JP4234093B2 - 傾動式防護柵 - Google Patents

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Description

本発明は、降雨による被害の皆無又は軽微な区間において比較的小規模な崩落から道路の走行車線を防護する防護柵に関するものである。
高速道路では、降雨時における安全を確保するため、降雨量が通行止め基準値を上回ると、通行規制が実施されている。ところが、かかる通行規制は、降雨による被害が皆無又は軽微な区間にまで一律に実施されており、このことが円滑な交通を阻害する一因となっている。そこで、より円滑な交通を確保するには、一定条件の下、降雨被害の皆無又は軽微な区間について降雨時の通行止めを回避する必要がある。
しかし、降雨被害の皆無又は軽微な区間であっても降雨時の安全確保に配慮する必要がある。このため、車線の走行に支障があると考えられる落石などの小崩落の可能性が僅かでもある区間については、簡易であっても何らかの対策工が必要となるものと考えられる。また、簡易か否かは別として、崩落に対する「対策工」として従来より種々の防護柵構造が提案されている。
このような防護柵構造については、例えば、実公昭63−811号公報、特開2003−105721号公報、特開2002−275835号公報、特開昭61−109805号公報に記載のものが公知となっている。まず、実公昭63−811号公報記載の防護柵構造は、「下端部を斜面に揺動自在に支持した柵状部と、この柵状部が上記斜面に対して所定の角度をなすように上記柵状部の上記下端部から離れた部所に一端部が結合され他端部が上記斜面の上部に結合された少なくとも一部に弾性体部とからなる」ものである。
また、特開2003−105721号公報記載の防護柵構造は、岩盤崩落や落石等が生じ易い危険地域に設置するものであって、その主要部が「所定間隔で立設した複数の支柱に水平ロープ材と防護ネットを取り付けてなるものであって、下端をヒンジを介して傾倒可能に立設した支柱と、前記支柱上部と斜面山側との間を結ぶ控えロープと、前記控えロープに介在し、設定した把持力を超えた張力が控えロープに作用したとき、該控えロープの摺動を許容する第1の緩衝具と、前記水平ロープ材と防護ネットとを連結する緩衝機能を有する連結具とからなる」ものである。
また、特開2002−275835号公報記載の防護柵構造は、岩盤崩落や落石等が生じ易い危険地域に設置するものであって、その主要部が「所定間隔で立設した複数の支柱にロープ材を取り付けてなるものであって、下端をヒンジを介して回動自在にまたは固定して立設した支柱と、前記支柱間に平行に配し、その両端部を該支柱に架設した複数の水平ロープ材と、前記水平ロープ材の全体または一部に取り付けた防護ネットと、前記水平ロープ材の端部と前記支柱間に介在し、設定した把持力を超えた張力が水平ロープ材に作用したとき、該水平ロープ材の摺動を許容する緩衝具とからなる」ものである。
更に、特開昭61−109805号公報記載の防護柵構造は、道路や鉄道線路沿いに切り立つ崖の傾斜面に設けて、落石による不測の被害を未然に防止するものであって、その主要部が「柵フレームに金網を張設して柵体を構成し、この柵体を崖の傾斜面にほぼ直角にかつ摺動自在に設置し、さらにこの柵体の上下部からそれぞれ支持ワイヤロープを導出し、上記傾斜面の上部から吊持ワイヤロープを下げ降ろし、この吊持ワイヤロープに上記支持ワイヤロープを連結して上記柵体を支持してなる」ものである。
実公昭63−811号公報 特開2003−105721号公報 特開2002−275835号公報 特開昭61−109805号公報
しかしながら、実公昭63−811号公報によれば、柵状部は斜面の途中に設置され、且つ、その柵状部と一端部が結合される弾性体部の他端部は柵状部の位置より上側の斜面に結合されている。従って、防護柵構造の設置に際して、傾斜面の途中で柵状部の設置作業や、弾性体部の結合作業を強いられるので、作業に手間が掛かってしまうという問題点がある。
また、特開2003−105721号及び特開2002−275835号公報によれば、防護柵構造を危険地域に設置することを前提としているので、その強度を確保するために土台として基礎コンクリートを用いている。しかし、対策工の実施が求められる降雨被害が皆無又は軽微な区間は危険地域に比べて広範に存在しており、その全てに基礎コンクリートを打設することはコスト面において事実上実施困難であるという問題点がある。
更に、特開昭61−109805号公報によれば、柵体は傾斜面の途中に設置され、且つ、その柵体は傾斜面上部から支持ワイヤロープ及び吊持ワイヤロープによって吊り下げられて支持されている。このように柵体自体は吊り下げられているだけなので、例えば、風に煽られるなどすると柵体が揺れ動く虞もあり、かかる場合に柵体を傾斜面上で安定して設置しにくいという問題点がある。しかも、吊持ワイヤーロープを固定するには、傾斜面頂上や上部で作業しなければならず、作業に手間も掛かるという問題点がある。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、降雨による被害が皆無又は軽微な区間において比較的小規模な崩落から道路の走行車線を防護でき、設置作業を簡易かつ低コストで実現できるとともに、更に、定期的巡回でも見落としがちな小規模な崩落発生を早期に発見することができる防護柵を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載の傾動式防護柵は、土砂又は落石を受け止めるための網状体が張設される一対の柵部材を有し、そのうち一方の柵部材が立ち姿勢とされ且つ他方の柵部材が横姿勢とされ、その横姿勢の柵部材における奥行方向一端側の縁辺に沿って前記立ち姿勢の柵部材が立設され、その一対の柵部材が連設されて形成される防護柵本体と、その防護柵本体の幅方向両側における前記一対の柵部材の連設部分にそれぞれ設けられその防護柵本体を傾動可能に保持する一対の傾動保持部材と、その一対の傾動保持部材に連設されると共に前記防護柵本体を設置する地面に固定されるアンカー部材とを備えており、前記防護柵本体における前記立ち姿勢の柵部材が押し倒され転倒することにより当該防護柵本体が前記傾動保持部材を介して傾動されることによって前記横姿勢であった柵部材が倒立姿勢に変更されるものである。
この請求項1記載の傾動式防護柵によれば、防護柵本体は道路と法面との境界領域に設置される。具体的には、防護柵本体は走行車線と法面との境界の路肩部(例えば保護路肩など)に設置され、その路肩部の地面にアンカー部材によって固定される。このとき、防護柵本体のうち、立ち姿勢の柵部材は道路路肩部における走行車線よりの位置に立設され、横姿勢の柵部材は、立ち姿勢の柵部材に対して道路路肩部における法面よりの地面に敷設される。
そして、小崩落が発生した場合に、法面から流下した落石や土砂が防護柵本体に到達すると、その落石や土砂が横姿勢の柵部材の上に乗り上げて立ち姿勢の柵部材に堰き止められる。また、勢いのある落石や土砂は時に立ち姿勢の柵部材を押し倒して防護柵本体を傾動保持部材を介して走行車線側へ傾動させたりもするが、その傾動によって横姿勢だった柵部材が倒立されると、後続の落石や土砂は堰き止められる。
請求項2記載の傾動式防護柵は、請求項1記載の傾動式防護柵において、前記アンカー部材は、前記傾動保持部材と連設される基端部を有する杭状体に形成され、その杭状体が前記防護柵本体の設置場所の地面に打ち込まれることによって固定されるものである。
請求項3記載の傾動式防護柵は、請求項1又は2に記載の傾動式防護柵において、前記防護柵本体は、前記一対の柵部材を一体的に形成したユニット構造である。
請求項1記載の傾動式防護柵によれば、例えば、連続的な崩落により落石や土砂の流出が発生した場合、その土砂や落石自身が、横姿勢で当初設置された方の柵部材上に蓄積して重しとなり、防護柵本体の傾動を抑制するとができる。従って、後続の落石や土砂があっても、これらを引き続き立ち姿勢で当初設置された方の柵部材で堰き止めることができ、結果、より大量の落石や土砂を当初立ち姿勢で設置された柵部材で受け止めることができるという効果がある。
また、例えば、落石や崩落が発生した場合には、落石や土砂が当初立ち姿勢で設置された柵部材に勢いよく衝突して、その衝撃で防護柵本体が傾動保持部材を介して走行車線側へ傾動することもあるが、この傾動が落石や土砂の勢いを緩和させて、落石や土砂が走行車線を直撃することを避けることもできるという効果がある。
また、上記のようにして防護柵本体が傾動して、当初立ち姿勢で設置された柵部材が走行車線側へ向けて転倒しても、当初横姿勢で設置された柵部材が後発的に倒立するので、後続の落石や土砂を堰き止めることができる。しかも、防護柵本体の傾動で転倒した柵部材の上に落石や土砂が残存すれば、これらが重しとなって後発的に倒立した柵部材に衝突する落石や土砂で柵本体が押し流されることを防止もできるという効果がある。
更に、防護柵本体が傾動していれば落石や崩落の発生の痕跡ともなるので、崩落の危険性が比較的低い路線区間にまで常時監視用カメラなどを設置して監視せずとも、定期的な巡回にて落石や崩落の発生していたことを一目で発見することができる。結果、落石や崩落の早期発見に繋がり、発見までの間に生じる二次的災害の未然防止に寄与しうるという効果がある。
請求項2記載の傾動式防護柵によれば、請求項1記載の傾動式防護柵の奏する効果に加え、アンカー部材の杭状体は路肩部の地面に打ち込まれて固定されるので、大掛かりな基礎工事をしなくとも設置できる。この結果、設置工事費の削減に繋がり、コンクリート基礎の設置に伴う道路沿道の環境負荷の低減も図られるという効果がある。
請求項3記載の傾動式防護柵によれば、請求項1又は2に記載の傾動式防護柵の奏する効果に加え、防護柵本体はユニット構造であるので、かかる防護柵本体を道路沿いに複数台連ねるようにして道路路肩部に並べておくことで、道路沿いに長く続く法面に対しても対策工を施すこともできる。このように、防護柵本体は道路沿いに長く連続する防護柵構造を採用していない。
このため、複数台の防護柵本体の一部に落石や土砂を受けて破損した場合、複数台の柵本体のうち破損した一部の柵本体のみを部分的に補修又は交換すれば足りるので、従来の連続構造形式の防護柵構造のように一部が破損しただけで全体を補修又は交換する必要がなく、メンテナンスコストも低廉で済むという効果がある。
しかも、防護柵本体はユニット構造なので、例えば、貨物自動車の荷台に積載可能な寸法サイズに形成することで運搬にも便利となり、且つ、設置現場で改めて組み立てる必要もない。従って、防護柵の設置作業を簡便かつ低コストで行うこともできるという効果がある。
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施例である防護柵1の側面図である。図1に示すように、防護柵1は、落石や土砂を受け止める柵本体2を備えており、この柵本体2は、設置当初に立ち姿勢で使用される柵部材(以下「立柵部材」という。)3と、設置当初に横姿勢で使用される柵部材(以下「横柵部材」という。)4とを一体的に連設させた側面視略L字形のユニット構造に形成されている。
図2は、図1のII−II線における断面図であり、図3は、図1のIII−III線における断面図である。図2及び図3に示すように、立柵部材3は、その幅方向が高さ方向に比べて長い正面視略長方形状に形成されており(図2参照)、横柵部材4は、幅方向が奥行方向に比べて長い平面視略長方形状に形成されている(図3参照)。また、立柵部材3及び横柵部材4の幅は略等しく、立柵部材3は、横柵部材4の奥行方向一端側(図1及び図3の左側)の縁辺、即ち、横柵部材4の一方の長辺に沿って一体的に立設されている。なお、立柵部材3及び横柵部材4の幅は略1m〜2m程度、立柵部材3の高さ及び横柵部材4の奥行方向長さは略0.5m〜2m程度とされる。
立柵部材3及び横柵部材4は、L型鋼などの金属製骨材を組み合わせて略ロ字形に形成される枠体3a,4aと、その枠体3a,4aの内周部に設けられる略矩形状の開口部を塞ぐために枠体3a,4aに張設される網状体5,5とを備えている。網状体5は、落石や崩落した土砂などの衝突物を受け止めてその衝撃を緩和させるものである。この網状体5には、主として、自らが塑性変形又は弾性変形することにより落石や土砂などの衝突物の衝撃を緩和でき、後述する防護柵1の傾動動作の妨げとならぬように枠体3a,4aに比べて軽量で、突風を受けても防護柵1が簡単に転倒しないように気流の透過性を有し、車両通行の妨げとなる大きさの落石が網状体5を素通りせぬような網目幅および剛性強度などを有するものが使用される。
例えば、網状体5は、ステンレス鋼など耐腐食性のある金属線材を網状に編成したひし形金網で形成されている。この網状体5の4つの縁辺は、いずれも枠体3a,4aの開口部周縁と帯板状の押えプレート6との間に挟み込まれ、かかる両者間に複数のボルト及びナットを介して着脱可能に締着されている。また、図中では、網状体5の網目を粗く図示しているが、かかる網状体5の網目幅は、例えば、略5mm〜略30mmの範囲とすることが好ましい。
なお、本実施例では網状体5をひし形金網で形成したが、網状体の素材は必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、クリンプ金網、溶接金網、織金網または亀甲金網などの他の形態の金網や、金属板から形成されるエキスパンドメタル又はパンチングメタルや、各種の繊維紐で編成される繊維製網などであっても良い。
図4は、防護柵1の背面図であって、図1の矢印A方向から防護柵1を矢視した投影図である。図4に示すように、柵本体2の幅方向両側には、柵本体2の側面視略L字形の形態を補強するための補強材7がそれぞれ配設されている。また、図1に示すように、これらの補強材7,7はいずれも、その一端部が立柵部材3の上端部(図1上側)に、その他端部が横柵部材4の奥行方向他端部(図1右側)に、それぞれ固着されている。この補強材7による補強によって、柵本体2は側面視略直角三角形状の枠体状に形成される。
図5は、柵本体2の側面図である。図5に示すように、柵本体2における立柵部材3及び横柵部材4の連設部分には側面視五角形状のボルト取付板8が固着されており、かかるボルト取付板8は、柵本体2の幅方向両側にそれぞれ配設されている(図3参照)。各ボルト取付板8には側面視略円形の軸通孔8aが貫通形成されており、この軸通孔8aは規制ボルト9を軸通可能な通し孔である。
図3に戻って説明する。規制ボルト9は、後述する保持部材10と協働して柵本体2を傾動可能に保持するためのものである。この規制ボルト9は、上記した軸通孔8aに軸通される軸部を有するボルトで形成されており、柵本体2の幅方向両側のボルト取付板8,8のそれぞれに1本ずつ軸通されている。これらの各規制ボルト9は、更に、柵本体2の幅方向両側に配設される保持部材10の保持板10a及び座金11を遊貫して、その遊貫部分の先端部にナット12が螺着されている。この結果、ボルト取付板8、保持板10a及び座金11が規制ボルト9の頭部とナット12との間に挟み込まれている。
なお、座金11は、規制ボルト9の頭部又はナット12の外形が後述する遊挿孔10c(図6参照)の内径より小さい場合に、これらに代替して遊挿孔10cの周縁部に係合されるものである。従って、後述する遊挿孔10cの内径が規制ボルト9の頭部又はナット12の外形に比べて小さい場合には、規制ボルト9の頭部又はナット12自体が遊挿孔10cの周縁部に係合されるので、座金11の使用を省略するようにしても良い。
また、図2から図4に示すように、保持部材10は、柵本体2の幅方向両側であって立柵部材3及び横柵部材4の連設部分にそれぞれ設けられている。この保持部材10は、柵本体2に連結される規制ボルト9を介して、柵本体2を傾動可能に保持するものであり、保持板10aと、台座板10bとを備えている。そして、図2又は図4に示すように、保持部材10の保持板10aは台座板10bの幅方向中央に立設されており、これらの保持板10a及び台座板10bによって保持部材10が正面視略逆T字形に形成されている。
また、保持部材10の台座板10bの下面中央には、アンカー部材13が溶接などによって一体的に連設されている。アンカー部材13は円柱状の杭状体に形成されており、当該アンカー部材13が地面に打ち込まれることによって保持部材10を地上に固定することができる。このアンカー部材13によれば、保持部材10の台座板10bの下面が地表面と当接するように、その全体が地中に打ち込まれる。
図6は、図3のVI−VI線における拡大断面図である。図6に示すように、保持部材10の保持板10aの中央には、上述した規制ボルト9が遊挿される略円形状の遊挿孔10cが穿設されている。遊挿孔10cの内周には規制ボルト9が遊間を空けて遊挿されており、この規制ボルト9は遊挿孔10cの内周に拘束されている。よって、土砂や落石などが柵本体2に衝突した場合に、その衝突に伴う衝撃で柵本体2が走行車線51(図7参照)へ押し飛ばされぬようにアンカー部材13の打設位置に柵本体2を固定することができる。
また、遊挿孔10cの内径寸法は軸通孔8aの内径及び規制ボルト9の軸部の外径より大きくされている。ここで、遊挿孔10cの内径寸法は、柵本体2が傾動する際に規制ボルト9が上下動する範囲Hと略等しく又は上下動範囲Hより若干大きくなるように形成されている。具体的には、本実施例における遊挿孔10cの内径寸法は、概ね規制ボルト9の軸部の外径の略2倍程度とされている。
このように形成される遊挿孔10cによれば、図6に示すように柵本体2の立柵部材3が立ち姿勢の状態では、規制ボルト9の外周下縁が遊挿孔10cの内周下縁と略同一高さとなるようにされている。一方、柵本体2は立柵部材3及び横柵部材4の連設部分の角部2aを支点にして傾動されるものであって、かかる角部2aを支点に柵本体2が図6に示す姿勢から反時計方向へ略45°傾動されると、規制ボルト9の高さ位置が最上点に達して、規制ボルト9の外周上縁が遊挿孔10cの内周上縁より若干低い高さにまで到達するようにされている。
次に、図7及び図8を参照して、上記のように構成された防護柵1の使用方法について説明する。図7は、防護柵1の設置状態を示す平面図であり、図8(a)は、図7の設置状態における防護柵1の側面図であり、図8(b)は、立柵部材3が転倒した場合における防護柵1の側面図である。なお、図8(a)中の矢印Rは柵本体2の傾動方向を示している。
まず、防護柵1の設置方法について説明する。図7及び図8に示すように、防護柵1は道路50における路肩部を設置場所として設置されるものであり、具体的には、保護路肩53に設置される。この保護路肩53は、道路50の硬路肩52と法面60との境界領域に設けられた未舗装の路肩部である。また、硬路肩52は、保護路肩53と共に道路50の路肩部の一部を構成しており、走行車線51と同様に路面が舗装されている。
柵本体2を保護路肩53に設置する場合には、立柵部材3が走行車線51よりの位置に立設され、横柵部材4が法面60よりの位置に敷設されるように、柵本体2の幅方向を道路50の延長方向(図7の上下方向)に、柵本体2の奥行方向を道路50の道幅方向(図7の左右方向)に、それぞれ向ける。また、柵本体2の設置場所には、柵本体2の設置予定位置に対応つけてアンカー部材13を予め保護路肩53の地面に打設しておく。アンカー部材13が打設されたら、柵本体2が規制ボルト9、座金11及びナット12を介して保持部材10に連結される。すると、柵本体2がアンカー部材13を介して地面に対して傾動可能に固定される。
図9は、図7のIX−IX線における部分的な断面図であって、複数の防護柵1を道路50に沿って並設させる場合に隣り合う防護柵1の連結状態を示す図である。防護柵1と別の防護柵1とを隣り合わせて保護路肩53に並設する場合には、まず、図7に示すように複数の保持部材10が道路50の延長方向に沿って設置されるように、複数のアンカー部材13が柵本体2の幅長より若干大きめの間隔おきに予めに地面に打ち込まれる。
この打ち込みによって、保護路肩53の地表面からは、柵本体2の幅長より若干大きめの間隔おきに、保持部材10の保持板10aが突設される。アンカー部材13の打ち込み後、図9に示すように、地表面から突設される保持板10aをその板厚方向両側から挟み込むようにして、柵本体2,2が隣り合わせに並設される。
このとき、双方の柵本体2,2の保持板8,8同士を対向させる。この状態で、規制ボルト9の軸部が、一方の柵本体2の軸通孔8aに軸通され、保持部材10の遊挿孔10c、及び、他方の柵本体2の軸通孔8aを遊貫して、その遊貫された規制ボルト9の軸部先端にナット12が螺合されると、隣り合う2基の柵本体2,2が1基の保持部材10を介して連結される。このようにして複数の防護柵1は、道路50に沿って並設されるのである。
次に、図8を参照して、落石や土砂崩れがあった場合における防護柵1の動作について説明する。図8(a)に示すように、法面60から落石や土砂が流下して防護柵1へ到達すると、これらの落石や土砂は、柵本体2の横柵部材4の上に乗り上げた後に立柵部材3により堰き止められる。また、法面60からの落石や土砂の衝突によって、図8(b)に示すように、立柵部材3が矢印R方向へ押し倒されて転倒すると、柵本体2が保持部材10を介して走行車線51側へと傾動され、この傾動によって、落石や土砂の勢いが減勢される。しかも、この柵本体2の傾動により横柵部材4が倒立されると、かかる横柵部材4によって後続の落石や土砂が堰き止められたりもする。
次に、図10を参照して、上記実施例の変形例について説明する。図10は、第2実施例の防護柵100を図2のVI−VI線と同一位置で断面視した部分的な拡大断面図であり、図中の2点鎖線は、防護柵100の立柵部材3が転倒し横柵部材4が倒立した状態を図示している。第2実施例の防護柵100は、上記した第1実施例の防護柵1に対して、傾動保持部材の遊挿孔の形態を変更したものである。以下、第1実施例と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略し、異なる部分のみを説明する。
図10に示すように、防護柵100は、側面視略半円形の保持板101aを有する保持部材101を備えている。保持部材101の保持板101aは台座板101bから立設されており、かかる保持板101aの側面には、側面視略円弧状の長孔である遊挿孔101cが穿設されている。この遊挿孔101cの一端側には規制ボルト9が遊挿されている。
この第2実施例の防護柵100によれば、柵本体2の立柵部材3が転倒するように傾動する場合、規制ボルト9は、遊挿孔101cの一端側(図10の実線)から他端側(図10の2点鎖線)へ向けて、遊挿孔101cに沿って略円弧状の軌跡を描きながら移動される。つまり、遊挿孔101cは、柵本体2の傾動時の規制ボルト9の移動する略円弧状の軌跡に適合するように穿設されるので、柵本体2の傾動動作を円滑化できると共に、その分、当該傾動に伴う防護柵1に加わる衝撃を軽減させることができる。
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、本実施例では、立柵部材3及び横柵部材4をいずれも略長方形状として説明したが、これらの柵部の形状は必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、立柵部材及び横柵部材の双方が略正方形であっても良い。また、本実施例では、押えプレート6を介して網状体5を柵本体2の枠体3a,4aに固定したが、網状体を立柵部材及び横柵部材に固定する方式は必ずしもこれに限定されるものではなく、網状体に孔を直に穿設して押えプレートを用いずにボルト及びナットにより締結するようにしても良い。
本発明の一実施例である防護柵の側面図である。 図1のII−II線における断面図である。 図1のIII−III線における断面図である。 防護柵の背面図である。 柵本体の側面図である。 図3のVI−VI線における拡大断面図である。 防護柵の設置状態を示す平面図である。 (a)は、図7の設置状態における防護柵の側面図であり、(b)は、立柵部材が転倒した場合における防護柵の側面図である。 図7のIX−IX線における部分的な断面図である。 第2実施例の防護柵を断面視した部分的な拡大断面図である。
符号の説明
1,100 防護柵(傾動式防護柵)
2 柵本体(防護柵本体)
3 立柵部材(一方の柵部材)
4 横柵部材(他方の柵部材)
5 網状体
9 規制ボルト(傾動保持部材の一部)
10,101 保持部材(傾動保持部材の一部)
12 ナット(傾動保持部材の一部)
13 アンカー部材

Claims (3)

  1. 土砂又は落石を受け止めるための網状体が張設される一対の柵部材を有し、そのうち一方の柵部材が立ち姿勢とされ且つ他方の柵部材が横姿勢とされ、その横姿勢の柵部材における奥行方向一端側の縁辺に沿って前記立ち姿勢の柵部材が立設され、その一対の柵部材が連設されて形成される防護柵本体と、
    その防護柵本体の幅方向両側における前記一対の柵部材の連設部分にそれぞれ設けられその防護柵本体を傾動可能に保持する一対の傾動保持部材と、
    その一対の傾動保持部材に連設されると共に前記防護柵本体を設置する地面に固定されるアンカー部材とを備えており、
    前記防護柵本体における前記立ち姿勢の柵部材が押し倒され転倒することにより当該防護柵本体が前記傾動保持部材を介して傾動されることによって前記横姿勢であった柵部材が倒立姿勢に変更されるものであることを特徴とする傾動式防護柵。
  2. 前記アンカー部材は、前記傾動保持部材と連設される基端部を有する杭状体に形成され、その杭状体が前記防護柵本体の設置場所の地面に打ち込まれることによって固定されるものであることを特徴とする請求項1記載の傾動式防護柵。
  3. 前記防護柵本体は、前記一対の柵部材を一体的に形成したユニット構造であることを特徴とする請求項1又は2に記載の傾動式防護柵。
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