JP4229527B2 - 水素を燃料とする機器への水素供給システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は水素を燃料とする機器への水素供給システム、特に、水素を燃料とする機器に水素を供給すべく、アルコール、ガソリン等の原料から水素を生成するようにした水素供給システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の水素供給システムは、水素生成のために改質器を備えている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、現状の改質器は、起動するまでの時間が長く、そのため、前記機器としての燃料電池を電源とする電気自動車においては始動スイッチを入れても直ちに発進することができず、また水素生成量増加の要求に対する応答性が鈍く、そのため電気自動車においてはその加速性が悪い、といった問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、水素貯蔵器を備え、そこからの放出水素のみを機器に供給するようにし、これにより、改質器が持つ問題点が機器への水素供給に影響しないようにした前記水素供給システムを提供することを目的とする。
【0005】
前記目的を達成するため本発明の第1の特徴によれば、原料から水素を生成する改質器と、前記改質器により生成された水素を吸蔵し、次いでその吸蔵水素を放出して水素を燃料とする機器に供給することが可能な水素貯蔵器とを有する水素供給システムにおいて、前記水素貯蔵器は、第1の水素吸蔵材を各々内蔵した少なくとも3つのタンクを備えた第1貯蔵部と、第2の水素吸蔵材を備えた第2貯蔵部とを有し、両水素吸蔵材において、水素の吸蔵し易さに関しては前記第1の水素吸蔵材が前記第2の水素吸蔵材に比べて優れており、一方、吸蔵水素の放出し易さに関しては前記第2の水素吸蔵材が前記第1の水素吸蔵材に比べて優れており、前記第1貯蔵部に前記改質器からの水素を一旦吸蔵させ、その第1貯蔵部からの放出水素を前記第2貯蔵部に吸蔵させておくことにより、前記機器の運転開始をその第2貯蔵部からの放出水素で行い、その後の前記機器の運転継続を前記第1貯蔵部からの放出水素で行うようにし、前記機器の運転継続下では、1つの前記タンクが水素放出状態にあるとき、別の1つの前記タンクが水素吸蔵状態にあることを特徴とする、水素を燃料とする機器への水素供給システムが提供され、また本発明の第2の特徴によれば、原料から水素を生成する改質器と、前記改質器により生成された水素を吸蔵し、次いでその吸蔵水素を放出して水素を燃料とする機器に供給することが可能な水素貯蔵器とを有する水素供給システムにおいて、前記水素貯蔵器は、第1の水素吸蔵材を各々内蔵した少なくとも3つのタンクを備えた第1貯蔵部と、第2の水素吸蔵材を備えた第2貯蔵部とを有し、両水素吸蔵材において、水素吸蔵特性に関しては、同一温度・同一圧力下では前記第1の水素吸蔵材が前記第2の水素吸蔵材に比べて水素吸蔵の平衡圧が低く、一方、水素放出特性に関しては、同一温度・同一圧力下では前記第2の水素吸蔵材が前記第1の水素吸蔵材に比べて水素放出の平衡圧が高く、前記第1貯蔵部に前記改質器からの水素を一旦吸蔵させ、その第1貯蔵部からの放出水素を前記第2貯蔵部に吸蔵させておくことにより、前記機器の運転開始をその第2貯蔵部からの放出水素で行い、その後の前記機器の運転継続を前記第1貯蔵部からの放出水素で行うようにし、前記機器の運転継続下では、1つの前記タンクが水素放出状態にあるとき、別の1つの前記タンクが水素吸蔵状態にあることを特徴とする、水素を燃料とする機器への水素供給システムが提供される。
【0006】
例えば、機器の休止中において改質器を作動させ、その改質器で生成された水素を第1貯蔵部に吸蔵させる。この水素の吸蔵は第1の水素吸蔵材が水素を吸蔵し易い性質を有するので、スムーズに、且つ十分に行われる。
【0007】
第1吸蔵部から第2吸蔵部への水素の移送において、第1吸蔵部からの吸蔵水素の放出は、第1の水素吸蔵材が水素を放出しにくい性質を持つことを考慮して、その第1の水素吸蔵材の温度を加熱により高めることによって行われ、これにより高圧な放出水素が得られる。第2貯蔵部における第2の水素吸蔵材は水素を吸蔵しにくい性質を有するが、第1吸蔵部からの放出水素は高圧であるため第2貯蔵部に十分に吸蔵される。
【0008】
そして、機器の運転開始時には、第2貯蔵部より水素を放出させて機器に供給する。この放出水素の供給は、機器の運転開始時に同時に始動させた改質器が定常状態に到るまで行われる。第2貯蔵部からの水素の放出は、第2の水素吸蔵材が水素を放出し易い性質を有するので、迅速に且つ十分に行われる。
【0009】
その後の機器の運転継続を第1貯蔵部からの放出水素で行うので、機器の要求水素量が増加したときには第1貯蔵部からの放出水素量を増し、一方、前記要求水素量が減少したときには第1貯蔵部からの放出水素量を減らす。
【0010】
したがって、この水素供給システムによれば、改質器の応答遅れ等の問題点が機器への水素供給に影響することを回避することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1に示す水素供給システム1は、水素を燃料とする機器としての燃料電池2を電源とする電気自動車に搭載される。
【0012】
水素供給システム1において、改質器3は、アルコール、ガソリン等の原料から水素を生成する。また第1,第2調湿器41 ,42 は加湿機能および除湿機能を有するもので、それらの一端側に第1連通口51 を、また他端側に第2連通口52 をそれぞれ有する。両第1連通口51 間は導管6を介して接続され、その導管6に、第1調湿器51 側より第2調湿器52 側に向って第1,第2,第3三方弁3V1 ,3V2 ,3V3 が装置される。それらの第1,第2ポートp1,p2は導管6の第1調湿器51 側と第2調湿器52 側とにそれぞれ接続される。第2三方弁3V2 の第3ポートp3には導管7を介して改質器3の供給口8が接続される。また第1,第3三方弁3V1 ,3V3 の第3ポートp3は導管9,10を介して第4三方弁3V4 の第1,第2ポートp1,p2にそれぞれ接続され、その第4三方弁3V4 の第3ポートp3は導管11を介して燃料電池2の入口12に接続される。燃料電池2の出口13は第1排出管141 を介して改質器3の燃焼系に接続され、これにより燃料電池2の排ガス中の可燃成分が燃焼されて、その発生熱は改質器3における改質反応に用いられる。
【0013】
第1,第2調湿器41 ,42 の両第2連通口52 間は導管16を介して接続され、その導管16に、第1調湿器41 側より第2調湿器42 側に向って第5,第6,第7三方弁3V5 ,3V6 ,3V7 が装置される。それらの第1,第2ポートp1,p2は導管16の第1調湿器41 側と第2調湿器42 側とにそれぞれ接続され、また第6三方弁3V6 の第3ポートp3は水素貯蔵器15の入口側に接続される。
【0014】
水素貯蔵器15は、改質器3により生成された水素を第1または第2調湿器41 ,42 を介し供給されてそれを吸蔵し、またその吸蔵水素を放出して第1または第2調湿器41 ,42 を介して燃料電池2に供給することができる。その水素貯蔵器15は、第1の水素吸蔵材MH1 を備えた第1貯蔵部151 と、第2の水素吸蔵材MH2 を有する第2貯蔵部152 とを有する。第1,第2の水素吸蔵材MH1 ,MH2 としては水素吸蔵合金または炭素材が用いられる。第1の水素吸蔵材MH1 のプラトー領域を示す温度は第2の水素吸蔵材MH2 のそれよりも高く、したがって改質器3からの比較的高温な水素の吸蔵し易さに関しては第1の水素吸蔵材MH1 が第2の水素吸蔵材MH2 に比べて優れているが、常温下での吸蔵水素の放出し易さに関しては第2の水素吸蔵材MH2 が第1の水素吸蔵材MH1 に比べて優れている。つまり、両水素吸蔵材MH1 ,MH2 において、水素吸蔵特性に関しては、同一温度・同一圧力下では第1の水素吸蔵材MH1 が第2の水素吸蔵材MH2 に比べて水素吸蔵の平衡圧が低く、一方、水素放出特性に関しては、同一温度・同一圧力下では第2の水素吸蔵材MH2 が第1の水素吸蔵材MH1 に比べて水素放出の平衡圧が高いのである。実施例では第1の水素吸蔵材MH1 はAB5系合金、例えばMmNi4.9 Al0.1 合金よりなり、また第2の水素吸蔵材MH2 はAB5系合金、例えばMmNi4.77Al0.23合金よりなる。各化学式において、Mmはランタン系ミッシュメタルを意味する。
【0015】
第1貯蔵部151 は、第1の水素吸蔵材MH1 を内蔵した少なくとも3つ、図示例では3つの第1〜第3タンクT1 〜T3 を備え、それらタンクT1 〜T3 の入口17は導管18により相互に接続され、その導管18の分岐部19が別の導管20を介して第6三方弁3V6 の第3ポートp3に接続される。導管18において、各タンクT1 〜T3 の入口17と分岐部19との間に第1,第2,第3二方弁2V1 ,2V2 ,2V3 がそれぞれ装置される。第1〜第3タンクT1 〜T3 の出口21は導管22により相互に接続され、その導管22の集合部23が第2排出管142 を介して第1排出管141 の下流側に接続される。導管22において、各タンクT1 〜T3 の出口21と集合部23との間に第8,第9,第10三方弁3V8 ,3V9 ,3V10がそれぞれ装置される。それら三方弁3V8 ,3V9 ,3V10の第1,第2ポートp1,p2は導管22の第1〜第3タンクT1 〜T3 側および集合部23側にそれぞれ接続される。第8三方弁3V8 の第3ポートp3は導管24を介して第11三方弁3V11の第1ポートp1に接続され、また第9三方弁3V9 および第10三方弁3V10の第3ポートp3は導管25,26を介して第12三方弁3V12の第1,第2ポートp1,p2にそれぞれ接続される。その第12三方弁3V12の第3ポートp3は導管27を介して第11三方弁3V11の第2ポートp2に接続される。
【0016】
第2貯蔵部152 は第2の水素吸蔵材MH2 を内蔵した少なくとも1つ、図示例では1つの第4タンクT4 を備える。第4タンクT4 の入口17に導管29を介して第13三方弁3V13の第1ポートp1が接続され、その第2ポートp2は導管30を介して第11三方弁3V11の第3ポートp3に接続される。第4タンクT4 の出口21に導管32を介して第4二方弁2V4 が接続され、その第4二方弁2V4 に導管33を介して第14三方弁3V14の第1ポートp1が接続される。またその導管33に第13三方弁3V13の第3ポートp3が導管34を介して接続される。第14三方弁3V14の第2ポートp2は導管35を介して第5三方弁3V5 の第3ポートp3に接続され、また第3ポートp3は導管36を介して第7三方弁3V7 の第3ポートp3に接続される。
【0017】
第1,第2調湿器41 ,42 は第1貯蔵部151 の水素吸蔵性を向上させるべく、改質器3からの水素に除湿処理を施し、また燃料電池2の発電性能を向上させるべく、放出水素に加湿処理を施す。この場合、第1,第2調湿器41 ,42 の含水量をそれぞれCw1,Cw2としたとき、例えば、Cw1<Cw2であれば第1調湿器41 が除湿処理に、一方、第2調湿器42 が加湿処理にそれぞれ用いられる。
【0018】
このような使用の結果、両含水量Cw1,Cw2の関係が逆転してCw1>Cw2となれば、第1調湿器41 は、除湿機能発揮後、加湿機能発揮可能状態となり、一方、第2調湿器42 は、加湿機能発揮後、除湿機能発揮可能状態となったもので、今度は第1調湿器41 が加湿処理に、一方、第2調湿器42 が除湿処理にそれぞれ用いられる。このような使い分は1台の調湿器によっても可能であるが、2台の調湿器41 ,42 を備え、それらの間に含水量の差を設けると、除湿および加湿処理に適確に対応することができる。前記のような除湿および加湿作用を行うものとしては、モレキュラシーブを挙げることができる。
【0019】
必要に応じて、両調湿器41 ,42 に、改質器3からの水素に含まれた炭酸ガス、酸素等の不純ガス成分を除去する機能を持たせることができる。図中、Vは逆止弁である。
【0020】
(1) 例えば、翌朝において電気自動車の走行を確実に開始させるためには、夜間駐車中であって、燃料電池2の運転休止中に次のような水素貯蔵作業を行う。便宜上、作業開始前においては水素貯蔵器15の第1〜第4タンクT1 〜T4 は空(カラ)状態であるとする。
【0021】
(1)−a 図1に示すように、第1,第2調湿器41 ,42 の両含水量Cw1,Cw2の間にはCw1≒Cw2の関係が成立し、それらは除湿機能発揮可能状態にあるものとする。弁切換操作によって、第2〜第4タンクT2 〜T4 の入口17への経路を遮断した状態において、改質器3→第2三方弁3V2 →第3三方弁3V3 →第2調湿器42 →第7三方弁3V7 →第6三方弁3V6 →第1二方弁2V1 →第1タンクT1 →第8三方弁3V8 →第2排出管142 の経路を確立させる。そして改質器3を作動させ、その改質器3で生成された比較的高温な水素を、除湿処理発揮可能状態にある第2調湿器42 を経て第1貯蔵部151 の第1タンクT1 に吸蔵させる。この水素の吸蔵は第1の水素吸蔵材MH1 が改質器3からの比較的高温な水素を吸蔵し易い性質を有し、且つその水素に除湿処理が施されているので、スムーズに、且つ十分に行われる。第1の水素吸蔵材MH1 に吸蔵されなかった過剰の水素は第2排出管142 を経て改質器3の燃焼系に導かれ、そこで燃焼されて、その発生熱は改質器3における改質反応に用いられる。また水素に含まれ、且つ第1の水素吸蔵材MH1 に吸蔵されない炭酸ガス等の不純ガス成分は第1タンクT1 の出口21を通じて第2排出管8に排出されるので、第1タンクT1 内における不純ガス成分の濃度上昇が回避される。この第1タンクT1 への水素の貯蔵は、そのタンクT1 が充填状態(満状態)となるまで行う。両含水量Cw1,Cw2の関係は、Cw1≒Cw2→Cw1<Cw2となる。
【0022】
(1)−b 第1貯蔵部151 の第1タンクT1 から第2貯蔵部152 の第4タンクT4 への水素の移送に当っては、図2に示すように、弁切換操作によって、第1タンクT1 の入口17への経路および第4タンクT4 の出口21からの経路をそれぞれ遮断すると共に、第1タンクT1 →第8三方弁3V8 →第11三方弁3V11→第13三方弁3V13→第4タンクT4 の経路を確立させる。第1タンクT1 からの吸蔵水素の放出は、常温下における第1の水素吸蔵材MH1 の水素を放出しにくい性質を考慮して、その第1の水素吸蔵材MH1 の温度を加熱により60℃以上に高めることによって行われ、これにより高圧な放出水素が得られる。第4タンクT4 における第2の水素吸蔵材MH2 は、第1タンクT1 からの比較的高温な放出水素を吸蔵しにくい性質を有するが、その放出水素は高圧でもあるため第4タンクT4 に十分に吸蔵される。この場合、改質器3による生成水素を燃焼させて、その燃焼熱により第1の水素吸蔵材MH1 を加熱することが可能である。第4タンクT4 が充填状態となった後はその入口17への経路を弁切換操作により遮断する(図3参照)。
【0023】
また弁切換操作により、改質器3→第2三方弁3V2 →第1三方弁3V1 →第1調湿器41 →第5三方弁3V5 →第6三方弁3V6 →第3二方弁2V3 →第3タンクT3 →第10三方弁3V10→第2排出管142 の経路が確立されているので、改質器3で生成された水素が除湿処理を施された後第3タンクT3 に吸蔵される。第3タンクT3 が充填状態となった後はその入口17への経路および出口21からの経路を弁切換操作により遮断する(図3参照)。両含水量Cw1,Cw2の関係は、Cw1<Cw2→Cw1≒Cw2となる。
【0024】
(2) 電気自動車の走行開始時、つまり燃料電池2の運転開始時において、第1,第2調湿器41 ,42 の両含水量Cw1,Cw2の間にはCw1≒Cw2の関係が成立しているものとする。図3に示すように、弁切換操作によって、第4タンクT4 →第4二方弁2V4 →第14三方弁3V14→第7三方弁3V7 →第2調湿器42 →第3三方弁3V3 →第4三方弁3V4 →燃料電池2の経路を確立させる。これにより第2貯蔵部152 、つまり第4タンクT4 より水素が放出され、加湿処理を施された後燃料電池2に供給される。この放出水素の供給は燃料電池2の運転開始時に同時に始動させた改質器3が定常状態に到るまで行われる。燃料電池2の運転に伴い電気自動車が走行する。第4タンクT4 からの水素の放出は、第2の水素吸蔵材MH2 が常温下で水素を放出し易い性質を有するので、約25℃でスムーズに、且つ十分に行われる。両含水量Cw1,Cw2の関係は、Cw1≒Cw2→Cw1>Cw2となる。
【0025】
(3) 改質器3が定常状態に到ったとき、図4に示すように弁切換操作によって第4タンクT4 の出口21からの経路を遮断する。そして第3タンクT3 →第10三方弁3V10→第12三方弁3V12→第11三方弁3V11→第13三方弁3V13→第14三方弁3V14→第5三方弁3V5 →第1調湿器41 →第1三方弁3V1 →第4三方弁3V4 →燃料電池2の経路を確立させる。これにより第3タンクT3 からの放出水素が加湿処理を施された後燃料電池2に供給されるので電気自動車の走行が継続される。電気自動車の加速時には、第3タンクT3 の出口21における開度を広げて放出水素量を増加し、一方、減速時には、第3タンクT3 の出口21における開度を狭めて放出水素量を減少させる。
【0026】
また改質器3→第2三方弁3V2 →第3三方弁3V3 →第2調湿器42 →第7三方弁3V7 →第6三方弁3V6 →第2二方弁2V2 →第2タンクT2 →第9三方弁3V9 →第2排出管142 の経路を確立させる。これにより改質器3からの水素が除湿処理を施された後第2タンクT2 に吸蔵される。両含水量Cw1,Cw2の関係は、Cw1>Cw2→Cw1<Cw2となる。
【0027】
図5は図4の場合に次ぐ走行段階を示し、この段階では第1,第2調湿器41 ,42 の両含水量Cw1,Cw2の間にCw1<Cw2の関係が成立して、第2タンクT2 からの水素の放出、第2調湿器42 による放出水素への加湿処理および燃料電池2への加湿後の放出水素の供給が行われ、また改質器3による水素の生成、第1調湿器41 による生成水素への除湿処理および第1タンクT1 における除湿後の生成水素の吸蔵が行われている。これにより両含水量Cw1,Cw2の関係は、Cw1<Cw2→Cw1>Cw2となる。
【0028】
図6は図5の場合に次ぐ走行段階を示し、この段階では第1,第2調湿器41 ,42 の両含水量Cw1,Cw2の間にCw1>Cw2の関係が成立して、第1タンクT1 からの水素の放出、第1調湿器41 による放出水素への加湿処理および燃料電池2への加湿後の放出水素の供給が行われ、また改質器3による水素の生成、第2調湿器42 による生成水素への除湿処理および第3タンクT3 における除湿後の生成水素の吸蔵が行われている。これにより両含水量Cw1,Cw2の関係は、Cw1>Cw2→Cw1<Cw2となる。
【0029】
このように第1貯蔵部152 においては、燃料電池2の運転継続下で第1〜第3タンクT1 〜T3 のうち1つのタンクT1 ,T2 ,T3 が水素放出状態にあるとき、別の1つのタンクT3 ,T1 ,T2 が水素吸蔵状態にある。
【0030】
なお、水素貯蔵器15の第1,第2貯蔵部151 ,152 において、必要に応じ、タンクの数を実施例の場合よりも増すか、或は第1,第2の吸蔵材MH1 ,MH2 の量を増して、それら貯蔵部151 ,152 の水素吸蔵能力(水素吸蔵容量)を増大させることが行われる。また水素を燃料とする機器としては、燃料電池の外に内燃機関を挙げることができる。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、前記のような手段を採用することによって、機器の運転開始を迅速に行い、またその運転を確実に継続することが可能であって、改質器が持つ問題点が水素供給に影響しないようにした水素供給システムを提供することができる。また特に第1貯蔵部が、第1の水素吸蔵材を各々内蔵した少なくとも3つのタンクを備えており、その第1貯蔵部においては、機器の運転継続下で、前記少なくとも3つのタンクのうち1つのタンクが水素放出状態にあるとき、別の1つのタンクが水素吸蔵状態にあるので、機器への水素供給を間断なく行って、その運転を確実に継続することができる。
【0032】
また請求項2記載の発明によれば、前記のような手段を採用することによって、水素貯蔵器への水素吸蔵性を向上させると共に特に、前記機器としての燃料電池の発電性能を向上させることが可能な水素供給システムを提供することができる。
【0033】
また請求項3,4記載の発明によれば、水素に対し加湿処理および除湿処理を確実に施すことが可能な水素供給システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 燃料電池の運転休止中において、第1タンクに水素を吸蔵させている状態を示す水素供給システムの説明図である。
【図2】 第1タンクから第4タンクへ水素を移送し、また第3タンクに水素を吸蔵させている状態を示す水素供給システムの説明図である。
【図3】 燃料電池の運転開始時において、第4タンクから水素を放出して燃料電池に供給している状態を示す水素供給システムの説明図である。
【図4】 電気自動車の走行中において、第3タンクから水素を放出し、一方、第2タンクに水素を吸蔵させている状態を示す水素供給システムの説明図である。
【図5】 電気自動車の走行中において、第2タンクから水素を放出し、一方、第1タンクに水素を吸蔵させている状態を示す水素供給システムの説明図である。
【図6】 電気自動車の走行中において、第1タンクから水素を放出し、一方、第3タンクに水素を吸蔵させている状態を示す水素供給システムの説明図である。
【符号の説明】
1 水素供給システム
2 燃料電池(機器)
3 改質器
41 ,42 第1,第2調湿器
15 水素貯蔵器
151 ,152 第1,第2貯蔵部
Cw1,Cw2 含水量
MH1 ,MH2 第1,第2の水素吸蔵材
T1 ,T2 ,T3 第1,第2,第3タンク
Claims (5)
- 原料から水素を生成する改質器(3)と、前記改質器(3)により生成された水素を吸蔵し、次いでその吸蔵水素を放出して水素を燃料とする機器(2)に供給することが可能な水素貯蔵器(15)とを有する水素供給システムにおいて、
前記水素貯蔵器(15)は、第1の水素吸蔵材(MH1 )を各々内蔵した少なくとも3つのタンク(T 1 ,T 2 ,T 3 )を備えた第1貯蔵部(151 )と、第2の水素吸蔵材(MH2 )を備えた第2貯蔵部(152 )とを有し、両水素吸蔵材(MH1 ,MH2 )において、水素の吸蔵し易さに関しては前記第1の水素吸蔵材(MH1 )が前記第2の水素吸蔵材(MH2 )に比べて優れており、一方、吸蔵水素の放出し易さに関しては前記第2の水素吸蔵材(MH2 )が前記第1の水素吸蔵材(MH1 )に比べて優れており、前記第1貯蔵部(151 )に前記改質器(3)からの水素を一旦吸蔵させ、その第1貯蔵部(151 )からの放出水素を前記第2貯蔵部(152 )に吸蔵させておくことにより、前記機器(2)の運転開始をその第2貯蔵部(152 )からの放出水素で行い、その後の前記機器(2)の運転継続を前記第1貯蔵部(151 )からの放出水素で行うようにし、前記機器(2)の運転継続下では、1つの前記タンク(T 1 ,T 2 ,T 3 )が水素放出状態にあるとき、別の1つの前記タンク(T 3 ,T 1 ,T 2 )が水素吸蔵状態にあることを特徴とする、水素を燃料とする機器への水素供給システム。 - 前記改質器(3)からの水素を前記第1貯蔵部(151 )に吸蔵させる前に、その水素に除湿処理を施し、また前記第1および第2貯蔵部(151 ,152 )からの放出水素を前記機器としての燃料電池(2)に導入する前に、その放出水素に加湿処理を施す、2台の調湿器(41 ,42 )を備えている、請求項1記載の水素を燃料とする機器への水素供給システム。
- 前記両調湿器(41 ,42 )は、除湿機能発揮後、加湿機能発揮可能状態となり、且つ加湿機能発揮後、除湿機能発揮可能状態となる、請求項2記載の水素を燃料とする機器への水素供給システム。
- 前記除湿処理に当っては両調湿器(41 ,42 )のうち含水量(Cw1,Cw2)の少ない方を使用し、また前記加湿処理に当っては両調湿器(41 ,42 )のうち含水量(Cw1,Cw2)の多い方を使用する、請求項2または3記載の水素を燃料とする機器への水素供給システム。
- 原料から水素を生成する改質器(3)と、前記改質器(3)により生成された水素を吸蔵し、次いでその吸蔵水素を放出して水素を燃料とする機器(2)に供給することが可能な水素貯蔵器(15)とを有する水素供給システムにおいて、
前記水素貯蔵器(15)は、第1の水素吸蔵材(MH1 )を各々内蔵した少なくとも3つのタンク(T 1 ,T 2 ,T 3 )を備えた第1貯蔵部(151 )と、第2の水素吸蔵材(MH2 )を備えた第2貯蔵部(152 )とを有し、両水素吸蔵材(MH1 ,MH2 )において、水素吸蔵特性に関しては、同一温度・同一圧力下では前記第1の水素吸蔵材(MH1 )が前記第2の水素吸蔵材(MH2 )に比べて水素吸蔵の平衡圧が低く、一方、水素放出特性に関しては、同一温度・同一圧力下では前記第2の水素吸蔵材(MH2 )が前記第1の水素吸蔵材(MH1 )に比べて水素放出の平衡圧が高く、前記第1貯蔵部(151 )に前記改質器(3)からの水素を一旦吸蔵させ、その第1貯蔵部(151 )からの放出水素を前記第2貯蔵部(152 )に吸蔵させておくことにより、前記機器(2)の運転開始をその第2貯蔵部(152 )からの放出水素で行い、その後の前記機器(2)の運転継続を前記第1貯蔵部(151 )からの放出水素で行うようにし、前記機器(2)の運転継続下では、1つの前記タンク(T 1 ,T 2 ,T 3 )が水素放出状態にあるとき、別の1つの前記タンク(T 3 ,T 1 ,T 2 )が水素吸蔵状態にあることを特徴とする、水素を燃料とする機器への水素供給システム。
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