JP4227115B2 - メカニカルシール - Google Patents

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Description

本発明は、ボンプ,ミキサー等の回転機器に軸封手段として装備されるメカニカルシールであって、回転軸に設けられた回転密封環とシールケースに設けられた静止密封環との相対回転摺接部分をこれにフラッシュ流体を供給することにより冷却するように構成されたメカニカルシールに関するものである。
従来のこの種のメカニカルシールとして、回転機器ハウジング(ポンプケーシング等)の軸封部に取り付けられたシールケースと、回転軸に固定された回転密封環と、シールケースの内周部に軸線方向に移動可能に保持された静止密封環と、静止密封環を回転密封環へと押圧接触させるべく静止密封環とシールケースとの間に介装したスプリングとを具備して、両密封環の相対回転摺接作用により機内領域と機外領域とを遮蔽シールするように構成されており、両密封環の摺接熱等によるトラブルを回避するために、シールケースにフラッシング通路を形成して、このフラッシング通路から冷却水等のフラッシュ流体を両密封環の相対回転摺接部分に供給するように工夫されたものが周知である(例えば、特許文献1又は特許文献2を参照)
特開平6−129937号公報(図1) 特開2005−048818公報(図1)
しかし、かかる従来のメカニカルシールにあっては、フラッシング通路がシールケース内周部の一箇所に開口されていることから、フラッシング通路が両密封環の相対回転摺接部分に直対向する近接位置に開口されている場合(例えば、特許文献1を参照)にも、一箇所からフラッシュ流体を供給させることによっては、当該相対回転摺接部分をその全周に亘って均一且つ十分に冷却させることができず、種々のトラブルが発生する。例えば、冷却が不十分であると、密封環の摺接面(密封端面)が偏摩耗する等のトラブルが発生する。このような不均一な冷却によるトラブルは、密封環径が大きくなるに従い、より顕著に発生することなる。また、密封環が熱膨張係数の異なる異質部材の焼き嵌め構造をなすものである場合には、焼き嵌め歪みによる影響が加味されて、不均一な冷却によるトラブルがより顕著に発生することなる。
ところで、回転機器やメカニカルシールの構造によっては、スペース的な余裕がない等の理由から、回転密封環及びこれと静止密封環との相対回転摺接部分が回転機器ハウジングの軸封部内に配置されることがある。
このような場合において、軸封部と密封環との対向周面間隔が十分に大きいときには、フラッシング通路の開口部が形成されるシールケース部分を軸封部内に突入する形状とすることにより、フラッシング通路を両密封環の相対回転摺接部分に直対向する近接位置に開口させておくことが可能であるが、軸封部と密封環との対向周面間隔が小さく、上記シールケース部分を軸封部内に突入する形状となすスペース的な余裕がないときには、フラッシング通路を両密封環の相対回転摺接部分から離れた位置に開口させておかざるを得ない(例えば、特許文献2を参照)から、当該相対回転摺接部分の冷却が更に不均一且つ不十分となり、上記したトラブルの発生がより顕著となる。
本発明は、このような点に鑑みて、回転密封環及びこれと静止密封環との相対回転摺接部分が回転機器ハウジングの軸封部内に配置される場合、更には軸封部と密封環との対向周面間隔が小さい場合にも、効果的なフラッシング機能を発揮させることができ、当該相対回転摺接部分をその全周に亘って均一且つ十分に冷却し得て、上記した如きトラブルの発生を確実に回避することができるメカニカルシールを提供することを目的とするものである。
本発明は、回転機器ハウジングの軸封部に取り付けたシールケースと、この軸封部及びシールケースを洞貫する回転軸に設けた回転密封環と、シールケースに設けられて回転密封環と相対回転摺接する静止密封環と、シールケースに形成されて両密封環の相対回転摺接部分にフラッシュ流体を供給するフラッシング通路とを具備するメカニカルシールにおいて、上記の目的を達成すべく、フラッシング通路が、シールケースの内周面に沿う環状空間であるフラッシュ流体室と、フラッシュ流体をフラッシュ流体室に供給するフラッシュ流体供給路と、密封環と同心をなす環状のスリットであって、フラッシュ流体室に連通し且つ前記相対回転摺接部分に向けて開口するフラッシュ流体噴出口と、からなることを提案するものである。
かかるメカニカルシールにあっては、両密封環の最大径部分の外径を同一又は略同一に設定すると共に、フラッシュ流体噴出口の内径を、軸線方向においてフラッシュ流体噴出口と前記相対回転摺接部分との間に位置する密封環の最大径部分の外径と同一又は略同一に設定して、フラッシュ流体噴出口からフラッシュ流体が密封環を囲繞する環状膜流をなして噴出供給され、この環状膜流が密封環(4,6)の外周面上を円滑に流動することによって密封環及び相対回転摺接部分がその全周に亘ってシャワーリングされるように構成してある。
また、メカニカルシールが、回転密封環及びこれと静止密封環との相対回転摺接部分を回転機器ハウジングの軸封部内に位置するように構成されたものである場合、つまり回転密封環を回転機器ハウジングの軸封部内に配して回転軸に設けると共に、この回転機器ハウジングの軸封部に取り付けたシールケースに、当該軸封部内において回転密封環に相対回転摺接する静止密封環を設けると共に両密封環の相対回転摺接部分にフラッシュ流体を供給するフラッシング通路を形成してなるメカニカルシールである場合にあって、当該軸封部と密封環との対向周面間隔が小さいときには、シールケースの内周部に前記軸封部と静止密封環との対向周面間に位置する環状のスリット構成部を形成して、このスリット構成部と前記軸封部との対向周面間に形成される環状のスリットをフラッシュ流体噴出口となすことが好ましく、また当該対向周面間隔が大きいときには、シールケースの内周部に前記軸封部と静止密封環との対向周面間に位置する環状のスリット形成部を形成して、このスリット形成部にフラッシュ流体噴出口を形成するようにしておくことが好ましい。
また、フラッシュ流体噴出口の断面積は、フラッシュ流体供給路の断面積より小さく設定しておくことが好ましく、フラッシュ流体噴出口の径方向幅は可及的に小さくしておくことが好ましい。
本発明のメカニカルシールにあっては、環状のスリットであるフラッシュ流体噴出口からフラッシュ流体が両密封環の相対回転摺接部分を囲繞する環状膜流をなして噴出供給されるから、フラッシュ流体を一箇所から供給させる場合に比して、当該相対回転摺接部分をその全周に亘って均一且つ十分に冷却することができる。特に、フラッシュ流体噴出口の内径を、軸線方向においてフラッシュ流体噴出口と相対回転摺接部分との間に位置する密封環の最大径部分の外径と同一又は略同一に設定しておくことにより、上記環状膜流が密封環の外周面上を円滑に流動しつつ相対回転摺接部分へと供給されることになり、密封環及び相対回転摺接部分がその全周に亘ってシャワーリングされ、より均一且つ良好に冷却される。また、回転密封環及びこれと静止密封環との相対回転摺接部分が回転機器ハウジングの軸封部内に位置するような場合にも、軸封部と静止密封環との対向周面間隔にスペース的な余裕があるときには前記スリット形成部を設けておくことにより、また当該対向周面間隔が小さくスペース的な余裕がないときには前記スリット構成部を設けておくことにより、上記した如き良好なフラッシング機能を発揮させるためのフラッシュ流体噴出口を設けておくことができる。
したがって、本発明のメカニカルシールによれば、回転密封環及びこれと静止密封環との相対回転摺接部分が回転機器ハウジングの軸封部内に配置される場合、更には軸封部と密封環との対向周面間隔が小さい場合にも、効果的なフラッシング機能を発揮させることができ、密封環及び相対回転摺接部分をその全周に亘って均一且つ十分に冷却し得て、冒頭で述べた如きトラブルの発生を確実に回避することができ、長期に亘って良好且つ安定したメカニカルシール機能を発揮させることができる。
図1は本発明に係るメカニカルシールの第1の実施の形態(以下、この実施の形態におけるメカニカルシールを「第1メカニカルシールM1」という)を示す縦断側面図であり、図2はその要部の拡大図であり、図3は図1のIII -III 線に沿う縦断正面図である。なお、以下の説明において、前後とは図1及び図2における左右を意味するものとする。
第1メカニカルシールM1は、図1に示す如く、回転機器ハウジング(ポンプケーシング等)の軸封部1に取り付けられた筒状のシールケース2と、回転機器の回転軸(インペラ軸等)3に固定された回転密封環4と、シールケース2の内周部にOリング5を介して軸線方向(前後方向)に移動可能に保持された静止密封環6と、静止密封環6を回転密封環4へと押圧接触させるべく、静止密封環6とシールケース2に設けたスプリングリテーナ7との間に装填されたスプリング8と、シールケース2に形成されたフラッシング通路9とを具備して、両密封環4,6の対向端面たる密封端面4a,6aの相対回転摺接作用により、その相対回転摺接部分(シール部分)4a,6aの外周側領域たる被密封流体領域(回転機器の機内領域)Hと内周側領域たる非密封流体領域(回転機器の機外領域たる大気領域)Lとを遮蔽シールするように構成された端面接触形のメカニカルシールである。
軸封部1は、図1に示す如く、回転機器ハウジングの後端部分を構成しており、回転軸3と同心をなす断面円形の内周面1aを有するものである。
シールケース2は、図1に示す如く、回転軸3が同心状に洞貫する円筒構造をなすもので、軸封部1の後端面1bに取り付けられている。
回転密封環4は、図1に示す如く、先端面たる後端面を密封端面4aとする密封環本体4Aとこれを嵌合保持する密封環リテーナ4Bとからなり、軸封部1内に配して、回転軸3に嵌挿保持させたスリーブ10に固定されている。密封環リテーナ4Bは、前端部をスリーブ10の前端部に嵌合固定した円筒状のもので、後端部にOリング11,12及びドライブピン13を介して密封環本体4Aを相対回転不能に嵌合固定している。なお、スリーブ10は、軸封部1内からシールケース2外へと延びる長尺の円筒状のもので、固定環14を介して回転軸3に挿通固定されている。固定環14は、シールケース2外において、回転軸3及びスリーブ10の後端部にスクリュー15,16により嵌合固定させることによって、スリーブ10を回転軸3に固定するものである。
静止密封環6は、図1及び図2に示す如く、回転密封環4の後端面(密封環本体4Aの後端面)に形成された密封端面4aに対向して、シールケース2にOリング5を介して軸線方向(前後方向)に移動可能に嵌合保持されている。静止密封環6は、先端面(前端面)を小幅環状面である密封端面6aに構成した密封環本体6Aと、これを嵌合保持する密封環リテーナ6Bと、密封環リテーナ6Bに取り付けられたスプリング受体6Cとからなる。密封環本体6Aは、軸封部1内において、密封環リテーナ6Bの前端部にOリング17,18及びドライブピン(図示せず)を介して固定保持されている。密封環リテーナ6Bは、密封環本体6Aを保持する前端部分たる最大径部分6bとその後端部に連なる中間径部分6cとその後端部に連なる最小径部分6dとからなる筒状構造をなすもので、最大径部分6b及びこれより小径の中間径部分6cを軸封部1内に位置させた状態で、最小径部分6dとシールケース1との対向周面間に装填したOリング5により、シールケース1に二次シール状態で軸線方向移動可能に保持されている。最大径部分6bの外周面6eは軸封部1の内周面1aに近接している。なお、回転密封環4の最大径部分である密封環リテーナ4Bの外径は、図2に示す如く、静止密封環6の最大径部分6aの外径dと一致又は略一致されている。スプリング受体6Cは、密封環リテーナ6Bの後端部にドライブピン19を介して相対回転不能に嵌合保持されている。このスプリング受体6Cとスプリングリテーナ7との間には、静止密封環6の軸線方向移動を一定範囲で許容しつつ、静止密封環6のシールケース1に対する相対回転を阻止するドライブピン(図示せず)が介装されている。
スプリング8は、図1に示す如く、静止密封環6のスプリング受体6Cとスプリングリテーナ7との間に介装されており、静止密封環6を回転密封環4へと押圧附勢している。
フラッシング通路9は、図1に示す如く、シールケース2の内周面2aに沿う環状空間であるフラッシュ流体室9Aと、フラッシュ流体91をフラッシュ流体室9Aに供給するフラッシュ流体供給路9Bと、密封環4,6と同心をなす環状のスリットであって、フラッシュ流体室9Bに連通し且つ両密封環4,6の相対回転摺接部分4a,6aに向けて開口するフラッシュ流体噴出口9Cと、からなる。なお、フラッシュ流体91としては、シール条件に応じて常温水,冷却水等が使用される。
シールケース2の内周部には、軸封部1と静止密封環6との対向周面1a,6f間に突入する環状のスリット構成部2bが形成されている。軸封部1と密封環リテーナ6Bの最大径部分6bとの間には、ほとんどスペース的な余裕がなく、何らかの部材を位置させることは不可能であるが、軸封部1と中間径部分6cとの対向周面1a,6fとの間にはある程度のスペース的な余裕があることから、スリット構成部2bは当該対向周面1a,6f間に突入するように形成されている。そして、このスリット構成部2bと軸封部1との対向周面1a,2c間に形成される環状のスリットをフラッシュ流体噴出口9Cとしている。当該対向周面1a,2cの径方向間隔つまりフラッシュ流体噴出口9Cの径方向幅W1は、フラッシュ流体噴出口9Cの断面積(径方向の断面積)がフラッシュ流体供給路9Bの断面積(フラッシュ流体91の流動方向に直交する断面の面積)より小さくなる範囲において、可及的に小さく設定されていて、フラッシュ流体供給路9Bからフラッシュ流体室9Aに供給されたフラッシュ流体91がフラッシュ流体噴出口9Cからスリット形状に応じた環状膜流91aをなして噴出されるように工夫されている。また、フラッシュ流体噴出口9Cの内径つまりスリット構成部2bの外周面2cの径D1は、軸線方向においてフラッシュ流体噴出口9Cと相対回転摺接部分4a,6aとの間に位置する密封環の最大径部分6bの外径dと同一又は略同一に設定されていて、フラッシュ流体噴出口9Cから噴出されたフラッシュ流体91aが密封環外周面6e上を円滑に流動して相対回転摺接部分4a,6aに到達するように工夫されている。なお、スリット構成部2bの内周面2aは、Oリング5が接触するシール面を構成している。また、フラッシュ流体室9Aの前面壁は軸封部1の後端面1bで構成されている。
以上のように構成された第1メカニカルシールM1にあっては、フラッシュ流体供給路9Bからフラッシュ流体室9Aに供給されたフラッシュ流体91がフラッシュ流体噴出口9Cから相対回転摺接部分4a,6aに向けて噴出され、良好且つ効果的なフラッシング作用が行われる。
すなわち、フラッシュ流体噴出口9Cが環状のスリットであることから、フラッシュ流体噴出口9Cからは、フラッシュ流体91がスリット形状に応じた環状膜流91aをなして噴出されることになる。そして、この環状膜流91aは、静止密封環6の外周面(最大径部分6bの外周面)6e上を流動しつつ相対回転摺接部分4a,6aへと注入される。このとき、環状膜流91aは静止密封環6の外周面6eにその全周に亘って接触しつつ流動し、相対回転摺接部分4a,6aをその全周に亘ってシャワーリングすることになる。特に、軸封部1と密封環4,6との間にフラッシュ流体噴出口9Cに連なる環状の微小隙間が形成されていることから、この微小隙間の存在とも相俟って、フラッシュ流体91aが密封環外周面の全周に均一に接触しつつ極めて円滑に流動することになる。
したがって、静止密封環6及び相対回転摺接部分4a,6aは、その全周に亘って均一且つ十分に冷却されることになり、冒頭で述べた如きトラブルの発生はこれが確実に回避されることになる。なお、相対回転摺接部分4a,6aには、これを囲繞する領域にフラッシュ流体91aが均一に注入されることになるから、相対回転摺接部分4a,6aに注入されたフラッシュ流体91aは回転密封環4の外周領域にその全周に亘って均一に流入することなり、回転密封環4の外径が静止密封環6の外径dと一致していることとも相俟って、回転密封環4もその全周に亘って均一に冷却することになる。
ところで、第1メカニカルシールM1は、回転機器ハウジングの軸封部1と密封環4,6との対向周面間隔が小さい場合に好適使用されるものであるが、当該対向周面間隔がある程度大きく、何らの部材を位置させておくスペース的な余裕がある場合には、本発明に係るメカニカルシールを、次のように構成しておくことができる。
すなわち、図4は本発明に係るメカニカルシールの第2の実施の形態(以下、この実施の形態におけるメカニカルシールを「第2メカニカルシールM2」という)を示す縦断側面図であり、図5はその要部の拡大図であり、図6は図4のVI−VI線に沿う縦断正面図である。なお、以下の説明において、前後とは図4及び図5における左右を意味するものとする。
第2メカニカルシールM2は、図4に示す如く、回転機器ハウジング(ポンプケーシング等)の軸封部21に取り付けられた筒状のシールケース22と、回転機器の回転軸(インペラ軸等)23に固定された回転密封環4と、シールケース22の内周部にOリング25を介して軸線方向(前後方向)に移動可能に保持された静止密封環26と、静止密封環6を回転密封環4へと押圧接触させるべく、静止密封環26とシールケース22に設けたスプリングリテーナ27との間に装填されたスプリング28と、シールケース22に形成されたフラッシング通路29とを具備して、両密封環24,26の対向端面たる密封端面4a,6aの相対回転摺接作用により、その相対回転摺接部分(シール部分)4a,6aの外周側領域たる被密封流体領域(回転機器の機内領域)Hと内周側領域たる非密封流体領域(回転機器の機外領域たる大気領域)Lとを遮蔽シールするように構成された端面接触形のメカニカルシールである。なお、第2メカニカルシールM2は、以下の点を除いて、第1メカニカルシールM1と同一構成をなすものであるから、同一構成部材については図4〜図6において図1〜図3と同一符号を付することにより、その詳細な説明は省略することとする。
軸封部21は、図4に示す如く、第1メカニカルシールM1が装着される軸封部1と同様に、回転機器ハウジングの後端部分を構成しており、回転軸23と同心をなす断面円形の内周面21aを有するものであるが、密封環24,26との間に、前記軸封部1に比して、より大きな径方向隙間が形成されるものである。
シールケース22は、図4に示す如く、前記シールケース2と同様に、回転軸23が同心状に洞貫する円筒構造をなすもので、軸封部21の後端面21bに取り付けられているが、前記シールケース2と異なって、ケース本体22Aと通路形成体22Bとに分離構成されている。通路形成体22Bは円環状板であり、軸封部21の後端面21bにOリングを介して水密状に取り付けられている。ケース本体22Aは、前記シールケース2と同様形状をなすもので、通路形成体22bの後端面にOリングを介して水密状に取り付けられている。
回転密封環24は、図4に示す如く、前記回転密封環4と同一構造をなすもので、軸封部23内に配して、回転軸23に嵌挿保持させたスリーブ20に固定されている。なお、スリーブ20は、固定環24及びスクリュー25,26を介して回転軸23に挿通固定されている。静止密封環26は、図4及び図5に示す如く、前記静止密封環6と同様に、回転密封環24との相対回転摺接部分4a,6aを含む先端側部分を軸封部21内に位置させた状態で、ケース本体22AにOリング5を介して軸線方向(前後方向)に移動可能に嵌合保持されている。スプリング28は、図4に示す如く、前記スプリング8と同様に、静止密封環26の基端側部分(後端側部分)を構成するスプリング受体6Cとケース本体22Aに取り付けたスプリングリテーナ27との間に介装されており、静止密封環26を回転密封環24へと押圧附勢する。
フラッシング通路29は、図4に示す如く、シールケース22の内周面22aに沿う環状空間であるフラッシュ流体室29Aと、フラッシュ流体91をフラッシュ流体室29Aに供給するフラッシュ流体供給路29Bと、密封環24,26と同心をなす環状のスリットであって、フラッシュ流体室29Bに連通し且つ両密封環24,26の相対回転摺接部分4a,6aに向けて開口するフラッシュ流体噴出口29Cと、からなる。
フラッシュ流体室29Aは、図4に示す如く、ケース本体22Aの前端部に環状凹部を形成し、その前面を通路形成体22Bで閉塞することによって構成されている。なお、当該環状凹部を閉塞している通路形成体22Bの後端面部分22bはフラッシュ流体噴出口29C方向に漸次縮径するテーパ面に構成されていて、フラッシュ流体室29Aからフラッシュ流体噴出口29Cへの流入がより円滑に行なわれるように工夫されている。
フラッシュ流体供給路29Bは、図4に示す如く、ケース本体22Aに形成されて、その下流端をフラッシュ流体室29Aに開口する。
フラッシュ流体噴出口29Cは、図4〜図6に示す如く、シールケース22の内周部に形成した環状のスリット形成部22c,22dで構成されている。すなわち、通路形成体22の内周部に、軸封部21の内周面21aに嵌合した状態で軸封部21内に突入する環状の第1スリット形成部22cを形成すると共に、ケース本体22Aの内周部に、スリット形成部22cと静止密封環26の中間径部分6cとの間に突入する環状の第2スリット形成部22dを形成して、両スリット形成部22c,22dの対向周面22e,22f間に形成される環状のスリットをフラッシュ流体噴出口29Cとしている。両スリット形成部22c,22dの対向周面22e,22fの径方向間隔つまりフラッシュ流体噴出口29Cの径方向幅W2は、フラッシュ流体噴出口29Cの断面積(径方向の断面積)がフラッシュ流体供給路29Bの断面積(フラッシュ流体91の流動方向に直交する断面の面積)より小さくなる範囲において、可及的に小さく設定されていて、フラッシュ流体供給路29Bからフラッシュ流体室29Aに供給されたフラッシュ流体91がフラッシュ流体噴出口29Cからスリット形状に応じた環状膜流91aをなして噴出されるように工夫されている。また、フラッシュ流体噴出口29Cの内径つまり第2スリット形成部26dの外周面2fの径D1は、軸線方向においてフラッシュ流体噴出口29Cと相対回転摺接部分4a,6aとの間に位置する密封環の最大径部分(静止密封環26の密封環リテーナ6Bの最大径部分6b)の外径dと同一又は略同一に設定されていて、フラッシュ流体噴出口29Cから噴出されたフラッシュ流体91aが密封環外周面6e上を円滑に流動して相対回転摺接部分4a,6aに到達するように工夫されている。なお、第2スリット形成部22dの内周面22aはOリング5が接触するシール面を構成している。
以上のように構成された第2メカニカルシールM2にあっては、フラッシュ流体供給路29Bからフラッシュ流体室29Aに供給されたフラッシュ流体91がフラッシュ流体噴出口29Cから相対回転摺接部分4a,6aに向けて噴出され、良好且つ効果的なフラッシング作用が行われる。
すなわち、フラッシュ流体噴出口29Cが環状のスリットであることから、フラッシュ流体噴出口29Cからは、フラッシュ流体91がスリット形状に応じた環状膜流91aをなして噴出されることになる。そして、この環状膜流91aは、静止密封環26の外周面(最大径部分6bの外周面)6e上を流動しつつ相対回転摺接部分4a,6aへと注入される。このとき、環状膜流91aは静止密封環26の外周面6eにその全周に亘って接触しつつ流動し、相対回転摺接部分4a,6aをその全周に亘ってシャワーリングすることになる。
したがって、静止密封環26及び相対回転摺接部分4a,6aは、その全周に亘って均一且つ十分に冷却されることになり、冒頭で述べた如きトラブルの発生はこれが確実に回避されることになる。なお、相対回転摺接部分4a,6aには、これを囲繞する領域にフラッシュ流体91aが均一に注入されることになるから、相対回転摺接部分4a,6aに注入されたフラッシュ流体91aは回転密封環24の外周領域にその全周に亘って均一に流入することなり、回転密封環24の外径が静止密封環26の外径dと一致していることとも相俟って、回転密封環4もその全周に亘って均一に冷却することになる。
なお、本発明に係るメカニカルシールは上記した実施の形態に限定されるものでなく、本発明の基本原理を逸脱しない範囲において適宜に改良,変更することができる。
第1メカニカルシールを示す縦断側面図である。 図1の要部の拡大図である。 図1のIII −III 線に沿う縦断正面図である。 第2メカニカルシールを示す縦断側面図である。 図4の要部の拡大図である。 図4のVI−VI線に沿う縦断正面図である。
符号の説明
1 回転機器ハウジングの軸封部
2 シールケース
2b スリット構成部
3 回転軸
4 回転密封環
4a 相対回転摺接部分(回転密封環の密封端面)
6 静止密封環
6a 相対回転摺接部分(静止密封環の密封端面)
6b 最大径部分
9 フラッシング通路
9A フラッシュ流体室
9B フラッシュ流体供給路
9C フラッシュ流体噴出口
21 回転機器ハウジングの軸封部
22 シールケース
22A ケース本体
22B 通路形成体
22c 第1スリット形成部
22d 第2スリット形成部
23 回転軸
24 回転密封環
26 静止密封環
29 フラッシング通路
29A フラッシュ流体室
29B フラッシュ流体供給路
29C フラッシュ流体噴出口
91 フラッシュ流体
91a 環状膜流(フラッシュ流体)
D1 フラッシュ流体噴出口の内径
D2 フラッシュ流体噴出口の内径
d 最大径部分の外径
L 非密封流体領域(大気領域)
H 被密封流体領域(機内領域)

Claims (5)

  1. 回転機器ハウジングの軸封部(1)に取り付けたシールケース(2)と、この軸封部(1)及びシールケース(2)を洞貫する回転軸(3)に設けた回転密封環(4)と、シールケース(2)に回転密封環(4)と相対回転摺接すべく設けられた静止密封環(6)と、シールケース(2)に形成されて両密封環(4,6)の相対回転摺接部分(4a,6a)にフラッシュ流体(91)を供給するフラッシング通路(9)とを具備するメカニカルシールにおいて、
    フラッシング通路(9)が、シールケース(2)の内周面に沿う環状空間であるフラッシュ流体室(9A)と、フラッシュ流体(91)をフラッシュ流体室(9A)に供給するフラッシュ流体供給路(9B)と、密封環と同心をなす環状のスリットであって、フラッシュ流体室(9A)に連通し且つ前記相対回転摺接部分(4a,6a)に向けて開口するフラッシュ流体噴出口(9C,29C)と、からなり、
    両密封環(4,6)の最大径部分の外径を同一又は略同一に設定すると共に、フラッシュ流体噴出口(9C,29C)の内径を、軸線方向においてフラッシュ流体噴出口(9C,29C)と前記相対回転摺接部分(4a,6a)との間に位置する密封環の最大径部分(6b)の外径と同一又は略同一に設定して、フラッシュ流体噴出口(9C,29C)からフラッシュ流体(91)が密封環(4,6)を囲繞する環状膜流(91a)をなして噴出供給され、この環状膜流(91a)が密封環(4,6)の外周面上を円滑に流動することによって密封環(4,6)及び相対回転摺接部分(4a,6a)がその全周に亘ってシャワーリングされるように構成してあることを特徴とするメカニカルシール。
  2. 回転密封環(4)及びこれと静止密封環(6)との相対回転摺接部分(4a,6a)が回転機器ハウジングの軸封部(1)内に位置されていることを特徴とする、請求項1に記載するメカニカルシール。
  3. シールケース(2)の内周部に前記軸封部(1)と静止密封環(6)との対向周面間に位置する環状のスリット構成部(2b)を形成して、このスリット構成部(2b)と前記軸封部(1)との対向周面間に形成される環状のスリットをフラッシュ流体噴出口(9C)となすことを特徴とする、請求項2に記載するメカニカルシール。
  4. シールケース(2)の内周部に前記軸封部(1)と静止密封環(6)との対向周面間に位置する環状のスリット成部(22c,22d)を形成して、このスリット成部(22c,22d)にフラッシュ流体噴出口(29C)が形成されていることを特徴とする、請求項に記載するメカニカルシール。
  5. フラッシュ流体噴出口(9C,29C)の断面積を、フラッシュ流体供給路(9B)の断面積より小さく設定してあることを特徴とする、請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に記載するメカニカルシール。
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