JP4228092B2 - オレフィン重合体製造用触媒およびオレフィン重合体の製造方法 - Google Patents
オレフィン重合体製造用触媒およびオレフィン重合体の製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、オレフィン重合体を効率的に製造するためのオレフィン重合体製造用触媒および該オレフィン重合体製造用触媒を使用したオレフィン重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
オレフィンの重合用触媒として、特開平3−197513号公報にはメタロセン化合物と有機アルミニウム化合物を触媒に用いてエチレンの重合が行えることが開示されており、特開平3−290408号公報にはジルコノセン化合物と有機アルミニウム化合物および有機マグネシウム化合物を用いて、ポリエチレンあるいはエチレン共重合体が得られることが開示されている。
【0003】
さらに、カミンスキーらはメタロセンとメチルアルミノキサンからなる触媒を用いると、プロピレンを含むオレフィン重合体を製造する際に高い活性を示すことを特開昭58−19309号公報などに開示している。しかしながら、この触媒系においては、有機アルミニウム化合物に比べて高価なメチルアルミノキサンを大量に用いる必要があった。このため、コストの問題やポリマー中に大量のアルミニウムが残存する問題等があった。
【0004】
一方、イオン性メタロセン触媒に有機アルミニウム化合物を添加することで、プロピレンを含めたオレフィンの重合に高活性を示す触媒が、特開平3−124706号公報、特開平3−207704号公報に開示された。この触媒におけるイオン性メタロセン化合物は、一般に、メタロセン化合物とホウ素化合物との反応により製造されるが、イオン性メタロセン化合物の原料であるホウ素化合物を合成するためには、多くの複雑な工程が必要であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記課題を克服すべく、高価な触媒成分を使用することなく、オレフィン重合体を効率よく製造することのできるオレフィン重合体製造用触媒を提供するとともに、その触媒を用いたオレフィン重合体の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、周期表4族の遷移金属を含むメタロセン化合物、特定の構造のシルセスキオキサンオリゴマーから誘導されるメタラシルセスキオキサン化合物、および有機アルミニウム化合物からなるオレフィン重合体製造用触媒を用いることにより、上記課題が解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明は、(a)周期表4族の遷移金属を含むメタロセン化合物、(b)(b−1)および(b−2)を接触させて得られるアルミニウム元素を含むメタラシルセスキオキサン化合物、
(b−1)下記一般式(1)で示されるシルセスキオキサンオリゴマー、
【0008】
【化3】
【0009】
(R1は炭素数1〜20の炭化水素基であり、R2は水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数2〜20のアシル基または炭素数3〜20のケイ素含有炭化水素基である。)
(b−2)トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリアミルアルミニウムから選ばれる化合物、
(c)有機アルミニウム化合物
からなるオレフィン重合体製造用触媒、およびその触媒を用いるオレフィン重合体の製造方法を提供するものである。
【0010】
本発明において用いられる(a)周期表4族のメタロセン化合物としては、下記一般式(2)
【0011】
【化4】
【0012】
または下記一般式(3)
【0013】
【化5】
【0014】
[式中、M1はチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、Qは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜24のアルキル基、または炭素数6〜24のアリール基、アリールアルキル基若しくはアルキルアリール基であり、R3,R4は各々独立して下記一般式(4)、(5)、(6)または (7)
【0015】
【化6】
【0016】
(式中、R8は各々独立して水素原子、炭素数1〜24のアルキル基、または炭素数6〜24のアリール基、アリールアルキル基若しくはアルキルアリール基である。)
で表される配位子であり、該配位子はM1と一緒にサンドイッチ構造を形成し、R5,R6は各々独立して下記一般式(8)、(9)、(10)または(11)
【0017】
【化7】
【0018】
(式中、R9は各々独立して水素原子、炭素数1〜24のアルキル基、または炭素数6〜24のアリール基、アリールアルキル基若しくはアルキルアリール基である。)
で表される配位子であり、該配位子はM1と一緒にサンドイッチ構造を形成し、R7は下記一般式(12)または(13)
【0019】
【化8】
【0020】
(式中、R10は各々独立して水素原子、炭素数1〜24のアルキル基、または炭素数6〜24のアリール基、アリールアルキル基若しくはアルキルアリール基であり、M2は珪素原子、ゲルマニウム原子または錫原子である。)
で表され、R5およびR6を架橋するように作用しており、mは1〜5の整数である。]
で表される周期表4族のメタロセン化合物、または、下記一般式(14)、(15)、(16)または(17)
【0021】
【化9】
【0022】
[式中、M3は各々独立してチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、Zは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜24のアルキル基、または炭素数6〜24のアリール基、アリールアルキル基若しくはアルキルアリール基であり、Lはルイス塩基であり、pは0≦p≦3であり、JR12 q- 1,JR12 q-2はヘテロ原子配位子であり、Jは配位数が3である15族元素または配位数が2である16族元素であり、R12は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜24のアルキル基若しくはアルコキシ基、または炭素数6〜24のアリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アルキルアリール基もしくはアルキルアリールオキシ基であり、qは元素Jの配位数であり、R11は下記一般式(18)、(19)、(20)または(21)
【0023】
【化10】
【0024】
(式中、R15は各々独立して水素原子、炭素数1〜24のアルキル基、または炭素数6〜24のアリール基、アリールアルキル基若しくはアルキルアリール基である。)
で表される配位子であり、R13は下記一般式(22)、(23)、(24)または(25)
【0025】
【化11】
【0026】
(式中、R16は各々独立して水素原子、炭素数1〜24のアルキル基、または炭素数6〜24のアリール基、アリールアルキル基若しくはアルキルアリール基である。)
で表されM3に配位する配位子であり、R14は下記一般式(26)または(27)
【0027】
【化12】
【0028】
(式中、R17は各々独立して水素原子、炭素数1〜24のアルキル基、または炭素数6〜24のアリール基、アリールアルキル基若しくはアルキルアリール基であり、M4は珪素原子、ゲルマニウム原子または錫原子である。)
で表され、R12およびJR11 q-2を架橋するように作用しており、rは1〜5の整数である。]
で表される周期表4族のメタロセン化合物が挙げられる。
【0029】
前記一般式(2)または(3)で表される化合物としては、例えば、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ビス(ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(ブチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ビス(インデニル)チタニウムジクロライド、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(インデニル)ハフニウムジクロライド、メチレンビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、メチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、メチレンビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、メチレンビス(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、メチレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、メチレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、メチレンビス(ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、メチレンビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、メチレンビス(ブチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、メチレンビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、メチレンビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、メチレンビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、エチレンビス(インデニル)チタニウムジクロライド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(インデニル)ハフニウムジクロライド、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)チタニウムジクロライド、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ハフニウムジクロライド、エチレンビス(2−メチル−1−インデニル)チタニウムジクロライド、エチレンビス(2−メチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(2−メチル−1−インデニル)ハフニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(ブチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(3−メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(4−t−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(インデニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(2−メチル−1−インデニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(テトラヒドロインデニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(4−t−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(2−メチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(3−メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス 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(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(3−メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(4−t−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(インデニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(2−メチル−1−インデニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(テトラヒドロインデニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(4−t−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(2−メチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(3−メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(4−t−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(インデニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(2−メチル−1−インデニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(テトラヒドロインデニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド等のジクロル体および上記4族メタロセン化合物のジメチル体、ジエチル体、ジヒドロ体、ジフェニル体、ジベンジル体等を例示することができる。
【0030】
前記一般式(14)、(15)、(16)または(17)で表される化合物としては、例えば、ペンタメチルシクロペンタジエニル−ジ−t−ブチルホスフィノチタニウムジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル−ジ−t−ブチルアミドチタニウムジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル−n−ブトキシドチタニウムジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル−ジ−t−ブチルホスフィノジルコニウムジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル−ジ−t−ブチルアミドジルコニウムジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル−n−ブトキシドジルコニウムジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル−ジ−t−ブチルホスフィノハフニウムジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル−ジ−t−ブチルアミドハフニウムジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル−n−ブトキシドハフニウムジクロライド、 (t−ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランチタニウムジクロライド、(t−ブチルアミド)(t−ブチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチルシランチタニウムジクロライド、(t−ブチルアミド)ジメチル(トリメチルシリル−η5−シクロペンタジエニル)シランチタニウムジクロライド、ジメチル(フェニルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランチタニウムジクロライド、(t−ブチルアミド)メチルフェニル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランチタニウムジクロライド、(p−n−ブチルフェニルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランチタニウムジクロライド、ジメチル(p−メトキシフェニルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランチタニウムジクロライド、(t−ブチル−η5−シクロペンタジエニル)(2,5−ジ−t−ブチル−フェニルアミド)ジメチルシランチタニウムジクロライド、(t−ブチルアミド)ジメチル(η5−インデニル)シランチタニウムジクロライド、(シクロヘキシルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランチタニウムジクロライド、(シクロヘキシルアミド)ジメチル(フルオレニル)シランチタニウムジクロライド、(シクロドデシルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランチタニウムジクロライド、(t−ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジクロライド、(t−ブチルアミド)(t−ブチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチルシランジルコニウムジクロライド、 (t−ブチルアミド)ジメチル(トリメチルシリル−η5−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジクロライド、ジメチル(フェニルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジクロライド、(t−ブチルアミド)メチルフェニル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジクロライド、(p−n−ブチルフェニルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジクロライド、ジメチル(p−メトキシフェニルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジクロライド、(t−ブチル−η5−シクロペンタジエニル)(2,5−ジ−t−ブチル−フェニルアミド)ジメチルシランジルコニウムジクロライド、(t−ブチルアミド)ジメチル(η5−インデニル)シランジルコニウムジクロライド、(シクロヘキシルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジクロライド、(シクロヘキシルアミド)ジメチル(フルオレニル)シランジルコニウムジクロライド、(シクロドデシルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジクロライド、(t−ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランハフニウムジクロライド、(t−ブチルアミド)(t−ブチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチルシランハフニウムジクロライド、(t−ブチルアミド)ジメチル(トリメチルシリル−η5−シクロペンタジエニル)シランハフニウムジクロライド、ジメチル(フェニルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランハフニウムジクロライド、(t−ブチルアミド)メチルフェニル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランハフニウムジクロライド、(p−n−ブチルフェニルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランハフニウムジクロライド、ジメチル(p−メトキシフェニルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランハフニウムジクロライド、(t−ブチル−η5−シクロペンタジエニル)(2,5−ジ−t−ブチル−フェニルアミド)ジメチルシランハフニウムジクロライド、(t−ブチルアミド)ジメチル(η5−インデニル)シランハフニウムジクロライド、(シクロヘキシルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランハフニウムジクロライド、(シクロヘキシルアミド)ジメチル(フルオレニル)シランハフニウムジクロライド、(シクロドデシルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランハフニウムジクロライド等のジクロル体および上記4族メタロセン化合物のジメチル体、ジエチル体、ジヒドロ体、ジフェニル体、ジベンジル体等を例示することができる。
【0031】
上記、周期表4族の遷移金属を含むメタロセン化合物(a)は単独で用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0032】
本発明において(b)成分として用いられるアルミニウム元素を含むメタラシルセスキオキサン化合物は、(b−1)および(b−2)を接触させて得ることができる。
【0033】
(b−1)下記一般式(1)で示されるシルセスキオキサンオリゴマー、
【0034】
【化13】
【0035】
(R1は炭素数1〜20の炭化水素基であり、R2は水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数2〜20のアシル基または炭素数3〜20のケイ素含有炭化水素基である。)
(b−2)トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリアミルアルミニウムから選ばれる化合物
ここで、化合物(b−1)の一般式(1)中において、R2が水素原子であるトリシラノールのシルセスキオキサンオリゴマー(R1 7Si7O9(OH)3)は、対応するトリクロロシラン化合物(R1SiCl3)を加水分解することによって得ることができる。
【0036】
こうして得られる具体的なシルセスキオキサンオリゴマーとしては、R1がシクロペンチル基((c−C5H9)7Si7O9(OH)3)、シクロヘキシル基((c−C6H11)7Si7O9(OH)3)、シクロヘプチル基((c−C7H13)7Si7O9(OH)3)のものが、Feher,F.J.らによって報告されている(例えば、J.Am.Chem.Soc.1989,111,1741−1748、Organometallics 1991,10,2526−2528など)が、これらに限定されるものではない。
【0037】
メタラシリケート化合物の合成に際して、このトリシラノールのシルセスキオキサンオリゴマー(R1 7Si7O9(OH)3)はそのまま用いてもよいし、1つのシラノール基をメチル、エチル、ベンジルなどの炭素数1〜20の炭化水素基、アセチル、プロピオニル、イソブチリル、ラウロイル、ベンゾイル、トルオイルなどの炭素数2〜20のアシル基、トリメチルシリル、トリエチルシリル、フェニルジメチルシリル、ジフェニルメチルシリルなどの炭素数3〜20のシリル基で保護したものを用いることもできる。
【0038】
(b−1)と反応せしめるアルミニウム元素を含む金属化合物(b−2)は、具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリアミルアルミニウムを例示することができる。
【0039】
さらに、(b−1)と(b−2)を接触させてメタラシルセスキオキサン化合物を合成するに際して、反応の促進あるいは生成したメタラシルセスキオキサン化合物の安定化のためにルイス塩基化合物(b−3)を添加してもよい。具体的なルイス塩基化合物としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル化合物、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリアミルアミン、ピリジン、アニリン、N,N−ジメチルアニリンなどのアミン化合物を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
【0040】
成分(b−1)および成分(b−2)、必要に応じて成分(b−3)との接触は任意の順で、適当な溶媒の存在下行うことができる。このとき、成分(b−1)/成分(b−2)モル比は0.3〜3の範囲にあるように用いるのが好ましい。また、生成したメタラシルセスキオキサン化合物(b)は触媒成分の調製に際して、反応溶液のまま用いてもよいし、単離したものを用いてもよいが、副生成物や未反応物を取り除くために単離したものを用いることが好ましい。
【0041】
さらに、本発明において(c)有機アルミニウム化合物は、具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリアミルアルミニウム、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソプロピルアルミニウムハイドライド、ジ−n−プロピルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジ−n−ブチルアルミニウムハイドライド等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。これらの有機アルミニウム化合物は単独で用いても、2種類以上を併用して用いてもよい。
【0042】
本発明のオレフィン重合体製造用触媒は、溶媒中において、不活性ガス雰囲気下、前記(a)成分と(b)成分および(c)成分とを任意の順で接触させることにより得ることができる。
【0043】
前記方法における(b)成分中に含まれる周期表2,12または13族金属/(a)成分モル比は、重合活性の向上を目的として1.0〜1.0×103、好ましくは1.0〜3.0×102の範囲にあるように(b)成分と(a)成分を用いるのが望ましい。
【0044】
(c)成分/(a)成分のモル比は、安定なオレフィン重合体製造用触媒の調製や重合活性の向上、およびポリマー中に残存するアルミニウム量の低減を目的として1.0〜1.0×104、好ましくは1.0×10〜1.0×103の範囲にあるように(c)成分と(a)成分を用いるのがよい。
【0045】
前記方法において各成分を接触させる際に用いられる適当な溶媒としては、クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等の脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素などが例示される。これらは1種類で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
【0046】
また、前記方法における接触温度および反応時間については特に制限はなく、さらに各成分の接触順序についても特に制限はなく、任意の順序で接触させることができるが、(b)成分と(c)成分の混合物に(a)成分を添加する方法、(a)成分に(b)成分と(c)成分の混合物を添加する方法、(b)成分と (c)成分との混合物に(a)成分と(c)成分との混合物を添加する方法、あるいは(a)成分と(c)成分との混合物に(b)成分と(c)成分との混合物を添加する方法が好ましい。
【0047】
本発明においては、さらに前記方法で調製したオレフィン重合体製造用触媒の存在下、α−オレフィンまたは環状オレフィンを溶液状態、懸濁状態または気相状態で、−80〜280℃の温度、0.5〜2000barの圧力の下で、重合または共重合してポリオレフィンを製造することが好ましい。
【0048】
上記ポリオレフィンの製造に用られるオレフィンは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン等のα−オレフィン、ブタジエン、1,4−ヘキサジエン等の共役および非共役ジエン、シクロペンテン、ノルボルネン等の環状オレフィン、スチレン、ビニルシクロヘキサン等であり、これら2種以上の混合成分を重合することもできる。
【0049】
重合を溶液状態または懸濁状態で実施する場合は、前記方法で得られたオレフィン重合体製造用触媒をそのまま用いるか、または重合溶媒に希釈して用いられる。重合溶媒としては一般に用いられる有機溶剤であればいずれでもよく、具体的にはベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、炭素数7以上の高沸点炭化水素溶媒、塩化メチレン等およびこれらの混合物であり、オレフィン自身を溶媒として用いることもできる。
【0050】
【実施例】
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
【0051】
重合操作、反応および溶媒精製は、すべて不活性ガス雰囲気下で行った。また、反応に用いた溶媒等は、すべて予め公知の方法で精製、乾燥、脱酸素を行ったものを用いた。反応に用いた化合物は、公知の方法により合成し、同定したものを用いた。
【0052】
実施例1
−メタラシルセスキオキサンの調製−
(Feher,F.J.et al,Organometallics,1991,10,2526−2528)に従って合成した(C−C5H9)7Si7O9(OH)3を(Feher,F.J.et al,J.Am.Chem.Soc.1989,111,1741−1748)に記載の方法に従ってモノトリメチルシリル化することによって(C−C5H9)7Si7O9(OSiMe3)(OH)2を得た。50mlシュレンクにおいて、(C−C5H9)7Si7O9(OSiMe3)(OH)2 0.4g(0.43mmol)およびトリエチルアミン0.1ml(0.7mmol)を含んでなるヘキサン溶液20mlに、トリメチルアルミニウムのトルエン溶液(0.22mmolAlに相当)を添加し、室温で一晩攪拌後、溶媒を減圧留去することによって白色固体を得た。
【0053】
−触媒の調製および重合−
トルエン1lを入れた2lのフラスコに、トリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(0.848mol/l)0.7mlを加え、室温で10分間攪拌した。さらに、エチレンビスインデニルジルコニウムジクロライド1.3mg(3μmol)およびトリイソブチルアルミニウム(0.9mmol)を含んでなるトルエン溶液3mlをこれに添加し、室温で5分間攪拌後、さらに上記方法によって得られたメタラシルセスキオキサン化合物6mgのトルエン溶液(5ml)を加え、触媒溶液を調製した。
【0054】
2lのオートクレーブに上記のように調製した触媒溶液を加えた後、内温を80℃まで昇温させ、そのオートクレーブを8kg/cm2Gになるようにエチレンで加圧し、60分間攪拌した。その結果、74.2gのポリエチレンを得た。これは、24.7kg/mmolZrの重合活性に相当する。
【0055】
比較例1
トルエン1lを入れた2lのフラスコに、トリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(0.848mol/l)0.7mlを加え、室温で10分間攪拌した。さらに、エチレンビスインデニルジルコニウムジクロライド1.3mg(3μmol)およびトリイソブチルアルミニウム(0.9mmol)を含んでなるトルエン溶液3mlをこれに添加し、室温で5分間攪拌し、触媒溶液を調製した。
【0056】
2lのオートクレーブに上記のように調製した触媒溶液を加えた後、内温を80℃まで昇温させ、そのオートクレーブを8kg/cm2Gになるようにエチレンで加圧し、60分間攪拌した。その結果、3.5gのポリエチレンを得た。これは、1.2kg/mmolZrの重合活性に相当する。
【0057】
【発明の効果】
以上のように、本発明のオレフィン重合体製造用触媒を用いることにより、オレフィン重合体を効率よく製造することができる。
Claims (3)
- (a)周期表4族の遷移金属からなるメタロセン化合物、
(b)(b−1)、(b−2)および(b−3)を接触させて得られるアルミニウム元素を含むメタラシルセスキオキサン化合物、
(b−1)下記一般式(1)で示されるシルセスキオキサンオリゴマー、
(b−2)トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリアミルアルミニウムから選ばれる化合物、
(b−3)ルイス塩基化合物、
(c)有機アルミニウム化合物
からなるオレフィン重合体製造用触媒。 - 一般式(1)におけるR1がシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル基のいずれかであるシルセスキオキサンオリゴマー(b−1)を用いることを特徴とする請求項1に記載のオレフィン重合体製造用触媒。
- 請求項1又は2に記載のオレフィン重合体製造用触媒の存在下で、オレフィンを重合または共重合することを特徴とするオレフィン重合体の製造方法。
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