JP4232628B2 - レーダ装置 - Google Patents

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Description

この発明は、レーダ装置におけるクラッタ(不要反射波)抑圧技術に関するものである。
レーダで電波を照射し目標を検出しようとするときに、不要物からの反射波であるクラッタが目標検出の障害となる。ミリ波帯などを用いた車載用の前方監視パルスレーダでいえば、車載用前方監視レーダでは送信波が、路面(特に丘)、ガードレール、工事看板、建築物、樹木などに反射した不要反射波であるクラッタを抑圧し、目標(主に先行車両を指す)を検出することが必要である。特に、渋滞などで先行車両が静止しようとして低速度となった場合には、クラッタと先行車両からの反射波のドップラ速度差が小さくなるので、高い分解能を備えるクラッタ抑圧処理を行わなければ、先行車両を検出することができず、衝突回避性能向上につながらない。
ここで、高い分解能を得るためには、長いコヒーレントパルス区間(CPI:Coherent Processing Interval)、すなわち多くのパルス数が必要となる。ところが、コヒーレントパルス区間を長くしようとすると、要求される捜索覆域を捜索する時間が長くなるので、衝突回避動作の遅れにつながる。
さらには、車載レーダの場合、目標の速度も変化することから、コヒーレントとみなせるパルス区間も制限される。また、クラッタは距離や角度方向に広がっているため、良好なS/C(Signal to Clutter ratio)を得ようとすると、アンテナ開口を大きくとる必要がある。しかし、車載レーダでは装置サイズや費用が制約されるため、大きな開口のアンテナを用いることは実用的でない。
一方、コヒーレントパルス区間、すなわち観測時間により制約される周波数分解能以上の分解能を達成する手段であって、アンテナ開口から決まるビーム幅により制約される分解能をも超越する分解能を実現する手段として、アレーアンテナを用いた時空間信号処理(STAP:Space Time Adaptive Processing)が提案されている(例えば、非特許文献1)。
しかし、STAPを適用するにあたり、STAPウエイトとして、データベクトルの相関行列の逆行列を計算する必要がある。ここでデータベクトルの次元数(=アレー素子数×パルス数)が増加すると逆行列を演算するために膨大な計算量が要求される。データベクトルの次元数を単純に減らそうとすると、相関行列の推定精度低下を招きかねない。そこで、計算量の増大と相関行列の推定精度低下との双方を同時に抑制するには、STAPを適用する距離の前後(目標が含まれずクラッタのみ含まれる)の長い区間でクラッタが均一であることが必要となる。このようなデータベクトルの次元低減のための方法としては、素子方向とパルス方向にそれぞれフーリエ変換を施し、ビーム・周波数空間における局所領域を切り出してSTAPを適用するという方法が提案されている(例えば、非特許文献2)。
L.E.Bernnan, I.S.Reed, "Theory of adaptive radar," IEEE Trans. AES, Vol.9, No.2, pp.237-252,March,1973..
H.Wnag and L. Cai, "On adaptive spatial-temporal processing for airborne surveillance radar systems," IEEE Aerospace and electronics systems, vol30.no.3,pp.660-669,July, 1994.
非特許文献2によるビーム・周波数空間での局所領域にSTAPを適用する方法によれば、2次元フーリエ変換(以降、出力の各ビーム、各ドップラフィルタをセルと呼ぶ)された空間において、所望波(目標)の角度・ドップラセル向の周りの局所領域(たとえば、3ビーム、3ドップラフィルタの9セル)としてSTAP演算を行うものであり、データベクトルの次元は9に削減される。しかしそのために、すべての角度・ドップラセルに対し個別にSTAPウエイトを求めなければならず、すべての角度・周波数に対して個別に相関行列の推定とその逆行列の算出を行う必要がある。したがって、素子方向あるいはパルス方向のいずれか一方にフーリエ変換を施した角度・パルス空間、または素子・周波数空間にSTAPを適用する方法と比べて、計算量が少なくならない場合が発生する。
また、アレーの相互結合などが大きいときには、高速フーリエ変換によるビーム合成を行っても直交ビームとならないが、その結果、目標は一つの角度・周波数空間内に局在しないことになる。また、素子間に相互干渉がある場合にも同様である。このような場合に、ビーム・周波数空間での局所領域にSTAPを適用すると性能が劣化してしまい、問題となる。
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、少ない計算量、かつ有効なSTAP性能を得ることを目的としている。
この発明に係るレーダ装置は、移動体に搭載され、アレーアンテナを備えて、そのアレーアンテナの受信信号に対してSTAP処理によりクラッタ抑圧を行うレーダ装置において、
前記アレーアンテナが受信した受信信号の周波数を分析してドップラフィルタビンを出力するパルスドップラフィルタと、
前記移動体のアレーアンテナ正面方向の速度成分と送信波の波長とから前記正面方向の受信波の周波数を算出し、この周波数と要求アジマス角覆域に基づいて前記パルスドップラフィルタが出力したドップラフィルタビンを選択するドップラフィルタ選択部と、
前記ドップラフィルタ選択部が選択したドップラフィルタビンに対してSTAP処理を行うSTAP処理部と、
を備えたものである。
この発明によれば、クラッタが含まれるドップラフィルタビンとそうでないドップラフィルタビンとを選別し、クラッタが含まれるドップラフィルタビンに対してのみSTAP処理を施すこととしたので、データベクトルの次元数を減少させることが可能となり、その結果STAPウェイト算出のための演算量が大幅に削減できるのである。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるレーダ装置の構成を示すブロック図である。図において、アレーアンテナ1はレーダ波を送受信するアレーアンテナであって、複数のアレー素子から構成されており、速度Vで移動する例えば自動車などの移動体に搭載されているものである。また、パルスドップラフィルタ2はアレーアンテナ1の各アレー素子が受信した信号をパルス方向に高速フーリエ変換し、ドップラフィルタビンを出力する部位である。なお、ここで部位という語は、そのような機能を有する回路又は素子であることを意味するが、中央演算装置(CPU:Central Processing Unit)に該当する処理を実行させるコンピュータプログラムによって構成しても構わない。また以降の説明においても、同様である。
ドップラフィルタ選択部3は、アレーアンテナ1を搭載する移動体の自速とこのレーダ装置の要求覆域とに基づいて、静止物のドップラ周波数の広がる範囲を求めて、対応するドップラフィルタビンを選択する部位である。STAP処理部4は、ドップラフィルタ選択部3が選択したパルスドップラフィルタビンを入力してSTAPウエイトを求め、さらにSTAPフィルタフィングを行う部位である。目標検出処理部5は、STAPの出力を距離方向に閾値処理を行なうことで、目標を検出する部位である。
次に、この発明の実施の形態1によるレーダ装置の動作について説明する。まず、アレーアンテナ1は、電波を受信する。そしてアレーアンテナ1が受信した電波は、周波数fを有する受信信号の観測データベクトルXとして、パルスドップラフィルタ2に出力される。パルスドップラフィルタ2は、各素子から出力された受信信号に対して、素子毎にパルスドップラフィルタ処理を行う。まずパルスドップラフィルタ2は、式(1)によって表されるパルスドップラフィルタ処理のためのステアリングベクトルSt(fd)を算出する。
Figure 0004232628
ここで、アレーアンテナ1は、簡単のためにアンテナ素子間隔が等間隔なリニアアレーとした。またf~dは規格化したドップラ周波数であり、式(2)で与えられる。
Figure 0004232628
ここでPRFは、レーダパルスを送信する時間間隔である。
続いて、パルスドップラフィルタ2は、アレーアンテナ1から得られた計測データベクトルを距離kのパルス圧縮を行い、その結果として計測データベクトルX(k)を出力する。そしてX(k)に、式(1)のステアリングベクトルSt(fd)を乗ずることで、パルスドップラ処理を行う。その結果得られるフィルタの出力値Y(k)は、式(3)で算出される。
Figure 0004232628
なお、式(3)において、f~d *はf~dの複素共役である。
パルスドップラフィルタ2は、ステアリング方向を式(4)のように等間隔にとることで、直交フィルタとなる。
Figure 0004232628
これによって、高速フーリエ変換による演算が可能となって、高速フーリエ変換による複数のフィルタバンクを作ることができる。またフィルタバンクにおいて、番号mのパルスドップラフィルタビンをYmとすれば、Ymは、式(5)で与えられる。
Figure 0004232628
なお、パルスドップラフィルタ2における処理では、ビーム合成とは異なり、素子間干渉に相当するような誤差はなく、またステアリング方向を等間隔にすることも運用上の制約にはならない。
次に、ドップラフィルタ選択部3は、パルスドップラフィルタ2の出力からクラッタが含まれる出力を選択する。以下に、ドップラフィルタ選択部3がパルスドップラフィルタ2のフパルスドップラフィルタビンを選択する処理の詳細を述べる。まず、レーダ正面の静止物のドップラ周波数fd0は、式(6)で与えられる。
Figure 0004232628
ここで、Vはレーダを搭載する移動体のレーダ正面方向の速度成分であって、外部の速度計や速度センサから得られた速度とレーダの受信方向角度から算出する可能な値である。またλは送信波の波長である。このとき、レーダ正面方向とは異なる方向から到来した受信波について、受信波の到来方向とレーダ正面方向とがなす角をφとすれば、この受信波が送信波を反射した結果生じたものである場合にドップラ周波数はfd0 cos(φ)となる。したがって、レーダに要求されているアジマス角覆域を±φ0とすると、
Figure 0004232628
の間に、静止物からの不要反射波であるクラッタのドップラ周波数が広がることになる。そこで、ドップラフィルタ選択部3では、パルスドップラフィルタバンクから式(7)を満たすドップラフィルタ番号mを選択するのである。
なお現実には、さまざまな要因によって、ドップラ周波数が式(7)の範囲よりも広がる場合がある。そこで、ドップラフィルタ番号の選択における上限値と下限値とを設定するにあたっては、式(7)で与えられる下限値fd0 cos(φ0)よりもやや小さい値を下限値とし、上限値fd0よりもやや大きい値を上限値とすることが望ましい。ただし、このことは必須ではない。
続いて、STAP処理部4は、ドップラフィルタ選択部3が選択したフパルスドップラフィルタビンに対してSTAP処理を行う。図2は、STAP処理部4によるSTAP処理のフローチャートである。まず図のステップST101において、距離kを初期化する。この距離kはSTAP処理を適用する距離であり、すでにドップラフィルタ選択部3によって、この距離kに対するパルスドップラフィルタビンYm(k)が算出されている。続いてステップST102において、STAP処理部4は、パルスドップラフィルタの出力Ym(k)を一次元データベクトルに並べ替える。その結果として得られた出力データベクトルをY~(k)と表記する。ここで、距離kに対してドップラフィルタ選択部3が選択したフィルタの個数をM’個とし、フィルタ番号をm=L,L+1,…,L+M’−1とすれば、
Figure 0004232628
である。
続いて、ステップST103において、STAP処理部4は、距離kの前後には目標が含まれず、クラッタのみが含まれると仮定し、距離kの前後の距離τのデータベクトルYc(τ)を用いてクラッタの相関行列Rcを推定する。ここで、τは距離kの前後の距離を指すものであり、k−Δk≦τ<k、またはk<τ≦k+Δkを満たす値域から選択したいくつかの距離である。そして、相関行列Rcは、式(9)によって与えられる。
Figure 0004232628
式(9)において、<*>は*の平均操作を表す。したがって式(9)はk−Δk≦τ<k、またはk<τ≦k+Δkを満たすτに対するデータベクトルYc~(τ)Yc~(τ)Hの平均操作を行って算出される。
次にステップST104において、STAP処理部4は、クラッタの相関行列Rcの逆行列Rc -1を算出し、Rc -1と所望波のステアリングベクトルseld(φ(n))から、式(10)によってSTAPウェイトw(n)(ただし、n=0,1,…,N−1)を算出する。
Figure 0004232628
ここで、所望波のステアリングベクトルseld(φ(n))は、
Figure 0004232628
として、
Figure 0004232628
から計算される。
また相関行列Rcの逆行列Rc -1は、Rcを固有展開してその主要固有値λjと固有ベクトルej及び雑音の固有値σを用いて
Figure 0004232628
から求める。ここで、jは主要固有値数(クラッタの固有値数)であって、Jはjの最大値である。また、右辺の近似式は、クラッタ電力(主要固有値)が雑音電力(雑音の固有値)より十分大きいときに成り立つ。以上のようにすることで、素子・局所ドップラ周波数空間におけるSTAPウェイトを算出することができるのである。
続いてステップST105において、STAP処理部4は、距離kのデータベクトルとウェイトw(n)との内積を式(14)のようにとることで、STAPフィルタ出力データを算出する。
Figure 0004232628
そしてステップST106において、STAP処理部4は次のkを選択する。ステップST107において、次のkがないことが判明した場合は、処理を終了する。一方、次のkがまだある場合は、ステップST102に戻る。
以上、着目する距離をずらしながらすべての距離kに対し、パルスドップラフィルタ処理、ドップラフィルタ選択処理、STAP処理を実施し、距離方向のSTAP出力データサンプルを得る。このSTAP出力データはS/C(クラッタを含めた雑音対信号比))最大となる信号である。
最後に、目標検出部5は、STAP処理によってS/Cが最大化された距離方向のデータサンプルに対し閾値処理を行うことで目標の検出を行う。
以上から明らかなように この発明の実施の形態1のレーダ装置によれば、パルスドップラフィルタによる前処理を行って、クラッタが含まれるパルスドップラフィルタビンのみを選択することで、STAP処理の次元を低減することができる。
なお、ビーム空間に替えて、素子空間と選択された局所ドップラ周波数空間に対して同様の処理を行うようにしてもよい。このようにすれば、目標の測角も可能となる。
実施の形態2.
実施の形態1によるレーダ装置では、パルスドップラフィルタビンの一部に対してSTAP処理を適用し、残りのパルスドップラフィルタビンを捨てていた。しかし、STAP処理を適用しなかったパルスドップラフィルタビンからマルチビーム形成を行って、目標検出を行うようにしてもよい。この発明の実施の形態2によるレーダ装置は、かかる特徴を有するものである。
図2は、この発明の実施の形態2によるレーダ装置の構成を示すブロック図である。図において、マルチビーム形成部6は、パルスドップラフィルタ2の出力に基づいてマルチビーム形成を行う部位である。その他、図1と同一の符号を付した構成要素については、実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。ただし、目標検出部5はSTAP処理部4の出力に加えて、マルチビーム形成部6の出力をも取り込んで、目標検出を行うようになっている。
続いて、この発明の実施の形態2によるレーダ装置の動作について説明する。このレーダ装置においても、アレーアンテナ1が受信した受信信号を、パルスドップラフィルタ2によってパルスドップラフィルタ処理を施し、そこで得られたパルスドップラフィルタビンからクラッタが含まれるパルスドップラフィルタビンをドップラフィルタ選択部3が選択する。そしてSTAP処理部4がこれらのフィルタ選択に対してSTAP処理を行う。
その一方で、マルチビーム形成部6は、ドップラフィルタ選択部3がクラッタを含まないと判断したパルスドップラフィルタビンを入力として、マルチビーム形成を行う。ここで、マルチビーム形成のためのステアリングベクトルSs(φ)は、式(15)によって算出される。
Figure 0004232628
ここで、アレーアンテナは簡単のためにアンテナ素子間隔が等間隔なリニアアレーとしている。この場合、規格化した空間周波数は、式(16)で与えられる。
Figure 0004232628
また一般に、空間ステアリングベクトルは、sin (φ)に対し等間隔となる式(17)を用いる。
Figure 0004232628
ここで、式(7)を満たさないmをm"とすると、マルチビーム形成部6は、パルスドップラフィルタビンYm"(k)と空間ステアリングベクトルとの内積を式(18)のようにとることで、ビームYn,m"(k)を形成する。
Figure 0004232628
ビーム指向方向を式(17)のように等間隔としたとき、高速フーリエ変換処理によりマルチビーム形成が実現可能となる。こうして、m"×N個の時間軸方向のデータサンプルが得られる。最後に、これらm"×N個のデータサンプルに対して個別に距離方向の閾値処理を行うことで、目標検出部5は目標を検出する。
以上から明らかなように、この発明の実施の形態2のレーダ装置によれば、STAPを適用する必要のない(クラッタがなく白色の受信機内部雑音のみ)パルスドップラフィルタビンから、マルチビームを形成することで、さらにS/Nを改善することが可能である。
さらに、目標が検出されたパルスドップラフィルタビン、ビーム指向方向から目標との相対速度、ビーム方向を得ることが可能である。
実施の形態3.
実施の形態2によるレーダ装置では、クラッタを含むパルスドップラフィルタビンにSTAP処理を施し、クラッタを含まないパルスドップラフィルタビンからマルチビーム形成を行うこととした。しかしこの他にも、パルスドップラフィルタ2が出力するパルスドップラフィルタビンからマルチビーム形成を行い、その後クラッタ候補を選択するようにしてもよい。形成したビームからクラッタ候補を選択する方法としては、ビームの振幅を求め、次にビーム間における振幅の分布からクラッタ候補を選択する、という方法が考えられる。この発明の実施の形態3によるレーダ装置はかかる特徴を有するものである。
図4は、この発明の実施の形態3によるレーダ装置の構成を示すブロック図である。図において、マルチビーム形成部7は、パルスドップラフィルタビンに基づいてマルチビーム形成を行う部位であり、図3におけるマルチビーム形成部6と同様の機能を有する部位である。また、振幅検出部8は、マルチビーム形成部7によって形成されたビームの振幅を求める部位である。クラッタ領域判定部9は、振幅検出部8が求めた振幅の分布に基づいてクラッタ領域を判定する部位である。
次に、この発明の実施の形態3によるレーダ装置の動作について説明する。このレーダ装置においても、実施の形態1及び2によるレーダ装置と同様に、アレーアンテナ1にて受信した受信信号に対してパルスドップラフィルタ2により、パルスドップラ処理を行う。その後、マルチビーム形成部7は、式(15)〜式(18)に示した演算を施すことで、マルチビーム形成を行う。この結果、2次元の高速フーリエ変換が施されたことになり、アレーアンテナ1での受信データは、素子・パルス空間からビーム・ドップラ周波数空間に変換されたことになる。
続いて、振幅検出部8は、このビーム・ドップラ周波数空間のすべてのセルのデータの振幅を求める。
クラッタ領域判定部9は、受信機内部雑音を基準としてある閾値を設け、それより大きな電力となるセルのうち、孤立しておらずエリアとして広がるセルはクラッタの候補として、そのエリアが距離方向にも広がっているか否かの判定を行う。距離方向にも広がっている場合は、クラッタであると判断し、その角度・ドップラ周波数を選択する。
STAP処理部4は、クラッタ領域判定部9により選択された角度・ドップラ周波数からなる局所領域を入力として式(8)〜(14)に示すSTAP処理を行なう。なお、クラッタが存在しないと判定されたビーム方向、パルスドップラフィルタビンに対しては、目標検出部5において、各時間方向データサンプルを距離方向に閾値処理することで目標検出を行う。
以上から明らかなように、この発明の実施の形態3のレーダ装置によれば、パルスドップラフィルタビンに基づいてマルチビーム形成する構成であっても、STAP処理を施す前にクラッタ領域を選別してことで、演算量の低減を図ることが可能となり、STAP処理の適用範囲を拡大することができるのである。
この発明は、レーダ装置、特に開口径が制限され、クラッタの生じやすい環境で用いられる例えば車載レーダ装置などに有用なものである。
この発明の実施の形態1によるレーダ装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1によるSTAP処理のフローチャートである。 この発明の実施の形態2によるレーダ装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態3によるレーダ装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 アレーアンテナ、
2 パルスドップラフィルタ、
3 ドップラフィルタ選択部、
4 STAP処理部、
5 目標検出部、
6 マルチビーム形成部、
7 マルチビーム形成部、
8 振幅検出部、
9 クラッタ領域判定部。

Claims (3)

  1. 移動体に搭載され、アレーアンテナを備えて、そのアレーアンテナの受信信号に対してSTAP処理によりクラッタ抑圧を行うレーダ装置において、
    前記アレーアンテナが受信した受信信号の周波数を分析してドップラフィルタビンを出力するパルスドップラフィルタと、
    前記移動体のアレーアンテナ正面方向の速度成分と送信波の波長とから前記正面方向の受信波の周波数を算出し、この周波数と要求アジマス角覆域に基づいて前記パルスドップラフィルタが出力したドップラフィルタビンを選択するドップラフィルタ選択部と、
    前記ドップラフィルタ選択部が選択したドップラフィルタビンに対してSTAP処理を行うSTAP処理部と、
    を備えたことを特徴とするレーダ装置。
  2. 前記パルスドップラフィルタが出力したドップラフィルタビンのうち、前記ドップラフィルタ選択部が選択したドップラフィルタビンを除いたドップラフィルタビンからマルチビーム形成を行うマルチビーム形成部と、
    前記マルチビーム形成部が形成したマルチビームから目標検出を行う目標検出部と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
  3. アレーアンテナを備えて、そのアレーアンテナの受信信号に対してSTAP処理によりクラッタ抑圧を行うレーダ装置において、
    前記アレーアンテナが受信した受信信号の周波数を分析してドップラフィルタビンを出力するパルスドップラフィルタと、
    前記パルスドップラフィルタが出力したドップラフィルタビンの振幅を検出する振幅検出部と、
    前記振幅検出部が検出したドップラフィルタビンの振幅の分布からクラッタが存在する局所領域を判定するクラッタ領域判定部と、
    前記クラッタ領域判定部が判定した局所領域に含まれるドップラフィルタビンに対してSTAP処理を行うSTAP処理部と、
    を備えたことを特徴とするレーダ装置。
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