JP4230186B2 - パッキン逆止弁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として半導体製造設備や化学プラント等で使用されるガス系流体の逆止弁に関し、更に詳細には、可撓性を有した合成樹脂や金属などのパッキング材から弁体を形成し、パッキン弁体の可撓性を利用して弁の開閉を行なうことにより、パーティクルの発生を防止でき、しかもデッドスペースを極力小さくできるパッキン逆止弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から使用される逆止弁としては、例えばポペット式逆止弁やダイヤフラム式逆止弁(例えば特許文献1参照)が知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−265035号公報(第4〜5頁、図1)
【0004】
図17は従来のポペット式逆止弁の要部縦断面図である。弁室65の中には弁体66、ポペット弁棒68、シリンダ70、コイルスプリング72が配設され、弁体66はコイルスプリング72の弾性力に付勢されて弁座64に圧接当座して弁口62を閉鎖している。
【0005】
流体が流入用通路60に流入し、その流体圧がコイルスプリング72の弾性力に打ち勝つレベルに達すると、弁体66は弁座64から離座し、流体は矢印s方向から矢印t方向に流通し、流出用通路74へと排出されてゆく。ところが、流体が点線矢印u方向に逆流すると、流体は弁体66を弁座64に圧接するため、弁体66は弁口62を閉鎖し、流体の逆流は生じない。ポペット式逆止弁はこのように流体を一方向に制御することができる。
【0006】
図18は従来のダイヤフラム式逆止弁の縦断面図である。このダイヤフラム式逆止弁は、流入用通路60、弁口62、弁座64、弁室65、流出用通路74、可動シール体76、ダイヤフラム78、凹状壁面80から構成されている。
【0007】
円環状の金属薄板であるダイヤフラム78のバネ力により、可動シール体76は弁座64に圧接状に当座し、弁口62を閉鎖している。流体が矢印s方向に供給され、流体圧がダイヤフラム78のバネ力に打ち勝つと、可動シール体76が右動して弁口62が開口し、流体は矢印t方向に流通し、流出用通路74へと排出されてゆく。流体が点線矢印u方向に逆流すると、ダイヤフラム78の復元力と流体圧により可動シール体76は弁座64に圧接し、流体の逆流は遮断される。このように、ダイヤフラムは逆止弁として作動する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
第1のポペット式逆止弁では、コイルスプリング72はシリンダ70の周面や弁体66と常に摺接し、また弁体66と弁座64も常に摺接しており、しかもこれらの部材は金属で成形されているから、部材相互の摩擦によってパーティクルが常に発生する可能性がある。従って、このような逆止弁は、高純度や高度の清浄性を要求される半導体製造設備や化学プラントでは使用できなかった。また、コイルスプリング72やポペット弁棒68を用いるため、弁室65の容積が大きくなり、集積化ガスシステム等のように、部品を高密度に集積する場合にも集積部品として使用することは困難であった。
【0009】
第2のダイヤフラム式逆止弁では、弁機構としてダイヤフラムを用いるから、必要とするスペースが大きくなり、集積度を上げてコンパクト化してゆく要望には応えることができない。また、ダイヤフラム式逆止弁では、部品数が多いために弁機構が複雑になり、微小領域に多数の逆止弁を詰め込む高密度化の要望にも応えることができない。
【0010】
このように、従来の逆止弁では、パーティクルが必然的に発生したり、構造が複雑すぎたり、サイズが大きいなどの欠点を有していた。
従って、本発明に係るパッキン逆止弁は、可撓性を有するパッキング材でパッキン弁体を構成することにより、パーティクルを発生させずに微小化することができ、高清浄領域で使用できると共に高集積化が可能なパッキン逆止弁を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、流入用通路(10)から供給される流体の流体圧により弁座(18)から弁体を離座させて弁室(20)から流出用通路(16)に流体を排出し、逆流時には流体が弁体を弁座(18)に圧接当座させて逆流を阻止する逆止弁において、前記弁体として可撓性の円環状シートパッキング材から形成されたパッキン弁体(44)を使用し、流入用通路(10)から供給された流体の流体圧がパッキン弁体(44)の自己弾性力による圧接限界を超えたときにパッキン弁体(44)が撓んで弁座(18)から離座し流体を流出用通路(16)に排出する構成とされ、前記逆止弁は、ボディ( A )とボンネット( B )とナット(C)を組み合わせて構成され、前記ボディ(A)はフランジ(4)に円筒状のシリンダ(6)を立設した形状を有し、該フランジ(4)には前記流入用通路(10)及び前記流出用通路(16)が形成され、前記シリンダ(6)の上半内部は中空に形成され、この中空領域の底には前記流入用通路(10)と連通する流体室(12)が形成され、該流体室(12)を取り囲むように環状突起の前記弁座(18)が形成され、前記ボンネット(B)は、下端にある円板部(32)と、この円板部(32)から突設されたステム(34)とから構成され、前記円板部(32)の下面は、環状突起(40)が一体形成によって下方に突設され、前記パッキン弁体(44)は、中央に透孔が穿設され、この透孔に前記環状突起(40)を挿通させ、このパッキン弁体(44)の外側にパッキン押え体(42)を積層してパッキン弁体(44)の中央部を固定して周縁部(44a)に流体圧が作用するように配設し、前記環状突起(40)の先端を外開きに変形させた係止端(40a)によりパッキン押え体(42)を固定することにより、前記パッキン弁体(44)の中央部を固定し、流体圧を受けてパッキン弁体(44)が撓んで前記弁座(18)から離座し流体を前記流出用通路(16)に排出可能に構成されていることを特徴とするパッキン逆止弁である。
【0013】
請求項2の発明は、前記ボンネット(B)の円板部(32)下面は、前記環状突起(40)を最頂部として周縁に行くほど低くなる凸状面(38)に形成され、流体圧を受けて前記パッキン弁体(44)が前記弁座(18)から離座したときに該パッキン弁体(44)の撓んだ周縁部(44a)をこの凸状面(38)で受けてパッキン弁体(44)の撓み量を制限するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のパッキン逆止弁である。
【0014】
請求項3の発明は、流入用通路(101)と流出用通路(102)とこれらの途中に形成された弁座(103)とを備えた第一本体(106)と、第二本体(107)と、前記第一本体(106)と前記第二本体(107)とを締結するナット(108)と、中央部が前記第二本体(107)に固定されると共に周縁部が流体圧により撓んで前記弁座(103)から離座するようになっているパッキン弁体(105)と、を有し、前記パッキン弁体(105)は、前記パッキン弁体(105)の中央部に形成された段付凸状の抜け止め凸部(125)と、該抜け止め凸部(125)の下側に同心状に連設された円板状の板部(126)と、該円板状の板部(126)の外周に同心状に連設された円環状の環部(127)と、該環部(127)の下側に同心状に連設されて前記弁座(103)に当合し得る断面半円状の環状突起(128)と、を備え、前記第二本体(107)は、前記抜け止め凸部(125)が嵌合される抜け止め凹部(119)が該第二本体(107)の下面に形成され、前記流入用通路(101)から供給された流体の流体圧が前記パッキン弁体(105)の圧接限界を超えたときに該パッキン弁体(105)の板部(126)が撓んで前記環状突起(128)が前記弁座(103)から離座し流体を前記流出用通路(102)に排出可能とすることを特徴とするパッキン逆止弁である。
【0015】
請求項4の発明は、前記第二本体(107)は、下面に形成されて中央の前記抜け止め凹部(119)を最頂部として周縁に行くほど低くなる凸状面(118)を備え、流体圧を受けてパッキン弁体(105)が弁座(103)から離座したときにパッキン弁体(105)の撓んだ周縁部をこの凸状面(118)で受けてパッキン弁体(105)の撓み量を制限する請求項3に記載のパッキン逆止弁である。
【0016】
請求項5の発明は、流入用通路(101)と流出用通路(102)とこれらの途中に形成された弁座(103)とを備えた第一本体(106)と、前記第一本体(106)との間に弁室(114)を形成する軸部(115)と、該軸部(115)の下面中央から周面両側に亘って形成されて前記弁室(114)と前記流出用通路(102)を連通させる略T字状の連絡路(138)とを備える第二本体(107)と、第一本体(106)と第二本体(107)とを締結するナット(108)と、中央部に位置して前記第二本体(107)の連絡路(138)に遊嵌状態で臨む円筒状の筒部(139)と、該筒部(139)の下側外周に同心状に連設された円板状の板部(126)と、該板部(126)の外周に同心状に連設された円環状の環部(127)と、前記筒部(139)の下面に同心状に連設されて前記弁座(103)に当合し得る断面半円状の環状突起(128)と、前記筒部(139)と前記環状突起(128)とによりその内側に形成された連通路(135)と、前記環部(127)の上下両面に同心状に連設された断面半円状の環状突部(140)と、を有するパッキン弁体(105)と、を備え、前記第一本体(106)及び前記第二本体(107)の各々に互いに対向する環状溝(136,137)が形成され、これら対向する嵌合溝(136,137)の各々に前記環状突部(140)の夫々が嵌合されることにより、前記パッキン弁体(105)が固定され、前記流入用通路(101)から供給された流体の流体圧が前記パッキン弁体(105)の圧接限界を超えたときに前記パッキン弁体(105)の板部(126)が撓んで前記筒部(139)の環状突起(128)が弁座(103)から離座し流体を流出用通路(102)に排出することを特徴とするパッキン逆止弁である。
【0017】
請求項6の発明は、パッキン弁体の流体流入側に流体室を形成し、この流体室に1本の流入用通路を連通させ、弁室に1本の流出用通路を連通させて二方向逆止弁を構成した請求項1〜5の何れかに記載のパッキン逆止弁である。
【0018】
請求項7の発明は、パッキン弁体の流体流入側に流体室を形成し、この流体室に1本の流入用通路を連通させ、弁室に2本の流出用通路を連通させて三方向逆止弁を構成した請求項1〜5の何れかに記載のパッキン逆止弁である。
【0019】
請求項8の発明は、前記パッキン弁体を形成する可撓性のパッキング材は、合成樹脂または金属である請求項1に記載のパッキン逆止弁である。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明者等は従来の逆止弁の欠点の原因を追求した結果、従来の逆止弁の構造が剛性を有した弁体と、この弁体を弁座に接離させる機構を分離して併存させている点に欠点の原因があることを知るに到った。
【0021】
剛性弁体と接離機構の両者があるために、構造が複雑になり、その結果サイズが大きくなり、しかも剛性弁体の摺接摩擦によりパーティクルが発生してしまう。従って、これらの欠点を一挙に解決するために、弁体と接離機構を一体化すればよいことを着想したのである。
【0022】
本発明者等は弁体と接離機構の一体化を更に推し進め、弁体自体の物性により弁体に接離性を具有させることに成功したものである。換言すれば、剛性弁体の概念への執着から脱することが本発明完成の起因となった。つまり弁体に可撓性を有させれば、この可撓弾性力により弁口を開閉することが可能になる。
【0023】
即ち、通常は可撓弾性力によって弁口を閉鎖し、流体圧がこの可撓弾性力を超えたときに弁体が開いて流体を流通させ、流体圧が低下すれば可撓弾性力により弁口が閉鎖される。流体の逆流に対しては、この流体が弁体を弁座に圧接するから弁口は閉鎖状態(当座状態)を保持する。
【0024】
本発明者等は、この可撓弾性力を有した弁体として、樹脂パッキン(ゴムパッキンを含む)や金属パッキンを利用できることを着想して本発明を具体化した。パッキンはフランジ間に介装されて気密性と弾縮性を付与する部材であり、可撓性、つまり外力により撓む性質を有している。また、パッキンは、外力を除去すれば、自発的に元の状態に復帰する。
【0025】
パッキング材料を板状に形成したパッキンを弁体として使用し、本発明ではこの弁体をパッキン弁体と呼ぶことにする。パッキン弁体の中央部を固定して、周縁部を弁座と圧接状態に配置しても良いし、パッキン弁体の一端を固定して、他端を弁座に圧接しても良いなど、弁体として種々の構造を採ることができる。
以下に、本発明に係るパッキン逆止弁の実施形態を図面に従って詳細に説明する。
【0026】
図1は本発明に係るパッキン逆止弁の第1実施形態である二方向逆止弁の閉鎖状態の縦断面図である。この二方向逆止弁2は、ボディAとボンネットBとナットCの3部材を組み合わせて構成されている。
【0027】
ボディAは直方体状のフランジ4に円筒状のシリンダ6を立設した形状を有している。フランジ4には流入用開口部8とこれに連続した流入用通路10が形成され、また流出用開口部14とこれに連続した流出用通路16が形成されている。流入用開口部8と流出用開口部14には微小な連通孔30、30を介してリーク検出孔28、28が穿設されている。
【0028】
シリンダ6の上半内部は中空に形成され、この中空領域の底には流入した流体が一時貯留される流体室12が形成され、流体室12を取り囲むように環状突起の弁座18が形成されている。弁座18から段部22を介して円筒状のシリンダ先端24が突設され、シリンダ先端24の内周面にはネジ部26が螺設されている。
【0029】
ボンネットBは下端にある円板部32と、この円板部32から丸棒状に突設されたステム34から構成されている。円板部32には環状突起40が下方に突設され、環状突起40の先端は外開きに変形されて係止端40aとなっている。円板部32の下面は、環状突起40を最頂部として周縁に行くほど低くなる凸状面38に形成されている。
【0030】
パッキン弁体44は円環状のシートパッキンであり、そのパッキング材質は樹脂パッキン(ゴムパッキンを含む)でも金属パッキンでも構わない。このパッキン弁体44は可撓性を有し、環状突起40に挿通されている。更に、剛性を有したパッキン押え体42が環状突起40に挿通され、係止端40aによりパッキン弁体44とパッキン押え体42を一体に固定する。
【0031】
パッキン押え体42はパッキン弁体44の中央部を押圧固定するが、パッキン弁体44の周縁部44aは環状の弁座18に圧接状に押接されて上下に多少の幅で撓むことができる。つまり、パッキン弁体周縁部44aは凸状面38から少しだけ離れており、自己弾性力により弁座18に当座して弁口を圧接閉鎖する。
【0032】
ナットCは基部46とナット先端48から構成され、ナット先端48の外周面にはネジ部52が螺設されている。ネジ部52をネジ部26と螺合しながらナットCを回転させ、ナット先端48の先端面で円板部32の外周縁32aを押圧して、二方向逆止弁2を組み立てる。
【0033】
前述したように、パッキン弁体44の周縁部44aは弁座18と凸状面38の間の隙間を上下に撓むことができる。しかし、パッキン弁体44は可撓弾性を有しており、外力が作用しない状態では、その可撓弾性力により図1のように弁座18を圧接閉鎖する。
【0034】
流体を流入用通路10の中に矢印a方向へ供給すると、流体は流体室12に充満し、流体室12の隙間12aからパッキン弁体周縁部44aに上向きの流体圧が作用する。この流体圧がパッキン弁体44の可撓弾性力より小さければ、パッキン弁体44は弁座18に圧接したままで、弁口は閉鎖されたままであり、弁は図1のように閉鎖状態を保持する。即ち、流体圧がパッキン弁体44の弁座18への圧接限界以下では閉鎖状態(当座状態)が保持される。
【0035】
流体を流出用通路16から逆流状態で矢印b方向に流入させた場合には、流体はパッキン弁体周縁部44aの裏面に作用し、パッキン弁体44を弁座18に強力に圧接し、逆流は阻止される。従って、矢印a方向の流通は可能であるが、矢印b方向の逆流は常に阻止され、この逆止弁は二方向逆止弁として機能することができる。
【0036】
連通孔30とリーク検出孔28は、次の機能のために存在する。この二方向逆止弁2を所要部に接続固定する場合、流体漏れを防止するためにガスケットを介して所要部に接続する。接続が不調である場合には、ガスケットによる漏れ防止が十分ではなく、流体が連通孔30からリーク検出孔28に漏れてくる。このリーク検出孔に流体検出用センサを固定し、流体漏れを検出すればこの逆止弁の接続固定がうまくいっていないことになり、接続のやり直しである。リーク(漏れ)が無ければ、接続がうまくいったことを意味する。
【0037】
図2は図1に示す二方向逆止弁の平面図である。ボディAとボンネットBとナットCの組み立て配置が示されている。フランジ4の四隅には取付用透孔50が穿設されており、一対のリーク検出孔28、28が設けられている。
【0038】
図3は図1に示す二方向逆止弁の底面図である。フランジ4の四隅には取付用透孔50が穿設されている。左右には流入用開口部8と流出用開口部14が設けられている。流入用開口部8には流入用通路10と連通孔30が開口しており、同様に、流出用開口部14には流出用通路16と連通孔30が開口している。
【0039】
図4は第1実施形態である二方向逆止弁の流通状態の縦断面図である。図5は図4の要部拡大断面図である。両図から分かるように、流体を矢印a方向に供給させ、流体圧をパッキン弁体44の弁座18に対する圧接限界(可撓弾性力でもよい)以上にしたとき、パッキン弁体44は押し上げられて凸状面38に押し付けられる。このとき流体室12から弁室20が連通し、流体が矢印c方向に弁室20に流入し、弁室20は環状であるから流出用通路16内へと矢印d方向に流れ込み、最終的に流出用開口部14から矢印e方向へと流体は排出される。
【0040】
図6は本発明に係るパッキン逆止弁の第2実施形態である三方向逆止弁の流通状態を示す縦断面図である。図7は図6の弁室近傍の要部拡大断面図である。図1と同一部分には同一符号を打って作用効果の説明を省略し、異なる点のみを以下に説明する。
【0041】
この三方向逆止弁3は、流体室12へ連続する流入用開口部8・流入用通路10と、弁室20から連続する第1流出用通路16a・第1流出用開口部14a及び第2流出用通路16b・第2流出用開口部14bの三方向を制御している。
【0042】
流入用通路8を矢印a方向に流入した流体は流体室12に充満し、その流体圧がパッキン弁体44の圧接限界(可撓弾性力)を超えるとパッキン弁体44は弁座18から離座し、流体は矢印c方向から弁室20に入る。更に、流体は矢印d方向から矢印e方向へと流出用通路16a、16bへ流出する。即ち、流体は第1流出用通路16a及び第2流出用通路16bの二方向へ同時に分流してゆく。
【0043】
図8は三方向逆止弁の閉鎖状態におけるパージ状態を示す従断面図である。この図では、流入用通路10から流体は供給されていないから、パッキン逆止弁44は弁座18を圧接しており、閉鎖状態を示している。
【0044】
しかし、この閉鎖状態でも、弁室20は環状に存在するから、第1流入用通路16aと第2流入用通路16bとは連通状態にある。例えば、図6の流通状態で水素ガスを供給していたとしよう。図8の閉鎖状態では流路に残留した水素ガスを完全に排出する必要が生じる。
【0045】
そこで、第1流出用通路16aから矢印f方向に窒素ガスを供給し、この窒素ガスは矢印g方向から矢印h方向に弁室20を流通し、更に第2流出用通路16bから外部に排出される。即ち、残留水素ガスを窒素ガスでパージして、流路の不純物ガスを排除するのである。この後、別種のガスを流入用通路10から供給して、ガス供給が制御される。
【0046】
このように、三方向逆止弁は、流通状態において流入用通路から供給される流体を二つの流出用通路に分流して供給し、閉鎖状態では一方の流出用通路から他方の流出用通路にパージ用流体を流して残留ガスをパージするなど各種の用途に使用される。勿論、四方向逆止弁やそれ以上の多方向逆止弁を構成することもできる。また、これらの複方向逆止弁を複数組み合わせた積層型逆止弁を構成することもできる。
【0047】
図9は本発明に係るパッキン逆止弁の第3実施形態である二方向逆止弁の閉鎖状態を示す縦断面図である。図10は流通状態を示す図9の要部拡大断面図である。
【0048】
この例のパッキン逆止弁(二方向逆止弁)100は、基本的には、流入用通路101と流出用通路102とこれらの途中に形成された弁座103とを備えた本体104と、中央部が固定側である本体104に固定されていると共に周縁部が流体圧により撓んで弁座103から離座するようになっているパッキン弁体105とから構成されている。
【0049】
本体104は、流入用通路101と流出用通路102と弁座103とを備えた第一本体106と、パッキン弁体105が取付けられる第二本体107と、第一本体106と第二本体107とを締結するナット108とを備えている。
【0050】
第一本体106は、断面略凹状を呈し、上半内部に形成されて上方が開放された開口109と、その底面に形成された平坦状の弁座103と、開口109の中程に形成された段部110と、開口109の上半内面に形成された雌螺子111と、下面に形成された流入用開口部112及び流出用開口部113と、流入用開口部112と開口109の底面中程とを連通する流入用通路101と、開口109の周面と流出用開口部113とを連通する流出用通路102とを備えている。
【0051】
第二本体107は、断面略逆凸状を呈し、第一本体106の開口109の下半に位置されて第一本体106との間に弁室114を形成する軸部115と、これの上側に連設されて第一本体106の段部110に位置される鍔部116と、軸部115の下側外周に形成された環状溝117と、軸部115の下面に形成されて中央を最頂部として周縁に行くほど低くなる凸状面118と、軸部115の下面中程に形成されて段付凹状を呈する抜け止め凹部119と、鍔部116の下側外周に形成された周溝120とを備えている。
【0052】
第二本体107の周溝120には、第一本体106と第二本体107との間のシールを行なうОリング等のシール体121が収容される。
【0053】
ナット108は、断面略逆凸状を呈し、第一本体106の雌螺子111に適合する雄螺子122と、これの上側に連設された六角形等の廻り止め部123と、下面中程に形成された円錐状の窪所124とを備えている。
【0054】
パッキン弁体105は、断面略凸状を呈し、合成樹脂等で作製されて可撓性を有しており、中央部に位置して第二本体107の抜け止め凹部119に嵌合される段付凸状(亀頭状)の抜け止め凸部125と、これの下側に同心状に連設されて第二本体107の凸状面118に当合し得る円板状の板部126と、これの外周に同心状に連設されて第二本体107の環状溝117に離間して位置する円環状の環部127と、これの下側に同心状に連設されて弁座103に当合し得る断面半円状の環状突起(弁体側弁座)128とを備えている。
【0055】
しかして、このようなパッキン逆止弁100は、外力が作用しない場合や流体が流入用通路101から矢印a方向に供給されてその流体圧がパッキン弁体105の可撓弾性力より小さい場合には、パッキン弁体105の可撓弾性力によりその環状突起128が弁座103に当座して所謂閉弁状態(閉鎖状態)に保持される(図9参照)。このため、流入用通路101から供給された流体は、流出用通路102へ排出されることがない。
【0056】
逆に、流体が流出用通路102から矢印b方向に供給された場合には、流体の流体圧とパッキン弁体105の可撓弾性力によりその環状突起128が弁座103に当座して所謂閉弁状態(閉鎖状態)に保持される(図9参照)。このため、流体は、流出用通路102から流入用通路101への逆流が阻止される。
【0057】
流体が流入用通路101から矢印a方向に供給されてその流体圧がパッキン弁体105の可撓弾性力より大きい場合には、流体圧によりパッキン弁体105の周縁部(板部126と環部127と環状突起128)が押し上げられてパッキン弁体105の板部126が凸状面118に押し付けられ、環状突起128が弁座103から離座して所謂開弁状態(流通状態)に保持される(図10参照)。このため、流入用通路101から供給された流体は、パッキン弁体105の環状突起128と弁座103との間を経て流出用通路102へ排出される。
【0058】
図11は本発明に係るパッキン逆止弁の第4実施形態であるライン逆止弁の閉鎖状態を示す縦断面図である。図12は流通状態を示す図11の要部拡大断面図である。
【0059】
この例のパッキン逆止弁(ライン逆止弁)100は、基本的には、第3実施形態と同様であり、流入用通路101と流出用通路102とこれらの途中に形成された弁座103とを備えた本体104と、中央部が固定側である本体104に固定されていると共に周縁部が流体圧により撓んで弁座103から離座するようになっているパッキン弁体105とから構成されている。
【0060】
本体104は、流入用通路101と弁座103とを備えた第一本体106と、流出用通路102を備えてパッキン弁体105が取付けられる第二本体107と、第一本体106と第二本体107とを締結するナット108とを備えている。
【0061】
第一本体106は、断面略十字状を呈し、下流側(図11において右側)内部に形成されて下流側が開放された開口109と、その底面に形成された平坦状の弁座103と、下流側外部に形成された雄螺子129と、上流側に形成された流入用開口部112と、これと開口109の底面中程とを連通する流入用通路101と、上流側外部に形成された取付螺子130と、中程外部に形成された六角形等の廻り止め部131とを備えている。
【0062】
第二本体107は、断面略十字状を呈し、第一本体106の開口109に位置されて第一本体106との間に弁室114を形成する軸部115と、これの下流側に連設されて第一本体106の下流側に位置される鍔部116と、軸部115の上流側外周に形成された環状溝117と、軸部115の上流側に形成されて中央を最頂部として周縁に行くほど低くなる凸状面118と、軸部115の上流側中程に形成されて段付凹状を呈する抜け止め凹部119と、軸部116の下流側外周に形成された周溝120と、下流側に形成された流出用開口部113と、これと弁室114とを連通する略横T字状の流出用通路102と、下流側外部に形成された取付螺子132とを備えている。
【0063】
第二本体107の抜け止め凹部119は、流出用通路102の上流側の一部に連通している。第二本体107の周溝120には、第一本体106と第二本体107との間のシールを行なうОリング等のシール体121が収容される。
【0064】
ナット108は、ユニオンナット状を呈し、上流側内部に形成されて第一本体106の雄螺子129に適合する雌螺子133と、下流側に形成されて第二本体107の下流側が挿通されると共に第二本体107の鍔部116を第一本体106との間で挾持する内鍔部134と、外部に形成された六角形等の廻り止め部123とを備えている。
【0065】
パッキン弁体105は、第3実施形態と同様のもので、断面略凸状を呈し、合成樹脂等で作製されて可撓性を有しており、中央部に位置して第二本体107の抜け止め凹部119に嵌合される段付凸状(亀頭状)の抜け止め凸部125と、これの上流側に同心状に連設されて第二本体107の凸状面118に当合し得る円板状の板部126と、これの外周に同心状に連設されて第二本体107の環状溝117に離間して位置する円環状の環部127と、これの上流側に同心状に連設されて弁座103に当合し得る断面半円状の環状突起(弁体側弁座)128とを備えている。
【0066】
しかして、このようなパッキン逆止弁100は、第3実施形態と同様な作用効果を奏することができる。
【0067】
図13は本発明に係るパッキン逆止弁の第5実施形態である二方向逆止弁の閉鎖状態を示す縦断面図である。図14は流通状態を示す図13の要部拡大断面図である。
【0068】
この例のパッキン逆止弁(二方向逆止弁)100は、基本的には、流入用通路101と流出用通路102とこれらの途中に形成された弁座103とを備えた本体104と、周縁部が固定側である本体104に固定されていると共に中央部が流体圧により撓んで弁座103から離座するようになっており中央部には流入用通路101からの流体を流出用通路102へ導く連通路135を備えたパッキン弁体105とから構成されている。
【0069】
本体104は、流入用通路101と流出用通路102と弁座103とを備えた第一本体106と、パッキン弁体105が取付けられる第二本体107と、第一本体106と第二本体107とを締結するナット108とを備えている。
【0070】
第一本体106は、断面略凹状を呈し、上半内部に形成されて上方が開放された開口109と、その底面中央に隆起して形成された平坦状の弁座103と、開口109の中程に形成された段部110と、開口109の上半内面に形成された雌螺子111と、下面に形成された流入用開口部112及び流出用開口部113と、流入用開口部112と開口109の底面外周側とを連通する流入用通路101と、開口109の周面と流出用開口部113とを連通する流出用通路102と、開口109の底面外周に形成された断面半円状の環状溝136とを備えている。
【0071】
第二本体107は、断面略逆凸状を呈し、第一本体106の開口109の下半に位置されて第一本体106との間に弁室114を形成する軸部115と、これの下面外周に第一本体の環状溝136に対向して形成された断面半円状の環状溝137と、軸部115の下面中央から周面両側に亘って形成されて弁室114と流出用通路102を連通させる略T字状の連絡路138と、鍔部116の下側外周に形成された周溝120とを備えている。
【0072】
第二本体107の周溝120には、第一本体106と第二本体107との間のシールを行なうОリング等のシール体121が収容される。
【0073】
ナット108は、断面略逆凸状を呈し、第一本体106の雌螺子111に適合する雄螺子122と、これの上側に連設された六角形等の廻り止め部123と、下面中程に形成された円錐状の窪所124とを備えている。
【0074】
パッキン弁体105は、断面略凸状を呈し、合成樹脂等で作製されて可撓性を有しており、中央部に位置して第二本体107の連絡路138に遊嵌状態で臨む円筒状の筒部139と、これの下側外周に同心状に連設された円板状の板部126と、これの外周に同心状に連設された円環状の環部127と、筒部139の下面に同心状に連設されて弁座103に当合し得る断面半円状の環状突起(弁体側弁座)128と、筒部139と環状突起128とによりその内側に形成された連通路135と、環部127の上下両面に同心状に連設されて第一本体106の環状溝136と第二本体107の環状溝137に夫々嵌合される断面半円状の環状突部140とを備えている。
【0075】
しかして、このようなパッキン逆止弁100は、外力が作用しない場合や流体が流入用通路101から矢印a方向に供給されてその流体圧がパッキン弁体105の可撓弾性力より小さい場合には、パッキン弁体105の可撓弾性力によりその環状突起128が弁座103に当座して所謂閉弁状態(閉鎖状態)に保持される(図13参照)。このため、流入用通路101から供給された流体は、流出用通路102へ排出されることがない。
【0076】
逆に、流体が流出用通路102から矢印b方向に供給された場合には、流体の流体圧とパッキン弁体105の可撓弾性力によりその環状突起128が弁座103に当座して所謂閉弁状態(閉鎖状態)に保持される(図13参照)。このため、流体は、流出用通路102から流入用通路101への逆流が阻止される。
【0077】
流体が流入用通路101から矢印a方向に供給されてその流体圧がパッキン弁体105の可撓弾性力より大きい場合には、流体圧によりパッキン弁体105の中央部(筒部139と板部126と環状突起128)が押し上げられて環状突起128が弁座103から離座して所謂開弁状態(流通状態)に保持される(図14参照)。このため、流入用通路101から供給された流体は、パッキン弁体105の環状突起128と弁座103との間、パッキン弁体105の連通路135、第二本体107の連絡路138を経て流出用通路102へ排出される。
【0078】
図15は本発明に係るパッキン逆止弁の第6実施形態であるライン逆止弁の閉鎖状態を示す縦断面図である。図16は流通状態を示す図15の要部拡大断面図である。
【0079】
この例のパッキン逆止弁(ライン逆止弁)100は、基本的には、第5実施形態と同様であり、流入用通路101と流出用通路102とこれらの途中に形成された弁座103とを備えた本体104と、周縁部が固定側である本体104に固定されていると共に中央部が流体圧により撓んで弁座103から離座するようになっており中央部には流入用通路101からの流体を流出用通路102へ導く連通路135を備えたパッキン弁体105とから構成されている。
【0080】
本体104は、流入用通路101を備えた第一本体106と、流入用通路101に連通する連絡路141と弁座103とを備えた弁座体142と、流出用通路102を備えて弁座体142との間でパッキン弁体105を取付ける第二本体107と、第一本体106と弁座体142と第二本体107とを締結するナット108とを備えている。
【0081】
第一本体106は、断面略十字状を呈し、下流側(図11において右側)内部に形成されて下流側が開放された開口109と、下流側外部に形成された雄螺子129と、上流側に形成された流入用開口部112と、開口109の底面中程と流入用開口部112を連通する流入用通路101と、上流側外部に形成された取付螺子130と、中程外部に形成された六角形等の廻り止め部131とを備えている。
【0082】
弁座体142は、略蓮根状を呈し、第一本体の開口109の上流側に位置されており、上流側に形成された凹所とこれの外周と下流側とを連通する複数(四つ)の通路とを備えた連絡路141と、下流側中央に隆起して形成された平坦状の弁座103と、連絡路141の通路より下流側外周に形成された断面半円状の環状溝143とを備えている。
【0083】
第二本体107は、断面略十字状を呈し、第一本体106の開口109に位置されて第一本体106及び弁座体142との間に弁室114を形成する軸部115と、これの上流側外周に弁座体142の環状溝143に対向して形成された断面半円状の環状溝137と、軸部115の下流側外周に形成された周溝120と、下流側に形成された流出用開口部113と、これと弁室114とを連通する流出用通路102と、下流側外部に形成された取付螺子132とを備えている。
【0084】
第二本体107の周溝120には、第一本体106と第二本体107との間のシールを行なうОリング等のシール体121が収容される。
【0085】
ナット108は、ユニオンナット状を呈し、上流側内部に形成されて第一本体106の雄螺子129に適合する雌螺子133と、下流側に形成されて第二本体107の下流側が挿通されると共に第二本体107の鍔部116を第一本体106との間で挾持する内鍔部134と、外部に形成された六角形等の廻り止め部123とを備えている。
【0086】
パッキン弁体105は、第5実施形態と同様のもので、断面略凸状を呈し、合成樹脂等で作製されて可撓性を有しており、中央部に位置して第二本体107の流出用通路102の上流側に遊嵌状態で臨む円筒状の筒部139と、これの上流側外周に同心状に連設された円板状の板部126と、これの外周に同心状に連設されて円環状を呈する環部127と、筒部139の上流側に同心状に連設されて弁座103に当合し得る断面半円状を呈する環状突起(弁体側弁座)128と、筒部139と環状突起128とにより形成された連通路135と、環部127の上下流側に同心状に連設されて弁座体142の環状溝143と第二本体107の環状溝137に夫々嵌合される断面半円状を呈する環状突部140とを備えている。
【0087】
しかして、このようなパッキン逆止弁100は、第5実施形態と同様な作用効果を奏することができる。
【0088】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々の変形例・設計変更などをその技術的範囲内に包含することは云うまでもない。
【0089】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、弁体として可撓性のパッキング材から形成されたパッキン弁体を使用するから、パッキン弁体自体の可撓弾性力(圧接限界)により弁の開閉が実現でき、弁座との接離機構が全く不要となるため、構造が簡単で小型化が可能となり、またパッキン弁体は柔軟であるからパーティクルの発生が無く、純度条件の高い流体の供給制御ができる。
【0090】
請求項2の発明によれば、凸状面の曲率によりパッキン弁体の周縁部の撓み量を調整でき、曲率が大きいほど撓み量が大きくなって流量を大きく設定できるなど、流量調節が容易にできる。
【0091】
請求項3の発明によれば、パッキン弁体の中央部を環状突起とパッキン押え体で確実に固定でき、パッキン弁体の周縁部を可撓自在にすることにより構造の簡単なパッキン逆止弁を提供できる。
【0092】
請求項4の発明によれば、高純度流体の二方向制御が可能で、しかも小型化及び集積化が可能な二方向逆止弁を提供できる。
【0093】
請求項5の発明によれば、高純度流体の三方向制御が可能で、しかも小型化及び集積化が可能な三方向逆止弁を提供できる。
【0094】
請求項6の発明によれば、パッキン弁体を形成する可撓性のパッキング材として、合成樹脂または金属を用いるから、材料を種々に変更調整してパッキン弁体の圧接限界、即ち可撓弾性力を目的に合わせて自在に設計できるパッキン逆止弁を提供できる。
【0095】
請求項7の発明によれば、パッキン弁体の中央部を固定するようにしたので、周縁部の均一な撓みを期待でき、弁座に対して均等に当離座可能なパッキン逆止弁を提供できる。
【0096】
請求項8の発明によれば、抜け止め凸部と抜け止め凹部を嵌合させることによりパッキン弁体を固定することができるので、パッキン弁体の固定手段の構造が簡単で組立てが簡単なパッキン逆止弁を提供できる。
【0097】
請求項9の発明によれば、パッキン弁体の周縁部を固定するようにしたので、中央部の均一な撓みを期待でき、弁座に対して均等に当離座可能なパッキン逆止弁を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るパッキン逆止弁の第1実施形態である二方向逆止弁の閉鎖状態の縦断面図である。
【図2】図1に示す二方向逆止弁の平面図である。
【図3】図1に示す二方向逆止弁の底面図である。
【図4】第1実施形態である二方向逆止弁の流通状態の縦断面図である。
【図5】図4の弁室近傍の要部拡大断面図である。
【図6】本発明に係るパッキン逆止弁の第2実施形態である三方向逆止弁の流通状態を示す縦断面図である。
【図7】図6の弁室近傍の要部拡大断面図である。
【図8】三方向逆止弁の閉鎖状態におけるパージ状態を示す従断面図である。
【図9】本発明に係るパッキン逆止弁の第3実施形態である二方向逆止弁の閉鎖状態を示す縦断面図である。
【図10】流通状態を示す要部拡大断面図である。
【図11】本発明に係るパッキン逆止弁の第4実施形態であるライン逆止弁の閉鎖状態を示す縦断面図である。
【図12】流通状態を示す図11の要部拡大断面図である。
【図13】本発明に係るパッキン逆止弁の第5実施形態である二方向逆止弁の閉鎖状態を示す縦断面図である。
【図14】流通状態を示す図13の要部拡大断面図である。
【図15】本発明に係るパッキン逆止弁の第6実施形態であるライン逆止弁の閉鎖状態を示す縦断面図である。
【図16】流通状態を示す図15の要部拡大断面図である。
【図17】従来のポペット式逆止弁の要部縦断面図である。
【図18】従来のダイヤフラム式逆止弁の縦断面図である。
【符号の説明】
2は二方向逆止弁、4はフランジ、6はシリンダ、8は流入用開口部、10は流入用通路、12は流体室、14は流出用開口部、14aは第1流出用開口部、14bは第2流出用開口部、16は流出用通路、16aは第1流出用通路、16bは第2流出用通路、18は弁座、20は弁室、22は段部、24はシリンダ先端、26はネジ部、28はリーク検出孔、30は連通孔、32は円板部、34はステム、36はガスケット、38は凸状面、40は環状突起、42はパッキン押え体、44はパッキン弁体、46は基部、48はナット先端、50は取付用透孔、52はネジ部、60は流入用通路、62は弁口、64は弁座、65は弁室、66は弁体、68はポペット弁棒、70はシリンダ、72はコイルスプリング、74は流出用通路、78はダイヤフラム、80は凹状壁面、Aはボディ、Bはボンネット、Cはナット、100はパッキン逆止弁、101は流入用通路、102は流出用通路、103は弁座、104は本体、105はパッキン弁体、106は第一本体、107は第二本体、108はナット、109は開口、110は段部、111は雌螺子、112は流入用開口部、113は流出用開口部、114は弁室、115は軸部、116は鍔部、117は環状溝、118は凸状面、119は抜け止め凹部、120は周溝、121はシール体、122は雄螺子、123は廻り止め部、124は窪所、125は抜け止め凸部、126は板部、127は環部、128は環状突起、129は雄螺子、130は取付螺子、131は廻り止め部、132は取付螺子、133は雌螺子、134は内鍔部、135は連通路、136は環状溝、137は環状溝、138は連絡路、139は筒部、140は環状突部、141は連絡路、142は弁座体、143は環状溝。
Claims (8)
- 流入用通路から供給される流体の流体圧により弁座から弁体を離座させて弁室から流出用通路に流体を排出し、逆流時には流体が弁体を弁座に圧接当座させて逆流を阻止する逆止弁において、
前記弁体として可撓性の円環状シートパッキング材から形成されたパッキン弁体を使用し、流入用通路から供給された流体の流体圧がパッキン弁体の自己弾性力による圧接限界を超えたときにパッキン弁体が撓んで弁座から離座し流体を流出用通路に排出する構成とされ、
前記逆止弁は、ボディとボンネットとナットを組み合わせて構成され、
前記ボディはフランジに円筒状のシリンダを立設した形状を有し、該フランジには前記流入用通路及び前記流出用通路が形成され、前記シリンダの上半内部は中空に形成され、この中空領域の底には前記流入用通路と連通する流体室が形成され、該流体室を取り囲むように環状突起の前記弁座が形成され、
前記ボンネットは、下端にある円板部と、この円板部から突設されたステムとから構成され、前記円板部の下面は、環状突起が一体形成によって下方に突設され、前記パッキン弁体は、中央に透孔が穿設され、この透孔に前記環状突起を挿通させ、このパッキン弁体の外側にパッキン押え体を積層してパッキン弁体の中央部を固定して周縁部に流体圧が作用するように配設し、前記環状突起の先端を外開きに変形させた係止端によりパッキン押え体を固定することにより、前記パッキン弁体の中央部を固定し、流体圧を受けてパッキン弁体が撓んで前記弁座から離座し流体を前記流出用通路に排出可能に構成されていることを特徴とするパッキン逆止弁。 - 前記ボンネットの円板部下面は、前記環状突起を最頂部として周縁に行くほど低くなる凸状面に形成され、
流体圧を受けて前記パッキン弁体が前記弁座から離座したときに該パッキン弁体の撓んだ周縁部をこの凸状面で受けてパッキン弁体の撓み量を制限するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のパッキン逆止弁。 - 流入用通路と流出用通路とこれらの途中に形成された弁座とを備えた第一本体と、
第二本体と、
前記第一本体と前記第二本体とを締結するナットと、
中央部が前記第二本体に固定されると共に周縁部が流体圧により撓んで前記弁座から離座するようになっているパッキン弁体と、を有し、
前記パッキン弁体は、前記パッキン弁体の中央部に形成された段付凸状の抜け止め凸部と、該抜け止め凸部の下側に同心状に連設された円板状の板部と、該円板状の板部の外周に同心状に連設された円環状の環部と、該環部の下側に同心状に連設されて前記弁座に当合し得る断面半円状の環状突起と、を備え、
前記第二本体は、前記抜け止め凸部が嵌合される抜け止め凹部が該第二本体の下面に形成され、
前記流入用通路から供給された流体の流体圧が前記パッキン弁体の圧接限界を超えたときに該パッキン弁体の板部が撓んで前記環状突起が前記弁座から離座し流体を前記流出用通路に排出可能とすることを特徴とするパッキン逆止弁。 - 前記第二本体は、下面に形成されて中央の前記抜け止め凹部を最頂部として周縁に行くほど低くなる凸状面を備え、流体圧を受けてパッキン弁体が弁座から離座したときにパッキン弁体の撓んだ周縁部をこの凸状面で受けてパッキン弁体の撓み量を制限する請求項3に記載のパッキン逆止弁。
- 流入用通路と流出用通路とこれらの途中に形成された弁座とを備えた第一本体と、
前記第一本体との間に弁室を形成する軸部と、該軸部の下面中央から周面両側に亘って形成されて前記弁室と前記流出用通路を連通させる略T字状の連絡路とを備える第二本体と、
第一本体と第二本体とを締結するナットと、
中央部に位置して前記第二本体の連絡路に遊嵌状態で臨む円筒状の筒部と、該筒部の下側外周に同心状に連設された円板状の板部と、該板部の外周に同心状に連設された円環状の環部と、前記筒部の下面に同心状に連設されて前記弁座に当合し得る断面半円状の環状突起と、前記筒部と前記環状突起とによりその内側に形成された連通路と、前記環部の上下両面に同心状に連設された断面半円状の環状突部と、を有するパッキン弁体と、を備え、
前記第一本体及び前記第二本体の各々に互いに対向する環状溝が形成され、これら対向する嵌合溝の各々に前記環状突部の夫々が嵌合されることにより、前記パッキン弁体が固定され、
前記流入用通路から供給された流体の流体圧が前記パッキン弁体の圧接限界を超えたときに前記パッキン弁体の板部が撓んで前記筒部の環状突起が弁座から離座し流体を流出用通路に排出することを特徴とするパッキン逆止弁。 - パッキン弁体の流体流入側に流体室を形成し、この流体室に1本の流入用通路を連通させ、弁室に1本の流出用通路を連通させて二方向逆止弁を構成した請求項1〜5の何れかに記載のパッキン逆止弁。
- パッキン弁体の流体流入側に流体室を形成し、この流体室に1本の流入用通路を連通させ、弁室に2本の流出用通路を連通させて三方向逆止弁を構成した請求項1〜5の何れかに記載のパッキン逆止弁。
- 前記パッキン弁体を形成する可撓性のパッキング材は、合成樹脂または金属である請求項1に記載のパッキン逆止弁。
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