JP4229359B2 - 差動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、デフロック機構を付加した差動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、二輪駆動車両では、車両が旋回する時に左右駆動輪のそれぞれの旋回半径が異なるため、これらの車輪の回転数差を吸収、即ちそれぞれの車輪に応じた回転数を発生させながら各車輪へ駆動トルクを配分する差動装置が必要になる。
【0003】
この差動装置は、回転数差を吸収するが、左右駆動輪間で、一方の車輪が摩擦係数の小さい路面上にあってスリップした場合には、他方の車輪の駆動力が小さくなり、総駆動力が低下する。このため、特に、4輪駆動車や不整地走行等を行う特殊車両は、左右駆動輪間にそれぞれの車輪の差動を制限して駆動力を確保するための差動制限装置を備える。
【0004】
このような差動制限装置を備えた従来の終減速装置を次図で説明する(特開2001−071773参照)。
図12は従来の終減速装置の断面図であり、終減速装置200は、エンジン側にジョイント201を介してドライブピニオン202を連結し、このドライブピニオン202にリングギヤ203を噛み合わせ、このリングギヤ203にキャップ203aを取付けることでデファレンシャルケース204を形成し、このデファレンシャルケース204の内周面に入力側ブロック205,206を噛み合わせ、これらの入力側ブロック205,206を2つの出力側カム207,208で挟み込み、これらの出力側カム207,208にそれぞれドライブシャフト211,212を連結し、これらのドライブシャフト211,212に車輪を連結する装置である。なお、214,215はハウジングである。
【0005】
上記したデファレンシャルケース204と、このデファレンシャルケース204内に収納した入力側ブロック205,206と、出力側カム207,208とは、差動を制限するために摩擦トルクを発生させる構造とした差動制限装置220を構成する主な要素である。
【0006】
動力は順に、エンジン側→ジョイント201→ドライブピニオン202→リングギヤ203→デファレンシャルケース204→入力側ブロック205,206→出力側カム207,208→ドライブシャフト211,212→車輪に伝わる。
【0007】
入力側ブロック205,206と出力側カム207及び入力側ブロック205,206と出力側ブロック208では、それぞれ独立に滑りを生じるが滑り時の摩擦力のために左右輪の差動が制限される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記の終減速装置200では、例えば左右の車輪が摩擦係数の異なる路面上を走行する場合に、差動制限装置220によって、摩擦抵抗が大きい路面側の車輪の駆動力を確保するが、特に滑りやすいぬかるみなどでは、両車輪ともに駆動力が伝達できなくなることがあり、両車輪の差動を行わせない機能、即ちいわゆるデフロックの採用が望まれる。但し、これまでの終減速装置200の構造を大幅に変更すれば、大きなコストアップを招く。
【0009】
そこで、本発明の目的は、コストアップを抑えつつデフロック機能を付加した差動装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、エンジン側に連結するドライブピニオンに噛み合うリングギヤと、このリングギヤに取付けたケースと、このケースの内周面に設けた溝部に一部を嵌合させた複数の入力側ブロックと、これらのブロックを内側の面で相対滑り可能に挟み込むとともに各ブロックとの摩擦力で独立して回転することができ且つ左右の駆動輪にそれぞれ連結した2つの出力側カムとを備えた差動装置において、2つの出力側カムのうち、一方の出力側カムの外側の面とケースの側壁との間にのみスラストワッシャとこのスラストワッシャを押圧する皿ばねとを設け、他方の出力側カムの外側の面に凹部を設け、この凹部に対応するケースの側壁に貫通穴を開けるとともにこのケースに移動可能に環状部材を取付け、この環状部材に貫通穴を介して凹部に抜き差し可能とする凸部を一体に設けたことを特徴とする。
【0011】
出力側カムの凹部に貫通穴を介して凸部を挿入することで、ケースと出力側カムとを一体的に結合することができ、左右の駆動輪の差動機能を停止させることができる。また、出力側カムに凹部を設け、ケースに貫通穴を開け、ケースに移動可能とした環状部材を追加するだけであるから、構造を簡単にしつつ従来の差動装置の基本構造を大きく変えることがなく、大幅なコストアップを抑えることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る差動装置を終減速装置に組込んだ車両の斜視図であり、車両10は、不整地を走行するのに適したものであり、車体フレーム11に回転自在に取付けたハンドル12と、このハンドル12に図示せぬステアリング装置を介して操舵可能に連結するとともに車体フレーム11に図示せぬアームを介して上下動可能に取付けた前輪13,14と、車体フレーム11の上部に取付けたシート15と、このシート15の下方に配置したエンジン及び変速機からなるパワーユニット16と、このパワーユニット16で後述する動力伝達機構を介して前輪13,14とともに駆動する後輪17,18(後輪18は不図示)とからなる。
【0013】
21は動力伝達機構の構成要素の一つである終減速装置としてのフロントファイナルアセンブリであり、後述する本発明の差動装置を内蔵し、左右の前輪13,14との間に介在させた装置である。なお、22はフロントバンパ、23はアンダカバー、24はフロントフェンダ、25はヘッドランプ、26はリヤフェンダ、27はマフラである。
【0014】
図2は本発明に係る差動装置を組込んだ車両の動力伝達機構を示す斜視図であり、動力伝達機構30は、パワーユニット16の下部から前方に延ばしたフロントプロペラシャフト31と、このフロントプロペラシャフト31の先端に連結したフロントファイナルアセンブリ21と、このフロントファイナルアセンブリ21の左右に連結したフロントドライブシャフト32,33と、これらのフロントドライブシャフト32,33のそれぞれの先端に連結したハブ34,35と、パワーユニット16の下部から後方に延ばしたリヤプロペラシャフト36と、このリヤプロペラシャフト36の後端に連結したリヤファイナルアセンブリ37と、このリヤファイナルアセンブリ37の左右に貫通したリヤドライブシャフト38と、このリヤドライブシャフト38のそれぞれの先端に連結したハブ42,43とからなる。なお、45,46,47はリヤプロペラシャフト36及びリヤドライブシャフト38の左右をそれぞれ覆うチューブ、48はチューブ45,47を支持する支持部材である。
ハブ34,35,42,43は、それぞれ図1に示した前輪13,14、後輪17,18を取付ける部材である。
【0015】
図3は本発明に係る差動装置の分解斜視図であり、フロントファイナルアセンブリ21は、差動装置としてのデファレンシャルケース組立体50と、このデファレンシャルケース組立体50をベアリング51,51を介して回転自在に収納するハウジング52と、このハウジング52に後方からベアリング53を介して挿入するドライブピニオン54と、このドライブピニオン54をハウジング52に回転自在に取付けるベアリング55と、このベアリング55の抜け止めを行うロックナット56と、ドライブピニオン54の端部に取付けるジョイント58とからなる。
【0016】
ここで、52aはハウジング本体、52bはハウジングカバー、61,61はオイルシール、62,63はハウジング本体52aとハウジングカバー52bとを締結するボルト、64,64はスペーサ、65はメンテナンス穴用プラグ、66はOリング、67はスペーサ、68はオイルシール、69はOリングである。
【0017】
図4は本発明に係る差動装置の分解斜視図であり、デファレンシャルケース組立体50は、デファレンシャルケース71と、このデファレンシャルケース71内に収納する収納部品72とからなる。
【0018】
デファレンシャルケース71は、カップ状のケース本体73と、このケース本体73の開口部に取付けるキャップ74(不図示。後述する。)とからなり、キャップ74にリングギヤ75を取付ける。
【0019】
収納部品72は、デファレンシャルケース71と一体的に回転する二種類の入力側ブロック77・・・(・・・は複数個を示す。以下同様。),78・・・と、これらの入力側ブロック77・・・,78・・・を相対滑り可能に挟み込むとともに各ブロック77・・・,78・・・との摩擦力で独立して回転することができる左・右出力側カム81,82と、左出力側カム81に隣接させるスラストワッシャ84と、このスラストワッシャ84に隣接させる皿ばね85とからなる。
【0020】
図5は図2の5−5線断面図である。
フロントファイナルアセンブリ21は、リングギア75に隣接するキャップ74の内側に皿ばね85及びスラストワッシャ84を介して左出力側カム81を配置し、リングギヤ75にキャップ74を介してボルト87・・・(図ではボルト87を1個のみ示す。)でケース本体73を取付け、このケース本体73内に左出力側カム81に接するように入力側ブロック77・・・,78・・・を周方向に並べ、これらの入力側ブロック77・・・,78・・・に接するようにケース本体73内に右出力側カム82を配置することで、デファレンシャルケース組立体50を組込んだ装置である。なお、88・・・はリングギヤ75及びキャップ74に対してケース本体73の位置決めを行う位置決めピンである。
【0021】
また、フロントファイナルアセンブリ21は、ハウジング本体52aのジャーナル部52cにベアリング51を介してキャップ74の円筒部74bを取付け、ハウジングカバー52bのジャーナル部52dにベアリング51を介してケース本体73の第1円筒部73aを取付けるとともにハウジング本体52aにハウジングカバー52bをボルト62・・・,63・・・(図3参照)にて取付けることで、ハウジング52を組立て、且つハウジング52内にデファレンシャルケース組立体50を回転可能に取付けた装置である。
【0022】
更に、フロントファイナルアセンブリ21は、ハウジング本体52aの後部円筒部52e内にベアリング53を介してドライブピニオン54の先端部54aを取付けるとともに、後部円筒部52eにベアリング55を介してドライブピニオン54の中間部54bを取付けることでリングギヤ75にドライブピニオン54を噛み合わせ、後部円筒部52eの内周部にロックナット56をねじ込んでベアリング55の抜け止めを図った装置である。
【0023】
入力側ブロック77,78は、それぞれ凸部77a,78aを備え、ケース本体73の内面に形成した軸方向溝73b・・・,73c・・・にそれぞれ凸部77a,78aを嵌合させることでケース本体73と一体的に回転することができるように且つケース本体73の軸方向に移動することができるようにした部材である。
【0024】
左・右出力側カム81,82は、円筒部81a,82aにそれぞれフロントドライブシャフト32,33をスプライン結合することで、前輪13,14(図1参照)に駆動力を伝える部材である。
【0025】
ドライブピニオン54は、ジョイント58(図3参照)を介してフロントプロペラシャフト31(図2参照)に結合することで、パワーユニット16(図1参照)からの駆動力をリングギヤ75を介してデファレンシャルケース組立体50へ伝える部材である。
【0026】
フロントファイナルアセンブリ21は、差動制限機能を有する差動装置としてのデファレンシャルケース組立体50に、右出力側カム82をデファレンシャルケース71と一体的に結合することでデファレンシャルケース71と左・右出力側カム81,82とを一体的に回転させることにより左右のフロントドライブシャフト32,33に連結した左右の前輪13,14の差動機能を停止させる、即ちデフロックを行うデファレンシャルロック機構90(以下では、単に「デフロック機構90」と記す。)を付設した装置である。
【0027】
図6は本発明に係るデフロック機構を示す要部断面図であり、デフロック機構90は、右出力側カム82の側面82bに設けた凹部82c,82cと、この凹部82c,82cに対応するケース本体73の側壁73eに開けた貫通穴73f,73fと、これらの貫通穴73f,73f及び凹部82c,82cに抜き差し可能な凸部91a,91aを設けるとともにケース本体73の第2円筒部73gに移動可能に取付けた環状部材91と、この環状部材91に設けた外周溝91bに端部を挿入したフォーク部材92と、このフォーク部材92の移動をガイドするガイドピン93と、フォーク部材92の移動を行わせるカム部材94と、このカム部材94に嵌合させた支軸95と、この支軸95の端部に取付けることで支軸95を回転させるレバー部材96(図5参照)と、カム部材94の回転を所定位置で停止させるためにカム部材94の外周面に設けた外周凹部94a,94b(外周凹部94bは図10参照)にスプリング97でボール98を押付ける構造としたクリック機構101とからなる。
図は、デフロック機構90が作用していない状態であり、デファレンシャルケース71に対して右出力側カム82は独立して回転する。
【0028】
ここで、52fはハウジング本体52aに取付けたサブハウジング、52gはサブハウジング52fとともにガイドピン93及び支軸95を支持するサブハウジングカバー、103,104はスペーサ、105はスプリング、106はダストシールである。
【0029】
図7は本発明に係るデフロック機構の環状部材及びフォーク部材の側面図であり、環状部材91は側部に円柱状の凸部91a,91aを設けた部材である。なお、環状部材91には、ケース本体73に対して回転しないよう、回り止め部材(不図示)を付設する。
フォーク部材92は、環状部材91の外周溝91bに嵌合させたフォーク状先端部92aと、このフォーク状先端部92aに対して他端となる側に設けることでガイドピン93(図6参照)に嵌合させるボス部92bと、このボス部92bから径外方に延ばした突出部92cとからなる。
【0030】
図8(a),(b)は本発明に係るデフロック機構のカム部材の側面図である。
(a)は図6に示したフォーク部材92の位置での突出部92cを示す。
カム部材94は、外周面にほぼS字状のカム溝94c(カム溝94cは、ここでは外周面の奥側に位置する。)を形成した部材であり、このカム溝94cにフォーク部材92(図6参照)の突出部92cを挿入しておく。
【0031】
従って、カム部材94が回転軸111を中心に回転すれば、カム溝94cが移動し、突出部92cはカム溝94cに沿ってカム部材94の軸の延びる方向、即ち図の上下方向に移動する。
【0032】
(b)は、(a)の状態からカム部材94が回転してカム溝94cに沿って突出部92cが下方に移動した状態を示す。図中のMが(a)の状態からの突出部92cの移動量である。
【0033】
図9は本発明に係る差動装置のデファレンシャルケースの正面図であり、デファレンシャルケース71のケース本体73とキャップ74(図5参照)とを位置決めピン88,88で位置決めしつつボルト87・・・で締結したことを示す。
【0034】
このように位置決めピン88,88を用いたことで、ケース本体73とキャップ74との組付精度を高めることができるとともに、リングギヤ75(図5参照)からキャップ74を介してケース本体73に駆動力(即ち、回転力である。)が伝わるときに、この駆動力を位置決めピン88,88で受けることができ、また、ボルト87・・・では、デファレンシャルケース71内の軸方向の荷重を受けることができ、位置決めピン88とボルト87とで駆動力及び軸方向荷重を分担することができて、例えば、位置決めピン88を設けない場合に位置決めピン88の機能をボルト87で受け持つのに比べて、ボルト87の負担を軽減することができる。
【0035】
以上に述べたデフロック機構90の作用を次に説明する。
図10は本発明に係る差動装置のデフロック機構の作用を説明する要部断面図であり、図6の状態からデフロック機構90を作動させた状態を示す。
即ち、図5において、レバー部材96を倒すことで、支軸95を回転させ、この支軸95と一体的にカム部材94を回転させる。
【0036】
これにより、図8(a)に示した突出部92cを図8(b)に示した位置まで移動量Mだけ移動させ、図10において、フォーク部材92のフォーク状先端部92aを図の下方に移動させ、環状部材91を図の下方に移動させて、環状部材91に設けた凸部91a,91aをケース本体73の貫通穴73f,73f及び右出力側カム82の凹部82c,82cに挿入する。
【0037】
この結果、右出力側カム82は、ケース本体73に一体的になり、ケース本体73と共に回転する。
これにより、図5において、右出力側カム82は、入力側ブロック77・・・,78・・・とも相対滑りなく一体的になる。
【0038】
デフロック機構90が作動しない状態では、入力側ブロック77・・・,78・・・に対して左・右出力側カム81,82の一方が回転すれば、他方もそれに伴って独立して回転することができる構造であるため、上記したように、デフロック機構90の作動によって右出力側カム82が入力側ブロック77・・・,78・・に対して回転できなくなると、左出力側カム81は回転しなくなる、即ち左出力側カム81は、ケース本体73とともに回転する右出力側カム82と一体的に回転するようになる。これによって、左右の前輪13,14(図1参照)は一体に回転する。ここで述べた左・右出力側カム81,82の相対回転については、次図で詳細に説明する。
【0039】
図11(a)〜(d)は本発明に係る差動装置の入力側ブロック及び出力側カムを周方向に展開した展開図(模式図)であり、(a)〜(d)では、時間の経過に伴う左・右出力側カム81,81の移動、詳しくは、右出力側カム82に対して左出力側カム81が図の左方向へ相対的に移動する各過程を説明する。
(a)において、入力側ブロック77は、展開した形状が六角形であり、入力側ブロック78とは、展開した形状が図で左右逆の関係にある。
左出力側カム81は、起伏のあるカム面81bを有し、このカム面81bは、左第1斜面81cと左第2斜面81dとを交互に連結した面である。
右出力側カム82は、起伏のあるカム面82dを有し、このカム面82dは、右第1斜面82eと右第2斜面82fとを交互に連結した面である。
ここで、S1,S2は右出力側カム82の一部を基準とした基準線である。
【0040】
(b)は、(a)に対して、入力側ブロック77が周方向(図の左方向)に力を受けた時に、右出力側カム82の側から左出力側カム81の側へ距離V1だけ移動するとともに、右出力側カム82が相対的に入力側ブロック77と反対の方向(図の右方向)へ距離H1だけ移動し、左出力側カム81が右出力側カム82に対して相対的に左方向へ距離M1だけ移動した状態を示す。
【0041】
(c)は、(a)に対して、入力側ブロック77が周方向(図の左方向)に力を受けた時に、右出力側カム82の側から左出力側カム81の側へ距離V2だけ移動するとともに、右出力側カム82が相対的に入力側ブロック77と反対の方向へ距離H2だけ移動し、左出力側カム81が右出力側カム82に対して相対的に左方向に距離M2だけ移動した状態を示す。
【0042】
(d)は、(a)に対して、入力側ブロック77が周方向(図の左方向)に力を受けた時に、右出力側カム82の側から左出力側カム81の側へ距離V3だけ移動するとともに、右出力側カム82が相対的に入力側ブロック77と反対の方向へ距離H3だけ移動し、左出力側カム81が右出力側カム82に対して相対的に左方向に距離M3だけ移動した状態を示す。
【0043】
以上説明した入力側ブロック77で代表されるように、入力側ブロック77・・・,78・・・は、左出力側カム81と右出力側カム82とで移動速度、即ち回転数に差が生じた場合に、左・右出力側カム81,82との間にそれぞれ摩擦力を発生させながら相対移動、即ち、相対回転する。
左出力側カム81と右出力側カム82とで回転数に差が生じない場合は、入力側ブロック77・・・,78・・・及び左・右出力側カム81,82は相対回転せず、一体的に回転する。
【0044】
従って、図10に示したように、デフロック機構90を作動させてデファレンシャルケース71と右出力側カム82とを一体的に結合すると、デファレンシャルケース71、図11(a)に示した入力側ブロック77・・・,78・・・及び右出力側カム82が一体的になるため、左出力側カム81の各斜面81c,81dが、入力側ブロック77・・・,78・・・を越えて移動することができなくなるため、左出力側カム81は入力側ブロック77・・・,78・・・と一体的に回転する。即ち、左・右出力側カム81,82は、相対回転せず、一体的に回転する。
【0045】
以上の図5及び図6で説明したように、本発明は、パワーユニット16(図1参照)を構成するエンジン側に連結するドライブピニオン54に噛み合うリングギヤ75と、このリングギヤ75に取付けたデファレンシャルケース71と、このデファレンシャルケース71の内周面に設けた軸方向溝部73b,73cに一部を嵌合させた複数の入力側ブロック77,78と、これらのブロック77,78を内側の面で相対滑り可能に挟み込むとともに各ブロック77,78との摩擦力で独立して回転することができ且つ左右の前輪13,14にそれぞれ連結した2つの左・右出力側カム81,82とを備えた差動装置としてのデファレンシャルケース組立体50において、一方の右出力側カム82の側面82bに凹部82c,82cを設け、これらの凹部82c,82cに対応するデファレンシャルケース71のケース本体73の側壁73eに貫通穴73f,73fを開けるとともにこのケース本体73に移動可能に環状部材91を取付け、この環状部材91に貫通穴73f,73fを介して凹部82c,82cに抜き差し可能とする凸部91a,91aを設けた、即ち、フロントファイナルアセンブリ21に、詳しくはデファレンシャルケース組立体50にデフロック機構90を付設したことを特徴とする。
【0046】
右出力側カム82の凹部82c,82cに貫通穴73f,73fを介して凸部91c,91cを挿入することで、デファレンシャルケース71と右出力側カム82とを一体的に結合することができ、左右の前輪13,14の差動機能を停止させることができる。また、右出力側カム82に凹部82c,82cを設け、デファレンシャルケース71に貫通穴73f,73fを開け、デファレンシャルケース71に移動可能とした環状部材91を追加するだけであるから、構造を簡単にしつつ従来の差動装置の基本構造を大きく変えることがなく、大幅なコストアップを抑えることができる。
【0047】
更に、本発明のフロントファイナルアセンブリ21は、デファレンシャルケース組立体50の差動制限機能と、デフロック機構90のデフロック機能とを有するので、例えば、路面の状況が比較的良好な不整地ではデフロック機能を停止させて作動制限機能のみで走行し、また、路面の状況が悪い岩石路、砂地、深いぬかるみ等ではデフロック機能を使用して、最大の駆動力を確保することで走破性や脱出性を高めることができる。
【0048】
尚、本実施の形態では、図7に示したように、環状部材91とフォーク部材92とを別体としたが、これに限らず、環状部材91とフォーク部材92とを一体成形してもよい。
【0049】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1の差動装置は、2つの出力側カムのうち、一方の出力側カムの外側の面とケースの側壁との間にのみスラストワッシャとこのスラストワッシャを押圧する皿ばねとを設け、他方の出力側カムの外側の面に凹部を設け、この凹部に対応するケースの側壁に貫通穴を開けるとともにこのケースに移動可能に環状部材を取付け、この環状部材に貫通穴を介して凹部に抜き差し可能とする凸部を一体に設けたので、出力側カムの凹部に貫通穴を介して凸部を挿入することで、ケースと出力側カムとを一体的に結合することができ、左右の駆動輪の差動機能を停止させることができる。また、出力側カムに凹部を設け、ケースに貫通穴を開け、ケースに移動可能とした環状部材を追加するだけであるから、構造を簡単にしつつ従来の差動装置の基本構造を大きく変えることがなく、大幅なコストアップを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る差動装置を終減速装置に組込んだ車両の斜視図
【図2】本発明に係る差動装置を組込んだ車両の動力伝達機構を示す斜視図
【図3】本発明に係る差動装置の分解斜視図
【図4】本発明に係る差動装置の分解斜視図
【図5】図2の5−5線断面図
【図6】本発明に係るデフロック機構を示す要部断面図
【図7】本発明に係るデフロック機構の環状部材及びフォーク部材の側面図
【図8】本発明に係るデフロック機構のカム部材の側面図
【図9】本発明に係る差動装置のデファレンシャルケースの正面図
【図10】本発明に係る差動装置のデフロック機構の作用を説明する要部断面図
【図11】本発明に係る差動装置の入力側ブロック及び出力側カムを周方向に展開した展開図(模式図)
【図12】従来の終減速装置の断面図
【符号の説明】
13,14…駆動輪(前輪)、16…エンジン(パワーユニット)、50…差動装置(デファレンシャルケース組立体)、54…ドライブピニオン、71…デファレンシャルケース、73b,73c…ケースの溝部(軸方向溝)、73e…ケースの側壁、73f…ケースの貫通穴、75…リングギヤ、77,78…入力側ブロック、81,82…出力側カム(左出力側カム、右出力側カム)、82b…出力側カムの外側の面(側面)、82c…出力側カムの凹部、84…スラストワッシャ、85…皿ばね、91…環状部材、91a…環状部材の凸部。
Claims (1)
- エンジン側に連結するドライブピニオンに噛み合うリングギヤと、このリングギヤに取付けたケースと、このケースの内周面に設けた溝部に一部を嵌合させた複数の入力側ブロックと、これらのブロックを内側の面で相対滑り可能に挟み込むとともに各ブロックとの摩擦力で独立して回転することができ且つ左右の駆動輪にそれぞれ連結した2つの出力側カムとを備えた差動装置において、
前記2つの出力側カムのうち、一方の前記出力側カムの外側の面と前記ケースの側壁との間にのみスラストワッシャとこのスラストワッシャを押圧する皿ばねとを設け、他方の前記出力側カムの外側の面に凹部を設け、この凹部に対応する前記ケースの側壁に貫通穴を開けるとともにこのケースに移動可能に環状部材を取付け、この環状部材に前記貫通穴を介して前記凹部に抜き差し可能とする凸部を一体に設けたことを特徴とする差動装置。
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