JP4230323B2 - コネクタ - Google Patents
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Description
その嵌合抵抗発生手段として、図6に示すものがある。これは、一方のコネクタ1のロックアーム2を相手側コネクタ3の係合部4に係合させて両コネクタ1、3を嵌合状態にロックするようにしたものにおいて、嵌合過程でロックアーム2の先端が係合部4に突き当たったときに、ロックアーム2の弾力に起因してその突き当たり部分に生じる摩擦力が大きくなるようにしてロックアーム2が係合部4を乗り越え難くなるようにしてあり、これによって嵌合抵抗を発生させるようになっている。
このように嵌合抵抗を増大させる構造では、嵌合操作に大きな力が必要となるため、作業者が意図的にロックアーム2をロック解除姿勢にした状態で嵌合操作を行うことがある。しかし、このようにすると、ロックアーム2が係合部4に突き当たらないために節度感が得られず、嵌合状態を判断しにくくなる。
一方、他の嵌合抵抗発生手段として下記特許文献1に開示されているものがある。これは、図7に示すように、一対のロックアーム5と、これとは独立した弾性撓みが可能な抵抗アーム6とを設けたものであり、相手側の係合部(図示せず)に対して双方のアーム5、6が係合されるようになっている。この構造では、ロックアーム5がロック解除姿勢になったとしても抵抗アーム6は殆ど撓まないため、節度感が得られなくなる虞はない。
本願発明は上記事情に鑑みて創案されたものであって、ロックアームがロック解除操作されても節度感が失われず、且つ相手側コネクタの形状変更を伴わずに済む嵌合抵抗発生手段を提供することを目的とする。
請求項1及び請求項2の発明においては、相手側コネクタへの嵌合過程で、抵抗アームが突当部に係合することにより嵌合抵抗が生じ、この嵌合抵抗に打ち勝つ力で嵌合操作が進むと抵抗アームが弾性的に撓んで嵌合抵抗が緩和される。このとき、嵌合抵抗の緩和により作業者が節度感を感得することができると共に、嵌合抵抗に打ち勝った嵌合操作の勢いによって正規嵌合状態に至る。すると、ロックアームが係合部と係合するため、両ハウジングが嵌合状態にロックされる。 両ハウジングの嵌合動作の間、抵抗アームとロックアームとのそれぞれの弾性撓み領域はお互いに重なり合うことがない。つまり、互いの動作領域が確保されるため、相互干渉によるハウジング同士の嵌合動作不良を確実に回避することができる。
請求項3の発明においては、抵抗アームがロックアームを挟んで対称に配置され、また突き当て部も同様に係合部を挟んで対称に配されているから、抵抗アームによる嵌合抵抗がロックアームの両側で均等に発生するため、ハウジング同士の円滑な嵌合に一層寄与する。
電気機器のハウジング10には相手側コネクタ11が一体成形によって設けられている。この相手側コネクタ11はハウジング10から方形筒状に突出する筒状嵌合部12を有しており、その筒状嵌合部12内には電機機器内の回路に接続された雄ターミナル13が突出されている。筒状嵌合部12には雌コネクタ(本発明の構成要件であるコネクタ)20が嵌合されるようになっている。
雌コネクタ20は、内部に雌ターミナル22が収容されたコネクタハウジング21と、このコネクタハウジング21のほぼ前半分領域を囲むフード部23とを備えている。フード部23には、相手側コネクタ11の筒状嵌合部12が内嵌されるようになる。フード部23の上面のうち左右方向における中央部分は上方へ立ち上げられており、この立ち上げた部分は、嵌合状態において筒状嵌合部12の上面と対応する作動空間24となっている。
尚、突当て突起30の当接面31とは反対側の面は、嵌合方向に対して比較的小さい角度で傾斜したガイド面32となっている。このガイド面32は、リブ17の後端縁と係合することにより抵抗アーム29を外側へ円滑に撓ますように機能する。
雌コネクタ20のフード部23を相手側コネクタ11の筒状嵌合部12に外嵌しつつ、雌コネクタ20を相手側コネクタ11へ押し付けるようにして嵌合操作を行うと、その嵌合過程において雄ターミナル13に雌ターミナル22が嵌合する前に抵抗アーム29の突当て突起30がリブ17の前端に突き当たり、抵抗アーム29の弾力に起因する大きな嵌合抵抗が瞬間的に発生する。この状態から相手側コネクタ11への押付力を強めると、その押付力が抵抗アーム29による嵌合抵抗の大きさを越えたところで、抵抗アーム29が外側へ弾性撓みして突当て突起30がリブ17から外れ、これによって抵抗アーム29による嵌合抵抗が急激に緩和される。この嵌合抵抗の急激な変動により作業者は節度感を感得することができ、これによって慣性ロックの機能が発揮されたことが判る。
尚、ロックアーム25によるロックが行われている状態では、抵抗アーム29の突当て突起30がリブ17の後端縁に係合することによってもロックの機能が発揮されているから、ロック機能の信頼性が高い。
さらに、本実施形態ではロックアーム25を雌コネクタ20の中心位置に配すると共にこのロックアーム25を中心として抵抗アーム29を左右対称に設けたから、抵抗アーム29による嵌合抵抗が左右均等に作用することになる。したがって、抵抗アーム29による嵌合抵抗の作用に起因して雌コネクタ20の姿勢が左右に傾くことが防止され、操作性に優れている。しかも、抵抗アーム29が1片だけの場合に比べると嵌合抵抗が2倍となっている。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施態様も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)抵抗アームは、ロックアームの左右いずれかの片側だけに設けるようにしてもよい。
(2)抵抗アームは、リブに対して内側(ロックアーム側)へ弾性撓みを生じるようにしてもよい。
(4)本実施形態では、雌型のコネクタに適用した場合について説明したが、本発明は雄型のコネクタにも適用することができる。
14…係合部
17…リブ
20…雌コネクタ(コネクタ)
21…コネクタハウジング
25…ロックアーム
29…抵抗アーム
Claims (3)
- 互いに嵌合可能な雌雄コネクタのうち一方のコネクタのハウジングは、コネクタハウジングとこのコネクタハウジングを取り囲むフード部とを備えており、かつ前記フード部内であって前記コネクタハウジングにおける同一側には共に弾性撓み可能なロックアームと抵抗アームの双方が配され、
かつこの抵抗アームは前記雌雄両ハウジングの嵌合方向に対して直角に近い角度の当接面を有しており、
他方のコネクタのハウジングは前記フード部に内嵌される筒状嵌合部が設けられるとともに、その外面には前記両ハウジングの嵌合過程で前記抵抗アームの当接面に突き当てられ同抵抗アームの弾力に起因する嵌合抵抗を発生させる突き当て部と、前記嵌合抵抗に打ち勝つ嵌合操作力が加えられて抵抗アームが前記突き当て部から解離する方向へ弾性撓みして前記当接面が前記突き当て部から外れることにより前記嵌合抵抗が急激に緩和された後の慣性力をもって前記両ハウジングが嵌合状態へと至ったときに前記ロックアームと弾性的に係止することによって前記両ハウジングを嵌合状態にロックする係合部とが設けられ、
前記抵抗アームの弾性撓み領域は、前記ロックアームの弾性撓み領域の外方に設定されていることを特徴とするコネクタ。 - 前記抵抗アームは前記ロックアームを挟んだ両側に配されて前記雌コネクタのハウジングの外面に沿いつつ前記ロックアームに接離する方向へ弾性撓みすることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
- 前記抵抗アームは前記ロックアームを挟んだ両側に対称に配されるとともに、前記突き当て部は前記係合部を挟んだ両側に対称に配されていることを特徴とする請求項1又は2記載のコネクタ。
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