JP4230209B2 - 感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は感光性平板印刷版、配線板用銅エッチングレジスト、グラビア用銅エッチングレジスト、ドライフィルムレジスト、カラーフィルターレジスト等の感光性材料、およびその感光性材料に使用される感光性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
感光性樹脂組成物の材料の中で、光重合開始剤として汎用的に使用されている材料としては、ヘキサアリールビスイミダゾール誘導体である、化合物(D1)が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【化8】
【0004】
感光性樹脂組成物はバインダーポリマー、エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物、増感剤、光重合開始剤、重合加速剤等を含有しているが、感光性樹脂組成物は溶剤に溶解して使用に供される。この場合多種類の溶剤が使用可能であるが、感光性樹脂組成物中の各成分を十分に溶解できる必要がある。しかし成分によっては、使用されている溶剤に対する溶解性が悪く、そのために、感光性樹脂組成物の種々の用途に対応できない場合が多い。一方本発明とは方式を異にするが、ポジ型レリーフ像を与える感光性組成物として、化合物(D1)および化合物(D1)と置換基の異なるヘキサアリールビスイミダゾール誘導体が開示されている(例えば特許文献2参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特許第2977192号公報(第6−7頁、実施例)
【特許文献2】
特開昭59−64840号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
光重合開始剤には種々の特性が要求され、すべての要求にかなう化合物はかなり限定されている。すぐれた汎用の光重合開始剤として化合物(D1)が多用されているが、溶剤に対する溶解性が十分で無い場合があり、これを用いた感光性材料は感度、解像性、密着性に問題点を生じていた。本発明は、感光性樹脂組成物の中でも、溶解性に限界が生じる場面のある光重合開始剤について着目し、溶剤に対する溶解性の優れた光重合開始剤を含有する、感度、解像性、密着性に優れた感光性樹脂組成物を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、感光性樹脂組成物に使用される溶剤に対して、従来以上に大きな溶解性を有するとともに、光重合開始剤としてもすぐれた性質を有する化合物の検討を行い、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、(A)バインダーポリマー、(B)分子内に少なくとも1つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物、(C)増感剤、(D)光重合開始剤として下記化合物(1)、を含有する事を特徴とする感光性樹脂組成物である。
【0008】
【化9】
【0009】
また本発明は(A)バインダーポリマー、(B)分子内に少なくとも1つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物、(C)増感剤、(D)光重合開始剤として化合物(1)、(E)重合加速剤、を含有する事を特徴とする感光性樹脂組成物である。
【0010】
本発明の(D)成分である光重合開始剤の化合物(1)は溶剤のメチルエチルケトン(以後「MEK」と略称する)に対して12%以上、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート(以後「PGMEA」と略称する)に対して4.5%以上、トルエンに対して12%以上、アセトンに対して6%以上という極めてすぐれた溶解性を示す。その上光重合開始剤の場合、感光性樹脂組成物中の光重合開始剤量を増量させても、必ずしも期待された増量の効果を発揮しない場合が多いが、化合物(1)では感光性樹脂組成物中に増量された場合に、光重合開始剤としての効果もその増量に対応して向上する性質を有している。そのために、本発明の感光性樹脂組成物、およびこれを用いた感光性材料は感度、解像性、レジスト安定性に優れた効果を発揮することができるのである。また、本発明の感光性樹脂組成物は溶剤に対する溶解性が優れていると同時に、疎水性も汎用の化合物(D1)に比して低いため、現状よりもスラッジ・スカムの低減が可能になるという効果も期待される。さらに化合物(D1)のような塩素原子を含んでいないので、塩素系有害物の発生源になる不安も有さない。
【0011】
本発明の感光性樹脂組成物が採用される感光性材料には、感光性平板印刷版、配線板用銅エッチングレジスト、グラビア用銅エッチングレジスト、ドライフィルムレジスト、カラーフィルターレジスト、液晶用フォトリソスペーサーレジスト、3D造形用レジスト、CTP用レジスト、プラズマディスプレイ用隔壁形成用レジストまたはプラズマディスプレイ用顔料分散レジスト等がある。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0013】
本発明における(A)成分のバインダーポリマーは、レジスト溶液を乾燥する事でフィルム形成性を有するポリマーであれば特に制限無く、公知の高分子化合物を使用しうるが、環境、安全性に優れた炭酸ナトリウム水溶液などのアルカリ現像液で現像可能な点で、カルボキシル基を有するポリマーである事が好ましい。このようなカルボキシル基を有するポリマーは、アクリル酸またはメタクリル酸とアクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステルとスチレンなど他のビニル単量体とを共重合させて得られるビニル共重合体が好適である。カルボキシル基を有するポリマーの酸価はアルカリ現像性の点から、30〜250mgKOH/gであることが好ましい。これらのバインダーポリマーは、単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用される。
【0014】
上記アクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸アルキルエステルとしては、例えばアクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、アクリル酸プロピルエステル、アクリル酸ブチルエステル、アクリル酸ペンチルエステル、アクリル酸ヘキシルエステル、アクリル酸ヘプチルエステル、アクリル酸オクチルエステル、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、アクリル酸ノニルエステル、アクリル酸デシルエステル、アクリル酸ウンデシルエステル、アクリル酸ドデシルエステル、メタクリル酸メチルエステル、メタクリル酸エチルエステル、メタクリル酸プロピルエステル、メタクリル酸ブチルエステル、メタクリル酸ペンチルエステル、メタクリル酸ヘキシルエステル、メタクリル酸ヘプチルエステル、メタクリル酸オクチルエステル、メタクリル酸2−エチルヘキシルエステル、メタクリル酸ノニルエステル、メタクリル酸デシルエステル、メタクリル酸ウンデシルエステル、メタクリル酸ドデシルエステル等が挙げられる。
【0015】
(A)成分の重量平均分子量は、それぞれ機械強度とアルカリ現像性の点から、好ましくは10,000〜80,000、より好ましくは30,000〜60,000である。この重量平均分子量が、10,000未満であると、機械強度が劣る傾向があり、80,000を超えるとアルカリ現像性が劣る傾向がある。これらのバインダーポリマーは、単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用される。
【0016】
本発明の感光性樹脂組成物中の(A)成分であるバインダーポリマーの配合量は、(A)成分および(B)成分の合計量100重量部に対して40〜80重量部とすることが好ましく、より好ましくは50〜70重量部である。この配合量が40重量部未満では、光硬化物が脆くなり、感光性フィルムとして用いた場合に塗膜性が劣る傾向があり、80重量部を超えると、充分な感度が得られなくなる傾向がある。
【0017】
また、本発明の(B)成分として用いられる分子内に少なくとも1つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物には、一官能ビニルモノマーと多官能ビニルモノマーがある。一官能ビニルモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステルおよびそれらと共重合可能なビニルモノマーが挙げられる。
【0018】
多官能ビニルモノマーとしては、例えば、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物(ポリエチレングリコールジアクリレート(エトキシ基の数が2〜14のもの)、ポリエチレングリコールジメタクリレート(エトキシ基の数が2〜14のもの)、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート(プロポキシ基の数が2〜14のもの)、ポリプロピレングリコールジメタクリレート(プロポキシ基の数が2〜14のもの)、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート等)、ビスフェノールAポリアルキレングリコールジアクリレート(2,2−ビス(4−(アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン等)、グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を付加して得られる化合物(トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジメタクリレート等)、多価カルボン酸(無水フタル酸等)と水酸基およびエチレン性不飽和基を有する化合物(β−ヒドロキシエチルアクリレート、β−ヒドロキシエチルメタクリレート等)とのエステル化物などが挙げられる。これらの化合物は単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。本発明においては、(B)成分として少なくとも1種類は、多官能ビニルモノマーを使用することが好ましい。
【0019】
本発明の感光性樹脂組成物中の(B)成分である分子内に少なくとも1つのエチレン性不飽和結合を有するモノマーの配合量は、(A)成分および(B)成分の総量100重量部に対して20〜60重量部とすることが好ましく、より好ましくは30〜50重量部である。この配合量が20重量部未満では、充分な感度が得られず、またレジストの硬化密度が低くエッチングもぐりが発生する傾向がある。また、この配合量が60重量部を超えると、感光性樹脂組成物が柔らかくなるため、感光性フィルムの端部から感光性樹脂組成物がしみ出す問題が起こる傾向がある
【0020】
本発明に(C)成分として用いられる増感剤としては、照射光に感光し光重合開始剤を増感する化合物が使用され、具体例として[表1]、[表2]に示したものが挙げられる。これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
本発明の感光性樹脂組成物中の(C)成分である増感剤は、(A)成分および(B)成分の合計量100重量部に対して0.05〜5.0重量部とすることが好ましく、0.1〜4.0重量部とすることがより好ましい。この配合量が0.05重量部未満であると、密着性が低下する傾向があり、5.0重量部を超えると、解像度が低下する傾向がある。
【0024】
本発明の感光性樹脂組成物中の(D)成分である、光重合開始剤の化合物(1)の配合量は、(A)成分および(B)成分の総量100重量部に対して0.1〜20重量部とすることが好ましく、より好ましくは0.15〜5重量部である。この配合量が0.1重量部未満であると、光硬化性が劣り十分な感度が得られない傾向があり、20重量部を超えると高感度となり、解像度が悪くなる傾向がある。
【0025】
本発明の(E)成分として用いられる重合加速剤としては、水素供給性化合物等が使用される。代表的な例として一般式(1)、一般式(2)に示した重合加速剤が挙げられる。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0026】
【化10】
【0027】
(式中、R1、R2、R3、R4およびR5はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、モノアリールアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、アリール基、アラルキル基またはハロゲン原子を表し、その内少なくとも一つはアミノ基、モノアルキルアミノ基またはモノアリールアミノ基であり、アミノ基に置換されているアルキル基およびアリール基はさらに置換基を有しても良い。R6はアミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、モノアリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を表し、ここでアルキル基はさらに置換もしくは無置換のアリール基で置換されても良く、アミノ基に置換されているアルキル基およびアリール基はさらに置換基を有しても良い。)
【0028】
【化11】
【0029】
(式中、R7およびR8はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、シアノ基で置換されたアルキル基、ニトロ基で置換されたアルキル基、ヒドロキシル基で置換されたアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基で置換されたアルキル基を表し、R9は水素原子、アルキル基またはアルコキシ基を表す。)
【0030】
(E)成分の具体的な例としては、[表3]、[表4]に示したものが挙げられる。これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】
本発明の感光性樹脂組成物中の(E)成分である重合加速剤は、(A)成分および(B)成分の合計量100重量部に対して0.05〜5.0重量部とすることが好ましく、0.1〜4.0重量部とすることがより好ましい。この配合量が0.05重量部未満であると、密着性が低下する傾向があり、5.0重量部を超えると、解像度が低下する傾向がある。
【0034】
本発明の感光性樹脂組成物において、前記した各成分を溶解する溶剤としては、特に制限はなく、公知のものが使用でき、例えば、アセトン、MEK、メチルイソブチルケトン、トルエン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、2−メトキシエタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、PGMEA、テトラヒドロフラン、クロロホルム、および塩化メチレン等が挙げられる。これら溶剤は単独で用いてもよいし、2種以上の溶剤からなる混合溶剤として用いてもよい。
【0035】
本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて更に、可塑剤、熱重合禁止剤、トリブロモメチルフェニルスルフォンまたはロイコクリスタルバイオレット、マラカイトグリーン等の発色剤または染料、顔料、充填剤、香料などを添加してもよい。
【0036】
本発明の感光性樹脂組成物は、基板に液状レジストとして塗布して乾燥して用いるか、感光性フィルムの形態で用いられる。基板としては、金属板、ガラスエポキシ等の非金属基材の表面に金属を積層した基板及びガラス等が挙げられ、金属としては銅、ニッケル、クロム、鉄、ステンレス等が挙げられる。
【0037】
本発明の感光性樹脂組成物は支持フィルム上に製膜して感光性フィルムを形成する事ができる。製膜方法としては、通常、本発明の感光性樹脂組成物を必要に応じて溶剤を加えて溶液とした後、これを支持フィルム上に塗布、乾燥する方法が好適である。支持フィルム上に感光性樹脂組成物を製膜した後、更にその上に保護フィルムを積層してもよい。
【0038】
上記のように作製した感光性フィルムを用いてフォトレジスト画像を製造するに際しては、支持フィルム、保譲フィルムとしては、不活性な重合体フィルムであって、透明なもの、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルムなどが用いられる。支持フィルムおよび保護フィルムの厚さは、5〜100μmであることが好ましく、10〜40μmとすることがより好ましい。
【0039】
このようにして本発明の感光性樹脂組成物を金属面上に塗布し、乾燥して形成された感光性樹脂組成物の層、または、上記の感光性フィルムを金属面上に積層して得られた感光性樹脂組成物の層は、ネガまたはポジマスクパターンを通して活性光線をパターン状に露光した後、現像液で現像して未露光部を除去し、レジストパターンとされる。露光の際、感光性樹脂組成物の層上の保護フィルムまたは支持フィルムが透明の場合には、そのまま露光してもよく、また、不透明の場合には、当然除去する必要がある。感光性樹脂組成物の層の保護という点からは、保護フィルムまたは支持フィルムとして透明な重合体フィルムを用い、この重合体フィルムを残存させたまま、それを通して露光することが好ましい。
【0040】
露光に用いられる光源としては、例えば、カーボンアーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ、写真用フラット電球、太陽ランプ、アルゴンレーザー等が用いられる。露光時の光量は通常10〜200mJ/cm2である。露光後、保護フィルムが積層されている場合にはそれを除去した後、現像液による未露光部を除去する現像を行う。現像液としては、安全かつ安定であり、操作性が良好なアルカリ水溶液が好適である。アルカリ水溶液の塩基としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムなどが挙げられ、特に炭酸ナトリウムの水溶液が好ましい。例えば、20〜50℃の0.1〜5重量%炭酸ナトリウム水溶液が好適に用いられる。また、アルカリ水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させることができる。現像の方式には、ディップ方式、パドル方式、スプレー方式等があり、高圧スプレー方式が解像度向上のためには好適である。
【0041】
本発明の感光性樹脂組成物は、現像後の加熱工程なしでも金属に対して優れた密着性を示すが、必要に応じて、現像後、加熱処理を施してもよく、あるいは露光により更に硬化させてもよく、または露光と合わせて加熱処理を施しても良い。現像後、エッチングにより、金属、例えばリードフレーム製造用基板の、レジストパターンが存在せずに露出している部分を溶解除去する。エッチングには、塩化第二銅溶液、アルカリエッチング溶液、過酸化水素系エッチング液などを用いることができるが、エッチファクタが良好な点から、塩化第二鉄溶液を用いることが好ましい。エッチング後、レジストパターンを水酸化ナトリウム等で処理して剥離することにより、所望のパターンを有するリードフレーム等のパターン化された金属板を得ることができる。
【0042】
【実施例】
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
[実施例1][比較例1]
感光性樹脂組成物に使用される溶剤を各種選び、溶剤5mlに試料0.05gずつ添加し、完全溶解した最大量を溶解度とする方法で、本発明の光重合開始剤である化合物(1)の溶解度を測定した。また、比較例として汎用の光重合開始剤である化合物(D−1)についても同様の方法で測定した。結果を[表5]に示した。化合物(1)は汎用の光重合開始剤に比して溶剤に対する溶解性が格段に優れていることが分かる。
【0043】
【表5】
【0044】
[参考例1〜3および実施例2]
[表6]に示す組成で材料を配合し、レジン溶液を調製し、その溶液に[表7]に示す(C)成分および(D)成分、また場合により(E)成分を溶解させて、参考例1〜3および実施例2の感光性樹脂組成物の溶液を得た。
【0045】
【表6】
【0046】
【表7】
【0047】
次いで、この感光性樹脂組成物の溶液を、20μm厚のポリエチレンテレフタレート上に均一に塗布し、105℃の熱風対流式乾燥機で10分乾燥して感光性フィルムを得た。感光性樹脂組成物層の膜厚は、23μmであった。
【0048】
一方、銅箔(厚さ32μm)を片面に積層したガラスエポキシ材である銅張り積層板の銅表面を研磨機を用いて研磨し、水洗後空気流で乾燥した。得られた銅張り積層板を80℃に加温し、その銅表面上に前記感光性樹脂組成物層を110℃に加熱しながらラミネートした。次に、超高圧水銀灯ランプを有する露光機(ウシオ電機(株))UX-1000SM-AGC01を用いて、ネガとしてコダック21段ステップタブレットを試験片の上に置いて44mJ/cm2で露光した。次にポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、30℃で1重量%炭酸ナトリウム水溶液に100秒間浸漬することにより、未露光部を除去した。銅張り積層板上に形成された硬化膜の21段ステップタブレットの段数を測定することにより、感光性樹脂組成物の感度を評価した。その結果を[表9]に示した。感度はステップタブレットの段数で示され、この段数が高いほど、感度が高い事を示す。解像性はフォトマスクを用いて100〜5μmのライン アンド スペース パターンで、密着性はフォトマスクを用いて浮島パターンで、それぞれポジ型(p)およびネガ型(n)を測定した。解像性、密着性共に数字が小さいほうがよい。
【0049】
[比較例2、3、4、5]
次に参考例1〜3および実施例2と同様にして、[表6]に示す組成で材料を配合し、レジン溶液を調製し、その溶液に[表8]に示す(C)成分および(D)成分、また場合により(E)成分を溶解させて、比較例2〜5の感光性樹脂組成物の溶液を得た。これらの溶液を使用して、参考例1〜3および実施例2と同様にして感光性樹脂組成物の感度を評価した。その結果を[表9]に示した。
【0050】
【表8】
【0051】
以下に実施例(表7)および比較例(表8)において使用した材料を示す。
EAB : 4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(保土谷化学工業(株)製商品名)。
ADMA: ロイコクリスタルバイオレット(保土谷化学工業(株)製商品名)。
化合物(1): 2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキスフェニルビスイミダゾール。
化合物(D−1): 2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキスフェニルビスイミダゾール(保土谷化学工業(株)製商品名)。
E−1: 3−アミノ−4−メトキシ−N,N'−ジエチルアミノベンゼンスルホンアミド。
【0052】
実施例、各参考例、比較例の露光量は最適化を行い、下記の露光量で試験を行った。
参考例1、比較例5の解像性・密着性試験は8.3mJ/sec照射。
参考例2の解像性・密着性試験は8.0mJ/sec照射。
参考例3、実施例2の解像性・密着性試験は7.5mJ/sec照射。
比較例2の解像性・密着性試験は10.1mJ/sec照射。
比較例3および比較例4では、D成分が溶解しなかったため測定不可能であった。したがって、[表9]中には測定不可能の個所を「*」で示した。
【0053】
【表9】
【0054】
[表9]の結果より、D成分として化合物(1)を使用した参考例1は比較例2よりも高感度である。また参考例2,3のように、溶解性が高いD成分である化合物(1)を用いると増量する事ができ、増量した事により高感度化、高解像性化、高密着性を示した。しかし比較例3、4のようにD成分が溶解性に乏しい化合物(D−1)を用いると、増量することができないので、比較例2程度以上の性能を得る事はできない。さらに実施例2および比較例5のようにE成分を添加した系でも同様で、D成分として化合物(1)を使用した実施例2は比較例5よりも高性能を発揮した。これらの結果より、本発明の感光性樹脂組成物が、感度、解像性、密着性すべてにおいて、比較例よりも明確にすぐれていることがわかる。
【0055】
【発明の効果】
本発明の感光性樹脂組成物において使用される光重合開始剤である化合物(1)は、溶媒溶解性に優れており、しかも化合物(1)は感光性樹脂組成物中に増量された場合に、光重合開始剤としての効果もその増量に対応して向上させる性質を有している。そのため本発明の感光性樹脂組成物、およびこれを用いた感光性材料は感度、解像性、レジスト安定性に優れた効果を発揮することができる。
Claims (8)
- (A)バインダーポリマー、(B)分子内に少なくとも1つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物、(C)増感剤、(D)光重合開始剤として下記化合物(1)、
- 前記した(A)成分であるバインダーポリマーが、カルボキシル基を有するポリマー単独または他のポリマーとの組合せからなり、そのカルボキシル基は30〜250mgKOH/gの酸価を有し、10,000〜80,000の重量平均分子量を有している事を特徴とする請求項1または請求項2に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記した(A)成分であるバインダーポリマーの配合量が、前記した(A)成分および(B)成分の合計量100重量部に対して40〜80重量部である事を特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかの項に記載の感光性樹脂組成物。
- (A)バインダーポリマー、(B)分子内に少なくとも1つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物、(C)増感剤、(D)光重合開始剤として下記化合物(1)、
- 前記した感光性材料が感光性平板印刷版、配線板用銅エッチングレジスト、グラビア用銅エッチングレジスト、ドライフィルムレジスト、カラーフィルターレジスト、液晶用フォトリソスペーサーレジスト、3D造形用レジスト、CTP用レジスト、プラズマディスプレイ用隔壁形成用レジストまたはプラズマディスプレイ用顔料分散レジストである請求項5または請求項6に記載の感光性材料。
- 前記した感光性材料がドライフィルムレジスト、カラーフィルターレジスト、液晶用フォトリソスペーサーレジスト、3D造形用レジスト、CTP用レジスト、プラズマディスプレイ用隔壁形成用レジストまたはプラズマディスプレイ用顔料分散レジストである請求項5〜請求項7のいずれかの項に記載の感光性材料。
Priority Applications (1)
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