JP4226374B2 - ソレノイド駆動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子制御4輪駆動車両等のトルク伝達機構等で使用されるソレノイドの駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、電子制御4輪駆動車両のトルク伝達機構等では、左右一対のプラネタリギヤセットと、各プラネタリギヤセットに連結されたサンギヤのトルクを可変制御するための一対のブレーキ機構を含んでいる。各ブレーキ機構は、湿式多板ブレーキと、この多板ブレーキを作動する電磁アクチュエータを含んでいる。
【0003】
電磁アクチュエータは、環状溝を有するコア(ヨーク)と、コアの環状溝中に挿入されたソレノイドと、所定のギャップを持ってコアと対向するように配置されたアーマチュアと、アーマチュアに連結されたピストンとから構成される。
【0004】
ソレノイドに電流を印加すると、アーマチュアがソレノイドによりコアに引き付けられ推力が発生する。この推力により、アーマチュアと一体に連結されたピストンが多板ブレーキを押し付けることで、ブレーキトルクが発生する。
【0005】
旋回方向及び操舵力又は操舵角に基づいて左右のソレノイドに流す電流値を制御して、左右の後ろ車軸への出力トルクを可変に制御することができる。
【0006】
ソレノイドの駆動電流制御方法としては、PID制御器を用いた電流フィードバック制御と、スイッチング素子と電流還流用のダイオードを使用したパルス幅変調(PWM)デューティ信号による電流制御の組み合わせが一般的に行われている。この制御方法の場合、PID制御器の出力であるオンデューティ値は0〜100%の範囲が有効となる。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−178186号公報
【0008】
【特許文献2】
特開2002−93619号公報
【0009】
【特許文献3】
特開2002−237412号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、自動車に搭載される制御システムでは、ソレノイド用の電源電圧はバッテリーなどから供給される単一電源電圧が一般的なため、従来のスイッチング素子と電流還流用ダイオードを使用したPWMデューティ信号による電流制御では、目標電流が急激に低下した場合、オンデューティ値を0%まで低下させてデューティ出力をオフにしても、ソレノイドのインダクタンス成分と抵抗成分で決まる時定数で電流の立ち下がりが制約され、応答性が悪いという問題がある。
【0011】
よって、本発明の目的は、主に電流の立ち下がり特性を改善したソレノイド駆動装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明によると、ソレノイド駆動装置であって、電源と、該電源と前記ソレノイドとの間に直列に接続されたスイッチング素子と、カソードが前記スイッチング素子と前記ソレノイドとの間に接続されるように前記ソレノイドに対して並列に接続された電流還流用ダイオードと、前記ソレノイドを流れる電流を検出する電流検出回路と、目標電流と前記電流検出回路で検出した検出電流との差に応じたオンデューティ値及びオフデューティ値を演算して出力するPID演算手段と、前記オンデューティ値の入力に応じてPWMデューティ信号を生成し、該PWMデューティ信号を前記スイッチング素子に供給して該スイッチング素子をオンオフするPWMデューティ駆動手段と、前記スイッチング素子がオフのとき、前記オフデューティ値の入力に応じて前記電源の電圧を逆電圧として前記ソレノイドに印加可能な逆電圧印加手段と、前記オンデューティ値及びオフデューティ値の絶対値を算出する絶対値算出手段と、前記オンデューティ値の場合は「1」及び前記オフデューティ値の場合は「0」を出力する符号判定手段とを具備し、前記PWMデューティ駆動手段は、前記絶対値算出手段の出力に基づいて、PWMデューティ信号を生成するPWM信号生成手段と、前記PWM信号生成手段により生成された前記PWMデューティ信号と前記符号判定手段の出力が入力されるAND回路と、前記AND回路の出力に応じて前記スイッチング素子をオンオフする第1ドライバ回路とを含み、前記逆電圧印加手段は、前記電源の負極側と前記ソレノイドとの間に直列に接続された第2スイッチング素子と、カソードが前記電源と前記スイッチング素子との間に接続されるように、前記スイッチング素子及び前記ソレノイドの直列回路に並列に接続された第2電流還流用ダイオードと、前記符号判定手段の出力を反転するインバータと、前記PWM信号生成手段の出力及び前記インバータの出力が入力されるNAND回路と、前記NAND回路の出力に応じて前記第2スイッチング素子をオンオフする第2ドライバ回路とを含んでいるソレノイド駆動装置が提供される。
【0013】
請求項1のソレノイド駆動装置によると、2つのPWMデューティ駆動手段を使用することなく、PWM信号生成手段が生成した一つのPWMデューティ信号を切り替えてスイッチング素子及び第2スイッチング素子を駆動することができる。よって、ソレノイド駆動装置を安価に構成することができる
【0014】
請求項2記載の発明によると、前記PID演算手段は、目標電流と実電流との差に応じて積分項を算出する積分項算出手段と、実電流が規定値以下になった場合に積分項をゼロにリセットする手段を含んでいるソレノイド駆動装置が提供される
【0015】
請求項2のソレノイド駆動装置によると、実電流が規定値以下になった場合にPID演算手段の積分項を0にリセットすることで、積分項成分が負の値のまま保持されることが回避できる。これにより、次の電流立ち上がり指示に対する遅れを低減することができ、電流立ち上がり特性を改善することが可能となる
【0017】
請求項3記載の発明によると、電源が単一電源から構成されるソレノイド駆動装置が提供される。複数電源を有する場合には、ソレノイドオフ時の電流の立ち下がり特性を急峻にすることは比較的容易である。請求5記載のソレノイド駆動装置では、単一電源の場合にもソレノイドオフ時の電流の立ち下がり特性を必要に応じて急峻にすることができ、応答性の向上が可能となる
【0022】
【発明の実施の形態】
図1を参照すると、本発明のソレノイド駆動装置を適用可能なフロントエンジン・フロントドライブ(FF)車ベースの4輪駆動車両の動力伝達装置の概略図が示されている。
【0023】
図1に示すように、動力伝達系は、車両前方に配置されたエンジン2の動力がトランスミッション4の出力軸4aから伝達されるフロントデファレンシャル装置6と、このフロントデファレンシャル装置6からの動力がプロペラシャフト8を介して伝達される増速装置(変速装置)10と、増速装置10からの動力が伝達されるリヤデファレンシャル装置12を主に含んでいる。
【0024】
フロントデファレンシャル装置6は従来周知の構造となっており、トランスミッション4の出力軸4aからの動力をデフケース6a内の複数のギヤ14と出力軸16,18を介して左右の前輪駆動軸20,22に伝達することにより、各前輪が駆動される。
【0025】
リヤデファレンシャル装置12は、後で説明するように、一対のプラネタリギヤセットと、それぞれ多板ブレーキ機構の締結を制御する一対の電磁アクチュエータを含んでおり、電磁アクチュエータを制御して左右の後輪駆動軸24,26に動力を伝達することにより、各後輪が駆動される。
【0026】
図2は増速装置(変速装置)10と、増速装置10の下流側に配置されたリヤデファレンシャル装置12の断面図を示している。増速装置10はケーシング28中に回転可能に取り付けられた入力シャフト30と、出力シャフト(ハイポイドピニオンシャフト)32を含んでいる。
【0027】
増速装置10は更に、オイルポンプサブアセンブリ34と、プラネタリキャリアサブアセンブリ38と、直結クラッチサブアセンブリ40と、変速ブレーキ42を含んでいる。
【0028】
増速装置10の下流側に設けられたリヤデファレンシャル装置12は、ハイポイドピニオンシャフト32の先端に形成されたハイポイドピニオンギヤ44を有している。
【0029】
ハイポイドピニオンギヤ44はハイポイドリングギヤ48と噛み合っており、ハイポイドリングギヤ48からの動力は左右に一対設けられたプラネタリギヤセット50A,50Bのリングギヤに入力される。
【0030】
プラネタリギヤセット50A,50Bのサンギヤは左側後ろ車軸24、右側後ろ車軸26周りに回転可能に取り付けられている。プラネタリギヤセット50A,50Bのプラネタリキャリアは、左側後ろ車軸24、右側後ろ車軸26に固定されている。プラネタリキャリアに担持されたプラネットギヤがサンギヤ及びリングギヤに噛み合っている。
【0031】
左右のプラネタリギヤセット50A,50Bは、サンギヤのトルクを可変制御するために設けられたブレーキ機構51に連結される。ブレーキ機構51は、湿式多板ブレーキ52と、この多板ブレーキ52を作動する電磁アクチュエータ56を含んでいる。
【0032】
湿式多板ブレーキ52のブレーキプレートはケーシング54に固定され、ブレーキディスクはプラネタリギヤセット50A,50Bのサンギヤに固定されている。
【0033】
電磁アクチュエータ56は、環状溝を有するリング状コア(ヨーク)58と、リング状コア58の環状溝中に挿入された環状ソレノイド60と、リング状コア58に所定のギャップを持って対向するリング状アーマチュア62と、アーマチュア62に連結された環状ピストン64とから構成される。
【0034】
ソレノイド60に電流を印加すると、アーマチュア62がソレノイド60によりコア58に引き付けられて推力が発生する。この推力により、アーマチュア62と一体に連結されたピストン64が多板ブレーキ52を押し付けることで、ブレーキトルクが発生する。
【0035】
これにより、プラネタリギヤセット50A,50Bのサンギヤはそれぞれケーシング54に対して固定され、ハイポイドピニオンシャフト32の駆動力はプラネタリギヤセット50A,50Bのリングギヤ、プラネットギヤ、プラネットキャリアを介して左右の後ろ車軸24,26に伝達される。
【0036】
環状ソレノイド60に流す電流を制御することにより、入力シャフト30の駆動力を直結状態で或いは増速装置10で増速して、左右の後ろ車軸24,26に任意に分配することができ、最適な旋回制御を実現することができる。
【0037】
図3を参照して、本発明第1実施形態のソレノイド駆動回路70について説明する。72は図2に示した環状ソレノイド60等のソレノイドであり、インダクタンス成分74及び抵抗成分76を有している。78はバッテリー等の電源であり、例えば電源電圧は約12Vである。電源78の負極側は接地されている。
【0038】
電源78の正極側とソレノイド72の間には第1FET(スイッチング素子)80が直列に接続されている。即ち、第1FET80のドレーン80aが電源78に接続され、ソース80bがソレノイド72に接続されている。
【0039】
電源78の負極側とソレノイド72との間に第2FET(スイッチング素子)82が直列に接続されている。即ち、第2FET82のソース82bが接地され、ドレーン82aがソレノイド72に接続されている。
【0040】
ソレノイド72と第2FET82の間には電流検出用抵抗84が直列に接続されている。また、カソードがソレノイド72と第1FET80との間に接続されるように、ソレノイド72、電流検出用抵抗84及び第2FET82の直列回路に対して並列に第1電流還流用ダイオード86が接続されている。
【0041】
一方、カソードが電源78の正極側とFET80との間に接続されるように、ソレノイド72及び電流検出用抵抗84の直列回路に対して並列に第2電流還流用ダイオード88が接続されている。
【0042】
ブロック90は車両に搭載されたECUのCPU内の処理を示している。ソレノイド72を流れる電流は、電流検出用抵抗84の両端の電位差として検出され、この検出電位差は電流検出回路92で増幅されてフィードバックされる。
【0043】
ブロック94で算出された目標電流と電流検出回路92で検出された検出電流(実電流)との差分が差分器96で取られ、この差分がPID演算手段98に入力される。
【0044】
PID演算手段98は入力された差分に基づいて比例項(P項)、積分項(I項)及び微分項(D項)を演算するものであり、正のオンデューティ値及び負のオフデューティ値を出力する。
【0045】
オンデューティ値はオンデューティ値選択回路100で選択され、パルス幅変調(PWM)タイマ102に入力される。PWMタイマ102からは「1」,「0」の2値からなる矩形波のパルス幅変調(PWM)デューティ信号が出力される。
【0046】
このPWMデューティ信号はドライバ回路104で増幅されて第1FET80のゲート80cに供給され、第1FET80をPWMデューティ信号に応じてオンオフする。ドライバ回路104で第1FET80のゲート80cに印加される電圧は例えば約24Vである。
【0047】
一方、PID演算手段98から出力される負のオフデューティ値はオフデューティ値選択回路106で選択され、このオフデューティ値と+1が加算器118で加算される。
【0048】
加算器118の出力はPWMタイマ120に入力され、PWMタイマ120からは「1」,「0」の2値からなる矩形波のPWMデューティ信号が出力される。
【0049】
このPWMデューティ信号はドライバ回路122で増幅されて第2FET82のゲート82cに供給され、PWMデューティ信号に応じて第2FET82をオンオフ制御する。ドライバ回路122で増幅されて第2FET82のゲート82cに供給される電圧は例えば約12Vである。
【0050】
電流検出回路92で検出された検出電流とブロック124の0アンペア判断値は0アンペア判断回路126に入力され、検出電流(実電流)が0アンペア相当になったか否かが判断される。検出電流が0アンペア判断値以下になったと判断されるとPID演算手段98で演算した積分項を0にリセットする。
【0051】
本実施形態のソレノイド駆動回路70では、第1FET80はノーマルオフであり、第2FET82はゲート82cに通常PWMデューティ信号が供給されているため、ノーマルオンである。
【0052】
以下、図4〜図6を参照して、第1実施形態のソレノイド駆動回路70の作用について説明する。図4に示すように、第1FET80及び第2FET82ともオンの場合には、電源電圧Vbatがソレノイド72の両端に印加されるため、ソレノイド72にはループ130で示される如く電源78による順方向電流が流れる。
【0053】
図5に示すように、第2FET82がオンで第1FET80がオフになると、P点の電位は第1電流還流用ダイオード86の順方向電圧分だけ低下し、−Vd1「V」となる。
【0054】
Q点の電位は第2FET82がオンであるため、接地電位即ち0Vとなり、ソレノイド72の両端には約−Vd1「V」の電圧が印加されることになる。ソレノイド72と並列に第1電流還流用ダイオード86が接続されているため、矢印132のループで還流電流が流れる。
【0055】
ソレノイド72の通常の駆動時には、第2FET82をフルオンの状態で図4及び図5に示すように第1FET80をオンオフするため、PWMタイマ102から出力されるPWMデューティ信号のデューティ比に応じてソレノイド72に駆動電流を流すことができる。
【0056】
ソレノイド72に流す電流を急激に減少すると、図6に示すように第1FET80及び第2FET82ともオフになる。P点の電位は第1電流還流用ダイオード86の順方向電圧分だけ低下し、−Vd1「V」となり、Q点の電位はVbat+Vd2「V」となる。
【0057】
第1及び第2電流還流用ダイオード86,88の順方向電圧は電源電圧に比べて非常に低いた、ソレノイド72の両端には電源78の電圧が逆電圧として印加される。
【0058】
第1及び第2電流還流用ダイオード86,88がソレノイド72に直列に接続状態となるため、ソレノイド72にはループ134で示すような還流電流が流れる。
【0059】
第1FET80がオフの状態で、第2FET82をPWMデューティ駆動することにより、ソレノイド72に図5及び図6に示すように0Vと電源78の逆電圧とを交互に印加可能となる。
【0060】
第2FET82のゲート82cに供給するPWMデューティ比を変化させることにより、ソレノイド72へ印加する平均逆電圧をリニアに制御することができ、駆動電流の立ち下がりをソレノイド72のインダクタンス成分74と抵抗成分76で決まる時定数に制約されずに必要に応じて急峻にすることができ、ソレノイド72の応答性の向上を図ることができる。
【0061】
図7は矩形波駆動の場合の本発明の駆動波形と従来の駆動波形との比較を示したコンピュータシミュレーションである。電流立ち下がり時の本発明のアンダーシュートを示すために、+0.5Vオフセットした波形を示している。
【0062】
矩形波136は目標電流であり、波形138が従来の駆動方法を、波形140が本発明の駆動方法をそれぞれ示している。図7から明らかなように、本発明の駆動方法では従来方法に比較して電流の立ち下がりを急峻にすることができ、応答性を改善できることが分かる。
【0063】
図8は本発明第2実施形態のソレノイド駆動回路70Aを示している。上述した第1実施形態と実質的に同一構成部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
【0064】
上述した第1実施形態では、PWMタイマを2個使用しているため、駆動回路がある程度高価となる。本実施形態は、PWMタイマを1個のみ使用し、論理回路を付加することにより、一つのPWMデューティ信号を切り替えて第1及び第2FET80,82をPMWデューティ駆動するようにしたものである。
【0065】
PID演算手段98からは正のオンデューティ値及び負のオフデューティ値が出力される。オンデューティ値及びオフデューティ値の絶対値が絶対値算出回路142で算出され、PWMタイマ102に入力される。
【0066】
また、符号判定回路144でオンデューティ値及びオフデューティ値の符号が判定され、正(0を含む)のオンデューティ値の場合には「1」が負のオフデューティ値の場合には「0」が符号判定回路144から出力される。
【0067】
AND回路146にはPWMタイマ102から出力されるPWMデューティ信号及び符号判定回路144からの出力が入力され、AND回路146からはオンデューティ値に基づくPWMデューティ信号のみが出力される。
【0068】
このPWMデューティ信号はドライバ回路104で増幅されて第1FET80のゲート80cに供給され、第1FET80をオンオフ制御する。
【0069】
一方、PWMタイマ102から出力されるPWMデューティ信号はNAND回路150にも供給される。NAND回路150の他方の入力には符号判定回路144の出力をインバータ148で反転した信号が入力される。
【0070】
よって、NAND回路150からはPID演算手段98で出力される負のオフデューティ値に基づくPWMデューティ信号のみが出力される。
【0071】
NAND回路150から出力されるPWMデューティ信号はドライバ回路122で増幅されて第2FET82のゲート82cに供給され、第2FET82をオンオフ制御する。
【0072】
即ち、第2FET82はPID演算手段98からオンデューティ値が出力される場合にフルオンの状態となり、オフデューティ値の出力の増加に応じて第2FET82がオフする時間が増加する。
【0073】
本実施形態の作用は、図4〜図6を参照して説明した第1実施形態の作用と同様であるので、その説明を省略する。
【0074】
本発明によると、目標電流が減少するとPID演算手段98から負のオデューティ値が出てくる。この場合、実電流が0アンペアになったときにPID演算手段98の出力が負の値のままになり、次の電流立ち上がり応答特性を悪化させることがある。
【0075】
これは、図9に示すように、目標電流が0アンペアで実電流が0アンペアになるときに、PID演算手段98の積分項(I項)成分が符号156で示すように負の値のまま保持されてしまうためである。図9において、曲線152は比例項成分を示し、曲線154は積分項成分をそれぞれ示している。
【0076】
そこで、図10に示すように、実電流が規定値以下(例えば0.01アンペア以下)になったらPID演算手段98の積分項を符号160で示すように0にリセットすることにより、積分項成分が負の値のまま保持されることが回避できる。これにより、次の電流立ち上がり指示に対する遅れの低減が可能となる。
【0077】
この積分項のリセット方法を図11に示すフローチャートを参照して説明する。まず、ステップ10で目標電流を読み込み、ステップ11で実電流(検出電流)を読み込む。
【0078】
次いで、ステップ12で目標電流と実電流の差分を取り、この差分に基づいて比例項成分と微分項成分を算出する(ステップ13)。次いで、ステップ14に進んで実電流が規定値(例えば0.01アンペア)より大きいか否かを判断する。
【0079】
実電流が規定値より大きい場合にはステップ15に進んで目標電流と実電流の差分に基づいて積分項を算出し、大きくない場合にはステップ16に進んで積分項を0にリセットする。次いで、ステップ17に進んで比例項と積分項と微分項からなるデューティ値を算出する。
【0080】
図12は積分項を0にリセットした場合としない場合の実電流の変化を示している。曲線162が積分項を0にリセットした実電流であり、曲線164が積分項を0にリセットしない場合の実電流を示している。
【0081】
図12から明らかなように、実電流が規定値以下になった場合に積分項を0にリセットすると、次の電流立ち上がり指示に対する遅れを低減可能であることが分かる。
【0082】
以上説明した本発明のソレノイド駆動装置は一般的なソレノイドの駆動に適用可能であるが、例えば自動車に搭載した電磁アクチュエータの駆動装置のように、バッテリー等の単一電源しか使用できない場合に適用して特にその効果が大きい。
【0083】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によると、スイッチング素子がオフの時、オフデューティ値の入力に応じて電源の電圧を逆電圧としてソレノイドに印加可能な逆電圧印加手段が設けられているので、ソレノイドをオフした時の電流の立ち下がりを、ソレノイドのインダクタンス成分と抵抗成分で決まる時定数に制約されず必要に応じて急峻にすることができ、応答性の向上が可能となる。
【0084】
請求項2記載の発明によると、第2スイッチング素子を駆動するPWMデューティ比を可変にすると、ソレノイドへ印加される平均逆電圧をリニアに可変にすることができ、ソレノイドオフ時の電流の立ち下がりをソレノイドのインダクタンス成分と抵抗成分で決まる時定数に制約されず必要に応じて急峻にすることができ、応答性の向上が可能となる。
【0085】
請求項3記載の発明によると、一つのPWMデューティ信号を切り替えてスイッチング素子及び第2スイッチング素子を駆動するので、ソレノイド駆動装置を安価に構成することができ、請求項2記載の発明と同様な作用効果を達成することができる。
【0086】
請求項4記載の発明によると、実電流が規定値以下になった場合に積分項成分が負の値のまま保持されることを回避でき、これにより、次の電流立ち上がり指示に対する遅れを低減することができ、電流立ち上がり特性を改善することが可能となる。
【0087】
請求項5記載の発明によると、単一電源の場合にもソレノイドオフ時の電流の立ち下がり特性を必要に応じて急峻にすることができ、応答性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】4輪駆動車両の動力伝達系を示す概略図である。
【図2】増速装置(変速装置)及びリヤデファレンシャル装置の断面図である。
【図3】本発明第1実施形態のソレノイド駆動装置の回路図である。
【図4】第1及び第2FETが共にオンの時の本発明の作用を示す図である。
【図5】第1FETがオフで第2FETがオンのときの本発明の作用を示す図である。
【図6】第1及び第2FETが共にオフのときの本発明の作用を示す図である。
【図7】従来例及び本発明の駆動波形を示すコンピュータシミュレーションである。
【図8】本発明第2実施形態のソレノイド駆動装置の回路図である。
【図9】積分項を0にリセットしない場合の、積分項成分及び比例項成分の変化を示す図である(コンピュータシミュレーション)。
【図10】積分項を0にリセットする場合の、積分項成分及び比例項成分の変化を示す図である(コンピュータシミュレーション)。
【図11】積分項を0にリセットする処理のフローチャートである。
【図12】積分項を0にリセットした場合としない場合の実電流の変化を示す図である(コンピュータシミュレーション)。
【符号の説明】
10 増速装置(変速装置)
12 リヤデファレンシャル装置
24,26 後ろ車軸
30 入力シャフト
32 出力シャフト(ハイポイドピニオンシャフト)
50A,50B プラネタリギヤセット
51 ブレーキ機構
52 湿式多板ブレーキ
56 電磁アクチュエータ
58 コア(ヨーク)
60 環状ソレノイド
62 アーマチュア
72 ソレノイド
74 インダクタンス成分
76 抵抗成分
78 電源(バッテリー)
80 第1FET
82 第2FET
84 電流検出用抵抗
86 第1電流還流用ダイオード
88 第2電流還流用ダイオード
98 PID演算手段
102,120 PWMタイマ

Claims (3)

  1. ソレノイド駆動装置であって、
    電源と、
    該電源と前記ソレノイドとの間に直列に接続されたスイッチング素子と、
    カソードが前記スイッチング素子と前記ソレノイドとの間に接続されるように前記ソレノイドに対して並列に接続された電流還流用ダイオードと、
    前記ソレノイドを流れる電流を検出する電流検出回路と、
    目標電流と前記電流検出回路で検出した検出電流との差に応じたオンデューティ値及びオフデューティ値を演算して出力するPID演算手段と、
    前記オンデューティ値の入力に応じてPWMデューティ信号を生成し、該PWMデューティ信号を前記スイッチング素子に供給して該スイッチング素子をオンオフするPWMデューティ駆動手段と、
    前記スイッチング素子がオフのとき、前記オフデューティ値の入力に応じて前記電源の電圧を逆電圧として前記ソレノイドに印加可能な逆電圧印加手段と、
    前記オンデューティ値及びオフデューティ値の絶対値を算出する絶対値算出手段と、
    前記オンデューティ値の場合は「1」及び前記オフデューティ値の場合は「0」を出力する符号判定手段とを具備し、
    前記PWMデューティ駆動手段は、前記絶対値算出手段の出力に基づいて、PWMデューティ信号を生成するPWM信号生成手段と、前記PWM信号生成手段により生成された前記PWMデューティ信号と前記符号判定手段の出力が入力されるAND回路と、前記AND回路の出力に応じて前記スイッチング素子をオンオフする第1ドライバ回路とを含み、
    前記逆電圧印加手段は、前記電源の負極側と前記ソレノイドとの間に直列に接続された第2スイッチング素子と、カソードが前記電源と前記スイッチング素子との間に接続されるように、前記スイッチング素子及び前記ソレノイドの直列回路に並列に接続された第2電流還流用ダイオードと、前記符号判定手段の出力を反転するインバータと、前記PWM信号生成手段の出力及び前記インバータの出力が入力されるNAND回路と、前記NAND回路の出力に応じて前記第2スイッチング素子をオンオフする第2ドライバ回路とを含んでいるソレノイド駆動装置。
  2. 前記PID演算手段は、目標電流と実電流との差に応じて積分項を算出する積分項算出手段と、実電流が規定値以下になった場合に積分項をゼロにリセットする手段を含んでいる請求項に記載のソレノイド駆動装置。
  3. 前記電源は単一電源から構成される請求項に記載のソレノイド駆動装置。
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