JP4740616B2 - 電磁アクチュエータ制御装置及び車両の制御装置 - Google Patents

電磁アクチュエータ制御装置及び車両の制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子制御4輪駆動車両等のトルク伝達機構等で使用される電磁アクチュエータのエアギャップ長推定に関する。
例えば、電子制御4輪駆動車両等のトルク伝達機構等では、左右一対のプラネタリギヤセットと、各プラネタリギヤセットに連結されたサンギヤのトルクを可変制御するための一対のブレーキ機構を含んでいる。各ブレーキ機構は、湿式多板ブレーキと、この多板ブレーキを作動する電磁アクチュエータを含んでいる。
電磁アクチュエータは、筒状内部空間に設けられ、磁性体材料から成るコア(ヨーク)と、所定のエアギャップを以ってコアと筒状内部空間の軸方向に対向するように配置された磁性体材料から成るアーマチュアと、コアとアーマチュアとの間の環状空間に挿入された励磁コイルと、アーマチュアに連結されたピストン等から構成される。
励磁コイルに電流を印加すると、コアとアーマチュアとエアギャップとから構成される磁気回路に磁路が形成され、コアとアーマチュア間のエアギャップに電磁力が発生する。この電磁力によりアーマチュアがコアに引き付けられて推力が発生する。この推力により、アーマチュアと一体に連結されたピストンが多板ブレーキを押し付け、多板ブレーキに発生する摩擦力によりブレーキトルクが発生する。このブレーキトルクにより多板ブレーキに連結された車軸のトルクが制御される。
マイクロコンピュータを搭載したECUにより、車両の旋回方向及び操舵力又は操舵角等の走行状態に相当するブレーキトルクを発生するために、左右の電磁ソレノイドに流す目標電流値を算出し、左右の電磁ソレノイドに流す励磁電流がそれぞれの目標電流値に一致するよう制御して、左右の後ろ車軸への出力トルクを可変に制御している。
励磁コイルに流す励磁電流値を目標電流値に高速に収束させるために、車両の走行状態に相当するブレーキトルクに対応する目標電流値がECUにより算出される。ECUは目標電流値と励磁コイルに流れる実電流との差分に応じて、PWM制御を行い、PWM駆動信号をスイッチング素子の制御端子に供給する。
スイッチング素子は、バッテリ電源とグラウンド間に励磁コイルと直列に設けられており、制御端子に印加されるPWM駆動信号のハイ/ローに応じてオン/オフし、励磁コイルに電流が制御される。
電流還流用ダイオード(フライホイールダイオード)が励磁コイルと並列に設けられており、スイッチング素子がオフすると、励磁コイルに発生する逆起電力により電流還流用ダイオードがオンし、励磁コイルに電流還流を流して平滑化する。
励磁コイルに流れる実電流を検出して、PID演算手段により実電流と目標電流とを比較して、実電流が目標電流値に一致するようPWM制御をする。
このように、励磁コイルの電流値が目標電流値に高速に収束するようスイッチング素子に印加するPWM駆動信号のパルス幅を制御している。
一方、多板ブレーキの摩擦力による磨耗によりコアとアーマチュアとの間のエアギャップが狭くなって変動し、エアギャップが狭くなると推力が増大する。上述のように励磁コイルに電流が流れることにより磁束回路に磁束が発生する。エアギャップにかかる推力は磁束により決まるものなので、この推力を正確に制御する必要がある。
推力を正確に制御するための先行技術文献としての特許文献1がある。特許文献1は、磁束が通る磁路内にサーチコイルを配設し、パルス波形の実電流を励磁コイルに流し、磁気回路の磁路に発生する磁束の変化によるサーチコイルに発生する起電力を測定し、磁束計算を行い、計算結果の磁束、エアギャップ断面積及コア等の透磁率に基づいて、推力を算出することを開示している。
特開2002−303660号公報
しかしながら、特許文献1では、上述のようにサーチコイルを用いて磁束を検出するものであるため、サーチコイルに係る部品コストが増加する問題がある。また、サーチコイルに発生する起電力は、励磁コイルに対する巻き数が少ないことから、大きな磁気エネルギーを出力することはできない。
これにより、サーチコイルに発生する起電力は、車両内で使用される無線機や携帯電話機からの電波によるスパイクノイズの影響を受けてばらつく。サーチコイル出力起電力を積分すると、起電力中のスパイクノイズ値なども積分されるので、積分値から計算された磁束の値が大きく変化し、推力の推定値に大きな誤差を生じるという問題点があった。
また、励磁コイル内での磁束の形成には、磁束回路を構成するヨークとアーマチュアの形状のバラツキによるバラツキがある。更に、エアギャップ長が変化すると、磁気回路のエアギャップに係る磁気抵抗が変化して磁気回路の磁束形成も大きく変化し、サーチコイルを磁束検出のための最適なレイアウトとすることができないという問題点があった。
このように、磁気回路の磁束を算出することにより、推力を推定する方法では、推定誤差が大きくなるという問題点があった。
よって、本発明の目的は、サーチコイルをなくして電磁アクチュエータのコストを低減するとともに、磁束を検出するのではなくエアギャップを推定することにより精度の良いトルク制御を行うことができる電磁アクチュエータ制御装置及び車両の制御装置を提供することである。
請求項1記載の発明によると、エアギャップを介して対向するコア及びアーマチュアと、PWM駆動信号に基づいてオン/オフする第1のスイッチ手段と、前記第1のスイッチ手段と直列に接続され、前記コア及び前記アーマチュアに磁束を発生させる励磁コイルと、前記励磁コイルと並列に接続され、前記第1のスイッチ手段がオフしたとき、前記励磁コイルの両端に発生する起電力によりオンし、前記第1のスイッチ手段がオンのときオフする第2のスイッチ手段とを有する電磁アクチュエータを制御する電磁アクチュエータ制御装置であって、前記励磁コイルに流れる電流を検出する電流検出手段と、第1のデューティ比のPWM駆動信号を第1の一定時間、前記第1のスイッチ手段に印加した後に、前記第1のスイッチ手段をオフにするためのPWM駆動信号を前記第1のスイッチ手段に印加する第1の制御手段と、前記第1のスイッチ手段がオフされてから第2の一定時間が経過するまで前記電流検出手段により検出された電流を積分して電流積分値を算出する電流積分値算出手段と、各電流積分値とエアギャップ長の対応関係を記憶するエアギャップ変換マップと、前記エアギャップ変換マップを参照して、前記電流積分値算出手段により算出された電流積分値に対応するエアギャップ長に変換するエアギャップ変換手段とを具備し、前記第2の一定時間は、該第2の一定時間が経過したとき、想定される全てのエアギャップ及び前記励磁コイルの温度で前記励磁コイルに流れる電流が0になる時間であることを特徴する電磁アクチュエータ制御装置が提供される。
請求項1記載の電磁アクチュエータ制御装置によれば、エアギャップ長が小さくなると電流積分値が大きくなるとことによるエアギャップと電流積分値間の1対1の対応関係に基づいて、各電流積分値とエアギャップ長の対応関係がエアギャップ変換マップに記憶されている。
第1のデューティ比のPWM駆動信号を第1の一定時間、第1のスイッチ手段に印加した後に、第1のスイッチ手段をオフにするPWM駆動信号が印加されると、励磁コイルに起電力が発生して、第2のスイッチ手段がオンし、励磁コイルに還流電流が流れる。
電流積分値算出手段は、電流検出手段により検出された還流電流を積分して電流積分値を算出する。エアギャップ変換手段は、エアギャップ変換マップを参照して、電流積分値算出手段により算出された電流積分値に対応するエアギャップ長に変換する。これにより、サーチコイルにより磁束を検出することなく、電流積分値に基づいてエアギャップを推定することができる。
請求項2記載の発明によると、前記励磁コイルの温度を検出する温度検出手段を更に具備し、前記エアギャップ変換マップには、前記励磁コイルの各温度における、前記電流積分値と前記エアギャップ長の対応関係が記憶され、前記エアギャップ変換手段は、前記エアギャップ変換マップを参照して、前記温度検出手段により検出された温度及び前記電流積分値算出手段により算出された電流積分値に対応するエアギャップ長に変換することを特徴とする請求項1記載の電磁アクチュエータ制御装置が提供される。
請求項2記載の電磁アクチュエータ制御装置によれば、電流積分値は励磁コイルの温度に依存することから、温度検出手段が励磁コイルの温度を検出し、エアギャップ変換手段は、エアギャップ変換マップを参照して、温度検出手段により検出された温度及び電流積分値算出手段により算出された電流積分値に対応するエアギャップに変換する。
請求項3記載の発明によると、第2のデューティ比のPWM駆動信号を第3の一定時間、前記第1のスイッチ手段に印加する第2の制御手段を具備し、前記温度検出手段は、前記第3の一定時間が経過したときの前記電流検出手段により検出された励磁電流及び前記第2のデューティ比に基づいて、前記励磁コイルの抵抗値を検出し、該抵抗値に基づいて、前記励磁コイルの温度を検出することを特徴とする請求項2記載の電磁アクチュエータ制御装置が提供される。
請求項3記載の電磁アクチュエータ制御装置によれば、励磁コイルの温度と抵抗の関係により励磁コイルの温度を検出する。
請求項記載の発明によれば、エアギャップを介して対向するコア及びアーマチュアと、PWM駆動信号に基づいてオン/オフする第1のスイッチ手段と、前記第1のスイッチ手段と直列に接続され、前記コア及び前記アーマチュアに磁束を発生させる励磁コイルと、前記励磁コイルと並列に接続され、前記第1のスイッチ手段がオフしたとき、前記励磁コイルの両端に発生する起電力によりオンし、前記第1のスイッチ手段がオンのときオフする第2のスイッチ手段とを有する電磁アクチュエータを含む車両の制御装置であって、前記励磁コイルに流れる電流を検出する電流検出手段と、第1のデューティ比のPWM駆動信号を第1の一定時間、前記第1のスイッチ手段に印加した後に、前記第1のスイッチ手段をオフにするためのPWM駆動信号を前記第1のスイッチ手段に印加する第1の制御手段と、前記第1のスイッチ手段がオフされてから第2の一定時間が経過するまで前記電流検出手段により検出された電流を積分して電流積分値を算出する電流積分値算出手段と、各電流積分値とエアギャップ長の対応関係を記憶するエアギャップ変換マップと、前記エアギャップ変換マップを参照して、前記電流積分値算出手段により算出された電流積分値に対応するエアギャップ長に変換するエアギャップ変換手段と、各エアギャップ長及び各駆動トルクと目標制御電流値との対応関係を記憶する目標制御電流変換マップと、前記目標制御電流変換マップを参照して、車両の走行状態に応じた駆動トルクと前記エアギャップ変換手段により変換されたエアギャップ長に対応する目標制御電流値を算出する目標制御電流値算出手段と、前記電流検出手段が検出した電流が前記目標制御電流値に一致するように、前記PWM駆動信号のデューティ比を制御するPID演算手段とを具備し、前記第2の一定時間は、該第2の一定時間が経過したとき、想定される全てのエアギャップ及び前記励磁コイルの温度で前記励磁コイルに流れる電流が0になる時間であることを特徴する車両の制御装置が提供される。
請求項記載の車両の制御装置によれば、電磁アクチュエータからサーチコイルを無くし、電流積分値に基づいてエアギャップを推定し、このエアギャップ推定値から目標伝達トルクに対する目標制御電流値を算出する。
請求項1記載の発明によると、電磁アクチュエータからサーチコイルを無くしているので、電磁アクチュエータのコストが低減する。また、巻き数の大きい磁気エネルギーの大きい励磁コイルに流れる電流を積分するので、電流積分値がノイズの影響を受け難く、正確にエアギャップを推定できる。また、第2の一定時間が経過したときには、励磁コイルの電流が0になっているので、電流積分値が大きくなって、エアギャップの違いによる電流積分値の値が大きくなり、正確にエアギャップを推定できる。
請求項2記載の発明によると、電流積分値が励磁コイルの温度に依存することから、励磁コイルの温度を検出して、励磁コイルの温度、電流積分値に基づいてエアギャップ長を推定するので、より正確にエアギャップを推定することができる。
請求項3記載の発明によると、励磁コイルの抵抗値より励磁コイルの温度を検出するので、余分なコストがかかることなく励磁コイルの温度を検出することができる。
請求項記載の発明によると、電磁アクチュエータからサーチコイルを無くしているので、電磁アクチュエータのコストが低減する。また、巻き数の大きい磁気エネルギーの大きい励磁コイルに流れる電流を積分するので、電流積分値がノイズの影響を受け難く、精度良くエアギャップを推定できる。これにより、駆動トルクを正確に制御することができる。また、第2の一定時間が経過したときには、励磁コイルの電流が0になっているので、電流積分値が大きくなって、エアギャップの違いによる電流積分値の値が大きくなり、正確にエアギャップを推定できる。
図1は、本発明の磁束検出装置を適用可能なフロントエンジン・フロントドライブ(FF)車ベースの4輪駆動車両の動力伝達装置の概略図を示す図である。
図1に示すように、動力伝達系は、車両前方に配置されたエンジン2の動力がトランスミッション4の出力軸4aから伝達されるフロントデファレンシャル装置6と、このフロントデファレンシャル装置6からの動力がプロペラシャフト8を介して伝達される増速装置(変速装置)10と、増速装置10からの動力が伝達されるリヤデファレンシャル装置12と、車両の走行制御などを行うECU13とを主に含んでいる。
フロントデファレンシャル装置6は従来周知の構造となっており、トランスミッション4の出力軸4aからの動力をデフケース6a内の複数のギヤ14と出力軸16,18を介して左右の前輪駆動軸20,22に伝達することにより、各前輪が駆動される。
リヤデファレンシャル装置12は、後で説明するように、一対のプラネリギヤセットと、それぞれ多板ブレーキ機構(多板クラッチ機構)の締結を制御する一対の電磁アクチュエータを含んでおり、電磁アクチュエータを制御して左右の後輪駆動軸24,26に動力を伝達することにより、各後輪が駆動される。
図2は増速装置(変速装置)10と、増速装置10の下流側に配置されたリヤデフンシャル装置12の断面図である。増速装置10はケーシング28中に回転可能に取り付けられた入力シャフト30と、出力シャフト(ハイポイドピニオンシャフト)32を含んでいる。
増速装置10は更に、オイルポンプサブアセンブリ34と、プラネタリキャリアサブアセンブリ38と、直結クラッチサブアセンブリ40と、変速ブレーキ42を含んでいる。
増速装置10の下流側に設けられたリヤデファレンシャル装置12は、ハイポイドピニオンシャフト32の先端に形成されたハイポイドピニオンギヤ44を有している。
ハイポイドピニオンギヤ44はハイポイドリングギヤ48と噛み合っており、ハイポイドリングギヤ48からの動力は左右に一対設けられたプラネタリギヤセット50A,50Bのリングギヤに入力される。
プラネタリギヤセット50A,50Bのサンギヤは左側後ろ車軸24、右側後ろ車軸26周りに回転可能に取り付けられている。プラネタリギヤセット50A,50Bのプラネタリキャリアは、左側後ろ車軸24、右側後ろ車軸26に固定されている。プラネタリキャリアに担持されたプラネットギヤがサンギヤ及びリングギヤに噛み合っている。
左右のプラネタリギヤセット50A,50Bは、サンギヤのトルクを可変制御するために設けられたブレーキ機構51に連結される。ブレーキ機構51は、湿式多板ブレーキ52と、この多板ブレーキ52を作動する電磁アクチュエータ56を含んでいる。
湿式多板ブレーキ52のブレーキプレートはケーシング54に固定され、ブレーキディスクはプラネタリギヤセット50A,50Bのサンギヤに固定されている。
電磁アクチュエータ56は、環状溝を有する磁性材料から成るリング状コア(ヨーク)58と、リング状コア58の環状溝中に挿入された環状の励磁コイル60と、リング状コア58に所定のギャップを持って対向する磁性材料から成るリング状アーマチュア62と、アーマチュア62に連結された環状ピストン64とから構成される。
励磁コイル60に励磁電流を流すと、アーマチュア62が励磁コイル60に流れる励磁電流により磁気回路に発生した磁束よりコア58に引き付けられて推力が発生する。この推力により、アーマチュア62と一体に連結されたピストン64が多板ブレーキ52を押し付けることで、ブレーキトルクが発生する。
これにより、プラネタリギヤセット50A,50Bのサンギヤはそれぞれケーシング54に対して固定され、ハイポイドピニオンシャフト32の駆動力はプラネタリギヤセット50A,50Bのリングギヤ、プラネットギヤ、プラネットキャリアを介して左右の後ろ車軸24,26に伝達される。
このように、励磁コイル60に流す励磁電流を制御することにより、入力シャフト30の駆動力を直結状態で或いは増速装置10で増速して、左右の後ろ車軸24,26に任意に分配することができ、最適な旋回制御を実現することができる。
図3は、図2中の電磁アクチュエータ56の励磁コイル60に流れる励磁電流を制御するための励磁コイル60及び周辺回路図である。電磁ソレノイド70は、図3に示すように、スイッチ手段(第1のスイッチ手段)80と、フライホイールダイオード(第2のスイッチ手段)82と、励磁コイル60を有する。
第1のスイッチ手段80は、バッテリ電源90から励磁コイル60への電流の供給のオン/オフをするためのスイッチであり、制御電極に印加されるPWM駆動信号のハイレベル/ローレベルに応じて、オン/オフする、例えば、Nチャネル型FET(以下、FETと略す)で構成する。
FET80と励磁コイル60は、バッテリ電源90とグラウンド間に直列に接続されている。例えば、FET80は、ドレインが所定の正電圧、例えば12Vのバッテリ電源90に接続され、ソースが励磁コイル60の一端(以下、第1端)に接続されている。ゲートには、PWM駆動信号が印加される。
フライホイールダイオード82は、励磁コイル60と並列に接続されている。例えば、ダイオード82は、アノードがグラウンドに接続され、カソードが励磁コイル60の第1端に接続されている。
フライホイールダイオード82は、FET80がオフすると励磁コイル60の両端に発生する逆起電力により順バイアスされてオンして、図3に示すように、励磁コイル60に還流電流aを流す。フライホイールダイオード82は、FET80がオンすると、逆バイアスされてオフする。
一定のクロック周期に対するPWM駆動信号のハイレベルの時間の割合をディーティ比と呼ぶ。PWM駆動信号がハイレベルのとき、FET80がオンして、励磁コイル60に励磁電流が流れ、デューティ比%に相当する励磁電流が増加する。また、PWM駆動信号がローレベルのとき、FET80がオフし、励磁コイル60の両端に逆起電力が発生して、還流電流aが流れる。一方、デューティ比が0になると、還流電流aが0になるまで減少する。
励磁コイル60は、第1端がFET80のソースに接続され、他端(以下、第2端)が後述する電流検出手段122に設けられた抵抗260を介してグラウンドに接続されている。バッテリ電源90よりFET80、励磁コイル60及び抵抗260を介してグラウンドへ電流が流れる。このように、電磁アクチュエータ56からはサーチコイルが無くなっている。
ECU13は、旋回方向、舵角、スロットル開度及び車速等の車両の走行状態に応じたトルク配分のための制御等を行う。ECU13は電磁アクチュエータ56が発生するブレーキトルクが走行状態に応じて最適なものとなるように電磁アクチュエータ56を制御する電磁アクチュエータ制御手段100として機能するプログラムを実行する。
図4は本発明の実施形態による電磁アクチュエータ制御手段100の機能ブロック図である。図4に示すように、電磁アクチュエータ制御手段100は、エアギャップ長推定手段110と、目標伝達トルク算出手段112と、目標制御電流値算出手段114と、PID演算手段116と、選択手段118と、PWM駆動信号生成手段120と、電流検出手段122を有する。
図5は、還流電流とエアギャップの関係を示す図であり、励磁コイル60の温度が一定であるときの各エアギャップでの還流電流を示している。ここでは、一例として、エアギャップ長AG1,AG2,AG3(AG1>AG2>AG3)での還流電流が示されている。
図5に示すように、エアギャップが小さくなるにつれて、磁気回路の磁気抵抗が小さくなって、形成される磁束が大きくなる。そのため、励磁コイル60の両端に発生する逆起電力も大きくなって、還流電流が大きくなり、また、還流電流が0になるまでの時間が長くなり、その結果、FET80がオフしてから還流電流が0になるまでの還流電流の積分値(電流積分値)が増加する。
例えば、各エアギャップAGi(i=1,2,3)について、PWM駆動信号がローレベルになった時刻、例えば、所定のデューティのパルスがローレベルになった時刻t0から還流電流が0になる時刻t1,t2,t3までの時間(ti−t0)(i=1,2,3)が(t1−t0)<(t2−t0)<(t3−t0)となり、その電流積分値Si(i=1,2,3)がS1<S2<S3となる。これにより、エアギャップと電流積分値は1対1の関係があることが分かる。
図6は、還流電流と励磁コイル60の温度の関係を示す図であり、エアギャップが一定であるとき、励磁コイル60の各温度での還流電流を示している。ここでは、励磁コイル60の温度の低い場合と、励磁コイル60の温度が高い場合での還流電流が示されている。
図6に示すように、励磁コイル60の温度が低くなると、励磁コイル60の抵抗が小さくなって多く電流が流れ、逆に、励磁コイル60の温度が高くなると、励磁コイル60の抵抗が大きくなってより少ない電流が流れる。これにより、電流積分値が励磁コイル60の温度に依存することが分かる。
よって、励磁コイル60の温度及び電流積分値が既知となると、その励磁コイル60におけるエアギャップ長を推定することができる。即ち、予め実験により励磁コイル60の各温度にて、各エアギャップでの電流積分値を取得しておき、既知となった励磁コイル60の温度で既知となった電流積分値に一致するエアギャップ長を求めることによりエアギャップ長を推定することができる。
エアギャップ長推定手段110は、励磁コイル60の温度と電流積分値によりエアギャップ長を推定する手段である。
図7は図4中のエアギャップ長推定手段110の機能ブロック図である。図7に示すように、エアギャップ長推定手段110は、主制御手段150と、抵抗検出手段152と、電流積分値算出手段154と、エアギャップ長算出手段156と、記憶手段158を有する。
主制御手段150はエアギャップ長推定のために以下の制御を行う。
(1)車両の走行状態に応じて、現在、エアギャップ推定の実施が可能であるか否かを判断する。エアギャップ推定の実施が可能である場合とは、車両の走行状態より、電磁アクチュエータ56の制御が必要でないと判断される場合である。
(2)エアギャップ推定が実施可能であれば、励磁コイル60の温度を検出するための抵抗を算出するための制御、即ち、デューティ比(第2のデューティ比)一定のPWM駆動信号がFET80に印加されるように制御を行い、当該PWM駆動信号により励磁電流が安定した後、例えば、当該PWM駆動信号の出力が開始されてから一定時間(第3の一定時間)経過した後に、抵抗検出手段152に抵抗検出の指示をする。
このとき、デューティ比が大きいと、励磁電流が大きくなり電磁アクチュエータ56に大きなブレーキトルクが発生し、車が走行しているときに間違えて作動すると危険であるので小さい値が良い。また、デューティ比が小さ過ぎると、例えば、5%以下では、励磁電流値とデューティ比に直線性がなくなるので使用することができない。そこで、本実施形態では、一例として、デューティ値を25%としている。
(3)抵抗検出手段152が温度の検出を終了すると、電流積分値算出のための制御を行ってから、即ち、後述するように、PWM駆動信号のレベルをローレベルとし、電流積分値算出手段154に電流積分値の算出の指示をする。
(4)電流積分手段154が電流積分値の算出を終了すると、エアギャップ長算出手段156にエアギャップ長の算出を指示する。
尚、主制御手段150は、電流積分値が抵抗検出とは独立して算出されるように制御しても良い。即ち、抵抗検出のためのPWM駆動信号と同じ又は異なるデューティ比(第1のデューティ比)のPWM駆動信号を一定時間(第1の時間)出力するよう制御を行った後、抵抗検出手段152への抵抗検出の指示をスキップして、電流積分値の算出を行うように制御しても良い。
図8は抵抗検出を示すタイムチャートである。抵抗検出手段152は、主制御手段150より抵抗検出の指示を受けると、励磁コイル60に流れる励磁電流から励磁コイル60の抵抗を算出する。
図8に示すように、FET80のゲートにデューティ比25%のPWM駆動パルスを印加され、所定時間Trが経過すると、励磁電流は安定する。このとき、バッテリ電源90の電源電圧VB、励磁コイル60の両端に印加される電圧VC、PWM駆動信号のデューティ比D=(25%)とすると、電圧VCは次式(1)により推定される。
電圧VC=VB×D/100 ・・・ (1)
尚、ここでは、励磁コイル60の抵抗値に比べて、励磁電流に係る他の抵抗、例えば、FET80のオン抵抗等が十分小さいものとしている。
これより、励磁コイル60の抵抗Rは、次式(2)により求められる。
抵抗R=電圧VC/励磁電流I ・・・ (2)
励磁電流は安定した後もPWM駆動信号により平均値を中心に上下に変動することから、式(2)中の励磁電流値Iは、図8に示すように、後述する電流検出手段122により励磁電流が平均化されたものである。
電流積分値算出手段154は、主制御手段150より電流積分値算出の指示を受けると、電流検出手段122より検出された還流電流を一定時間積分して、記憶手段158に電流積分値を記憶する。
図9は、電流積分値算出を示すタイムチャートである。エアギャップ(AGi(i=1,2,3))毎に、還流電流が0になるまでの時間が異なることから、図9に示すように、一定時間(第2の一定時間)は、想定される全てのエアギャップ及び温度で還流電流が0になる時間Tsとしている。
尚、時刻t0はPWM駆動信号がローレベルとなった時刻であり、時刻t1はTs=(t1−t0)となる時刻である。これにより、第2の一定時間Tsが経過したときには、還流電流が0になっていることから、電流積分値が大きくなる。
また、時刻t0での励磁電流は、上述したように、抵抗測定時のPWM駆動信号によるものでなくてもよい。また、積分する電流値は、本実施形態のように電流検出手段122により平均化されたものでもよく、平均化される前の電流値でも良い。
エアギャップ長算出手段156は、温度変換マップ200と、温度変換手段202と、エアギャップ変換マップ204と、エアギャップ変換手段206を有する。
図10は温度と抵抗の関係を示す図であり、横軸に励磁コイル60の抵抗R、縦軸に励磁コイル60の温度を示す。図10に示すように、温度が高くなるにつれて、例えば、上述した抵抗検出と同じ条件における抵抗Rが大きくなる。温度変換マップ200には、電磁アクチュエータ56の実験により、任意のエアギャップ長において、励磁コイル60の各温度で測定した励磁コイル60の励磁電流を式(1),(2)に適用して算出した抵抗値と温度の対応関係が予め記憶されている。
温度変換手段202は、抵抗検出手段152より検出された励磁コイル60の抵抗Rより、温度変換マップ200を検索して、該当する温度に変換して、この温度を記憶手段158に記憶する。抵抗検出手段152と、温度変換マップ200と、温度変換手段202により励磁コイル60の温度を検出する温度検出手段を構成する。
尚、温度検出手段は、励磁電流から温度を検出するのではなく、冷却のために電磁ブレーキに供給されているオイル温度を検出することにより、このオイル温度が励磁コイル60の温度に略一致すると推定し、オイル温度を励磁コイル60の温度としても良い。
エアギャップ変換マップ204には、電流積分値と温度の組み合わせに対して、該当するエアギャップ長が予め記憶されている。エアギャップ変換マップ204は、電磁アクチュエータ56の実験により、各エアギャップを形成し、例えば、電磁アクチュエータ56のコア58とアーマチュア62との間にエアギャップに相当する厚さの環状シムを挟みエアギャップを形成し、励磁コイル60を各温度にし、上述した電流積分算出の場合と同条件、即ち、デューティ比(第1のデューティ比)一定のPWM駆動信号を一定時間(第1の一定時間)FET80に印加した後に第2の一定時間電流積分して電流積分値を算出することにより作成する。
エアギャップ変換手段206は、記憶手段158に記憶されている温度及び電流積分値から、エアギャップ変換マップ204を参照して、温度及び電流積分値の組み合わせに対応するエアギャップ長を求め、記憶手段158に記憶する。
図4中の目標伝達トルク算出手段112は、旋回方向、図示しない操舵角センサより出力される操舵角、図示しないスロットル開度センサより出力されるスロットル開度及び図示しない車速センサ等より出力される車両の走行状態に応じて、左右の後輪車軸24,26に分配する目標伝達トルクを算出する。
図11は目標制御電流値算出手段114の機能ブロック図である。図11に示すように、目標制御電流値算出手段114は、目標制御電流変換マップ250と、目標制御電流変換手段252を有する。目標制御電流変換マップ250には、各目標伝達トルク及び各エアギャップの組み合わせに対して、対応する目標制御電流値が予め記憶されている。このマップ250は、電磁アクチュエータ56の実験により、各エアギャップでの目標制御電流値に対する推力によるブレーキトルク(目標伝達トルク)を求めることにより作成する。
目標制御電流変換手段252は、記憶手段158に記憶されているエアギャップ長及び目標伝達トルク算出手段112により算出された目標伝達トルクの組み合わせから、目標制御電流変換マップ250を参照して、対応する目標制御電流値に変換する。
図4中のPID演算手段116は、電流検出手段122により検出された実電流値が目標電流値に収束するようにPWM駆動信号のデューティ比を決定する。即ち、電流検出手段122により検出された実電流と目標電流値との差分に応じて、目標値が実電流よりも大であれば、実電流が増加するよう、目標値が実電流よりも小であれば、実電流が減少するよう、目標値が実電流と一致すれば、実電流が維持されるようにデューティ比を決定する。
選択手段118は、エアギャップ長推定手段110及びPID演算手段116より出力されたデューティ比のいずれか一方の有効なデューティ比を選択して、PWM駆動信号生成手段120に出力する。
PWM駆動信号生成手段120は、選択手段118より出力されるデューティ比のPWM駆動信号を電磁ソレノイド70に出力する。
電流検出手段122は、図3に示すように、抵抗260、オペアンプ262、平均化手段264及びA/D変換器266を有する。抵抗260は一端が励磁コイル60及びオペアンプ262のマイナス端子に接続され、他端が接地されオペアンプ262のプラス端子に接続されている。
オペアンプ262は、抵抗260の両端の電圧を算出することにより、励磁コイル60に流れた電流値を検出する。平均化手段264は、オペアンプ262より出力された電流値(アナログ)を、例えば、CRフィルタにより平均化する。A/D変換器266は一定のサンプリング周期で平均化手段264より出力されるアナログ電圧値をデジタル電圧値に変換する。
図12は駆動トルク制御方法を示すフローチャートである。図13は図12中の抵抗推定のフローチャートである。図14は図12中の電流積分のフローチャートである。図15は図12中のエアギャップ推定のフローチャートである。図16は図12中の通常制御のフローチャートである。以下、これらの図面を参照して、駆動トルク制御方法の説明をする。
図12中のステップS2において、主制御手段150は、車両の走行状態に基づいて、通常制御が必要であるか否かを判定する。通常制御が必要でなければ、ステップS4に進む。通常制御が必要ならば、ステップS20に進む。
ステップS4において、抵抗推定が終了しているか否かを判定する。抵抗推定が終了していなければ、ステップS6に進む。抵抗推定が終了していれば、ステップS8に進む。
ステップS6において、図13に示す抵抗推定を行う。図13中のステップS50において、主制御手段150は、図8に示すように抵抗検出用のデューティ比25%のPWM駆動信号を選択手段118及びPWM駆動信号生成手段120を通して、FET80に印加する。
ステップS52において、主制御手段150は、抵抗推定のためのPWM駆動信号の出力が開始されてから一定時間Trが経過したか否かを判定する。一定時間Trが経過したならば、ステップS54に進む。一定時間経過していなければ、ステップS52を繰り返し実行する。
ステップS54において、抵抗検出手段152は、電流検出手段122より出力される平均化された励磁電流を読み出す。このとき、一定時間Trが経過していることにより、励磁電流が安定し、その平均値Iが一定電流値となっている。
ステップS56において、抵抗検出手段152は、バッテリ電源90のバッテリ電圧VBを取得する。ステップS58において、抵抗検出手段152は、式(1),(2)にVB、抵抗計算デューティD(25%)、励磁電流Iを代入して、励磁コイル60の抵抗Rを算出して、図12中のステップS8に進む。
ステップS8において、主制御手段150は、電流積分終了しているか否かを判定する。電流積分終了していなければ、ステップS10に進む。電流積分が終了していれば、ステップS12に進む。ステップS10において、図14中のステップS100に進む。
ステップS100において、主制御手段150は、励磁コイル60の電流Iが0か否かを判定する。励磁コイル60の電流Iが0であれば、抵抗検出とは独立して電流積分を行うので、ステップS102に進む。励磁コイル60の電流Iが0でなければ、抵抗検出直後の電流積分なので、ステップS106に進む。
ステップS102において、主制御手段150は、図9に示すように電流積分値算出用のPWM駆動信号をFET80に印加するよう制御する。ステップS104において、主制御手段150は、励磁電流Iが安定するために一定時間(第1の一定時間)が経過したか否かを判定する。一定時間が経過したならば、ステップS106に進む。一定時間が経過していなければ、ステップS104をループする。
ステップS106において、電流積分値算出手段154は、電流積分値の格納領域に初期値0を格納する。ステップS108において、電流積分値算出手段154は、積分開始してから一定時間(第2の一定時間)Ts経過したか否かを判定する。
一定時間Tsが経過していなければ、ステップS110に進む。一定時間Tsが経過したならば、終了して、ステップS14に戻る。ステップS110において、電流積分値算出手段154は、例えば、電流検出手段122により出力される電流、サンプリング周期及び電流積分値の格納領域に格納されている積分値から現在の時刻までの電流積分をした後、ステップS108に進む。
ステップS14において、図15に示すエアギップ推定を行う。図15中のステップS150において、温度変換手段202は、ステップS6で算出された抵抗値から、温度変換マップ200を参照して、対応する温度を算出する。
ステップS152において、エアギャップ変換手段206は、ステップS10で算出された電流積分値及びステップS150で算出された温度から、エアギャップ変換マップ204を参照して、対応するエアギャップ長を算出する。
ステップS20において、図16に示す制御電流の算出を行う。図16中のステップS200において、目標伝達トルク算出手段112は、車両の走行状態に応じて、左右の後輪車軸24,26に分配する目標伝達トルクを算出する。そして、目標制御電流値算出手段114中の目標制御電流変換手段252は、ステップS14で算出されたエアギャップ長及び目標伝達トルク算出手段112により算出された目標伝達トルクから、目標制御電流値算出手段114中の目標制御電流変換マップ250を参照して、目標制御電流を算出する。PID演算手段116は、電流検出手段122より検出された励磁電流が目標制御電流に一致するようにPWM制御する。これにより、目標伝達トルクが発生する。
以上説明したように、本実施形態によれば、電磁ソレノイド70からサーチコイルを無くしているので、サーチコイル及びサーチコイルの起電力を検出する回路等が不要となり、電磁アクチュエータ56のコストが低減する。
また、巻き数が大きく、磁気エネルギーの大きな励磁コイル60に流れる電流を積分するので、電流積分値がノイズの影響を受け難く、正確にエアギャップを推定できる。
また、電流積分値が励磁コイル60の温度に依存することから、励磁コイルの温度を検出して、励磁コイル60の温度、電流積分値に基づいてエアギャップ長を推定するので、より正確にエアギャップを推定できる。
また、励磁コイル60の抵抗値より励磁コイル60の温度を検出するので、余分なコストがかかることなく励磁コイルの温度を検出することができる。更に、電流積分値は、想定される温度及びエアギャップに対して、0になった時刻まで電流積分を行うので、電流積分値が大きくなり、より正確にエアギャップを推定することができる。
4輪駆動車両の動力伝達系を示す概略図である。 増速装置(変速装置)及びリヤデファレンシャル装置の断面図である。 電磁ソレノイド及び周辺回路を示す図である。 電磁アクチュエータ制御手段の機能ブロック図である。 還流電流とエアギャップの関係を示す図である。 還流電流と励磁コイルの温度の関係を示す図である。 図4中のエアギャップ長推定手段の機能ブロック図である。 抵抗検出を示すタイムチャートである。 電流積分値算出を示すタイムチャートである。 温度と抵抗の関係を示す図である。 図4中の目標制御電流値算出手段の機能ブロック図である。 駆動トルク制御方法を示すフローチャートである。 抵抗推定を示すフローチャートである。 電流積分を示すフローチャートである。 エアギャップ推定を示すフローチャートである。 通常制御を示すフローチャートである。
符号の説明
10 増速装置(変速装置)
12 リヤデファレンシャル装置
24,26 後ろ車軸
30 入力シャフト
32 出力シャフト
50A,50B プラネタリギヤセット
51 ブレーキ機構
52 湿式多板ブレーキ
56 電磁アクチュエータ
58 コア(ヨーク)
60 励磁コイル
62 アーマチュア
70 電磁ソレノイド
80 第1のスイッチ手段
82 第2のスイッチ手段
100 電磁アクチュエータ制御手段
110 エアギャップ長推定手段
114 目標制御電流値算出手段
116 PID演算手段
122 電流検出手段

Claims (4)

  1. エアギャップを介して対向するコア及びアーマチュアと、PWM駆動信号に基づいてオン/オフする第1のスイッチ手段と、前記第1のスイッチ手段と直列に接続され、前記コア及び前記アーマチュアに磁束を発生させる励磁コイルと、前記励磁コイルと並列に接続され、前記第1のスイッチ手段がオフしたとき、前記励磁コイルの両端に発生する起電力によりオンし、前記第1のスイッチ手段がオンのときオフする第2のスイッチ手段とを有する電磁アクチュエータを制御する電磁アクチュエータ制御装置であって、
    前記励磁コイルに流れる電流を検出する電流検出手段と、
    第1のデューティ比のPWM駆動信号を第1の一定時間、前記第1のスイッチ手段に印加した後に、前記第1のスイッチ手段をオフにするためのPWM駆動信号を前記第1のスイッチ手段に印加する第1の制御手段と、
    前記第1のスイッチ手段がオフされてから第2の一定時間が経過するまで前記電流検出手段により検出された電流を積分して電流積分値を算出する電流積分値算出手段と、
    各電流積分値とエアギャップ長の対応関係を記憶するエアギャップ変換マップと、
    前記エアギャップ変換マップを参照して、前記電流積分値算出手段により算出された電流積分値に対応するエアギャップ長に変換するエアギャップ変換手段とを具備し
    前記第2の一定時間は、該第2の一定時間が経過したとき、想定される全てのエアギャップ及び前記励磁コイルの温度で前記励磁コイルに流れる電流が0になる時間であることを特徴する電磁アクチュエータ制御装置。
  2. 前記励磁コイルの温度を検出する温度検出手段を更に具備し、前記エアギャップ変換マップには、前記励磁コイルの各温度における、前記電流積分値と前記エアギャップ長の対応関係が記憶され、前記エアギャップ変換手段は、前記エアギャップ変換マップを参照して、前記温度検出手段により検出された温度及び前記電流積分値算出手段により算出された電流積分値に対応するエアギャップ長に変換することを特徴とする請求項1記載の電磁アクチュエータ制御装置。
  3. 第2のデューティ比のPWM駆動信号を第3の一定時間、前記第1のスイッチ手段に印加する第2の制御手段を具備し、前記温度検出手段は、前記第3の一定時間が経過したときの前記電流検出手段により検出された励磁電流及び前記第2のデューティ比に基づいて、前記励磁コイルの抵抗値を検出し、該抵抗値に基づいて、前記励磁コイルの温度を検出することを特徴とする請求項2記載の電磁アクチュエータ制御装置。
  4. エアギャップを介して対向するコア及びアーマチュアと、PWM駆動信号に基づいてオン/オフする第1のスイッチ手段と、前記第1のスイッチ手段と直列に接続され、前記コア及び前記アーマチュアに磁束を発生させる励磁コイルと、前記励磁コイルと並列に接続され、前記第1のスイッチ手段がオフしたとき、前記励磁コイルの両端に発生する起電力によりオンし、前記第1のスイッチ手段がオンのときオフする第2のスイッチ手段とを有する電磁アクチュエータを含む車両の制御装置であって、
    前記励磁コイルに流れる電流を検出する電流検出手段と、
    第1のデューティ比のPWM駆動信号を第1の一定時間、前記第1のスイッチ手段に印加した後に、前記第1のスイッチ手段をオフにするためのPWM駆動信号を前記第1のスイッチ手段に印加する第1の制御手段と、
    前記第1のスイッチ手段がオフされてから第2の一定時間が経過するまで前記電流検出手段により検出された電流を積分して電流積分値を算出する電流積分値算出手段と、
    各電流積分値とエアギャップ長の対応関係を記憶するエアギャップ変換マップと、
    前記エアギャップ変換マップを参照して、前記電流積分値算出手段により算出された電流積分値に対応するエアギャップ長に変換するエアギャップ変換手段と、
    各エアギャップ長及び各駆動トルクと目標制御電流値との対応関係を記憶する目標制御電流変換マップと、
    前記目標制御電流変換マップを参照して、車両の走行状態に応じた駆動トルクと前記エアギャップ変換手段により変換されたエアギャップ長に対応する目標制御電流値を算出する目標制御電流値算出手段と、
    前記電流検出手段が検出した電流が前記目標制御電流値に一致するように、前記PWM駆動信号のデューティ比を制御するPID演算手段とを具備し
    前記第2の一定時間は、該第2の一定時間が経過したとき、想定される全てのエアギャップ及び前記励磁コイルの温度で前記励磁コイルに流れる電流が0になる時間であることを特徴する車両の制御装置。
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