JP4227337B2 - 画像処理装置及び方法、並びにプログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置及び方法、並びにプログラムに関し、特に、コントローラ部の出力画像データを検証するための画像処理装置及び方法、並びにプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、プリンタ等の画像出力装置は、これに接続されたホストコンピュータやデジタルカメラなどから出力指示がなされた画像データ(印刷データ)を、出力に適した画像データに変換するコントローラ部と、コントローラ部から出力された画像データを受け取り、紙などのメディアに画像を出力するエンジン部とから構成される。
【0003】
以下では、画像出力装置の例としてレーザービームプリンタを取り上げてその説明を行う。
【0004】
レーザービームプリンタは、ホストコンピュータからシリアル回線、パラレル回線、又はイーサネット(登録商標)などのネットワーク回線を通じて画像データを受け取り、それをビットマップデータに変換するコントローラ部と、紙搬送や電子写真プロセスを制御・駆動するエンジン部から構成される。これらのコントローラ部とエンジン部は、画像データを転送するための画像信号、及び画像信号のタイミング制御信号以外に、コントローラ部がエンジン部に指示を与えるためのコマンド信号と、エンジン部がコントローラ部にエンジンの状態を伝えるためのステータス信号をシリアルインターフェースを介して送受信することで装置全体の制御を実現しており、エンジン部はコントローラ部から受信するコマンドに従って画像信号(ビットマップデータ)を電子写真プロセスを用いて紙などのメディアに画像を出力する。また、エンジン部は印刷可能なサイズや、紙詰りなどのエラー情報などを、適宜ステータス信号としてコントローラに送信する。
【0005】
従来、このようなコントローラ部とエンジン部により構成される画像出力装置の開発過程や動作検証過程においては、様々な印刷データをコントローラ部に送信し、実際にエンジン部を動作させて出力画像を得ることにより、出力画像に異常が発生しているか否かの評価を人間の目で繰り返し行っていたが、このような手法は以下に示す幾つかの問題を生ずるものであった。
【0006】
・大量の印刷画像を出力するために、莫大な量の紙などのメディアやトナー・インクなどの消耗品を消費する。
【0007】
・出力画像を肉眼で評価することから評価者の熟練が要求され、熟練した者が評価を行ったとしても多くの時間を費やす。
【0008】
・近年の高精細化が進む画像出力装置では、ドット欠けなどの微細な出力エラーを印刷結果から肉眼だけで検出するのは困難である。
【0009】
・出力画像を得るにはコントローラ部とエンジン部の両者の動作が必要であり、肉眼の評価により出力エラーを検出できた場合に、そのエラーがコントローラ部に起因するものであるか、エンジン部に起因するものであるかを特定するのが困難である。
【0010】
特願2001−110529号に記載された「画像処理装置及び方法、並びにプログラム」は、画像出力装置を開発する際に、エンジン部に代えて画像処理装置を用いてコントローラ部の生成する画像データをリアルタイムに可視化することにより上述のような画像出力装置の開発過程や動作検証過程における問題を解決する方法を開示している。
【0011】
この方法によれば、汎用コンピュータの拡張バスに接続された画像処理装置を用い、所定のインターフェースを介してコントローラ部との通信を実行させて、コントローラ部が出力する画像信号(ビットマップデータ)を取り込み、該画像信号を画像データとして画像メモリに記憶した後にこれを読み出して表示装置に表示させることが可能となる。従って、実際にエンジン部を動作させることなく、出力画像について表示装置上で詳細な検証作業ができ、開発効率の向上や開発コストの低減に有効なものとなっている。
【0012】
【発明が解決しようとしている課題】
しかしながら、上述した従来の画像処理装置では、コントローラ部が出力する画像信号(ビットマップデータ)を取り込み、リアルタイムに可視化された画像データを表示装置に表示させる方式であったため、パルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)された画像データを直接に取り込んで確認することができなかった。
【0013】
また、コントローラ部が画像信号をパルス幅変調して画像信号を生成する際のビデオクロック信号自体に、温度等の外的要因やビデオクロック信号の生成方法によりジッタが含まれることが特開2000−229444号公報等に記載されている。このため、画像信号を上述の画像処理装置側でPWM復調して取り込む際に、PWM復調による誤差が生じてしまうため、特開2000−229444号公報等に記載されているものと同様に、表示する画像にずれが生じてしまうという問題があった。
【0014】
更には、これらのPWM復調誤差により、階調情報を含むパルス幅変調処理された画像信号を精度良く取り込めないという問題もあった。
【0015】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、開発スピードの向上や開発コストの低減を図ることができ、パルス幅変調された画像信号を直接取り込んで確認することが可能な画像処理装置及び方法、並びにプログラムを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の画像処理装置は、出力画像データを出力すると共に制御信号を出力するコントローラ部と、前記出力画像データをメディアに出力するエンジン部とから構成される画像出力装置の前記コントローラ部を検証するための画像処理装置において、前記コントローラ部とデータ通信を行うインターフェース手段と、前記インターフェース手段を介して前記コントローラ部から出力されるパルス幅変調された画像データを復調して取得する画像データ取得手段と、前記画像データ取得手段により取得した画像データを保持する画像データ保持手段と、前記インターフェース手段を介して前記コントローラ部との間で通信される前記画像データ以外の制御データに従って前記コントローラ部に対する画像データ同期信号を生成する画像同期信号生成手段と、前記生成された画像データ同期信号に従って、前記画像データ保持手段により保持された画像データを表示する画像表示手段とを備え、前記インターフェース手段は、クロック信号を出力するクロック信号発生手段と、クロック信号発生手段により出力されるクロック信号を逓倍する逓倍手段とを備え、前記クロック及び前記逓倍出力されたクロック信号によって複数の前記画像データを復調することを特徴とする。
【0017】
請求項2記載の画像処理装置は、請求項1記載の画像処理装置において、前記インターフェース手段は、前記コントローラ部より出力される位置ずれ検出用のパターン画像を前記画像データ取得手段により取得し、前記画像データ保持手段により保持された画像データから位置ずれ検出用のパターン画像を読み出して、前記コントローラ部で生成されるビデオクロック信号と前記画像処理装置内で生成されるクロック信号との周波数のずれ量を検出する検出手段と、前記検出された周波数のずれ量の補正量を前記コントローラ部に指示する指示手段とを備えることを特徴とする。
【0021】
上記目的を達成するために、請求項3記載の画像処理方法は、出力画像データを出力すると共に制御信号を出力するコントローラ部と、前記出力画像データをメディアに出力するエンジン部とから構成される画像出力装置の前記コントローラ部を検証する画像処理装置の画像処理方法において、前記コントローラ部とデータ通信を行うインターフェース手段を介して前記コントローラ部から出力されるパルス幅変調された画像データを復調して取得する画像データ取得工程と、前記取得された画像データを保持する画像データ保持工程と、前記インターフェース手段を介して前記コントローラ部との間で通信される前記画像データ以外の制御データに従って前記コントローラ部に対する画像データ同期信号を生成する画像同期信号生成工程と、前記生成された画像データ同期信号に従って、前記画像データ保持工程にて保持された画像データを表示する画像表示工程とを備え、前記インターフェース手段は、クロック信号を出力するクロック信号発生手段と、クロック信号発生手段により出力されるクロック信号を逓倍する逓倍手段とを備え、前記クロック及び前記逓倍出力されたクロック信号によって複数の前記画像データを復調することを特徴とする。
【0022】
上記目的を達成するために、請求項4記載のプログラムは、出力画像データを出力すると共に制御信号を出力するコントローラ部と、前記出力画像データをメディアに出力するエンジン部とから構成される画像出力装置の前記コントローラ部を検証するための画像処理装置であって、クロック信号を出力するクロック信号発生手段と、前記クロック信号発生手段により出力されるクロック信号を逓倍する逓倍手段と、前記クロック及び前記逓倍出力されたクロック信号によって複数の画像データを復調するインターフェース手段とを備える画像処理装置の画像処理方法を画像処理装置に実行させるプログラムにおいて、前記プログラムは、前記コントローラ部とデータ通信を行うインターフェース手段を介して前記コントローラ部から出力されるパルス幅変調された画像データを復調して取得する画像データ取得ステップと、前記取得された画像データを保持する画像データ保持ステプと、前記インターフェース手段を介して前記コントローラ部との間で通信される前記画像データ以外の制御データに従って前記コントローラ部に対する画像データ同期信号を生成する画像同期信号生成ステップと、前記生成された画像データ同期信号に従って、前記画像データ保持ステップにて保持された画像データを表示する画像表示ステップとを備えることを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る画像処理装置を図面を参照しながら説明する。
【0024】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【0025】
図1において、本発明の実施の形態に係る画像処理装置23は、プリンタコントローラ100(コントローラ部)に接続されたビデオインターフェース部400と、出力画像データを生成するビデオデータ制御部200と、ビデオデータ制御部200に接続された拡張バス300とを備える。拡張バス300は不図示の汎用コンピュータに接続される。
【0026】
ビデオデータ制御部200は、互いに直列に接続された画像入力制御部203、デュアルポートメモリ制御部204、及び画像出力制御部205と、デュアルポートメモリ制御部204に接続されたコントローラインターフェース制御部201、拡張バスインターフェース制御部202、及びフレームメモリ206とを備える。
【0027】
本画像処理装置23は、プリンタコントローラ100よりビデオインターフェース部400を介して出力される画像データをフレームメモリ206に記憶し、蓄積された画像データを拡張バス300を介して汎用コンピュータの処理部に転送する機能を有する。
【0028】
コントローラインターフェース制御部201がプリンタコントローラ100からの画像転送要求信号に対して画像転送許可信号を発することで、プリンタコントローラ100が画像転送許可信号に同期して画像データの転送を開始する。
【0029】
画像入力制御部203は、プリンタコントローラ100が出力する画像データをデュアルポートメモリ制御部204に転送し、更に、デュアルポートメモリ制御部204は画像入力制御部203から転送された画像データをフレームメモリ206に記憶する。
【0030】
拡張バスインターフェース制御部202は、拡張バス300を介して汎用コンピュータに画像データの転送状態を通知すると共に、転送要求に従ってフレームメモリ206に記憶された画像を読み出し、画像出力制御部205に転送する。更に、画像出力制御部205は拡張バス300に画像データを出力する。
【0031】
図2は、図1の画像処理装置23の接続構成の説明図である。
【0032】
画像処理装置23は、ケーブルを介してプリンタコントローラ100に接続される。プリンタコントローラ100は、図示しないパラレルインターフェースやUSBインターフェース、又はネットワーク等を介してパーソナルコンピュータ等に接続される。
【0033】
画像処理装置23は、インターフェース部(PCIボード)22を有する汎用コンピュータ24(汎用PC)と、表示装置であるCRT25とを備える。
【0034】
プリンタコントローラ100の出力は、本来プリンタのエンジンコントローラ(エンジン部)に接続されるものである。エンジンコントローラは、例えば電子写真方式のレーザービームプリンタの場合、レーザドライバを駆動し、プリンタコントローラ100により生成されたラスター画像データを感光体ドラム表面に静電潜像し、トナーを磁気的に付着させ記録用紙に現像する。
【0035】
一方、画像処理装置23を利用してプリンタコントローラ100の動作検証を行う場合、プリンタコントローラ100は、ビデオインターフェースを介して画像処理装置23のインターフェース部22に接続される。インターフェース部22は、プリンタコントローラ100が出力するコマンド等に従って同期信号(水平同期信号及び垂直同期信号)を生成し、プリンタコントローラ100が出力する画像データ(ラスター画像データ)をインターフェース部22上のメモリに保持する。保持された画像データは、汎用コンピュータ24上で動作するソフトウェアにより再構成され、CRT25に表示される。このように、画像処理装置23は、エンジンコントローラの代わりにプリンタコントローラ100に接続され、プリンタコントローラ100のハードウェア/ソフトウェアの開発などに利用される。
【0036】
図3は、図2におけるインターフェース部22の説明図である。
【0037】
インターフェース部22は、ビデオインターフェース部31と、ビデオデータ制御部32とから成る。ビデオインターフェース部31は、図1のビデオインターフェース部400と同じ構成を有し、ビデオデータ制御部32は、図1のビデオデータ制御部200と同じ構成を有する。
【0038】
ビデオデータ制御部32は、ビデオインターフェースロジック、メモリコントローラ、メモリ、及びPCIインターフェース等からなり、ビデオインターフェース部31を介してデータの蓄積制御や同期信号(水平同期信号及び垂直同期信号)の生成、プリンタコマンドの処理等を行う。ビデオデータ制御部32は、PCIインターフェースの拡張ボードとして汎用コンピュータ24の拡張スロットに装着される。
【0039】
ビデオインターフェース部31は、ビデオデータ制御部32に板間結合されるユニットであり、取り替え可能な構造をなす。インターフェース部22が汎用コンピュータ24の拡張スロットに装着可能な構成をなすため、必要な処理速度に応じてシステム制御部となる汎用コンピュータ24を取り替えることが可能になる。また、ビデオインターフェース部31を取り替え可能な構成にすることにより、他の異なるインターフェースを有する画像出力装置の開発に本画像処理装置を容易に適応させることができる。これにより、ハードウェアがビデオインターフェース部31の変更だけで対応可能である。
【0040】
図4は、図3におけるビデオインターフェース部31の内部構成を示すブロック図である。
【0041】
ビデオインターフェース部31(ビデオインターフェース部400)は、コネクタ404と、コネクタ404に接続されたラインドライバ401と、FIFO(First In First Out)メモリ402、PWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)復調部405と、PLL部406と、クロック発生器407と、FIFOメモリ402を介して接続された板間結合用のコネクタ403と、クロック切替器408とを備える。
【0042】
ラインドライバ401は、プリンタコントローラ100が出力するパルス幅変調された高速の画像信号及び/又はクロック信号をビデオインターフェースケーブルを介して入力するための平衡型の信号インターフェース用ドライバ/レシーバデバイスで構成される。クロック発生器407は、図19に示すように、予め定められたプリンタのビデオクロック信号108と等しい周波数のクロック信号102を出力する。PLL部406は、プリンタコントローラ100と同様に、クロック発生器407から出力されたクロック信号102のn倍の周波数に逓倍された同期クロック信号110を発生する。
【0043】
PWM復調部405(画像データ取得手段)は、クロック発生器407によりクロック切替器408を介して入力されたビデオクロック信号108と、PLL部406によって逓倍された同期クロック信号110とにより、パルス幅変調された高速の画像信号(画像データ信号101)のパルス幅をカウントして復調画像データ220(図19)を得る。図19は、例えば、一色のみを8ビットデータに復調する場合のPWM復調部405の動作を示すタイミングチャートを示す。
【0044】
更には、FIFOメモリ402(画像データ保持手段)には、PWM復調部405により復調された中間調画像データが保持される。コネクタ404は、専用のビデオケーブルを介してプリンタコントローラ100に接続される。プリンタコントローラ100には、各種同期信号、同期信号に同期したCMYK画像データ、プリンタエンジンとのインターフェースを司るシリアルコマンド信号、割り込み信号、各種コントロール信号等が接続される。
【0045】
コネクタ403は、図1におけるビデオデータ制御部200との物理的インターフェースを司る。ビデオデータ制御部200(画像同期信号生成手段)は、プリンタコントローラ100から送出されるプリンタコマンド及びエミュレートするエンジン状態等に従って画像データ同期信号(水平同期信号及び垂直同期信号)を生成し、プリンタコントローラ100からの該画像データ同期信号に従って、FIFOメモリ402に保持された中間調画像データを抽出する。
【0046】
なお、プリンタコントローラ100より、ラインドライバ401を介して同期クロック信号110が供給される場合は、クロック切替器408を切り替えて同様にPLL部406に同期クロック信号110が入力され、同様の動作を行う。
【0047】
図5は、図1の画像処理装置23の動作を示すタイミングチャートである。
【0048】
画像処理装置23は、4色の画像データを順次並行して画像転送処理する。この処理をスムーズに実行するため、画像処理装置23のフレームメモリは2ページ分の容量を有する。2ページ分のデータを連続して出力することにより、各色の画像データ転送タイミングのズレを利用して1ページ目のデータ転送終了前に、2ページ目の画像データ転送を開始することで、ページ間隔の短縮を行ない、全体の処理時間を大幅に短縮することができる。
【0049】
図5において、画像転送要求信号aがプリンタコントローラ100より発せられると、これに対してコントローラインターフェース制御部201は画像転送許可信号bを返送する。画像転送許可信号bを返送されたプリンタコントローラ100は所定のタイミングに従って、c〜fの画像データ転送を行う。
【0050】
画像入力制御部203は転送されたc〜fの画像データをデュアルポートメモリ制御部204を介してフレームメモリ206に格納し、1ページ目の画像データ入力4の転送が終了した時点で拡張バスインターフェース制御部202は拡張バス割り込み信号gを発生させて1ページ目のデータ格納が終了したことをシステム側に通知する。
【0051】
一方、コンピュータシステム側においては、拡張バス300を介した割り込み信号に基づき、ビデオデータ制御部200に格納された画像データの取得を行う。
【0052】
ビデオデータ制御部200からコンピュータシステム側へのデータ転送については、拡張バスインターフェース制御部202に基づき実行可能であるどのような方法を用いてもよい。例えば、フレームメモリ206を拡張バス300上のメモリ空間にマッピングして通常のメモリリードアクセスによって読み出す方法や、又は画像処理装置側に拡張バス上で動作可能なマスタ転送機能を持たせ、予め指定されたメモリに転送させる方法を用いることが可能である。
【0053】
以上の一連の動作により1ページ目の画像データはプリンタコントローラ100よりビデオデータ制御部200を介して拡張バス300に転送され、2ページ目のデータ転送手順も1ページ目の転送と全く同じように行われる。
【0054】
本発明の特徴は、図5に示すように、プリンタコントローラ100からビデオデータ制御部200に対する2ページ目の画像データの転送と、ビデオデータ制御部200から拡張バス300に対する1ページ目の画像データの転送を並行して実行するところにある。
【0055】
ビデオデータ制御部200は1ページ目のデータ出力と2ページ目のデータ入力を並行して実行させるために2ページ分のメモリ容量を有し、読み出しと書き込みを並行して制御する手段を有するため、ページ間隔の短縮を可能とし、処理のスループットを向上させることができる。
【0056】
次に、本発明の実施の形態に係る画像処理装置によって実行されるソフトウェア(ホストとなる汎用コンピュータ24)を説明する。
【0057】
図6は、図2における汎用コンピュータ24上のソフトウェアの構成を示す図である。
【0058】
汎用コンピュータ24は、オペレーティングシステム(基本ソフトウェア)61と、ドライバ62と、マネージャ63と、アプリケーション64とを備える。
【0059】
本実施の形態では、オペレーティングシステム61として米マイクロソフト社のWindows(登録商標)2000を利用している。オペレーティングシステム61は汎用コンピュータ24のメモリ、割り込み、ハードディスクなどのリソースを管理する。ドライバ62はデバイスドライバであり、本実施の形態に必要なハードウェアであるインターフェース部22(インターフェースボード)に対する基本的操作を提供するソフトウェアである。基本的な操作とは、インターフェース部22上のレジスタへのアクセス、バッファメモリへのアクセス、インターフェース部22からの割り込みの処理等である。
【0060】
マネージャ63はミドルウェアであり、インターフェース部22へのより高度な操作を提供する。高度な操作とは、インターフェース部22上のバッファに格納されたの画像データをDIBフォーマット(デバイス非依存ビットマップ形式)で取得する機能などであり、取得時には縮小・拡大・ディザ補正などを同時に処理することができる。ミドルウェア63は内部でドライバ62(デバイスドライバ)を利用している。アプリケーション64は、画像処理装置23のオペレータに対するユーザーインターフェースとなるソフトウェアである。オペレータはアプリケーション64を通じて、当該装置に起動、停止、解析などの指示を出すことができる。アプリケーション64は内部でミドルウェア63を利用している。
【0061】
図7は、図1の画像処理装置23によって実行されるリアルタイム解析処理のプログラムのフローチャートである。
【0062】
本フローチャートで示すソフトウェアは全て汎用コンピュータ24上で動作するソフトウェアである。当該ソフトウェアはユーザに対するGUIを提供すると共にインターフェース部22を制御する。
【0063】
図7において、当該ソフトウェアが起動されると、初期化処理が行われる(ステップS101)。この初期化処理は当該ソフトウェアに関する変数等の初期化と共に、図3のビデオデータ制御部32に関するレジスタの設定等ハードウェアの初期化処理を実行する。
【0064】
続くステップS102では、CRT25により後述する図11の初期画面を表示する。
【0065】
図11は、図7のステップS102で表示されるCRT25の初期画面の説明図である。
【0066】
図11において、81は画像表示領域であり当該領域にプリンタコントローラ100の生成する画像データを表示する。ユーザは、まず、表示する画像データのサイズと色空間を指定する。82は紙サイズを指定するためのコンボボックスであり当該領域で予め設定された紙サイズに対応する主走査画素数/主走査開始位置/副走査ライン数/副走査開始位置が設定される。83は詳細設定のためのユーザーインターフェースを表示するためのボタンであり、当該ボタン83の押下によって図12に示す詳細設定ウィンドウが表示される。ここでは予め設定したパラメータを変更することが可能である。
【0067】
84は、表示色空間としてカラー、Cプレーン、Mプレーン、Yプレーン、Kプレーンの5種類を選択することが可能なラジオボタンである。85は処理の開始ボタンであり、86は処理の停止ボタンである。87は印刷完了ページ数を表示するものである。
【0068】
図7に戻り、画像サイズの変更が指示されたときは(ステップS103でYES)、指定された画像データを表示するようにパラメータを設定した(ステップS104)後、ステップS105に進む。ビデオデータ制御部32は、設定されたパラメータに従って有効な領域の画像データのみを画像メモリに保持する。
【0069】
また、表示色空間の変更が指示されたときは(ステップS105でYES)、指定された画像データを表示するようにパラメータを設定した(ステップS106)後、ステップS107に進む。表示色空間はカラー、Cプレーン、Mプレーン、Yプレーン、Kプレーンの5種類を選択することが可能である(図11のラジオボタン84)。プリンタコントローラ100が出力する画像データは、通常、CMYK色空間であるため、ここでカラーを選択した場合、画像メモリに蓄積したCMYK画像データを取り出し、RGBデータに色変換後表示領域に表示する。C/M/Y/Kプレーンを表示する場合、画像メモリから必要な色プレーンデータのみを取り出し表示する。以上画像サイズ及び表示色空間の設定が終了すると実際の画像取り込みを開始することが可能である。なお、これらのパラメータはデフォルト値が設定されているため、必要がない場合再設定する必要はない。
【0070】
ステップS107では、開始ボタン85の押下を検出したか否かを判別し、検出しないときは(ステップS107でNO)、ステップS103以降の処理を繰り返すと共に、検出したときは(ステップS107でYES)、アプリケーションソフトによりマネージャレイヤのソフトウェアを介してビデオデータ制御部32に画像データ取得動作の開始を設定して、ビデオデータ制御部32の処理開始レジスタが設定されると同時に本ソフトウェアに対する後述する図9のページエンド割込み処理を有効化する(ステップS108)。
【0071】
このページエンド割込み処理は、ビデオデータ制御部32が画像データの1ページ蓄積終了をソフトウェアに通知するためのものであり、ページエンド割込みが有効化されると、本ソフトウェアは停止ボタン86が押下されるまで当該割り込み処理を待ち続けることになる。
【0072】
図9は、図7のステップS108で有効化するページエンド割込みの処理のフローチャートである。
【0073】
図9において、まず、表示色空間としてカラー表示が指定されたか否かを判別し(ステップS122)、カラー表示が指定されていないときは(ステップS122でNO)、画像メモリに蓄積された画像データを指定プレーンを縮小変換しながら汎用コンピュータ24の作業メモリ上に転送する(ステップS123)。多くの場合、プリンタコントローラ100の出力する画像データのサイズに比較して画像表示領域のサイズが小さいため縮小変換を行いながら画像データを取り出す。具体的には、画像メモリに蓄積された主走査画素数4864画素、副走査ライン数6849画素等の高精細画像データを1/8倍に縮小し、608画素×856ラインの画像データを汎用コンピュータ24に転送する。更に、この際、サブサンプリングに伴う折り返し雑音などの影響を抑えるため所定の空間フィルタで帯域制限を行う。ここでの縮小変換により画像メモリから画像表示装置へのデータ転送量を削減し、高速な動作を実現することができる。表示領域をより小さくすることでより高速な動作を実現することもできる。取り出す画像データは、表示画像色空間がC/M/Y/Kプレーンに設定されている場合、指定プレーンのみを取り出す。指定プレーンのみを表示する場合、カラー表示する場合に比べてデータ転送量及び処理量が少ないため、汎用コンピュータ24に要求される処理能力を低くすることが可能である。更に、各プレーンのデータをプリンタコントローラ100が生成したデータとしてプレーン毎にそのまま観察することができる。
【0074】
続くステップS125では、見易さを向上させるためネガポジ反転し(ネガポジ変換処理)、画像表示領域に表示して(ステップS127)、表示済みの画像ページ数、すなわち印刷完了ページ数87(図11)を表示する(ステップS128)。ステップS127のネガポジ反転は必要がない場合省略してもよい。
【0075】
一方、ステップS122の判別の結果、カラー表示が指定されているときは(ステップS122でYES)、CMYK各プレーンの画像データをそれぞれ所定の縮小倍率で取り出し(ステップS124)、取り出された画像データに対して色変換処理を行った(ステップS126)後、ステップS127及びステップS128を実行する。
【0076】
ステップS126の色変換処理は一般的に行われている変換式によりCMYK画像データを表示用のRGB画像データに変換する。下式は色変換の変換式の例を示す。
【0077】
R=1−(C+K)
G=1−(M+K)
B=1−(Y+K)
上記変換式により得られたRGB画像データはステップS127で画像表示領域にカラー表示される。カラー表示の場合、色変換処理やプリンタエンジンとCRT25等の表示デバイスとの色再現性の違いなどから、プリンタコントローラ100の生成するCMYK画像が純粋に再現されるわけではないが、カラー画像として再現されるため明らかなラスタライズエラー等の発見に有効である。
【0078】
図9の処理により、ページエンド割込みが発生するに従って、プリンタエンジンを接続した場合の紙への出力と同様に、プリンタコントローラ100のラスタライズする画像データを表示部にリアルタイムに表示することができる。
【0079】
図7に戻り、ユーザにより停止ボタンが押下されると(ステップS109でYES)、アプリケーションソフトウェアは、マネージャソフトウェア及びドライバソフトウェアを介して割り込み処理の発生を禁止すると共に、ビデオデータ制御部32に対してプリンタコマンドに対するプリンタエミュレーション処理の停止を命じる。このとき、コンピュータシステムは、図13のオフライン解析モードで動作する。オフライン解析モードではリアルタイム解析モード動作時に画像メモリに蓄積した最終ページの画像データに対する解析機能を提供する。
【0080】
図13は、オフライン解析モード時のCRT25の表示画面の説明図である。
【0081】
画像表示領域111には最終ページの画像が表示されている。オフライン解析モードの場合、拡大/縮小機能ボタン112、データ保存機能ボタン113、ログ表示機能ボタン114等のオペレーションを促すボタンが有効化される。
【0082】
図8は、図7の処理の後に実行されるオフライン解析処理のフローチャートである。
【0083】
図8において、表示色空間の変更が指示されたときは(ステップS1201でYES)、後述する図10の画像再取得表示処理を実行して(ステップS1202)、ステップS1203に進む。
【0084】
図10は、図8のステップS1202における画像再取得表示処理のフローチャートである。
【0085】
この処理は、所定の倍率に縮小した所望のプレーンの画像データを画像メモリから転送し表示領域に表示するものである。
【0086】
図10において、まず、表示色空間としてカラー表示が指定されたか否かを判別し(ステップS1302)、カラー表示が指定されておらず、C/M/Y/K独立プレーンが指定されているときは(ステップS1302でNO)、指定されたプレーンの画像データのみを所望の縮小倍率で縮小変換しながら汎用コンピュータ24の記憶装置に転送し(ステップS1303)、転送された画像データをネガポジ変換(ステップS1304)後、モノクログレースケール画像データとして画像表示領域に表示する(ステップS1307)。
【0087】
一方、ステップS1302の判別の結果、カラー表示が指定されたときは(ステップS1302でYES)、CMYK各プレーンの画像データを所定の倍率に縮小しながら汎用コンピュータ24の記憶装置に転送する(ステップS1305)と共に、転送された画像データに対して色変換処理を行い(ステップS1306)、得られたRGB画像データを画像表示領域に表示する(ステップS1307)。
【0088】
図8に戻り、図13の拡大/縮小機能ボタン112の拡大ボタンが押下されたときは(ステップS1203でYES)、図10の画像再取得表示処理を実行して(ステップS1202)、ステップS1205に進む。拡大ボタン1回の押下で+10パーセント拡大した画像データを画像メモリから再転送する。この場合もステップS1202で画像メモリから必要な画像データを所定の縮小倍率で転送する。
【0089】
図14は、図8のステップS1203で拡大/縮小機能ボタン112が押下されたときのCRT25の表示画面の説明図である。
【0090】
画像表示領域141により高解像度の画像データが転送され表示されている。この場合、画像表示領域に収まらないためスクロールバー142が自動的に表示される。スクロールバー142を操作することで画像全体を確認することが可能である。
【0091】
図8に戻り、図13の拡大/縮小機能ボタン112の縮小ボタンが押下されたときは(ステップS1205でYES)、図10の画像再取得表示処理を実行して(ステップS1202)、ステップS1207に進む。縮小ボタン1回の押下で−10%縮小された画像データを画像メモリから再転送する。
【0092】
続いて、図13の全体表示ボタンが押下されたときは(ステップS1207でYES)、図10の画像再取得表示処理を実行して(ステップS1202)、ステップS1209に進む。全体表示ボタンの押下により、画像表示領域に画像全体を表示可能な縮小倍率で画像データを画像メモリから再転送する。更に、マウスの領域指定による拡大表示も図15に示すように可能である。
【0093】
図15は、マウスによる領域指定の様子を示す図である。151はマウスにより指定された領域であり、当該領域が画像表示領域全体に表示されるような倍率で画像メモリからデータを再転送し表示する。
【0094】
なお、図8のフローチャートでは、マウスの操作に関するステップは図示していない。
【0095】
次に、ユーザにより図13のデータ保存機能ボタン113が押下されると(ステップS1209でYES)、表示色空間がカラーに設定されているか否かを判別する(ステップS1210)。
【0096】
データ保存機能ボタン113が押下されたときは、例えば、カラー表示に設定された場合、図16に示す表示画面をCRT25に表示する(TIFF(CMYK)フォーマットでの保存)。
【0097】
ステップS1210の判別の結果、カラーに設定されているときは(ステップS1210でYES)、画像メモリに蓄積されているCMYK画像データの全色を汎用コンピュータ24の主記憶部に転送し(ステップS1213)、TIFF(CMYK)フォーマットでファイル化して汎用コンピュータ24のハードディスク等に記憶する(ステップS1214)。
【0098】
一方、ステップS1210の判別の結果、カラーではなく、C/M/Y/Kプレーン指定が設定されているときは(ステップS1210でNO)、指定されたプレーンの画像データのみを画像メモリから全て汎用コンピュータ24の主記憶部に転送し(ステップS1211)、モノクロ(BMP)グレースケールのDIBフォーマット画像ファイルとして記憶する(ステップS1212)。この処理により、プリンタコントローラ100によりラスタライズされた画像データを表示領域に表示している画像データの表示色空間に応じて、一般的なフォーマットでファイル化することができる。これにより、他の解析ツール等を利用して画像データを解析することもできる。
【0099】
続くステップS1215では、ログ表示機能ボタン114が押下されたときは(ステップS1215でYES)、ビデオデータ制御部32はリアルタイム解析動作時に画像メモリ上の予め指定した領域にコマンド列(プリンタコマンドから発行されたコマンド)を格納し(ステップS1216)(データ転送)、蓄積したコマンド列を汎用コンピュータ24に転送し表示する(ステップS1217)。
【0100】
すなわち、ログ表示機能ボタン114が押下されたときは、図17に示す表示画面をCRT25に表示し、受信したコマンド列171を16進表示でそのまま表示する。プリンタコマンドの発行するコマンド列171を確認することで、プリンタコントローラ100が正常な動作を行っているか否か等の検証を行うことができる。
【0101】
上記オフライン解析モードでは、これらの解析オペレーションを画像メモリに蓄積した画像データに対して行うことができる。これにより、画像データに対する画素レベル単位の検証等を容易なオペレーションでリアルタイム解析モードの停止後、直ちに行うことができる。すなわち、リアルタイム解析モードで連続動作の状況を観察し、異常が発生したと判断した場合、停止ボタンの押下だけで、対象となる画像データをオフラインで詳細に解析することができる。
【0102】
次に、開始ボタン117が押下されたときは(ステップS1218でYES)、直ちにリアルタイム解析モードに移行すべく、図7のステップS108に進む。リアルタイム解析モードに移行した場合、起動時と同様にプリンタコントローラ100の出力するラスター画像データを画像メモリに蓄積し、ステップS108のページエンド割込み処理に従って、リアルタイムに画像表示部に表示する。
【0103】
以上のオペレーションにより、リアルタイム解析モードとオフライン解析モードを任意のタイミングで移行しながら、簡単なオペレーションでプリンタコントローラの検証作業を繰り返し行うことができる。
【0104】
このとき、可視化された画像に、ずれが生じている場合は、更に以下に詳述するキャリブレーションによる調整を行う。
【0105】
まず、プリンタコントローラ100は、図20に示すような位置ずれ検出用パターン画像2000を出力する。位置ずれ検出用パターン画像2000は、直線パターン2001a,2001b,2002a,2002b,2003a,2003b,2004a,2004bとを有し、直線パターン2001a,2001bがC色、直線パターン2002a,2002bがM色、直線パターン2003a,2003bがY色、直線パターン2004a,2004bがK色で、それぞれ各色が全白及び全黒に相当する値で構成されている。また、各色の副走査方向に延びた直線パターン2001aと2001bとの間、直線パターン2002aと2002bとの間、直線パターン2003aと2003bとの間、直線パターン2004aと2004bとの間の各距離及び各パターン幅は予め定められている。
【0106】
図3に示したビデオインターフェース部31は、上述と同様にパターン画像をPWM復調してFIFOメモリ402に保持した後、汎用コンピュータ24の作業メモリ上に転送する。汎用コンピュータ24は、転送されたパターン画像の復調画像より、各色の副走査方向に延びた直線パターン2001aと2001bとの間、直線パターン2002aと2002bとの間、直線パターン2003aと2003bとの間、直線パターン2004aと2004bとの間の各距離及び各パターン幅を算出し、プリンタコントローラ100で生成されるビデオクロック信号108とクロック発生器407で生成されるクロック信号との周波数のずれ量を検出し、検出されたずれ量から補正量を逆算する。
【0107】
また、パターン画像のエッジ部は、位相誤差があると各色が全白及び全黒以外のパルス幅値として検出されるので、このビット誤差より位相の補正量を逆算する。これらの補正量は、コントローラインターフェース制御部201を介してプリンタコントローラ100に送信され、各色のビデオクロック信号108の補正量として指示される。
【0108】
プリンタコントローラ100は、特開2000−229444号公報等に記載されているように、近年のプリンタの高画質化が進む中で、高精細な画像を高速に得る手段として、パルス幅変調(PWM)による中間調データのアナログ信号化と同時に、ビデオクロック信号108の生成をPLLを用いて補正が行える様な構成が一般的に採用されている。そこで、プリンタコントローラ100は、上述した各色のビデオクロック信号108の補正量を用いてビデオクロック信号108の周波数及び位相の補正を行うことができる。
【0109】
以上により、プリンタコントローラ100と本画像処理装置23の用いるビデオクロック信号108のずれを最小にして良好な再生視覚化画像を得ることが可能となる。
【0110】
また、以上のキャリブレーション処理が各色にわたって行われるため、本画像処理装置23内で生成するクロック信号は1つでよいことは明白である。
【0111】
なお、プリンタコントローラ100より、予め各色の同期クロック信号110が供給される場合は、クロック切換器408を切り替えることにより、ビデオクロック信号108の周波数のずれを無くして良好な再生視覚化画像を得ることが可能となる。
【0112】
また、図19では8ビットの復調データを得る例を示したが、これに制限されるものではなくより多ビットであってもよい。一般的に、CRT等に比してプリンタの出力する紙等のメディアの階調表現性は著しく低いため、クロック発生器407により出力されたクロック信号及びPLL部406により逓倍されたクロック信号により複数の画像データを復調する際の復調された画像データのビットを切り捨てて丸めるか、PWM復調部405内のカウンタ動作を制限して、低ビットデータとして丸めて扱うように可変させて、本画像処理装置23の処理負荷を緩和させることも可能である。
【0113】
上記実施の形態では、プリンタとしてレーザービームプリンタを対象にした場合について説明したが、本発明はこれに限るわけではなくバブルジェット(登録商標)方式のプリンタ等他の様々なプリンタコントローラの開発に利用することが可能である。その場合、ビデオインターフェース部400をプリンタ等のビデオインターフェース方式に合わせて変更することで、様々なプリンタコントローラ100の開発に利用することが可能である。
【0114】
上記実施の形態では、プリンタコマンドログの表示例として16進データをそのまま表示する場合について説明したが、コマンド表にしたがってより分かりやすい様にコマンドをデコードして表示してもよい。更に、紙切れやジャム等のエラーレスポンスを返送するようなユーザーインターフェース、例えば、図18に示すエラーレスポンス設定画面を設けてもよい。この場合、例えばn枚目の印刷時又はランダムに指定したエラーレスポンス(この場合「紙切れ」「ジャム」「メカ故障」)を発生する。つまり指定した所定の発生タイミングで指定したエラー要因を発生させる様に設定される。これにより、プリンタコントローラ100のラスタライズ機能の検証だけでなく、プリンタコマンドに対するレスポンス処理機能の検証も可能になる。
【0115】
上記実施の形態では、オペレーションシステムとして米マイクロソフト社のWindows(登録商標)を利用した場合について説明したが、本発明はこれに限るわけではなく他の様々な環境上で構成することも可能である。
【0116】
上記実施の形態では、汎用コンピュータ24と組み合わせてシステムを構成する場合について説明したが、本発明はこれに限るわけでなく、他の様々な機器と組み合わせて実現してもよい。
【0117】
また、本発明の目的は、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記録媒体を、システム又は装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し、実行することによっても達成される。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0118】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
【0119】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0120】
更に、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0121】
また、このときのプログラムコードは、MPUネイティブなコードであってもよいし、所定のインタプリタ言語で記述されたものでランタイム時にMPUネイティブなコードに変換されるようなものでもよいし、所定様式で記述されたスクリプトデータであってオペレーティングシステム等により解釈実行されるようなものであってもよい。
【0122】
また、上記実施の形態では、再生視覚化画像上のずれを発見してからキャリブレーションを行ったが、プリンタコントローラ100の有する自動的にキャリブレーションを行う機能をそのまま利用することももちろん可能である。
【0123】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明により、レーザーユニットに出力すべきビデオ信号を生成するコントローラ部と、前記出力画像データを紙などのメディアに出力するエンジン部から構成される画像出力装置を開発する際に、エンジン部の代わりに用いて、コントローラ部の生成するレーザーユニットに出力すべき画像信号を直接に取り込んでリアルタイムに可視化する画像処理装置を提供することが可能になる。これにより、エンジン部が完成されてない状況においてもコントローラ部の検証作業を行うことが可能になり、開発スピードの向上や開発コストの低減を図ることができる。
【0124】
また、従来困難であった階調情報を含むパルス幅変調処理された画像信号の再生視覚化を良好な視覚化画像として得ることが可能になり、印刷結果からでは判断不可能な画素レベルの解析を簡単な操作で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1の画像処理装置23の接続構成の説明図である。
【図3】図2におけるインターフェース部22の説明図である。
【図4】図3におけるビデオインターフェース部31の内部構成を示すブロック図である。
【図5】図1の画像処理装置23の動作を示すタイミングチャートである。
【図6】図2における汎用コンピュータ24上のソフトウェアの構成を示す図である。
【図7】図1の画像処理装置23によって実行されるリアルタイム解析処理のプログラムのフローチャートである。
【図8】図7の処理の後に実行されるオフライン解析処理のフローチャートである。
【図9】図7のステップS108におけるページエンド割込みの処理のフローチャートである。
【図10】図8のステップS1202における画像再取得表示処理のフローチャートである。
【図11】図7ステップS102で表示されるCRT25の初期画面の説明図である。
【図12】図11の初期画面中の詳細設定ウィンドウの説明図である。
【図13】オフライン解析モード時のユーザーインターフェースの説明図である。
【図14】図8のステップS1203で拡大ボタンが押下されたときのCRT25の表示画面の説明図である。
【図15】マウスによる領域指定の様子を示す図である。
【図16】図8のステップS1209でデータ保存機能ボタン113が押下されたときに表示されるCRT25の表示画面の説明図である。
【図17】図8のステップS1215でログ表示機能ボタン114が押下されたときに表示されるCRT25の表示画面の説明図である。
【図18】エラーレスポンスを設定する場合のCRT25の表示画面の説明図である。
【図19】図4のPWM復調部405の動作を示すタイミングチャートである。
【図20】キャリブレーションに用いる位置ずれ検出用パターン画像の説明図である。
【符号の説明】
100 コントローラ部
200 ビデオデータ制御部
201 コントローラインターフェース制御部
202 拡張バスインターフェース制御部
203 画像入力制御部
204 デュアルポートメモリ制御部
205 画像出力制御部
206 フレームメモリ
300 拡張バス
400 ビデオインターフェース部
Claims (4)
- 出力画像データを出力すると共に制御信号を出力するコントローラ部と、前記出力画像データをメディアに出力するエンジン部とから構成される画像出力装置の前記コントローラ部を検証するための画像処理装置において、
前記コントローラ部とデータ通信を行うインターフェース手段と、
前記インターフェース手段を介して前記コントローラ部から出力されるパルス幅変調された画像データを復調して取得する画像データ取得手段と、
前記画像データ取得手段により取得した画像データを保持する画像データ保持手段と、
前記インターフェース手段を介して前記コントローラ部との間で通信される前記画像データ以外の制御データに従って前記コントローラ部に対する画像データ同期信号を生成する画像同期信号生成手段と、
前記生成された画像データ同期信号に従って、前記画像データ保持手段により保持された画像データを表示する画像表示手段とを備え、
前記インターフェース手段は、クロック信号を出力するクロック信号発生手段と、クロック信号発生手段により出力されるクロック信号を逓倍する逓倍手段とを備え、前記クロック及び前記逓倍出力されたクロック信号によって複数の前記画像データを復調することを特徴とする画像処理装置。 - 前記インターフェース手段は、前記コントローラ部より出力される位置ずれ検出用のパターン画像を前記画像データ取得手段により取得し、前記画像データ保持手段により保持された画像データから位置ずれ検出用のパターン画像を読み出して、前記コントローラ部で生成されるビデオクロック信号と前記画像処理装置内で生成されるクロック信号との周波数のずれ量を検出する検出手段と、
前記検出された周波数のずれ量の補正量を前記コントローラ部に指示する指示手段とを備えることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。 - 出力画像データを出力すると共に制御信号を出力するコントローラ部と、前記出力画像データをメディアに出力するエンジン部とから構成される画像出力装置の前記コントローラ部を検証する画像処理装置の画像処理方法において、
前記コントローラ部とデータ通信を行うインターフェース手段を介して前記コントローラ部から出力されるパルス幅変調された画像データを復調して取得する画像データ取得工程と、
前記取得された画像データを保持する画像データ保持工程と、
前記インターフェース手段を介して前記コントローラ部との間で通信される前記画像データ以外の制御データに従って前記コントローラ部に対する画像データ同期信号を生成する画像同期信号生成工程と、
前記生成された画像データ同期信号に従って、前記画像データ保持工程にて保持された画像データを表示する画像表示工程とを備え、
前記インターフェース手段は、クロック信号を出力するクロック信号発生手段と、クロック信号発生手段により出力されるクロック信号を逓倍する逓倍手段とを備え、前記クロック及び前記逓倍出力されたクロック信号によって複数の前記画像データを復調することを特徴とする画像処理方法。 - 出力画像データを出力すると共に制御信号を出力するコントローラ部と、前記出力画像データをメディアに出力するエンジン部とから構成される画像出力装置の前記コントローラ部を検証するための画像処理装置であって、クロック信号を出力するクロック信号発生手段と、前記クロック信号発生手段により出力されるクロック信号を逓倍する逓倍手段と、前記クロック及び前記逓倍出力されたクロック信号によって複数の画像データを復調するインターフェース手段とを備える画像処理装置の画像処理方法を画像処理装置に実行させるプログラムにおいて、
前記プログラムは、前記コントローラ部とデータ通信を行う前記インターフェース手段を介して前記コントローラ部から出力されるパルス幅変調された画像データを復調して取得する画像データ取得ステップと、
前記取得された画像データを保持する画像データ保持ステップと、
前記インターフェース手段を介して前記コントローラ部との間で通信される前記画像データ以外の制御データに従って前記コントローラ部に対する画像データ同期信号を生成する画像同期信号生成ステップと、
前記生成された画像データ同期信号に従って、前記画像データ保持ステップにて保持された画像データを表示する画像表示ステップとを備えることを特徴とするプログラム。
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