JP4226765B2 - 車両用の窓ガラス固定方法とこれによる窓構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は車両用の窓ガラス固定方法とこれによるいわゆる嵌め殺しの窓構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鉄道車両では図10、図11に示すような車両用ドアaにおいて、その窓開口bに窓枠cを介し窓ガラスdを嵌め付けシールeを施して固定し嵌め殺しの窓構造を得ている。車両用ドアaの窓はシールが甘いと、列車のすれ違い時の風圧などによる圧力の変動などにより雨水が侵入しやすい。侵入した雨水が車内側に及ぶことは特に避けなければならない。ところが、前記シールeは金属製の窓枠cと窓ガラスdとの間をシールするもので、弾性を持ったシール部材を挟み込んで十分なシール機能を得るには、窓ガラスdに相当の負担が掛かって破損しやすい。
【0003】
そこで従来、シールeは流動性を持ったシール材を充填または塗布して固化させシールする方式を一般に採用している。一方、窓枠cは車両用ドアaに固定した車外側枠c1と、この車外側枠c1に車内側から着脱できるように嵌め合わせてねじfでねじ止めした車内側枠c2とで構成し、窓ガラスdが割れた場合でも車内側枠c2を取り外して窓ガラスdを取り替えられるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような溶剤で流動性を与えたシール材を用いてシールeを施す方式では、シール材を充填または塗布してから固化するまで長い時間が掛かる。例えば鉄道車両のドアの窓の場合最低で丸1日掛かる。現在使用中の車両におけるドアの窓ガラスdが破損して補修するような場合、鉄道車両では補修が終了するまで車両ないしは列車全体を休止することになるので、営業上大きな問題である。
【0005】
本発明の目的は、新製作の場合はもとより補修の場合も窓ガラスの固定がシール上の問題なく合理的に簡単かつ短時間で行なえる車両用の窓ガラス固定方法とこれによる窓構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の車両用の窓ガラス固定方法は、車両用ドアの窓開口に窓枠を介し窓ガラスを嵌め付けシールを施して固定するのに、前記窓開口に車内側から出し入れできる窓枠を用い、この窓枠に窓ガラスを車外側から嵌め付けてシールを施し固定した窓ユニットを予め構成しておき、この窓ユニットを前記窓開口に車内側から嵌め合わせて窓開口の車内側に被せるとともに、この嵌め合わせによって窓ガラスの外周部の車外側面と窓開口の車外側口縁との間に形成する作業隙間を通じ前記窓枠をこれの外回りに沿うドア側の窓支持フレームに外部からねじ止めすることにより、車両用ドアの窓開口に窓枠を介し窓ガラスを嵌め付けシールを施して固定した状態とし、その後前記作業隙間にシール部材を外部から嵌め合わせて前記作業隙間を閉じることを主たる特徴としている。
【0007】
このような構成では、前記窓開口に車内側から出し入れできる窓枠を用い、この窓枠に窓ガラスを車外側から嵌め付けてシールを施し固定した窓ユニットを予め構成しておくので、窓枠と窓ガラスとの間のシールを溶剤により流動性を与えたシール材を用いてシールを施し、固化に長い時間掛かるにしても、その組立て作業は、ドアおよび車両そのものの製作および補修の作業とは、時期および場所共に独立して窓ユニット単体で別途行なっておいたものを、窓開口へ車内側から出し入れできるのを利用して車両用ドアの窓開口に嵌め付ければ足り、作業は合理的で簡単かつ短時間に達成することができるし、窓ガラスと窓枠との間で問題となる車外から車内への雨水の浸入は確実に防止することができる。
【0008】
また、窓ユニットの窓開口への車内側からの嵌め合わせによって、窓枠の外向きフランジが窓開口に車内側から被さった化粧構造を同時に満足しながら、窓ガラス外周部の車外側面と窓開口の車外側開口縁との間に形成する作業隙間を通じ前記窓枠をこれの外回りに沿うドア側の窓支持フレームに外部からねじ止めして、前記車内側窓構造の影響なしに簡単に固定することができ、しかも、ねじ止めに利用した前記作業隙間はシール部材を外部から嵌め合わせて簡単に閉じ化粧構造を満足するとともに、ねじ止め部を不正な外力から守りやすくするし、前記作業隙間からドア内に雨水が浸入するようなことも極力防止することができる。
【0009】
この場合、前記シール部材嵌め合わせ部からの浸入水に対し、窓枠の外まわりに沿う窓支持フレームに受水し、この窓支持フレームを樋に共用して車両用ドア内を通じ外部への排出を図るようにすることによって、車外側から雨水が万一にも浸入することによる問題が窓支持フレームを樋に共用して解消する。
【0010】
本発明の窓構造は、車内側開口が車外側開口よりも大きな窓開口と、窓枠とこの窓枠に車外側から嵌め合わせてシールを施し固定した窓ガラスとで構成される窓ユニットとを備え、窓ユニットはその窓枠を前記窓開口に車内側から嵌め入れられて窓枠の外向きフランジが窓開口に車内側から被さるとともに、窓ガラスの外周部の車外側面と窓開口の車外側開口縁との間に作業隙間を形成し、この作業隙間を通じて外部に露出する窓枠の車外側部分が窓枠の外回りに沿うドア側の窓支持フレームにねじ止めされており、前記作業隙間がシール部材の外部からの嵌め合わせによって閉じられていることを主たる特徴としている。
【0011】
このような構成では、上記の方法を実現するのに、窓開口の車内外両側開口の大小関係によって、窓ユニットの車外側からの間違った嵌め合わせを防止しながら、車内側から嵌め合わせた窓ユニットにおける窓ガラスの外周部の車外側面と窓開口の車外側口縁とを対面させて、窓ユニットにおける窓枠のドア側の窓支持フレームへのねじ止め部を外部から目立ちにくくして不正外力が働きにくいようにするのに併せ、前記対面間でのシール部材の嵌め合わせにより十分なシール圧を十分な面積で得てシール効果を高めることができる。
【0012】
この場合、窓ユニットが、窓枠の内周に車外側から嵌め合わされて窓枠との間で窓ガラスの外周部を車内外両側から挟み付け窓枠にねじ止めされたガラス押えを有していると、窓ユニットにおいて挟み付けと溶剤で流動性を与えたシール材によるシールとを満足したガラス固定構造が得られ、窓枠における窓ガラスの固定およびシールがより確実になる。
【0013】
また、窓ガラスは複層ガラスであって、車内側の窓ガラスが窓枠とガラス押えとに挟み付けられ、車外側の窓ガラスと窓開口の車外側開口縁との間の作業隙間がシール部材により閉じられている構成では、窓ガラスの挟み付けシール部を逃げるために車外側の窓ガラスが車内側の窓ガラスよりも小さくなることによって、前記作業隙間がその奥まったところで車内側へ折れ曲がる鉤型空間をなし、前記作業隙間に外部から無理嵌めなどしたシール材の返り部が車外側窓ガラスの外周に係合するようにして、シール部材の不用意な脱落はもとより不正やいたずらな外力によって外されるようなことが防止しやすくなる。
【0014】
もっとも、シール部材が弾性的に嵌め合わされているものであると、嵌め合わせやすいし窓ガラスにダメージを与えずに密着させやすい利点がある。
【0015】
本発明のそれ以上の目的および特徴は、以下の詳細な説明および図面の記載によって明らかになる。本発明の各特徴は、可能な限りにおいてそれ単独で、あるいは種々な組み合わせで複合して用いることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る車両用の窓ガラス固定方法とこれによる窓装置について、図1〜図9を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
【0017】
本実施の形態は鉄道車両の側構体に設けられる出入り口に使用される車両用ドアに本発明を適用した場合の一例である。しかし、本発明はこれに限られることはなく鉄道車両の他の部分に使用される窓、バスなど他の車両に使用される車両用窓などの嵌め殺し窓構造全般に適用して有効であり、いずれも本発明の範疇に属する。
【0018】
本実施の形態に係る車両用ドアの窓ガラス固定方法につき、図1〜図9に示す窓構造を参照して説明すると、図1〜図3に示すように、車両用ドア1の窓開口2に窓枠3を介し窓ガラス4を嵌め付けシール5を施して固定する。車両用ドア1は例えば図7に示すように上下の上骨6、下骨7および左右ないしは前後の縦骨8、縦骨9により外枠を構成し、それぞれアルミニウム系の材料で形成した型材よりなり互いの接合部11が溶接接合したものとし、図1〜図3に示すようにその車内側に化粧板12、車外側に外板13を張り合せて必要強度を満足するように構成している。図3に示すように戸先には戸先ゴム14、戸尻には風止めゴム15が装着されている。また、図2に示すように上部には戸吊車16が設けられ、下骨7は図7に破線で示すように下向きの溝7aを持ち図示しないガイドレールと嵌り合って案内を受ける被案内部をなしている。前記窓開口2は車両用ドア1の上部寄りに設けられ、これに前記窓枠3および窓ガラス4が嵌め合わされて嵌め殺しの窓構造を構成している。
【0019】
このような窓構造を構成するのに本実施の形態の窓ガラス固定方法は、前記窓開口2に車内側から出し入れできる窓枠3を用いる。この窓枠3に窓ガラス4を車外側から嵌め付けてシール5を施し固定した窓ユニット22を予め構成しておく。ここでシール5は窓ガラス4を窓枠3に対し十分なシール特性と取り付け強度を満足できれば、ドライ、ウエットを問わない。例えば溶剤で流動性を持たせた、あるいは予め流動性を持ったシール材を塗布または充填して固化させたり、ゴムや合成樹脂よりなるシール部材あるいはスペーサを介在させてシール性のある接着剤にて接着して取り付けることもできる。この窓ユニット22を用いるのに前記窓開口2に車内側から嵌め合わせて窓開口2の車内側に外向きフランジ3aを被せるとともに、前記嵌め合わせによって窓ガラス4の外周部の車外側面4aと窓開口2の車外側口縁2a1との間に作業隙間23を形成する。次いで、このようにできた作業隙間23を通じ前記窓枠3をこれの外まわりに沿うドア側の窓支持フレーム24に外部からねじ25を挿入してねじ止めする。これにより、車両用ドア1の窓開口2に窓枠3を介し窓ガラス4を嵌め付けシール5を施して固定した状態を得た後、前記作業隙間23にシール部材26を外部から嵌め合わせて前記隙間23を閉じる。
【0020】
このように、前記窓開口2に車内側から出し入れできる窓枠3を用い、この窓枠3に窓ガラス4を車外側から嵌め付けてシール5を施し固定した窓ユニット22を予め構成しておくことにより、窓枠3と窓ガラス4との間のシール5を溶剤により流動性を与えたシール材5aを用いてシールし、固化に長い時間掛かるにしても、その組立て作業は、車両用ドア1および車両そのものの製作および補修の作業とは、時期および場所共に独立して窓ユニット22単体で別途行なっておいたものを、窓開口2へ車内側から出し入れできるのを利用して車両用ドア1の窓開口2に嵌め付ければよく作業は合理的で簡単かつ短時間に達成することができるし、窓ガラス4と窓枠3との間で問題となる車外から車内への雨水の浸入は確実に防止することができる。
【0021】
また、窓ユニット22の窓開口2への車内側からの嵌め合わせによって、窓枠3の外向きフランジ3aが窓開口2に車内側から被さった化粧構造を同時に満足しながら、窓ガラス4の外周部の車外側面4aと窓開口2の車外側口縁2a1との間に形成する作業隙間23を通じ前記窓枠3をこれの外回りに沿う車両用ドア1側の窓支持フレーム24に外部から挿入したねじ25によりねじ止めして、前記車内側窓構造部の影響なしに簡単に固定することができる。しかも、ねじ止めに利用した前記作業隙間23はシール部材26を外部から嵌め合わせて簡単に閉じ化粧構造を満足するとともに不正な外力からねじ止め部を守りやすいし、前記作業隙間23から車両用ドア1内に雨水が圧力差などによって浸入するようなことも極力防止することができる。
【0022】
本実施の形態では、さらに、前記シール部材26の嵌め合わせ部から車両用ドア1内部への万一の浸入水に対し、窓枠3の外まわりに沿う窓支持フレーム24内に受水し、この窓支持フレーム24を樋24aに共用して車両用ドア1の外部への排出を図るようにする。これによって、車外側から雨水が万一にも浸入することによる問題が窓支持フレーム24を樋24aに共用することで簡単に解消する。
【0023】
なお、窓支持フレーム24は車両用ドア1の強度上必要ないが、上記のような窓構造31を支持するために設けたものであるが、窓開口2の位置や大きさによっては、車両用ドア1自体の骨部材を窓支持フレーム24に共用することもできる。
【0024】
本実施の形態の窓構造は、上記のような方法を達成するため、さらに、図1〜図3に示すように車内側開口2bが車外側開口2aよりも大きくした窓開口2と、窓枠3とこの窓枠3に車外側から嵌め合わせてシール5を施し固定した窓ガラス4とで構成される窓ユニット22とを備えている。窓ユニット22はその窓枠3が前記窓開口2に車内側から嵌め入れられて窓開口2、つまり車内側口縁2b1に窓枠3の外向きフランジ3aが車内側から被さるとともに、窓ガラス4の外周部の車外側面4aと窓開口2の車外側口縁2a1との間に作業隙間23を形成し、この作業隙間23を通じて外部に露出する窓枠3の車外側部分3bが窓枠3の外まわりに沿う車両用ドア1側の窓支持フレーム24にねじ25によってねじ止めされており、前記作業隙間23がシール部材26の嵌め合わせによって閉じられている。
【0025】
これにより、窓開口2の車内外両側開口2b、2aの大小関係によって、窓ユニット22の車外側からの間違った嵌め合わせを防止しながら、車内側から嵌め合わせた窓ユニット22における窓ガラス4の外周部の車外側面4aと窓開口2の車外側口縁2a1とを対面させて、窓ユニット22における窓枠3の車両用ドア1側の窓支持フレーム24へのねじ25によるねじ止め部を外部から目立ちにくくして不正外力がさらに働きにくいようにするのに併せ、前記対面間でのシール部材26の嵌め合わせにより十分なシール圧を十分な面積にて確保しシール効果を高めることができる。
【0026】
本実施の形態では、また、図1〜図3に示すように、窓ユニット22が、窓枠3の内周に車外側から嵌め合わされて窓枠3との間で窓ガラス4の外周部を車内外両側から挟み付け窓枠3にねじ31によりねじ止めされたガラス押え32を有している。これにより、窓ユニット22において挟み付けと溶剤で流動性を与えたシール材5aによるシール5とを満足したガラス固定構造が得られ、窓枠3における窓ガラス4の固定およびシールがより確実になる。また、窓ユニット22単体で取扱うときの窓ガラス4の不用意な脱落を確実に防止することができる。特に、ガラス押え32はねじ31によって窓枠3の内周にねじ止めされていることにより、窓ガラス4を押える方向と直行する方向にねじ止めされる結果、ねじ止めによるガラス押え状態の保持が確実になり、緩みにくくなる利点がある。
【0027】
また、窓ガラス4は二枚の窓ガラス41、42を接着剤43を介し貼り合わせた複層ガラスであって、車内側の窓ガラス41の外周部が窓枠3とガラス押え32とに挟み付けられ、車外側の窓ガラス42と窓開口2の車外側口縁2a1との間で作業隙間23がシール部材26により閉じられている。このような構成では、窓ガラス4における車内側の窓ガラス41による挟み付けシール部を逃げるために車外側の窓ガラス42が図1に示すように車内側の窓ガラス41よりも小さくなることによって、前記作業隙間23がその奥まったところで車内側へ折れ曲がる鉤型空間をなすのを利用し、前記作業隙間23に外部から無理嵌めなどしたシール部材26の返り部26aが図1に示すように車外側の窓ガラス42の外周に係合するようにしてある。これにより、シール部材26の不用意な脱落はもとより不正やいたずらな外力によって外されるようなことが防止しやすくなる。もっとも、シール部材26が弾性的に嵌め合わされているものであると、嵌め合わせやすいし窓ガラス4にダメージを与えずに密着しやすい利点がある。
【0028】
窓支持フレーム24は窓開口2の下部に沿う横桟33と、この横桟33に下向きの両端を突き合せた逆U字状の曲げフレーム34とで構成し、横桟33は縦骨8、9に接合し、曲げフレーム34は縦骨8、9の内側面に一体形成している窓受フランジ8a、9aに接合している。接合は接着、溶接、ねじ止めなど種々な接合方法を採用することができる。しかし、車両用ドア1の強度には無関係とすることができ、窓ユニット22を安定に支持し固定できれば具体的構造や接合方式は特に問わない。
【0029】
本実施の形態では、横桟33および曲げフレーム34はいずれもアルミニウム製の押し出し型材よりなり、横桟33は特に上記樋24aに共用することから中空の型材とし、曲げフレーム34は横桟33の断面をほぼ1/2にした程度の大きさで外まわりが開放した型材として逆U字状に曲げ加工している。これにより、窓支持フレーム24の構成が四周の各辺が別々の構成に比して簡略化し部品点数、組み立て工数ともに低減する。横桟33は樋24aに共用するのため天井壁に図1、図4、図5に示すような受水孔37を有している。しかし、受水のための具体的構造は種々に設計することができる。
【0030】
横桟33は内面に一体形成したねじ止め用のビード33aを利用して図1、図4、図5に示すように縦骨8、9にねじ35によりねじ止めして連結している。横桟33はその設置高さの関係から縦骨8、9の途中部分に接合されるので、それが形成する樋24aに受水した浸入水は縦骨8、9に設けた穴8b、9bから縦骨8、9が持っている中空部を共用した樋8c、9cに導き、下骨7の排出口7bから外部に排出する排水経路36を構成している。曲げフレーム34は図2、図3、図6に示すような縦骨8、9の窓受フランジ8a、9aとの重なり部にて接着、シーム溶接、スポット溶接、ねじ止めなどして接合すればよい。
【0031】
横桟33および曲げフレーム34双方は特に接合し合う必要はなく、かえって接合せずにおくと、窓枠3を窓支持フレーム24に嵌め合せてねじ止めする際に互いの位置調節を行ないながら横桟33や曲げフレーム34を最終的に固定していくのに好適である。横桟33および曲げフレーム34はいずれも窓枠3をねじ止めする部分を厚肉部33b、34aとしてありねじ25によるねじ止め剛性が十分得られるようにしている。このねじ25によるねじ止め時には必要に応じてスペーサ136を横桟33や曲げフレーム34と窓枠3との間に介在させて隙間が生じないようにするのが好適である。このため、スペーサ136は各種の厚みのものを選択して採用することができるし、複数重ね合せて組み合わせ用いてもよい。
【0032】
樋24aから樋8c、9cへ漏れなく浸入水を排出するために、横桟33と縦骨8、9との接合境界部は水密性を確保しておく必要がある。それには溶剤で流動性を与えたシール材によるシール、シーム溶接接合、シール部材の介在など従来知られている各種の技術を用いることができる。
【0033】
本実施の形態では図4〜図7に示すように、そのままの突き合せでは面一になる縦骨8、9の側面と横桟33の側面との相互間は、縦骨8、9に形成した面取り形状部8d、9dと横桟33の端面との間にシール溜まりができ、縦骨8、9の内側面と横桟33の上面と下面との間にできるコーナ部がシール溜まりとなるのを利用して、溶剤により流動性を与えたシール材39aを用いてシール39を施している。
【0034】
図8に示す例は縦骨8、9の横桟33の端面と対向するコーナ部に前記面取り形状部8d、9dに代わって溝部8e、9eを形成し、この溝部8e、9eと横桟33の端面との間にできるシール溜まり38を利用してシール39を施している。
【0035】
図9に示す例は縦骨8、9と横桟33とを溶接部45で示すようにシーム溶接接合した場合を示している。この場合、前記面取り形状部8d、9dを溶接用の開先形状に利用することができる。
【0036】
なお、車両用ドア1の側では、シール部材26の嵌め合せ部からの浸入水が窓支持フレーム24と車内側の化粧板12および車外側の外板13との間から車両用ドア1の化粧板12および外板13間に浸入するのを防止するため、化粧板12と窓支持フレーム24の室内側面との間にできるコーナ部をシール溜まりとして施したシール51、外板13と窓支持フレーム24の上面とが形成するコーナ部をシール溜まりとして施したシール52とを設けてある。しかし、これらシール51、52は窓ユニット22の着脱作業には無関係である。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、上記の説明で明らかなように、窓開口に車内側から出し入れできる窓枠を用い、この窓枠に窓ガラスを車外側から嵌め付けてシールを施し固定した窓ユニットを予め構成しておくので、窓枠と窓ガラスとの間のシールを溶剤により流動性を与えたシール材を用いてシールを施し、固化に長い時間掛かるにしても、その組立て作業は、ドアおよび車両そのものの製作および補修の作業とは、時期および場所共に独立して窓ユニット単体で別途行なっておいたものを、窓開口へ車内側から出し入れできるのを利用して車両用ドアの窓開口に嵌め付ければ足り、作業は合理的で簡単かつ短時間に達成することができるし、窓ガラスと窓枠との間で問題となる車外から車内への雨水の浸入は確実に防止することができる。
【0038】
また、窓ユニットの窓開口への車内側からの嵌め合わせによって、窓枠の外向きフランジが窓開口に車内側から被さった化粧構造を同時に満足しながら、窓ガラス外周部の車外側面と窓開口の車外側開口縁との間に形成する作業隙間を通じ前記窓枠をこれの外回りに沿うドア側の窓支持フレームに外部からねじ止めして、前記車内側窓構造の影響なしに簡単に固定することができ、しかも、ねじ止めに利用した前記作業隙間はシール部材を外部から嵌め合わせて簡単に閉じ化粧構造を満足するとともに、ねじ止め部を不正な外力から守りやすくするし、前記作業隙間からドア内に雨水が浸入するようなことも極力防止することができる。
【0039】
この場合、前記シール部材嵌め合わせ部からの浸入水に対し、窓枠の外まわりに沿う窓支持フレーム内に受水し、この窓支持フレームを樋に共用して車両用ドア内を通じ外部への排出を図るようにすることによって、車外側から雨水が万一にも浸入することによる問題が窓支持フレームを樋に共用して解消する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る車両用ドアの窓ガラス固定方法とそれを用いた窓構造を示す要部の断面図である。
【図2】図1の窓構造を持った車両用ドアの一部の縦断面図である。
【図3】図1の窓構造を持った車両用ドアの一部の横断面図である。
【図4】図2、図3の車両用ドアの縦骨と窓支持フレームの横桟との接合例およびシール例を示す側面図である。
【図5】図4の接合部の横断面図である。
【図6】図4の接合部の斜視図である。
【図7】図2、図3の車両用ドアの縦骨と窓支持フレームの接合構造例を示す正面図である。
【図8】図4の例に代わるシール例を示す横断面図である。
【図9】図4、図8の例に代わる接合例およびシール例を示す横断面図である。
【図10】従来の車両用ドアの窓構造を示す縦断面図である。
【図11】図10の横断面図である。
【符号の説明】
1 車両用ドア
2 窓開口
2a 車外側開口
2b 車内側開口
2a1 車外側口縁
2b1 車内側口縁
3 窓枠
3a 外向きフランジ
3b 車外側部分
4 窓ガラス
4a 外周部の車外側面
41 車内側の窓ガラス
42 車外側の窓ガラス
5 シール
5a シール材
8、9 縦骨
8c、9c、24a 樋
12 化粧板
13 外板
22 窓ユニット
23 作業隙間
24 窓支持フレーム
25、31、35 ねじ
32 ガラス押え
36 排出経路
Claims (6)
- 車両用の窓開口に窓枠を介し窓ガラスを嵌め付けシールを施して固定するのに、前記窓開口に車内側から出し入れできる窓枠を用い、この窓枠に窓ガラスを車外側から嵌め付けてシールを施し固定した窓ユニットを予め構成しておき、この窓ユニットを前記窓開口に車内側から嵌め合わせて窓開口の車内側に被せるとともに、この嵌め合わせによって窓ガラスの外周部の車外側面と窓開口の車外側口縁との間に形成する作業隙間を通じ前記窓枠をこれの外回りに沿うドア側の窓支持フレームに外部からねじ止めすることにより、車両用ドアの窓開口に窓枠を介し窓ガラスを嵌め付けシールを施して固定した状態とし、その後前記作業隙間にシール部材を外部から嵌め合わせて前記作業隙間を閉じることを特徴とする車両用の窓ガラス固定方法。
- 前記シール部材嵌め合わせ部からの浸入水に対し、窓枠の外まわりに沿う窓支持フレームに受水し、この窓支持フレームを樋に共用して車両用ドア外への排出を図るようにする請求項1に記載の車両用の窓ガラス固定方法。
- 車内側開口が車外側開口よりも大きな窓開口と、窓枠とこの窓枠に車外側から嵌め合わせてシールを施し固定した窓ガラスとで構成される窓ユニットとを備え、窓ユニットはその窓枠を前記窓開口に車内側から嵌め入れられて窓枠の外向きフランジが窓開口に車内側から被さるとともに、窓ガラスの外周部の車外側面と窓開口の車外側開口縁との間に作業隙間を形成し、この作業隙間を通じて外部に露出する窓枠の車外側部分が窓枠の外回りに沿うドア側の窓支持フレームにねじ止めされており、前記作業隙間がシール部材の外部からの嵌め合わせによって閉じられていることを特徴とする車両用の窓構造。
- 窓ユニットは、窓枠の内周に車外側から嵌め合わされて窓枠との間で窓ガラスの外周部を車内外両側から挟み付け窓枠にねじ止めされたガラス押えを有している請求項3に記載の車両用の窓構造。
- 窓ガラスは複層ガラスであって、車内側の窓ガラスが窓枠とガラス押えとに挟み付けられ、車外側の窓ガラスと窓開口の車外側開口縁との間の作業隙間がシール部材により閉じられている請求項4に記載の車両用の窓構造。
- シール部材は弾性的に嵌め合わされている請求項3〜5のいずれか1項に記載の車両用の窓構造。
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