JP4227804B2 - 部品挿入ヘッド装置、部品挿入装置、及び部品挿入方法 - Google Patents

部品挿入ヘッド装置、部品挿入装置、及び部品挿入方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各素子部にリード線が形成された複数の部品の夫々の上記リード線を、基板において形成されている上記夫々のリード線の挿入孔に挿入させて、上記夫々の部品を上記基板に挿入し、上記挿入された上記夫々の部品を上記基板に実装可能とさせる部品挿入ヘッド装置、部品挿入装置及び部品挿入方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の部品挿入ヘッド装置や部品挿入装置における一般的な部品挿入方法としては、供給される部品の素子部を把持し、当該部品のリード線の端部をガイドピンの係合部に係合させて、かつ、上記素子部をプッシャ部材で押圧して、上記係合を保持させながら、基板の挿入位置に形成された挿入孔に、上記ガイドピンにより上記リード線を案内させて挿入し、その後、上記プッシャ部材により上記素子部を上記基板に押圧して押し付けた状態で、上記挿入孔に挿入された上記リード線のカットアンドクリンチ(すなわち、切断及び折り曲げ)による当該部品の上記基板上への固定を行うというような手順にて行なわれている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一方、このような夫々の部品が基板に挿入されて、実装されることにより形成される部品実装基板においては、当該部品実装基板により形成される電子回路をより多機能化し、かつ、その生産コストを低減させることが、時代の流れとともにその市場より強く求められているという背景がある。
【0004】
【特許文献1】
特開昭59−227200号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記多機能化及び生産コストの低減化を図ることに伴って、当該部品の構造が変化され、また、当該部品の種類も多様化されてきており、単に、上述した従来の部品挿入方法を用いるだけでは、確実な部品挿入動作を行うことが困難な場合も起り得るようになってきている。
【0006】
上記部品の構造の変化として、例えば、上記部品の一例である電解コンデンサの素子部における外殻膜の形成厚さが、当該電解コンデンサの製作コストの低減を図るために薄型化されつつあり、それに伴って、当該素子部の剛性が低下している。このような電解コンデンサの上記基板への挿入を行う場合には、上記素子部の把持の際に、上記剛性が低下しているために、上記電解コンデンサの上記素子部を塑性変形させて損傷させてしまうおそれがあるという問題がある。
【0007】
また、上記部品の種類の多様化として、例えば、上記部品の素子部の形状が大型化されてその重量が大きく形成されたものや、特殊な形状を有しているような部品を、基板に実装させることが望まれつつある。このような大型化や特殊形状化された夫々の部品の上記基板への挿入を行う場合には、上記大型化、上記重量化、あるいは上記特殊形状化された上記素子部を確実に把持することが困難な場合が起り得るという問題がある。
【0008】
さらに、上記夫々の部品のリード線の線径やその剛性も様々な形態のものが用いられるようになっており、例えば、コネクタ部品のような部品にあっては、その部品の特性上、剛性が高いリード線が用いられているものもある。このような上記コネクタ部品のような部品の上記基板への挿入を行った後のカットアンドクリンチによる上記基板への固定を行う場合には、上記リード線の折り曲げに伴う力が大きくなり、上記部品の基板への保持の力が当該折り曲げに伴う力に対抗できず、部品の位置ずれ等が発生する場合が生じるという問題がある。
【0009】
特に、従来の部品挿入装置における部品挿入ヘッド装置においては、上記部品の素子部を把持する機構や押圧する機構に機械的なばね部材が用いられていることが多く、上述のような様々な部品の挿入には柔軟に対応することができないという問題点がある。
【0010】
従って、本発明の目的は、上記問題を解決することにあって、各素子部にリード線が形成された複数の部品の夫々の上記リード線を、基板において形成されている上記夫々のリード線の挿入孔に挿入させて、上記夫々の部品を上記基板に挿入し、上記挿入された上記夫々の部品を上記基板に実装可能とさせる部品挿入において、多様化された様々な種類の上記部品の夫々の特徴に応じた上記部品の挿入に柔軟に対応することができ、確実な上記挿入を行うことができる部品挿入ヘッド装置、部品挿入装置及び部品挿入方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
【0012】
本発明の第1態様によれば、各素子部にリード線が夫々形成された供給される複数の部品として、第1の部品と、上記第1の部品よりもその上記素子部の剛性が低い第2の部品とを、部品の把持位置において個別に把持して、基板における部品の挿入位置において形成されている上記リード線の挿入孔に挿入させる部品挿入ヘッド装置において、
上記部品の把持位置において、上記夫々の部品の上記素子部を解除可能に把持する把持装置と、
上記把持装置におけるその把持圧力を制御しながら、上記夫々の部品の上記素子部の把持動作が制御可能であって、上記第1の部品の上記把持圧力よりも上記第2の部品の上記把持圧力が低くなるように、上記夫々の把持圧力の制御を行う把持装置制御部とを備えることを特徴とする部品挿入ヘッド装置を提供する。
【0013】
本発明の第2態様によれば、上記把持装置は、
互いに対向されて配置され、かつ、互いに近接又は離間するように移動されることにより、上記部品の把持位置に位置された上記部品の上記素子部の把持動作又は把持解除動作が可能な一対の把持部材と、
上記一対の把持部材の上記近接又は上記離間の夫々の移動動作を行う把持部材駆動部とを備える第1態様に記載の部品挿入ヘッド装置を提供する。
【0014】
本発明の第3態様によれば、上記把持装置において、上記把持部材駆動部は、
上記一対の把持部材の上記夫々の移動動作を行うシリンダ部と、
上記シリンダ部に供給される流体の圧力を可変させて供給可能な圧力可変供給部とを備え、
上記把持装置制御部は、上記夫々の把持部材による上記第2の部品の把持の際における上記供給される流体の圧力が、上記第1の部品の把持の際における上記供給される流体の圧力よりも低い圧力となるように、上記圧力可変供給部を制御可能である第2態様に記載の部品挿入ヘッド装置を提供する。
【0015】
本発明の第4態様によれば、上記夫々の把持圧力は、上記把持により、上記第1の部品又は上記第2の部品の上記夫々の素子部を把持して保持可能であり、かつ、上記夫々の素子部の形状を塑性変形させない圧力である第1態様から第3態様のいずれか1つに記載の部品挿入ヘッド装置を提供する。
【0016】
本発明の第5態様によれば、上記第2の部品は、上記把持の方向における上記素子部の剛性が、上記第1の部品の上記方向における上記素子部の剛性よりも低い上記部品である第1態様から第4態様のいずれか1つの記載の部品挿入ヘッド装置を提供する。
【0017】
本発明の第6態様によれば、上記部品挿入ヘッド装置は、
上記把持装置により、上記把持された上記部品の上記リード線の端部と係合可能な係合部を有し、上記係合部と上記係合された状態で上記リード線を上記基板の上記挿入孔に案内して、上記部品を上記基板に挿入可能なガイドピンを備えるリード線案内装置と、
上記ガイドピンの上記係合部とその上記リード線とが係合された状態の上記部品の上記素子部を、上記基板における上記挿入位置に向けて押圧して上記リード線と上記係合部との上記係合を保持可能であって、上記保持状態を維持しながら、上記ガイドピンにより案内される上記部品を上記挿入孔に挿入可能に押し下げるプッシャ装置と、
上記プッシャ装置におけるその押圧の圧力を制御しながら、上記夫々の部品の押し下げの動作が制御可能であって、上記第1の部品の上記押圧の圧力よりも上記第2の部品の上記押圧の圧力が低くなるように、上記夫々の押圧の圧力の制御を行うプッシャ装置制御部とを備える第1態様から第4態様のいずれか1つに記載の部品挿入ヘッド装置を提供する。
【0018】
本発明の第7態様によれば、上記プッシャ装置は、
上記部品の上記素子部に当接可能であって、かつ、上記部品の挿入位置における上記基板の表面に略直交する方向沿いに昇降可能なプッシャ部材と、
上記プッシャ部材の上記昇降の動作を行うプッシャ昇降部とを備える第6態様に記載の部品挿入ヘッド装置を提供する。
【0019】
本発明の第8態様によれば、上記プッシャ装置において、上記プッシャ昇降部は、
上記プッシャ部材の上記昇降の動作を行うシリンダ部と、
上記シリンダ部に供給される流体の圧力を可変させて供給可能な圧力可変供給部とを備え、
上記プッシャ装置制御部は、上記プッシャ部材による上記第2の部品の上記素子部の押圧の際における上記供給される流体の圧力が、上記第1の部品の上記素子部の押圧の際における上記供給される流体の圧力よりも低い圧力となるように、上記圧力可変供給部を制御可能である第7態様に記載の部品挿入ヘッド装置を提供する。
【0020】
本発明の第9態様によれば、上記リード線案内装置は、上記基板の挿入孔に挿入された上記部品を、上記プッシャ部材により上記素子部が上記基板の挿入位置に押圧されて保持された状態で、上記部品のリード線を折り曲げることにより、上記部品を上記基板に固定するリード線折り曲げ部を備え、
上記プッシャ装置制御部は、上記プッシャ部材による上記基板の挿入位置への上記保持の際における上記素子部への上記押圧の圧力が、上記ガイドピンの上記係合部と上記リード線との係合保持の際における上記素子部への上記押圧の圧力よりも高くなるように、上記夫々の押圧の圧力の制御を行う第7態様又は第8態様に記載の部品挿入ヘッド装置を提供する。
【0021】
本発明の第10態様によれば、上記夫々の押圧の圧力は、上記押圧により、上記第1の部品又は上記第2の部品の上記夫々の素子部の形状を塑性変形させない圧力である第6態様から第9態様のいずれか1つに記載の部品挿入ヘッド装置を提供する。
【0022】
本発明の第11態様によれば、上記プッシャ装置制御部は、
上記第1の部品及び上記第2の部品の上記夫々のリード線よりも、その剛性が高い上記リード線を備える第3の部品を、上記プッシャ部材により上記基板の挿入位置へ押圧して上記保持する際における上記素子部への上記押圧の圧力が、上記第1の部品及び上記第2の部品への上記押圧の圧力よりも高くなるように、上記夫々の圧力の制御を行う第9態様に記載の部品挿入ヘッド装置を提供する。
【0023】
本発明の第12態様によれば、上記第2の部品は、上記押圧の方向における上記素子部の剛性が、上記第1の部品の上記方向における上記素子部の剛性よりも低い上記部品である第6態様から第11態様のいずれか1つの記載の部品挿入ヘッド装置を提供する。
【0024】
本発明の第13態様によれば、第1態様から第12態様のいずれか1つに記載の部品挿入ヘッド装置と、
上記夫々の部品を供給可能に収容している部品供給部と、
上記部品供給部より供給された上記部品を把持して上記部品の受渡し位置まで上記部品の搬送を行う部品搬送体と、
上記部品搬送体の上記部品受渡し位置に位置された上記部品を把持して上記部品を上記部品挿入ヘッド装置における上記部品の把持位置に移動させる移替チャックと、
上記部品挿入ヘッド装置と上記基板における上記挿入位置との上記基板の表面沿いの方向の位置合わせを行う位置合わせ部とを備えることを特徴とする部品挿入装置を提供する。
【0025】
本発明の第14態様によれば、各素子部にリード線が夫々形成されている複数の部品として、第1の部品と、上記第1の部品よりもその上記素子部の剛性が低い第2の部品とを、部品の把持位置において個別に把持して、基板における部品の挿入位置において形成されているリード線の挿入孔に、上記夫々のリード線を挿入して、上記第1の部品と上記第2の部品とを上記基板に挿入して混載させる部品挿入方法において、
上記部品の把持位置において、上記部品を解除可能に把持する際に、上記第1の部品の上記把持の圧力よりも上記第2の部品の上記把持の圧力が低くなるように、上記部品の把持を行い、
それとともに、上記部品の上記リード線と上記基板の上記挿入孔との上記基板の表面沿いの方向における位置合わせを行い、
その後、上記把持が行われた上記部品の上記リード線を上記基板の挿入孔に挿入させることを特徴とする部品挿入方法を提供する。
【0026】
本発明の第15態様によれば、上記部品の把持の後、上記基板の上記挿入孔と通してガイドピンの係合部に上記部品の上記リード線の端部を係合させるとともに、プッシャ部材により上記部品の上記素子部を、上記基板における上記挿入位置に向けて押圧して上記ガイドピンと上記リード線との係合を保持する際に、上記第1の部品の上記押圧の圧力よりも上記第2の部品の上記押圧の圧力が低くなるように、上記押圧による上記係合の保持を行い、
上記部品の把持を解除するとともに、上記係合を保持しながら、上記ガイドピンにより上記リード線を上記挿入孔に案内して挿入させる第14態様に記載の部品挿入方法を提供する。
【0027】
本発明の第16態様によれば、上記基板の挿入孔に挿入された上記部品を、上記プッシャ部材により上記素子部が上記基板の挿入位置に押圧されて保持された状態で、上記部品のリード線を折り曲げることにより、上記部品を上記基板に固定する際に、上記プッシャ部材による上記基板の挿入位置への上記保持における上記素子部への上記押圧の圧力が、上記ガイドピンの上記係合部と上記リード線との係合保持における上記素子部への上記押圧の圧力よりも高くなるように、上記夫々の押圧を行う第15態様に記載の部品挿入方法を提供する。
【0028】
本発明の第17態様によれば、上記第1の部品及び上記第2の部品の上記夫々のリード線よりも、その剛性が高い上記リード線を備える第3の部品を、上記プッシャ部材により上記基板の挿入位置へ押圧して上記保持する際における上記素子部への上記押圧の圧力が、上記第1の部品及び上記第2の部品への上記押圧の圧力よりも高くなるように、上記夫々の押圧を行う第16態様に記載の部品挿入方法を提供する。
【0029】
本発明の第18態様によれば、上記夫々の把持圧力は、上記把持により、上記第1の部品又は上記第2の部品の上記夫々の素子部を把持して保持可能であって、かつ、上記夫々の素子部の形状を塑性変形させない圧力である第14態様から第17態様のいずれか1つに記載の部品挿入方法を提供する。
【0030】
本発明の第19態様によれば、上記夫々の押圧の圧力は、上記押圧により、上記第1の部品又は上記第2の部品の上記夫々の素子部の形状を塑性変形させない圧力である第15態様から第17態様のいずれか1つに記載の部品挿入方法を提供する。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0032】
(部品挿入装置構成概要)
本発明の一実施形態にかかる部品挿入装置の一例である部品挿入装置101の半透過斜視図を図1に示す。
【0033】
図1に示すように、部品挿入装置101においては、部品の一例として素子部2(又はボディー部)に基板接続用の複数のリード線3が形成されているディスクリート部品1(例えば、リード線を有する抵抗、コンデンサ、タンタルコンデンサ、発光ダイオード、ダイオード等、なお、以降においては特にその他の種類の部品との対比を行う場合を除き、単に部品というものとする)を、基板の一例である回路基板6に挿入させて、後に別の装置で行われる上記挿入された部品1のリード線3の回路基板6への半田付け工程等が施されることで実装可能な状態とさせる装置である。なお、基板には、樹脂基板、紙−フェノール基板、セラミック基板、ガラス・エポキシ(ガラエポ)基板、フィルム基板などの回路基板を含むものとする。
【0034】
また、部品挿入装置101においては、このような複数の部品1がテーピング部材4に収容されたテーピング部品連5として、複数のテーピング部品連5を夫々より部品1を供給可能に収納する部品供給部10が備えられている。さらに、部品挿入装置101においては、部品1の回路基板6への挿入動作を行う部品挿入ヘッド装置の一例である部品挿入ヘッド61が備えられ、部品供給部10より供給される部品1の回路基板6への挿入動作がこの部品挿入ヘッド61により行われる部品挿入部60(すなわち部品挿入部60において部品挿入ヘッド61が備えられている)と、部品供給部10より供給された部品1を部品搬送体の一例であるコンベアベルト21を用いて部品挿入部60に供給可能に搬送する部品搬送部20と、上記コンベアベルト21により搬送された部品1を部品挿入部60に移し替えるように移動させる部品移替体40とが備えられている。なお、部品挿入装置101においては、部品供給方式として、いわゆるシーケンス方式を採用するとともに、部品挿入方式としていわゆるガイドピン方式を採用している。
【0035】
なお、ガイドピン方式とは、基板における部品の挿入孔を通して部品のリード線を保持したガイドピンを下降させることにより、リード線を挿入孔に案内して部品を基板に挿入させるという部品挿入方式のことをいう。
【0036】
また、シーケンス方式とは、部品供給部からコンベアベルトを有する部品搬送部に部品を受渡し、上記部品搬送部においてシーケンス的に部品を基板に挿入可能に上記部品挿入ヘッドに供給する部品供給方式のことをいう。なお、本実施形態においては、上記部品供給方式として、例えば、シーケンス方式を採用した場合について説明を行うものとするが、このような場合のみに限定されるものでなく、例えば、部品供給方式として、部品供給部の平行移動と部品取出ヘッドの平行移動との組み合わせにより上記部品供給部と上記部品取出ヘッドとの位置合わせを行い、上記部品取出しヘッドにより上記部品を取り出して部品挿入ヘッドに供給するランダムアクセス方式を採用するような場合であってもよい。
【0037】
(各構成部分の構造)
次に、部品挿入装置101における上述した夫々の構成部分について、順次説明する。
【0038】
(部品供給部)
まず、図1部品供給部10においては、夫々のテーピング部品連5がリール(図示しない)等に個別に巻き付けられた状態で、その下部における部品収納部12内に収納されている。また、部品収納部12の上部には、部品収納部12に収納されている夫々のテーピング部品連5が引き出されて、上記引き出されたテーピング部品連5を案内する部品供給ガイド11が複数備えられている。また、夫々の部品供給ガイド11の先端部には、部品供給体13が夫々備えられている。なお、この部品供給体13により、部品供給部10より部品搬送部20への部品1の供給は、夫々の部品供給体13により行われる。なお、夫々の部品供給体13は、図示X軸方向に一定の間隔ピッチでもって配列されている。
【0039】
ここで、部品供給ガイド11と部品供給体13との関係を図2に示す。図2に示すように、テーピング部品連5は、素子部2と、この素子部2に大略同じ向きに延在するように形成されている2本のリード線3を有する部品1を、所定間隔ごとにテーピング部材4にテーピングした構成となっている。また、部品供給体13の上部には、テーピング部材4を案内するガイド溝14が形成されており、テーピング部品連5は夫々の部品1における素子部2を上方に、かつ、リード線3を下方に位置させた状態で、部品1の2本のリード線3の配列方向(すなわち、夫々のリード線3を互いに結ぶ仮想線沿いの方向であって、部品挿入装置101に固定された回路基板6の表面沿いの方向)に沿ってガイド溝14によりテーピング部材4が案内されて、テーピング部品連5を部品搬送部20に供給可能としている。なお、以降においては、上記2本のリード線3の配列方向のことを、単に、リード線の配列方向というものとする。
【0040】
また、図2に示すように部品供給体13の部品搬送部20側の端部には、テーピング部材4を切断して、夫々の部品1を個片化する第1の切断刃15が備えられている。ガイド溝14で案内されているテーピング部品連5を、ガイド溝14の端部において第1の切断刃15により切断して個片化して、部品搬送部20に供給可能としている。
【0041】
(部品搬送部)
次に、部品搬送部20について説明する。図1に示すように、部品搬送部20のコンベアベルト21は、例えば、ゴム、又は合成樹脂製の環状のコンベアベルトであって、部品挿入装置101の機台102の上面に備えられた3つのプーリ23、24、及び25によって略三角形状に張架されている。コンベアベルト21の内部には数十本の環状金属線が設けられ、これによりコンベアベルト21に張力が付加されたような場合であっても、コンベアベルト21の伸びを少なくするようにしている。
【0042】
また、コンベアベルト21の表裏面には凹凸が設けられ、裏面の上記凹凸は、プーリ23、24、及び25の外周にも形成されている凹凸部と互いに係合するようになっている。
【0043】
また、プーリ23は間欠駆動するモータ22によって回転駆動可能となっており、上記モータ22の間欠駆動によりプーリ23が間欠に回転駆動されて、プーリ23に係合されているコンベアベルト21の間欠的な回動を行うことが可能となっている。なお、コンベアベルト21の上記回動は、プーリ23、24、25の順の回動方向、すなわち、図1における反時計方向にて行われる。
【0044】
ここで、コンベアベルト21の部分拡大斜視図を図3に示す。図3に示すように、コンベアベルト21においては、所定の間隔ごとにチャック保持体26が取り付けられている。また、チャック保持体26におけるコンベアベルト21の表面側に面する面には、上記表面側の凹凸部と係合可能な凹凸面となっており、さらに、このチャック保持体26の上端及び下端をコンベアベルト21の裏面側に延長して、その一部をコンベアベルト21の裏面側の凹凸部に係合させて、夫々のチャック保持体26が確実にコンベアベルト21に取り付けられている。
【0045】
さらに、図3に示すように、夫々のチャック保持体26の上記上端及び下端の延長された部分によってガイド部26a及び26bが、チャック保持体26と一体的に形成されており、この夫々のガイド部26a及び26bは、プーリ23、24、及び25の夫々の間のコンベアベルト21の裏面側部分に配置された板状のガイドレール28の上下端に、ガイドレール28沿いに摺動可能に係合されている。これにより、コンベアベルト21の回動の際に、コンベアベルト21に取り付けられている夫々のチャック保持体26のガイド部26a及び26bが、ガイドレール28に沿って摺動され、コンベアベルト21の振れを防止している。
【0046】
また、図2及び図3に示すように、夫々のチャック保持体26の下端部分には、夫々3本のチャック27が設けられている。この夫々のチャック27は、部品供給体13より供給される個片化されたテーピング部品連5を、保持(若しくは把持)することが可能となっており、コンベアベルト21が回動されることにより夫々のチャック27に保持された上記個片化されたテーピング部品連5の搬送が可能となっている。また、夫々のチャック27は、上記固片化されたテーピング部品連5を、部品1のリード線の配列方向がコンベアベルト21の長手方向と略直交する方向において保持することが可能となっている。なお、コンベアベルト21における夫々のチャック27の配列ピッチは、上記部品供給体13の配列ピッチと同様となっている。
【0047】
なお、図1に示すように、部品供給部10における夫々の部品供給体13は、図示Y軸方向沿いにテーピング部品連5を送り出して部品搬送部20へ供給可能、かつ、図示X軸方向沿いに互いに隣接されて部品挿入装置101の機台102上に設置されている。また、部品搬送部20におけるコンベアベルト21は、プーリ23とプーリ25の間の区間、すなわち、部品供給部10の近傍において、図示X軸方向沿いに走行されるように、プーリ23及び25が配置されている。また、上記区間において、コンベアベルト21に取り付けられた夫々のチャック27の先端は、夫々の部品供給体13の端部との間に、互いに干渉しない程度の一定の隙間が確保されている。なお、図1におけるX軸方向とY軸方向とは互いに直交している。
【0048】
また、図1に示すように、夫々の部品供給体13の図示X軸方向左側におけるコンベアベルト21に取り付けられたチャック27の下方には、チャック27による部品1のリード線3の保持位置の補正を行う保持位置補正体30が、部品挿入装置101の機台102上に設置されている。
【0049】
この保持位置補正体30の斜視図を図4に示すと、図4に示すように、保持位置補正体30は、テーピング部材4の底辺を載せる載置台31と、テーピング部材4をその長手方向に直交する方向(すなわち、テーピング部材4の厚さ方向)における両面を挟むようにして保持する保持体32と、部品1のリード線3を押しながらテーピング部材4の長手方向に移動させる押体33とを備えている。
【0050】
チャック27によるリード線3の保持位置の補正を行う場合には、チャック27により保持された状態の個片化されたテーピング部品連5をコンベアベルト21の回動により、保持位置補正体30の上方へと位置させる。その後、この個片のテーピング部材4を載置台31に載せ、チャック27による保持を解除し、夫々の押体33でテーピング部材4をその長手方向沿いに移動させることにより、リード線3を上記方向に移動させて保持位置補正を行った後に、再びチャック27を閉じてリード線3の保持を行うものである。
【0051】
次に、図5は第2の切断刃34を示したもので、保持位置補正体30の下流側にリード線3を切断することを目的として設けられており、この第2の切断刃34は、コンベアベルト21の夫々のチャック27に対して接離自在な構成としている。つまり、チャック27によるリード線3の保持位置補正が完了した後に、第2の切断刃34によるリード線3の切断を行い、リード線3を適切な長さとすることができる。
【0052】
図5に示すように、第2の切断刃は、開閉自在な2枚の刃35を備えており、これらの2枚の刃35の先端下面側にはテーパ面が形成されており、このテーパ面に、チャック27によって保持された個片のテーピング部材4の上辺を当接させた状態で切断するので、切断後のリード線3の長さが安定したものとなる。また、このリード線3の切断を行うことにより、リード線3の下部において取り付けられているテーピング部材4がリード線3の下部とともに取り除くことができる。
【0053】
(部品移替体)
次に、部品移替体40について説明する。図1に示すように、コンベアベルト21の夫々のチャック27により夫々のリード線3が保持された部品1を部品挿入部60に移し替えて供給する部品移替体40が、プーリ23とプーリ24の間におけるプーリ24の近傍に配置されて機台102上に設置されている。プーリ23とプーリ24の間におけるコンベアベルト21上には、チャック27により保持された部品1の部品搬送部20より部品移替体40への部品受け渡し位置が位置されている。この部品移替体40の斜視図を図9に示す。図9に示すように、部品移替体40は、その先端部において部品1のリード線3を解除可能に把持することが可能な移替チャック47を備えており、この移替チャック47を部分的かつ模式的に示す側面図を図7及び図8に示す。
【0054】
図7に示すように、移替チャック47は、部品1のリード線3を把持するための複数の爪を備えており、夫々の爪は、部品1のリード線3の下部を把持する2つの把持爪41、42と、及びこのリード先3の上部を支える支爪43となっている。この2つの把持爪41、42のうち1つの把持爪41と支爪43とを一体化し、もう1つの把持爪42は把持爪41に対して可動自在となっている。また、1つの把持爪41と支爪43とが一体化されているので、夫々の爪の構成を簡単なものとすることができるだけでなく、図8に示すように、上記もう1つの把持爪42を図示右向きに可動させて、夫々のリード線3を上記把持爪42の可動方向に移動させて、夫々のリード線3の図示左側部分が把持爪42に当接されながら、夫々のリード線3の右側部分が図示下方側において把持爪41に、図示上方側において支爪43に当接された状態で図示右向きに押し付けられて付勢された状態とさせることにより、リード線3を把持爪41、42、及び支爪43とで支持させることができ、リード線3の把持を安定して行うことができる。
【0055】
また、図9に示すように、部品移替体40は、鉛直方向において同軸上に配置された3つの軸44、45、及び46とを備えている。これらの軸のうち、最も外側に設けられた軸44は、部品移替体40を回路基板6の表面沿いの方向に回動させるためのものである。また、その内側に設けられた軸45は、回路基板6の表面沿いの平面において、移替チャック47を軸45に対して離間あるいは近接する方向に移動させるものであり、例えば、移替チャック47をコンベアベルト21に設けられたチャック27に対して近接させるあるいは離間させる方向に移動させる動作を行う軸である。
【0056】
さらに、部品移替体40の部分的な構造を示す斜視図を図10及び図11に示す。図10及び図11は、上記軸44及び45を取り除き、軸46に関する構成を示した移替チャック47の斜視図であるが、上記夫々の軸44及び45に対して最も内側に設けられている軸46は、移替チャック47の開閉動作を行うものであり、すなわち、把持爪42の可動動作を行うことにより、リード線3の把持又は把持解除の動作を行う軸である。なお、図10に示すように、把持爪41及び42、さらに支爪43において形成されているリード線3を把持するための凹状の複数の爪部分は、リード線3をと係合しやすいようにテーパ状の形状とされている。
【0057】
次に、これらの軸44、45、及び46ごとに分けて夫々の構成についてさらに詳細に説明する。まず、最も外側の軸44は、図9に示すさらに上方において、例えば、軸44をその軸芯を回転中心として回転駆動させる図示しないモータ及びプーリ等の駆動機構が設けられており、上記駆動機構により軸44の回転駆動を行うことにより部品移替体40の上記回動を行っている。
【0058】
また、図12及び図13の部品移替体40の側面図に示すように、中程の軸45は、その下端部分に移動レバー48が回動自在に係合した状態となっている。図12及び図13に示すように、移動レバー48は略L字形状を有しており、その側面における中程の部分において、軸49により軸止された状態となっている。従って、この移動レバー48の一端側が、例えば、図13から図12の状態のように、軸45の下端で下方に押し下げられた場合には、この移動レバー48の下端側によって、移替チャック47を図13から図12に示すように、図示左側へ移動させるように構成されている。
【0059】
次に、最も内側に設けられている軸46は、図10及び図11に示すように、軸46の下端にはレバー50の上端が取り付けられ、このレバー50の下端には、ローラー51が取り付けられている。このローラー51は、その下方に配設された回動板52の上面に常時接された状態となっており、また、回動板52の一端近傍において上記一端沿いに走行可能となっている。また、先端部において移替チャック47が取り付けられ、かつ、回路基板6の表面と略平行に配設された回動軸53に、回動板52はその上記一端と対向する端部が取り付けられている。また、回動軸53は移替チャック47を構成する把持爪42を支爪43と把持爪41の間において夫々と略平行にスライドさせるためのスライドレバー54がと取り付けられている。スライドレバー54の一端は回動軸53に取り付けられており、他端は把持爪42を上記スライド方向に押し出すことによりスライド移動可能に取り付けられている。これにより、回動軸53がその軸心である回転中心回りに回転されることにより、スライドレバー54も上記回転中心回りに回転されて、その上記他端において把持爪42を上記スイライド方向に移動させることができる。このように、把持爪42が上記スライド方向に移動されることにより、部品1のリード線3に対する把持あるいは把持解除を行うことができる。
【0060】
また、軸46の下端に取り付けられているレバー50は、その下端におけるローラー51により、回動板52の上面の上記一端に常時当接された状態とされている。このような状態において、軸46を下降させることにより、ローラー51を介してレバー50により回動板52の上記一端を押し下げることができる。上記一端が押し下げられた回動板52は回動軸53をその回転中心回りに回転させることとなり、この回動軸53の回転により把持爪42をスライド移動させて上記把持あるいは把持解除の動作を行うことができる。なお、このような動作を行った後、軸46を逆の動作、すなわち上昇させることにより、把持爪42を上記スライド方向逆向きにスライドさせることができ、上記把持あるいは把持解除の逆の動作を行うことができる。
【0061】
また、回動板52を押し下げることが可能な上記レバー50の下端に取り付けられたローラー51は、回動板52の上記一端沿い、すなわち、回動軸53沿いに走行可能となっている。また、上記軸45の昇降動作による移替チャック47の軸45に対して離間あるいは近接する方向への移動は、回動軸53がその軸心沿いに移動されることにより行われる。従って、回動軸53がその軸心沿いに移動されるような場合であっても、回動板52の上面において同じ方向沿いにローラー51が走行されるため、軸46により把持爪42をスライドさせる機構が、軸45により移替チャック47の上記離間あるいは近接させる移動動作を妨げることはない。
【0062】
(部品挿入部)
次に、部品挿入部60について説明する。図1に示すように、部品挿入部60は、部品移替体40に隣接して機台102上に配置されており、機台102に固定された複数の剛体であるフレームにより固定された部品挿入ヘッド61を備えている。また、機台102上には、部品挿入装置101に供給される回路基板6を解除可能に固定し、かつ、その回路基板6の表面沿いに移動させるスライドベース83が備えられている。なお、このスイライドベース83の構造詳細については後述する。部品挿入ヘッド61は、このスライドベース83に固定される回路基板6の上方に設置されており、回路基板6における夫々の部品挿入位置への夫々の部品1の挿入動作を行う。また、回路基板6に対する部品1の挿入動作を、部品1のリード線3を案内しながら上記部品挿入ヘッド61とともに行うリード線案内装置の一例である部品挿入ガイド装置80が、上記スライドベース83に固定される回路基板6の下方における機台101上に設置されている。なお、本明細書において、部品挿入位置(あるいは部品の挿入位置)とは、回路基板6における部品1が挿入される位置のことであるが、さらに広義に解釈して、回路基板6における上記位置より、回路基板6の表面に直交する方向における仮想線上の位置をも含むものとする。
【0063】
まず、部品挿入ヘッド61について説明する。部品挿入ヘッド61の側面断面図を図14に、部品挿入ヘッド61の先端部分における部分拡大斜視図を図15に示す。
【0064】
図14及び図15に示すように、部品挿入ヘッド61は、部品1の素子部2を把持する一対の把持部材の一例である挿入チャック62を有する把持装置の一例である挿入チャック機構63と、部品1の素子部2を下方に向けて押し出すプッシャ部材の一例であるプッシャ64を有するプッシャ装置の一例であるプッシャ機構65と、部品1の回路基板6への挿入時に、リード線3の先端と部品挿入ガイド装置80におけるガイドピン81との当接保持を案内して行うガイドチャック66を有するガイドチャック機構67とを備えている。
【0065】
まず、挿入チャック機構63の模式的な構成を示す模式側面図を図16に示し、図14から図16を用いて挿入チャック機構63の構成について説明する。図16に示すように、挿入チャック機構63は、支点ピン68を回転中心として回動可能に取り付けられている一対の挿入チャック62a、62bと、挿入チャック62a、62bを駆動させて開閉動作を行う把持部材駆動部の一例である挿入チャック駆動部71とを備えている。上記一対の挿入チャックは、図示右側が挿入チャック62a、図示左側が挿入チャック62bとなっており、夫々の互いに対向する面における下端に、部品1の素子部2を把持する突起形状の部分を有するチャック端部62c、62dが形成されている。なお、一対の挿入チャック62a、62bにより、部品1の素子部2が把持される場合に代えて、リード線3が把持されるような場合であってもよい。例えば、部品1が抵抗等のように、その素子部2が小さく形成されているような部品もあり、このような部品1においては、一般的にも素子部2ではなく、リード線3の把持が行なわれるからである。また、夫々のチャック端部62c及び62dは、例えばゴム系の材料で形成されていることが好ましい。素子部2の把持の際に、ゴム系材料の特性である弾力性を利用して、確実に素子部2を把持することができるとともに、把持の際における衝撃を緩和することができ把持された素子部2の損傷を防止できるからである。
【0066】
また、夫々の挿入チャック62a、62bは、支点ピン68を回転中心として、夫々が相対する回転方向に対称の動作でもって同時的に駆動されることが可能となっている。また、図示右側の挿入チャック62aのその上端は、挿入チャック駆動機構71により駆動力が伝達される駆動端部62eとなっている。この駆動端部62eにおいては、図示右側面にバネ69が取り付けられており、このバネ69により駆動端部62eが常時図示左向きに付勢されており、これにより、図示右側の挿入チャック62aは支点ピン68を回転中心として、図示反時計方向に回動され、挿入チャック62aと対称の動作を行う挿入チャック62bは図示時計方向に回動され、チャック端部62cと62dが開放された状態(すなわち、挿入チャック62が開状態)とされている。なお、上記開放された状態のチャック端部62cと62dとの間の距離が一定となるように、夫々の挿入チャック62a、62bの上記回動範囲は、夫々の方向において機械的に規制されている。なお、図16においては、挿入チャック62の開状態を仮想線で示している。
【0067】
また、挿入チャック62aの駆動端部62eの図示左側には、バネ69の付勢力の抗して駆動端部62eを図示右側方向に押圧可能なシリンダ部70が設置されている。圧縮空気等によりシリンダ部70が図示右側方向に駆動された場合には、駆動端部62eがシリンダ部70によりバネ69を収縮させながら図示右側方向に駆動される。これにより、上記常時開状態にあった挿入チャック62aが支点ピン68を回転中心として図示時計方向に、挿入チャック62bが図示反時計方向に回転駆動されて、夫々のチャック端部62cと62dとが互いに近接されて閉状態とされる。夫々のチャック端部62cと62dとの間に、部品1の素子部2を配置させておくことにより、夫々のチャック端部62c及び62dにより素子部2を把持することが可能な構成となっている。なお、図14に示すように、挿入チャック機構63は、部品挿入ヘッド61の本体フレーム72に固定されて支持されている。また、挿入チャック機構63は図示しない昇降機構を備えており、この昇降機構により挿入チャック駆動部71及び挿入チャック62を昇降させることが可能となっており、例えば、挿入チャック62により把持した部品1をこの把持状態のまま下降させることが可能となっている。
【0068】
ここで、挿入チャック駆動部71について、図25に示す模式説明図を用いて、さらに詳細に説明する。図25に示すように、挿入チャック駆動部71は、シリンダ部70に供給される流体の一例である圧縮空気の圧力を所望の圧力に可変させて供給する(挿入チャック駆動用)圧力可変供給部を備えている。上記圧力可変供給部は、シリンダ部70に接続された導圧管508と、この導圧管508の途中に設けられた開閉動作可能なバルブであって、上記開閉動作が行なわれることにより上記供給される圧縮空気の供給/供給停止を行なうことができるメカニカルバルブ501とを備えている。このメカニカルバルブ501には、上記開閉動作を行う機構として、メカニカルバルブ501の一端に備えられて、図示左右方向にスライド移動させることにより、上記開閉動作を行うことができるカムフォロア部502と、このカムフォロア部502と常時当接されながら、回転駆動されることにより、カムフォロア部502の上記スライド移動を行なうカム部503とが備えられている。また、図25に示すように、メカニカルバルブ501を通して導圧管508には、高圧用レギュレータ506を通して高圧の圧縮空気が、低圧用レギュレータ507を通して低圧の圧縮空気が、夫々シャトルバルブ504を通過するように、選択的に供給することが可能となっている。また、高圧用レギュレータ506とシャトルバルブ504との間には、開閉制御可能なソレノイドバルブ505が設けられており、ソレノイドバルブ505が開動作されることにより、導圧管508を通して、上記高圧の圧縮空気を供給することが可能となり、一方、ソレノイドバルブ505が閉動作されることにより、導圧管508を通して、上記低圧の圧縮空気を供給することが可能となる。なお、シャトルバルブ504は、高圧と低圧の夫々の圧縮空気の導圧管が接続される2つの圧縮空気入口と、上記2つの圧縮空気入口より導入された圧縮空気を送り出す1つの圧縮空気出口とを備えている3方向のチェックバルブである。具体的には、シャトルバルブ504は、上記2つの圧縮空気入口より導入された圧縮空気のうちの予め定められた一方の圧縮空気を通過させている場合に、他方の圧縮空気を機械的に遮断(例えば、機械的なばね部材等を用いることにより遮断)し、上記一方の圧縮空気が通過されていない場合に、上記他方の圧縮空気の上記機械的な遮断を、上記他方の圧縮空気の圧力でもって解除して通過させるという機能を有している。本実施形態においては、上記一方の圧縮空気を高圧の圧縮空気と、上記他方の圧縮空気を低圧の圧縮空気として、シャトルバルブ504を用いている。また、このようなシャトルバルブ504を用いることで、一の圧縮空気が、他の圧縮空気の圧力の影響を受け難くさせることができ、シャトルバルブ504を通過して供給される圧縮空気の圧力の精度を一定の範囲内に保つことができる。また、ソレノイドバルブ505の上記開閉動作及びメカニカルバルブ501の上記開閉動作(すなわち、カム部503の回転動作)は、挿入チャック機構63に備えられた把持装置制御部の一例である挿入チャック制御部509により制御されて行われる。
【0069】
次に、プッシャ機構65の構成について説明する。図14に示すように、プッシャ機構65は、その下端に設けられているプッシャ64と、プッシャ64の昇降動作を行うプッシャ昇降部73とを備えている。プッシャ昇降部73は、本体フレーム72に、上下方向に移動可能に支持された中空軸であるスライドシャフト74と、この上下方向に移動可能なスライドシャフト74内を、スライドシャフト74の上記移動とは無関係に上下方向に摺動可能であり、かつ、その下端部にプッシャ64が固定されているロッド75と、スライドシャフト74を上記上下方向に駆動させる図示しない駆動機構とを備えている。上記駆動機構によりスライドシャフト74がその軸芯である昇降動作軸に沿って本体フレーム72に支持されながら上下方向に昇降されることにより、ロッド75をその軸心である昇降動作軸に沿って昇降させて、プッシャ64の昇降動作を行うことが可能となっている。なお、プッシャ64の下端面には略凹状の窪み部(図示しない)が形成されており、プッシャ64の昇降動作軸上かつプッシャ64の下方に位置された部品1の素子部2の上部を、この窪み部内に収めるようにして保持しながら、上記下端面で押圧しながら押下げることが可能に構成されている。
【0070】
ここで、プッシャ64の上記昇降及び素子部2への押圧動作を行う機構であるプッシャ昇降部73について、図26に示す模式説明図を用いて、さらに詳細に説明する。図26に示すように、プッシャ昇降部73は、スライドシャフト74内の中空部分と、この中空部分に沿って上下方向に移動可能なロッド75とをシリンダ機構として、当該シリンダ機構における上記中空部分に流体の一例である圧縮空気をその圧力を所望の圧力に可変させて供給する(プッシャ用)圧力可変供給部を備えている。上記圧力可変供給部は、上記中空部分に接続された導圧管514と、この導圧管514の途中に設けられた開閉動作可能なバルブであって、上記開閉動作が行なわれることにより上記供給される圧縮空気の供給/供給停止を行なうことができるメカニカルバルブ515とを備えている。このメカニカルバルブ515には、上記開閉動作を行う機構として、メカニカルバルブ515の一端に備えられて、図示左右方向にスライド移動させることにより、上記開閉動作を行うことができるカムフォロア部516と、このカムフォロア部516と常時当接されながら、回転駆動されることにより、カムフォロア部516の上記スライド移動を行なうカム部517とが備えられている。また、図26に示すように、メカニカルバルブ515を通して導圧管514には、高圧用レギュレータ520を通して高圧の圧縮空気が、低圧用レギュレータ521を通して低圧の圧縮空気が、夫々シャトルバルブ518(上述したシャトルバルブ504と同様な機能を有している)を通過するように、選択的に供給することが可能となっている。また、高圧用レギュレータ520とシャトルバルブ518との間には、開閉制御可能なソレノイドバルブ519が設けられており、ソレノイドバルブ519が開動作されることにより、導圧管514を通して、上記高圧の圧縮空気を選択的に供給することが可能となり、一方、ソレノイドバルブ519が閉動作されることにより、導圧管514を通して、上記低圧の圧縮空気を選択的に供給することが可能となる。また、ソレノイドバルブ519の上記開閉動作及びメカニカルバルブ515の上記開閉動作(すなわち、カム部517の回転動作)は、プッシャ機構65に備えられたプッシャ装置制御部の一例であるプッシャ制御部522により制御されて行われる。
【0071】
さらに、図26に示すように、スライドシャフト74の上部には、スライドシャフト74の上記昇降動作を機械的に行なう昇降用レバー511が備えられている。昇降用レバー511は、その一端がスライドシャフト74の上部に上下動可能に取り付けられており、また、他端は本体フレーム72に回転可能に取り付けられており、上記他端を支点(回転中心)として、上記一端が上下方向に移動されることにより、スライドシャフト74の上記昇降が可能となっている。また、昇降用レバー511の上記一端と上記他端との略中間付近には、昇降用カムフォロア部512が取り付けられている。さらに、この昇降用カムフォロア部512と常時当接させながら、回転駆動されることにより、昇降用カムフォロア部512を昇降移動させる昇降用カム部513が備えられている。これにより、昇降用カム部513を回転駆動させて、当該回転の運動を上下方向の昇降の運動に昇降用カムフォロア部512により変換し、昇降用レバー511の上記一端の上記上下動を行なうことによって、スライドシャフト74とともにロッド75の昇降動作、すなわち、プッシャ64の昇降動作を行うことが可能となっている。なお、昇降用カム部513の上記回転駆動は、プッシャ制御部522により制御されている。プッシャ制御部522により昇降用カム部513の上記回転駆動量を制御することにより、昇降用レバー511の上記上下動の量を制御することができ、プッシャ64を所望の昇降高さ位置に位置させることができる。また、スライドシャフト74の上記中空部分には圧縮空気が供給されることとなるため、ロッド75は当該中空部分を空気ばね部として、上下方向に外力が加えられる上下動することが可能となっている。これにより、例えば、図26に示すように、部品1の高さ方向の寸法に応じて、プッシャ64の部品1の素子部2への当接位置を可変されるように、プッシャ64が上下動することが可能となっている。なお、図26に示すように、ロッド75の外周部には、突起部74aが形成されており、この突起部75aがスイライドシャフト74内で当接されることにより、ロッド75の上記上下動の範囲、すなわち、プッシャ64の上下動の範囲が規制されている。
【0072】
次に、ガイドチャック機構67の構成について説明する。図14に示すように、ガイドチャック機構67は、その下端に取り付けられた一対のガイドチャック66と、夫々のガイドチャック66と開閉させるガイドチャック駆動部76とを備えている。なお、ガイドチャック駆動部76は、本体フレーム72に固定されて支持されており、また、上記一対のガイドチャック66は、挿入チャック62の下方に位置するように設置されている。
【0073】
ここで、上記一対のガイドチャック66の部分拡大斜視図を図17に示す。図17に示すように、2つのガイドチャック66a、66bは、互いに対向するように設置されており、互いに閉鎖された場合に形成された突合せ面Gには、3つの透孔77が形成されている。図14に示すガイドチャック66は、この突合せ面Gにおける断面を示しているが、突合せ面Gに形成されている夫々の透孔77は、上部より下方に向けて形成されている上部側漏斗状孔77aと、下部より上方に向けて形成されている下部側漏斗状孔77bとが、その上下方向における略中間部分において形成されている小径孔77cにて突き合わせられて、互いに貫通されるように一体的に形成されている。また、夫々の透孔77は、ガイドチャック66a、66bの突合せ面Gに半分ずつ形成されており、夫々のガイドチャック66a、66bが閉じた状態において、夫々の透孔77が形成されるようになっている。また、夫々の透孔77において、上部側漏斗状孔77aは、ガイドチャック66a、66bの上方より、部品1のリード線3の先端部を小径孔77cに案内可能となっており、下部側漏斗状孔77bは、ガイドチャック66a、66bの下方より部品挿入ガイド装置80におけるガイドピン81の先端部を小径孔77cに案内可能となっている。なお、夫々の小径孔77cは、内径が、部品1のリード線3の径よりも僅かに大きく、かつ、ガイドピン81の径よりも僅かに小さくなるように形成されている。従って、夫々の小径孔77cに案内されたリード線3は、夫々の小径孔77cを貫通可能であるものの、ガイドピン81は夫々の小径孔77cを貫通しないようになっている。なお、夫々の小径孔77cの内径が夫々のガイドピン81の径よりも僅かに小さくなるように形成されているような場合に代えて、夫々の小径孔77cの内径が夫々のガイドピン81の径と略同じ、あるいは、僅かに大きくなるように形成されており、夫々のガイドピン81の先端が下部側漏斗状孔77bにより案内されて、夫々の小径孔77c内に導かれるような場合であってもよい。
【0074】
また、ガイドチャック駆動部76は、一対のガイドチャック66a、66bを、夫々の突合せ面Gにおいて互いに離間あるいは近接させるように移動させる、すなわち開閉動作させる図示しない駆動機構(例えば、シリンダ機構等)を備えており、通常は夫々のガイドチャック66a、66bを開放させた状態とさせている。
【0075】
ここで、プッシャ64、挿入チャック62、及びガイドチャック66の夫々の位置関係について説明すると、プッシャ64は上記昇降動作軸に沿って昇降されるが、この昇降動作軸上に挿入チャック62及びガイドチャック66は位置されている。特に、挿入チャック62はこの昇降動作軸上における部品1の把持位置に、部品移替体40により供給される部品1を把持して、かつ、この昇降動作軸上にて昇降動作を行うことが可能となっている。また、ガイドチャック66における中央に位置される透孔77はこの昇降動作軸と一致されている。さらに、部品挿入ヘッド61は、挿入チャック機構63、プッシャ機構65、及びガイドチャック機構67を、上記昇降動作軸を回転中心としてこの回転中心周りに一体的に回転させるヘッド回転機構(図示しない)を備えている。なお、この昇降動作軸は、後述するスライドベースに固定された回路基板6の表面と略直交するように配置されている。
【0076】
次に、スライドベースに固定された回路基板6を挟んで部品挿入ヘッド61と対向するように機台102上に設置されている部品挿入ガイド装置80について説明する。部品挿入ガイド装置80は、その上端部に設けられた2本のガイドピン81と、夫々のガイドピン81が固定されたガイドブロック82と、ガイドブロック82の昇降動作を行うことにより夫々のガイドピン81の一体的な昇降動作を行う昇降機構(図示しない)とを備えている。なお、本実施形態においては、部品挿入部60において、部品挿入ヘッド61と部品挿入ガイド装置80とが備えられている場合について説明するが、このような場合に代えて、部品挿入ヘッド61が部品挿入ガイド装置80を備えるような場合であってもよい。部品挿入ヘッド61と部品挿入ガイド装置80は、互いに関連付けられて動作されて、部品1の挿入動作を行う装置であるため、実質的には両者は互いに一体的な装置であるということができるからである。この部品挿入ガイド装置80におけるその上部部分の模式的な構成を示す模式側面図を図18に示す。
【0077】
図18に示すように、ガイドブロック82の上端には互いに同じ長さで略鉛直方向(すなわち、スライドベースに固定された回路基板6の表面と略直交する方向)に取り付けられた2本のガイドピン81が備えられている。図18に示すように、ガイドピン81との位置合わせが行われた回路基板6に形成されている部品1の挿入孔6aを貫通するように、上記昇降機構にようガイドブロック82の上昇駆動により夫々のガイドピン81は同時に上昇されることが可能となっている。なお、このガイドブロック82の昇降方向、すなわち、夫々のガイドピン81の昇降方向は上記回路基板6の表面と略直交する方向において行われる。また、夫々のガイドピン81の先端部には係合部の一例である凹部81aが形成されており、この凹部81aに部品1のリード線3の先端部が係合可能となっている。また、ガイドブロック82の昇降動作軸は、プッシャ64の昇降動作軸と一致している。さらに、図18に示すように、プッシャ64で素子部2を下方に押下げながら、リード線3を夫々のガイドピン81の凹部81aに係合させた状態において、部品1を保持することができ、この状態と保ちながら、プッシャ64と夫々のガイドピン81を下降させることにより、回路基板6の挿入孔6aに部品1のリード線3を挿入することができる。すなわち、プッシャ64と夫々のガイドピン81とは同期して下降することが可能となっている。なお、夫々のガイドピン81の間における略中間の位置に、部品挿入ヘッド61における上記昇降動作軸が位置されている。
【0078】
また、上記においては、一例として、ガイドブロック82において2本のガイドピン81が備えられている場合について説明したが、ガイドピン81の設置本数はこのような場合に限定されず、このような場合に代えて、例えば、ガイドチャック66に形成される透孔77の固数に応じて、3本のガイドピン81が備えられているような場合であってもよい。このような場合であっても夫々のガイドピン81の動作は同様である。
【0079】
また、夫々のガイドピン81は、図示しない弾性体、例えばバネ部を介してガイドブロック82に固定されている。これにより、夫々のリード線3の先端と、夫々のガイドピン81の凹部81aとの係合の際に、夫々のリード線3あるいは夫々のガイドピン81の先端高さが微小に異なるような場合であっても、例えば、先にリード線3と係合されたガイドピン81が、押し下げられて上記バネ部が縮められることにより、上記夫々の先端高さを同じ高さとすることができ、夫々のリード線3と夫々のガイドピン81との係合を容易に行うことができる。
【0080】
また、図27に示すように、部品挿入ガイド装置80においては、回路基板6に挿入された部品1のリード線3を適切な長さに切断するとともに、切断された後の夫々のリード線3を互いに相反する方向に折り曲げて、部品1の回路基板6よりの落下を防止する処理(いわゆるカットアンドクリンチ)を行なうリード線折り曲げ部の一例である切断折り曲げ装置530が、ガイドブロック82の上部に備えられている。図27に示すように、切断折り曲げ装置530は、ガイドブロック82の上部に備えられた固定刃531と、固定刃531と対向するようにガイドブロック82の上部に備えられ、かつ、固定刃531に近接又は離間するように移動可能な可動刃532とを備えている。また、固定刃531及び可動刃532は、その間に回路基板6の挿入孔6aに挿入された部品1のリード線3が配置されるように、ガイドブロック82の上部に配置されており、このような状態で、可動刃532が固定刃531に向けて近接移動されることにより、当該リード線3を切断することが可能となっている。また、可動刃532は、さらに昇降移動も可能となっており、上記切断後のリード線3を上方に突き上げるように折り曲げることが可能となっている。
【0081】
(スライドベース)
次に、位置合わせ部の一例であるスライドベース83について説明する。図1に示すように、スライドベース83は、機台102上に、部品挿入ヘッド61と部品挿入ガイド装置80との間に設置されている。また、スライドベース83は、回路基板6の端部を解除可能に固定する固定機構(図示しない)と、上記固定機構とともに上記固定された回路基板6を図示X軸方向またはY軸方向に移動させて、回路基板6上に形成されている部品挿入位置、すなわち、挿入孔6aと部品挿入ヘッド61及び部品挿入ガイド装置80との位置合わせを行う移動機構(図示しない)とを備えている。なお、スライドベース83は、部品搬送部20におけるコンベアベルト21の下側にその一部が潜るように設置されており、機台102上における配置スペースが有効的に利用されている。また、部品挿入装置101は、部品挿入装置101に供給される回路基板6をスライドベース83に固定可能に搬送する基板供給搬送装置84と、スライドベース83に固定されて部品1の挿入作業が行われた回路基板6を上記固定を解除して取り出し、部品挿入装置101より排出する基板排出搬送装置85とを備えている。基板供給搬送装置84は回路基板6における図示Y軸方向の両端部を支持しながら搬送する一対の搬送レール84aを備えており、また、基板排出搬送装置85も同様に、回路基板6における図示Y軸方向の両端部を支持しながら搬送する一対の搬送レール85aを備えている。
【0082】
(制御部)
ここで、部品挿入装置101における制御系統のブロック図を図24に示す。図24に示すように、部品挿入装置101においては、部品1の挿入動作を制御する制御部9が備えられている。また、制御部9は、部品供給部10における部品供給動作、部品搬送部20における部品搬送動作、部品移替体40における部品移し替え動作、部品挿入部60における部品挿入ヘッド61の動作や部品挿入ガイド装置80の動作、スライドベース83による部品挿入位置の位置合わせ動作、さらに、基板供給搬送装置84及び基板排出搬送装置85における回路基板6の搬送動作を制御することが可能と構成されており、これら夫々の動作を互いに関連付けながら部品1の回路基板6への挿入動作の制御が制御部により行われる。また、制御部9は、部品挿入ヘッド61において備えられている挿入チャック制御部509及びプッシャ制御部522の夫々の制御を行なうことも可能となっており、上記夫々の動作の制御と併せて、これらの制御部(509及び522)の制御を互いに関連付けて統括的に行うことが可能となっている。
【0083】
ここで、さらに、制御部9の構成について、その主要部のみを模式的に示した制御ブロック図を図36に示す。図36に示すように、制御部9には、部品挿入装置101で行なわれる複数の種類の挿入動作のプログラムが、データベースとして読み出し可能に保持(あるいは記憶)されているデータベース部551と、このデータベース部551に保持されている上記複数の種類の挿入動作プログラムより、挿入動作が施される部品1に適した1つの上記挿入動作プログラムを選択して決定する挿入動作プログラム決定手段552と、挿入動作が施される複数の種類の部品1の特徴データ等の情報(例えば、より単純なものとしては、部品識別番号であってもよい)が、予め入力されて読み出し可能に記憶されるメモリ部553とが備えられている。挿入動作プログラム決定手段552は、メモリ部553に記憶されている上記情報を読み出して、当該情報に基づいて、挿入動作が施される部品1に最適な挿入動作プログラムをデータベース部551から選択して読み出し、上記読み出された挿入動作プログラムを当該部品1の挿入動作プログラムとしての決定を行なう役割を担っている。このようにして決定された挿入動作プログラムに基づいて、制御部9により、挿入チャック制御部509やプッシャ制御部522を含む部品挿入装置101の夫々の構成部分の制御が統括的に行なわれることにより、夫々の部品1の特徴に応じた部品挿入動作を行うことが可能となっている。なお、挿入動作プログラム決定手段552による上記プログラムの決定動作は、部品1ごとに行なわれる場合、あるいは、部品1の種類が変更されるごとに行なわれる場合のいずれの場合であってもよい。
【0084】
(部品挿入装置における部品の挿入動作)
次に、このような構成の部品挿入装置101により、回路基板6に対して部品1の挿入動作を行う方法について説明する。なお、以降において説明する夫々の動作は、部品挿入装置101に備えられている制御部9により制御されることにより行われている。
【0085】
(部品供給部から部品搬送部への動作)
まず、部品挿入部10に収納されている部品1が部品搬送部20に供給される動作について説明する。
【0086】
図2に示すように、部品収納部12に収納されているテーピング部品連5が、部品供給ガイド11に沿って案内されながら部品供給体13に送り出される。上記送り出されたテーピング部品連5は、そのテーピング部材4の部分が部品供給体13のガイド溝14に沿って案内されながら、部品搬送部20側の端部に送り出される。上記端部において設置されている第1の切断刃15により、テーピング部品連5は切断されて個片化され、個片化されたテーピング部品連5(すなわち、個々の部品1)が、部品搬送部20におけるコンベアベルト21に設けられているチャック27に保持可能に供給される。
【0087】
一方、部品搬送部20は、図1に示すように、3つのプーリ23、24、及び25により張架されているコンベアベルト21が、モータ22の間欠駆動によりプーリ22が間欠駆動されて、図示反時計方向に間欠的に走行駆動されている。なお、このコンベアベルト21の間欠的な走行駆動は、コンベアベルト21に取り付けられている夫々のチャック27の配列ピッチ分だけコンベアベルト21が走行された後、停止されて、再び走行されることの繰り返し動作により行われる。すなわち、コンベアベルト21の1回の走行駆動距離は、チャック27の配列ピッチ、及び部品供給体13の配列ピッチと同じ距離となっている。従って、このコンベアベルト21の間欠的な走行駆動により、コンベアベルト21におけるプーリ25と23の区間において、夫々のチャック27が夫々の部品供給体13の正面に位置されながら、図示X軸方向左側に順次送り移動が行われる。
【0088】
図2に示すように、上記区間において、部品搬送部20より供給された個片化されたテーピング部品連5が夫々のチャック27に受け渡されて、部品1のリード線の配列方向がコンベアベルト21の長手方向と略直交する方向とされた状態にて夫々のチャック27に保持される。その後、図1に示すように、保持された夫々の個片化されたテーピング部品連5は、上記区間において、部品供給体13に図示X軸方向左側に隣接してコンベアベルト21の下方に配置されている保持位置補正体30に供給される。図4に示すように保持位置補正体30において、チャック27により保持された状態の個片のテーピング部材4が載置台31に載せられて、その後、チャック27による保持が解除され、夫々の押体33でテーピング部材4をその長手方向に沿いに移動させ、リード線3を上記方向における適正な位置に移動させて保持位置の補正が行われ、その後、再びチャック27を閉じてリード線3の保持を行わせる。なお、この保持位置の補正動作は、コンベアベルト21の間欠的な走行駆動の停止のタイミングにおいて行われる。
【0089】
チャック27による保持位置の補正(適正化)が行われた個片化されたテーピング部品連5は、再びコンベアベルト21により搬送されて、上記保持位置補正体30に図1のX軸方向左側に隣接して設置されている第2の切断刃34の上方へと搬送される。図5に示すように、チャックにより保持された状態のまま、この第2の切断刃34により、部品1のリード線3の切断が行われ、リード線3が回路基板6に挿入されるのに適切な長さに切断されるとともに、リード線3の下部に取り付けられていたテーピング部材4が切断されたリード線3の下部とともに取り除かれる。この第2の切断刃34によるリード線3の切断動作もコンベアベルト21の間欠的な走行駆動の停止のタイミングにおいて行われる。
【0090】
その後、図1において、チャック27によりリード線3が保持された状態で、部品1が、コンベアベルト21の間欠的な走行駆動により、プーリ23を通過して、プーリ23とプーリ24の間に位置される部品移替体40への部品受け渡し位置にまで搬送される。
【0091】
(部品搬送部から部品移替体による部品挿入部への移し替え動作)
次に、部品搬送部20により上記部品受け渡し位置にまで搬送された部品1が、上記部品受け渡し位置において部品移替体40に移し替えられる動作、さらに、部品移替体40より部品1が移動されて部品挿入部60に移し替えられる動作について説明する。
【0092】
まず、図19に部品移替体40の動作の模式説明図を示す。図19に示すように、コンベアベルト21における部品受け渡し位置にチャック27により保持された部品1が位置されている。このような状態において、まず、図9に示す部品移替体40における軸44を回転中心として移替チャック47の回路基板6の表面沿いの方向における回動を行い、図19に示す矢印Aの方向に移替チャック47を移動させる。移替チャック47の把持爪41、42が、上記部品受け渡し位置に位置されている部品1と、コンベアベルト21沿いの方向において対向するような位置に位置されたときに、上記回動が停止される。それとともに、図9における軸45が下降されて、移動レバー48を介して移替チャック47の図19に示す矢印B方向への移動が行われる。この移動により、部品受け渡し位置においてチャック27により保持されている部品1の夫々のリード線3が、移替チャック47における把持爪41と支爪43とに係合される。それとともに、図10に示す軸46が下降されてレバー50、回動板52、回動軸53、及びスライドレバー54を介して、把持爪42をスライド移動させることにより、把持爪41、42、及び支爪43により部品1のリード線3の把持を行う。この状態においては、把持爪41、42、及び支爪43の夫々の長手方向と、部品1のリード線の配列方向とが略平行とされた状態にある。その後、移替チャック47にリード線3を把持させた状態で、軸44を回転中心として移替チャック47の上記回動を図19の矢印C方向(すなわち、上記矢印A方向と反対方向)において行う。この回動により、チャック27のよる部品1の保持が解除され、移替チャック47によりリード線3が把持された状態で、部品1が部品挿入部60へ移動される。なお、後述するような動作により部品挿入部60への部品1の移替移動を行った後、移替チャック47は、軸45の上昇により、図19に示す矢印D方向に移動される。なお、複数の部品1が連続的に部品受け渡し位置から部品挿入部60への移替移動が行われるような場合には、上記矢印AからDの方向への移替チャック47の移動動作が繰り返し行われることにより行われる。また、移替チャック47による部品1の把持動作は、コンベアベルト21による間欠的な走行駆動の停止のタイミングにおいて行われる。
【0093】
(部品挿入部における部品挿入姿勢補正動作)
次に、部品挿入部60に受け渡し可能に部品移替体40により移動された部品1が部品挿入部60において部品挿入ヘッド61に受け渡される動作について説明する。
【0094】
図20に部品移替体40による部品1の部品挿入ヘッド61への移替え動作、及びその後の回路基板6への部品1の挿入動作の模式的な説明図を示す。また、図21に移替チャック47により把持された部品1の部品挿入ヘッド61の挿入チャック62への受渡し動作の模式的な説明図を示す。
【0095】
図20に示すように、移替チャック47によりそのリード線3が把持された状態の部品1が部品挿入ヘッド61における挿入チャック62における昇降動作軸上の部品1の把持位置に移動される。部品挿入ヘッド61においては、図21に示すように、挿入チャック62a及び62bが開放された状態とされており、上記移動された部品1が上記開放された状態の夫々の挿入チャック62a及び62bのチャック端部62c及び62dとの間にその素子部2が位置された状態とされる。この状態においては、図21に示すように、部品1のリード線の配列方向と夫々のチャック端部62c及び62dとが略平行とされた状態となっている。
【0096】
その後、部品挿入ヘッド61の挿入チャック機構63において、夫々の挿入チャック62a及び62bの閉動作が開始され、夫々のチャック端部62c及び62dにより部品1の素子部2の把持が行われる。
【0097】
ここで、図21に示すように、例えば、部品1はその搬送過程等において何らかの外力加えられることにより、部品1のリード線3がそのリード線の配列方向に略直交する方向に曲げられて、素子部2が上記方向に傾いているような場合がある。特に、部品1は、そのリード線の配列方向に対しては、2本のリード線3が配列されていることによりリード線3は外力により曲げられにくく、一方、そのリード線の配列方向に直交する方向においては、複数のリード線3が配列されているわけではないので、僅かな外力が加えられることによっても曲げられやすいという特徴を有している。このように素子部2が傾斜された状態において、その後の部品1の挿入動作が行われると、プッシャ64による素子部2の押し下げ動作の際に空振りが発生したり、回路基板6への部品1の挿入の際に、隣接する先に挿入された部品1への干渉が発生したりし、部品1の挿入動作のエラーが発生する場合があるという問題点がある。このような問題の発生を防止するため、この挿入チャック62a及び62bによる上記閉動作による素子部2の把持動作の際に、図21に示すように、上記把持動作とともに素子部2を傾斜されていない位置に補正をして、リード線3の曲がりを矯正するという動作、すなわち部品1の挿入姿勢の補正を行っている。
【0098】
具体的には、図21に示すように、移替チャック47によりリード線3が把持された状態で、図示右側方向に素子部2が傾斜している部品1を、挿入チャック62a及び62bの閉動作を行いながら、まず、図示右側に位置する挿入チャック62aのチャック端部62cを上記傾斜している素子部2に当接させる。それとともに、移替チャック47によるリード線3の把持位置を支点として、チャック端部62cにより図示左側方向に素子部2を移動させながら、曲げられているリード線3の曲がりを矯正する。素子部2が上記昇降動作軸上に位置させるとともに、この位置において同様に閉動作を行っている図示左側の挿入チャック62bのチャック端部62dも素子部2に当接させて、夫々のチャック端部62c及び62dにより素子部2を把持する。これにより、上記曲げられていたリード線3の曲がりが矯正されて、素子部2の上記傾斜が補正されて、部品1の挿入姿勢の補正動作が行われたこととなり、さらに、それとともに、部品1が素子部2において挿入チャック62a及び62bにより把持された状態とさせることができる。なお、本実施形態においては、一対の挿入チャック62a及び62bにより、部品1の挿入姿勢の補正が行われるような場合について説明したが、このような場合に代えて、上記挿入姿勢の補正が行なわれることなく、単に部品1の素子部2(あるいはリード線3)が、夫々の挿入チャック62a及び62bにより挟まれるように把持されるだけのような場合であってもよい。
【0099】
また、この部品1の素子部2の一対の挿入チャック62a及び62bによる把持の際には、図25に示すように、挿入チャック駆動部71において、挿入チャック制御部509により、メカニカルバルブ501の開閉動作が制御されることでもって、夫々の挿入チャック62a及び62bの開閉動作が行なわれる。また、挿入チャック制御部509により、ソレノイドバルブ505の開閉動作が制御されることにより、供給される圧縮空気の圧力が、高圧又は低圧のいずれかに選択された状態で、上記開閉動作が行なわれる。すなわち、高圧の圧縮空気が選択的に供給されるような場合にあっては、夫々の挿入チャック62a及び62bの閉動作がより大きな把持圧力でもって行なわれ、一方、低圧の圧縮空気が選択的に供給されるような場合にあっては、夫々の挿入チャック62a及び62bの閉動作が小さな把持圧力でもって行なうことができる。このように部品1の素子部2の把持圧力の大きさを選択的に制御することが可能となっていることで、例えば、素子部2の剛性が低い部品(特に、素子部2の把持方向における剛性が低い部品)は小さな把持圧力で把持を行ない、素子部2を確実に強く把持する必要がある部品は大きな把持圧力で把持を行なうというように、部品1の特徴に応じて、上記把持圧力を制御しながら行うことが可能となっている。なお、このような部品1の把持を行なう際の把持圧力については、制御部9等に予め入力されている夫々の部品1の特徴のデータに基づいて、挿入チャック制御部509に判断される。また、このような夫々の部品1と把持圧力の関係についての詳細な説明は、後述するものとする。
【0100】
このように挿入チャック62a及び62bにより部品1の素子部2の把持が行われた後、移替チャック47による部品1のリード線3の把持が解除される。上記把持の解除は、図10において、部品移替体40の軸46の昇降動作により把持爪42がスライド移動されることにより行われる。その後、移替チャック47は、軸45の上昇移動により、図19において、矢印D方向に移動されて、部品挿入ヘッド61における上記昇降動作軸上から移動される。
【0101】
(部品挿入部における部品挿入動作)
上述した夫々の動作と並行して、部品挿入装置101には複数の部品1が挿入される回路基板6が供給される。図1において、回路基板6は、基板供給搬送装置84の一対のレール84aにその両端部を搬送可能に支持されるように供給されて、基板供給搬送装置84により図示X軸方向左側に搬送されて、スライドベース83に回路基板6が供給される。スライドベース83に供給された回路基板6は、その固定位置が位置決めされて、解除可能にスライドベース83に固定される。その後、回路基板6における部品1が挿入される複数の部品挿入位置の中の最初に部品1が挿入される部品挿入位置と、部品挿入ヘッド61及び部品挿入ガイド装置80との回路基板6の表面沿いの方向における位置合わせが行われるように、スライドベース83の移動機構(図示しない)により回路基板6を図示X軸方向又はY軸方向に移動させる。上記位置合わせが行われた後、上記移動機構による回路基板6の移動が停止されて、この位置合わせされた状態が保持される。この位置合わせがされた状態においては、回路基板6の部品挿入位置に形成されている2つの挿入孔6aが、部品挿入ガイド装置80の2本のガイドピン81の略鉛直上方へと位置されており、また、回路基板6の2つの挿入孔6aの間の略中間の位置が、部品挿入ヘッド61の上記昇降動作軸上に位置された状態となっている。
【0102】
このような状態において(あるいは、このような状態とさせる前であってもよい)、まず、図14の部品挿入ヘッド61において、互いに開放された状態のガイドチャック66a及び66bを近接するように移動させて、突合せ面Gにおいて互いに突合せて、図17に示す状態とさせる。これにより、ガイドチャック66a及び66bの互いの突合せ面Gにおいて夫々の透孔77が形成される。夫々の透孔77のうちの両端部に位置されている夫々の透孔77は、夫々のガイドピン81の略鉛直方向上方に位置されており、また、ガイドチャック66a及び66bの上方で挿入チャック62a及び62bにより素子部2が把持された状態の部品1の2本のリード線3の略鉛直方向(上記昇降動作軸沿いの方向)下方に位置された状態とされている。この状態において、まず、部品挿入ガイド装置80におけるガイドブロック82を上昇させて、夫々のガイドピン81を一体的に上昇させる。上昇された夫々のガイドピン81は、上記位置合わせの行われた回路基板6における夫々の挿入孔6aを貫通しながら、さらに夫々の先端部が回路基板6の上方において上昇される。その後、夫々のガイドピン81の先端部(すなわち、凹部81a)が、ガイドチャック66a及び66bの突合せ面Gにおける両端部の透孔77の下部側漏斗状孔77b内に挿入されて、夫々の下部側漏斗状孔77bにより夫々のガイドピン81の先端部が案内されて、夫々の小径孔77cの下部側入口付近において夫々のガイドピン81の先端部が当接された状態とされる。その後、ガイドブロック82の上昇動作が停止されて、夫々のガイドピン81の上昇動作が停止され、上記当接の状態が保持される。なお、図20はこの状態を示している。なお、このような場合に代えて、夫々の小径孔77cの内径が、夫々のガイドピン81の径よりも僅かに大きく、あるいは略同じに形成されているような場合にあっては、夫々のガイドピン81の先端部が夫々の小径孔77cの内部にまで導かれるように、夫々の下部側漏斗孔77bにより案内される。
【0103】
次に、図20の状態より、部品1の素子部2を把持したまま挿入チャック62a及び62bの下降を開始する。この下降により部品1が上記昇降動作軸に沿って下降されて、部品1の夫々のリード線3が、ガイドチャック66a及び66bの突合せ面Gにおける両端部の透孔77の上部側漏斗状孔77a内に挿入されて、夫々の上部側漏斗状孔77aにより夫々のリード線3の先端部が案内されて、夫々の小径孔77cに導かれる。ここで、夫々の小径孔77cは夫々のリード線3の径よりも僅かに大きくなるように形成されている。そのため、夫々のリード線3は夫々の小径孔77cを貫通されて、夫々の小径孔77cの下部側入口付近において当接された状態の夫々のガイドピン81の凹部81a内に挿入されて、係合された状態とされる。その後、挿入チャック62a及び62bの下降が停止されて、上記係合状態が保持される。
【0104】
上記挿入チャック62a及び62bの下降とともに、プッシャ64の下降も開始される。挿入チャック62a及び62bにより把持された部品1の素子部2の上方に位置されているプッシャ64は、スライドシャフト74が下降されることによりその昇降動作軸に沿って下降される。その後、夫々のリード線3の先端部が、夫々の透孔77内において夫々のガイドピン81の凹部81aと係合された状態にある部品1の素子部2の上部がプッシャ64の下端面に形成されている図示しない窪み部に当接され、その後、スライドシャフト74の下降動作が停止されて、プッシャ64の下降動作が停止される。これにより、上記昇降動作軸沿いの方向において、プッシャ64とガイドピン81とで挟まれるようにして、夫々のリード線3の先端部と、夫々のガイドピン81の凹部81aとの係合が保持された状態とされる。
【0105】
その後、夫々のガイドチャック66a及び66bが互いに離間するように開動作が行われ、互いの突合せ状態が解除されるとともに、部品1の素子部2を把持している挿入チャック62a及び62bも互いに離間するように開動作が行われて、素子部2の挿入チャック62a及び62bによる把持が解除される。図18は、この状態を示す。この状態においては、部品1はプッシャ64と夫々のガイドピン81との間で挟まれるようにして保持されている。
【0106】
また、この部品1の素子部2の上部へのプッシャ64の下降による当接、及びガイドピン81に向けて部品1を押圧することによるリード線3と凹部81aとの係合の保持の際には、図26に示すように、プッシャ昇降部73において、プッシャ制御部522により、メカニカルバルブ515の開閉動作が制御されることでもって、プッシャ64の上記押圧の圧力(押圧力)の付加動作が行なわれる。また、プッシャ制御部522により、ソレノイドバルブ519の開閉動作が制御されることにより、供給される圧縮空気の圧力が、高圧又は低圧のいずれかに選択された状態で、上記付加動作が行なわれる。すなわち、高圧の圧縮空気が選択的に供給されるような場合にあっては、プッシャ64による素子部2の押圧の付加動作がより大きな押圧力でもって行なわれ、一方、低圧の圧縮空気が選択的に供給されるような場合にあっては、上記付加動作が小さな押圧力でもって行なうことができる。このように部品1の素子部2の押圧の際の押圧力の大きさを選択的に制御することが可能となっていることで、例えば、素子部2の剛性が低い部品(特に、素子部2の押圧方向における剛性が低い部品)は小さな押圧力で上記係合の保持を行ない、素子部2を確実に強く保持する必要がある部品は大きな押圧力で上記保持を行なうというように、部品1の特徴に応じて、上記押圧力を制御しながら行うことが可能となっている。なお、このような部品1の素子部2を押圧する際の押圧力については、制御部9等に予め入力されている夫々の部品1の特徴のデータに基づいて、プッシャ制御部522にて判断されて、当該制御が行なわれる。また、このような夫々の部品1と押圧力との関係についての詳細な説明は、後述するものとする。
【0107】
その後、この保持状態を保ちながら、プッシャ64とガイドブロック82とが同じ速度でもって同期的に下降されて、図22に示すように、夫々のリード線3を回路基板6の夫々の挿入孔6aを貫通するように導く。なお、このプッシャ64の下降動作は、プッシャ昇降部73の昇降用レバー511の上記一端が下方に移動されることによりスライドシャフト74及びロッド75を介して行なわれ、また、この下降動作の際においても、プッシャ64により素子部2は押圧された状態が維持されており、夫々のリード線3と夫々のガイドピン81との上記係合は保持された状態である。さらに、この保持状態を保ちながら、プッシャ64とガイドブロック82とを同じ速度でもって下降させて、部品1の素子部2の下部を回路基板6の上面に当接させる。この当接によりプッシャ64の下降は停止されるが、ガイドブロック82はさらに下降されて、夫々のガイドピン81の凹部81aと夫々のリード線3の先端部との係合が解除される。この状態を図23に示す。これにより、回路基板6の部品挿入位置において、夫々の挿入孔6aに夫々のリード線3が挿入されて、部品1の回路基板6への挿入動作が行われたことになる。その後、部品挿入ガイド装置80における切断折り曲げ装置530により夫々の挿入孔6aに挿入された状態の夫々のリード線3を適切な長さに切断するとともに、切断された後の夫々のリード線3の先端部を互いに相反する方向(すなわち、外側方向)に折り曲げて、部品1を回路基板6から落下しないように固定する。ここで、このような切断折り曲げ装置530によるいわゆるカットアンドクリンチの動作について、図27から図29までの模式説明図を用いて説明する。まず、図27に示すように、回路基板6の夫々の挿入孔6aに挿入された状態の夫々のリード線3は、切断折り曲げ装置530における固定刃531と可動刃532との間に位置された状態とされる。その後、図28に示すように、可動刃532を固定刃531に近接するように移動させて、夫々のリード線3を適切な長さに切断する。さらに、その後、図29に示すように、可動刃532を上昇させて、切断された夫々のリード線3の先端部を可動刃532により突き上げて、夫々のリード線3を折り曲げて、回路基板6に固定させる。なお、このようなカットアンドクリンチの動作が行なわれている際には、部品1の素子部2が、プッシャ64により回路基板6の上面に押圧されて押しつけられた状態とされている。このようにすることで、上記カットアンドクリンチの動作の際に付加される可動刃532よりの力に対抗することができ、確実に部品1を保持した状態で、上記カットアンドクリンチの動作を行うことができる。
【0108】
また、このようなプッシャ64の押圧による素子部2の保持の際における押圧力は、ソレノイドバルブ519の開閉動作により、所望の圧力に選択的に制御することができる。例えば、素子部2の剛性が低い部品を保持する場合には、ソレノイドバルブ519の閉動作を行い、低圧の圧縮空気を用いて、素子部2を塑性変形させることなく、プッシャ64による押圧を行なうことができ、一方、例えば、リード線3の剛性が高く、上記カットアンドクリンチの際により大きな力が加えられるような部品を保持する場合には、ソレノイドバルブ519の開動作を行って、高圧の圧縮空気を用いて、プッシャ64により素子部2をより強い押圧力でもって確実に保持することができる。
【0109】
なお、上記カットアンドクリンチの動作が行われた後、スライドシャフト74が上昇されることにより、素子部2の上端位置からプッシャ64が上昇されて、もとの上昇位置において停止されるとともに、ガイドブロック82の下降動作も停止される。
【0110】
なお、回路基板6に複数の部品1が挿入されるような場合にあっては、上述した夫々の動作が連続的に繰り返し行われて、夫々の部品1の回路基板6への挿入動作が行われる。
【0111】
夫々の部品1の回路基板6への挿入動作が行われた後、スライドベース83において回路基板6の固定が解除され、回路基板6が隣接する基板排出搬送装置85より取り出される。取り出された回路基板6はその両端部を一対のレール85aにより支持されながら図1における図示X軸方向左側へ向けて搬送されて、部品挿入装置101より排出される。
【0112】
(部品分類に基づく把持圧力又は押圧力の制御)
次に、上述のような部品挿入装置101において回路基板6への挿入動作が行なわれる夫々の部品1の種類と、上記挿入動作が行なわれる際の夫々の挿入チャック62a及び62bによる部品1の把持圧力、あるいは、プッシャ64による部品1への押圧の圧力(押圧力)との関係について、具体例を挙げて説明する。
【0113】
回路基板6への挿入動作が施される夫々の部品1は、様々な種類のものがあり、例えば、その素子部2の剛性が低い部品やリード線3の剛性が高い部品等の部品がある。このような様々な種類の部品1の中で、上記夫々の剛性が標準的な強度を有する部品として、例えば、リード延長型部品や半固定ボリューム型部品等を標準部品(第1の部品の一例でもある)として、これらの標準部品に対して上記剛性等に関して特徴を有するいくつかの部品の種類について、複数の部品分類に区分して説明する。
【0114】
まず、部品分類Aに属する部品1は、部品1の素子部2の外殻膜の形成厚さが上記標準部品に比して、薄く形成されており、その素子部2の剛性が低い(上記把持方向における剛性が低い、あるいは上記押圧方向における剛性が低い)という特徴を有する部品1(第2の部品の一例である)である。このような部品1は、例えば、その部品1の製造コストの低減等を目的として、必要最小限の剛性を有するようにその外殻膜の形成厚さが薄く形成されたものである。例えば、電解コンデンサ係部品や発振子系部品等がある。例えば、標準部品としての電解コンデンサ等におけるその外殻膜の形成厚さ寸法が、例えば、0.25mmであるのに対して、部品分類Aに属する部品1の一例である電解コンデンサの外殻膜の形成厚さ寸法は、例えば、0.2mm程度と薄く形成されている。
【0115】
次に、部品分類Bに属する部品1は、部品1の素子部2の大きさが上記標準部品に比して、大きく形成されており、その素子部2の重量が大きいという特徴を有する部品1(第1の部品の一例でもある)である。このような部品1は、その素子部2の大きさに合わせて、素子部2の剛性も比較的高くなるように形成されている。例えば、大型電解コンデンサ系部品やシールド付コイル系部品等がある。
【0116】
また、部品分類Cに属する部品1は、部品1のリード線3の剛性が上記標準部品に比して高いという特徴を有する部品1(第3の部品の一例である)である。このような部品1は、従来の部品実装においては、あまり取り扱われることが少ない部品であったが、部品実装基板の多様化や多機能化により取り扱われることが多くなりつつある種類の部品である。例えば、コネクタ型部品等がある。例えば、標準部品におけるリード線3の径が0.45mm程度(形成材料は、例えば、いわゆるC/P線、すなわち、鉄心入りニッケル被膜半田メッキ線)で形成されているのに対して、部品分類Cに属する部品1のリード線3の径は、0.8mm程度と太く形成(形成材料は、例えば、鉄線)されている。なお、これらは、一例であり、リード線3の線径とその形成材料の組み合わせには様々な形態がある。
【0117】
また、部品分類Dに属する部品1は、部品1のリード線3の剛性が上記標準部品に比して低いという特徴を有する部品1である。このような部品1は、例えば、上記標準部品に比して、その素子部2の大きさが小さく形成され、かつ、リード線3が長く形成されているような部品であり、例えば、アキシャル型部品や浮上型部品等がある。例えば、標準部品におけるリード線3の径が0.45mm程度で形成されているのに対して、部品分類Dに属する部品1のリード線3の径は、0.3mm程度と細く形成(形成材料は、例えば、軟銅線)されている。
【0118】
このような夫々の部品分類A〜Dの夫々に属する部品1についての挿入チャック62による把持圧力との関係を示す表形式の模式説明図を図30に示し、プッシャ64による押し下げ時における押圧力との関係を示す表形式の模式説明図を図31に示し、さらに、カットアンドクリンチ時におけるプッシャ64による押圧力との関係を示す表形式の模式説明図を図32に示す。また、図33から図35に、夫々の部品分類A〜Dの夫々に属する部品1と上記標準部品との上記把持圧力及び夫々の押圧力の相対的な力の関係を示す表形式の模式説明図を示す。
【0119】
図30に示すように、部品分類Aに属する部品1は、その素子部2の外殻膜の形成厚さが上記標準部品に比して薄く形成されていることから、その素子部2の剛性が低く(特に上記把持方向における剛性が低い)、例えば、夫々の挿入チャック62a及び62bによる把持圧力が強い状態で把持が行なわれると、上記強い把持圧力に上記外殻膜が耐えきれず、素子部2に塑性変形が発生してしまう場合がある。このような場合にあっては、把持不良が発生することとなり、当該部品1の把持解除を円滑に行うことができなかったり、その把持姿勢が想定される状態とは異なり、部品1の挿入ミスを引き起こすだけでなく、部品1自体を損傷させることとなる場合がある。このような問題の発生を未然に防止するため、上記把持圧力を弱くして上記把持を行うことにより、上記把持によって素子部2に塑性変形を発生させることなく、良好な状態で上記把持を行うことができる。なお、上記把持圧力の強/弱については、具体的には、図25において、挿入チャック駆動部71のシリンダ部70に供給される圧縮空気を高圧又は低圧に選択することにより、対処することができる。
【0120】
また、図30に示すように、部品分類Bに属する部品1は、その素子部2の形成寸法が大きく形成されており、上記標準部品に比して素子部2の重量が重く形成されているため、例えば、夫々の挿入チャック62a及び62bによる把持圧力が弱い状態で把持が行なわれると、素子部2の把持が不安定となる場合が生じ得、このような場合にあっては、その把持姿勢に位置ずれが生じて、部品1の把持不良や挿入不良を引き起こす場合がある。このような問題の発生を未然に防止するため、上記把持圧力を強くして上記把持を確実に行うことにより、上記把持姿勢を安定させることができ、良好な状態で上記把持を行うことができる。
【0121】
また、図30に示すように、部品分類Cに属する部品1は、リード線3の剛性が高く形成されているものの、例えば、上記部品分類Aに属する部品1と同様に素子部2の剛性が低く形成されているような場合にあっては、上記把持圧力が強い状態で上記把持が行なわれると、素子部2の塑性変形を引き起こす可能性もあるため、上記把持圧力を弱い状態にして上記把持を行い、このような問題の発生を未然に防止することができる。
【0122】
さらに、図30に示すように、部品分類Dに属する部品1は、上記標準部品に比して、素子部2が小さく形成され、かつ、リード線3が長く形成されているため、夫々の挿入チャック62a及び62bによる上記把持の際には、素子部2ではなく、リード線3が把持されることが多い。例えば、このように素子部2に比して細く形成されているリード線3を把持するような場合において、上記把持圧力が弱い状態であると、滑りが発生し、上記把持された部品1の把持姿勢が不安定となり、把持不良や挿入不良を引き起こす場合がある。このような問題の発生を未然に防止するため、上記把持圧力を強くして、リード線3をより強い力でもって確実に把持することにより、上記滑りの発生等を防止し、良好な状態で上記把持を行うことができる。
【0123】
次に、図31に示すように、プッシャ64により部品1の素子部2を押圧して、ガイドピン81とリード線3との係合を保持するように部品1を押し下げる場合において、部品分類Aに属する部品1は、上記押し下げ動作の開始時点では、部品1はその素子部2において、夫々の挿入チャック62a及び62bにより把持されているものの、上述のようにその把持圧力が弱い状態で上記把持が行なわれている。そのため、プッシャ64による押圧力が強い状態で、上記押圧が行なわれると、夫々の挿入チャック62a及び62bによる上記把持圧力よりも上記押圧力が勝ることとなる場合が生じ得、このような場合にあっては、上記把持されている部品1に滑りが発生し、把持不良が発生する場合がある。このような問題の発生を未然に防止するために、上記把持圧力に合わせて、上記押圧力も弱い状態とすることで、部品1の上記押圧を確実に行うことができる。なお、上記押圧力の強/弱については、具体的には、図26において、プッシャ昇降部73のスライドシャフト74の中空部分に供給される圧縮空気を、高圧又は低圧に選択することにより、対処することができる。
【0124】
また、図31に示すように、部品分類Bに属する部品1は、その素子部2の形成寸法が大きく、かつ、重く形成されているため、例えば、プッシャ64による上記押圧力が弱い状態で、部品1のリード線3とガイドピン81との係合を保持させるような場合にあっては、部品1の保持姿勢が不安定となり、保持不良が発生する場合がある。このような問題の発生を未然に防止するために、上記押圧力を強くした状態で、上記押圧を行うことにより、リード線3とガイドピン81との上記係合をより強固なものとすることができ、確実な保持を行うことができる。
【0125】
さらに、図31に示すように、部品分類Cに属する部品1及び部品分類Dに属する部品1は、夫々の挿入チャック62a及び62bによる把持が把持圧力が弱い状態で行なわれているような場合にあっては、上記部品分類Aに属する部品1の場合と同様に、プッシャ64に上記押圧が上記押圧力が強い状態で行なわれると、押圧開始時において、上記把持の滑りが発生し得、把持不良が発生する場合があるため、上記把持圧力に合わせて、上記押圧力も弱い状態とすることで、部品1の上記押圧を確実に行うことができる。
【0126】
また、図32に示すように、部品分類Cに属する部品1は、プッシャ64により回路基板6の上面に素子部2を押圧して部品1を保持しながら、カットアンドクリンチを施す場合には、そのリード線3の剛性が高く形成されていることにより、例えば、上記標準部品に対して同様な処理を行う場合に比して、より強い力が付加されて上記カットアンドクリンチが行なわれることとなる。そのため、例えば、プッシャ64による上記押圧力が弱い状態で上記押圧が行なわれている場合には、プッシャ64による部品1の十分な保持を行うことができずに、上記カットアンドクリンチの際に部品1の回路基板6の表面よりの浮き上がり等が発生し得、このような場合にあっては、リード線3の折り曲げが不十分となり、部品1の回路基板6への固定不良が発生する場合がある。このような問題の発生を未然に防止するために、このカットアンドクリンチの際に、プッシャ64による部品1への押圧力を強い状態にし、上記付加される力に負けることなく、確実に部品1の保持を行って、部品1を固定を確実に行うことができる。
【0127】
また、図32に示すように、部品分類A、部品分類B、又は部品分類Dに属する部品1は、素子部2の剛性が低かったり(特に、上記押圧方向における剛性が低かったり)、リード線3の剛性が低かったりするため、カットアンドクリンチの際における部品1の保持のためのプッシャ64による部品1への押圧が押圧力が強い状態で行なわれると、素子部2に塑性変形が生じたり、リード線3に座屈が発生したりするため、上記押圧力を弱い状態でにて上記押圧を行うことにより、部品1の回路基板6への固定を確実に行うことができる。
【0128】
また、上記標準部品に対する上記把持圧力、上記押し下げ時の押圧力、及び上記カットアンドクリンチ時の押圧力を夫々100%とすると、上記把持圧力の強/弱、及び上記押圧力の強/弱の夫々の部品分類ごとの相対値(%)の一例は、図33から図35に示すようになる。
【0129】
素子部2の剛性が弱いという特徴を有する部品分類Aに属する部品1については、上記把持圧力が80%、上記押し下げ時の押圧力が80%、さらに、上記カットアンドクリンチ時の押圧力が80%となるように、圧縮空気の圧力を調整あるいは選択することが好ましい。
【0130】
また、素子部2の形成寸法が大きく、かつその重量が重いという特徴を有する部品分類Bに属する部品1については、上記把持圧力が120%、上記押し下げ時の押圧力が120%、さらに、上記カットアンドクリンチ時の押圧力が100%となるように、圧縮空気の圧力を調整あるいは選択することが好ましい。
【0131】
また、リード線3の剛性が高いという特徴を有する部品分類Cに属する部品1については、上記把持圧力が100%、上記押し下げ時の押圧力が100%、さらに、上記カットアンドクリンチ時の押圧力が120%となるように、圧縮空気の圧力を調整あるいは選択することが好ましい。
【0132】
また、素子部2の形成寸法が小さく、リード線3が長く形成されてその剛性が低くなるという特徴を有する部品分類Dに属する部品1については、上記把持圧力が100%、上記押し下げ時の押圧力が100%、さらに、上記カットアンドクリンチ時の押圧力が80%となるように、圧縮空気の圧力を調整あるいは選択することが好ましい。
【0133】
なお、本実施形態においては、図25及び図26の模式説明図に示すように、挿入チャック機構63及びプッシャ機構65の夫々において、高圧の圧縮空気又は低圧の圧縮空気のいずれかを選択的に供給する機構の例について説明したが、さらにこのような機構に、中圧用レギュレータやソレノイドバルブを追加して設置することにより、3段階以上の圧力の圧縮空気のうちよりいずれかの圧力の圧縮空気を選択的に供給可能な機構を構成できることは明らかである。また、このように構成することで、上記80%、100%、120%の相対的な圧力の圧縮空気の供給を選択的に行うことを可能とすることができる。また、上記相対的な圧力における100%を高圧側の圧力として、80%を低圧側の圧力とするような場合であってもよく、また、100%を低圧側の圧力として、120%を高圧側の圧力とするような場合であってもよい。
【0134】
なお、上記圧力の相対値である120%、100%、80%は、あくまで一例であり、これらに限定されるものではない。また、上記把持圧力における上記120%、100%、及び80%を強/中/弱とすれば、挿入チャック62による上記把持圧力により部品1に付加される荷重の具体例としては、0.15N(強)/0.1N(中)/0.07N(弱)とすることができ、その時の圧縮空気の供給圧力は、0.4Pa(強、すなわち高圧)/0.3Pa(中、すなわち中圧)/0.2Pa(弱、すなわち低圧)とすることができる。また、プッシャ64による上記押圧力における上記120%、100%、及び80%を強/中/弱とすれば、上記押圧力により部品1に付加される荷重の具体例としては、0.1N(強)/0.07N(中)/0.04N(弱)とすることができ、その時の圧縮空気の供給圧力は、0.4Pa(強、すなわち高圧)/0.25Pa(中、すなわち中圧)/0.15Pa(弱、すなわち低圧)とすることができる。これらの値は、部品挿入装置101において取り扱われる部品の種類に応じて設定されるものであり、様々な値を組み合わせて設定することができることは言うまでもない。
【0135】
(部品挿入動作と把持圧力及び押圧力との関係)
次に、上述のように説明した部品1の回路基板6への挿入動作における夫々の挿入チャック62a及び62bの上記把持圧力とプッシャ64の上記押圧力の変化状態のタイミングチャートを図6(A)及び(B)に示す。なお、このタイミングチャートにおいて説明する部品1は、例えば、上記標準部品であるものとする。ただし、このタイミングチャートは一例であって、このような場合に限定されるものではなく、様々な態様を採り得ることは言うまでもない。
【0136】
図6(A)及び(B)においては、横軸を時間軸として夫々の時間T〜Tまでにおける上記夫々の挿入動作状態と、上記把持圧力及び上記押圧力との関係を示している。特に、図6(A)においては、上記夫々の挿入動作状態を示す模式説明図を示し、また、図6(B)においては、上記把持圧力の有無の変化状態、及び上記押圧力の高圧/低圧(すなわち、強/弱)の変化状態のタイミングを示している。
【0137】
図6(A)及び(B)に示すように、時間Tにおいては、部品挿入ヘッド61に供給された部品1が、挿入チャック62により把持されている状態を示している。その後、時間T2において、挿入チャック62が下降されるとともに、部品1の素子部2がプッシャ64により押圧されて押し下げられ、リード線3とガイドピン81との係合が保持される。このような状態においては、上記把持圧力が有りの状態であり、かつ、上記押圧力が低圧の状態にある。
【0138】
さらに、その後、時間Tにおいて、挿入チャック62による部品1への把持が解除されるため、上記把持圧力は付加されない状態へと変化する。一方、プッシャ64の素子部2への押圧によるリード線3とガイドピン81との係合は、保持されており、上記押圧力が低圧に保たれた状態で、部品1の挿入のための下降が行なわれる。その後、時間Tにおいて、上記下降により部品1のリード線3が回路基板6に挿入されて、素子部2の下部が回路基板6の上面に当接される。なお、この状態においては、上記把持圧力が付加されていない状態、及び上記押圧力が低圧の状態に変化はない。
【0139】
その後、時間Tにおいて、部品1のリード線3に対してカットアンドクリンチが行われ、この時に、プッシャ64により部品1の素子部2を回路基板6に押圧して確実に保持するために、上記押圧力が高圧へと切替えられた状態にて、当該動作が行なわれる。
【0140】
(プッシャ機構の変形例)
また、本実施形態にかかる部品挿入装置101の変形例としては、例えば、図26に示すプッシャ機構65において、部品1の素子部2をプッシャ64により押圧する際に、予め、部品1の素子部2の上方近傍にプッシャ64を位置させておき、当該位置よりプッシャ64を僅かに下降させて上記押圧を行うことができるという構成のプッシャ機構65を有する部品挿入ヘッドを備える部品挿入装置である。
【0141】
このような部品挿入ヘッドにおいては、予め、素子部2に近接した昇降高さ位置にプッシャ64を位置させておき、当該昇降高さ位置よりプッシャ64を下降させることにより、当該下降によるプッシャ64の素子部2の上部への当接時に発生する衝撃を緩和することができ、部品1の品質保持を行なうことができる。
【0142】
このような構成は、例えば、図26に示すプッシャ機構65において、スライドシャフト74の昇降位置を検出することができるセンサ(例えば、昇降用カム部513の回転駆動量を検出することができるセンサ等)と、当該センサに基づいて、昇降用カム部513の回転駆動量を所望の駆動量だけ駆動させることができる機構とが備えられていることにより実現することができる。
【0143】
また、上述した本実施形態についての記載より、上記「第2の部品」は、上記「第1の部品」の素子部の剛性よりも低い剛性の素子部を備えるような部品であって、例えば、上記第1の部品の上記素子部の把持圧力をPとすると、上記第2の部品の上記素子部の把持圧力は、0.8×P程度以下としなければ、当該把持により上記素子部の塑性変形が発生してしまうような剛性を有する部品であると言える。
【0144】
(本実施形態による効果)
上記実施形態によれば、以下のような種々の効果を得ることができる。
【0145】
まず、部品挿入装置101における部品挿入ヘッド61において、供給される部品1の把持動作を行う挿入チャック機構63が、夫々の挿入チャック62a及び62bによる部品1の把持圧力を制御することが可能に構成されていることにより、上記供給されて把持される夫々の部品1の特徴(あるいは、種類若しくは特性)に応じて、上記把持圧力を最適な圧力と制御することができ、多様な種類の部品1に対して、確実な上記把持を行うことができ、部品挿入動作に柔軟に対応することができる。
【0146】
具体的には、近年増加しつつある部品1の製造コストの削減を目的とした素子部2の外殻膜の形成厚さが薄いような部品分類Aに属するような部品1は、上記標準部品と比して、その素子部2の剛性が低くなっているため、このような部品1の夫々の挿入チャック62a及び62bによる把持を行う際に、制御部9等に入力されている部品1の情報に基づいて、上記把持圧力が低くなるように制御して、当該把持を行うことができる。このように上記把持圧力を低く制御することにより、当該把持による部品1の素子部2の塑性変形の発生等による部品1の破損等を防止することができ、多様な種類の部品1の上記把持に柔軟に対応することができる。
【0147】
また、このような挿入チャック機構63における上記把持圧力を制御可能とする構成は、挿入チャック駆動部71のシリンダ部70に、高圧又は低圧の圧縮空気を選択的に可能とする機構が備えられ、当該機構が、挿入チャック制御部509により制御可能とされていることにより、上記多様な種類の部品1の特徴に応じて、上記高圧又は低圧の圧縮空気より選択された圧縮空気をシリンダ部70に供給して実現することができる。
【0148】
また、上記機構よりシリンダ部70に選択的に供給される上記低圧の圧縮空気により駆動される夫々の挿入チャック62a及び62bの把持圧力が、部品分類Aに属する部品1の素子部2を塑性変形させないような圧力であることにより、上記効果を達成することができる。
【0149】
また、このように上記把持圧力の強/弱を制御することができることにより、部品分類A以外の部品分類B、C、又はDの夫々に属する部品1(素子部2が大きく重い部品1や、リード線3の剛性が高い部品1や、素子部2が小さくリード線3が長い部品1)に対しても、夫々に応じた適切な上記把持圧力を選択して当該把持を行うことにより、把持姿勢を安定させたり、把持の際における滑りの発生を防止することができる等、確実な把持動作を行うことができる。
【0150】
さらに、部品挿入装置101における部品挿入ヘッド61において、上記供給されて夫々の挿入チャック62a及び62bにより把持された(あるいは把持解除された)部品1の素子部2を押圧するプッシャ64を備えるプッシャ機構65が、上記押圧の際の押圧力を制御することが可能に構成されていることにより、上記押圧される夫々の部品1の特徴(あるいは、種類若しくは特性)に応じて、上記押圧力を最適な圧力と制御することができ、多様な種類の部品1に対して、確実な上記押圧を行うことができ、部品挿入動作に柔軟に対応することができる。
【0151】
具体的には、部品分類Aに属するような部品1は、上記標準部品と比して、その素子部2の剛性が低くなっているため、このような部品1のプッシャ64による押圧を行う際に、制御部9等に予め入力されている部品1の特徴に関する情報に基づいて、上記押圧力が低くなるように制御して、当該押圧を行うことができる。このように上記押圧力を低く制御することにより、当該押圧による部品1の素子部2の塑性変形の発生等による部品1の破損等を防止することができ、多様な種類の部品1の上記押圧に柔軟に対応することができる。
【0152】
また、部品分類Cに属するような部品1は、上記標準部品と比して、そのリード線3の剛性が高く形成されているため、このような部品1のリード線3を回路基板6の挿入孔6aに挿入させた状態で、回路基板6の上面にプッシャ64により素子部2を押圧して保持させて、リード線3のカットアンドクリンチを行う場合に、上記押圧力が高くなるように制御して、当該押圧を行うことができる。このように上記押圧力を高く制御することにより、当該カットアンドクリンチの際にリード線3に付加される大きな力に対抗しながら部品1の保持を行うことができ、多様な種類の部品1の上記押圧に柔軟に対応することができる。
【0153】
また、このようなプッシャ機構65における上記押圧力を制御可能とする構成は、プッシャ昇降部73のスライドシャフト74の中空部分にに、高圧又は低圧の圧縮空気を選択的に可能とする機構が備えられ、当該機構が、プッシャ制御部522により制御可能とされていることにより、上記多様な種類の部品1の特徴に応じて、上記高圧又は低圧の圧縮空気より選択された圧縮空気を上記中空部分に供給して実現することができる。
【0154】
また、上記機構よりスライドシャフト74の上記中空部分に選択的に供給される上記低圧の圧縮空気により押圧力が付加されるプッシャ64の押圧力が、部品分類Aに属する部品1の素子部2を塑性変形させないような圧力であることにより、上記効果を達成することができる。
【0155】
また、このように上記押圧力の強/弱を制御することができることにより、部品分類A以外の部品分類B、C、又はDの夫々に属する部品1(素子部2が大きく重い部品1や、リード線3の剛性が高い部品1や、素子部2が小さくリード線3が長い部品1)に対しても、夫々に応じた適切な上記押圧力を選択して当該押圧を行うことにより、ガイドピン81とリード線3との係合保持の姿勢を安定させたり、押圧の際における上記把持されている部品1の滑りの発生を防止したり、カットアンドクリンチ時におけるリード線3の座屈の発生を防止したりすることができる等、確実な押圧動作を行うことができる。
【0156】
また、特に従来の部品挿入装置における部品挿入ヘッド装置においては、このような部品1の素子部2を把持する機構や押圧する機構に機械的なばね部材が用いられていることが多く、当該ばね部材ではそのばね圧を調整することが困難であり、上記把持圧力や上記押圧力を調整することができないという問題点を解決することができるという効果がある。
【0157】
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
【0158】
【発明の効果】
本発明の上記第1態様によれば、部品挿入ヘッド装置において、供給される夫々の部品の把持動作を行う把持装置が、把持装置制御部により、その上記夫々の部品に対する把持圧力の制御が可能に構成されていることにより、上記供給されて把持される上記夫々の部品の特徴(あるいは、種類若しくは特性)に応じて、上記把持圧力を最適な圧力と制御することができ、上記夫々の部品に対して確実な上記把持を行うことができ、多様な種類の部品の挿入動作に柔軟に対応することができる。
【0159】
具体的には、複数の種類の部品として、第1の部品と、上記第1の部品よりもその素子部の剛性が低い第2の部品とを個別に把持する際に、上記把持装置制御部により、上記第1の部品の上記把持圧力よりも上記第2の部品の上記把持圧力が低くなるように上記把持装置における上記把持圧力を制御することにより、上記第1の部品は、相対的に強い上記把持圧力で確実に把持することができるとともに、上記第2の部品は、相対的に弱い上記把持圧力で、上記把持により上記素子部を破損すること等を防止することができる。
【0160】
特に、上記第2の部品としては、例えば、近年増加しつつある部品の製造コストの削減を目的とした素子部の外殻膜の形成厚さが薄いような部品があり、このような部品は、その上記素子部の剛性が低くなっているため、上記把持装置により把持を行う際に、上記把持装置制御部により、上記把持圧力が相対的に低くなるように制御して、当該把持を行うことができる。このように上記把持圧力を低く制御することにより、当該把持による上記第2の部品の上記素子部の塑性変形の発生等による部品の破損等を防止することができ、多様な種類の部品の上記把持に柔軟に対応することができる。
【0161】
本発明の上記第2態様によれば、上記把持装置が、互いに近接又は離間するように移動されることにより、上記部品の把持位置に位置された上記部品の上記素子部の把持動作又は把持解除動作が可能な一対の把持部材と、上記一対の把持部材の上記近接又は上記離間の夫々の移動動作を行う把持部材駆動部とを備えていることにより、上記第1態様による効果を得ることができる。
【0162】
本発明の上記第3態様によれば、上記把持部材駆動部が、上記把持部材の上記移動動作を行うシリンダ部と、上記シリンダ部に供給される流体の圧力を可変させて供給可能な圧力可変供給部とを備え、上記把持装置制御部は、上記夫々の把持部材による上記第2の部品の把持の際における上記供給される流体の圧力が、上記第1の部品の把持の際における上記供給される流体の圧力よりも低い圧力となるように、上記圧力可変供給部を制御可能であることにより上記夫々の効果を実現可能とすることができる。すなわち、上記第1の部品の把持を行う際には、上記相対的に高い上記把持圧力を得るために、上記シリンダ部に相対的に高い圧力の流体を供給し、上記第2の部品の把持を行う際には、上記相対的に低い上記把持圧力を得るために、上記シリンダ部に相対的に低い圧力の流体を供給させるというように、上記圧力可変供給部を制御することにより、上記効果を達成することができる。
【0163】
本発明の上記第4態様又は上記第18態様によれば、上記夫々の把持圧力は、上記把持により、上記第1の部品又は上記第2の部品の上記夫々の素子部を把持して保持可能であり、かつ、上記夫々の素子部の形状を塑性変形させないような圧力であることにより、上記第1の部品及び上記第2の部品の夫々の特徴に応じた上記把持動作を行うことができ、多様化された部品の挿入動作に柔軟に対応することができる。
【0164】
本発明の上記第5態様によれば、上記第2の部品の上記把持の方向における上記素子部の剛性が、上記第1の部品の上記方向における上記素子部の剛性よりも低いことにより、上記夫々の態様による効果を有効なものとすることができる。
【0165】
本発明の上記第6態様によれば、上記部品挿入ヘッド装置において、上記供給されて上記把持装置により把持された(あるいは把持解除された)上記部品の上記素子部を押圧するプッシャ装置が、プッシャ装置制御部により、上記押圧の際の圧力の制御が可能に構成されていることにより、上記押圧される夫々の部品の特徴(あるいは、種類若しくは特性)に応じて、上記押圧の圧力を最適な圧力に制御することができ、上記夫々の部品に対して確実な上記押圧を行うことができ、多様な種類の部品に対する部品挿入動作に柔軟に対応することができる。
【0166】
具体的には、上記第1の部品と、上記第1の部品よりもその上記素子部の剛性が低い上記第2の部品とを個別に押圧する際に、上記プッシャ装置制御部により、上記第1の部品の上記押圧の圧力よりも上記第2の部品の上記押圧の圧力が低くなるように上記プッシャ装置における上記押圧の圧力を制御することにより、上記第1の部品は、相対的に強い上記押圧の圧力で確実に押圧することができるとともに、上記第2の部品は、相対的に弱い上記押圧の圧力で、上記押圧により上記素子部を破損すること等を防止することができる。
【0167】
特に、上記第2の部品として、例えば、上記素子部の外殻膜の形成厚さが薄いような部品が用いられるような場合にあっては、上記押圧の圧力が相対的に低くなるように制御して、当該押圧を行うことにより、当該押圧による上記第2の部品の上記素子部の塑性変形の発生等による部品の破損等を防止することができ、多様な種類の部品の上記押圧に柔軟に対応することができる。
【0168】
本発明の上記第7態様によれば、上記プッシャ装置が、上記部品の上記素子部に当接可能であって、かつ、上記部品の挿入位置における上記基板の表面に略直交する方向沿いに昇降可能なプッシャ部材と、上記プッシャ部材の上記昇降の動作を行うプッシャ昇降部とを備えていることにより、上記第5態様による効果を得ることができる。
【0169】
本発明の上記第8態様によれば、上記プッシャ昇降部が、上記プッシャ部材の上記昇降の動作を行うシリンダ部と、上記シリンダ部に供給される流体の圧力を所望の圧力に可変させて供給可能な圧力可変供給部とを備え、上記プッシャ装置制御部は、上記プッシャ部材による上記第2の部品の上記素子部の押圧の際における上記供給される流体の圧力が、上記第1の部品の上記素子部の押圧の際における上記供給される流体の圧力よりも低い圧力となるように、上記圧力可変供給部を制御可能であることにより、上記夫々の効果を実現可能とすることができる。すなわち、上記第1の部品の上記押圧を行う際には、上記相対的に高い上記押圧の圧力を得るために、上記シリンダ部に相対的に高い圧力の流体を供給し、上記第2の部品の上記押圧を行う際には、上記相対的に低い上記押圧の圧力を得るために、上記シリンダ部に相対的に低い圧力の流体を供給させるというように、上記圧力可変供給部を制御することにより、上記効果を達成することができる。
【0170】
本発明の上記第9態様によれば、さらに、上記プッシャ装置制御部が、上記プッシャ部材による上記基板の挿入位置への上記部品の保持の際における上記素子部への上記押圧の圧力が、上記ガイドピンの上記係合部と上記リード線との係合保持の際における上記素子部への上記押圧の圧力よりも高くなるように、上記夫々の押圧の圧力の制御を行うことにより、上記基板の挿入位置への上記部品の保持の際に行なわれるいわゆるカットアンドクリンチの際に上記部品に付加される外力に対抗して、上記部品の保持を確実に行なうことができる。従って、上記部品に対して、上記カットアンドクリンチの動作を確実に行うことができ、上記部品の上記基板への固定を確実に行ない、部品挿入の品質を高めることができる。
【0171】
本発明の上記第10態様又は上記第19態様によれば、上記夫々の押圧の圧力は、上記押圧により、上記第1の部品又は上記第2の部品の上記夫々の素子部の形状を塑性変形させないような圧力であることにより、上記第1の部品及び上記第2の部品の夫々の特徴に応じた上記押圧の動作を行うことができ、多様化された部品の挿入動作に柔軟に対応することができる。
【0172】
本発明の上記第11態様によれば、さらに、上記プッシャ装置制御部が、上記第1の部品及び上記第2の部品の上記夫々のリード線よりも、その剛性が高い上記リード線を備える第3の部品を、上記プッシャ部材により上記基板の挿入位置へ押圧して上記保持する際における上記素子部への上記押圧の圧力が、上記第1の部品及び上記第2の部品への上記押圧の圧力よりも高くなるように、上記夫々の圧力の制御を行うことにより、上記多様化された様々な部品の挿入動作に柔軟に対応することができる。上記第3の部品としては、例えば、近年増加しつつあるコネクタ型の部品等があり、このような部品はその特性上、上記リード線の剛性が相対的に高められているという特徴を有している。また、このような上記第3の部品に対して、上記カットアンドクリンチの動作を施す際には、上記剛性が高められたリード線を折り曲げるために、上記第1の部品や上記第2の部品と比して、相対的に大きな外力が付加されることとなるが、上記押圧の圧力が高められることにより、上記外力に対しても十分に対抗することができ、上記第3の部品のカットアンドクリンチの動作を確実に行い、上記基板への固定を行なうことができる。
【0173】
本発明の上記第12態様によれば、上記第2の部品の上記押圧の方向における上記素子部の剛性が、上記第1の部品の上記方向における上記素子部の剛性よりも低いことにより、上記夫々の態様による効果をより有効なものとすることができる。
【0174】
本発明の上記第13態様によれば、上記部品挿入ヘッド装置を備えるような部品挿入装置において、上記夫々の態様による効果を得ることができる。
【0175】
本発明の上記第14態様によれば、部品挿入方法において、供給される夫々の部品の把持動作を行う際に、上記夫々の部品に対する把持圧力の制御が可能とされていることにより、上記供給されて把持される上記夫々の部品の特徴(あるいは、種類若しくは特性)に応じて、上記把持圧力を最適な圧力と制御することができ、上記夫々の部品に対して確実な上記把持を行うことができ、多様な種類の部品の挿入動作に柔軟に対応することができる。
【0176】
具体的には、複数の種類の部品として、第1の部品と、上記第1の部品よりもその素子部の剛性が低い第2の部品とを個別に把持する際に、上記第1の部品の上記把持圧力よりも上記第2の部品の上記把持圧力が低くなるように上記把持圧力を制御することにより、上記第1の部品は、相対的に強い上記把持圧力で確実に把持することができるとともに、上記第2の部品は、相対的に弱い上記把持圧力で、上記把持により上記素子部を破損すること等を防止することができる。
【0177】
本発明の上記第15態様によれば、上記部品挿入方法において、上記ガイドピンと上記リード線との係合を上記部品の上記素子部をプッシャ部材により押圧して保持する場合に、上記押圧の圧力の制御が可能とされていることにより、上記押圧される夫々の部品の特徴(あるいは、種類若しくは特性)に応じて、上記押圧の圧力を最適な圧力に制御することができ、上記夫々の部品に対して確実な上記押圧を行うことができ、多様な種類の部品に対する部品挿入動作に柔軟に対応することができる。
【0178】
具体的には、上記第1の部品と、上記第1の部品よりもその上記素子部の剛性が低い上記第2の部品とを個別に押圧する際に、上記第1の部品の上記押圧の圧力よりも上記第2の部品の上記押圧の圧力が低くなるように、上記押圧の圧力を制御することにより、上記第1の部品は、相対的に強い上記押圧の圧力で確実に押圧することができるとともに、上記第2の部品は、相対的に弱い上記押圧の圧力で、上記押圧により上記素子部を破損すること等を防止することができる。
【0179】
本発明の上記第16態様によれば、さらに、上記プッシャ部材による上記基板の挿入位置への上記部品の保持の際における上記素子部への上記押圧の圧力が、上記ガイドピンの上記係合部と上記リード線との係合保持の際における上記素子部への上記押圧の圧力よりも高くなるように、上記夫々の押圧の圧力の制御を行うことにより、上記基板の挿入位置への上記部品の保持の際に行なわれるいわゆるカットアンドクリンチの際に上記部品に付加される外力に対抗して、上記部品の保持を確実に行なうことができる。従って、上記部品に対して、上記カットアンドクリンチの動作を確実に行うことができ、上記部品の上記基板への固定を確実に行ない、部品挿入の品質を高めることができる。
【0180】
本発明の上記第17態様によれば、さらに、上記第1の部品及び上記第2の部品の上記夫々のリード線よりも、その剛性が高い上記リード線を備える第3の部品を、上記プッシャ部材により上記基板の挿入位置へ押圧して上記保持する際における上記素子部への上記押圧の圧力が、上記第1の部品及び上記第2の部品への上記押圧の圧力よりも高くなるように、上記夫々の圧力の制御を行うことにより、上記多様化された様々な部品の挿入動作に柔軟に対応することができる。このような上記第3の部品に対して、上記カットアンドクリンチの動作を施す際には、上記剛性が高められたリード線を折り曲げるために、上記第1の部品や上記第2の部品と比して、相対的に大きな外力が付加されることとなるが、上記押圧の圧力が高められることにより、上記外力に対しても十分に対抗することができ、上記第3の部品のカットアンドクリンチの動作を確実に行い、上記基板への固定を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態にかかる部品挿入装置の斜視図である。
【図2】 上記部品挿入装置における部品供給体の斜視図である。
【図3】 上記部品挿入装置における部品搬送部の部分拡大斜視図である。
【図4】 図3の部品搬送部に設置されている保持位置補正体の斜視図である。
【図5】 図3の部品搬送部に設置されている第2の切断刃の斜視図である。
【図6】 上記部品挿入装置における部品の回路基板への挿入動作のタイミングチャートであり、(A)は夫々の挿入動作状態を示す模式説明図であり、(B)は把持圧力の有無、及び押圧力の強弱の切替え時を示すタイミングチャートである。
【図7】 上記部品挿入装置における移替チャックによる部品の把持動作の説明図であり、部品の把持前の状態である。
【図8】 上記移替チャックによる部品の把持動作の説明図であり、部品の把持状態である。
【図9】 上記部品挿入装置における部品移替体の斜視図である。
【図10】 図9の部品移替体の部分構造図である。
【図11】 図9の部品移替体の部分構造図である。
【図12】 図9の部品移替体の側面図である。
【図13】 図9の部品移替体の側面図である。
【図14】 上記部品挿入装置における部品挿入ヘッドの側面断面図である。
【図15】 図14の部品挿入ヘッドの挿入チャックの部分拡大図である。
【図16】 上記挿入チャックの構造説明図である。
【図17】 図14の部品挿入ヘッドのガイドチャックの部分拡大図である。
【図18】 ガイドピンによる部品挿入動作の説明図であり、挿入前の状態である。
【図19】 上記部品移替体による部品の移し替え動作の説明図である。
【図20】 部品の移し替えから挿入動作までの動作説明図である。
【図21】 上記挿入チャックによる部品の挿入姿勢の補正動作の説明図である。
【図22】 上記ガイドピンによる部品挿入動作の説明図であり、挿入中の状態である。
【図23】 上記ガイドピンによる部品挿入動作の説明図であり、挿入後の状態である。
【図24】 上記実施形態の部品挿入装置における制御系統を示すブロック図である。
【図25】 上記部品挿入ヘッドにおける挿入チャック機構の圧縮空気の圧力制御を行う構成の模式説明図である。
【図26】 上記部品挿入ヘッドにおけるプッシャ機構の圧縮空気の圧力制御を行う構成及びプッシャの昇降動作を行う構成の模式説明図である。
【図27】 上記部品挿入装置の部品挿入ガイド装置における切断折り曲げ装置によるカットアンドクリンチの状態を示す模式説明図であり、リード線の切断前の状態を示す。
【図28】 上記切断折り曲げ装置によるカットアンドクリンチの状態を示す模式説明図であり、リード線の切断直後の状態を示す。
【図29】 上記切断折り曲げ装置によるカットアンドクリンチの状態を示す模式説明図であり、リード線の切断後の折り曲げ状態を示す。
【図30】 上記部品挿入装置において取り扱われる夫々の部品分類に属する部品と上記挿入チャック機構における把持圧力との関係を示す表形式の模式説明図である。
【図31】 上記夫々の部品分類に属する部品と上記プッシャ機構における押し下げ時の押圧力との関係を示す表形式の模式説明図である。
【図32】 上記夫々の部品分類に属する部品と上記プッシャ機構におけるカットアンドクリンチ時の押圧力との関係を示す表形式の模式説明図である。
【図33】 上記把持圧力と上記夫々の押圧力との標準部品に対する相対値を示す表形式の模式説明図であり、標準部品に関するものである。
【図34】 上記把持圧力と上記夫々の押圧力との標準部品に対する相対値を示す表形式の模式説明図であり、部品分類A及びBに関するものである。
【図35】 上記把持圧力と上記夫々の押圧力との標準部品に対する相対値を示す表形式の模式説明図であり、部品分類C及びDに関するものである。
【図36】 上記実施形態の部品挿入装置における制御部の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…部品、2…素子部、3…リード線、4…テーピング部材、5…テーピング部品連、6…回路基板、6a…挿入孔、9…制御部、10…部品供給部、11…部品供給ガイド、12…部品収納部、13…部品供給体、14…ガイド溝、15…第1の切断刃、20…部品搬送部、21…コンベアベルト、22…モータ、23…プーリ、24…プーリ、25…プーリ、26…チャック保持体、27…チャック、28…ガイドレール、30…保持位置補正体、31…載置台、32…保持台、33…押体、34…第2の切断刃、35…刃、40…部品移替体、41…把持爪、42…把持爪、43…支爪、44…軸、45…軸、46…軸、47…移替チャック、48…移動レバー、49…軸、50…レバー、51…ローラー、52…回動板、53…回動軸、54…スライドレバー、60…部品挿入部、61…部品挿入ヘッド、62…挿入チャック、63…挿入チャック機構、64…プッシャ、65…プッシャ機構、66…ガイドチャック、67…ガイドチャック機構、68…支点ピン、69…バネ、70…シリンダ部、71…挿入チャック駆動部、72…本体フレーム、73…プッシャ昇降部、74…スライドシャフト、75…ロッド、75a…突起部、76…ガイドチャック駆動部、77…透孔、80…部品挿入ガイド装置、81…ガイドピン、81a…凹部、82…ガイドブロック、83…スライドベース、84…基板供給搬送装置、85…基板排出搬送装置、101…部品挿入装置、102…機台、501…メカニカルバルブ、502…カムフォロア部、503…カム部、504…シャトルバルブ、505…ソレノイドバルブ、506…高圧用レギュレータ、507…低圧用レギュレータ、508…導圧管、509…挿入チャック制御部、511…昇降用レバー、512…昇降用カムフォロア部、513…昇降用カム部、514…導圧管、515…メカニカルバルブ、516…カムフォロア部、517…カム部、518…シャトルバルブ、519…ソレノイドバルブ、520…高圧用レギュレータ、521…低圧用レギュレータ、522…プッシャ制御部、530…切断折り曲げ装置、531…固定刃、532…可動刃、551…データベース部、552…挿入動作プログラム決定手段、553…メモリ部、A〜D…部品分類、T〜T…時間。

Claims (11)

  1. 各素子部(2)にリード線(3)が夫々形成された供給される複数の部品(1)として、第1の部品と、上記第1の部品よりもその上記素子部の剛性が低い第2の部品とを、部品の把持位置において個別に把持して、基板(6)における部品の挿入位置において形成されている上記リード線の挿入孔(6a)に挿入させる部品挿入ヘッド装置(61)において、
    互いに対向されて配置され、かつ、互いに近接又は離間するように移動されることにより、上記部品の把持位置に位置された上記部品の上記素子部の把持動作又は把持解除動作が可能な一対の把持部材(62a、62b)と、上記一対の把持部材の上記夫々の移動動作を行うシリンダ部(70)および上記シリンダ部に供給される流体の圧力を可変させて供給可能な圧力可変供給部(501〜508)を有し、上記一対の把持部材の上記近接又は上記離間の夫々の移動動作を行う把持部材駆動部(71)と、を備えて、上記部品の把持位置において、上記夫々の部品の上記素子部を解除可能に把持する把持装置(63)と、
    上記夫々の把持部材による上記第2の部品の把持の際における上記供給される流体の圧力が、上記第1の部品の把持の際における上記供給される流体の圧力よりも低い圧力となるように、上記圧力可変供給部の制御を行う把持装置制御部(509)とを備えることを特徴とする部品挿入ヘッド装置。
  2. 上記部品挿入ヘッド装置は、
    上記把持装置により、上記把持された上記部品の上記リード線の端部と係合可能な係合部(81a)を有し、上記係合部と上記係合された状態で上記リード線を上記基板の上記挿入孔に案内して、上記部品を上記基板に挿入可能なガイドピン(81)を備えるリード線案内装置(80)と、
    上記ガイドピンの上記係合部とその上記リード線とが係合された状態の上記部品の上記素子部を、上記基板における上記挿入位置に向けて押圧して上記リード線と上記係合部との上記係合を保持可能であって、上記保持状態を維持しながら、上記ガイドピンにより案内される上記部品を上記挿入孔に挿入可能に押し下げるプッシャ装置(65)と、
    上記プッシャ装置におけるその押圧の圧力を制御しながら、上記夫々の部品の押し下げの動作が制御可能であって、上記第1の部品の上記押圧の圧力よりも上記第2の部品の上記押圧の圧力が低くなるように、上記夫々の押圧の圧力の制御を行うプッシャ装置制御部(522)とを備える請求項1に記載の部品挿入ヘッド装置。
  3. 上記プッシャ装置は、
    上記部品の上記素子部に当接可能であって、かつ、上記部品の挿入位置における上記基板の表面に略直交する方向沿いに昇降可能なプッシャ部材(64)と、
    上記プッシャ部材の上記昇降の動作を行うプッシャ昇降部(73)とを備える請求項2に記載の部品挿入ヘッド装置。
  4. 上記プッシャ装置において、上記プッシャ昇降部は、
    上記プッシャ部材の上記昇降の動作を行うシリンダ部(74及び75)と、
    上記シリンダ部に供給される流体の圧力を可変させて供給可能な圧力可変供給部(514〜521)とを備え、
    上記プッシャ装置制御部は、上記プッシャ部材による上記第2の部品の上記素子部の押圧の際における上記供給される流体の圧力が、上記第1の部品の上記素子部の押圧の際における上記供給される流体の圧力よりも低い圧力となるように、上記圧力可変供給部を制御可能である請求項3に記載の部品挿入ヘッド装置。
  5. 上記リード線案内装置は、上記基板の挿入孔に挿入された上記部品を、上記プッシャ部材により上記素子部が上記基板の挿入位置に押圧されて保持された状態で、上記部品のリード線を折り曲げることにより、上記部品を上記基板に固定するリード線折り曲げ部(530)を備え、
    上記プッシャ装置制御部は、上記プッシャ部材による上記基板の挿入位置への上記保持の際における上記素子部への上記押圧の圧力が、上記ガイドピンの上記係合部と上記リード線との係合保持の際における上記素子部への上記押圧の圧力よりも高くなるように、上記夫々の押圧の圧力の制御を行う請求項3又は4に記載の部品挿入ヘッド装置。
  6. 上記プッシャ装置制御部は、
    上記第1の部品及び上記第2の部品の上記夫々のリード線よりも、その剛性が高い上記リード線を備える第3の部品を、上記プッシャ部材により上記基板の挿入位置へ押圧して上記保持する際における上記素子部への上記押圧の圧力が、上記第1の部品及び上記第2の部品への上記押圧の圧力よりも高くなるように、上記夫々の圧力の制御を行う請求項5に記載の部品挿入ヘッド装置。
  7. 請求項1から6のいずれか1つに記載の部品挿入ヘッド装置と、
    上記夫々の部品を供給可能に収容している部品供給部(10)と、
    上記部品供給部より供給された上記部品を把持して上記部品の受渡し位置まで上記部品の搬送を行う部品搬送体(20)と、
    上記部品搬送体の上記部品受渡し位置に位置された上記部品を把持して上記部品を上記部品挿入ヘッド装置における上記部品の把持位置に移動させる移替チャック(47)と、
    上記部品挿入ヘッド装置と上記基板における上記挿入位置との上記基板の表面沿いの方向の位置合わせを行う位置合わせ部(83)とを備えることを特徴とする部品挿入装置。
  8. 各素子部(2)にリード線(3)が夫々形成されている複数の部品(1)として、第1の部品と、上記第1の部品よりもその上記素子部の剛性が低い第2の部品とを、部品の把持位置において個別に把持して、基板(6)における部品の挿入位置において形成されているリード線の挿入孔(6a)に、上記夫々のリード線を挿入して、上記第1の部品と上記第2の部品とを上記基板に挿入して混載させる部品挿入方法において、
    上記部品の把持位置において、上記部品を解除可能に把持する際に、互いに対向されて配置され、かつ、互いに近接又は離間するように移動されることにより上記部品の把持位置に位置された上記部品の上記素子部の把持動作又は把持解除動作が可能な一対の把持部材の移動動作を行うシリンダ部に対して、上記夫々の把持部材による上記第2の部品の把持の際に供給される流体の圧力が、上記第1の部品の把持の際に供給される流体の圧力よりも低い圧力となるように、上記シリンダ部に供給される流体の圧力を可変させて、上記夫々の把持部材により上記部品の把持を行い、
    それとともに、上記部品の上記リード線と上記基板の上記挿入孔との上記基板の表面沿いの方向における位置合わせを行い、
    その後、上記把持が行われた上記部品の上記リード線を上記基板の挿入孔に挿入させることを特徴とする部品挿入方法。
  9. 上記部品の把持の後、上記基板の上記挿入孔通してガイドピン(81)の係合部(81a)に上記部品の上記リード線の端部を係合させるとともに、プッシャ部材(64)により上記部品の上記素子部を、上記基板における上記挿入位置に向けて押圧して上記ガイドピンと上記リード線との係合を保持する際に、上記第1の部品の上記押圧の圧力よりも上記第2の部品の上記押圧の圧力が低くなるように、上記押圧による上記係合の保持を行い、
    上記部品の把持を解除するとともに、上記係合を保持しながら、上記ガイドピンにより上記リード線を上記挿入孔に案内して挿入させる請求項8に記載の部品挿入方法。
  10. 上記基板の挿入孔に挿入された上記部品を、上記プッシャ部材により上記素子部が上記基板の挿入位置に押圧されて保持された状態で、上記部品のリード線を折り曲げることにより、上記部品を上記基板に固定する際に、上記プッシャ部材による上記基板の挿入位置への上記保持における上記素子部への上記押圧の圧力が、上記ガイドピンの上記係合部と上記リード線との係合保持における上記素子部への上記押圧の圧力よりも高くなるように、上記夫々の押圧を行う請求項9に記載の部品挿入方法。
  11. 上記第1の部品及び上記第2の部品の上記夫々のリード線よりも、その剛性が高い上記リード線を備える第3の部品を、上記プッシャ部材により上記基板の挿入位置へ押圧して上記保持する際における上記素子部への上記押圧の圧力が、上記第1の部品及び上記第2の部品への上記押圧の圧力よりも高くなるように、上記夫々の押圧を行う請求項10に記載の部品挿入方法。
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