JP4228756B2 - 同軸ケーブルおよびアンテナ装置 - Google Patents

同軸ケーブルおよびアンテナ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、高周波信号を伝送する同軸ケーブルおよびこれを用いたアンテナ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の同軸ケーブルについて図を参照して説明する。
図3(a)は従来の同軸ケーブルの構造を示す斜視図であり、(b)は該同軸ケーブルを軸方向に平行な面で切った部分断面図である。
【0003】
一般に、従来の同軸ケーブル1は図3に示すように、所定の径を有する導電性材料からなる内導体2と、該内導体2の軸方向に平行な外面(円周面)に所定の厚みで形成された誘電体材料からなる誘電体層3と、該誘電体層3の前記軸方向に平行な外面を覆う導電性材料からなる外導体4と、該外導体4の表面を覆う絶縁性材料からなる絶縁層5とから構成されている。
【0004】
高周波信号は、同軸ケーブル1の内導体2、誘電体層3、および外導体4からなる空間に伝送される。ここで、例えば、外導体4を接地することにより、同軸ケーブルの外部からのノイズが遮断されるので、高いS/N比を保って高周波信号を伝送することができる。このため、同軸ケーブルは高周波信号の伝送線路として多く用いられている。
【0005】
ところで、高周波信号における伝送損失等の伝送特性は、伝送線路の特性インピーダンスに依存する。すなわち、伝送線路の前後に繋がる回路のインピーダンスと伝送線路の特性インピーダンスが同一でない、または整合されていないと、接合部での反射が大きく、伝送損失が大きくなる。
【0006】
ここで、同軸ケーブルの特性インピーダンスZ0 は次式により表される。
0 =377/(2π√εr )ln(D/d)
εr は誘電体層3の比誘電率、Dは外導体4の内径、dは内導体2の径(外径)である。
【0007】
このような同軸ケーブルにおいて、各構成部材の寸法を変更せずに特性インピーダンスを変更するには、誘電体層の比誘電率を変更しなければならない。
【0008】
ところで、例えば、ループアンテナと高周波回路とを同軸ケーブルを介して接続するときに、ループアンテナの入力インピーダンスと異なる出力インピーダンスを有する高周波回路に接続する場合、同軸ケーブルの特性インピーダンスをループアンテナの入力インピーダンスに合わせると、同軸ケーブルと高周波回路との間の反射が大きくなり伝送損失が大きくなる。
【0009】
一方、同軸ケーブルの特性インピーダンスを高周波回路の出力インピーダンスに合わせると、同軸ケーブルとアンテナとの間の反射が大きくなり伝送損失が大きくなる。
【0010】
この問題を解決するため、図4に示すように微小ループアンテナ10を一端に形成し、アンテナのインピーダンスと同じ特性インピーダンスを有する同軸ケーブル1aに整合回路11を接続し、該整合回路11に同軸ケーブル1aと異なり、高周波回路の特性インピーダンスと同じ特性インピーダンスを有する同軸ケーブル1bを接続するアンテナ装置がある。
【0011】
このような構成とすることで、アンテナ10と同軸ケーブル1a、同軸ケーブル1bとこれに接続する高周波回路は、それぞれ特性インピーダンスが一致し、同軸ケーブル1a,1b間では整合回路11でインピーダンス整合が行われるため、低損失で高周波信号を伝送することができる。このような整合回路としては各種の整合回路が実用化されており、整合用コンデンサとPINダイオードとを備えた整合回路を、アンテナに接続された同軸ケーブルとレシーバに接続された同軸ケーブルとの間に挿入して、インピーダンス整合を行う装置が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0012】
【特許文献1】
特表2000−509296公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような従来の同軸ケーブルを用いたアンテナ装置では、次に示す解決すべき課題が存在した。
【0014】
すなわち、従来の同軸ケーブルは、上述の通り単一の誘電体を用いて形成されているため、アンテナのインピーダンスとは異なる特性インピーダンスを有する高周波回路を接続する場合、上述のように整合回路を挿入しなければ伝送損失が大きくなってしまう。また、上述のように整合回路を用いた場合には、整合回路分だけ装置が大きくなる。また、整合回路内においても伝送損失は生じるので、この分だけ伝送特性が劣化する。また、整合回路を挿入したとしても、アンテナのインピーダンスと高周波回路の特性インピーダンスの差が大きければ整合回路は複雑になる。このため、整合回路での伝送損失が大きくなり、これに応じて装置全体の伝送損失が増加する。さらに、整合回路を形成することにより、アンテナ装置が大きくなり、アンテナ一体型の同軸ケーブルを形成することが困難となる。
【0015】
このような問題を解決する同軸ケーブルとして、図5に示すように軸方向に対して誘電率の異なる二種類の誘電体を用いて誘電体層を形成した同軸ケーブルが考えられる。この同軸ケーブル1は、一方の端部から所定長まで比誘電率εr1の第1の誘電体で誘電体層3aを形成し、他方の端部から誘電体層3aまで比誘電率εr2(≠εr1)の第2に誘電体で誘電体層3bを形成している。そして、誘電体層3aと誘電体層3bとを、軸方向に対して垂直な接合面で接合している。
【0016】
このような同軸ケーブルを特性インピーダンスの異なる二つの高周波回路間に接続した場合、第1の誘電体の比誘電率εr1を誘電体層3a側の端部に接続される高周波回路の特性インピーダンスに整合する特性インピーダンスとなる比誘電率にし、第2の誘電体の比誘電率εr2を誘電体層3b側の端部に接続される高周波回路の特性インピーダンスに整合する特性インピーダンスとなる比誘電率にすることで、同軸ケーブルに接続する各高周波回路と同軸ケーブルとのインピーダンス整合を行うことができる。
【0017】
しかしながら、第1の誘電体と第2の誘電体とは誘電率が異なるので、同軸ケーブルにおける誘電体層3aからなる部分100aと誘電体層3bからなる部分100bとでは特性インピーダンスが異なるため、2つの誘電体層3a,3bの接合面51が特性インピーダンスの不連続面となり、反射が生じて伝送損失が大きくなる。
【0018】
この発明の目的は、特性インピーダンスの異なる高周波回路間でも低損失で高周波信号を伝送する同軸ケーブルと、これを用いた低損失のアンテナ装置を構成することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
この発明は、信号伝送方向を軸方向とする内導体と、自らの内面および外面がそれぞれ前記軸方向に一定の径で形成され前記内面が前記内導体の軸方向に平行な外面に接する誘電体と、該誘電体の軸方向に平行な外面を覆う外導体とからなり、異なるインピーダンス間に接続される同軸ケーブルにおいて、前記誘電体層は、前記軸方向の一方端部が第一の誘電体からなり前記軸方向の他方端部が前記第一の誘電体とは誘電率が異なる第二の誘電体からなり、前記第一の誘電体と前記第二の誘電体との接する接合面は前記軸方向に対して非垂直かつ非平行にすることを特徴としている。
【0020】
この構成では、同軸ケーブルの一方の端部から接合面までの特性インピーダンスと他方の端部から接合面までの特性インピーダンスとを異ならせることができる。このため、この同軸ケーブルの両端部に特性インピーダンスの異なる二つの高周波回路を接続しても、これらの高周波回路と同軸ケーブルとの接続部における反射損失が低減される。さらに、接合面を軸方向に先細り形状をなす略円錐台側面形状にすることにより、同軸ケーブルにおける特性インピーダンスの異なる二つの部分において、軸方向に所定寸法に亘って分布する接合面で連続的にインピーダンス整合されるので、これら二つの部分間での反射損失が低減される。
【0021】
また、この発明は、上述の同軸ケーブルの一方の端部にアンテナを形成してアンテナ装置を構成することを特徴としている。
【0022】
この構成では、同軸ケーブルの一方の端部に、ループアンテナやダイポールアンテナを形成し、同軸ケーブルにおけるこれらアンテナに接続する側の部分の誘電体層の誘電率を、アンテナのインピーダンスに整合する特性インピーダンスが得られるように設定する。そして、アンテナが形成されていない側の端部から接合面までの部分の誘電体層の誘電率を、この端部に接続する高周波回路の特性インピーダンスに整合する特性インピーダンスが得られるように設定する。これにより、高周波回路から同軸ケーブルを介しアンテナに伝送する高周波信号、およびアンテナから同軸ケーブルを介して高周波回路に伝送する高周波信号が、アンテナと同軸ケーブル、高周波回路と同軸ケーブル、および同軸ケーブル内の接合面において低反射で伝送される。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施形態に係る同軸ケーブルについて各図を参照して説明する。
図1(a)は本実施形態に係る同軸ケーブルの構造を示す斜視図であり、(b)は該同軸ケーブルを軸方向に平行な面で切った断面図である。
【0024】
図1に示すように、同軸ケーブル1は、所定の径を有する導電性材料からなる内導体2と、該内導体2の軸方向に平行な外面(円周面)に所定の厚みで形成された誘電体材料からなる誘電体層3a,3bと、該誘電体層3a,3bの前記軸方向に平行な外面を覆う導電性材料からなる外導体4と、該外導体4の表面を覆う絶縁性材料からなる絶縁層5とから構成されている。
【0025】
誘電体層3a,3bはそれぞれ異なる比誘電率εr1,εr2を有しており、同軸ケーブル1の一方の端部から接合面50まで誘電体層3aが形成されており、この接合面50から同軸ケーブル1の他方の端部まで誘電体層3bが形成されている。また、接合面50は、同軸ケーブル1の軸方向に先細り形状をなす円錐台側面形状に形成されており、接合面50と軸方向とは垂直でない所定の角度を有する。このような形状に接合面50が形成されることで、接合面50付近では、誘電体層3bと誘電体層3aとの2層からなる誘電体層が形成される。この接合面付近の誘電体層は、誘電体層3a側から徐々に誘電体層3aの厚みが薄くなっていくとともに、誘電体層3bの厚みが厚くなっていき、誘電体層3bのみの層となる構造である。
【0026】
このように、同軸ケーブル1は、誘電体層3aを備える部分100aと誘電体層3bを備える部分100bとを軸方向に接合した構成を備える。
【0027】
次に、上述の同軸ケーブル1の形成方法について説明する。
内導体2となる一定の径を有する銅等の金属ワイヤの円周面に、第1の誘電率εr1を有するポリテトラフルオロエチレン等の第1の誘電体材料を用いて誘電体層3aを全体に形成する。そして、軸方向の所定位置において、誘電体層3aを、除去した端部が略円錐台形状となるように除去する。
【0028】
次に、部分的に誘電体層3aが形成されている金属ワイヤ(内導体2)の露出した円周面に、第1の誘電体材料の比誘電率εr1とは異なる比誘電率εr2を有する第2の誘電体材料を、誘電体層3aと同じ厚みで形成する。
【0029】
ここで、第2の誘電体材料としては、例えば第1の誘電体材料として用いたポリテトラフルオロエチレンに、これよりも誘電率の高いセラミック材料を添加して誘電率を高くしたもの等を用いる。
【0030】
これにより、円周面全体に誘電体層3a,3bを形成した金属ワイヤ(内導体2)を得る。
【0031】
次に、誘電体層3a,3bの外面(円周面)を銅等の導電体で覆うことにより外導体4を形成する。そして、外導体4の表面を絶縁性材料で覆い絶縁層5を形成することで、同軸ケーブル1を形成する。
【0032】
このような同軸ケーブル1において、接合面50の軸方向の長さg、すなわち誘電体層3aと誘電体層3bとがともに形成されている部分の長さをパラメータに伝送特性を測定した結果を次に示す。
【0033】
なお、この測定に用いた高周波信号の周波数は2.4GHzであり、外導体4の内径Dは1.0mm、内導体2の径dは0.3mmとし、誘電体層3aを比誘電率εr1が2.1の誘電体で形成し、誘電体層3bを比誘電率εr2が32の誘電体で形成した。これにより、同軸ケーブル1の100a部の特性インピーダンスは50Ωとなり、同軸ケーブル1の100b部は特性インピーダンスは12.8Ωとなる。
【0034】
この設定で、接合面50の軸方向の長さgを4mm,5mm,6mm,8mm,9mmとし、それぞれの場合において同軸ケーブル1のSパラメータを測定した。また、参照条件として、接合面が軸方向に垂直である従来例、すなわち、g=0mmの場合についてもSパラメータを測定した。
この結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
Figure 0004228756
【0036】
表1に示すように、従来の同軸ケーブル(g=0mm)では、入力側のS11および出力側のS22すなわち反射特性が−2.28dBであるため、接合面で大きく伝送信号が反射する。このため、伝送特性S12およびS21は−3.89dBとなり、伝送損失が大きい。
【0037】
一方、本発明の実施形態のように、接合面を円錐台側面形状に形成することにより、例えば、接合面の軸方向の長さgが4mmである場合でも、反射特性S11およびS22を−5.67dBまで低減させることができる。これにより伝送特性S12およびS21は−1.37dBまで改善することができる。これは、接合面付近で誘電体層を誘電体層3aから誘電体層3bに、または、誘電体層3bから誘電体層3aに徐々に変化させた構造とすることにより、軸方向の所定長さgに亘り信号反射面が分布するため、特性インピーダンスが連続的に漸次変化するので、全体として反射が低減される。これにより、接合面はインピーダンス整合回路として作用し、高周波信号が低反射、低損失で伝送される。
【0038】
また、表1に示すように、円錐形状の接合面の軸方向の長さをさらに長くすることにより、反射特性および伝送特性はさらに改善され、軸方向の長さgが9mmの場合には、反射特性S11,S22は−7.17dBまで低減され、伝送特性S12、S21は−0.928dBまで改善される。すなわち、従来例に示した接合面が軸方向に垂直な場合と比較して、約3dBも伝送特性を改善することができる。
【0039】
このような構成の同軸ケーブルにおいて、誘電体層の比誘電率の異なる各部分の特性インピーダンスを同軸ケーブルの両端に接続される高周波回路の特性インピーダンスに合わせることにより、単一の同軸ケーブルで特性インピーダンスの異なる高周波回路同士を接続しても、低反射、低損失で高周波信号を伝送することができる。すなわち、整合回路を挿入することなく、特性インピーダンスが異なる二つの高周波回路間で低損失に高周波信号を伝送することができる。
【0040】
なお、本実施形態では、先に比誘電率の低い誘電体を形成し、後に比誘電率の高い誘電体を形成したが、先に比誘電率の高い誘電体を形成し、後に比誘電率の低い誘電体を形成してもよい。
また、本実施形態では、金属ワイヤの全面に第1の誘電体を形成した後、部分的に削除して第2の誘電体を形成したが、第1の誘電体を端部が円錐台形状となるように金属ワイヤへ部分的に形成した後に、残る露出部に第2の誘電体を形成してもよい。
【0041】
また、本実施形態では、外導体の外面に絶縁層を設けたが、絶縁層を設けない構造の同軸ケーブルについても上述の効果を適用することができる。
【0042】
次に、第2の実施形態に係るアンテナ装置について図を参照して説明する。
図2は本実施形態に係るアンテナ装置の概念図であり、1は同軸ケーブル、10はループアンテナ、12は高周波回路である。
【0043】
同軸ケーブル1は、第1の実施形態に示した同軸ケーブルと同じ構成であり、第1の誘電体からなる誘電体層3aを備える部分100aと第2の誘電体からなる誘電体層3bを備える部分100bとから構成されている。この同軸ケーブル1の100a部の端部には、内導体2および外導体4に導通する所定の内径を有するループアンテナ10が接続されており、同軸ケーブル1の100b部の端部に高周波回路12が接続されている。
【0044】
ところで、高周波回路12は、一般に特性インピーダンス50Ωで形成されているが、ループアンテナ10は、その形状が微小であるためインピーダンスが50Ωとならない場合がある。
【0045】
このため、同軸ケーブル1の100b部の特性インピーダンスを50Ωとするように誘電体層3bの比誘電率εr2を設定し、同軸ケーブル1の100a部の特性インピーダンスをループアンテナのインピーダンスに一致するように誘電体層3aの比誘電率εr1を設定する。これにより、同軸ケーブル1とループアンテナ10および、同軸ケーブル1と高周波回路12とで低反射、低損失に高周波信号を伝送することができる。
【0046】
また、同軸ケーブル1の100a部と100b部とは、第1の実施形態に示したように誘電体層3a,3bの接合面50が、同軸ケーブル1の軸方向に対して垂直ではない所定の角度をなすように円錐台側面形状に形成されているので、同軸ケーブル1の100a部と100b部との間でも低反射、低損失で高周波信号を伝送することができる。
【0047】
また、同軸ケーブルの誘電体層をポリテトラフルオロエチレン等の樹脂によって形成したが、誘電体層をセラミック等の誘電体で形成してもよい。
【0048】
このようなアンテナ装置では、高周波回路12で生成された高周波信号は同軸ケーブル1を介してループアンテナ10に伝送され、ループアンテナ10でこの発信信号が空気中に放射される。一方、ループアンテナ10で受信した高周波信号は、同軸ケーブル1を介して高周波回路12に伝送され、高周波回路12で所定の信号処理が為される。
【0049】
このような構成とすることにより、低反射、低損失特性を有する同軸ケーブル一体型のアンテナ装置を形成することができる。
【0050】
なお、本実施形態では、ループアンテナを例に説明したが、ダイポールアンテナやモノポールアンテナ等のアンテナについても上述の構成を適用することができる。
【0051】
また、アンテナ装置以外の、インピーダンスの異なる高周波回路を接続した高周波装置を作製する場合にも、この同軸ケーブルを用いることにより、簡単に高周波装置を作製することができる。
【0052】
【発明の効果】
この発明によれば、異なる誘電率を有する複数の誘電体を軸方向に接合して内導体表面に誘電体層を形成することで、同軸ケーブルの一方の端部から誘電体層の接合面までの特性インピーダンスと他方の端部から誘電体層の接合面までの特性インピーダンスとを異ならせることができる。これにより、この同軸ケーブルの両端に接続する高周波回路の特性インピーダンスに同軸ケーブルの誘電率が異なる各部分の特性インピーダンスを一致させることで、この同軸ケーブルの両端部に特性インピーダンスの異なる二つの高周波回路を接続しても、これら高周波回路と同軸ケーブルとの接続部における反射損失を低減させることができる。さらに、接合面が軸方向に対して垂直でないことにより、同軸ケーブルにおける特性インピーダンスの異なる二つの部分の接合面でインピーダンス整合が行われるので、これら二つの部分間での反射損失を低減させることができ、伝送特性を向上させることができる。すなわち、特性インピーダンスの異なる高周波回路間であっても単一の同軸ケーブルで低反射、低損失に高周波信号を伝送することができる。
【0053】
また、この発明によれば、上述の同軸ケーブルの一方の端部にアンテナを形成し、同軸ケーブルにおけるアンテナに接続する側の部分の誘電体層の誘電率を、アンテナのインピーダンスに整合する特性インピーダンスが得られるように設定するとともに、アンテナが形成されていない端部から接合面までの部分の誘電体層の誘電率を、この端部に接続する高周波回路の特性インピーダンスに整合する特性インピーダンスが得られるように設定することにより、高周波回路から同軸ケーブルを介しアンテナに伝送する高周波信号、およびアンテナから同軸ケーブルを介して高周波回路に伝送する高周波信号を低反射、低損失に伝送することができる。これにより、伝送特性に優れる小型の同軸ケーブル一体型アンテナ装置を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る同軸ケーブルの構造を示す斜視図、および該同軸ケーブルを軸方向に平行な面で切った断面図
【図2】第2の実施形態に係るアンテナ装置の概念図
【図3】従来の同軸ケーブルの構造を示す斜視図、および同軸ケーブルを軸方向に平行な面で切った部分断面図
【図4】従来のアンテナ装置のブロック図
【図5】従来の同軸ケーブルの他の構造を示す断面図
【符号の説明】
1,1a,1b−同軸ケーブル
2−内導体
3,3a,3b−誘電体層
4−外導体
5−絶縁層
50,51−接合面
10−ループアンテナ
11−整合回路
12−高周波回路

Claims (3)

  1. 信号伝送方向を軸方向とする内導体と、
    自らの内面および外面がそれぞれ前記軸方向に一定の径で形成され前記内面が前記内導体の前記軸方向に平行な外面に接する誘電体と、
    該誘電体の前記軸方向に平行な外面を覆う外導体とからなり、
    異なるインピーダンス間に接続される同軸ケーブルにおいて、
    前記誘電体層は、前記軸方向の一方端部が第一の誘電体からなり前記軸方向の他方端部が前記第一の誘電体とは誘電率が異なる第二の誘電体からなり、前記第一の誘電体と前記第二の誘電体との接する接合面は前記軸方向に対して非垂直かつ非平行であることを特徴とする同軸ケーブル。
  2. 前記接合面は前記軸方向に先細り形状をなす略円錐台側面形状である請求項1に記載の同軸ケーブル。
  3. 請求項1または請求項2に記載の同軸ケーブルの一方の端部にアンテナを形成したアンテナ装置。
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