JP4230986B2 - 布帛およびスポーツウエア - Google Patents

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本発明は、水や空気に対する抵抗が問題になるような競技用スポーツ衣料分野、例えば競泳用水着、陸上競技用ウエア、スキーまたはスキージャンプ競技用ウエア、スピードスケートウエア、サイクリングウエア等のスポーツ衣料として好適な布帛およびこれを用いたスポーツウエアに関する。
スピードを競う競技用スポーツ衣料分野においては、布帛自身の水や空気等の流体に対する抵抗を小さくしたり、また、衣服等のデザインにより流体に対する抵抗を低減する工夫が種々検討されている。布帛自身の水や空気に対する抵抗を小さくする方法としては、表面を平滑にする方法、例えば、競泳水着等に用いられる布帛に、熱カレンダーロールや熱板でプレス加工する方法、フィルム等をラミネートする方法等が知られている。
具体的には、特許文献1には、熱カレンダーロールによるプレスに加えて金属性薄膜層および樹脂加工が施された、表面粗さの標準偏差が非常に小さい布帛が開示されている。
また特許文献2〜7には、流体の流れと平行な方向に布帛に溝や突起を設けて流体の流れを整流化する種々の抵抗低減布帛が開示されている。
さらに特許文献8、9には、流体と布帛との間の渦抵抗を低減するために、布帛に対して撥水性と親水性を組み合わせて付与する方法が開示されている。
しかし、特許文献8、9では、非撥水部分を部分的に有するため、該非撥水部分に水を含みやすく、水着として着用した場合に水を含んで重くなり、抵抗が大きくなるという問題があった。また上記の従来技術では、いずれも糸の集合体としての布帛に特徴を有するものであり、布帛を構成する糸の微細な構造の違いによる流体抵抗の違いが考慮されていなかった。
特開平7−279038号公報 特開平3−137203号公報 特開平3−137204号公報 特開平7−243104号公報 特開平8−246209号公報 特開平9−31721号公報 特開平11−152610号公報 特開平8−311751号公報 特開平9−49107号公報
本発明の課題は、上記従来技術の問題を解決し、空気や水等の流体に対する抵抗をより低くすることができる布帛およびスポーツウエアを提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み、布帛を構成する糸の微細な構造による抵抗の違いに注目して検討を重ねた結果、断面形状の異なる合成繊維マルチフィラメントをストライプ状に用いることにより、流体抵抗に対する低減効果がさらに増大することを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本願で特許請求される発明は以下のとおりである。
(1)断面形状の異なる2種以上の合成繊維マルチフィラメントと弾性糸とからなる布帛であって、少なくとも2種の繊維が、互いに異型度および周長度の異なる繊維であり、2種の繊維の異型度の差が1〜8、周長度比(大きい方の周長度/小さい方の周長度)が1.1以上であり、いずれかの繊維が、その繊維断面に120度以下の角度の凹部を有し、断面形状の異なる2種以上の合成繊維マルチフィラメントがストライプ状に配置され、かつ、ストライプ状に配置された部分の全面が撥水加工されていることを特徴とする布帛。
)前記合成繊維マルチフィラメントがポリエステル系繊維であることを特徴とする()に記載の布帛。
)前記ストライプの幅が2〜20mmであることを特徴とする(1)または(2)に記載の布帛。
)前記布帛にカレンダー加工が施されていることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の布帛。
)(1)〜(4)のいずれかに記載の布帛が少なくとも一部に用いられていることを特徴とするスポーツウエア。
)(1)〜(5)のいずれかに記載の布帛が、前記断面形状の異なる2種以上のマルチフィラメントのストライプが主として体長方向になるように用いられていることを特徴とするスポーツウエア。
本発明の布帛およびスポーツウエアによれば、断面形状の異なる繊維がストライプ状に存在するため、この部分で流体の流れるスピードを変えることができ、従来の技術で得られる布帛よりも水や空気に対する抵抗が小さくなり、流体に対する抵抗低減効果が増大し、かつ洗濯または使用による耐久性を向上させることができる。また布帛を染色した際に断面形状の違いによる色差が生じ、意匠性に富む布帛を得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
一般に、布帛表面が滑らかで布帛の表面粗さが小さい場合には布帛表面の流体抵抗が低減され、また、流体の流れと平行な方向に布帛に溝や突起を設けて流れを整流化した場合には流体抵抗の低減効果が大きくなることが知られている。
本発明では、このような従来から行なわれている布帛レベルでの凹凸による低減効果とは異なり、断面形状の異なる糸をストライプ状に用いているため、流体抵抗をさらに低減させることができる。断面形状の異なる糸をストライプ状とすることにより流体抵抗が低減される機構は必ずしも明確ではないが、物が水中または空気中を進む時、その周りに渦巻き流が生じて進行をさまたげるが、断面形状の異なる糸によるストライプで形成される微細な凹凸により、この渦巻き流の大きさが小さくなり、流体抵抗が低減されると推定される。
本発明の布帛は、断面形状の異なる2種以上の合成繊維マルチフィラメントと弾性糸とから構成されるが、該合成繊維マルチフィラメントには断面形状の異なる2種以上の繊維が用いられる。
ここで、断面形状の異なる繊維とは、糸断面の単位面積あたりの周長度(以下、単に周長度と記載する)が異なる繊維および/または異型度の異なる繊維をいう。周長度は、同一断面積の丸断面糸の周長を1としたときの周長の比率で表され、扁平度の大きな糸や、表面に凹凸を含む糸ほど周長度が大きくなる。また、異型度は、単糸繊維の断面の長径(最も長い部分の径)と短径(長径と垂直方向の径)との比(長径/短径)で表される。
本発明において、合成繊維マルチフィラメントのうち少なくとも2種の繊維の周長度が異なっていることが好ましい。周長度の小さい方の繊維をA、周長度の大きい方の繊維をBとしたとき、AとBの周長度比(Bの周長度/Aの周長度)が1.1以上であるのが好ましく、より好ましくは1.2以上である。また流体抵抗をより低減させる点から、Bの周長度は1.2以上であるのが好ましい。
周長度の差は、各繊維の扁平度や凹凸の有無、個数または形状等の違いによって発現するが、Bの繊維断面に凹凸を有する場合には撥水剤の載りがよくなり、撥水性能の耐久性が向上するために好ましい。特に少なくとも一つの凹部の角度が120度以下であるような凹部を有しているのがより好ましい。ここでいう角度とは、繊維断面の凹部において断面輪郭に接線を引いたときの断面との両接点と凹部底点を結んで三角形を作ったときの凹部底点の角度をいう。
また合成繊維マルチフィラメントのうち少なくとも2種の繊維の異形度が異なっていることが好ましい。2種の繊維の異型度の差は、異型度の異なる糸をストライプ状に配列した際の異型度の違いによる流体抵抗低減効果を大きくする点から、1〜8であるのが好ましく、より好ましくは2〜5である。異型度の差が1未満では異型度の違いによる発生渦の大きさを低減する効果、すなわち流体抵抗低減効果が小さくなり、また異型度の差が8を超えると、異型度の大きい繊維の繊維強度が低下し易くなる。また異型度が大きいと曲げ応力が小さくなり、布帛がソフトになるため、衣服として着用した時の快適性が向上する。
本発明に用いられる合成繊維マルチフィラメントの繊維断面形状には特に限定はなく、丸型、三角型、W型、V型、T型、扁平八葉型、ドッグボーン型、団子型などの異形糸、またはこれらの中空糸等が用いられるが、丸型に近く、周長度および/または異型度が1に近い繊維と、周長度および/または異型度の大きい繊維とを組み合わせることが好ましい。W型、V型、ドッグボーン型、∞型等の異型断面繊維は、周長度、異型度とも大きく、かつ断面に少なくとも一つの角度120度以下の凹部を有するためより好ましい。特にW型、∞型は、凹部を有し、異型度も大きいために優れた効果が得られる。
本発明では、断面形状の異なる2種の合成繊維マルチフィラメントが用いられていればよいが、3種以上の合成繊維マルチフィラメントがストライプ状に配置されていてもよい。この場合にはストライプ幅の広い2種の合成繊維マルチフィラメントが上述の異型度差および/または周長度比を有することが好ましい。
本発明に用いられる合成繊維マルチフィラメントの繊維素材には特に制限はなく、例えば、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリプロピレン系、ポリウレタン系等のマルチフィラメント繊維を用いることができ、一種または多種のフィラメント糸を用いることができるが、後述のカレンダー加工により平滑性を高め、流体抵抗を低減する効果を高めるためには、ポリエステル系マルチフィラメントの使用が好ましい。
本発明に用いられる弾性糸には特に限定はなく、例えば、ポリウレタン繊維、ポリトリメチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維などが好適に用いられる。これらの繊維は交編または交織によって用いられるが、特に伸縮性の観点からはツーウエイトリコットが好適に用いられる。
布帛に用いられる糸の総繊度および単糸繊度には特に限定はなく、通常、総繊度33〜167dtex、単糸繊度0.5〜5dtexのものが好ましく用いられる。
本発明において、上記断面形状の異なる2種以上のマルチフィラメントはストライプ状に用いられる。ここで言うストライプ状とは縞状を意味し、ある幅をもって概ね平行に配置されることをいう。ストライプの幅は2〜20mmが好ましく、3〜10mmがより好ましいが、2種の断面形状の異なるマルチフィラメントをこの範囲の幅でストライプにし、他のマルチフィラメントの幅を2mm以下にすることも可能である。布帛は編物、織物のいずれでもよく、断面形状の異なる2種以上のマルチフィラメントによるストライプは、布帛の経、緯いずれの方向に形成してもよく、その方法には特に限定されない。
さらに、本発明の布帛には撥水加工が施されている。この撥水加工により、布帛の水含みを少なくし、撥水加工を施さない場合に比べ、含水重量分の抵抗値を低減することができる。撥水加工は、2種以上の合成繊維マルチフィラメントがストライプ状に配置された部分の全面に少なくとも施されていることが好ましい。
本発明の布帛では、断面形状の異なる合成繊維マルチフィラメントを用いているため、周長度および/または異型度の大きい繊維、特に繊維表面に凹凸を含み、少なくとも一つの角度が120度以下である凹部を有する場合、撥水加工時にかかる糸の凹凸部に撥水剤が載りやすくなり、異型度の小さいマルチフィラメントに比べて高い撥水効果が得られる。
このため、上記布帛をスポーツウエアとして使用した場合、ストライプ状に配された2種以上の断面形状の異なる合成繊維マルチフィラメントの撥水性のレベルに差が生じ、布帛表面の水の流れる速さに差が生じ、渦の成長を妨げるため、抵抗低減効果の大きなスポーツウエアを得ることができる。特に洗濯を繰り返したり、水中での使用等を繰り返しても、周長度および/または異型度の大きい繊維、特に繊維表面に凹凸を含み、少なくとも一つの角度が120度以下である凹部を有する繊維は、撥水剤が脱落しにくく、撥水性が低下しにくいため、長期間優れた流体抵抗低減効果を得ることができる。
撥水加工に用いられる撥水加工剤には特に限定はないが、フッ素系、シリコン系等の撥水剤が好適に用いられる。これらの加工剤をディップニップ法などにより付着、乾燥させた後、撥水効果を高めるために160℃〜180℃で熱処理するのが好ましい。
さらに撥水加工に加えてカレンダー加工を施すことにより、平滑による流体抵抗の低減効果も加わり、より一層の流体低減効果を得ることができる。
本発明の布帛をスポーツウエアに用いる際には、ストライブが体長方向に平行になるように用いることが、大きな流体抵抗低減効果を発揮させる点で好ましい。なお、フィット性を考慮する場合は、例えば突部のある胸部や臀部などの部分にはストライプを体長方向に斜めになるように用いてもよい。
本発明の布帛は、スポーツウエア全体に用いるのが好ましいが、スポーツウエアのデザイン等により一部に別の布帛を用いることもできる。例えば、水着、特に競技用水着に用いる場合、水の抵抗を軽減させるために、衣服全体の面積の20%以上に用いるのが好ましく、50%以上に用いるのが特に好ましい。また特に流水抵抗のかかりやすい胸部、臀部などに用いるのが好ましい。さらに例えば陸上競技用ウエアなどの空気抵抗がかかるスポーツウエアの場合には、衣服の全面、特に胸部、大腿部全面に用いるのが好ましい。
本発明の布帛を用いてなる水着の例を図2に示す。すなわち、図2は、本発明による水着の正面および背面を示す図であるが、水着のストライブが主として体長方向になるように用いられているが、体の突出部分である胸部や臀部はストラップを体長方向に斜めになるように用いられている。
本発明の布帛は、公知の方法で染色等の後加工を行うことができる。本発明の布帛で用いられる断面形状の異なる2種以上の繊維が染色性の差を有していれば、特別な方法をとらなくてもストライプに色差が生じ、意匠性に富む布帛を得ることができる。
本発明の布帛およびこれを用いたスポーツウエアによれば、布帛を構成する繊維構造の違いにより形成される凹凸により流体の流れるスピードが変わるために水や空気に対する抵抗を小さくすることができ、優れた流体抵抗低減効果が得られる。また、布帛を染色した際に異型度の違いによる色差が生じ、意匠性に富む布帛を得ることができる。本発明の布帛は、競泳水着の他、陸上競技、スキー、スケート、特に、スキージャンプ競技用ウエア、スピードスケートウエア、サイクリングウエア等にも好適に用いられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、例中の評価は、下記の方法で行った。
1)異型度
布帛の断面写真を撮影し、その断面写真から布帛を構成する単糸繊維の断面の長径(最も長い部分の径)と短径(長径と垂直方向の径)を読み取り、長径/短径を算出した。
2)糸断面の周長度
布帛の断面写真を撮影し、その断面写真から布帛を構成する単糸繊維の断面の周長および断面積を算出し、該周長を同一断面積を有する丸断面糸の円周で除して算出した。
3)糸断面の凹部
布帛の断面写真を撮影し、その断面写真から布帛を構成する単糸繊維の断面が凹凸を有する場合に繊維断面の凹凸のうち隣接する凸部とその間の凹部のそれぞれの頂点を結んで三角形を作った時の凹部の角度を測定し、該角度が120度以下の場合に凹部とする。
4)流体抵抗
流体抵抗の測定は、特開平7−63749号公報の実施例1に記載された装置および測定方法に基づいた。すなわち、図1に示す流体抵抗測定装置を用いて行った。ただし、流量を74Lに変更した。
この装置は、流体が流れる傾斜流路4と、周囲に布帛サンプル3が取り付けられ、傾斜流路4内の流体の流れの中に置かれて、流体中に埋没浮揚される取付具2と、傾斜流路4の上部側から傾斜流路4内を通って先端が取付具2に取り付けられた糸1と、この糸1の後端が取付けられ、当該糸1の張力を測定する測定器5とを備えている。この装置において、糸1を取り付けた取付具2の周囲に布帛サンプル3を取付け、この取付具2を糸1で支持しつつ流体の流れの中に置き、取付具2が流体中に埋没浮揚し、しかも糸1がほぼ流体の流れ方向に張られた時の当該糸1の張力から布帛の流体抵抗が測定される。
具体的には、直径3cm、長さ1.5mで、上方30cmのところに分岐管を設けたアクリル円管を傾斜流路として15度に傾けて設置する。水道より74リットル/minの流量で水を流し、直径1.6cm、長さ16cmのアルミニウム円管(見掛け比重0.68g/cm)の両端に半球状のシリコーンゴム製のキャップを取り付け、一端に150デニール、長さ120cmのポリエステルモノフィラメント糸を取り付けた取付具に試料を巻き付け、アクリル円管内に位置させて測定する。
張力測定器としては、アイコー社製プッシュプルゲージをポリエステルモノフィラメント糸に取り付けて用い、サンプルは布帛を4.5cm×14.5cmにカットし、筒状に縫い合わせて取付具にかぶせ、両端に粘着テープを巻き付けて固定する。
5)着用感
ワンピース型の水着を作製し、水泳選手に着用させ、着用感を調べた。従来より速く泳げるものを○、従来と変わらないか遅く感じるものを×で評価した。
[実施例1]
トリコット編機のフロント筬に異型度1.3、糸断面の単位面積あたりの周長度1.1の三角断面のポリエステル(56dtex)を35質量%および異型度3.8、糸断面の単位面積あたりの周長度1.4の凹部を有するW型断面のポリエステル(56dtex)35質量%が各々5mm幅のストライプ状になるように供給し、ミドル筬に、2種のマルチフィラメントの間に異型度1、糸断面の単位面積あたりの周長度1の丸断面ポリエステル(56dtex)10質量%が1mm幅で配置されるように供給し、バック筬に、スパンデックス(44dtex)20質量%を供給して、36GGトリコット編地を作製した。通常の染色工程の後、ディップニップ法でフッ素系撥水剤を付着・乾燥させ、170℃で熱処理を行ない、流体抵抗を測定した。また、この布帛を用いてストライプを体長方向に配した水着を作製し、水泳選手に着用させ、着用感を調べた。
この布帛の流体抵抗を測定した結果を表1に示す。表中、流体抵抗は、布帛を装着せずに測定した時の張力70gを差し引いた値とし、タテ方向、すなわちストライプの方向が水の流れ方向に平行である場合を測定した。
実施例1で得られた布帛は、流体抵抗が小さく、着用においても速く泳げることが確認できた。
[実施例2]
実施例1の編地を180℃にてカレンダー加工を施した布帛を作製し、実施例1と同様の測定を行った。その結果、実施例2の布帛は表面の平滑化効果も加わり、流水抵抗の著しく小さい布帛であった。
[実施例3]
実施例1と同様の編機で、異型度1、糸断面の単位面積あたりの周長度1の丸断面のナイロン66(70dtex)糸30質量%を6mm幅、異型度2.8、糸断面の単位面積あたりの周長度1.3の凹部を有するV型断面のナイロン66糸(70dtex)50質量%を10mm幅のストライプ状にし、スパンデックス(40dtex)20質量%と交編してなる32GGトリコット編地を作製し、通常の染色工程の後、ディップニップ法でフッ素系撥水剤を付着・乾燥させ、170℃で熱処理を行ない、実施例1と同様の測定を行なった。この布帛の流体抵抗を測定した結果を表1に示した。実施例3で得られた布帛は、流体抵抗が小さく、着用においても速く泳げることが確認できた。
[比較例1]
実施例1のトリコット編地の糸を全て異型度1、糸断面の単位面積あたりの周長度1の丸断面ポリエステルフィラメント(56dtex)を用いた以外は実施例1と同様にして布帛を作製し、同様な評価を行い、結果を表1に示した。その結果、流体抵抗が大きく、また色の変化がなく、意匠性に乏しい水着であった。
[比較例2]
実施例1のトリコット編地の糸を全て異型度3.8、糸断面の単位面積あたりの周長度1.4の凹部を有するW断面ポリエステルフィラメント(56dtex)を用いた以外は実施例1と同様にして布帛を作製し、同様な評価を行い、結果を表1に示したが、流体抵抗が大きく、また色の変化がなく、意匠性に乏しい水着であった。
[比較例3]
実施例1のトリコット編地に撥水加工を施さずに同様な評価を行った結果を表1に示した。流体抵抗が大きく重い着用感の水着であった。
[比較例4]
実施例1の2種の異型断面繊維を10mm幅の格子柄になるように3枚筬でトリコット編地を作製した以外は実施例1と同様の方法で布帛を作製し、同様の評価をした結果を表1に示した。流体抵抗が大きい水着であった。
Figure 0004230986
本発明の布帛は、特殊な断面形状の異なる繊維が用いられているため、流体の流れるスピードが変わり、水や空気に対する抵抗が小さく、また布帛を染色した際に周長度または異型度の違いによる色差が生じ、意匠性に富む布帛を得ることができるため、競泳用水着、陸上競技用ウエア、スキー、特に、スキージャンプ競技用ウエア等のスポーツウエアとして好適に用いることができる。
流体抵抗測定装置の説明図。 本発明の布帛が用いられた水着の正面と背面を示す図。
符号の説明
1…糸、2…取付具、3…布帛サンプル、4…傾斜流路、5…測定器、6…架台、7…分岐管、8…流体供給管、9…バルブ。

Claims (6)

  1. 断面形状の異なる2種以上の合成繊維マルチフィラメントと弾性糸とからなる布帛であって、少なくとも2種の繊維が、互いに異型度および周長度の異なる繊維であり、2種の繊維の異型度の差が1〜8、周長度比(大きい方の周長度/小さい方の周長度)が1.1以上であり、いずれかの繊維が、その繊維断面に120度以下の角度の凹部を有し、断面形状の異なる2種以上の合成繊維マルチフィラメントがストライプ状に配置され、かつ、ストライプ状に配置された部分の全面が撥水加工されていることを特徴とする布帛。
  2. 前記合成繊維マルチフィラメントがポリエステル系繊維であることを特徴とする請求項に記載の布帛。
  3. 前記ストライプの幅が2〜20mmであることを特徴とする請求項1または2に記載の布帛。
  4. 前記布帛にカレンダー加工が施されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の布帛。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の布帛が少なくとも一部に用いられていることを特徴とするスポーツウエア。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の布帛が、前記断面形状の異なる2種以上のマルチフィラメントのストライプが主として体長方向になるように用いられていることを特徴とするスポーツウエア。
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