JP2011004355A - コプレーナ線路と同軸線路の接続構造およびそれを備えた高周波用パッケージ - Google Patents
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Abstract
【課題】セラミックス製の誘電体基板を用いた際に高周波信号の反射損失の発生を抑制することができるコプレーナ線路と同軸線路の接続構造を提供する。
【解決手段】セラミックス製の誘電体基板3と、この誘電体基板3の下面を被覆する金属板4と、電極ライン5と接地導体6とからなるコプレーナ線路29と、誘電体基板3と金属板4との間に介設されるベタ導体層と、誘電体基板3を貫通するグランドビア7と、導体芯線9と絶縁体11と外部導体13とにより形成される同軸線路8とを有し、同軸線路8の一の端部は、導体芯線9が裸出した状態で誘電体基板3を貫通して電極ライン5に接続され、外周導体13の端部は金属板4に接続され、誘電体基板3は、導体芯線9と電極ライン5の接続部分を中心とする切欠き部14aを備え、導体芯線9の側面の一部は、切欠き部14aに裸出していることを特徴とするコプレーナ線路と同軸線路の接続構造による。
【選択図】図1
【解決手段】セラミックス製の誘電体基板3と、この誘電体基板3の下面を被覆する金属板4と、電極ライン5と接地導体6とからなるコプレーナ線路29と、誘電体基板3と金属板4との間に介設されるベタ導体層と、誘電体基板3を貫通するグランドビア7と、導体芯線9と絶縁体11と外部導体13とにより形成される同軸線路8とを有し、同軸線路8の一の端部は、導体芯線9が裸出した状態で誘電体基板3を貫通して電極ライン5に接続され、外周導体13の端部は金属板4に接続され、誘電体基板3は、導体芯線9と電極ライン5の接続部分を中心とする切欠き部14aを備え、導体芯線9の側面の一部は、切欠き部14aに裸出していることを特徴とするコプレーナ線路と同軸線路の接続構造による。
【選択図】図1
Description
本発明は、樹脂基板に接続されることを前提に設計された同軸コネクタと、セラミックからなる誘電体基板上に形成された高周波伝送線路とを接続した際の高周波信号の反射損失を抑制でき、かつ構造が単純で低コスト化可能なコプレーナ線路と同軸線路の接続構造およびそれを備えた高周波用パッケージに関する。
従来、回路基板には一般にFR−4基板(比誘電率ε=4.6)に代表されるガラス繊維強化エポキシ樹脂基板が用いられてきた。GHz以上の高周波用にも、FR−4、または、この改良材、もしくはフロン樹脂ベースのガラス強化樹脂基板が用いられることが多い。ここに挙げた材質は一般に、FR−4よりも誘電率が低く、高周波伝送には適した材質であり、またセラミックス基板に比べて安価であるという特徴がある。
このような樹脂基板上に形成されたマイクロストリップ線路、コプレーナ線路等の伝送線路に同軸線路を接続するためのさまざまな同軸コネクタが知られている。たとえば、SMAコネクタは20GHz付近まで使用可能な代表的なコネクタであり、導体芯線と導体芯線を囲む絶縁体と絶縁体を囲む外周導体からなる。
従来公知のコネクタはその絶縁体として低損失なフッ素樹脂等を用いており、フッ素樹脂と誘電率が近い樹脂基板に接続された場合に良好な伝送特性が得られる。
これまで、樹脂製の誘電体基板に形成される伝送線路と同軸コネクタとの接続部における高周波信号の伝送損失を低減するための従来技術としては以下のものがある。
このような樹脂基板上に形成されたマイクロストリップ線路、コプレーナ線路等の伝送線路に同軸線路を接続するためのさまざまな同軸コネクタが知られている。たとえば、SMAコネクタは20GHz付近まで使用可能な代表的なコネクタであり、導体芯線と導体芯線を囲む絶縁体と絶縁体を囲む外周導体からなる。
従来公知のコネクタはその絶縁体として低損失なフッ素樹脂等を用いており、フッ素樹脂と誘電率が近い樹脂基板に接続された場合に良好な伝送特性が得られる。
これまで、樹脂製の誘電体基板に形成される伝送線路と同軸コネクタとの接続部における高周波信号の伝送損失を低減するための従来技術としては以下のものがある。
図14(a)は誘電体基板にFR-4基板(樹脂基板)を用いた場合のコプレーナ線路と同軸線路の接続構造の一例を示す部分平面図であり、(b)はその部分概念図である。
図14に示すように、従来のコプレーナ線路と同軸線路の接続構造16は、FR−4基板17上に電極ライン5と、この電極ライン5を両サイドから挟みながら互いに平行に形成される接地導体6とからなるコプレーナ線路29が形成され、電極ライン5の端部には、FR−4基板17を貫通するビア26が形成され、さらに、ビア26の内側面には電極ライン5に接続される導体層28が形成されている。また、FR−4基板17の下面側には、ビア26の周囲を除くほぼ全面にベタ導体層(図示せず)が形成され、このベタ導体層はグランドビア7を介して接地導体6と接続されている。さらに、グランドビア7は、ビア26を囲むように複数配置され、電極ライン5の左右にも複数配置されている。
さらに、FR−4基板17の下面には金属板4が図示しないベタ導体層を介して貼設されている。この金属板4を備えることで、FR−4基板17の機械的強度が向上する。さらに、金属板4には、コネクタ12をネジ止めするためのネジ穴(図示せず)が形成されている。
また、同軸線路8は、導体芯線9と、この導体芯線9を取り囲むフッ素樹脂等の合成樹脂からなる絶縁体11(誘電体)と、外周導体13により構成されている。さらに、この同軸線路8の端部にコネクタ12が取り付けられており、このコネクタ12は、ネジ穴(図示せず)が形成されたフリンジ部27を備えており、このフリンジ部27が図示しないネジにより金属板4に固定されている。
そして、従来のコプレーナ線路と同軸線路の接続構造16においては、電極ライン5と導体芯線9の接続部分近傍において、導体芯線9の周囲に複数のグランドビア7が形成されて擬似同軸線路が構成されることで、同軸線路8との特性インピーダンスが略一定に保たれるようになっている。
さらに、同軸線路8の金属板4に挿入される部分は外周導体13が除去され絶縁体11が裸出した状態となり、さらに、その上方側の,FR−4基板17に形成されるビア26に挿入される部分の同軸線路8は、絶縁体11が除去されて導体芯線9のみとなっている。そして、このような裸出状態の導体芯線9と電極ライン5とは、ビア26の内側面に形成される導体層28を介して接続されており、FR−4基板17の上面側の導体層28の端面と、導体芯線9の端部とは、はんだ10により接合されている。
なお、同軸線路8の外周導体13は、金属製のコネクタ12、及び、金属板4、及び、金属板4と接触する接地用のベタ導体層(図示せず)、及び、グランドビア7を介して接地導体6に接続されている。
このような、図14(a)、(b)に示すようなコプレーナ線路と同軸線路の接続構造16及びそれを用いた高周波用パッケージ15によれば、擬似同軸線路を構成する誘電体(FR−4基板17(樹脂基板))と同軸線路8を構成する絶縁体11(誘電体;フッ素樹脂)の誘電率はほぼ一定になるので、高周波信号をスムースに伝送することができるという効果を有する。
図14に示すように、従来のコプレーナ線路と同軸線路の接続構造16は、FR−4基板17上に電極ライン5と、この電極ライン5を両サイドから挟みながら互いに平行に形成される接地導体6とからなるコプレーナ線路29が形成され、電極ライン5の端部には、FR−4基板17を貫通するビア26が形成され、さらに、ビア26の内側面には電極ライン5に接続される導体層28が形成されている。また、FR−4基板17の下面側には、ビア26の周囲を除くほぼ全面にベタ導体層(図示せず)が形成され、このベタ導体層はグランドビア7を介して接地導体6と接続されている。さらに、グランドビア7は、ビア26を囲むように複数配置され、電極ライン5の左右にも複数配置されている。
さらに、FR−4基板17の下面には金属板4が図示しないベタ導体層を介して貼設されている。この金属板4を備えることで、FR−4基板17の機械的強度が向上する。さらに、金属板4には、コネクタ12をネジ止めするためのネジ穴(図示せず)が形成されている。
また、同軸線路8は、導体芯線9と、この導体芯線9を取り囲むフッ素樹脂等の合成樹脂からなる絶縁体11(誘電体)と、外周導体13により構成されている。さらに、この同軸線路8の端部にコネクタ12が取り付けられており、このコネクタ12は、ネジ穴(図示せず)が形成されたフリンジ部27を備えており、このフリンジ部27が図示しないネジにより金属板4に固定されている。
そして、従来のコプレーナ線路と同軸線路の接続構造16においては、電極ライン5と導体芯線9の接続部分近傍において、導体芯線9の周囲に複数のグランドビア7が形成されて擬似同軸線路が構成されることで、同軸線路8との特性インピーダンスが略一定に保たれるようになっている。
さらに、同軸線路8の金属板4に挿入される部分は外周導体13が除去され絶縁体11が裸出した状態となり、さらに、その上方側の,FR−4基板17に形成されるビア26に挿入される部分の同軸線路8は、絶縁体11が除去されて導体芯線9のみとなっている。そして、このような裸出状態の導体芯線9と電極ライン5とは、ビア26の内側面に形成される導体層28を介して接続されており、FR−4基板17の上面側の導体層28の端面と、導体芯線9の端部とは、はんだ10により接合されている。
なお、同軸線路8の外周導体13は、金属製のコネクタ12、及び、金属板4、及び、金属板4と接触する接地用のベタ導体層(図示せず)、及び、グランドビア7を介して接地導体6に接続されている。
このような、図14(a)、(b)に示すようなコプレーナ線路と同軸線路の接続構造16及びそれを用いた高周波用パッケージ15によれば、擬似同軸線路を構成する誘電体(FR−4基板17(樹脂基板))と同軸線路8を構成する絶縁体11(誘電体;フッ素樹脂)の誘電率はほぼ一定になるので、高周波信号をスムースに伝送することができるという効果を有する。
伝送線路(コプレーナ線路)と同軸コネクタを接続する他の例として、特許文献1には「マイクロストリップ線路と同軸線路との接続構造」という名称で、マイクロ波回路に使用されるマイクロストリップ線路と同軸線路との接続構造に関する発明が開示されている。
特許文献1に開示される発明は、文献中に記載される符号をそのまま用いて説明すると、マイクロストリップ線路と同軸線路との接続構造において、同軸線路の中心導体14aとマイクロストリップ線路の誘電体基板11との間、または中心導体14aと誘電体基板11および導電性基板13の両基板との間に位置する誘電体のうち、中心導体14aと線路導体12側の導電性基板13面とを結ぶ領域の少なくとも一部14cの誘電率を、これと反対側の領域の誘電率より大きくすることを特徴とするものである。
このような特許文献1に開示される発明によれば、伝送変換損失が少ないマイクロストリップ線路と同軸線路との接続構造を提供することができるという効果を有する。
特許文献1に開示される発明は、文献中に記載される符号をそのまま用いて説明すると、マイクロストリップ線路と同軸線路との接続構造において、同軸線路の中心導体14aとマイクロストリップ線路の誘電体基板11との間、または中心導体14aと誘電体基板11および導電性基板13の両基板との間に位置する誘電体のうち、中心導体14aと線路導体12側の導電性基板13面とを結ぶ領域の少なくとも一部14cの誘電率を、これと反対側の領域の誘電率より大きくすることを特徴とするものである。
このような特許文献1に開示される発明によれば、伝送変換損失が少ないマイクロストリップ線路と同軸線路との接続構造を提供することができるという効果を有する。
一般に、アルミナに代表されるセラミックスは、樹脂基板に比べて誘電損失が少なく、高熱伝導率で、耐熱性と耐久性を有しているため、これらの特性が要求される回路基板に適用されている。
しかしながら、図14に示すような従来のコプレーナ線路と同軸線路の接続構造16においては、誘電体基板としてFR−4基板17(樹脂基板)よりも誘電率の高いセラミックス(例えば、アルミナセラミックス)をそのまま用いると、擬似同軸線路を構成する誘電体(セラミックス)と同軸線路8を構成する絶縁体11(誘電体;フッ素樹脂)の誘電率が異なるので、これらの誘電率の違いに起因するインピーダンスの不整合により高周波信号の反射が発生し、効率的に高周波信号を伝送できないという課題があった。
この場合、誘電体基板であるセラミックス基板を貫通する導体芯線9と、この導体芯線9を囲むように形成されるグランドビア7の距離を離すことで(大きくすることで)擬似同軸線路と同軸線路8の特性インピーダンスを略一定に保つことは可能である。
しかしながら、この場合、グランドビア7を導体芯線9から大きく離す必要があるため、このような接続構造を備えた場合、例えば、高周波用パッケージの小型化に不利になる。また、グランドビア7を導体芯線9から離すことは、高周波信号の伝送にも不利になる。さらに、この場合、外周導体13の直径とグランドビア7の直径の差が大きくなり過ぎて伝送特性の面で不利になるという不都合もあった。
しかしながら、図14に示すような従来のコプレーナ線路と同軸線路の接続構造16においては、誘電体基板としてFR−4基板17(樹脂基板)よりも誘電率の高いセラミックス(例えば、アルミナセラミックス)をそのまま用いると、擬似同軸線路を構成する誘電体(セラミックス)と同軸線路8を構成する絶縁体11(誘電体;フッ素樹脂)の誘電率が異なるので、これらの誘電率の違いに起因するインピーダンスの不整合により高周波信号の反射が発生し、効率的に高周波信号を伝送できないという課題があった。
この場合、誘電体基板であるセラミックス基板を貫通する導体芯線9と、この導体芯線9を囲むように形成されるグランドビア7の距離を離すことで(大きくすることで)擬似同軸線路と同軸線路8の特性インピーダンスを略一定に保つことは可能である。
しかしながら、この場合、グランドビア7を導体芯線9から大きく離す必要があるため、このような接続構造を備えた場合、例えば、高周波用パッケージの小型化に不利になる。また、グランドビア7を導体芯線9から離すことは、高周波信号の伝送にも不利になる。さらに、この場合、外周導体13の直径とグランドビア7の直径の差が大きくなり過ぎて伝送特性の面で不利になるという不都合もあった。
特許文献1に開示される発明のような、中心導体を囲む誘電体のうち一部の領域の誘電率を反対側の領域の誘電率より大きくする構造では、誘電体の構造が複雑になるという課題があった。
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものでありその目的は、従来の樹脂製の誘電体基板に接続されることを前提に設計された同軸線路(同軸コネクタ)と、セラミックからなる誘電体基板上に形成される高周波伝送線路(コプレーナ線路)を接続する場合に高周波信号の反射損失を抑制することができ、かつ構造が単純で低コスト化及び量産化が可能なコプレーナ線路と同軸線路の接続構造及びそれを備えた高周波用パッケージを提供することにある。
上記目的を達成するため請求項1記載の発明であるコプレーナ線路と同軸線路の接続構造は、セラミックスからなる誘電体基板と、この誘電体基板の下面を被覆する金属板と、誘電体基板の上面に形成される電極ラインと,この電極ラインを挟んで互いに平行に形成される接地導体と,からなるコプレーナ線路と、誘電体基板と金属板との間に介設されるベタ導体層と、接地導体とベタ導体層を導通すべく誘電体基板を貫通して形成されるグランドビアと、導体芯線とその外側面を被覆する絶縁体とこの絶縁体の外側面を被覆する外部導体とにより形成される同軸線路とを有し、同軸線路の一の端部は、前記導体芯線が裸出した状態で誘電体基板を貫通して電極ラインに接続され、電極ライン側に配置される外周導体の端部は金属板に接続され、誘電体基板は、導体芯線と電極ラインの接続部分を中心とする切欠き部を備え、導体芯線の側面の一部は、切欠き部に裸出していることを特徴とするものである。
上記構成の発明において、誘電体基板をセラミックスにより構成することで、誘電体基板の耐熱性及び耐久性を向上させるという作用を有する。また、金属板はセラミックス製の誘電体基板を補強するとともに、外部からのノイズを遮断するという作用を有する。さらに、ベタ導体層は誘電体基板に金属板を接合するとともに、金属板と共同して外部からのノイズを遮断するという作用を有する。
そして、コプレーナ線路は、誘電体基板の平面方向に高周波信号を伝送するという作用を有する。加えて、誘電体基板に挿通される導体芯線の周囲を囲むように形成される接地導体と、グランドビアとは、導体芯線の周囲に擬似同軸構造を形成して、同軸構造との特性インピーダンスの不連続を緩和するという作用を有する。
通常、誘電体基板としてセラミック基板を用いたコプレーナ線路に従来公知の同軸構造(コネクタ)を接続する場合、同軸線路を構成する導体芯線は誘電率の低い例えば、樹脂製の絶縁体から誘電率の高いセラミックス製の誘電体基板を通って電極ラインに接続されることになる。この場合、セラミックス製の誘電体基板の厚み部分に形成される擬似同軸構造の特性インピーダンスは、誘電体として絶縁体(例えば、フッ素樹脂等)を用いた同軸構造の特性インピーダンスよりも低下するので、セラミックス製の基板と樹脂製の絶縁体の境界で特性インピーダンスの不連続による高周波信号の反射損失が発生してしまう。
このような事情に鑑み、請求項1記載の発明においては、コプレーナ線路を構成する電極ラインとの接続部分近傍において導体芯線の周囲を取り囲むセラミックス製の誘電体基板の一部を切り欠いて切欠き部を形成し、この切欠き部に導体芯線を裸出させている。この結果、セラミックス製の誘電体基板の厚み部分に形成される擬似同軸構造の特性インピーダンスを樹脂製の絶縁体を備えた同軸線路の特性インピーダンスに近づけるという作用を有する。また、これにより、この部分に特性インピーダンスの不連続を緩和するという作用を有する。
上記構成の発明において、誘電体基板をセラミックスにより構成することで、誘電体基板の耐熱性及び耐久性を向上させるという作用を有する。また、金属板はセラミックス製の誘電体基板を補強するとともに、外部からのノイズを遮断するという作用を有する。さらに、ベタ導体層は誘電体基板に金属板を接合するとともに、金属板と共同して外部からのノイズを遮断するという作用を有する。
そして、コプレーナ線路は、誘電体基板の平面方向に高周波信号を伝送するという作用を有する。加えて、誘電体基板に挿通される導体芯線の周囲を囲むように形成される接地導体と、グランドビアとは、導体芯線の周囲に擬似同軸構造を形成して、同軸構造との特性インピーダンスの不連続を緩和するという作用を有する。
通常、誘電体基板としてセラミック基板を用いたコプレーナ線路に従来公知の同軸構造(コネクタ)を接続する場合、同軸線路を構成する導体芯線は誘電率の低い例えば、樹脂製の絶縁体から誘電率の高いセラミックス製の誘電体基板を通って電極ラインに接続されることになる。この場合、セラミックス製の誘電体基板の厚み部分に形成される擬似同軸構造の特性インピーダンスは、誘電体として絶縁体(例えば、フッ素樹脂等)を用いた同軸構造の特性インピーダンスよりも低下するので、セラミックス製の基板と樹脂製の絶縁体の境界で特性インピーダンスの不連続による高周波信号の反射損失が発生してしまう。
このような事情に鑑み、請求項1記載の発明においては、コプレーナ線路を構成する電極ラインとの接続部分近傍において導体芯線の周囲を取り囲むセラミックス製の誘電体基板の一部を切り欠いて切欠き部を形成し、この切欠き部に導体芯線を裸出させている。この結果、セラミックス製の誘電体基板の厚み部分に形成される擬似同軸構造の特性インピーダンスを樹脂製の絶縁体を備えた同軸線路の特性インピーダンスに近づけるという作用を有する。また、これにより、この部分に特性インピーダンスの不連続を緩和するという作用を有する。
請求項2記載の発明であるコプレーナ線路と同軸線路の接続構造は、請求項1記載のコプレーナ線路と同軸線路の接続構造であって、導体芯線と電極ラインの接続部分を中心とする切欠部の角度θは、90°≦θ≦270°であることを特徴とするものである。
上記構成の発明は、請求項1記載の発明と同じ作用に加えて、セラミックスの誘電率に応じて導体芯線と電極ラインの接続部分を中心とする切欠部の角度θを90°≦θ≦270°とすることで、導体芯線,誘電体基板及びグランドビアからなる擬似同軸構造における特性インピーダンスを、それに接続される同軸線路における同軸構造の特性インピーダンスに整合させるという作用を有する。
上記構成の発明は、請求項1記載の発明と同じ作用に加えて、セラミックスの誘電率に応じて導体芯線と電極ラインの接続部分を中心とする切欠部の角度θを90°≦θ≦270°とすることで、導体芯線,誘電体基板及びグランドビアからなる擬似同軸構造における特性インピーダンスを、それに接続される同軸線路における同軸構造の特性インピーダンスに整合させるという作用を有する。
請求項3記載の発明であるコプレーナ線路と同軸線路の接続構造は、請求項1又は請求項2に記載のコプレーナ線路と同軸線路の接続構造であって、誘電体基板の比誘電率εは8≦ε≦10であり、角度θは、θ=180°であることを特徴とするものである。
上記構成の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明と同じ作用を有する。
また、従来、誘電体基板として用いられてきたFR−4基板の誘電率が4.6であるため、請求項3記載の誘電体基板を構成するアルミナ等を主成分とするセラミックスの誘電率が8〜10である場合に、切欠き部の角度θ=180゜とすることで、コプレーナ線路を構成する電極ラインと導体芯線の接続部分近傍における擬似同軸構造と、同軸構造との特性インピーダンスを整合させるという作用を有する。この場合、切り欠き部を形成するには、誘電体基板を単に一直線に切断すればいいので、請求項3記載の発明の生産性を高めるという作用を有する。
上記構成の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明と同じ作用を有する。
また、従来、誘電体基板として用いられてきたFR−4基板の誘電率が4.6であるため、請求項3記載の誘電体基板を構成するアルミナ等を主成分とするセラミックスの誘電率が8〜10である場合に、切欠き部の角度θ=180゜とすることで、コプレーナ線路を構成する電極ラインと導体芯線の接続部分近傍における擬似同軸構造と、同軸構造との特性インピーダンスを整合させるという作用を有する。この場合、切り欠き部を形成するには、誘電体基板を単に一直線に切断すればいいので、請求項3記載の発明の生産性を高めるという作用を有する。
請求項4記載の発明であるコプレーナ線路と同軸線路の接続構造は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のコプレーナ線路と同軸線路の接続構造であって、電極ラインと導体芯線の接続部分近傍における電極ラインは、角度θを二等分する直線上に形成されることを特徴とするものである。
上記構成の発明によれば、請求項1乃至請求項3のそれぞれに記載の発明の作用が、広い周波数帯域において得られるという作用を有する。
上記構成の発明によれば、請求項1乃至請求項3のそれぞれに記載の発明の作用が、広い周波数帯域において得られるという作用を有する。
請求項5記載の発明である高周波用パッケージは、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のコプレーナ線路と同軸線路の接続構造を備えたことを特徴とするものである。
上記構成の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のコプレーナ線路と同軸線路の接続構造を備えるものであり、請求項1乃至請求項4のそれぞれに記載の発明と同じ作用を有する。この結果、誘電体基板が耐熱性と耐久性を有し、かつ、コプレーナ線路と同軸線路の接続部分における高周波信号の伝送損失の少ない高周波用パッケージを提供するという作用を有する。
上記構成の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のコプレーナ線路と同軸線路の接続構造を備えるものであり、請求項1乃至請求項4のそれぞれに記載の発明と同じ作用を有する。この結果、誘電体基板が耐熱性と耐久性を有し、かつ、コプレーナ線路と同軸線路の接続部分における高周波信号の伝送損失の少ない高周波用パッケージを提供するという作用を有する。
本発明の請求項1記載の発明によれば、誘電体基板に耐熱性と耐久性を付与するとともに、電極ラインと導体芯線の接続部分において高周波信号の伝送損失が生じるのを抑制することができるという効果を有する。
また、誘電体基板として比誘電率εの高いセラミックスを用いても、誘電率の違いに起因するインピーダンスの不整合により高周波信号の反射が発生し、効率的に伝送できなくなるという問題を解消することができるという効果を有する。
また、誘電体基板として比誘電率εの高いセラミックスを用いても、誘電率の違いに起因するインピーダンスの不整合により高周波信号の反射が発生し、効率的に伝送できなくなるという問題を解消することができるという効果を有する。
本発明の請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明と同じ効果に加えて、誘電体基板として使用するセラミックスの誘電率に応じて切欠き部の角度を変えることで、電極ラインと導体芯線の接続部分における特性インピーダンスを50Ωに近づけることができるという効果を有する。
この結果、請求項2記載の発明を備える高周波用電子部品の特性インピーダンスを他の高周波用電子部品の特性インピーダンスと整合させることができるという効果を有する。従って、請求項2記載の発明の汎用性を高めることができるという効果を有する。
この結果、請求項2記載の発明を備える高周波用電子部品の特性インピーダンスを他の高周波用電子部品の特性インピーダンスと整合させることができるという効果を有する。従って、請求項2記載の発明の汎用性を高めることができるという効果を有する。
本発明の請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載のそれぞれの発明と同じ効果に加えて、誘電性基板としてアルミナセラミックス、ガラスセラミックス等を用いることができる。このため、誘電体基板と、電極ライン、接地導体、グランドビアを同時焼成により形成することができる。
また、切欠部の角度θを180°にすることで、切欠きの形成を容易にすることができるという効果も有する。
この結果、請求項3記載の発明の製造工程を簡素にすることができるという効果を有する。
また、切欠部の角度θを180°にすることで、切欠きの形成を容易にすることができるという効果も有する。
この結果、請求項3記載の発明の製造工程を簡素にすることができるという効果を有する。
本発明の請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3のそれぞれに記載される作用が広い周波数帯域において得られるという作用を有する。
この結果、請求項4記載の発明を含む電子部品の設計を容易にすることができ、高性能で信頼性の高い電子部品を提供することができるという効果を有する。
この結果、請求項4記載の発明を含む電子部品の設計を容易にすることができ、高性能で信頼性の高い電子部品を提供することができるという効果を有する。
本発明の請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求項4記載のいずれか1項に記載のコプレーナ線路と同軸線路の接続構造を備えたものであり、請求項1乃至請求項4に記載のそれぞれの発明と同じ効果を有する。
この結果、誘電体基板が耐熱性及び耐久性を有し、かつ、導体芯線と電極ラインの接続部分における高周波信号の伝送損失の少ない高品質な高周波用パッケージを提供することができるという効果を有する。
この結果、誘電体基板が耐熱性及び耐久性を有し、かつ、導体芯線と電極ラインの接続部分における高周波信号の伝送損失の少ない高品質な高周波用パッケージを提供することができるという効果を有する。
以下に、本発明の実施の形態に係るコプレーナ線路と同軸線路の接続構造及びそれを用いた高周波用パッケージについて実施例1及び実施例2を参照しながら詳細に説明する。
実施例1に係るコプレーナ線路と同軸線路の接続構造及びそれを用いた高周波用パッケージについて図1乃至10を参照しながら詳細に説明する。(特に請求項1、請求項2、請求項4、請求項5に対応。)
図1(a)は実施例1に係る高周波用パッケージの部分平面図であり、(b)は実施例1に係る高周波用パッケージの部分斜視図である。また、図2は図1中のA−A線矢視断面図である。
図1(a),(b)及び図2に示すように、実施例1に係るコプレーナ線路と同軸線路の接続構造2aは、セラミックス製の誘電体基板3の上面に、電極ライン5及びこの電極ライン5を挟んで互いに平行に形成される接地導体6、並びに、この接地導体6上に誘電体基板3の厚み方向を貫通して形成されるグランドビア7とからなるコプレーナ線路29が形成され、誘電体基板3の下面側には金属板4が図示しないベタ導体層を介して貼設され、さらに、この金属板4にコネクタ12を備えた同軸線路8が図示しないネジ等で固定されるものである。
また、同軸線路8は、FR−4基板用の従来公知の同軸線路であり、高周波信号を伝送するためのケーブル状の導体芯線9の外側面が絶縁体11(誘電体:フッ素樹脂)により被覆され、この絶縁体11の外側面がさらに外周導体13により被覆されたものである。
そして、同軸線路8の端部は、外周導体13が除去されて絶縁体11が裸出した状態で金属板4に挿設され、このような同軸線路8から、さらに、絶縁体11が除去された導体芯線9のみが誘電体基板3に形成されるビア26に挿設されている。
他方、誘電体基板3に形成されるビア26の内側面には、導体層28が形成されており、ビア26内に挿通される導体芯線9の端部は、この導体層28を介して誘電体基板3に固定され、さらに、誘電体基板3上に形成される電極ライン5の端部と,ビア26内に挿通される導体芯線9の端部と,ビア26内側面に形成される導体層28の上端部は、はんだ10により接合されている。
さらに、誘電体基板3には、導体芯線9を取り囲む誘電体基板3の一部が導体芯線9を中心に切り取られた切欠き14aが形成され、導体芯線9の側面の一部は切欠き14aに裸出している。
なお、電極ライン5側に配置される同軸線路8の外周導体13の端部は、金属板4に接続されている。つまり、同軸線路8の外周導体13は、金属製のコネクタ12、及び、金属板4と接触するベタ導体層(図示せず)、及び、グランドビア7を介して接地導体6に電気的に接続されている。
図1(a)は実施例1に係る高周波用パッケージの部分平面図であり、(b)は実施例1に係る高周波用パッケージの部分斜視図である。また、図2は図1中のA−A線矢視断面図である。
図1(a),(b)及び図2に示すように、実施例1に係るコプレーナ線路と同軸線路の接続構造2aは、セラミックス製の誘電体基板3の上面に、電極ライン5及びこの電極ライン5を挟んで互いに平行に形成される接地導体6、並びに、この接地導体6上に誘電体基板3の厚み方向を貫通して形成されるグランドビア7とからなるコプレーナ線路29が形成され、誘電体基板3の下面側には金属板4が図示しないベタ導体層を介して貼設され、さらに、この金属板4にコネクタ12を備えた同軸線路8が図示しないネジ等で固定されるものである。
また、同軸線路8は、FR−4基板用の従来公知の同軸線路であり、高周波信号を伝送するためのケーブル状の導体芯線9の外側面が絶縁体11(誘電体:フッ素樹脂)により被覆され、この絶縁体11の外側面がさらに外周導体13により被覆されたものである。
そして、同軸線路8の端部は、外周導体13が除去されて絶縁体11が裸出した状態で金属板4に挿設され、このような同軸線路8から、さらに、絶縁体11が除去された導体芯線9のみが誘電体基板3に形成されるビア26に挿設されている。
他方、誘電体基板3に形成されるビア26の内側面には、導体層28が形成されており、ビア26内に挿通される導体芯線9の端部は、この導体層28を介して誘電体基板3に固定され、さらに、誘電体基板3上に形成される電極ライン5の端部と,ビア26内に挿通される導体芯線9の端部と,ビア26内側面に形成される導体層28の上端部は、はんだ10により接合されている。
さらに、誘電体基板3には、導体芯線9を取り囲む誘電体基板3の一部が導体芯線9を中心に切り取られた切欠き14aが形成され、導体芯線9の側面の一部は切欠き14aに裸出している。
なお、電極ライン5側に配置される同軸線路8の外周導体13の端部は、金属板4に接続されている。つまり、同軸線路8の外周導体13は、金属製のコネクタ12、及び、金属板4と接触するベタ導体層(図示せず)、及び、グランドビア7を介して接地導体6に電気的に接続されている。
ここで一般的な同軸線路における特性インピーダンスについて説明する。
図3は一般的な同軸線路の断面図である。
図3に示すように、直径d1を有する内部導体19の周囲に、この内部導体19を中心とする、直径Dを有する絶縁体20を備え、さらに、この絶縁体20の外側面を外周導体13により被覆してなる同軸線路18の特性インピーダンスZ0は以下に示す数式1により求められる。
図3は一般的な同軸線路の断面図である。
図3に示すように、直径d1を有する内部導体19の周囲に、この内部導体19を中心とする、直径Dを有する絶縁体20を備え、さらに、この絶縁体20の外側面を外周導体13により被覆してなる同軸線路18の特性インピーダンスZ0は以下に示す数式1により求められる。
そして、絶縁体20をFR−4基板以外に、例えば、空気や、96%アルミナに構成した場合の特性インピーダンスZ0(Ω)を上記数式1により求めたものを、比誘電率εを横軸として座標軸上にプロットしたものが図4である。ただし、内部導体19の直径d1をd=0.5mm、絶縁体20の直径DをD=2.8mmであるとする。また、絶縁体20の比誘電率をεとする。
図4は図3に示す同軸線路において内部導体の外周を囲む絶縁体を他の材料に換えた場合の比誘電率εと特性インピーダンスZ0の関係を示すグラフである。
図4に示すように、図3に示す同軸線路18の特性インピーダンスZ0は、空気、FR−4基板、96%アルミナの順で高い値を示すのに対して、比誘電率εは、96%アルミナ、FR−4(合成樹脂)、空気の順で高くなっている。
通常、高周波用の電子部品の特性インピーダンスZ0は、概ね50Ωになるよう調整されているため、内部導体19の周囲を単一の材質のみで囲む場合には絶縁体20としてFR−4が最も適しているといえる。
図4は図3に示す同軸線路において内部導体の外周を囲む絶縁体を他の材料に換えた場合の比誘電率εと特性インピーダンスZ0の関係を示すグラフである。
図4に示すように、図3に示す同軸線路18の特性インピーダンスZ0は、空気、FR−4基板、96%アルミナの順で高い値を示すのに対して、比誘電率εは、96%アルミナ、FR−4(合成樹脂)、空気の順で高くなっている。
通常、高周波用の電子部品の特性インピーダンスZ0は、概ね50Ωになるよう調整されているため、内部導体19の周囲を単一の材質のみで囲む場合には絶縁体20としてFR−4が最も適しているといえる。
他方、上記数式1からも明らかなように、図3に示すような同軸線路18の特性インピーダンスZ0は、内部導体19の直径d1、及び、絶縁体20の直径Dが一定の場合、絶縁体20を構成する材料の比誘電率εにより決まると言え、比誘電率εが大きいほど同軸線路18の特性インピーダンスZ0は小さくなる。
ここで発明者は、鋭意研究の結果、絶縁体20を単一の材料で構成する代わりに、比較的大きな比誘電率εを有する材質と,比較的小さな比誘電率εを有する材質を組み合わせて用いることによっても、同軸線路18の特性インピーダンスを50Ωに近似させることができることを見出した。
より具体的には、同軸線路18の断面における絶縁体20の一部を、例えば96%アルミナで構成し、他の一部を空気により構成することで、すなわち、同軸線路18の断面の状態を不均一にすることでその特性インピーダンスを50Ωに近似させることができることを見出したのである。
しかもこの場合、絶縁体20の一部を空気で構成するため、実質的には絶縁体20は一部を切欠いた96%アルミナで構成されることになる。そして、96%アルミナはFR−4よりも耐熱性や耐久性の点で優れているので、同軸線路18の耐熱性及び耐久性を向上することができる。
ここで発明者は、鋭意研究の結果、絶縁体20を単一の材料で構成する代わりに、比較的大きな比誘電率εを有する材質と,比較的小さな比誘電率εを有する材質を組み合わせて用いることによっても、同軸線路18の特性インピーダンスを50Ωに近似させることができることを見出した。
より具体的には、同軸線路18の断面における絶縁体20の一部を、例えば96%アルミナで構成し、他の一部を空気により構成することで、すなわち、同軸線路18の断面の状態を不均一にすることでその特性インピーダンスを50Ωに近似させることができることを見出したのである。
しかもこの場合、絶縁体20の一部を空気で構成するため、実質的には絶縁体20は一部を切欠いた96%アルミナで構成されることになる。そして、96%アルミナはFR−4よりも耐熱性や耐久性の点で優れているので、同軸線路18の耐熱性及び耐久性を向上することができる。
次に、図3に示す同軸線路18の絶縁体20を不均一にした場合の特性インピーダンスの変化、すなわち、同軸線路18の絶縁体20を、例えば、96%アルミナと空気により構成した場合の特性インピーダンスの変化について説明する。
図5は図3に示す同軸線路における絶縁体を96%アルミナと空気を組み合わせて構成した場合の断面の様子を示す概念図である。なお、図3に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図5に示すような断面が不均一同軸線路18では、内部導体19を中心とする角度θalの部分が96%アルミナ21により構成され、残りの(360°−θal)の部分が空気22より構成されている。
そして、図5に示すような同軸線路18においてアルミナが占有する角度θalを0°から360°まで90°ずつ増加させた際の特性インピーダンスZ0のシミュレーション結果は、図6に示す通りである。
図6は図5に示すような同軸線路において96%アルミナが占有する角度θaを変化させた場合の特性インピーダンスZ0の変化を示すグラフである。
図6中の黒く塗りつぶした四角で示されるように、同軸線路18において96%アルミナ21が占有する角度θalがθal=0°の場合、その特性インピーダンスZ0は、絶縁体20の全てが空気22により構成された場合の特性インピーダンスZ0と一致し、その後、96%アルミナ21が占有する角度θalが増加するにつれ、同軸線路18の特性インピーダンスは曲線を描きながら徐々に低下し、最終的には絶縁体20の全てを96%アルミナ21で構成した場合の特性インピーダンスZ0に一致する。
上述のようなシミュレーションにより得られた数値を結ぶ曲線を96%アルミナ21の占有角度θal(°)と、空気22の占有角度θair(°)=(360°−θal)を用いて近似式で表わすと、以下に示す数式2となる。
なお、以下の数式2において、Zairは、絶縁体20の全てを空気22で構成した場合の特性インピーダンスであり、Zalは、絶縁体20の全てを96%アルミナ21で構成した場合の特性インピーダンスである。
図5は図3に示す同軸線路における絶縁体を96%アルミナと空気を組み合わせて構成した場合の断面の様子を示す概念図である。なお、図3に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図5に示すような断面が不均一同軸線路18では、内部導体19を中心とする角度θalの部分が96%アルミナ21により構成され、残りの(360°−θal)の部分が空気22より構成されている。
そして、図5に示すような同軸線路18においてアルミナが占有する角度θalを0°から360°まで90°ずつ増加させた際の特性インピーダンスZ0のシミュレーション結果は、図6に示す通りである。
図6は図5に示すような同軸線路において96%アルミナが占有する角度θaを変化させた場合の特性インピーダンスZ0の変化を示すグラフである。
図6中の黒く塗りつぶした四角で示されるように、同軸線路18において96%アルミナ21が占有する角度θalがθal=0°の場合、その特性インピーダンスZ0は、絶縁体20の全てが空気22により構成された場合の特性インピーダンスZ0と一致し、その後、96%アルミナ21が占有する角度θalが増加するにつれ、同軸線路18の特性インピーダンスは曲線を描きながら徐々に低下し、最終的には絶縁体20の全てを96%アルミナ21で構成した場合の特性インピーダンスZ0に一致する。
上述のようなシミュレーションにより得られた数値を結ぶ曲線を96%アルミナ21の占有角度θal(°)と、空気22の占有角度θair(°)=(360°−θal)を用いて近似式で表わすと、以下に示す数式2となる。
なお、以下の数式2において、Zairは、絶縁体20の全てを空気22で構成した場合の特性インピーダンスであり、Zalは、絶縁体20の全てを96%アルミナ21で構成した場合の特性インピーダンスである。
さらに、上記数式2中のθalにθal=0°,90°,180°,270°,360°を代入して得られる特性インピーダンスZ0は図6中において黒く塗り潰した三角で示した。
図6から明らかなように、同軸線路18における96%アルミナ21の占有角度θalを変化させた場合のシミュレーション結果と、数式2に数値を代入して得られた数値を図6のグラフ上にプロットしてそれぞれをつないだ曲線は概ね一致している。
図6から明らかなように、同軸線路18における96%アルミナ21の占有角度θalを変化させた場合のシミュレーション結果と、数式2に数値を代入して得られた数値を図6のグラフ上にプロットしてそれぞれをつないだ曲線は概ね一致している。
しかしながら特性インピーダンスZ0を検討すべき場所は、実際には誘電体基板中であるため、一般的な同軸線路18のように絶縁体20の外部を外周導体13で完全に囲うことは不可能である。そこで、誘電体基板中に形成される内部導体19としての信号ビアから一定間隔離れた位置で,かつ, 信号ビアを中心とする一定角度毎にそれぞれグランドビアを設けることで擬似同軸構造としている。
ここで擬似同軸構造における特性インピーダンスZ0について検討する。
図7はグランドビアを用いた擬似同軸構造の断面図である。なお、図3乃至図6に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図7に示すように、擬似同軸構造23は、絶縁体20からなる誘電体基板に直径d2を有する信号ビア24が設けられ、この信号ビア24から一定の距離で,かつ,この信号ビア24を中心とする角度45°毎に1つずつ直径Pのグランドビア25が形成されたものである。
図7に示す擬似同軸構造23において、絶縁体20を空気22、FR−4基板、96%アルミナ21に変えた場合のそれぞれの材質の比誘電率εと特性インピーダンスZ0の関係についてシミュレーションを実施し、その結果を図8に示した。
なお、このシミュレーションにおいては、図7中における信号ビア24の直径d2をd2=0.5mm、信号ビア24の中心からグランドビア25までの距離QをQ=2.8mm、グランドビア25の直径PをP=0.5mmにそれぞれ設定した。
ここで擬似同軸構造における特性インピーダンスZ0について検討する。
図7はグランドビアを用いた擬似同軸構造の断面図である。なお、図3乃至図6に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図7に示すように、擬似同軸構造23は、絶縁体20からなる誘電体基板に直径d2を有する信号ビア24が設けられ、この信号ビア24から一定の距離で,かつ,この信号ビア24を中心とする角度45°毎に1つずつ直径Pのグランドビア25が形成されたものである。
図7に示す擬似同軸構造23において、絶縁体20を空気22、FR−4基板、96%アルミナ21に変えた場合のそれぞれの材質の比誘電率εと特性インピーダンスZ0の関係についてシミュレーションを実施し、その結果を図8に示した。
なお、このシミュレーションにおいては、図7中における信号ビア24の直径d2をd2=0.5mm、信号ビア24の中心からグランドビア25までの距離QをQ=2.8mm、グランドビア25の直径PをP=0.5mmにそれぞれ設定した。
図8は図7に示す擬似同軸線路において信号ビアの外周を囲む絶縁体を他の材質に換えた場合の比誘電率εと特性インピーダンスZ0の関係を示すグラフである。
図8に示すように、図7に示す擬似同軸線路23において信号ビア24の外周を囲む絶縁体20を他の材質に換えた場合、図3に示す同軸線路18とほぼ同じ結果が得られた。
従って、図7に示す擬似同軸構造23は図3に示す同軸線路18と同等の作用・効果を有すると言える。
つまりこのことは、図7に示す擬似同軸構造23の絶縁体20としてFR−4に代えて、96%アルミナ21及び空気22を組み合せたもの用いることができることを意味している。
具体的には、図7に示す擬似同軸構造23において、絶縁体20を例えば96%アルミナ21により構成し、信号ビア24から一定(少なくとも距離P以上)まの領域の96%アルミナ21の一部をグランドビア25を含んだ状態で、信号ビア24を中心とする切欠き角度を形成しながら切り欠くことで、擬似同軸構造23における特性インピーダンスZ0を、絶縁体20にFR−4を用いた場合の特性インピーダンスZ0(Z0=50Ω)に近似させることができる。
なお、図7に示す擬似同軸構造23を構成する絶縁体20の一部を空気に置換する場合、別の言葉で言い換えると、図7に示す擬似同軸構造23を構成する絶縁体20の一部を切り欠く場合、その最少単位は、信号ビア24を中心とする切欠き角度が45°となる領域で,かつ,その切欠き角度の二等分線上にグランドビア25の中心が配置される領域とする。
つまり、図7に示す擬似同軸構造23の一部を切欠いて空気に置換する場合、グランドビア25を含む領域を、信号ビア24を中心とする切欠き角度45°を最少切欠き単位として切り取ればよい。
図8に示すように、図7に示す擬似同軸線路23において信号ビア24の外周を囲む絶縁体20を他の材質に換えた場合、図3に示す同軸線路18とほぼ同じ結果が得られた。
従って、図7に示す擬似同軸構造23は図3に示す同軸線路18と同等の作用・効果を有すると言える。
つまりこのことは、図7に示す擬似同軸構造23の絶縁体20としてFR−4に代えて、96%アルミナ21及び空気22を組み合せたもの用いることができることを意味している。
具体的には、図7に示す擬似同軸構造23において、絶縁体20を例えば96%アルミナ21により構成し、信号ビア24から一定(少なくとも距離P以上)まの領域の96%アルミナ21の一部をグランドビア25を含んだ状態で、信号ビア24を中心とする切欠き角度を形成しながら切り欠くことで、擬似同軸構造23における特性インピーダンスZ0を、絶縁体20にFR−4を用いた場合の特性インピーダンスZ0(Z0=50Ω)に近似させることができる。
なお、図7に示す擬似同軸構造23を構成する絶縁体20の一部を空気に置換する場合、別の言葉で言い換えると、図7に示す擬似同軸構造23を構成する絶縁体20の一部を切り欠く場合、その最少単位は、信号ビア24を中心とする切欠き角度が45°となる領域で,かつ,その切欠き角度の二等分線上にグランドビア25の中心が配置される領域とする。
つまり、図7に示す擬似同軸構造23の一部を切欠いて空気に置換する場合、グランドビア25を含む領域を、信号ビア24を中心とする切欠き角度45°を最少切欠き単位として切り取ればよい。
図7に示す擬似同軸構造23の絶縁体20を96%アルミナ21により構成し、さらに、この擬似同軸構造23から上述の条件を満たしながら96%アルミナ21の一部を信号ビア24を中心に角度45°ずつ切欠いた場合の特性インピーダンスZ0の変化をシミュレーションして得られた数値を座標軸上にプロットしたものが図9である。なお、図7に示す擬似同軸構造23において、絶縁体20の96%アルミナ21の一部が切欠かれた領域には、グランドビア25を形成することができないので、切欠き部分はグランドビア25を備えないという設定でシミュレーションを実施している。
図9は図7に示す擬似同軸構造における絶縁体に96%アルミナを用い、その一部を切欠いた際に残存するアルミナの中心角度の変化と特性インピーダンスの関係を示すグラフである。なお、シミュレーションによって得られた値は黒く塗りつぶした四角で示した。また、併せて先に述べた数式2のθalにθal=0°,90°,180°,270°,360°を代入して得られる特性インピーダンスZ0をそれぞれ黒く塗り潰した三角で示した。
図9からも明らかなうに、図7に示す擬似同軸構造における絶縁体20に96%アルミナを用いその一部を切欠いた際の特性インピーダンスZ0と、数式2に所望の数値を代入して得られる特性インピーダンスZ0はほぼ一致しているといえる。
したがって、図7に示すような擬似同軸構造23における絶縁体20をFR−4よりも比誘電率εが高い材料(例えば、セラミックス)とFR−4よりも比誘電率εが低い材料(例えば、空気)とによる不均一な構成とすることで、絶縁体20にFR−4を用いた場合の特性インピーダンスに近づけることができるという効果を有する。
具体的には、図7に示すような擬似同軸構造23における絶縁体20をFR−4よりも比誘電率εが高い材料(例えば、セラミックス)で構成する場合、絶縁体20を信号ビア24を中心に90°〜270°の範囲内で切欠いて(ただし、切欠き部を増加させる際の最小単位は、信号ビア24を中心とし、かつ、グランドビア25を含む角度45°の範囲。)空気に置換することで、その特性インピーダンスを絶縁体20にFR−4を用いた場合の特性インピーダンスに近づけることができる。
図9は図7に示す擬似同軸構造における絶縁体に96%アルミナを用い、その一部を切欠いた際に残存するアルミナの中心角度の変化と特性インピーダンスの関係を示すグラフである。なお、シミュレーションによって得られた値は黒く塗りつぶした四角で示した。また、併せて先に述べた数式2のθalにθal=0°,90°,180°,270°,360°を代入して得られる特性インピーダンスZ0をそれぞれ黒く塗り潰した三角で示した。
図9からも明らかなうに、図7に示す擬似同軸構造における絶縁体20に96%アルミナを用いその一部を切欠いた際の特性インピーダンスZ0と、数式2に所望の数値を代入して得られる特性インピーダンスZ0はほぼ一致しているといえる。
したがって、図7に示すような擬似同軸構造23における絶縁体20をFR−4よりも比誘電率εが高い材料(例えば、セラミックス)とFR−4よりも比誘電率εが低い材料(例えば、空気)とによる不均一な構成とすることで、絶縁体20にFR−4を用いた場合の特性インピーダンスに近づけることができるという効果を有する。
具体的には、図7に示すような擬似同軸構造23における絶縁体20をFR−4よりも比誘電率εが高い材料(例えば、セラミックス)で構成する場合、絶縁体20を信号ビア24を中心に90°〜270°の範囲内で切欠いて(ただし、切欠き部を増加させる際の最小単位は、信号ビア24を中心とし、かつ、グランドビア25を含む角度45°の範囲。)空気に置換することで、その特性インピーダンスを絶縁体20にFR−4を用いた場合の特性インピーダンスに近づけることができる。
また、図9に示すように、図7に示す擬似同軸構造23において96%アルミナ21からなる絶縁体20を信号ビア24を中心に180°切欠いた場合に、すなわち、擬似同軸構造23において残存する96%アルミナ21が信号ビア24を中心に180°である場合に、擬似同軸構造23の特性インピーダンスZ0は約50Ωに近似する
。
ここで、図7に示す擬似同軸構造23の絶縁体20を信号ビア24を中心に180°切欠いた条件下において、絶縁体20の比誘電率を様々に変えた場合の特性インピーダンスZ0をシミュレーションにより求め、その結果を座標軸上にプロットしたものが図10である。
図10は図7に示す擬似同軸構造において絶縁体を信号ビアを中心に180°切欠いた状態における絶縁体の比誘電率εと特性インピーダンスZ0の関係を示すグラフである。
図10に示すように、図7に示す擬似同軸構造23において絶縁体20を信号ビア24を中心に180°切欠いた場合、比誘電率εがε=8〜10の範囲内にある絶縁体20を用いることで、そのインピーダンスZ0を50Ωに近似させることができる。
。
ここで、図7に示す擬似同軸構造23の絶縁体20を信号ビア24を中心に180°切欠いた条件下において、絶縁体20の比誘電率を様々に変えた場合の特性インピーダンスZ0をシミュレーションにより求め、その結果を座標軸上にプロットしたものが図10である。
図10は図7に示す擬似同軸構造において絶縁体を信号ビアを中心に180°切欠いた状態における絶縁体の比誘電率εと特性インピーダンスZ0の関係を示すグラフである。
図10に示すように、図7に示す擬似同軸構造23において絶縁体20を信号ビア24を中心に180°切欠いた場合、比誘電率εがε=8〜10の範囲内にある絶縁体20を用いることで、そのインピーダンスZ0を50Ωに近似させることができる。
ここで再び図1及び図2の説明に戻るが、以上述べた理由により、実施例1に係るコプレーナ線路と同軸線路の接続構造2a,及び,それを備えた高周波用パッケージ1aによれば、誘電体基板3に導体芯線9を中心とする切欠きを形成することで、誘電体基板3に到達するまでの同軸線路8における特性インピーダンスと、誘電体基板3とそれを貫く導体芯線9とグランドビア7により構成される擬似同軸構造における特性インピーダンスとを整合させることができるという効果を有する。
この結果、同軸線路8から誘電体基板3上の電極ライン5に高周波信号を伝送する際に、誘電体基板3内において高周波信号の反射損失が生じるのを防止することができるという効果を有する。
加えて、実施例1に係るコプレーナ線路と同軸線路の接続構造2a,及び,それを備えた高周波用パッケージ1aにおいては、誘電体基板3として従来のFR−4基板に代えてセラミックスを用いることが可能になるとともに、誘電体基板3とそれを貫く導体芯線9とグランドビア7により構成される擬似同軸構造をコンパクトにすることができるので、製品の耐熱性や耐久性を向上することができると同時に、従来品と同程度に製品を小型化することができるという効果を有する。
この結果、同軸線路8から誘電体基板3上の電極ライン5に高周波信号を伝送する際に、誘電体基板3内において高周波信号の反射損失が生じるのを防止することができるという効果を有する。
加えて、実施例1に係るコプレーナ線路と同軸線路の接続構造2a,及び,それを備えた高周波用パッケージ1aにおいては、誘電体基板3として従来のFR−4基板に代えてセラミックスを用いることが可能になるとともに、誘電体基板3とそれを貫く導体芯線9とグランドビア7により構成される擬似同軸構造をコンパクトにすることができるので、製品の耐熱性や耐久性を向上することができると同時に、従来品と同程度に製品を小型化することができるという効果を有する。
さらに、実施例1に係るコプレーナ線路と同軸線路の接続構造2a及びそれを用いた高周波用パッケージ1aにおいては、誘電体基板3に形成される切欠き14aの切欠き角度θを二等分する直線上に導体芯線9の接続部分近傍に形成される電極ライン5が配置されるよう構成してもよい。
この場合、高周波信号の周波数を上昇させた際に、実施例1に係るコプレーナ線路と同軸線路の接続構造2aにおける特性インピーダンスの変動を小さくすることができるという効果を有する。この場合、実施例1に係るコプレーナ線路と同軸線路の接続構造2aを含む電子部品の設計を容易にすることができるという効果を有する。
この場合、高周波信号の周波数を上昇させた際に、実施例1に係るコプレーナ線路と同軸線路の接続構造2aにおける特性インピーダンスの変動を小さくすることができるという効果を有する。この場合、実施例1に係るコプレーナ線路と同軸線路の接続構造2aを含む電子部品の設計を容易にすることができるという効果を有する。
実施例2に係るコプレーナ線路と同軸線路の接続構造及びそれを備えた高周波用パッケージについて図11を参照しながら詳細に説明する。(特に、請求項3乃至請求項6に対応。)
実施例2に係るコプレーナ線路と同軸線路の接続構造及びそれを備えた高周波用パッケージは、実施例1のそれぞれと同じ構成に加え、誘電体基板3の切欠き角度θを特定の角度にしたものである。ここでは、実施例1に係るコプレーナ線路と同軸線路の接続構造及びそれを備えた高周波用パッケージとの相違点に重点をおいて説明する。
図11(a)は実施例2に係る高周波用パッケージの部分平面図であり、(b)は実施例2に係る高周波用パッケージの部分斜視図である。なお、図1又は図2に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図11に示すように、実施例2に係るコプレーナ線路と同軸線路の接続構造2b及びそれを用いたコプレーナ線路と同軸線路の接続構造2bは、誘電体基板3に形成される切欠き14bの切欠き角度θをθ=180°としたことを特徴とするものである。なお、図11中のB−B線矢視断面図は、先の図2と同じである。
この場合、先にも述べたように、誘電体基板3として比誘電率εがε=8〜10のものを用いることでその特性インピーダンスを50Ωに近づけることができるという効果を有する。
実施例2に係るコプレーナ線路と同軸線路の接続構造及びそれを備えた高周波用パッケージは、実施例1のそれぞれと同じ構成に加え、誘電体基板3の切欠き角度θを特定の角度にしたものである。ここでは、実施例1に係るコプレーナ線路と同軸線路の接続構造及びそれを備えた高周波用パッケージとの相違点に重点をおいて説明する。
図11(a)は実施例2に係る高周波用パッケージの部分平面図であり、(b)は実施例2に係る高周波用パッケージの部分斜視図である。なお、図1又は図2に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図11に示すように、実施例2に係るコプレーナ線路と同軸線路の接続構造2b及びそれを用いたコプレーナ線路と同軸線路の接続構造2bは、誘電体基板3に形成される切欠き14bの切欠き角度θをθ=180°としたことを特徴とするものである。なお、図11中のB−B線矢視断面図は、先の図2と同じである。
この場合、先にも述べたように、誘電体基板3として比誘電率εがε=8〜10のものを用いることでその特性インピーダンスを50Ωに近づけることができるという効果を有する。
さらに、実施例2に係る誘電体基板3を特にセラミックスで構成する場合、その製造工程において、導体芯線9を誘電体基板3に接続するためのビア26を形成した後、このビア26の内側面に導体ペーストを印刷し,この後,これらを同時焼成して焼結させ、最後に内側面に導体層28を備えた中空のビア26を二等分するように誘電体基板3を切断することで、図11に示すような切欠き14bを備えた誘電体基板3を得ることができる。
この結果、実施例2に係るコプレーナ線路と同軸線路の接続構造2b及びそれを備えた高周波用パッケージ1bの生産性を大幅に向上することができるという効果を有する。
この結果、実施例2に係るコプレーナ線路と同軸線路の接続構造2b及びそれを備えた高周波用パッケージ1bの生産性を大幅に向上することができるという効果を有する。
最後に、本発明の効果を検証する目的で、i)誘電体基板にFR−4を用いた従来のコプレーナ線路と同軸線路の接続構造(図14を参照。)と、ii)図14に示す従来のコプレーナ線路と同軸線路の接続構造において誘電体基板を96%アルミナ21としたコプレーナ線路と同軸線路の接続構造と、iii)実施例2に係るコプレーナ線路と同軸線路の接続構造2b(ただし、導体芯線9近傍の電極ライン5は切欠き14bの切欠き角度θの二等分線上に配置される。)と、iv)実施例2に係るコプレーナ線路と同軸線路の接続構造2bにおいて導体芯線9近傍の電極ライン5が切欠き14bの切欠き角度θの二等分線上にない場合のそれぞれにおいて高周波信号の伝送状態を比較するシミュレーションを実施した。また、上記i)〜iv)のそれぞれにおいて、誘電体基板の材質、その切欠きの有無,及び,切欠きの中心角度以外の条件は全て同一にした。
なお、上記iv)のコプレーナ線路と同軸線路の接続構造は図12に示す通りである。 図12(a)は実施例2に係るコプレーナ線路と同軸線路の接続構造において導体芯線近傍の電極ラインが切欠きの切欠き角度θの二等分線上にない場合の一例を示す平面図であり、(b)はその斜視図である。なお、図1,2及び図11に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。また、図12中のC−C線矢視断面図は、先の図2と同じである。
図12に示すように、iv)のコプレーナ線路と同軸線路の接続構造は、導体芯線9の近傍における電極ライン5の中心線と切欠き14bの二等分線のなす角度は45°となっている。
なお、上記iv)のコプレーナ線路と同軸線路の接続構造は図12に示す通りである。 図12(a)は実施例2に係るコプレーナ線路と同軸線路の接続構造において導体芯線近傍の電極ラインが切欠きの切欠き角度θの二等分線上にない場合の一例を示す平面図であり、(b)はその斜視図である。なお、図1,2及び図11に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。また、図12中のC−C線矢視断面図は、先の図2と同じである。
図12に示すように、iv)のコプレーナ線路と同軸線路の接続構造は、導体芯線9の近傍における電極ライン5の中心線と切欠き14bの二等分線のなす角度は45°となっている。
図13は上記i)〜iv)のコプレーナ線路と同軸線路の接続構造においてインピーダンスのマッチング状態をシミュレーションした結果を示すグラフである。図13において縦軸はSパラメータのS11を表している。
i)の場合、〜10GHzにおいて20dB以上のマッチングが得られ、そこから周波数の上昇に伴いマッチングはなだらかに悪化するが、20GHzでも18dB程度のマッチングが得られている。
ii)の場合、4GHz程度まではi)と遜色ないがそこから急に悪化し、10GHz以上では10dB以下となる。
iii)の場合、20GHzまで周波数の上昇に伴い緩やかに悪化するが、10GHzでは20dB、20GHzでも12dBと良好なマッチングが得られている。
iv)の場合、周波数に対する挙動が他とは異なっている。10GHzまでは比較的なだらかな悪化をするが、10〜17GHzまではほぼ平坦に18〜20dB程度のマッチングが得られる。その反面、17GHz以上の周波数ではマッチングが急激に悪化する。
i)と比較すれば、iii)が最も望ましく、次いでii)、最後にiv)の順になる。
i)の場合、〜10GHzにおいて20dB以上のマッチングが得られ、そこから周波数の上昇に伴いマッチングはなだらかに悪化するが、20GHzでも18dB程度のマッチングが得られている。
ii)の場合、4GHz程度まではi)と遜色ないがそこから急に悪化し、10GHz以上では10dB以下となる。
iii)の場合、20GHzまで周波数の上昇に伴い緩やかに悪化するが、10GHzでは20dB、20GHzでも12dBと良好なマッチングが得られている。
iv)の場合、周波数に対する挙動が他とは異なっている。10GHzまでは比較的なだらかな悪化をするが、10〜17GHzまではほぼ平坦に18〜20dB程度のマッチングが得られる。その反面、17GHz以上の周波数ではマッチングが急激に悪化する。
i)と比較すれば、iii)が最も望ましく、次いでii)、最後にiv)の順になる。
従って、図12に示すようなシミュレーション結果から、導電体基板として96%アルミナ21(比誘電率εがε=8〜10であるセラミックス。)を用い、導体芯線を中心にその一部を切欠く(切欠き角度θが90°から270°の範囲内)ことで、高周波信号の良好な伝送特性を示すコプレーナ線路と同軸線路の接続構造を提供することができるといえる。また、特に、誘電体基板上に形成されかつ導体芯線の近傍における電極ラインを誘電体基板の切欠き角度の二等分線上に配置することで、高周波信号の伝送特性を良好にすることができると言える。
以上説明したように、本発明は同軸線路の導体芯線から誘電体基板上のコプレーナ線路に高周波信号を伝送する際の反射損失の発生を抑制するとともに、誘電体基板が耐熱性及び耐久性を有するコプレーナ線路と同軸線路の接続構造およびそれを備えた高周波用パッケージであり、高周波信号を用いる電子部品の分野において利用可能である。
1a,1b…高周波信号用パッケージ 2a,2b…コプレーナ線路と同軸線路の接続構造 3…誘電体基板 4…金属板 5…電極ライン 6…接地導体 7…グランドビア 8…同軸線路 9…導体芯線 10…接合材 11…絶縁体 12…コネクタ 13…外周導体 14a,14b…切欠き 15…高周波用パッケージ 16…接続構造 17…FR−4基板 18…同軸線路 19…内部導体 20…絶縁体 21…96%アルミナ 22…空気 23…擬似同軸構造 24…信号ビア 25…グランドビア 26…ビア 27…フリンジ部 28…導体層 29…コプレーナ線路
Claims (5)
- セラミックスからなる誘電体基板と、
この誘電体基板の下面を被覆する金属板と、
前記誘電体基板の上面に形成される電極ラインと,この電極ラインを挟んで互いに平行に形成される接地導体と,からなるコプレーナ線路と、
前記誘電体基板と前記金属板との間に介設されるベタ導体層と、
前記接地導体と前記ベタ導体層を導通すべく前記誘電体基板を貫通して形成されるグランドビアと、
導体芯線とその外側面を被覆する絶縁体とこの絶縁体の外側面を被覆する外部導体とにより形成される同軸線路とを有し、
前記同軸線路の一の端部は、前記導体芯線が裸出した状態で前記誘電体基板を貫通して前記電極ラインに接続され、
前記電極ライン側に配置される前記外周導体の端部は前記金属板に接続され、
前記誘電体基板は、前記導体芯線と前記電極ラインの接続部分を中心とする切欠き部を備え、
前記導体芯線の側面の一部は、前記切欠き部に裸出していることを特徴とするコプレーナ線路と同軸線路の接続構造。 - 前記導体芯線と前記電極ラインの接続部分を中心とする前記切欠部の角度θは、90°≦θ≦270°であることを特徴とする請求項1記載のコプレーナ線路と同軸線路の接続構造。
- 前記誘電体基板の比誘電率εは8≦ε≦10であり、
前記角度θは、θ=180°であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコプレーナ線路と同軸線路の接続構造。 - 前記電極ラインと前記導体芯線の接続部分近傍における前記電極ラインは、前記角度θを二等分する直線上に形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のコプレーナ線路と同軸線路の接続構造。
- 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のコプレーナ線路と同軸線路の接続構造を備えた高周波用パッケージ。
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JP2009147959A JP2011004355A (ja) | 2009-06-22 | 2009-06-22 | コプレーナ線路と同軸線路の接続構造およびそれを備えた高周波用パッケージ |
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-
2009
- 2009-06-22 JP JP2009147959A patent/JP2011004355A/ja active Pending
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