誤りがないかを確認してもらう。オークションシステム10は、内容を確認した旨が利用者コンピュータ21から返送されてくると、先に取得したカード決済情報を決済システム1に転送し、決済システムはカード決済情報を照会窓口システム41に照会する(s10,s11→s14,s15)。そして、照会窓口システム41から返送されてきたその照会結果をオークションシステム10に転送する(s16,s17)。オークションシステム10は、与信が得られた旨の照会結果が転送されてきた場合には、決済サービスが利用可能となった旨を記載したWebページ(登録完了ページ:図3(C))を利用者コンピュータ21に送信する(s18→s21,s22)。
【0026】
また本実施例では、与信が得られなかった場合には、登録申し込みページを再送し、この再送されたページに入力されたカード決済情報に基づいて上記と同様に与信照会を行うループ処理に移行する(s18→s19,s20)。もちろん。このループ回数に上限を設定し、その回数を超えた時点で、エラー画面を送付してその後の処理を中止するようにしてもよい。
【0027】
この登録完了ページには、出品者としてオークションに参加する際にその出品商品の落札代金の送金先となる受取口座を登録する手続きへと移行させるための指示を受け付ける機能が含まれており、会員が必要と思えば、ブラウザ上でその旨の指示をおこない、受取口座に関する情報を入力するためのWebページ(受取口座登録ページ:図4(A))を取り寄せる(s23,s24→s27)。オークションシステム10は、利用者コンピュータ21から、この受取口座登録ページに入力された受取口座についての受取口座情報が返送されてくると、これを決済システム1に転送する(s28、s29)とともに、この会員の利用者コンピュータ21に受取口座情報を登録した旨を記載したWebページ(図4(B))を送信する(s30)。また決済システム1は、この受取口座情報を受取情報データベース2に登録する(s31)。
【0028】
また決済システム1は、定期的に金融機関のEBシステム31にアクセスし、受取口座情報に基づいて該当口座の有無を確認する処理を行い、口座の存在が確認されれば、その旨の確認結果をオークションシステム10に通知する(s32〜s34→s35)。オークションシステム10は、先に決済システム1に転送した受取口座情報を個人情報データベース13に登録するとともに、この会員に受取口座情報を正規登録した旨を電子メールにより通知する(s38→s39,s42)。
【0029】
該当の受取口座が存在しない場合には、該当の受取口座情報を受取情報データベースより消去し、口座が確認された無かった旨をオークションシステムに通知する(s34→s36,s37)。オークションシステム10は、この通知を受け取ると、先に登録された受取口座情報が無効である旨を電子メールによりこの会員に通知する(s38→s39)。なお受取口座が存在しない場合、受取口座情報を登録するためのWebページを用意しておき、そのページのURLを先の受取口座情報無効の旨の電子メールに記載しておくなど、適宜な方法で受取口座情報の登録を再度受け付けるようにしておけばよい(s40)。
【0030】
なお、金融機関側のEBシステム31によっては、受取口座情報に基づいて該当口座の有無を確認する処理(s32〜)を本人確認情報の登録処理に引き続いてリアルタイムで行える可能性もある。この場合、受取口座情報の登録、あるいは未登録の旨を、電子メールに代えてWebページで通知することもできる。
【0031】
===オークションの開催と落札===
オークションの開催やその入札および落札過程については、従来のオークションシシステムによるネットオークションと同様である。オークションシステムは新規のオークションIDがオークションデータベースに登録されると、入札出品商品と入札期限をWebページによって提示して入札者を募る。入札者がこのWebページを通じて入札額をオークションシステムに通知してくると、該当するオークションIDにその会員のIDや入札額などを対応付けさせながらオークションデータベースを随時更新していく。また、オークションデータベースを随時参照して各オークション会場となるWebページに入札額をリアルタイムで反映させていく。そして、期限満了時において、最高入札額を提示した会員を落札者として認知する。もちろん、出品者が提示した希望落札額を入札者が入札金額として提示した場合など、オークションには期限の満了を待たずに落札を決定させるための各種ルールも存在する。
【0032】
いずれにしても、落札が決定すると、該当のオークションIDに、出品者と落札者の会員ID、および落札した入札金額などを対応付けしてオークションデータベースに格納する。また、オークションデータベース中に落札したオークション案件があれば、該当の落札者と出品者の電子メールアドレスを個人情報データベースより取得して双方にオークションの内容と落札額などを記載した落札通知を電子メールによって送信する。
【0033】
===決済サービスの利用制限===
本実施例の決済サービスでは、所定期間内における会員一人当たりに対する立て替え払い額を制限している。そのため、決済システムは、過去に出品者として落札代金を受け取ったことがある会員について、その代金受取履歴を受取情報データベース2にて蓄積管理している。なお、この履歴は決済サービスを利用してもしなくても受取情報データベース2に記録される。そして、落札されたあるオークション案件について、その出品者が本サービスによって落札代金を受け取る場合、過去1ヶ月間における該当会員の代金受取履歴を参照し、その1ヶ月間の受取り合計金額が所定金額以内であることを条件に決済サービスによる落札代金の受取を許可することとしている。なお、本実施例では、過去1ヶ月の受取金額を原則30万円/月以下に制限している。
【0034】
===決済サービス===
あるオークションが落札されると、落札者は、その落札に係わる代金を決済システム1が提供する決済サービスを利用してクレジットカードで決済することができる。図5は、決済サービスにおける落札者の手続きに係わる処理の流れ図を示している。落札者に送信された落札通知には落札したオークション案件に固有のURLが記載されており、オークションシステム10は、落札者コンピュータ21aのブラウザがこのURLを指定してアクセスしてくると、落札したオークションについての詳細な情報と落札者によって選択可能ないくつかの決済方法についての説明とが記載されたWebページ(決済案内ページ)を落札者コンピュータに送信する(s51,s52)。図6にこの決済案内ページの概略図を示した。ここでは、落札者がこの決済案内ページ上で決済サービスを指定したものとする(s53)。オークションシステム10は、この指示を受け付けると、以後、決済システム1と落札者コンピュータ21aとのデータ通信をWebページを通じて仲介するユーザインタフェースとして機能する。すなわち、決済サービスに係わる各種指示を落札者コンピュータ21aから受け付けて、その指示やその指示に基づく所定のデータを決済システム1に随時転送し、決済システム1における各種データ処理の結果を受け付け、その処理結果を反映した内容のWebページを落札者コンピュータ21aに返送する。
【0035】
図7(A)〜(D)に決済サービスの提供過程を落札者コンピュータ21aのブラウザに表示される画面遷移図によって示した。オークションシステム10は、決済サービスの利用指示を受け付けると、個人情報データベース13に落札者の会員IDを照会し、この落札者のカード決済情報が登録されているかどうかを確認する(s53〜s55)。登録されている場合には、該当のクレジットカードで決済をするか、他のクレジットカードで決済をするか否かを問い合わせるための機能と、他のクレジットカードについてのカード決済情報の入力欄と、落札金額に付帯費用(送料など)を含めた落札代金の総額(送金金額)の入力欄とを含んだWebページ(決済申し込みページ:図7(A))を落札者コンピュータ21aに送信する(ss55→s57)。落札者がこの決済申し込みページを通じて送金金額と個人情報データベース13の登録情報を使う旨とを返送してくれば、この送金金額と個人情報データベース13に登録されているカード決済情報とを取得する(s58,s59→s60,s61)。登録情報を使わない場合には、送金金額とこのページの所定欄に入力されたその他のクレジットカードに関するカード決済情報とを取得する(s58,s59→s63)。
【0036】
個人情報データベース13にクレジットカード番号が登録されていない会員、あるいは本人確認費の支払いに関する情報自体が登録されていない新規のオークション参加者に対しては、落札代金とカード決済情報の入力欄を含んだ決済申し込みページ(図7(B))を送信する(s55→s56)。そして、このページに入力されて返送されてきた情報を取得する(s62,s63)。
【0037】
つぎに、出品者の会員IDを決済システム1に送付してこの出品者の過去1ヶ月間の受取履歴を調査してもらい、その調査結果を返送してもらう(s64〜s66)。上限額に達している旨の調査結果が送付されてきた場合には、決済サービスが利用できない旨を記載したWebページを落札者コンピュータ21aに送信し、他の決済方法を利用するように案内する(s67→s68)。
【0038】
上限額に達していない旨の調査結果が送付されてくれば、オークションシステム10は、先に落札者コンピュータ21aより取得した送金金額を決済システム1に転送する(s67→s70)。決済仲介業者は、この決済サービスの利用に対し、送金金額に応じた手数料を落札者から徴収することとしており、決済システム1は、転送されてきた送金金額に対する既定の手数料を求めて、これをオークションシステム10に返送する(s71,s72)。
【0039】
オークションシステム10は、この手数料を先に落札者コンピュータ21aから取得した送金金額に加えてこれを落札者の総支払額とし、この総支払額を落札者に提示するとともに、その支払いに対して同意するか否かを問うためのWebページ(支払い確認ページ:図7(C))を落札者コンピュータ21aに送信する(s73)。そして、落札者が支払い確認ページ上で支払いに同意する旨を指示してその指示情報が落札者コンピュータ21aから送付されてくると、先に取得したカード決済情報と総支払額とを決済システム1に送付する(s74,s75→s78)。
【0040】
決済システム1は、オークションシステム10が送付してきたカード決済情報と総支払額とを照会窓口システム41に与えて与信照会を行ってもらう。照会窓口システム41から返送されてきた与信照会の結果として、与信の旨が返送されてくると、出品者の受取口座が受取情報データベース2に登録されているかどうかを調べる。そして、このクレジットカード決済に係わる内容情報を決済情報データベース3に格納して決済を特定するための決済IDと、与信の旨の情報と、受取口座についての調査結果とをオークションシステム10に返送する(s79〜s81→s83〜s85)。なお、与信が得られなかった場合にはその旨をオークションシステム10に返送する(s79〜s81→s82)。
【0041】
オークションシステム10は、落札者のクレジットカード決済に対して与信の旨の情報が返送されてきたならば、決済IDとクレジットカード決済の受け付けが完了した旨の記載とを含んだWebページ(決済完了ページ)を落札者コンピュータ21aに送信する。併せて、決済IDと決済完了の旨を落札者と出品者の双方に電子メールにより通知する(s86→s89,s90,s91→s93)。なお、与信が得られたものの、出品者の受取口座がまだ未登録であった場合には、出品者に送信する決済完了の電子メールに受取口座を登録するように督促する内容を記載する(s91→s92)。
【0042】
なお、カード決済の限度額を超過していたり、この時点でカードの有効期限が切れていたりするなどして、与信が得られなかった場合、本実施例では、決済サービス申し込みページを再送するなどして、他のクレジットカードのカード決済情報を再入力させて上記と同様に与信照会を行うループ処理に移行する(s86→s87,s88)。このループ回数にも上限を設定し、その回数を超えた時点で、エラー画面を送付してその後の処理を中止するようにすることができる。もちろん、与信が得られなかった旨を記載したWebページを落札者コンピュータ21aに送信して他の決済方法を選択するように案内してもよい
===落札代金の立て替え払い===
決済システム1は、クレジットカード決済の受け付けが完了したオークション案件について、その送金金額とその金額の送金先となる受取口座とを送金ファイルとして管理しており、毎日定時など、定期的に決済情報データベース3にアクセスして送金ファイルを取得する。そして、その送金ファイルの内容に従って適宜な金融機関のEBシステム31に接続し、送金金額に相当する代金の口座振替を依頼する。EBシステム31よりこの依頼に対して該当の送金処理がなされた旨の情報を受け取ると、落札者が出品者に支払う送金金額に相当する金額を窓口機関に対する売り上げとして計上してその旨を決済情報データベース3に格納する。
【0043】
なお決済システム1は、受取人の口座がある金融機関に決済仲介業者の口座がある場合には、その金融機関のEBシステム31に対して口座振替を依頼するようにして振込手数料を可能な限り節約している。また、同じ金融機関に口座が無くても、都市銀行同士、地方銀行同士など、より手数料の安い経路で口座振替を行うように口座振替を依頼するEBシステム31を適宜に決定している。
【0044】
なお、オークション開催者によっては、オークションシステム10の利用手数料として、落札金額に対して所定の割合の金額を出品者から徴収している場合もある。このような場合、送金ファイルには、落札者コンピュータ21aから先に取得した送金金額からその手数料を差し引いた金額を受取口座への振替金額として記載しておき、システム利用手数料をオークション開催者側が指定する口座に振り替えるように適宜なEBシステムに依頼することとしてもよい。
【0045】
===受取口座の登録督促と変更依頼===
決済システム1は、クレジットカード決済の受け付けが済んでいるオークション案件について、定期的に口座振替依頼を実行する際、出品者側の都合によって、その振替先の口座が解約などにより存在しない可能性もある。そのような場合に対応して、決済システム1は、口座振替依頼に対して、EBシステム31から口座が存在しない旨の情報が返送されてくると、その旨をオークションシステム10に通知し、オークションシステム10は、出品者に新規の受取口座情報を登録するように督促する電子メールを送信する。
【0046】
また、口座が存在しても名義が異なっているなど、口座の実体が相違している場合にも同じく、正規の受取口座を登録するように電子メールで依頼する。もちろん、オークションに係わる決済の受け付け事実が無くても、定期的に受取情報データベース2にアクセスして、登録されている口座情報を適時にEBシステム31に照会して口座の有無や相違などを確認するようにしてもよい。
【0047】
===取引履歴の確認機能===
上記実施例の決済サービスでは、1人の会員が過去1ヶ月に受け取れる金額に上限を設けていた。そこで、各会員が自身の受取履歴を確認できるようにすることもできる。例えば、オークションサイトに利用履歴の閲覧要求を受け付けるためのWebページを用意しておき、ログイン済みのある会員の利用者コンピュータ21がこのWebページを取り寄せて利用履歴の閲覧を指示したならば、この会員のIDを決済システム1に送付して該当する受取履歴の送付要求を出す。決済システム1は、この要求を受け付けたならば、受取情報データベース2に会員IDを照会して該当する受取履歴をオークションシステム10に返送し、オークションシステム10がこれをWebページの体裁に加工して利用者コンピュータ21に送信する。
【0048】
利用履歴の閲覧要求を受け付けるWebページに、過去の特定の期間を指定するための入力欄を設けておき、その指定期間をオークションシステム10が受け付けて決済システム1に転送するようにしておけば、会員が指定した期間における受取履歴を確認することができる。なお、受取履歴に限らず、過去に決済サービスによってクレジットカード決済したオークション案件についての履歴を確認できるようにしておいてもよい。それによって、所定の期日にクレジットカード決済によって口座から引き落とされる額を確認することができ、残高不足による引き落としの遅延やそれによる滞納金の支払いなどを防止することができる。
【0049】
===ビジネスモデル===
上記実施例による決済サービスは、当然、そのビジネスモデルが確立されていなければ事業として成り立たない。上記実施例では、落札者がクレジットカード決済によって支払う総額にはこのサービスの利用手数料が含まれていた。
また、上述のオークションシステム利用料と同様に、決済仲介業者も落札金額や送金金額に対して所定の割合の決済サービス利用手数料を出品者から徴収することも考えられる。
【0050】
===より高度な利用制限機能===
上記実施例では決済サービスの利用条件として、落札者にはクレジットカードに対する与信が、出品者には受取口座の登録と月間受取合計金額の制限が、それぞれ課せられていた。しかし、よりオークション取引の信頼性を高めるためには、問題のあるオークション参加者は可能な限りその利用を制限した方がよい。さらに、より優良な参加者にはその制限を緩めるなどの特典を与えて積極的にオークションに参加してもらう。そうすることで、相対的に優良な参加者の数が増え、自ずとオークション取引の信頼性が高くなる。
【0051】
従来からオークション開催者は、オークションの取引が完了した時点で、落札者と出品者に相手の取引態度に対する評価をしてもらっている。普通、オークションシサイトの構造は、オークション取引が完了すると、その評価を通知してもらうためのWebページへと案内するように設計されており、その案内された先のWebページには、例えば、取引に際しての状況などを「非常に良い」「良い」「普通」「悪い」「非常に悪い」など、複数段階で評価してもらうための機能と、取引内容を評論したコメントの記入欄とが含まれている。取引当事者が自身の利用者コンピュータ21により、そのWebページ上で入力したそれら評価に関する情報をオークションシステム10に返送すると、オークションシステム10は当事者の会員IDにその評価情報を対応付けして個人情報データベース13やオークションデータベース15など所定のデータベースに格納する。段階評価については、例えば「非常に良い」を+2点として、以下「良い」「普通」…の順に、+1点・±0点・−1点・−2点に換算されてデータベースに格納される。評価情報を決済システム1側の受取情報データベース2に格納するようにしてもよい。そして、新規に評価情報が送付されてくると、該当する会員IDに対応付けされている得点に新規の得点を加算あるいは減算してデータベースを更新する。また、その段階評価とともに送付されてきたコメントを該当会員IDに対応付けして追記する。もちろんデータベースでは、各オークション案件について、出品商品や落札額・当事者双方の会員IDなど、オークション自体の取引内容が相互に対応づけされているため、アクセスしてきた利用者コンピュータ21のブラウザからの要求に応じて、誰が過去にどのような取引をしたのか、あるいはどのオークション案件において、誰が誰にどのようなコメントを残して、どんな評価をしたのかをWebページ上で確認できるようになっている。
【0052】
そこで、会員ごとの評価情報や過去の取引履歴に基づいて決済サービスの利用に制限を掛けるようにした決済サービス方法について、その実施形態を以下に示す。図8はその利用制限処理の流れ図を示している。この利用制限処理は、図5に示した決済サービスの流れの中に組み込まれ、出品者の過去の累積評価得点とともに、過去所定の期間における取引金額に基づいて出品者に取引制限を掛けている。落札者に対しても一回の取引金額を制限している。それによって、問題が発生したときに損害が大きくならないようにしている。また、過去の取引金額が制限を越えていなくても、今回成立した取引金額を加算した額が所定の額を超えていればやはり制限を掛けることとしている。なおこの例では、会員ごとの評価情報をオークションデータベース15で管理するものとし、評価情報に基づいて利用制限に達しているかどうかを判断する処理については決済システム1側で行うこととしている。
【0053】
具体的には、オークションシステム10は、あるオークション案件の取引が成立して、落札者が決済サービスの利用を申し出た時点から決済サービス申し込みページを落札者コンピュータ21aに送信するまでの過程(s53〜s57)に出品者の利用制限についての情報を決済システム1に問い合わせている。オークションシステム10は、落札者が決済サービスの利用を申し込んでくると、出品者の会員IDとそれまでの累積評価得点とを決済システム1に送付する(s101)。決済システム1は、該当の会員について、過去1ヶ月の受取金額と累積評価得点とを取得し、累積評価得点が50点以下であれば、利用上限額を30万円として、月間受取総額が30万円以下であれば利用限度額が30万円である旨をオークションシステム10に通知する(s102→s104→s107)。また累積評価得点が51点以上で、所定の条件に基づいて事前にその利用上限額が100万円に設定されている出品者であり、さらに、月間受取総額が100万円以下であれば利用限度額が100万円である旨をオークションシステム10に通知する(s102→s103→s108→s113)。月間受取総額が累積評価得点や所定の条件に応じた利用限度額より多ければ決済サービスの利用ができない旨をオークションシステム10に通知する(s104→s105、あるいはs110→s111)。なお、上限額が100万円に設定される条件については後述する。
【0054】
オークションシステム10は、決済サービスの利用不可の旨が通知されてくると、エラー画面のWebページを落札者コンピュータ21aに送信し、決済サービスが利用できない旨を通知する(s106)。利用可能であれば、決済申し込みページを落札者コンピュータ21aに送信して以後の処理に移行する(s57)。
【0055】
次の段階の利用制限処理は、オークションシステム10が決済システム1にクレジットカード決済の与信照会を依頼する際の処理過程(s64〜s73)に組み込まれる。図5に示した利用制限の判定は単純に出品者の月間受取総額にのみ基づいてサービス利用の可否を判定していたが、ここでは、落札者がクレジットカード決済によって支払う送金金額に基づく判定と、この送金金額に出品者の過去1ヶ月の受取総額を加算した額に基づく判定の2段階で利用制限の可否を判定している。オークションシステム10は、落札者コンピュータ21aからカード決済情報を受け取ると、送金金額と出品者の会員IDとを決済システム1に転送する(s121)。決済システム1は、この送金金額が30万円より多ければ、決済サービスの利用を許可しない旨をオークションシステム10に通知する(s122→s66)。30万円以下であれば、出品者の過去1ヶ月の受取総額に今回の送金金額を加算した額を算出する。この場合も出品者の累積評価得点に応じて、50点以下、すなわち出品者の利用限度額が30万円以下である場合、今回の決済金額を加算したときの額の上限を33万円以下とする。51点以上、すなわち利用限度額が100万円以下である場合、加算合計額の上限を105万円以下とする。そして、今回分を加算した額が累積評価点に応じた上限以下であれば、決済サービスの利用を許可する旨をオークションシステム10に通知し(s123→s125→s127、あるいはs123→s124→s128→s130)、上限を超えていれば、利用を許可しない旨を通知する(s125→s126、あるいはs128→s129)。
【0056】
オークションシステム10は、利用不許可の旨の通知を受け取ると、エラー画面を落札者コンピュータ21aに送信する(s68)。利用が許可されれば、支払い確認ページを送信する(s73)。
【0057】
出品者は、落札者の与信が得られて実際にクレジットカード決済の実行が確実になった時点で、今回のクレジットカード決済によって受け取る額がそれまでの月間受取総額に加算されることになる。ここで、加算後の受取総額が先の累積評価得点に応じた利用限度額に達した場合、今月はこれ以上落札代金を受け取ることができなくなる。そこで、今回のオークション取引によって月間受取総額を超えてしまった出品者には、今月はこれ以上落札代金を受取ることができない旨を記載した電子メール(利用終了通知)を送付するようにしている(s141→s143→s144,s145、あるいはs141→s142→s147→s148,s149)。この例では、利用終了通知に係わる処理を、クレジットカード決済の与信が得られた後、決済完了ページを落札者コンピュータ21aに送信するまでの過程(s85〜s89)に組み込んでいる。
【0058】
また上述したように、累積評価得点が51点以上であれば、誰でも利用上限額が100万円に設定されるわけではない。月間受取額の上限が100万円に設定されている会員は、事前に所定の審査基準を満たしている必要がある。例えば、過去の累積評価得点が51点以上で、さらに、その評価履歴において、「悪い」以下の評価がなされた割合が5%未満である場合に限って、その会員の月間受取限度額を100万円とするなど適宜な条件に基づいて設定する。なお、該当する会員には、上限額を100万にすることができる旨や、希望により上限額を100万円にするための手続き方法などを案内する電子メール(利用限度額増額通知)を送付している(s143→s146,s151→s152,s153)。
【0059】
===決済サービスの適用範囲===
本発明の決済サービスは上述したネットオークションにおける落札代金の決済に限らず、電子商店など他の電子商取引にも適用することができる。また、コンピュータシステムについても、ネットオークションや電子商店などの電子商取引の場を提供しているWWWサーバーと、決済システムとを個別のコンピュータシステムとして区別せず、単一のコンピュータシステムにWWWサーバーとして機能させるためのプログラムと、決済システムとして機能させるためのプログラムとを実装した形態であってもよい。
【0060】
【発明の効果】
本発明の決済サービス方法によれば、個人間や個人とクレジットカード未加入店との間の電子商取引であっても、買い手が売り手に支払う代金をクレジットカードで決済することができる。それによって、買い手にとっては支払いに係る利便性が向上し、売り手にとっては迅速に販売代金を回収することができる。口座番号などの情報を他人に開示する必要なく、売り手が個人であれば、安心して商取引ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における決済サービス方法が適用されるネットワーク構成図である。
【図2】上記実施例において、オークション参加者の個人情報をデータベースに登録するための処理の流れ図である。
【図3】上記個人情報の登録過程で利用者コンピュータに表示される画面の遷移図である。
【図4】上記個人情報の登録に引き続いて受取口座情報を登録する過程で利用者コンピュータに表示される画面の遷移図である。
【図5】上記決済サービス方法に係わる処理の流れ図である。
【図6】上記決済サービスの利用申し込みを受け付けるWebページの画面概略図である。
【図7】上記決済サービスの提供過程で利用者コンピュータに表示される画面の遷移図である。
【図8】上記決済サービス方法により高度な利用制限機能を付加した場合の、利用制限処理に係わる処理の流れ図である。
【符号の説明】
1 決済システム
2 受取情報データベース
3 決済情報データベース
10 オークションシステム
13 個人情報データベース
15 オークションデータベース
31 電子銀行業務システム
41 照会窓口システム
42 カード利用者データベース

Claims (7)

  1. 電子商取引のWebサイトを開設しているWWWサーバーと、このWWWサーバー、クレジットカード会社のオンライン与信照会システム及び金融機関の電子銀行業務システムと連携するコンピュータシステムとからなるシステムにおいて、前記Webサイトで成立した商取引に係わる代金の決済を行う方法であって、
    前記Webサイトの会員について、会員IDと、会員が買い手となった場合にクレジットカードによって代金を支払うのに必要なカード決済情報とを対応付けて第1のデータベースに記録管理すると共に、会員IDと、会員が売り手となった場合に代金が振込まれる口座を特定するための受取口座情報とを対応付けて第2のデータベースに記録管理しておき、
    前記コンピュータシステムが、
    前記WWWサーバーから前記Webサイトにて成立した商取引の内容情報を取得すると共に、当該商取引における買い手の会員IDに対応して前記第1のデータベースに記録された買い手のカード決済情報を取得し、売り手の会員IDに対応して前記第2のデータベースに記録された受取口座情報を取得するステップと、
    前記取得したカード決済情報に基づき、クレジットカード番号、クレジットカード有効期限情報、クレジットカード所有者の生年月日、クレジットカード所有者の氏名、クレジットカード所有者の電話番号の与信照会を前記オンライン与信照会システムを介して行い、買い手のクレジットカードに対する信用供与の可否情報を取得する与信照会システム連携ステップと、
    前記与信照会システム連携ステップにより信用供与の旨の情報を取得したならば、決済履行の旨の通知をWWWサーバーに通知する決済履行通知ステップと、
    前記与信照会システム連携ステップにより信用供与の旨の情報を取得したならば、金融機関の電子銀行業務システムに、全銀協TCP/IP手順に従い所定の口座から前記取得した受取口座情報に該当する受取口座へ前記商取引に係わる代金を送金する旨を依頼する電子銀行業務システム連携ステップと、
    前記与信照会システム連携ステップにより信用供与の旨の情報を取得したならば、オンライン与信照会システムを介して所定の口座を振込先とした前記商取引に係わる代金のクレジットカード決済を依頼するカード決済ステップと、を実行し、
    前記電子銀行業務システム連携ステップでは、前記商取引に係わる代金を送金する旨を依頼する先となる銀行業務システムが複数存在する場合に、前記取得した受取口座情報に基づいて送金依頼先を決定し、
    前記与信照会システム連携ステップでは、複数のクレジットカード会社のそれぞれのオンライン与信照会システムにアクセス可能な照会窓口システムと通信し、当該照会窓口システムにカード決済情報を送付して与信照会を依頼するとともに、前記照会窓口システムが当該カード決済情報に基づいて該当のクレジットカード会社のオンライン与信照会システムに与信照会を行った結果を取得することを特徴とする電子商取引に係わる代金の決済サービス方法。
  2. 電子商取引のWebサイトを開設しているWWWサーバーと、このWWWサーバー、クレジットカード会社のオンライン与信照会システム及び金融機関の電子銀行業務システムと連携するコンピュータシステムとにより構成され、前記Webサイトで行われた商取引の代金決済を行うためのシステムであって、
    前記Webサイトの会員のうち、取引の買い手となった場合にその代金決済をクレジットカードで行う会員について、会員IDと、クレジットカードで決済を行うのに必要なカード決済情報とが対応付けて記録された第1のデータベースと、
    前記Webサイトの会員について、会員IDと、会員が売り手となった場合に代金が振込まれる口座を特定するための受取口座情報とが対応付けて記録された第2のデータベースと、
    前記Webサイトで成立した商取引の内容情報を取得する取引関連情報取得手段と、
    当該商取引における買い手である会員の会員IDに対応して前記第1のデータベースに記録されたカード決済情報を取得する手段と、
    当該商取引における売り手である会員の会員IDに対応して前記第2のデータベースに記録された受取口座情報を取得する手段と、
    クレジットカード会社のオンライン与信照会システムと通信する手段と、
    金融機関の電子銀行業務システムと通信する手段と、
    前記取得したカード決済情報に基づき、クレジットカード番号、クレジットカード有効期限情報、クレジットカード所有者の生年月日、クレジットカード所有者の氏名、クレジットカード所有者の電話番号の与信照会を前記オンライン与信照会システムを介して行い、買い手のクレジットカードに対する信用供与の可否情報を取得する与信照会システム連携手段と、
    前記与信照会システム連携手段により信用供与の旨の照会結果を取得したならば、決済履行の旨の通知をWWWサーバーに通知する決済履行通知手段と、
    前記与信照会システム連携手段により信用供与の旨の照会結果を取得したならば、金融機関の電子銀行業務システムに、全銀協TCP/IP手順に従い所定の口座から前記取得した受取口座情報に該当する受取口座へ前記商取引に係わる代金を送金する旨を依頼する電子銀行業務システム連携手段と、
    前記与信照会システム連携手段により信用供与の旨の照会結果を取得したならば、オンライン与信照会システムに所定の口座を振込先とした前記商取引に係わる代金のクレジットカード決済を依頼するカード決済依頼手段と、を備え、
    前記電子銀行業務システム連携手段は、前記商取引に係わる代金を送金する旨を依頼する先となる銀行業務システムが複数存在する場合に、前記取得した受取口座情報に基づいて送金依頼先を決定し、
    前記オンライン与信照会システムと通信する手段は、複数のクレジットカード会社のそれぞれのオンライン与信照会システムにアクセス可能な照会窓口システムと通信し、前記与信照会システム連携手段は、当該照会窓口システムにカード決済情報を送付して与信照会を依頼するとともに、前記照会窓口システムが当該カード決済情報に基づいて該当のクレジットカード会社のオンライン与信照会システムに与信照会を行った結果を取得することを特徴とする決済システム。
  3. 請求項2において、
    前記第2のデータベースには、過去に前記Webサイトでの商取引における売り手として代金を受け取ったことがある会員について、その代金受取履歴が管理されており、
    成立した商取引の売り手である会員について、前記第2のデータベースを参照して、過去所定期間における受け取り合計金額が所定金額以内か否かを判定し、受取合計金額が前記所定金額以内であることを条件に、当該決済システムを利用した決済サービスの利用を許可する手段を備えることを特徴とする決済システム。
  4. 請求項3において、
    前記第1のデータベース又は前記第2のデータベースには、取引の売り手となった各会員について、その取引態度の良否を示す評価点の累積点数が記録され、
    前記累積点数に応じて前記所定金額を設定する手段を備えることを特徴とする決済システム。
  5. 請求項2〜4の何れかにおいて、
    前記電子銀行業務システム連携手段は、送金手数料がより安くなるように送金依頼先を決定することを特徴とする決済システム。
  6. 電子商取引のWebサイトを開設しているWWWサーバーと、このWWWサーバー、クレジットカード会社のオンライン与信照会システム及び金融機関の電子銀行業務システムと連携するコンピュータシステムに、
    前記WWWサーバーから前記Webサイトにて成立した商取引の内容情報を取得すると共に、前記Webサイトの会員について、会員IDと、会員が買い手となった場合にクレジットカードによって代金を支払うのに必要なカード決済情報とが対応付けて記録された第1のデータベースから、当該商取引における買い手の会員IDに対応するカード決済情 報を取得し、前記Webサイトの会員について、会員IDと、会員が売手となった場合に代金が振り込まれる口座を特定するための受取口座情報とが対応付けて記録された第2のデータベースから、売り手の会員IDに対応する受取口座情報を取得するステップと、
    前記取得したカード決済情報に基づき、クレジットカード番号、クレジットカード有効期限情報、クレジットカード所有者の生年月日、クレジットカード所有者の氏名、クレジットカード所有者の電話番号の与信照会を前記オンライン与信照会システムを介して行い、買い手のクレジットカードに対する信用供与の可否情報を取得する与信照会システム連携ステップと、
    前記与信照会システム連携ステップにより信用供与の旨の情報を取得したならば、決済履行の旨の通知をWWWサーバーに通知する決済履行通知ステップと、
    前記与信照会システム連携ステップにより信用供与の旨の情報を取得したならば、金融機関の電子銀行業務システムに、全銀協TCP/IP手順に従い所定の口座から前記取得した受取口座情報に該当する受取口座へ前記商取引に係わる代金を送金する旨を依頼する電子銀行業務システム連携ステップと、
    前記与信照会システム連携ステップにより信用供与の旨の情報を取得したならば、オンライン与信照会システムを介して所定の口座を振込先とした前記商取引に係わる代金のクレジットカード決済を依頼するカード決済ステップと、
    を実行させ、
    前記電子銀行業務システム連携ステップでは、前記商取引に係わる代金を送金する旨を依頼する先となる銀行業務システムが複数存在する場合に、前記取得した受取口座情報に基づいて送金依頼先を決定し、
    前記与信照会システム連携ステップでは、複数のクレジットカード会社のそれぞれのオンライン与信照会システムにアクセス可能な照会窓口システムと通信し、当該照会窓口システムにカード決済情報を送付して与信照会を依頼するとともに、前記照会窓口システムが当該カード決済情報に基づいて該当のクレジットカード会社のオンライン与信照会システムに与信照会を行った結果を取得することを特徴とするコンピュータプログラム。
  7. 請求項6に記載のコンピュータプログラムを格納したコンピュータにより読み取り可能なプログラム格納媒体。
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