JP4227317B2 - 揮発性薬剤徐放表示シート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、揮発性薬剤を徐放可能に保持した揮発性薬剤徐放シートであって、これに熱転写プリンター、インクジェットプリンター、レーザープリンター等のプリンターによる文字、図形等の印字を可能とした印字面を備えるようにし、品質表示ラベル兼鮮度保持シート等の表示シートとしても使用できるようにした揮発性薬剤徐放表示シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、食パンの鮮度を保持するために、ポリエステルフィルムのような揮発性薬剤に対するバリヤー性(以下「ガスバリヤー性」と記載)の高いフィルムの片面に形成される粘着剤層にイソチオシアン酸エステルのような抗菌剤を含浸保持させ、この粘着剤層を利用して食パンの個装袋の外表面側に貼着し、個装袋内にイソチオシアン酸エステルを徐放させ、内部の食パンの鮮度を保持するようにした鮮度保持シートが特許第3121887号公報において提案されている。或いは、ポリエステルフィルムのようなガスバリヤー性フィルムをイソチオシアン酸エステルのような抗菌剤を含浸保持させた粘着剤層を介して張り合わせてバラン形状にした鮮度保持シートが実用新案登録公報第2581235号公報において提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記揮発性薬剤徐放シートにおいては、鮮度保持等の目的とする用途においては使用に便利なものであったが、ポリエステルフィルムのようなガスバリヤー性フィルムはプリンターによる印字は不可能であったため、一般には、大量のロットで画一的なデザインが施されているだけであった。そのため、小ロットでの個別デザインに不適であり、また、ユーザー側で賞味期限等の情報を表示させることはできず、揮発性薬剤徐放シートとは別個に表示用ラベルを用意しなければならないという不都合を有するものであった。
そこで、本発明は、プリンターによる印字を可能とし、小ロットでの個別デザインが可能で、また、別途に表示用ラベルを必要とせず、それ自体に情報表示を可能とした揮発性薬剤徐放表示シートを提供することを目的とする。
更には、湿度の高い環境において使用時に均一に揮発性薬剤を徐放でき、しかも、プリンターによる印字を可能とし、小ロットでの個別デザインが可能で、また、別途に表示用ラベルを必要とせず、それ自体に情報表示を可能とした揮発性薬剤徐放表示シートを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の揮発性薬剤徐放表示シートは、前記課題を解決するべく、請求項1記載の通り、基材シートの片面にプリンターによる印刷を可能とした印字層を設け、もう一方の面に揮発性薬剤を含浸保持する粘着剤層を設けた揮発性薬剤徐放表示シートであって、前記基材シートが紙または不織布であり、かつ、該基材シートと前記粘着剤層との間に水分に感応して徐放膜となる親水性高分子によるガスバリヤー層を設けたことを特徴とする。
また、請求項2記載の揮発性薬剤徐放表示シートは、請求項1記載の揮発性薬剤徐放表示シートにおいて、前記印字層が感熱発色層であることを特徴とする。
また、請求項3記載の揮発性薬剤徐放表示シートは、請求項1または2の何れかに記載の揮発性薬剤徐放表示シートにおいて、前記揮発性薬剤がイソチオシアン酸エステルであることを特徴とする。
また、請求項4記載の揮発性薬剤徐放表示シートは、請求項1乃至3の何れかに記載の揮発性薬剤徐放表示シートにおいて、前記粘着剤層に剥離シートを添着したことを特徴とする。
また、請求項5記載の揮発性薬剤徐放表示シートは、請求項1乃至4の何れかに記載の揮発性薬剤徐放表示シートにおいて、前記粘着剤層にカバーシートを添着したことを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
前記粘着剤層に保持させる揮発性薬剤としては、イソチオシアン酸アリル等のイソチオシアン酸エステルを始め、カラシやワサビの抽出物、1,8−シネオール、シナモン、ガーリック等の天然精油やそれらの合成油、エタノール、プロピレングリコール等、使用目的に応じて任意に使用でき、その種類は特に限定されるものではないが、高い抗菌、防カビ効果を有するイソチオシアン酸アリル等のイソチオシアン酸エステルが好ましい。
【0006】
前記揮発性薬剤を含浸保持させる粘着剤層を構成する粘着剤としては、含浸保持する揮発性薬剤の種類に応じて、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系、ゴム系、ビニルエーテル系の各種粘着剤が使用でき、特に、揮発性薬剤としてイソチオシアン酸エステルを使用する場合には、アクリル系粘着剤の使用が好ましい。
前記粘着剤による粘着剤層を形成後、これに前記揮発性薬剤を含浸保持させることにより、揮発性薬剤を含浸保持した粘着剤層を形成することができる。この時の保持量は使用目的に応じ、任意であるが、粘着剤100重量部に対して1〜100重量部程度の重量の保持量が好ましい。
【0007】
前記印字層としては、印字適性を備えた紙、合成紙、不織布や、それらに印字適性を上げるためにコート層を設けたコート紙、アート紙、キャストコート紙や、感熱層を設けた紙や合成紙等が挙げられる。
前記印字適性を備えた紙等を基材シートに積層する方法には特に制限はなく、粘着剤や接着剤を用いて積層したり、基材シートにポリエチレン樹脂等の合成樹脂を溶融押出して積層することもできる。
また、基材シートに直接、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン樹脂等の樹脂層や、これらの樹脂に填料や顔料等を配合したクレーコート層、感圧発色層や、感熱発色層を設けてもよいが、これらの中で、揮発性薬剤徐放表示シートが厚くならず、プリンター印刷も容易な感熱発色層を基材シートに設けることが好ましい。
【0008】
前記基材シートとしては、ガスバリヤー性の高いポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、金属箔等やそれらを組み合わせたシート等や、ガスバリヤー性の低いポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルムや、紙、不織布、合成紙や、ガスバリヤー性の高い前記基材シートに細孔を設けたシート等が挙げられる。
これらの中で、本発明の揮発性薬剤徐放表示シートをガスバリヤー性の低い紙、ポリエチレンフィルム、または、ポリプロピレンフィルム等で包装された製品、例えば、食品類の包装材フィルムの外面に貼着し、揮発性薬剤を該包装材を通過させて抗菌、防カビ効果を得る場合、基材シートは前記ガスバリヤー性の高い基材シートが好ましく、その中でも特にポリエチレンテレフタレートフィルムであることが抗菌、防カビ効果を長く持続させるためや経済的な観点から好ましい。
【0009】
また、ガスバリヤー性の高い、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルムで包装された製品、例えば、食品類の包装材フィルムの内面に貼着する場合、基材シートは揮発性薬剤を通過させて抗菌、防カビ効果を得るために、特に、ガスバリヤー性の低い前記基材シートが好ましく、同時に、揮発性薬剤徐放表示シートを貼着するまでは、揮発性薬剤を保持し、貼着後は製品(食品類)の水分により溶解し、揮発性剤を徐放できる、親水性高分子によるガスバリヤー層を基材シートと揮発性薬剤を含浸保持する粘着剤層との間に設けることが好ましい。この場合、前記ガスバリヤー性の低い基材シートの中で、水滴が付着した場合、その水滴を吸収し拡散の容易な紙または不織布が好ましい。
【0010】
前記親水性高分子としては、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、エチレン・ビニルアルコール共重合体、酢酸ビニル・ビニルアルコール共重合体、ヒドロキシプロピルセルロース、セロファン等が挙げられる。
また、親水性高分子の塗布量または押出成形量としては特に限定はないが、通常、3〜50g/m、特に、5〜40g/mが好ましい。3g/m未満だと充分なガスバリヤー性が得られない場合があり、また、50g/mを超えると効果を得るまでの時間が長くなり過ぎる場合がある。
【0011】
前述した構成にすれば、湿度の高い環境において使用時に均一に揮発性薬剤を徐放できる揮発性薬剤徐放表示シートとすることができる。即ち、水分に感応して徐放膜となる親水性高分子によるガスバリヤー層の機能は、例えば、食材を収容したガスバリヤー性容器の内側に薬剤徐放性表示シートを貼着して使用する際、容器内の水分によって可塑化されてガスバリヤー性が低下するため、紙または不織布から揮発性薬剤を放出することができるようにするものであるが、使用時まで揮発性薬剤の放出を抑えることができ、しかも、容器内の水分を不織布内に毛細管現象によって均一に行き渡らせて保持できるために、薬剤含浸保持層から均一な薬剤の放出を可能とするものである。しかも、紙または不織布の存在によって、食品への接触が必ずしも好ましいと言えない、親水性高分子への接触を防止することができる。
尚、例えば、特開平11−319044号公報に開示されているように、揮発性薬剤層に親水性高分子膜を積層することで水分の存在下で揮発性薬剤を徐放化させるようにしたものが提案されているが、水滴が浸水性高分子膜に触れた場合には、その部分だけのガスバリヤー性が低下することとなり、薬剤の均一な徐放が困難な場合が生じることがあったが、本実施の形態では、そのような不都合を生じることなく、常に均一な薬剤の放出が可能なものとなった。
【0012】
前記粘着剤層に添着する剥離シートとしては、粘着剤層からの使用前の薬剤の放出を防ぐ意味から、前記ガスバリヤー性の高いフィルムの片面にシリコーン樹脂等の剥離剤による剥離処理を施した剥離シートの使用が好ましい。
【0013】
また、前記粘着剤層にカバーシートを添着して、揮発性薬剤を含浸保持した粘着剤層を基材シートとカバーシートで挟持するようにして、包装された製品の中に置いて防菌、防カビ効果を得る揮発性薬剤徐放表示シートにしてもよい。この場合、基材シートとカバーシートのうち少なくとも一方は前記ガスバリヤー性の低いシートを用いることが好ましい。この場合、カバーシートはガスバリヤー性の低い基材シートと同一のものが使用できるが、その中で、特に、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムまたはポリメチルペンテンフィルムの何れか1つであることが安定した揮発性薬剤の徐放効果を得るために好ましい。また、カバーシートにプリンターによる印刷を可能とした印字層を形成するか否は任意である。
【0014】
図1乃至図3は本発明揮発性薬剤徐放表示シートの一構成例を示すもので、ガスバリヤー性のポリエチレンテレフタレートフィルムからなる基材シート1の片面に、例えば、コート紙や感熱発色層からなる印字層2を形成すると共に他面に揮発性薬剤を粘着剤に含浸保持した粘着剤層3を設け、この粘着剤層3に、例えば、ポリエステルフィルムにシリコーン剥離剤処理を施した剥離シート4を添着するようにしたものである。
感熱発色層に設けた揮発性薬剤徐放表示シートの印字層2にサーマルプリンターによって、商品名、造業者、販売業者、賞味期限等の情報を印字して、剥離シートを剥がし、図2乃至図3に示すように、例えば、磯部餅20を包装したポリプロピレンフィルムからなる非ガスバリヤー性包装シート30の外表面に貼着することにより、いわゆる外貼タイプの品質表示ラベル兼鮮度保持シートとして使用することができる。
【0015】
図4乃至図6は、本発明揮発性薬剤徐放表示シートの他構成例を示すもので、例えば、ガスバリヤー性の低い紙や不織布等からなる基材シート1の片面に前記と同様の印字層2を形成すると共に、他面に水分に感応して徐放膜となる親水性高分子によるガスバリヤー層5と揮発性薬剤を含浸保持する粘着剤層3および剥離シート4を順次設けたものである。
感熱発色層を設けた印字層2であれば、サーマルプリンターによって、商品名、製造業者、販売業者等の情報を印字して、剥離シート4を剥がし、図5乃至図6に示すように、例えば、和菓子21を包装した厚さ125μmのポリエチレンテレフタレートからなるガスバリヤー性包装容器31の蓋の内表面に貼着することにより、いわゆる内貼タイプの商品表示ラベル兼鮮度保持シートとして使用することができる。また、この内貼タイプの場合、粘着剤層、基材シート、印字層をそれぞれ透明にして、印字を反転文字にすることにより、包装材の外から印字を確認することもできる。
【0016】
【実施例】
次に、本発明の揮発性薬剤徐放表示シートの具体的実施例を参考例と共に説明する。
(参考例1)
ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ25μm)の片面にアクリル系粘着剤(リンテック株式会社製 商品名「PA―T1」)をナイフコーターで塗布してから乾燥し、固形分30g/mの粘着剤層を形成した。この粘着剤層にイソチオシアン酸アリルを3.0g/m含浸保持させて揮発性薬剤を含浸保持した粘着剤層を形成した。次に、前記ポリエチレンテレフタレートフィルムの他面に、印刷適性を備えたポリエステル不織布(ポリエステルスパンレース 40g/m)をアクリル系粘着剤(リンテック株式会社製 商品名「PA―T1」 固形分塗布量5g/m)を用いて貼合し、印字層を形成した。
尚、前記粘着剤層には、ポリエステルフィルム(厚さ25μm)にシリコーン剥離剤処理を施した剥離シートを添着するようにした。
【0017】
前記印字層にインクジェットプリンター(エプソン株式会社製 商品名「PM―800C」)を用い、印刷を施す印字試験を行ったところ、印字は全て鮮明に読みとることができ、優れた印字性が確認された。
また、抗菌性試験を行った。この試験は、具体的には、次のように行った。即ち、先ず、200mlの三角フラスコ中に大腸菌(Escherichia coli JCM1649)1エーゼをブレインハートインヒュージョンブイヨン中で一晩培養後(37℃)、滅菌リン酸緩衝液で100万分の1に希釈し、菌液を作成した。次に、予め直径55mmのシャーレに作成しておいたデゾキシコレート培地に菌液0.1mlを塗布し、蓋を外した状態の厚さ1mmのポリエチレンテレフタレート製容器(180mm×120mm×40mm)に前記シャーレを6個並べ、本実施例で得られた一枚の揮発性薬剤徐放表示シート(165mm×110mm)から剥離シートを除き、粘着剤層の面を前記6個のシャーレの口を同時に被せるように貼着し、直ちに施蓋した。この時、同時にサンプルシートを設置しない系(コントロール)も作成した。30℃(湿度90%RH以上)下に24時間放置し、コロニーの発生状況を観察した。
抗菌性を試験したところ、無処理(コントロール)の培地にはコロニーが発生したが、本発明の揮発性薬剤徐放表示シートを貼着した培地にはコロニーが発生しなかった。
【0018】
参考例2
前記参考例1の揮発性薬剤徐放表示シートのポリエステル不織布に代え、アート紙(日本加工紙株式会社製 商品名「NKアート」 坪量84.9g/m)による印字層を形成するようにしたこと以外は参考例1と同様にして揮発性薬剤徐放表示シートを作成した。
参考例1と同様の印字性と抗菌性の試験を行ったところ、参考例1と同様に、優れた印刷適性と優れた抗菌性が確認された。
【0019】
参考例3
前記参考例1の揮発性薬剤徐放表示シートのポリエステル不織布に代え、感熱発色層を設けた合成紙(王子油化合成紙株式会社製 商品名「ユポVTO」 厚さ100μm)による印字層を形成するようにしたこと以外は参考例1と同様にして揮発性薬剤徐放表示シートを作成した。
サーマルプリンター(サトー株式会社製 商品名「MR400」)による印字性の試験並びに参考例1と同様の抗菌性の試験を行ったところ、印字性は良好であり、また、参考例1と同様に優れた抗菌性を確認できた。
【0020】
実施例1
ポリエステル不織布(ポリエステルスパンレース 40g/m)に親水性高分子であるポリビニルアルコール(株式会社クラレ製 商品名「クラレポバールCP―1220―T10」)を220℃で押出成形し、固形分20g/mのガスバリヤー層を設けた不織布/PVAの複合膜を作成した。
別途、ポリエステルフィルム(厚さ25μm)にシリコーン剥離剤処理を施した剥離シートの剥離剤処理面にアクリル系粘着剤(リンテック株式会社製 商品名「PA―T1」)をナイフコーターで塗布してから乾燥し、固形分30g/mの粘着剤層を形成した。この粘着剤層にイソチオシアン酸アリルを3.0g/m含浸保持させ、揮発性薬剤を含浸保持した粘着剤層を形成した。前記複合膜のガスバリヤー層(PVA層)と揮発性薬剤を含浸保持した前記粘着剤層とを貼着するようにした。
【0021】
参考例1と同様の印字性の試験を行ったところ印字性は良好であった。また、ポリスチレン製容器に蒸留水を10ml入れたことと、揮発性薬剤徐放表示シートをポリスチレン製容器の蓋の内側に貼着したこと以外は、参考例1と同様にして抗菌性の試験を行ったところ、参考例1と同様に優れた抗菌性を確認できた。
また、更に、イソチオシアン酸アリルの放出挙動を確認した。即ち、湿度、温度を23℃×50%及び40℃×95%で各一定にした状態の雰囲気中に前記揮発性薬剤徐放表示シートを6時間放置して、イソチオシアン酸アリルの残存率を測定した。尚、残存率は試料の測定前後の重量変化から求めるようにした。
その結果、温度、湿度が23℃×50%で98.0%の残存率であり、温度、湿度が40℃×95%で17.5%の残存率であった。
【0022】
参考例4
前記参考例1の粘着剤層に添着した剥離シートをカバーシートとしてポリプロピレンフィルム(東レ合成フィルム株式会社製 商品名「トレファンNO3301」 30μm)に代えたこと以外は参考例1と同様にして揮発性薬剤徐放表示シートを作成した。
参考例1と同様の印字性と抗菌性の試験を行ったところ、参考例1と同様に、優れた印刷適性と優れた抗菌性が確認された。尚、抗菌試験は、ポリプロピレンフィルムの面をシャーレーで覆うように置いて行ったこと以外は参考例1と同様にして行った。
【0023】
【発明の効果】
このように、本発明の揮発性薬剤徐放表示シートによれば、シート基材にプリンターによる印刷を可能とした印字層を形成するようにしたため、プリンターによる印字を可能とし、小ロットでの個別デザインが可能で、また、別途に表示用ラベルを必要とせず、それ自体に情報表示が可能となる。
また、基材シートが紙または不織布であり、かつ、該基材シートと前記粘着剤層との間に水分に感応して徐放膜となる親水性高分子によるガスバリヤー層を設けた場合には、湿分の多い環境において使用時に均一に揮発性薬剤を徐放でき、しかも、プリンターによる印字を可能とし、小ロットでの個別デザインが可能で、また、別途に表示用ラベルを必要とせず、それ自体に情報表示が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明揮発性薬剤徐放表示シートの一構成例を示す、構成断面図
【図2】 同使用状態を示す構成断面図
【図3】 同使用状態を示す斜視図
【図4】 本発明揮発性薬剤徐放表示シートの他構成例を示す、構成断面図
【図5】 同使用状態を示す構成断面図
【図6】 同使用状態を示す斜視図
【符号の説明】
1 基材シート
2 印字層(感熱発色層)
3 粘着剤層
4 剥離シート
5 ガスバリヤー層
20 磯部餅
21 和菓子
30 ガスバリヤー性の低い包装シート
31 ガスバリヤー性の高い包装容器

Claims (5)

  1. 基材シートの片面にプリンターによる印刷を可能とした印字層を設け、もう一方の面に揮発性薬剤を含浸保持する粘着剤層を設けた揮発性薬剤徐放表示シートであって、前記基材シートが紙または不織布であり、かつ、該基材シートと前記粘着剤層との間に水分に感応して徐放膜となる親水性高分子によるガスバリヤー層を設けたことを特徴とする揮発性薬剤徐放表示シート。
  2. 前記印字層が感熱発色層であることを特徴とする請求項1記載の揮発性薬剤徐放表示シート。
  3. 前記揮発性薬剤がイソチオシアン酸エステルであることを特徴とする請求項1または2の何れかに記載の揮発性薬剤徐放表示シート。
  4. 前記粘着剤層に剥離シートを添着したことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の揮発性薬剤徐放表示シート。
  5. 品質表示ラベル兼鮮度保持シートとして構成したことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の揮発性薬剤徐放表示シート。
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