JP4232328B2 - バンパステイ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の車体の前後に配置され、衝突時のエネルギを効率良く吸収するバンパステイに関する。尚、本明細書においては、バンパの強度部材であるバンパリィンフォースメントを単にバンパと称するものとする。また、フレームは、バンパステイを介してバンパが取り付けられる車体側のサイドフレームなどの構造体を指す。
【0002】
【従来の技術】
図5(A)に示すように、バンパステイ70は、自動車のフロント60におけるバンパ62とフレーム66との間に配置され、且つバンパ62を取り付けている。即ち、バンパステイ70は、フレーム66先端のフランジ68に図示しないボルト等により固定され、且つ当該バンパステイ70の先端にバンパ62における表皮64に覆われたバンパリィンフォースメント65が固定されている。
従来のバンパステイ70は、図5(B)に示すように、アルミニウム合金の押出形材をその押出方向と直交し所定の幅に切断したものであり、バンパ62寄りの幅の狭い衝撃吸収段71と、フレーム66寄りの幅広の衝撃吸収段72とからなる。衝撃吸収段71は、断面長方形の中空部74を内設する矩形片73であり、衝撃吸収段72は、一対の長片75,77と短片76,76とからなる長方形断面を有し、一対の仕切壁78により内部に3つの中空部79を形成している。
【0003】
上記バンパステイ70は、図5(B)に示すように、衝撃吸収段71,72間の長片75に対する、上記一対の仕切壁78と衝撃吸収段71の短片73aとの各接続位置間の距離を、長片75の厚みの3倍以上に設定している。
これにより、バンパステイ70は、衝突時において、短片73a、仕切壁78、および短片76における座屈変形の開始時期がずれながら圧壊するため、2段階で衝突エネルギを吸収するものである(特開平8−58499号公報参照)。
【0004】
また、図5(C)に示すバンパステイ80も、アルミニウム合金の押出形材をその押出方向と直交し所定の幅に切断したものであり、外矩形部82の中空部83におけるフレーム側の長片86寄りに、中空部85を内設する内矩形部84を併設すると共に、上記長片86の両側にフランジ88を対称に張り出している。
上記バンパステイ80は、図5(C)に示すように、衝突時において、先ず外矩形部82の左側から右向きに圧縮変形して、衝突初期の衝突エネルギを吸収すると共に、続いて内矩形部84が残った外矩形部82と共に長片86寄りに圧縮変形して、2回目の衝突エネルギを吸収する。係る2段階にわたる変形を生じることにより、バンパステイ80は、衝突エネルギをより多く吸収しようとするものである(特開平7−277112号公報参照)。
【0005】
【発明が解決すべき課題】
しかしながら、前記バンパステイ70では、その複雑な断面形状にも拘わらず、衝突時にて図5(B)中の矢印で示す右向きの力が短片73aに作用すると、長片75の端部75aが小さな力で右側に撓み、引き続いてその付近が図5(B)中の破線のように変形する。このため、短片73aと長片75の端部75aとの交叉部には過大な曲げ応力が発生することにより、短片73aが容易に座屈変形し、その後で短片73aと端部75aとの交叉部が破断する。この結果、衝突時のエネルギを十分吸収することなく、バンパ62寄りの衝撃吸収段71が潰れる。また、フレーム66寄りの衝撃吸収段72は、これらの変形により、容易に座屈あるいは横倒れ変形を生じ易くなっている。以上のように、バンパステイ70では、衝突時のエネルギを十分に吸収できない、という問題点があった。
【0006】
一方、前記バンパステイ80では、図5(C)に示すように、外矩形部82の短片82aに右向きの力が加わると、外矩形部82自体が横倒れ変形してしまうため、衝突時の第1段階におけるエネルギの吸収が非常に少なくなる。更に、外矩形部82の横倒れ変形が進行すると、上記短片82aと内矩形部84の短片84aとが接触するため、内矩形部84の横倒れ変形を誘発する。この結果、衝突時の第1段階および第2段階において、それぞれ横倒れ変形を生じる。従って、バンパステイ80では吸収できるエネルギが少ない、という問題点を有していた。
本発明は、以上において説明した従来の技術における問題点を解決し、衝突時において多くの衝突エネルギを安定して確実に吸収できるバンパステイを提供すること、を課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、バンパステイにアルミニウム合金の中空押出形材を用い且つその端面に蓋板を固定して剛性を高めることに着目して成されたものである。
即ち、本発明のバンパステイ(請求項1)は、アルミニウム合金の中空部を有する押出形材からなり、その押出方向と車体の前後方向とが直交するようにバンパとフレームとの間に配置され、上記形材の中空部の端面における開口部には蓋板が固定され、係る蓋板により上記形材におけるバンパ寄りの座屈変形荷重をフレーム寄りよりも小さくしている、ことを特徴とする。
【0008】
これによれば、前記押出形材のバンパ寄りの座屈変形荷重がフレーム寄りの座屈変形荷重よりも小さいので、他の自動車等と衝突した場合、衝突エネルギはバンパステイのバンパ寄りに伝わり、該バンパステイに加わる荷重が一定以上になると、バンパ側が座屈変形し、この変形により衝突エネルギが吸収されると共に、さらに衝突エネルギが大きいと、フレーム側の座屈変形により係る衝突エネルギが吸収される。
仮に、バンパステイの中空部が一対の側壁のみにて形成される従来形では、座屈変形によらず側壁が倒れるように変形する形の単なる曲げ変形となり、極めて低い荷重で変形する。このため、バンパステイに吸収されるエネルギ量は極めて少なくなるため、衝撃吸収作用が小さくなる。
本発明のバンパステイによれば、押出形材の中空部の端面における開口部に、蓋板を固定することにより、車体の前後方向と直角(幅)方向との断面形状は、閉塞された中空部を有する断面となり、衝突エネルギが作用した際に、生じる変形は、倒れ込みによる曲げ変形にならず、座屈変形となる。これによって、確実に吸収できる衝突エネルギを大きくすることができる。
【0009】
また、前記形材の中空部の端面における開口部に固定される蓋板は、係る開口部の前記フレーム寄りの位置のみを覆って固定されることで、係る蓋板により上記形材におけるバンパ寄りの部分の座屈変形荷重をフレーム寄りの部分よりも小さくしている、バンパステイ(請求項2)も含まれる。
これによれば、蓋板をフレーム寄りの位置のみに固定することにより、蓋板のないバンパ寄りの部分が第1段階として比較的低い荷重での座屈変形または曲げ変形することにより衝突エネルギを吸収し、蓋板のあるフレーム寄りの部分が第2段階として大きな荷重での座屈変形をすることにより、多くの衝突エネルギを吸収する。このため、車体に対する衝撃は2段階に分散されるため、乗員の安全および車体の破損防止を図ることが可能となる。
【0010】
更に、前記形材の中空部の端面における開口部に固定される蓋板は、係る開口部の全面を覆うと共に、その板厚は、バンパ寄りを薄肉部に且つフレーム寄りを厚肉部に形成したものである、バンパステイ(請求項3)も含まれる。
これによれば、衝突荷重により第1段階として、先に蓋板の薄肉部に相当する部分であるバンパステイのバンパ寄りを座屈変形させ、第2段階として蓋板の厚肉部に相当する部分であるバンパステイのフレーム寄りを座屈変形させる。係る2段階で衝突エネルギを確実に吸収することができる。従って、係る形態のバンパステイにより、衝突時において多くの衝突エネルギを、徐々に且つ効率良く確実に吸収することができる。
【0011】
尚、前記形材の中空部内で且つその押出方向に沿ってビスホールが付設されている、バンパステイとしても良い。これによる場合、前記形材の中空部における端面に、蓋板をセルフタッピングボルトやねじにより容易に固定することができ、バンパステイを少ない工程で製造することも可能となる。
上記ビスホールを有する形材に、蓋板を上記ボルト等を用いて固定する形態では、蓋板の素材はアルミニウム合金板の他、鋼板等を用いることができる。
また、ビスホールのない形材であっても、両側縁を折り曲げた蓋板をリベットにより形材の中空部の端面に固定する場合には、鋼板等を用いることも可能である。但し、蓋板を溶接により前記形材の中空部の端面に固定する場合は、形材と同種のアルミニウム合金板を用いると共に、溶接後に適宜必要な熱処理を施す。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下において本発明の実施に好適な形態を図面と共に説明する。
図1(A)は、バンパ1の両端部とフレーム6,6との間に、本発明の前提となる参考形態のバンパステイ10,10を配置した状態を示す。
バンパ1は、外側に表皮3を有するバンパリィンフォースメント2を含み、後者の両端部4,4の側面5,5にバンパステイ10,10が配置される。また、フレーム6は、角形断面の中空部7を内設し、且つ先端にフランジ8を有する。
バンパステイ10は、図1(B)および(C)に示すように、略直方体を呈し且つアルミニウム合金(JIS:A6063,A6N01,A6061をT5またはT6に調質したもの等)からなる押出形材を、その押出方向と直交して所定の長さで切断した押出形材11と、その中空部(16)の両端面に固定された上下一対の蓋板20とを有する。
【0013】
図1(B),(C)および(E)に示すように、押出形材11は、前記バンパ1に面接触する先端壁12、前記フレーム6のフランジ8に接触する後端壁15、これらを連結する一対の側壁13,14、これらに囲まれた中空部16、および、後端壁15の両側に延びる一対のフランジ17を一体に有する。中空部16において、側壁13,14と先端壁12および後端壁15との間の内隅には、ビスホール18,19が中空部16に沿って一体に付設されている。尚、各フランジ17には、フレーム6に固定するボルト用の透孔17aがそれぞれ穿孔されている。
【0014】
また、図1(B),(C)および(D)に示すように、中空部16の両端面における開口部には、その全面に例えば前記同様のアルミニウム合金製の蓋板20,20が固定されている。蓋板20の固定は、押出形材11の中空部16の両端面に蓋板20を配置し、予め蓋板20の四隅に穿孔した透孔20aから押出形材11のビスホール18,19内にセルフタッピングボルト21をねじ込むことにより、容易に行うことができる。これにより、バンパステイ10を得ることができる。
【0015】
以上のような参考形態のバンパステイ10は、先端壁12を前記バンパリィンフォースメント2に、各フランジ17を前記フレーム6のフランジ8に、それぞれ図示しないボルト等によって固定される。そして、他の自動車等と衝突した場合に生じる衝突エネルギにより、バンパステイ10を押し潰す方向の荷重が発生する。バンパステイ10は、上記形材11における中空部16の両側に位置する側壁13,14と、中空部16両端の開口部に固定した一対の蓋板20とにより、閉塞された中空体となるため、上記荷重が一定以上に達すると座屈変形して衝突エネルギを吸収する。これにより、より多くの衝突エネルギを確実に吸収することが可能となるため、乗員の安全を図ることが可能となる。
【0016】
図2(A)は、異なる形態の蓋板22を用いた本発明のバンパステイ10の垂直断面を示す。蓋板22は、図2(A)に示すように、押出形材11における中空部16の両端面の全面に配置され、前記バンパ1寄りの薄肉部23と、前記フレーム6寄りの厚肉部24とを一体に有する。そして、蓋板22の四隅に設けた透孔20aから押出形材11のビスホール18,19内にセルフタッピングボルト21をねじ込むことにて、一対の蓋板22が中空部16両端の開口部の全面に固定される。
【0017】
以上のような蓋板22を固定した本発明のバンパステイ10によれば、衝突エネルギにてバンパステイ10に加わる荷重により、第1段階として先に薄肉部23が位置する前記バンパ1寄りの部分における蓋板22と側壁13,14とが、比較的低い荷重で座屈変形して、衝突エネルギを吸収する。衝突エネルギが大きい場合には、第2段階として厚肉部24が位置する前記フレーム6寄りの部分における蓋板22と側壁13,14とが、比較的高い荷重で座屈変形して、衝突エネルギを吸収する。従って、蓋板22を固定したバンパステイ10によれば、衝突時における多くの衝突エネルギを、徐々に且つ効率良く確実に吸収できる。
【0018】
図2(B)は、更に異なる形態の蓋板25を用いた本発明のバンパステイ10の垂直断面を示す。図2(B)に示すように、蓋板25は、中空部16の端面における前記バンパ1寄りの位置する薄肉部26と前記フレーム6寄りの位置する厚肉部27、および両者の中間に位置する中肉部25aとからなる。そして、蓋板25の四隅に設けた透孔26a,27aから押出形材11のビスホール18,19内にセルフタッピングボルト21をねじ込むことにより、3段階の板肉を有する蓋板25が中空部16の端面の全面に固定される。
【0019】
図2(C)は、別異の形態の蓋板28を用いた本発明のバンパステイ10の垂直断面を示す。図2(C)に示すように、蓋板28は、前記バンパ1寄りが薄肉部28cで且つフレーム6寄りが厚肉部28dとなる傾斜のテーパ面28aを有する。そして、テーパ付き座金29を介して、蓋板28の四隅に設けた透孔28bから押出形材11のビスホール18,19内にセルフタッピングボルト21を各々ねじ込むことにより、蓋板28が中空部16の端面の全面に固定される。
以上のような蓋板25,28を固定したバンパステイ10においても、前記図1に示した蓋板20と同様な作用・効果を得ることができる。
【0020】
図3(A)は、本発明による異なる形態のバンパステイ30を示す。
バンパステイ30は、図3(A)に示すように、中空部36を有する前記同様のアルミニウム合金からなる押出形材を、その押出方向と直交して所定の長さで切断した押出形材押出形材31と、中空部36の両端面の開口部における前記フレーム6寄りの位置に固定した一対の蓋板40と、を有する。
図3(B)に示す端面のように、押出形材31は、前記バンパリィンフォースメント2に接触する傾斜した先端壁32、前記フレーム6のフランジ8に接触する後端壁35、これらを連結する一対の側壁33,34、これらに囲まれた略台形の中空部36、および、後端壁35の両側に延びる一対のフランジ37を一体に有する。上記中空部36内において、側壁33,34の中間にはビスホール38が、側壁33,34と後端壁15との間の内隅にはビスホール39が、それぞれ中空部36に沿って一体に付設されている。
【0021】
そして、図3(C)に示すように、押出形材31における中空部36の両端面における前記フレーム6寄りの位置に蓋板40を配置し、蓋板40の四隅に設けた透孔42から、セルフタッピングねじ44をビスホール38,39内にねじ込むことにより、図3(A)に示すバンパステイ30を得ることができる。
以上のような、本発明のバンパステイ30を前記バンパ1とフレーム6との間に用いた場合、衝突時にバンパステイ30に加わる荷重により、比較的低い荷重で第1段階として先に蓋板40のない側壁33,34の前記バンパ1寄りの部分を座屈変形させ、衝突エネルギを吸収する。その後、更に大きな荷重が加わると、第2段階として蓋板40が固定された側壁33,34の前記フレーム6寄りの部分を座屈変形させて、更に多くの衝突エネルギを吸収することができる。従って、バンパステイ30によれば、衝突時に多くのエネルギを、衝突の程度に応じ順次徐々に且つ効率良く確実に吸収できるので、乗員の安全を図ることが可能となる。
【0022】
図4(A)は、前記押出形材11を用いた異なる参考形態のバンパステイ10aを示す。即ち、図4(A),(C)に示すように、押出形材11の中空部16における両端面の全面に、断面略チャンネル形に折り曲げた一対の蓋板50を固定したものである。蓋板50は、例えばアルミニウム合金板を折り曲げ加工したもので、押出形材11の中空部16の端面における開口部の全面を覆うと共に、側壁13,14に沿って直角に曲がった一対の側縁52を有する。
そして、図4(C)に示すように、中空部16における両端面の全面に蓋板50を配置した後、各側縁52および側壁13,14に予め設けた透孔53,13a,14aにブラインドリベット54をそれぞれ打ち込む。これにより、図4(A)に示したバンパステイ10aを得ることができる。係るバンパステイ10aによれば、前記バンパステイ10と同様の作用・効果を得ることができる。
【0023】
図4(B)も、前記押出形材11を用いた本発明の異なる形態のバンパステイ10bを示す。即ち、図4(B)および(C)に示すように、押出形材11の中空部16の両端面における開口部のうちで前記フレーム6寄りの位置に、断面略チャンネル形に折り曲げた一対の蓋板56を固定したものである。この蓋板56は、押出形材11の中空部16の両端面におけるフレーム6寄りの部分を覆うと共に、側壁13,14に沿って直角に折り曲げられた一対の側縁58を有する。
【0024】
そして、図4(C)に示すように、中空部16における両端面の前記フレーム6寄りの位置に蓋板56を配置した後、各側縁58および側壁13,14に予め設けた透孔59,13a,14aにブラインドリベット54をそれぞれ打ち込む。これにより、図4(B)に示したバンパステイ10bを得ることができる。係るバンパステイ10bによれば、前記バンパステイ30と同様の作用・効果を得ることができる。尚、上記リベット54に替えて、前記セルフタッピングねじ42等を用いることもできる。また、蓋板50はその形状を変更することにより、また、蓋板56はそのままの形状で、前記押出形材31に固定することもできる。
【0025】
本発明は、以上において説明した各形態に限定されるものではない。
例えば、バンパステイ10,30に用いる押出形材11,31の先端壁12,32は、これらが接触するバンパリィンフォースメントの形状に倣ったカーブを有する湾曲した形態とすることもできる。
また、前記押出形材11,31における中空部16,36内に、車体の前後方向やこれと直交する方向に沿った仕切壁を一体に内設することにより、複数の中空部に分割すると共に、上記形材11,31の剛性を高めることもできる。
更に、前記蓋板22,25,28,40,56を、溶接や構造用接着剤(JIS K 6800)等により、前記押出形材11,31に溶着または接着して固定することも可能である。
尚、本発明のバンパステイは、自動車の前後のバンパに用いられるが、例えば鉄道車両のスカートを支持する部材として活用することも可能である。
【0026】
【発明の効果】
以上において説明した本発明のバンパステイによれば、押出形材の中空部の端面における開口部に、バンパ寄りの座屈変形荷重をフレーム寄りの座屈変形荷重よりも小さくするように蓋板を固定することにより、他の自動車等と衝突した場合、蓋板のあるフレーム寄りでは、生じる座屈変形がフレーム寄りと異なるので、衝突エネルギの程度により、異なる荷重によって段階的に衝突エネルギが吸収される。
また、蓋板の固定により、車体の前後方向と直角方向の断面形状は、閉塞された中空部を持つ断面となり、衝突エネルギが作用した際の座屈変形を大きくすることができる。これにより、確実に衝突エネルギを吸収し、衝突時における車体側に加わる衝撃が小さくなる。従って、より多くの衝突エネルギを確実に吸収することが可能となるので、このバンパステイを用いることより、乗員の安全を図ることが可能となる。
【0027】
また、蓋板が中空部の端面の開口部におけるフレーム寄りの位置に固定される請求項2のバンパステイ、および、開口部の全面に固定され且つ板厚をバンパ寄りが薄くフレーム寄りを厚くした請求項3のバンパステイによれば、衝突時にバンパステイに加わる荷重により、第1段階として低い荷重で先に蓋板がないか蓋板が薄肉のバンパ寄りの部分を曲げ変形または座屈変形させて、衝突エネルギを吸収する。その後、更に大きな荷重により第2段階として、蓋板が固定されているか蓋板が厚肉部のフレーム寄りの部分を座屈変形させて、更に多くの衝突エネルギを吸収することができる。従って、これらのバンパステイによれば、多くの衝突エネルギを、徐々に且つ効率良く確実に吸収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)はバンパとフレームの間に、参考形態のバンパステイを配置した状態を示す斜視図、(B)および(C)は(A)に示したバンパステイの異なる角度から観た斜視図、(D)は(B)および(C)中のD−D線に沿った断面図、(E)は上記バンパステイに用いる押出形材を示す端面図。
【図2】(A)〜(C)は前記と異なる形態の蓋板を用いた本発明のバンパステイを示す垂直断面図。
【図3】(A)は本発明による異なる形態のバンパステイを示す斜視図、(B)はこれに用いる押出形材の端面図、(C)は上記バンパステイの垂直断面図。
【図4】(A)は図1 ( E ) の押出形材を用いた異なる参考形態のバンパステイを示す斜視図、(B)は図1(E)の押出形材を用いた本発明の更に異なる形態のバンパステイを示す斜視図、(C)はこれらに共通の垂直断面図。
【図5】(A)は一般的なバンパステイの配置を示す概略図、(B)および(C)は従来のバンパステイの断面図。
【符号の説明】
1…………………………………………………バンパ
6…………………………………………………フレーム
10,10b,30……………………………バンパステイ
11,31………………………………………押出形材
16,36………………………………………中空部
18,19,38,39………………………ビスホール
22,25,28,40,56………………蓋板
23,26,28c……………………………薄肉部
24,27,28d……………………………厚肉部
Claims (3)
- アルミニウム合金の中空部を有する押出形材からなり、その押出方向と車体の前後方向とが直交するようにバンパとフレームとの間に配置し、
上記形材の中空部の端面における開口部には蓋板が固定され、係る蓋板により上記形材におけるバンパ寄りの座屈変形荷重をフレーム寄りよりも小さくしている、
ことを特徴とするバンパステイ。 - 前記形材の中空部の端面における開口部に固定される蓋板は、係る開口部の前記フレーム寄りの位置のみを覆って固定されることで、係る蓋板により上記形材におけるバンパ寄りの部分の座屈変形荷重をフレーム寄りの部分よりも小さくしている、
ことを特徴とする請求項1にバンパステイ。 - 前記形材の中空部の端面における開口部に固定される蓋板は、係る開口部の全面を覆うと共に、その板厚は、バンパ寄りを薄肉部に且つフレーム寄りを厚肉部に形成したものである、
ことを特徴とする請求項1に記載のバンパステイ。
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