JP4228870B2 - 触媒式pfc分解処理方法及び装置 - Google Patents

触媒式pfc分解処理方法及び装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4228870B2
JP4228870B2 JP2003351470A JP2003351470A JP4228870B2 JP 4228870 B2 JP4228870 B2 JP 4228870B2 JP 2003351470 A JP2003351470 A JP 2003351470A JP 2003351470 A JP2003351470 A JP 2003351470A JP 4228870 B2 JP4228870 B2 JP 4228870B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pfc
gas
solid
water
tower
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003351470A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005111423A (ja
Inventor
周一 菅野
慎 玉田
洪勲 李
和寿 東山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2003351470A priority Critical patent/JP4228870B2/ja
Publication of JP2005111423A publication Critical patent/JP2005111423A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4228870B2 publication Critical patent/JP4228870B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02CCAPTURE, STORAGE, SEQUESTRATION OR DISPOSAL OF GREENHOUSE GASES [GHG]
    • Y02C20/00Capture or disposal of greenhouse gases
    • Y02C20/30Capture or disposal of greenhouse gases of perfluorocarbons [PFC], hydrofluorocarbons [HFC] or sulfur hexafluoride [SF6]

Landscapes

  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Treating Waste Gases (AREA)

Description

本発明は、地球温暖化ガスであるPFC(perfluorocompounds)を触媒で分解する装置に関する。
半導体や液晶製造工場ではエッチングやクリーニング剤としてPFC
(Perfluorocompounds)が使用されることが多い。PFCはCF4 ,C26,C38
SF6、及びNF3などの総称であり、高い温暖化係数を持つ温室効果ガスである。PFCの処理方法としては、薬剤法,燃焼法,プラズマ法,触媒法等が知られている。触媒法では他法に比べて低温でPFCを処理できる。
半導体或いは液晶製造工場でPFCを使用する主要エッチング工程としては、酸化膜エッチャ,ポリシリコンエッチャ、及びメタルエッチャがある。酸化膜やポリシリコンの従来のエッチャ排ガスには、不純物としてSiF4 が含まれている。SiF4 はH2O と反応してSiO2 を生成,析出するが、通常の水噴霧の充填塔,水スプレ塔で除去できる。しかし、WF6等を含むメタルエッチャ排ガスや、従来のエッチャライン排ガスでもSF6とHCl,Cl2 を同時に使用したエッチャ装置からの排ガスを触媒式PFC分解装置に導入すると、固形物析出や触媒層内への流入により、系内圧力の増大、また触媒のPFC分解性能低下を引き起こすことが判明した。
SiF4 が含まれるPFCガスを触媒によって処理する先行技術には、特許文献1がある。
特開平11−319485号公報(要約,特許請求の範囲)
本発明の目的は、水と反応して固形物を生成する成分をPFC含有ガス中から効率良く除去し、高いPFC分解率を維持する方法と装置を提供することにある。
本発明者らは、既存の触媒式PFC分解装置にて固形物生成のメカニズムを詳細に検討した。その結果、水と反応して固形物を生成する成分がPFC含有ガスに含まれており、水を噴霧している充填塔内の充填物表面に析出し、そのまま継続して使用していると積層して系内圧損を増大させることが判った。さらに、生成した固体中には微細な粉末が含まれており、この微粉は従来方式の充填塔とスプレ塔では除去できず、後段の触媒反応塔に流入して触媒層内圧損を増大させることが判った。固形物の触媒層内への堆積はPFC分解性能を低下させる。
これらを解決するために、析出した固形物を定期的に除去し、積層を抑制する方法、また、微粉も効率良く除去できる方法を検討した結果、本発明により、固形物系内積層による圧損増大,触媒層への微粉流入を抑制できる方法を見出した。
すなわち、水と反応して固形物を生成するガス成分を含み、かつPFCを含むガス流を水スプレ塔内に導入し、ガス流と水とを接触させて固形物を生成させる。生成した粗大固形物は噴霧水によってスプレ塔後段に排水とともに排出されるが、微粉固形物はガス流に同伴させて、後段の固形物捕集工程に送る。固形物捕集装置としては耐酸性を有する濾布及び装置材質を有するバグフィルタがある。ここで、微粉をガス中から取り除く。濾布表面に固形物が堆積するが、圧縮空気等で表面固形物を剥離させる。これにより、装置系内の積層を抑制し、かつ触媒層への微粉流入を抑制できることが判った。
さらなる発明は、水スプレ塔にPFC含有ガス流を導入する前に、所定量の酸素、または酸素供給源として空気をPFC含有ガス流に添加することで、S2Cl2の場合はSの生成が抑制することが判った。
本発明の対象とする排ガスは、例えば半導体製造工場の排ガスであり、また液晶製造工場の排ガスである。特にエッチング装置からの排ガスである。さらに限定すれば、メタルエッチング装置からの排ガス、また酸化膜やポリシリコン等のシリコンエッチング装置を特殊条件(SF6 とCl2 または/及びHClを少なくとも使用するような条件)で使用した場合の排ガスである。
本発明の対象とする、水と反応して固形物を生成するガス成分の例としては、メタルエッチング装置から排出されるWF6 等の金属フッ化物、また、シリコンエッチング装置から排出されるBCl3 やS2Cl2等のハロゲン化合物である。
本発明の固形化工程では、水噴霧装置を有することが必要である。前述の固形化成分は水と反応する。式(1)−(3)は代表的な反応の一例である。
WF6 + 3H2O=WO3 + 6HF (1)
BCl3 + 2H2O=HBO2 + 3HCl (2)
2Cl2 + H2O=1.5S + 0.5SO2+2HCl (3)
望ましい水噴霧装置は、単純に水をスプレするスプレ塔である。さらに望ましくは、スプレ塔内壁に水膜を有することで、内壁への固形物析出が抑制できる。水膜の作製方法としては濡れ壁方法等があるが、さらに望ましくは高圧で水を噴霧させ、水膜表面で析出した固形物を水噴霧装置下流に流す。
水噴霧装置の材料は、ガス温度が室温であるため、塩化ビニル,ポリテトラフルオロエチレン等の耐食性プラスチックが望ましい。さらに望ましくは、表面親水性のAl23等のセラミックス材料である。
本発明の固形化捕集工程では、前段の水スプレ塔等の固形化工程で除去できなかった微粉固形物除去を目的とする。従って、望ましい固形物捕集装置は、耐酸性バグフィルタである。ただし、固形物が析出した状態で継続使用すると積層して除去が困難となるため、系内圧損を監視しながら、定期的に析出物を圧縮空気等で払い落とす必要がある。
濾布材料としては、ポリテトラフルオロエチレン,ポリプロピレン,ポリエチレン,ポリフェニレンサルファイド,ポリイミドなどがあるが、対象ガスの酸性ガス濃度によって材質を変えることが望ましい。
また、濾布表面の析出物を圧縮空気で払い落とす場合、固形物がドライであることが望ましい。表面析出物が、ウェットな場合に比べて容易に剥離する。このため、バグフィルタを加熱して濾布表面をドライにすることが望ましい。
バグフィルタ装置材料は、使用する温度で変えてよい。高温であればインコネル等のニッケル基合金、200℃以下の低温であればポリテトラフルオロエチレン、さらに60℃以下の使用であれば塩ビ等が使用できる。いずれも耐酸性材料が望ましい。
バグフィルタ内の濾布表面で液滴が存在すると、濾布の目詰まりを起こし、除去性能が低下する。このため、処理ガス中の水分量が飽和水蒸気量以上の場合は、バグフィルタまでの配管を加熱することが望ましい。
このバグフィルタでは濾布の目開きを選定することで、分離できる粒子径を調節できる。通常、粒子径1μmの固体であれば、100%除去可能である。また、濾目開きを選定することで粒子径0.1μm の固形物も除去できる。
本発明のさらなる発明は、O2 をPFC含有排ガス中に添加して固形化工程に導入することである。前述の式(3)に示したように、S2Cl2は水と反応してSを析出する。しかし、式(4)に示すように、ガス中にO2 が共存するとSの析出が抑制できる。現時点で詳細な反応メカニズムは判っていないが、H2O との反応時にO2 が共存することで、S2Cl2の加水分解とSの酸化が同時に進行するものと考えている。
2Cl2 + H2O +3/2O2=SO2 + 2HCl (4)
さらなる発明は、固形化工程で固形化塔を2塔設置し、固形物積層時に固形化塔を切り替えて連続的に使用する方法である。PFC含有ガス流中に含まれている、固形化成分を固形化させるに十分な水分を、空気または酸素を水にバブリングさせて同伴させて供給し、固形化塔内で固形物を析出させる。固形化塔内圧を監視し、所定圧力到達時にもう一方の固形化塔に切り替え、固形物が析出した固形化塔をこの間にメンテナンスする。このとき、固形化塔入口ガスを切り替えるバルブ等の設備内に水分が含まれないよう注意する。また、メンテナンス中の固形化塔出口ガスは所定排ガス処理設備へつなぎ触媒分解塔に流入させないことが望ましい。
2Cl2の場合を例にとってメンテナンスの方法を以下に示す。S2Cl2はH2O と反応してSを析出する。Sは加熱すると昇華するため、昇華温度以上に固形化塔内のS析出部分を加熱してやれば、瞬時にSの除去が可能である。加熱時に固形化塔内に空気を流通させておけば、SOxに一部変化して排出される。これにより、系内閉塞がなく連続して触媒PFC分解装置を運転できる。メンテナンス時の加熱方法としては、触媒式PFC分解装置内または半導体・液晶製造工場内の高温装置と熱交換により温度を上げた空気を使用すると低コスト運転が可能である。
添加する水蒸気,空気の量は、固形化成分の濃度で決定する。反応式の理論当量比の
1.5−10 倍程度の水分を供給する(例えば式3の場合、理論当量比は1であるため、その1.5−10倍の水分を供給する。例えば、3倍の場合はH2O/S2Cl2=3(vol/vol)となる。また、酸素は固形化成分のモル数に対して1.5−40 倍程度となるように添加する。添加量が少ないとSの生成を抑制しにくく、大過剰入れても効果の向上は見られない。
さらなる発明は、耐酸性を有するバグフィルタ内に、固形化に必要な水分を供給し、バグフィルタ内で固形化させる方法である。この方式の場合、固形化工程と固形物捕集工程をつなぐ配管が不要になると同時に、配管内に固形物が堆積するというリスクも低減する。生成する固形物が吸湿性な場合は、濾布表面から剥離しにくい。この場合は、濾布温度を上げて固形物を剥離しやすくしても良い。濾布温度を上げる方法としては濾布を設置したバグフィルタを加熱する、濾布を二重構造として内部から加熱する、等がある。
本発明が対象とするPFCとしては、フッ素,炭素,水素,酸素,硫黄,窒素であり、具体的には炭素とフッ素からなる化合物,炭素と水素とフッ素からなる化合物,炭素とフッ素と水素と酸素からなる化合物,炭素とフッ素と酸素からなる化合物,硫黄とフッ素からなる化合物,硫黄とフッ素と酸素からなる化合物,窒素とフッ素からなる化合物,窒素とフッ素と酸素からなる化合物,窒素とフッ素と酸素と水素からなる化合物を指す。化合物の一例としてはCF4,CHF3,CH22,CH3F,C26,C2HF5,C2HF5,C224,C233,C242,C25F,C38,CH3OCF2CF3,C48
58,SF6,SO22,NF3、等である。半導体・液晶製造装置からの排ガスには上記のPFC以外にも、Cl2 ,HCl,HOCl等の塩素化合物、HBr,Br2 等の臭素化合物、及びHI,I2 等のヨウ素化合物を含む。これらのガスが、N2 中,Air中,N2 とO2 気流中,Ar中などに少なくとも含まれるものである。
本発明の触媒式PFC分解装置は、水を噴霧させて固形化させる固形化装置と、生成した固形物を除去する固形物捕集装置と、PFC分解触媒を充填した触媒分解塔を少なくとも有する。その他の構成機器としては、PFCガスを予熱する予熱塔,PFC分解ガスを冷却する冷却室,PFC分解ガス中に含まれるHF,SOx,NOx等の酸成分を除去する排ガス洗浄槽,ミストを除去するミスト除去装置、及び系内を負圧に保持するエゼクタやブロワなどの排気設備等がある。
PFCの触媒を用いた分解条件は次のようである。例えば、窒素などの不活性ガスで希釈したPFCガスに、空気を添加し、さらに水蒸気を添加する。この反応ガスを所定の温度で触媒と接触させる。具体的な一例は、0.5〜1.5vol% 程度のPFCを含む窒素ガス流200L/minに、空気を15L/minで添加し、さらに純水を20ml/min を蒸発器で気化させた水蒸気を添加する。このガスを700−800℃で触媒に接触させる。
PFC分解触媒としては、各種触媒を使用することができる。例えば、Alと、Zn,Ni,Ti,Fe,Sn,Co,Zr,Ce,Si,Pt,Pdのうち少なくとも一成分を含む触媒を用いることができる。これらの成分は酸化物,金属,複合酸化物の形で存在する。特にAl23にNiOを含み、NiAl24等の複合酸化物が形成された触媒が、高い分解性能を持つ。SF6 を触媒で分解する場合は、SF6 分解触媒層の後段に、Pd,La,Al等を含む金属酸化物触媒、Pdを含浸したNi/Al触媒、または酸化物成分から構成されるSO22分解触媒を充填し、SO22を同一反応塔内で分解してもよい。また、分解反応でCOが生成する場合は、CO酸化触媒を後段に充填して、同一反応塔内で無害化してもよい。
本発明の装置全体あるいは一部をトラック等に積載し、廃棄されたフッ素化合物詰めボンベを貯蔵している場所へ移動して、含有されているフッ素化合物を抜きだし、直接処理することもできる。また、排ガス洗浄槽内の洗浄液を循環する循環ポンプや、排ガス中の一酸化炭素などを吸着する排ガス吸着槽を同時に搭載してもよい。また、発電機などを搭載してもよい。
本発明によれば、水と反応して固形物を生成する成分をPFC含有ガス中から低コストにかつ効率良く除去し、高いPFC分解率を維持することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する
[参考例1]
半導体エッチング排ガスを処理する場合のシステムフローを図1に示す。半導体は多くの製造ラインを持っており、そのライン毎の排ガス組成は異なる。今回特に対象とする排ガスは、メタルエッチングラインの排ガスや、シリコンエッチングラインの中でも特殊な運転条件(SF6,HClまたは/及びCl2を少なくとも使用)での排ガスである。
触媒式PFC分解装置が受け入れる排ガスは、半導体メタルエッチング装置からエッチングガス吸引装置で引き抜かれた排ガスである。吸引装置としては真空ポンプ等がある。真空ポンプでは、ポンプ内の腐食等を抑えるためN2 をパージする。このためPFCは希釈されて排出される。
希釈されたPFC排ガスを、水と接触させる固形物生成工程に導入し、水と反応して固形物を生成する成分を排ガス中から除去する。固形物生成装置としては、例えば、水スプレ塔がある。生成した固形物は、後段の固形物捕集工程で除去される。固形物捕集装置としては、耐酸性のバグフィルタがある。バグフィルタを通過した固形物を含まないガスを触媒PFC分解工程に送り、PFCを分解処理する。PFCを分解すると、HF,SOx,NOx等の酸成分、CO2 等が生成する。このうち、酸成分を排ガス洗浄工程で除去した後に大気に排出する。
本発明での装置構成の一例を図2に示す。
PFC含有ガス10(水と接触させて固形物を生成する成分を含み、かつPFCを含む)を固形物生成工程の固形物生成塔100に導入する。
固形物生成塔では、水12をスプレ101で噴霧し、PFC含有ガスと接触させる。通常の装置では、噴霧水と排ガスとの接触効率を上げるためにスプレ塔の内部に充填材を設置する場合があるが、本発明が対象とするWF6 ,BCl3 ,S2Cl2等は充填材表面に析出し、積層するため、充填材などは設置しないことが望ましい。また、スプレ塔内壁も水層が形成されるような構造とすることで、内壁への積層を抑制できる。例えば壁面付近に高速噴霧の水薄膜を形成させる。PFC含有ガスの水スプレ塔への導入はガス流入直後に水と接触しない構造とするのが良い。例えば、図2に示したようにガス導入口を水噴霧方向と同一方向に向ける。また、S2Cl2を処理する場合等はドライなO2 供給源として、乾燥空気20をPFC含有ガスに添加することで、水スプレ塔内でのS析出を低減できる。添加する空気に水分が含まれると、配管内で固形物が生成して積層してしまう。乾燥空気を使用しない場合は、PFC含有ガスに空気を添加する前に吸湿剤にて水分を完全に除去しておくことが望ましい。
水スプレ塔を通過したガスは固形物捕集装置102に導入される。例えば、固形物捕集装置は耐酸性を有するバグフィルタである。水スプレ塔を通過した、微粉固形物を同伴したガス流は、耐食性材料で作られた濾布表面で捕集され、ガス流中から除かれる。ここで、ガス中の水分量が飽和水蒸気量を超える場合は、スプレ塔から固形物捕集装置102までの配管を加熱して濾布表面まで水分が液化しないよう制御する。配管温度は、50−
350℃が好ましく、50−200℃が望ましい。
ガス流中にはHF等の酸成分が含まれている場合があり、濾布材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン,ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリフェニレンサルファイド、及びポリイミド等が望ましい。濾布の表面に付着した固形物は、圧縮空気11を定期的に濾布内側に送り、払い落とす。圧縮空気を送るタイミングは、時間間隔でもよく、バグフィルタ内圧力をモニタしてもよい。払い落とした固形物は回収槽120に集める。回収槽からの抜き取りは、フィーダ等を使用した一般に知られている方法を用いてよい。
固形物捕集器を通過したガスはPFCの触媒分解塔105に送られ、PFCが分解される。固形物捕集器としてバグフィルタを使用した場合、定期的に圧縮空気を濾布内に送るため、その際は触媒分解塔に所定のガス流量が流れなくなる。この場合、圧力調整用空気13でガス流量を調節することが望ましい。これにより、PFCを安定に分解することができる。
PFCの触媒分解は通常の方法が適用できる。固形物捕集器を通過したPFC含有ガスは、空気14と、水12をイオン交換樹脂104などで精製した水あるいは純水を加えて触媒槽上部の予熱層に導入する。ガスは電気炉106で分解塔外側から加熱し、所定温度に加熱され、反応に使用する水は気化して蒸気となる。予熱層を通過した反応ガスは、
PFC分解触媒107でPFCを分解し、COが生成する可能性がある場合はCO酸化触媒109で酸化する。触媒槽108はカートリッジ型で劣化した触媒はカートリッジ毎交換する。触媒槽を通過した分解ガスは、水を噴霧している冷却室110で急冷する。ここで一部の酸性ガスは除去される。冷却室を通過したガスは排ガス洗浄塔111で残存の酸成分を除去する。排ガス洗浄塔は充填材112で接触効率を上げてもよい。排ガス洗浄塔の後段には、サイクロン等のミスト捕集器115を設置してもよい。装置系内のガスはブロワまたはエジェクタ116で負圧吸引して排ガス15として排出する。固形物生成塔と冷却室と排ガス洗浄塔から排出される酸性排水は、排水ポンプ114で排水16として放出する。
本実施例は、水と反応して固形物を生成する成分として、WF6 を使用した例である。
基本装置構成は図2と同じである。使用した固形物生成塔は水スプレ塔である。生成したWO3 は、粒子の大きいものは噴霧水とともに排水されたが、微粉末のWO3 はガスに同伴した。このガスを固形物捕集器に導入した。使用した固形物捕集器は耐食性バグフィルタである。バグフィルタ材質は塩ビを使用した。濾布はPTFE(ポリテトラフルオロエタン)メンブレン製のものを使用した。バグフィルタ寸法は500mmL*500mmW*
1500mmHである。濾布寸法は、100mmφ×1000mmLであり、圧損が200mm
2O 、ガス透過速度を1m/sとなるように設計した。圧縮空気はバグフィルタの圧損が250mmH2O を超えた時に噴霧した。
触媒反応器には、PFC分解触媒であるNi/Alを充填し、その後流側にCO酸化用触媒としてPd/Ni/Alを充填した。Ni/Al上部にはガラスウールを、Pd/
Ni/Alの下部にはアルミナウールを充填した。触媒反応器には空気とH2O とを供給できる。H2O は純水を定量ポンプで反応管上部に供給し、予熱層で気化させた。触媒使用温度が750℃となるよう触媒反応器を外部から電気炉で加熱した。分解ガスは水の入った酸性ガス吸収槽を通過させて、ミストキャッチャを通過させて排気した。酸性ガス吸収槽,ミストキャッチャの槽数は適宜変更してよい。
試験に供した触媒の調製法を以下に示す。
[触媒1]Ni/Al触媒
市販のベーマイト粉末を120℃で1時間乾燥した。この乾燥粉末200gに、硝酸ニッケル6水和物210.82g 溶かした水溶液を添加し、混練した。混練後、空気雰囲気中で250〜300℃で約2時間乾燥し、さらに空気中700℃で2時間焼成した。焼成物を粉砕,篩い分けして0.5−1mm粒径とした。完成後の触媒組成はmol比でNi/Al=20/80であった。
[触媒2]Pd/Ni/Al触媒
前述のNi/Al触媒66.77g を120℃で1h乾燥した。これにPdを含浸した。Pdを4.324wt%で含む硝酸パラジウム溶液1.53gに純水を26.85g まで添加した。この希釈硝酸パラジウム水溶液をNi/Alに含浸し、120℃で2h乾燥、700℃で2h焼成した。
試験は、N2を流量1247ml/minで供給した。このガス中にWF6ガスを3.1ml/min、CF4 ガスを3.1ml/min で添加して、固形物生成塔に導入した。触媒反応塔入口では、バグフィルタを通過したPFC含有ガスに、空気を125ml/min 、純水を0.125ml/minで添加した。この反応ガスをNi/Al触媒と接触させた。触媒の温度は750−800℃、空間速度は触媒層入口ウェットベースで室温換算して1225
-1とした。(空間速度(h-1)=反応ガス流量(ml/h)/触媒量(ml)であり、本試験条件では次の計算から1225h-1となる。(1247+3.1+125+0.125/18*22400)/75*60=1225h-1)。
まず、触媒反応塔入口ガスを分析した。固形物生成塔と固形物捕集塔の性能が低いと、このガス中にWF6 ,WO3 が検出されるが、分析の結果、WF6 は<5ppm 以下、また、WO3 もフィルタ捕集したが検出されなかった。試験を開始して40時間の間、触媒反応塔出口ガス中のCF4 濃度は5ppm 以下であり、次の式から算出されるCF4 分解率は99%以上であった。
CF4分解率(%)=(1−出口CF4濃度/入口CF4濃度)*100
この結果から、本発明により高いPFC分解性能を維持できた。
また、本実施例の試験条件で、WO3の代わりにBCl3を用いた場合でも40時間の間、CF4分解率は99%以上であった。
[参考例4]
参考例4は、水と反応して固形物を生成する成分として、S2Cl2を用いてPFC分解性能への影響を調べた結果である。
2Cl2の試験に用いた基礎試験装置系統図を図3に示す。所定量のS2Cl2を供給するため、N2(A) をS2Cl2中にバブリングさせて同伴させた。固形物生成器には中央にガラスウールを充填した。固形物生成器中央から、N2(B) と乾燥空気とPFCである
SF6を混合し、H2O 中にバブリングさせてH2Oを同伴させた。
固形物生成器を通過したガスは触媒反応器に導入させた。触媒反応器の構成、及び使用した触媒は実施例3と同じである。
試験は、N2(A)流量が189ml/min、N2(B)流量が184ml/min、乾燥空気流量が200ml/minの条件で行った。S2Cl2の分析はFPDガスクロマトグラフを使用した。図中の入口S2Cl2サンプリングポートでのS2Cl2濃度は1.17%であるのに対し、出口サンプリングポートでのS2Cl2濃度は543ppmまで低減した。このガスを触媒反応器に導入した。N2(C)を173ml/minの流量で固形物反応器からのガスに添加した。今回は空気は添加しなかった。H2Oは液体で0.100ml/minの流量で供給した。この反応ガスをNi/Al触媒と接触させた。触媒の温度は700〜800℃、空間速度は触媒層入口ウェットベース、室温で770h-1とした。(空間速度(h-1)=反応ガス流量(ml/h)/触媒量(ml))。試験を開始して1−100時間でのSF6分解率を図4に示す。試験中の分解率は99%以上であった。固形物生成器と触媒反応器をつなぐ配管に析出物が少量見られたが、同伴させるH2O量と乾燥空気の量を増やして析出量を低減できた。
[参考例5]
参考例5では、参考例4で使用した固形物生成器を大型化して、切り替えながら使用する例である。装置構成を図5に示す。PFC含有ガス10は、固形物生成塔100の下側から流入する。生成塔内で反応に必要なH2Oをガスに同伴させて供給し、固形物を生成させる。反応塔上部には系内圧力モニタ130を設置して、所定圧力を越えたときに反応塔入口及び出口の流路切替バルブ140を作動させる。これにより、使用していなかった固形物生成塔へ処理ガスが流れる。生成塔外側には電気炉106などの加熱装置を設置しておく。固形物が析出した生成塔には、空気14などを流通させ、固形物を酸化して気化させることで、反応塔洗浄を行う。例えば、S2Cl2処理により析出したSは300℃の加熱で生成塔から除去できる。
[実施例6]
本実施例では、固形物捕集装置102であるバグフィルタ内で水を噴霧させることで、固形物生成と捕集を一体装置で行う例である。PFC含有ガス10に乾燥空気20を添加し、バグフィルタに流入させる。ガス流が流入口よりも上流側から水分を同伴させた空気をバグフィルタに流入させる。バグフィルタ内の空間及び濾布表面にて固形物を生成させる。なお、濾布表面は、使用する濾布の耐熱温度範囲内で加熱することで濾布表面を乾燥状態に保つことができる。濾布の加熱方法としてはバグフィルタ外部からの加熱や、濾布を2層構造とし、層間にヒータを設置させる方法等、また従来方法を使用することができる。
本発明により、WF6 等を含むメタルエッチャ排ガスや、従来のエッチャライン排ガスでもSF6 とHCl,Cl2 を同時に使用したエッチャ装置からの排ガスを触媒式PFC分解装置により効率よく処理できるようになり、産業の発達に寄与するところ大である。
本発明の処理システムフローを示した図である。 本発明の処理装置構成を示した図である。 本発明の基礎試験装置構成を示した図である。 本発明の性能を示す図である。 本発明の処理装置構成を示した図である。 本発明の処理装置構成を示した図である。
符号の説明
10…PFC含有ガス、11…圧縮空気、12…水、13…圧力調整用空気、14…空気、15…排ガス、16…排水、100…固形物生成塔、102…固形物捕集装置、103…濾布、105…触媒分解塔、120…回収槽、130…系内圧力モニタ、140…流路切替えバルブ。

Claims (6)

  1. 水と反応して固形物を生成するガス成分を含み、かつPFCを含むガス流中のPFCを触媒で分解する方法であって、前記ガス流を水と接触させて固形物を生成させる固形物生成工程,生成した固形物を除去する固形物捕集工程、及びPFCの触媒分解工程を有し、生成した固形物を除去するバグフィルタ及び前記バグフィルタに至る配管のうち、少なくともいずれか一方を加熱することを特徴とする触媒式PFC分解処理方法。
  2. 請求項1記載のガス流が、半導体或いは液晶メタルエッチングラインからの排ガスであることを特徴とする触媒式PFC分解処理方法。
  3. 請求項1記載の方法において、前記固形物生成工程の前に、空気または酸素を前記ガス流中に添加することを特徴とする触媒式PFC分解処理方法。
  4. PFCを分解する触媒充填塔と分解生成ガス中の酸性ガスを処理する排ガス洗浄塔とを有する触媒式PFC分解装置において、前記触媒充填塔の前段に、水と反応して固形物を生成するガス成分を含みかつPFCを含むガス流を水と接触させる固形物生成設備と固形物捕集設備を備え、生成した固形物を除去するバグフィルタ及び前記バグフィルタに至る配管のうち、少なくともいずれか一方を加熱する加熱器を有することを特徴とする触媒式PFC分解装置。
  5. 請求項4記載の前記固形物生成設備が、固形物生成塔,水分供給装置、及び固形物生成塔を加熱する加熱器を有することを特徴とする触媒式PFC分解装置。
  6. 請求項4記載の装置において、前記固形物生成設備の前段で空気または酸素を前記ガス流中に添加する設備を有することを特徴とする触媒式PFC分解装置。
JP2003351470A 2003-10-10 2003-10-10 触媒式pfc分解処理方法及び装置 Expired - Fee Related JP4228870B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003351470A JP4228870B2 (ja) 2003-10-10 2003-10-10 触媒式pfc分解処理方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003351470A JP4228870B2 (ja) 2003-10-10 2003-10-10 触媒式pfc分解処理方法及び装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005111423A JP2005111423A (ja) 2005-04-28
JP4228870B2 true JP4228870B2 (ja) 2009-02-25

Family

ID=34542700

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003351470A Expired - Fee Related JP4228870B2 (ja) 2003-10-10 2003-10-10 触媒式pfc分解処理方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4228870B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4675148B2 (ja) * 2005-05-12 2011-04-20 昭和電工株式会社 フッ素化合物含有ガスの処理方法及び処理装置
JP4701825B2 (ja) * 2005-05-12 2011-06-15 株式会社日立製作所 排ガス処理剤供給システム及び供給方法
JP4966521B2 (ja) * 2005-07-22 2012-07-04 昭和電工株式会社 過弗化物含有排ガスの処理方法及び処理装置
CN101612518B (zh) * 2008-06-23 2012-02-01 财团法人工业技术研究院 电热氧化装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005111423A (ja) 2005-04-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7285250B2 (en) Apparatus for treating perfluorocompound gas
EP1637211A1 (en) Exhaust gas decomposition processor and method for processing exhaust gas
WO2010018768A1 (ja) 金属回収方法、金属回収装置、排気系及びこれを用いた成膜装置
KR100450853B1 (ko) 불소 화합물의 분해 처리 방법 및 분해 처리 장치
WO2001076725A1 (fr) Procede de traitement de gaz d'echappement contenant un compose fluore
JP5017071B2 (ja) 排ガス処理装置
JP4228870B2 (ja) 触媒式pfc分解処理方法及び装置
KR101640976B1 (ko) 과불화물의 처리 장치, 과불화물의 처리 방법 및 기록 매체
JP5318333B2 (ja) フッ素化合物含有ガスの処理方法及び処理装置
JP4394555B2 (ja) フッ素化合物含有ガスの処理方法及び処理装置
JP5318336B2 (ja) Pfcガスの濃縮方法
JP2007307556A (ja) Pfcガスの処理方法及び処理装置
TWI527619B (zh) Perfluoride treatment device and perfluoride treatment method
JP4188815B2 (ja) パーフルオロコンパウンドの分解処理方法および分解処理装置
JP6097625B2 (ja) 弗化カルシウムの製造方法および弗化カルシウムの製造装置
JP2005319401A (ja) Pfc分解処理方法と装置及び処理システム
JP3260786B2 (ja) 水蒸気の精製方法
JP2009078237A (ja) 半導体,液晶製造装置からの排出ガス処理方法
JP2008006352A (ja) フッ素化合物含有ガスの処理方法及び処理装置
JP2008155070A (ja) ハロゲン化合物の分解処理方法及び装置
WO2014129050A1 (ja) 過弗化物の処理装置および過弗化物の処理方法
JP2008207139A (ja) 排ガス処理方法及び装置
JPH1157409A (ja) 三弗化窒素の除害方法および除害装置
JPWO2014129051A1 (ja) 過弗化物の処理装置および過弗化物の処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051028

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20060421

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080611

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080617

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080811

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080916

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081009

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081111

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081124

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111212

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111212

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111212

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees