JP4233131B2 - 医療用粘着剤及び製剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な粘着剤及び貼付剤に関する。更に詳細には、本発明は皮膚面の保護などに用いることのできる医療用粘着剤及び皮膚表面に貼付して薬剤を経皮吸収させるための貼付剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、薬物を皮膚面を通して生体内に投与するための経皮吸収テープ剤が各種開発されている。こうしたテープ剤には、皮膚接着面からの脱着を防ぐために必要な粘着力を有すると共に、使用後の剥離時に皮膚表面(角質層)を損傷しない程度の剥離容易性を有することが望まれている。
このような特性を満足するテープ剤として、特開平3−220120号公報には、粘着剤としてアクリル酸エステル系ポリマーおよび該ポリマーと相溶する液体成分とを含む架橋ゲル層を用い、支持体の少なくとも片面に、このアクリル系ゲル粘着剤が形成されてなるものが提案されている。
このゲル粘着剤は、多量の液体成分を含有できるために、従来の非架橋粘着剤に比べて粘着力と剥離容易性をバランスでき、角質層剥離も少ないとされている。
一方、このゲル粘着剤においては、含油ゲル層を形成するために、アクリル酸エステル系ポリマー中に含まれるアクリル酸単位を、Al3+やチタンなどの多価金属アルコラートや三官能イソシアネートなどの低分子架橋剤を用いて化学反応により架橋する必要がある。
しかしながら、一般に高分子反応において、100%の反応率を達成することはきわめて困難であり、通常は未反応の試薬が系に残存する。
従って、こうした化学反応性のある架橋剤を用いて化学反応により得たゲル粘着剤においては、架橋用触媒や架橋剤が粘着剤中に残存し、経皮的に血液中に吸収される危険性がある。その結果、組織と化学反応を起こし、皮膚刺激やかぶれを誘発する恐れがあった。
【0003】
すなわち、本発明の目的は、皮膚接着面からの脱着を防ぐために必要な粘着力を有するとともに、使用後の剥離時に皮膚表面を損傷しない程度の剥離容易性を有する粘着剤を提供することにある。
更に本発明の目的は、皮膚接着面からの脱着を防ぐために必要な粘着力を有するとともに、使用後の剥離時に皮膚表面を損傷しない程度の剥離容易性を有し、かつ糊残りの少ない粘着剤を提供することにある。
また更に本発明の目的は、皮膚接着面からの脱着を防ぐために必要な粘着力を有するとともに、使用後の剥離時に皮膚表面を損傷しない程度の剥離容易性を有し、糊残りが少なく、かつ皮膚刺激やかぶれを誘発する恐れのない粘着剤を提供することにある。
また本発明の目的は、かかる粘着剤を用いた、皮膚の保護などに用いることのできる、あるいはかかる粘着剤中に含有せしめた薬物を十分に経皮吸収させることのできる貼付剤を提供することにある。
本発明者らは、このような目的を達成するため鋭意研究した結果、上記のような化学反応型架橋剤を用いることなく、カルボキシル基を含有する重合体、及び重合体のカルボキシル基の活性水素と水素結合により物理化学的に相互作用する非化学反応性架橋剤としての含窒素複素環カルボン酸誘導体、ならびに液体成分とを混合することにより、液体成分のしみ出しのないゲル粘着剤が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、
カルボキシル基を含有するビニル系重合体(A)、カプリン酸−トリ−(3−ピリジルカルボキシメチル)メチルアミド(B)、及び上記成分(A)及び成分(B)と相溶する液体成分(C)とから主としてなり、成分(A)と成分(B)との含有比が、成分(A)中のカルボキシル基1当量に対して成分(B)が0.2〜0.5当量であり、成分(A)と成分(B)との合計含有量と液体成分(C)の含有量との重量比が1.0:0.01〜1.0:2.0である、粘着剤、およびかかる粘着剤と支持体とからなる貼付剤を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明には、カルボキシル基を含有するビニル系重合体(A)を用いる。これらのうち、本発明の物理化学的架橋剤であるカプリン酸−トリ−(3−ピリジルカルボキシメチル)メチルアミド(B)との相互作用の強さや、粘着剤としての凝集性の点から、カルボキシル基を含有しているものを用いる。
該成分(A)としては、ポリオレフィン、ポリスチレンなどのビニル系重合体が挙げられ、これらのうちカルボキシル基を含有するものを用いる。例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等のビニルモノマーを含む共重合体が挙げられる。
【0006】
その他の共重合成分としては、例えば、スチレンスルホン酸、2−アクリロイルオキシエチルホスホン酸、2−メタクリロイルオキシエチルホスホン酸、スルホプロピルアクリレート、スルホプロピルメタクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜10のアルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、ビニルピリジン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、酢酸ビニルなどを挙げることができるが、特に粘着性や剥離容易性の点から炭素数1〜10のアルキル(メタ)アクリレートおよび/または酢酸ビニルを共重合体成分として用いることが好ましい。また、上記共重合体成分は単独でもまたは二種以上のものでも使用できる。
該成分(A)におけるカルボキシル基の含有率は、モノマーユニットの重量で1〜70wt(重量)%が好ましく、特に5〜50wt%が好ましい。カルボキシル基の含有率が70wt%を超えると粘着剤ドープの均質溶解性が損なわれ、また含有率が1wt%未満では、粘着剤剥離時に糊残りが生じ易くなる。
【0007】
本発明では、上記成分(A)のカルボキシル基の活性水素と水素結合により相互作用する物理化学的架橋剤として上記成分(B)を用いる。
本発明に用いられる成分(B)の粘着剤中における含有率は、成分(A)中のカルボキシル基1当量に対し成分(B)が0.2〜0.5当量となるように配合する。該成分(B)の含有率がこれより多すぎても少なくても、効率よく架橋が起こらず粘着剤剥離時に糊残りが生じ易くなる。
【0008】
本発明において用いられる液体成分(C)としては、本発明の成分(A)及び物理化学的架橋剤としての成分(B)と相溶性を有するものであれば特に制限がなく、常温で液体であるものが好ましい。具体的には、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(オキシエチレン−オキシプロピレン)などのグリコール類;例えばオリーブ油、ヒマシ油のような油脂類;例えばミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソオクチル、オレイン酸エチル、セバシン酸ジエチルなどの高級脂肪酸エステル;例えばリノレン酸、リノール酸、オレイン酸、カプリン酸などの高級脂肪酸;フタル酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピルなどの芳香族脂肪酸エステル;例えばジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどの非プロトン性極性有機溶媒;例えばラウリルアミド、ジメチルドデシルスルホキシド、ドデシルピロリドン、モノカプリン酸ソルビタンなどの液状界面活性剤、および例えば流動パラフィンなどの炭化水素鎖が挙げられる。これらは単独でも、1種または2種以上の混合系でも使用できる。
これらのなかでも、本発明の液体成分(C)としては、例えばミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソオクチル、オレイン酸エチルなどの高級脂肪酸エステルや、例えばリノレン酸、リノール酸、オレイン酸などの高級脂肪酸が粘着剤の粘着力、剥離容易性および薬物の経皮吸収性の向上の点から特に好ましい。
すなわち、本発明の成分(A)、成分(B)、および液体成分(C)の好ましい組み合わせとしては、成分(A)がカルボキシル基を有するビニル系重合体、成分(B)がカプリン酸−トリ−(3−ピリジルカルボキシメチル)メチルアミド、液体成分(C)が、高級脂肪酸エステルまたは高級脂肪酸である。
【0009】
さらにこれらの好適な組み合わせの場合において、成分(A)におけるカルボキシル基の含有率は、成分(A)を構成するモノマーユニットに対して、モノマーユニットの重量で1〜70wt%であればよく、成分(B)の添加率は、この成分(A)中のカルボキシル基1当量に対し0.2〜0.5当量となるように配合すればよい。
本発明において、前記成分(A)、成分(B)および液体成分(C)は、液体成分(C)がしみ出さない程度の割合で混合される。このような適度な配合割合のとき、皮膚接触面からの脱着を防ぐために必要な適度な粘着力と使用後の剥離時に皮膚表面を損傷しない程度の剥離容易性とを有し、糊残りの少ない安全な粘着剤が得られる。
ここで、液体成分(C)がしみ出さない程度の粘着剤を形成するとは、後述する180度剥離試験において、剥離後ベークライト板に液成分が付着しない程度のことをいい、重合体成分(A)(B)および液体成分(C)の組み合わせによって、これらの混合割合を適宜選択することによってそのような粘着剤を形成させることができるが、具体的な割合としては、成分(A)と成分(B)との含有比が、成分(A)中のカルボキシル基1当量に対して成分(B)が0.2〜0.5当量である。
【0010】
例えば、(A)としてアクリル酸をポリマー中2.5wt%となるよう共重合したもの、及び(B)としてカプリン酸−トリ−(3−ピリジルカルボキシメチル)−メチルアミド(分子量591.685、このものは一分子で三個のカルボキシル基を結合する)を用いる場合、(A)に対して(B)は、約0.33当量(重量比5〜7wt%)となるよう混合すればよい。
(B)の含有率がこれより多すぎても少なくても、効率よく架橋が起こらず粘着剤剥離時に糊残りが生じ易くなる。
また、成分(A)と成分(B)との合計含有量と液体成分(C)の含有量との重量比が1.0:0.01〜1.0:2.0である。液体成分(C)の含有量が0.10以下では、粘着剤使用後の剥離時に皮膚表面を損傷しない程度の剥離容易性が発現されにくくなり、また液体成分(C)の含有量が2.0以上では、粘着剤の剥離時に糊残りが生じ易くなる。
【0011】
本発明の粘着剤は、上記(A)、(B)および(C)を前記記載の混合割合で、共通溶剤中にて混合溶解した後、基板または離型材の片面に塗布し、その後乾燥処理により溶媒を除去して粘着剤層とすることができる。出来上がりの粘着剤層の厚みは、例えば粘着剤に薬物を含有させる場合には、用いる薬剤にもよるが、通常20μm〜100μm、好ましくは30μm〜80μm程度が好適である。
【0012】
本発明の貼付剤は、上記のようにして得られた本発明の粘着剤からなる粘着剤層と本発明の支持体とを直接、間接に積層して得るか、あるいはまた、かかる支持体上に粘着剤層を転着するなど従来公知の方法により得ることができる。
【0013】
本発明に用いられる支持体としては、上記粘着剤層が形成でき、自己保持性があって、皮膚表面に貼付して薬剤を経皮吸収により透過させるための貼付剤および皮膚面の保護などに用いる製剤とすることができる基材、離型材であれば特に制限はなく、ポリエステル、ポリオレフィン、セルロースエステルなどのポリマーフィルム;ポリエステル、ポリオレフィン、セルロースエステル、ポリウレタン、ポリアミド等からなる多孔性膜;表面にシリコーン、フッ素などの離型剤をコーティングしたポリエステル、ポリオレフィン、セルロースエステル、ポリウレタン、ポリアミド等のフィルムの1種または2種以上の組み合わせからなる積層体などが使用できる。これらの支持体の厚みは、貼付剤の種類にもよるが基材の場合、通常50μm〜300μm好ましくは70μm〜200μmに設定され、離型材の場合、3μm〜100μm、好ましくは5μm〜50μmに設定される。
【0014】
本発明の粘着剤には、薬物が含有され得る。含有される薬物としては特に制限はないが、本発明の粘着剤に溶解可能な薬物が好ましい。具体的には、消炎鎮痛剤、ステロイド剤、降圧利尿剤、麻酔剤、抗ヒスタミン剤、抗腫瘍剤、抗高血圧剤、抗鬱剤、ホルモン剤、脂溶性ビタミンなどがあげられる。これらは、粘着剤中に3〜40wt%、好ましくは5〜30wt%添加される。また、薬物を含有させる方法としては、溶液状の粘着剤に薬物溶液をあらかじめ混合して薬物含有粘着剤層とするか、あるいは含浸、転着、スプレー等の方法で薬物を含有しないか又は薬物を十分には含有しない粘着剤層に薬物を経皮吸収に十分な量含有させるなど、含有させようとする薬物の物性等に応じて従来公知の方法を採用することができる。
【0015】
【発明の効果】
上述したように、本発明の粘着剤は、化学架橋反応を用いることなくゲル化できて適度な粘着力を有し、かつ糊残りが少なくて皮膚刺激やかぶれを誘発することが少なく、多量の液体成分を含有できるために剥離時の角質層剥離が少ない。また、含有させる液体成分の種類によって、経皮吸収を促進することも可能である。
【0016】
【実施例】
以下に本発明を実施例により説明する。なお、実施例中、部および%は重量部および重量%を意味する。また、実施例中の「粘着力」および「糊残り」は以下の方法で測定した。
【0017】
(1)粘着力
ベークライト板に幅12mm、長さ50mmに切断したサンプルを貼付し、荷重850gのローラーを1往復させた後、37℃の恒温装置に30分静置させ、ついで300mm/min.の速度で180度方向に剥離し、その時の剥離力を粘着力とした。
【0018】
[参考例]
(カプリン酸−トリ−(3−ピリジルカルボキシメチル)−メチルアミド)(B)の合成
(1).トリ(3−ピリジルカルボキシメチル)−アミノメタン−p−トルエンスルホン酸塩の合成
p−トルエンスルホン酸一水和物(キシダ化学特級、分子量190.22)66.58g(0.35mol)をキシレン400mlと共に1lスリ付三角フラスコに加え、Dean−Starks−trapを用いて十分に脱水した。これにトリスヒドロキシメチルアミノメタン(関東化学特級、分子量121.14)6.06g(0.05mol)を加え、加熱撹袢してアミノ基をスルホン酸塩とした後、ニコチン酸(東京化成特級、分子量123.11)18.47g(0.15mol)を加え、加熱還流、反応により副成する水分をDean−Starks−trapを用いて十分に系外へ排出した。約12時間後、理論量の水分の排出を確認後、放冷、生成した淡褐色固形物を採取し、アセトンで洗浄した。これをメタノール150mlに溶解し、2−プロパノール500ml中に撹袢しながら滴下することで再沈殿させた。沈殿物をロ別採取、乾燥して淡黄色粉末55g(収率98%)を得た。
分析:IR(島津、IR−470、ヌジョール):1710cm−1;νC=O(芳香族カルボン酸−アルコールのエステル結合)の出現、及び3450cm−1のνO−H(アルコール性水酸基)の消失
(2). カプリン酸−トリ−(3−ピリジルカルボキシメチル)−メチルアミドの合成
(1)で合成したトリ(3−ピリジルカルボキシメチル)−アミノメタン−p−トルエンスルホン酸塩(分子量1124.98)10g(8.89mmol)、トリエチルアミン(キシダ化学一級、分子量101.19)4.95g(48.9mmol)を脱水クロロホルム200mlに加え、撹袢して均一溶液とした。これを氷冷撹袢下、カプリン酸クロリド(東京化成、分子量196.76)1.90g(9.94mmol)を30分かけて滴下、そのまま室温で24時間反応した。反応後、内容物を飽和食塩水200mlで三回、イオン交換水200mlで一回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで一夜乾燥した。溶液をロ別採取、クロロホルムを40℃で減圧留去することで黄色の粗生成物を得た。少量のアセトンに溶解、エーテルで再沈殿することで淡黄色固体3.57g(収率68%)を得た。
分析:IR(島津、IR−470、KBr):3290cm−1のνN−H(アミド結合)、3000cm−1;νC−H(芳香環CH伸縮)、1730cm−1;νC=O(芳香族カルボン酸−アルコールのエステル結合)1680cm−1;νC=O(脂肪族カルボン酸アルキルアミド結合)、1590cm−1;νC=C(芳香環CH伸縮)の出現を確認。
【0019】
[実施例1]
(1)アクリル酸2.5wt%、メチルアクリレート7.5wt%、2−エチルヘキシルアクリレート90wt%からなる共重合体10wt%酢酸エチル溶液60gにミリスチン酸イソプロピル3.0g、ポリプロピレングリコール(分子量2000、三洋化成)1.0gを加え、更に上記参考例で合成したカプリン酸−トリ−(3−ピリジルカルボキシメチル)−メチルアミド0.31gを1gのエタノールに溶解した溶液を混合してドープ溶液とした。このドープをシリコーンコートした離型フィルムの上に乾燥後の厚みが50μmとなるように塗工し85℃で20分乾燥し、粘着剤層として用いることのできる粘着剤を得た。
(2)得られた粘着剤層の片面に支持体として3.5μmのPETフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム)を貼り合わせて粘着テープを得た。このようにして得られたテープを12mm×50mmに切断し粘着力を測定したところ、粘着力は112gと良好であり、かつ糊残りは見られなかった。この結果から、本発明のゲル状粘着剤を用いて得られたゲル状製剤が適度な粘着力を有し、かつ皮膚表面を損傷しない程度の剥離容易性を有する貼付剤としての特徴を有していることが判る。
【0020】
[実施例2]
(1)実施例1において、アクリル酸2.5wt%、メチルアクリレート7.5wt%、2−エチルヘキシルアクリレート90wt%からなる共重合体のかわりにアクリル酸2.5wt%、酢酸ビニル70wt%、2−エチルヘキシルアクリレート27.5wt%からなる共重合体を用いた以外は実施例1と同様にして粘着剤を得た。
(2)得られたゲル状粘着剤からなる粘着剤層に、実施例1と同様にして支持体を貼り合わせて粘着テープを得た後、粘着力を測定したところ、粘着力は85gと良好であり、かつ糊残りは見られなかった。
【0021】
[比較例1]
(1)アクリル酸2.5wt%、メチルアクリレート7.5wt%、2−エチルヘキシルアクリレート90wt%からなる共重合体10wt%酢酸エチル溶液60gにミリスチン酸イソプロピル3.0g、ポリプロピレングリコール(分子量2000、三洋化成)1.0gを加え、架橋剤を添加せずにドープ溶液とした。このドープをシリコーンコートした離型フィルムの上に乾燥後の厚みが50μmとなるように塗工し85℃で20分乾燥し、粘着剤層として用いることのできるゲル状粘着剤を得た。
(2)得られたゲル状粘着剤からなる粘着剤層に、実施例1と同様にして支持体を貼り合わせて粘着テープを得た後、粘着力を測定したところ、糊残りがみられた。
Claims (4)
- カルボキシル基を含有するビニル系重合体(A)、カプリン酸−トリ−(3−ピリジルカルボキシメチル)メチルアミド(B)、及び成分(A)及び成分(B)と相溶する液体成分(C)とから主としてなり、成分(A)と成分(B)との含有比が、成分(A)中のカルボキシル基1当量に対して成分(B)が0.2〜0.5当量であり、成分(A)と成分(B)との合計含有量と液体成分(C)の含有量との重量比が1.0:0.01〜1.0:2.0である、粘着剤。
- 該液体成分(C)が、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソオクチル、オレイン酸エチル、リノレン酸、リノール酸、オレイン酸からなる群から選ばれる、請求項1に記載の粘着剤。
- 請求項1または2に記載の粘着剤と支持体とからなる貼付剤。
- 該粘着剤中に薬物が含有されてなる請求項3記載の貼付剤。
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