JP4228861B2 - 方向性結合器及び光アドドロップ多重装置 - Google Patents

方向性結合器及び光アドドロップ多重装置 Download PDF

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Description

本発明は、方向性結合器及び光アドドロップ多重装置に関する。
方向性結合器は、2つの光導波路を近接して又は部分的に重なって配置した構造からなる。各光導波路のコアの断面は、一般的に矩形であるが、特許文献1に示すように円形のものも知られている。特許文献1には、Naイオンを含む多成分ガラスにAgイオンを注入してコアを形成する方法が記載されている。コア断面の中央部で屈折率が最大となり、コア壁面に向かうにつれ屈折率が減少する。また、LiNobO基板にイオン注入法により光導波路を形成する方法では、半円形のコア断面を有する光導波路を製造できる。
方向性結合器は、結合損失を小さくす必要がある。平面光回路に方向性結合器を組み込む場合、純粋石英基板、又は、2酸化ゲルマニウムを主な主成分とするガラス基板が使用される。
特開2003−075668公報
方向性結合器における光導波路間のパワー移行は、2本の導波路を1つの光導波路と見做して伝搬モードを解析した場合の、0次の伝搬モードと1次の伝搬モードの位相差で表現できる。2本の光導波路の間隔を狭くし、及び/又は、0次モードと1次モードの伝搬定数の差を大きくすると、方向性結合器の完全結合長を短くすることができる。
従来の構造及び製造法では、2つの光導波路のコアの近接化にも限界がある。例えば、コア断面が矩形の光導波路を使用する方向性結合器の場合、2つの光導波路間の隙間の光学長が1波長未満になると、2次の伝搬モードが発生する。方向性結合器の部分を通過した後では、この2次の伝搬モードの光波は損失となる。結果的に、挿入損失が非常に大きくな光結合器になる。
特許文献1に記載される方向性結合器では、2つの光導波路(コア)が部分的に重なるように2つの光導波路(コア)を配置しても、方向性結合器として動作し得る。しかし、特許文献1に記載されるイオン交換法は、多成分ガラスには適用できても、純粋石英基板、及び、2酸化ゲルマニウムを主な主成分とするガラス基板には適用できない。
コア断面が半円形の光導波路を使用する場合も、2つの光導波路(コア)が部分的に重なるように2つの光導波路(コア)を配置しても、方向性結合器として動作し得る。ここで使用されるイオン注入法もまた、純粋石英基板、及び、2酸化ゲルマニウムを主な主成分とするガラス基板には適用できない。
従来の光導波路構造及び製造法では、コアの屈折率分布が均一である光導波路を使用する方向性結合器において、2つの光導波路のコアを部分的に重なるほどに近くに配置することができない。その結果、完全結合長を短くすることができず、小型化が難しい。
方向性結合器は、リング共振器型光アドドロップ多重装置にも利用される。方向性結合器を小型化できれば、リング共振器型光アドドロップ多重装置も小型化できる。
本発明は、完全結合長を短縮可能な方向性結合器、及びこれを利用する光アドドロップ多重装置を提示することを目的とする。
本発明に係る方向性結合器は、三角形断面の第1の光導波路と、当該第1の光導波路と光結合する光導波路であって、当該第1の光導波路の三角形断面と頂点同士が向き合うように配置された三角形断面を具備する第2の光導波路とを具備し、当該第1の光導波路の当該三角形断面の当該頂点を含まない辺が、当該第2の光導波路の当該三角形断面の当該頂点を含まない辺と平行であり、当該第1及び第2の光導波路の当該三角形断面の、互いに向き合う頂点以外の、線対称関係で互いに対向する1つの頂角の角度が、それぞれ実質的に直角であることを特徴とする。
この構成により、方向性結合機能を損なわずに第1及び第2の光導波路間の結合を強くすることができ、結果として、完全結合長を短縮できる。なお、三角形断面の光導波路は、例えば、石英基板上に誘導結合プラズマCVD法により形成可能である。従って、本発明に係る方向性結合器は、純粋石英基板、及び、2酸化ゲルマニウムを主な主成分とするガラス基板上の光素子として製造可能である。
好ましくは、当該第1の光導波路が光軸方向の所定範囲内で当該第2の光導波路と部分的に重なり合うことを特徴とする。三角形断面の光導波路を採用することで、第1及び第2の光導波路を部分的に重なり合わせても、2次モード以上の発生を抑制できる。これにより、方向性結合機能を損なわずに第1及び第2の光導波路間の結合を更に強くすることができ、結果として、完全結合長を更に短縮できる。
本発明に係る光アドドロップ多重装置は、リング外側に頂点を具備する三角形断面のリング導波路と、当該リング導波路と光結合する光導波路であって、当該リング導波路の三角形断面と頂点同士が向き合うように配置された三角形断面を具備する第1の光導波路と、当該リング導波路と光結合する光導波路であって、当該リング導波路の三角形断面と頂点同士が向き合うように配置された三角形断面を具備する第2の光導波路とを具備し、当該リング導波路の当該三角形断面の当該頂点を含まない辺が、当該第1の光導波路の当該三角形断面の当該頂点を含まない辺と平行であり、且つ、当該第の光導波路の当該三角形断面の当該頂点を含まない辺と平行であり、当該リング導波路及び第1の光導波路の当該三角形断面の、互いに向き合う頂点以外の、線対称関係で互いに対向する1つの頂角の角度が、それぞれ実質的に直角であり、当該リング導波路及び第2の光導波路の当該三角形断面の、互いに向き合う頂点以外の、線対称関係で互いに対向する1つの頂角の角度が、それぞれ実質的に直角であることを特徴とする。
この構成により、方向性結合機能を損なわずにリング導波路と第1の光導波路との間の結合、及びリング導波路と第2の光導波路との間の結合を強くすることができ、結果として、リング導波路と第1の光導波路との間の完全結合長、及び、リング導波路と第2の光導波路との間の完全結合長を短縮できる。この結果、リング導波路を小さくすることが可能になり、全体を小さくできる。
好ましくは、当該第1の光導波路が光軸方向の所定範囲内で当該リング導波路と部分的に重なり合い、当該第2の光導波路が光軸方向の所定範囲内で当該リング導波路と部分的に重なり合うことを特徴とする。
三角形断面の光導波路を採用することで、リング導波路と第1及び第2の光導波路とを部分的に重なり合わせても、2次モード以上の発生を抑制できる。これにより、方向性結合機能を損なわずに、リング導波路と第1の光導波路との間の結合、及びリング導波路と第2の光導波路との間の結合を強くすることができ、結果として、リング導波路と第1の光導波路との間の完全結合長、及び、リング導波路と第2の光導波路との間の完全結合長を短縮できる。この結果、リング導波路を更に小さくすることが可能になり、全体を更に小さくできる。
本発明により、完全結合長の短い方向性結合器を実現できる。この方向性結合器を利用することで、光アドドロップ多重装置を小型化できる。
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例の平面図及び断面図を示す。図1(1)が、本実施例の光導波路構造の平面図を示し、図1(2)は、図1(1)のA−A線及びE−E線の断面図を示し、図1(3)は、図1(1)のB−B線及びD−D線の断面図を示し、図1(4)は、図1(1)のC−C線の断面図を示す。
本実施例では、第1の光導波路のコア30及び第2の光導波路のコア32が共に、クラッド34に埋め込まれている。図1(2)〜(4)に示すように、コア30,32の断面形状は、頂点が他方のコア32,30に近い側に位置する三角形をしている。コア30,32が最も接近する位置(図1(1)のC−C線の位置)では、コア30,32が部分的に重なっている。図1(1)のB−B線からD−D線の間では、コア30,32は実質的には、内部屈折率が一定で、蝶ネクタイ形の断面形状からなる一つの光導波路を形成する。
このような三角形断面のコア30,32は、例えば、リアクティブイオンエッチング法(RIE法)により形成可能である。以下、その製造方法を説明する。図2は、断面が三角形の光導波路を製造するプロセスのフローチャートを示し、図3乃至図8は、各段階での断面図を示す。
先ず、図3に示すように、屈折率1.445の石英基板10の上面にクロム等の金属マスク12を蒸着する(ステップS1)。金属マスク12が、光導波路のコアを埋め込む溝を規定する。
RIE法により、マスク12の無い部分の基板10を6μmの深さにエッチングする(S2)。エッチング後の断面を図4に示す。これにより、基板10に、コアを埋め込む溝14が形成される。溝14は、垂直壁14aと、底面となる水平面14bを具備する。
溝14が埋まるまで、誘導結合プラズマ(ICP)CVD法により、基板10より高い屈折率の材料を堆積する(S3)。ここでは、珪酸エチル(TEOS)、テトラメトキシゲルマニウム(TMOG)及び酸素を、屈折率が1.456となる割合で混合して、ICP−CVD法の原料とした。これにより、Si0−Ge0膜又は層が溝14内に形成される。図5は、ICP−CVD法による成膜の途中の断面図を示し、図6は、ICP−CVD法による成膜後の断面図を示す。
図5に示すように、各面に対して、その面に垂直な方向に膜又は層が成長する。ICP−CVD法では、層の堆積とスパッタ効果によるエッチングとが同時に進行する。実験の結果、このように層の堆積とエッチングが同時に進行する場合、壁14aに対して成長する層16と、水平面(底面)14bに対して成長する層18とでは、成長速度が大きく異なるだけでなく、屈折率が異なることが判明した。即ち、溝14の壁14aに対して成長する層16の屈折率は、溝14の水平面14b上に成長する層18の屈折率よりも高くなった。また、層18は、層16よりも速く成長する。この結果、図6に示すように、壁14a上に成長した、断面が三角形の層16と、層16よりも屈折率が低く、溝14内のその他の部分を埋める層18が、溝14内に形成される。ちなみに、マスク12上にも層20が成長するが、この層20は、後で除去される。
壁14a上に成長する層16の屈折率が水平面14b上に成長する層18の屈折率よりも高くなる理由は、以下のように考えられる。
ICP−CVD法では、プラズマ放電によりイオン化した原料ガスからの生成物がカソードである基板10に衝突することによる層の形成と、その衝突によるスパッタ効果のエッチング作用とが、同時に進行する。Si原子と酸素(O)原子間の結合力に対し、Ge原子とO原子間の結合力が弱いので、Ge原子が優先的にスパッタされる。
水平面14b上に成長する層18では、層の堆積とスパッタ効果によるエッチングが同方向で進行する。これに対し、層16では、層16が壁14aに垂直な方向に堆積するのに対し、スパッタ効果は、壁14aに沿った方向に作用する。即ち、層16では、層16の堆積方向とスパッタ方向が異なる。このように堆積方向とスパッタ方向が異なる場合、特に、スパッタ方向が堆積方向に垂直である場合、層16の上面16aが集中的にスパッタ効果を受けることとなる。層16の上面16aを除く領域はスパッタ効果が微少となることで、Ge原子濃度が低下しない。この結果、層16のGe原子濃度が、層18のGe原子濃度よりも高くなる。屈折率はGe濃度の増加に対し一次関数的に増加するので、層16の屈折率が層18の屈折率よりも高くなる。また、層堆積速度とエッチング速度のバランスにより、図5に示すように、層16の上面16aは傾斜する。
実際に試作した例では、最終的な層16の垂直壁14bからの最大厚みは、1.6μmである。層16の断面は、底辺が6μm、高さが1.6μmの三角形状であり、層16は、溝14の深さに比べてかなり薄い。これもまた、層16に対して、スパッタ作用が相対的に大きく作用していることを示している。試作例では、層18の屈折率が1.456で、層16の屈折率が1.469であった。
溝14を埋めた後、図7に示すように、金属マスク12をウエットエッチングで溶解し、層20をリフトオフ法にて除去する(S4)。図7は、除去結果の断面図を示す。
さらに、TEOSを原料ガスとしたプラズマCVD法により、屈折率1.445、厚さ30μmの被覆層22を全面に堆積する(S5)。被覆層22は上部クラッドとなる。その結果の断面図を図8に示す。プラズマCVD法の代わりに、ICP−CVD、スパッタ法又は火炎堆積法を用いてもよい。
このようにして、層16をコア、層16の周囲の領域、即ち、層18,基板10及び上部被覆層22をクラッドとする光導波路が形成される。コアとなる層16の断面は、溝14の垂直壁14aを底面とする三角形状になっている。これにより、微小な三角形断面のコアを製造できる。
堆積とスパッタが同時に進行する成膜法として、ICP−CVD法以外に、スパッタリング法がある。スパッタリング法で屈折率を制御するには、ターゲット材にSi0とGe0の混合物を使用する。所望の屈折率が得られるように、Si0とGe0の混合比を調整する。
本実施例では、溝の垂直壁に対して極めて薄いコア層を形成できる。溝14の垂直壁14aとは反対側の垂直壁にも、層16と同様の形状及び屈折率の層が成長することは明らかである。従って、これを利用することで、近接して位置する2つのコアを製造することも容易である。単に、溝14の横幅を狭くすればよい。図2〜図8を参照して説明した製造手順をそのまま適用する。
図9は、図2乃至図8を参照して説明した方法で製造した、2つのコアが近接して位置する光導波路構造の断面図を示す。図9は、図1(2)に対応する。層24がコア30に対応し、層16がコア32に対応する。
図9では、図3乃至図8に図示した構成要素と同じ要素には、同じ符号を付してある。ここでは、溝14の横幅を4μmとした。溝14の深さは、図3乃至図8と同じく6μmである。溝14の両方の垂直壁に層16,24が形成される。層24の断面形状は、層16の断面形状と実質的に同じである。試作例では、層16,24の最大厚みは共に1.6μmであった。溝14の横幅が4μmであるから、2つのコア(層16,24)が、0.8μmのギャップを挟んで位置することになる。このように近接して2つのコアを配置することは、従来、不可能であった。なぜならば、従来の方法では、0.8μmに相当する金属マスクを用意し、0.8μm相当の壁で挟まれた2つの溝を形成する必要があったが、これは不可能であったからである。
溝14の形状と幅を図1(1)に示す平面図のそれに合わせることで、図2乃至図8を参照して説明した方法で、図1に示すように方向性結合器、即ち、コア断面が三角形状であって、光軸方向で部分的に互いのコア30,32が重なり合う2つの光導波路を形成できる。
コア30,32の形状及びコア30,32の頂点間の距離dと、完全結合長Lとの関係を試算した。導波路の数値解析法として一般的であるビーム伝搬法(BPM)を用いた。コア30,32が重なる図1(1)のB−B線からD−D線の範囲では、dはマイナス値になる。
方向性結合器は、その機能面から見て、2出力ポートを有すること、結合長に依存して2出力ポート間の分岐比が連続的に変化すること、及び、2出力ポートからの出力パワーの総量は常に一定であり、入力パワーに等しいという特徴を有する光素子であると定義できる。2出力ポート間の分岐比は、0次モードと1次モードの干渉及びこれらの位相差に従って連続的に変化する。
2つの光導波路間のギャップが狭くなると、即ち、ギャップ長dが小さくなると、各光導波路では、1次モードがカットオフとなり、0次モードのみが存在可能となる。その結果、2出力ポート間での分岐比が結合長に無依存となり、方向性結合器として動作しなくなる。これが、光導波路の近接化の限界となる。
逆に、2つの光導波路を近づけることで、2次モード以上の高次モードが存在可能となる場合がある。2次モード以上の高次モードが存在可能になると、モード間の干渉が複雑化し、方向性結合器の2出力の分岐比が結合長に対し不連続に変化するようになる。例えば、2出力ポートの出力パワーの総量が変動し、入力パワー以下となる場合がある。つまり、損失が生じる場合がある。
これらを考慮し、方向性結合器としての動作範囲を、高次モード(2次モード以上)が存在しない範囲、即ち、0次モードと1次モードのみが存在する範囲に限定し、この範囲で完全結合長Lを計算した。コア間のギャップ長dの計算ステップを1μmとしたので、誤差は±0.5μmである。参考のため、高さ及び幅共にaの正方形断面のコアの場合の完全結合長も計算した。コア断面が正方形の光導波路を使用する場合、コア間ギャップ長dの最小値は、a/6、即ち1μmであり、このときの完全結合長、即ち最小完全結合長Lcは512μmとなる。
図10は、コア30,32の断面形状が2等辺三角形の場合の断面図を示す。コア30,32の底辺Aの長さをa、頂点Bの高さをHとする。底辺Aの長さaは、断面を正方形(高さ=幅=a)とした場合に単一モードとなる値とした。数値例として、コアの屈折率を1.456、クラッドの屈折率を1.445、aを6μmとした。この屈折率条件は、非屈折率差としては0.75%になる。
三角形コアの高さHがa/2(=3μm)、3a/4(=4.5μm)、a(=6μm)、5a/4(=7.5μm)及び3a/2(=9μm)の5通りについて、完全結合長Lを計算した。図11は、計算結果を示す。横軸は、コア30,32間のギャップ長dをaで規格化した値、即ちd/aで示す。縦軸は、正方形断面のコアの場合の最も短い完全結合長Lc(=512μm)で規格化した完全結合長Lを示す。三角形コアの高さHがa/2(=3μm)の場合と、3a/2(=9μm)の場合を除いて、コアを部分的に重ねた状態、即ちd<0で、正方形断面の場合よりも完全結合長Lを短縮できることが分かる。三角形コアの高さHが3a/4(=4.5μm)の場合、d>0であっても、正方形断面の場合よりも完全結合長Lを短縮できる。
図10に示すコア断面形状では、一般的に、dが小さくなるほど、完全結合長Lを短くすることができる。コア幅、即ち三角形の高さHがa/2から5a/4に増加するにつれて、完全結合長Lが短くなる。Hが5a/4から3a/2に増加する間に、2次モードが存在可能となる。0次モードと1次モードのみが存在し得るコア間ギャップ長dの最小値が増加し、dの増加に応じて完全結合長Lの最小値も増加する。
図11から、dが0以下になっても、方向性結合器として動作することが分かる。H=5a/4、且つ、d=−4a/3のとき、完全結合長Lの最小値198μm、即ち、0.386Lcが得られる。つまり、四角形導波路に対して0.386倍に完全結合長を短縮できる。
図12は、辺Aを1;3に内分する位置上に頂点Bを配置した三角形の場合の断面図を示す。この場合にも、底辺Aの長さをa、頂点Bの高さをHとする。三角形コアの高さHがa/2(=3μm)、3a/4(=4.5μm)、a(=6μm)、5a/4(=7.5μm)及び3a/2(=9μm)の5通りについて、完全結合長Lを計算した。図13は、計算結果を示す。横軸は、コア30,32間のギャップ長dをaで規格化した値、即ちd/aで示し、縦軸は、正方形断面のコアの場合の最も短い完全結合長Lc(=512μm)で規格化した完全結合長Lを示す。三角形コアの高さHがa/2(=3μm)の場合と、3a/2(=9μm)の場合を除いて、コアを部分的に重ねた状態、即ちd<0で、正方形断面の場合よりも完全結合長Lを短縮できることが分かる。三角形コアの高さHが3a/4(=4.5μm)の場合、d>0であっても、正方形断面の場合よりも完全結合長Lを短縮できる。
図12に示すコア断面形状でも、dとLの関係は、一般的に図10の場合と同様の関係を示す。H=5a/4、且つ、d=−4a/3とき、完全結合長Lの最小値199μm、即ち0.388Lcが得られる。つまり、四角形導波路の場合の0.388倍に完全結合長を短縮できる。
図14は、辺Aの一端上に頂点Bを配置した直角三角形の場合の断面図を示す。この場合にも、底辺Aの長さをa、頂点Bの高さをHとする。三角形コアの高さHがa/2(=3μm)、3a/4(=4.5μm)、a(=6μm)、5a/4(=7.5μm)及び3a/2(=9μm)の5通りについて、完全結合長Lを計算した。参考のため、高さ及び幅共にaの正方形断面のコアの場合の完全結合長も計算した。図15は、計算結果を示す。横軸は、コア30,32間のギャップ長dをaで規格化した値、即ちd/aで示し、縦軸は、正方形断面のコアの場合の最も短い完全結合長Lcで規格化した完全結合長Lを示す。三角形コアの高さHがa/2(=3μm)の場合と、3a/2(=9μm)の場合を除いて、コアを部分的に重ねた状態、即ちd<0で、正方形断面の場合よりも完全結合長Lを短縮できることが分かる。三角形コアの高さHが3a/4(=4.5μm)の場合、d>0であっても、正方形断面の場合よりも完全結合長Lを短縮できる。
図14に示す断面構造の場合も、H=5a/4、且つ、d=−7a/6の場合、完全結合長Lの最小値451μm、即ち、0.451Lcが得られる。つまり、四角形導波路の場合の0.451倍に完全結合長を短縮できる。
本実施例はまた、リング共振器型のアドドロップ多重装置に適用可能である。リング共振器型のアドドロップ多重装置は、リング導波路に光結合する1つ又は2つの光導波路を配置した構成からなり、その光結合部分に、上述の構成を採用し得る。
リング共振器型のアドドロップ多重装置の入出力の周波数特性は、リング共振器長により決定される共振周波数に依存する。共振周波数は自由スペクトル領域(FSR)と呼ばれる。FSRを拡大するには、リング共振器長を短くする必要がある。
図16は、リング共振器型アドドロップ多重装置の平面図を示し、図17は、そのF−F線の断面図を示す。
屈折率nの基板40内に、屈折率nより大きな屈折率nの光導波路(コア)42,44,46が埋め込まれている。導波路42は、曲げ部と直線を有するレーストラック形状のリング導波路からなる。導波路44,46は、リング状導波路42に光結合するようにコア42に部分的に重なって配置される直線導波路である。光導波路42,44,46は何れも、その断面が三角形状になっている。リング光導波路42が直線光導波路44,46と部分的に重なる範囲では、図17に示すように、蝶ネクタイ形の断面になる。
図16及び図17に示す例では、リング導波路42と直線導波路44,46が同一平面上に位置するので、リング導波路4の三角形断面の頂点は、リングの外側に位置する。直線導波路44,46がリング導波路の上又は下に位置する場合、リング導波路の三角形断面の頂点に、光結合しようとする直線導波路に向かって突出することになる。
先に説明したように、コア断面を三角形状にすることで、方向性結合器の完全結合長を短くすることができる。これにより、リング導波路42の直線部分を短くでき、それゆえ、リング導波路のリング共振器長を短くすることができ、FSRを拡大できる。
このように、本発明では、頂点が対向する2つの三角形導波路を使って方向性結合器を形成することにより、導波路を部分的に重ねても、2次の伝搬モードが生じにくくなり、結合長を短縮できる。これをリング共振器型のアドドロップ多重装置に適用することで、リング共振器長を短縮でき、その結果、FSRを拡大できる。
特定の説明用の実施例を参照して本発明を説明したが、特許請求の範囲に規定される本発明の技術的範囲を逸脱しないで、上述の実施例に種々の変更・修整を施しうることは、本発明の属する分野の技術者にとって自明であり、このような変更・修整も本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の一実施例の平面図と各部の断面図である。 三角形断面の光導波路を製造する手順のフローチャートである。 図2に示すフローチャートの第1段階での断面図である。 図2に示すフローチャートの第2段階での断面図である。 図2に示すフローチャートの第3段階での断面図である。 図2に示すフローチャートの第4段階での断面図である。 図2に示すフローチャートの第5段階での断面図である。 図2に示すフローチャートの第6段階での断面図である。 図2に示す方法で製造した方向性結合器の断面図である。 方向性結合器を構成する光導波路の断面形状の一例である。 図10に示す方向性結合器の光導波路間のギャップ長dと完全結合長Lとの関係の計算例である。 方向性結合器を構成する光導波路の断面形状の一例である。 図12に示す方向性結合器の光導波路間のギャップ長dと完全結合長Lとの関係の計算例である。 方向性結合器を構成する光導波路の断面形状の一例である。 図14に示す方向性結合器の光導波路間のギャップ長dと完全結合長Lとの関係の計算例である。 本実施例を適用したリング共振器型アドドロップ多重装置の平面図である。 図16のF−F線の断面図である。
符号の説明
10:基板
12:金属マスク
14:溝
14a:垂直壁
14b:水平面(底面)
16,16b,18,20:堆積層
22:被覆層
24:堆積層
30,32:コア
34:クラッド
40:基板
42:リング導波路
44,46:直線導波路

Claims (4)

  1. 三角形断面の第1の光導波路(30)と、
    当該第1の光導波路(30)と光結合する光導波路であって、当該第1の光導波路の三角形断面と頂点同士が向き合うように配置された三角形断面を具備する第2の光導波路(32)
    とを具備し、
    当該第1の光導波路の当該三角形断面の当該頂点を含まない辺が、当該第2の光導波路の当該三角形断面の当該頂点を含まない辺と平行であり、
    当該第1及び第2の光導波路の当該三角形断面の、互いに向き合う頂点以外の、線対称関係で互いに対向する1つの頂角の角度が、それぞれ実質的に直角である
    ことを特徴とする方向性結合器。
  2. 当該第1の光導波路(30)が光軸方向の所定範囲内で当該第2の光導波路(32)と部分的に重なり合うことを特徴とする請求項1に記載の方向性結合器。
  3. リング外側に頂点を具備する三角形断面のリング導波路(42)と、
    当該リング導波路(42)と光結合する光導波路であって、当該リング導波路の三角形断面と頂点同士が向き合うように配置された三角形断面を具備する第1の光導波路(44)と、
    当該リング導波路(42)と光結合する光導波路であって、当該リング導波路の三角形断面と頂点同士が向き合うように配置された三角形断面を具備する第2の光導波路(46)
    とを具備し、
    当該リング導波路の当該三角形断面の当該頂点を含まない辺が、当該第1の光導波路の当該三角形断面の当該頂点を含まない辺と平行であり、且つ、当該第2の光導波路の当該三角形断面の当該頂点を含まない辺と平行であり、
    当該リング導波路及び第1の光導波路の当該三角形断面の、互いに向き合う頂点以外の、線対称関係で互いに対向する1つの頂角の角度が、それぞれ実質的に直角であり、
    当該リング導波路及び第2の光導波路の当該三角形断面の、互いに向き合う頂点以外の、線対称関係で互いに対向する1つの頂角の角度が、それぞれ実質的に直角である
    ことを特徴とする光アドドロップ多重装置。
  4. 当該第1の光導波路(44)が光軸方向の所定範囲内で当該リング導波路(42)と部分的に重なり合い、
    当該第2の光導波路(46)が光軸方向の所定範囲内で当該リング導波路(42)と部分的に重なり合う
    ことを特徴とする請求項3に記載の光アドドロップ多重装置。
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