JP4228771B2 - 自動車用遮熱放熱構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車用の車室内の温度環境を改善することを目的としており、特に、炎天下における駐車車両内にこもる熱の除去を目的とした自動車の車体断熱システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
炎天下環境において駐車される自動車の室内は周知のごとく非常な高温になり、日本国内の夏期環境の測定例では室内空気温度としては約70℃近くに達する。こうした状況の不快さは言うまでもなく、その改善が強く望まれている。従来このような炎天下駐車の問題点に関し、特許文献1に記載のように太陽電池などを用いて換気を行う方法や、特許文献2に記載のように遮光シェードを配設して通気経路を設ける遮光換気構造などが提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平9-295509号公報。
【0004】
【特許文献2】
特開2002-331822号公報。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1,2に記載の提案は、新たな大掛かりな装置を車両に搭載する必要から、装置の装着方法や車両スタイルの視点から現実味が乏しく、また重量増やコスト増の面でも実用に繋がりにくいものとなっている。
【0006】
また、本発明者らが以前提案した特許文献2に記載の技術では、室温低減効果は見られるが、遮光シェードとの空間に滞留した熱気を機械的に排気換気する為、構成が複雑になり、かつ、天井を一般的な断熱材のみで覆っているために時間経過とともに室内側への熱侵入を防ぎきれない。
【0007】
また、シェードのみの構成においても、窓ガラスからの太陽光侵入を防ぐことで車室内温度を低減することは可能であるが、天井温度と室内温度の差異が大きくなるため、天井からの熱侵入が増大しシェードの効果が半減することになる。
【0008】
また、一般に用いられている遮光シェードを設置した場合、時間とともにシェードと窓ガラスの間に高温空気が滞留し、室内側に流れ出すことで室内温度の上昇を起こすこととなる。
【0009】
我々はこうした現状を踏まえ改めて炎天下駐車時の熱の出入りを解析し、窓ガラスを通して車室内へ入射した日射エネルギーは、主に日射を受けない側の窓や車体を通して対流熱伝達により放熱されることを見出し、本発明の着想を得た。また、これまでに提案された車体構造等は、窓などに日射を受けた際、輻射熱の影響が大きく、車室内側への熱放射を伴ない、実質的な効果が小さくなっていたことが考えられる。本発明者らは、以上のような問題点を鑑み、本発明に至った。
【0010】
本発明の目的としては、現在の車両の基本スタイルや製造工程を大きく変えることなく実現できる現実性に配慮した上で、車体の断熱効果を高めるとともに輻射熱までも遮ることで、炎天下に放置された際の車室内の温熱環境を改善することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、窓ガラスの内側に遮光シェードを配設することで形成された第1空間と、ルーフ外板と天井材で挟まれることで形成された第2空間と、前記第1空間と前記第2空間を連結することで形成され、前記第1空間と前記第2空間との空気を通気可能な通気流路と、を備えた自動車用遮熱放熱構造において、前記天井材の前記通気流路側表面に前記ルーフ外板からの放射入熱を反射する反射材を具備し、前記第1及び第2空間にある空気の熱エネルギーを、前記ルーフ外板から車室外に放出する構造とした。
【0012】
すなわち、第1空間と第2空間の垂直方向の位置関係は、第1空間が低い位置にあり、第2空間が高い位置に存在する。ここで、第2空間は天井材の表面の反射材により温度上昇が激しくなる。よって、第1空間と第2空間によって構成される通気流路に煙突効果を発生させることができる。この煙突効果によって、動力を用いることなく第1空間の空気を第2空間へ移動することが可能となる。第2空間は高温となっているが、車室外の温度は暖められた第2空間よりも低いため、第2空間から車室外へ温度が放熱される。よって、炎天下に放熱された際の車室内の温熱環境を改善することができる。
【0013】
以下、本発明の自動車用遮熱放熱構造について詳細に説明する。
図1は実施例の構成を表す概略図である。窓ガラス即ちフロントガラス及び/またはリアガラス及び/又はサイドガラスの内側には遮光シェード1,2が設置されている(請求項11に対応)。ここで、窓ガラスと遮光シェード1,2に挟まれる空間を第1空間と称し、ルーフ外板5と天井材3に挟まれる空間を第2空間と称する。
【0014】
第1空間の少なくともひとつが第2空間と通気可能に連結された通気流路aが設けられている。尚、通気流路として、ピラー即ちAピラー及び/又はBピラー及び/又はCピラーの内部の空間と通気可能に連結した構成としても良い。通気流路aの構成のうち、1つ以上の構成がなされていれば、その他に関しては、任意に組み合わせて構成しても構わない。
【0015】
天井材3の通気流路側表面には反射材4が設置されている(請求項1に対応)。一方、反射材4の天井材3側に繊維集合体及び/又は発泡層からなる断熱層が形成され、反射材4は積層構造とされている(請求項6に対応)。なお、断熱層に関しては任意に組み合わせて構成してもかまわない。
【0016】
上述の構成によって、通気流路aは、車室内と断熱隔壁化された断熱換気経路として機能するように構成される。
【0017】
次に、上述の構成における作用について説明する。
一般に、ガラスをシェードにて遮蔽すると、車室内温度が低下するが、天井温度と室内温度の差が大きくなり、天井からの侵入熱が増大する。そのため、シェードによる遮蔽効果が低下し、所望の室温低減効果が得られなくなる。また、シェード−窓ガラス間の空間に滞留する高温空気を天井側通気路に誘導するためには自然対流のみの場合、空間内の温度が非常に高くなる必要があるため、シェードを介した熱伝導−対流熱伝達により車室内へ熱が流れ込んでしまい、シェードの効果を低減してしまう問題がある。
【0018】
しかしながら、本発明に構成においては、上述の如く、反射材4を表面に持つシェードを、空間を介して車室内に設置し、その空間をルーフ外板5と反射材(好ましくは反射断熱材)ではさまれる空間に連結させ、天井材3のインシュレータとして、反射材4(好ましくは反射断熱材)を用いる構成とすることで解決する事が可能である。本構成により、低いところは温度が低く、高い位置は温度が高くなる構成となり、煙突効果により動力なしでシェード内の高温空気を移動することが可能となる。
【0019】
またルーフ外板5と反射材4の間に通気可能な第2空間が構成されるため、煙突効果によりシェード内の高温空気が天井内に移動し、かつ、天井からの輻射熱を反射材4が効率的に反射し、パネル側に戻されることで対流熱伝達により高温空気からパネル側に熱が放射されるものである。
【0020】
本発明における、前記天井材3表面に配設された反射材4は、通気流路a側に金属箔及び/又は金属蒸着フィルムで構成される反射層を具備し、かつその天井材側に繊維集合体及び/又は発泡層からなる断熱層が形成された積層体であることを特徴とするものである(請求項6に対応)。
【0021】
反射材4としては、反射機能を保持させるためには、材料の表面に赤外反射機能を有する薄板を保持することが好ましい。また、赤外反射機能を有する薄板としては金属箔、金属を蒸着したフィルム、各々単独又はそれらの組合せからなる事を特徴とするものである。これは、反射材4の理想としては赤外反射率70%以上であることが望ましく、材料の入手性、ハンドリングのし易さから見て、赤外線反射機能を有する層が金属蒸着された熱線反射フィルムであることが特に望ましい。
【0022】
本発明で用いられる赤外線反射機能を有する層としては、アルミニウム箔、銅箔、アルミニウム酸化物、銅酸化物を樹脂フィルム表面にスパッタリングすることによって得られる金属蒸着フィルム、透明な樹脂層を付着させたアルミニウム箔、透明な樹脂層を付着させた銅箔、アルミニウムを付着させた樹脂フィルム、反射塗料を塗布した樹脂フィルム、反射材及び又は白色顔料を混ぜ込んだ樹脂フィルム、アルミニウム酸化物、銅酸化物をポリエステル若しくはポリエステル繊維で構成された不織布にスパッタリングすることによって得られる金属蒸着フィルムを用いることができるが特に限定はしない。
【0023】
反射材4にアルミニウム箔、銅箔、透明な樹脂層を付着させたアルミニウム箔、透明な樹脂層を付着させた銅箔を用いる場合、その厚みは1μmから1000μm、特に5μmから50μmが好適であるがここでは特に限定しない。
【0024】
反射材料にアルミニウム蒸着樹脂フィルム、反射塗料を塗布した樹脂フィルム、反射材及び又は白色顔料を混ぜ込んだ樹脂フィルムのいずれかを用いる場合、アルミニウム、反射塗料の無い面からの熱線が樹脂フィルムに吸収されにくいように、樹脂は可視から赤外領域において平均透過率が70%以上であれば良い。また、その種類は特に限定されないが、耐熱性・柔軟性などを考慮してポリエステルやポリエチレンなどが好適である。樹脂フィルムの厚みは5μmから100μmとするのが取り扱いに好適である。アルミニウムを付着させる厚みは、5nmから100μmの範囲にあることが望ましい。
【0025】
反射塗料としてはアルミニウム鱗片を主成分として含むものを使用できる。その塗布厚みは、樹脂に付着させたアルミニウムと同様に、その厚みは10nmから100μmとするのが好適である。樹脂に混ぜ込む反射材及び白色顔料としては前記のアルミニウム鱗片やチタニア微粒子やチタニアを表面に付着させたマイカ粉末などである。含有量としては0.001から0.2重量%である。0.001重量%以下では透過率が高く、0.2重量%以上混ぜ込んでも熱線反射効果が飽和状態になるからである。
【0026】
また、前記反射材4及び反射層はASTM C 1371−98に基づく測定方法で求めた放射率が0.4以下であることが望ましい(請求項7)。
これは、反射層として外板から放射された熱線を反射することで空間内の温度上昇を減らす機能を持つため、反射率が著しく低い場合は、その効果が発揮されず、従来の内装内部と何ら変わらない状態となる。そのため、本発明においてはその放射率が0.4以下の反射材、好ましくは0.2以下の反射材であることが好ましい 。
本発明において、前記遮熱放熱構造での、ルーフ外板5と反射材4で構成される第2空間がルーフ外板5の全体面積に対して20%以上の部位において空間を具備することを特徴としている(請求項4に対応)。
【0027】
これは、通気流路aとしての機能を果たすためには20%以上の空間が必要であるとともに、ルーフ外板5からの輻射熱を反射する機能を有する反射断熱材が機能を十分に発揮するためには全体面積のうち、20%以上の空間を確保する必要があるためである。20%以下の場合、接触した天井基材と外板パネル間で熱伝導が支配的となり、熱伝導による室内への熱侵入量が増大するためである。
【0028】
また、第2空間としては、空間の一部または全部が10mm以上の間隔を持つ空間であることを特徴とするものである(請求項5に対応)。
【0029】
すなわち、空間内で対流熱伝達を起こすことで、シェードと窓ガラスで構成された空間内に滞留された高温空気を天井空間に誘導し、シェードによって作られた空間内の熱を、天井を放熱部位として放出することが可能となるために、好ましくは外板パネルと反射材で構成される空間の間隔が10mm以上望ましくは15mm以上であることがより好ましい。10mm以下においても同様な効果は見られるものの外板パネルと反射材で構成される空間の温度上昇効果が小さくなるため煙突効果が小さくなる。
【0030】
前記遮光シェードにおいて、窓側表面に反射層を具備することを特徴としている(請求項9に対応)。
【0031】
これは、遮光シェード1,2表面に反射層を設けることで、シェード自体が熱保持することを防ぐとともに、車室内側への熱エネルギー侵入を最小限にとどめるため非常に重要なものである。この場合、最も効率的な反射素材としては日射反射率60%以上であることが望ましいが、特に限定はしない。
【0032】
同時に、前記遮光シェードにおいて、車室内側に断熱層を具備することがより望ましい(請求項10に対応)。
【0033】
車室内側に断熱層を設けない場合、遮光シェードが日射により熱エネルギーを保持し、室内キャビン側へ輻射熱を放射し、室内温度上昇を招くため、遮光シェードが断熱層構造を持つことによって、より室内側への熱侵入を防ぐことが可能となるが、必要要件ではなく、その構成は特に限定されない。同様にルーフ外板と内装との間で形成される通気経路において、室内側壁面が断熱材で構成されること、ピラー即ちAピラー及び/又はBピラー及び/又はCピラーの内部の空間により形成される通気流路において、室内側壁面が断熱材で構成されることも同じ理由においてである。この場合、それぞれが具備する断熱層を構成する材料としては熱伝導率が0.1W/mK以下の断熱材料を用いることが望ましいが、特に限定はしない。
【0034】
本発明における、断熱層としては、ポリエステル繊維不織布、ポリプロピレン繊維不織布、フェノールレジン含有フェルト、ポリウレタン発泡体、ポリエチレン発泡体、ポリプロピレン発泡体、の何れか一種類以上を含む構成であることを特徴としている(請求項8に対応)。
【0035】
本断熱層は、通気流路内に滞留した高温空気が保持する熱が室内側に熱伝導しないようにするものであり、熱伝導率が0.1W/mK以下の断熱材料を用いることが望ましいため、その構成する材料として、ポリエステル繊維不織布、ポリプロピレン繊維不織布、フェノールレジン含有フェルト、ポリウレタン発泡体、ポリエチレン発泡体、ポリプロピレン発泡体、の何れか一種類以上を含む構成であることが望ましい。特に望ましくは、その設置する容積が小さく、断熱効果が大きい、ポリエステル若しくは又はポリプロピレン樹脂で作製されるメルトブロー繊維等のような、繊維径が非常に細いものから構成された不織布などが好適であるが、特には限定しない。
【0036】
本発明においては、これまで上述した構成において大きな効果が得られることが、本発明者らの検証でわかってきた。すなわち本発明における構成をとることで所望の効果が得られる。具体的には、図1に示す本発明の概略構成に沿って示すが、本構成は、反射材を表面に持つシェード1,2を第1空間を介して車室内に設置し、その第1空間をルーフ外板5と反射材4(好ましくは反射断熱材)ではさまれる空間に連結させ、天井材3のインシュレータとして、反射材4(好ましくは反射断熱材)を用いる構成となっている。本構成により、ルーフ外板5からの放射入熱を反射層によって多重反射することにより、第2空間温度が上昇し、煙突効果によりシェードで作られた第1空間内の空気が上部に引き上げられ、更にルーフ外板5が加熱されることとなる。ルーフ外板5が加熱されることで、外気温度との差が大きくなりルーフ外板5が入熱部位としての役割だけでなく、同時に放熱部としての役割を担い、空間内に滞留した熱エネルギーをルーフ外板5を介して放熱される事となる。
【0037】
前述の煙突効果については、以下の要件が必要と考えられる。
(1)位置の高いところの温度が高く、低いところが温度が低くなるような連通構造を持つこと(部位の高低差が必要)。
(2)熱エネルギーを輸送する手段が空気であること。
(3)放熱空間として、10mm以上の空間があること(反射材と外板で設けられる空間の一部または全部)。
【0038】
また、必要要件ではないが、室内温度低減の効果をより大きくするためには、内装トリム側が断熱されていることがあげられる。上記、要件については、本発明に構成によって、初めて全てを満たすものであり、本発明の目的とする炎天下における室内温度低減効果を得られるものとなる。
【0039】
【実施例】
以下、本発明を、実施例及び比較例を図面により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0040】
【実施例1】
図1は、本発明の実施例に関わる、自動車用遮熱放熱構造の説明図である。図1は、車体を側面から見て縦断面した図で、前後のウインドシールド、遮光シェード、通気流路、屋根の構造を示す。図1に示すようにフロントガラス及びリアガラスの内側に遮光シェード1及び2を設け、それぞれ窓ガラスと二重構造(第1空間)になるように配置してある。また、遮光シェード1及び2、天井内装材3で一連の通気流路が構成され、二重構造で構成された第1及び第2空間にある空気の熱エネルギーをルーフ外板5から放出できる構成となっている。なお、本構成における通気流路をaで示した。
【0041】
本構成における天井材3及び遮光シェード1及び2は、断熱構造となっており車室内側への輻射熱侵入も同時に防止する構造となっている。
【0042】
また、天井材3上部には、上述した断熱構造とするために繊維系断熱材(住友3M製:シンサレート、面密度200g/m2)を用い、更にはその上部に反射層として金属蒸着した樹脂フィルム(ユニチカ(株)製:エンブレンMP-25)を断熱材に接着し、配設した。その際反射層と外板パネル空間の距離は10mmとした車両を用意した。
【0043】
【実施例2】
本実施例の構造を用い、ルーフ外板5と反射材4で形成された第2空間の距離を20mmとした車両を用意した。
【0044】
【実施例3】
本実施例の構造を用い、ルーフ外板5と反射材4で形成された第2空間の距離を10mmとし、天井の断熱材なしとした車両を用意した。
【0045】
【比較例1】
本実施例の構造と異なり、遮光シェードを用いない構造での通常の車両を用意した。
【0046】
【比較例2】
本実施例の構造を用い、ルーフ外板5と反射材4で形成された第2空間をなしとした車両を用意した。
【0047】
【比較例3】
本実施例の構成を用い、ルーフ外板5と反射材4で形成された第2空間の距離を5mmとした車両を用意した。
【0048】
(比較方法)
35℃の外気条件の下、午前10時より3時間放置した後の車室内温度及び天井外板の表面温度の比較実験を行った結果を表1に示す。
【表1】
表1から分かるように、ルーフ外板5の温度は比較例1,2,3に比べ実施例1,2,3の温度は非常に高いが、実施例1,2,3の車室内中央部の温度は、各比較例1,2,3に比べ十分低いことが分かる。すなわち、煙突効果により車室内温度が十分に低減されている。
【0049】
また、本結果に基づいた第2空間の距離による室内中央温度の変化について図2に示す。図2に示すように、第2空間の距離は10mm以上確保されていれば、対流熱伝導が機能することが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に関わる、自動車用遮熱放熱構造の説明図である。
【図2】第1実施例の天井上部空間の距離による室内中央温度の変化を示す図である。
【符号の説明】
Claims (11)
- 窓ガラスの内側に遮光シェードを配設することで形成された第1空間と、
ルーフ外板と天井材で挟まれることで形成された第2空間と、
前記第1空間と前記第2空間を連結することで形成され、前記第1空間と前記第2空間との空気を通気可能な通気流路と、
を備えた自動車用遮熱放熱構造において、
前記天井材の前記通気流路側表面に前記ルーフ外板からの放射入熱を反射する反射材を具備し、前記第1及び第2空間にある空気の熱エネルギーを、前記ルーフ外板から車室外に放出する構造とした
ことを特徴とする自動車用遮熱放熱構造。 - 請求項1に記載の自動車用遮熱放熱構造において、
前記第2空間は前記第1空間よりも高い位置にあり、
炎天下における所定時間経過後の前記第2空間内の温度が前記第1空間内の温度より高くなる構造とした
ことを特徴とする自動車用遮熱放熱構造。 - 請求項1または2に記載の自動車用遮熱放熱構造において、
前記第1空間から前記第2空間へ熱エネルギーを輸送し、その輸送手段が空気である
ことを特徴とする自動車用遮熱放熱構造。 - 請求項1ないし3いずれか1つに記載の自動車用遮熱放熱構造において、
前記第2空間は、前記ルーフ外板の全体面積に対して20%以上の部位において具備されることを特徴とする自動車用遮熱放熱構造。 - 請求項1ないし4いずれか1つに記載の自動車用遮熱放熱構造において、
前記第2空間の一部または全部が、前記ルーフ外板と前記天井材との間に10mm以上の間隔を持つ空間であることを特徴とする自動車用遮熱放熱構造。 - 請求項1ないし5いずれか1つに記載の自動車用遮熱放熱構造において、
前記反射材は、前記通気流路側に金属箔、金属蒸着フィルムの何れか一種類以上で構成される第2空間用反射層を具備し、かつ、その天井材側に繊維集合体、発泡層の何れか一種類以上からなる第2空間用断熱層が形成された積層体であることを特徴とする自動車用遮熱放熱構造。 - 請求項6に記載の自動車用遮熱放熱構造において、
前記第2空間用反射層は、ASTM C 1371−98に基づく測定方法で求めた放射率が0.4以下であることを特徴とする自動車用遮熱放熱構造。 - 請求項6または7に記載の自動車用遮熱放熱構造において、
前記第2空間用断熱層としては、ポリエステル繊維不織布、ポリプロピレン繊維不織布、フェノールレジン含有フェルト、ポリウレタン発泡体、ポリエチレン発泡体、ポリプロピレン発泡体、の何れか一種類以上を含む構成であることを特徴とする自動車用遮熱放熱構造。 - 請求項1ないし8いずれか1つに記載の自動車用遮熱放熱構造において、
前記遮光シェードの窓側(第1空間側)に、第1空間用反射層を具備することを特徴とする自動車用遮熱放熱構造。 - 請求項1ないし9いずれか1つに記載の自動車用遮熱放熱構造において、
前記遮光シェードの車室内側に、第1空間用断熱層を具備することを特徴とする自動車用遮熱放熱構造。 - 請求項1ないし10いずれか1つに記載の自動車用遮熱放熱構造において、
前記遮光シェードが配設される窓ガラスが、フロントウインドシールド及びリアウインドシールドであることを特徴とする自動車用遮熱放熱構造。
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