JP4225494B2 - フライヤ - Google Patents

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本発明は、魚、肉、野菜等の被調理物を調理油によって揚げるフライヤに関する。
従来から、調理油を貯留するためのタンクを有するキャビネットと、タンク内に貯留された調理油を加熱するためのヒータとを備えたフライヤが知られている(例えば、特許文献1参照)。
実公昭64−852号公報
ところで、上述したようなフライヤにおいては、調理油の加熱によってキャビネット内の空気も加熱されるため、この加熱された空気を外部に排気すべく、キャビネットの外壁に排気用の貫通孔を形成する場合がある。ところが、このような場合には、フライヤを洗浄する際等に水が貫通孔からキャビネット内に浸入してしまうという問題がある。
また、加熱された空気をキャビネット内から外部に排気するために、キャビネットの外壁に排気口を設け、その排気口にルーバを取り付ける場合もある。しかしながら、キャビネットの外壁から外側に張り出すようにルーバを取り付けると、フライヤの外形が大きくなり、設置スペースが拡大してしまうという問題がある。
そこで、本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、設置スペースの拡大を抑えて、洗浄の際等に水がキャビネット内に浸入するのを防止することができると共に、加熱された空気をキャビネット内から外部に排気することができるフライヤを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るフライヤは、タンク内に貯留された調理油をヒータにより加熱し、加熱された調理油によって被調理物を揚げるフライヤにおいて、タンクの開口部の縁に形成されたタンクカマチと、タンクの側壁から所定の間隔をとって配置された外壁を有するキャビネットとを備え、外壁には、貫通孔を有する凹部がタンクカマチに沿って形成されており、タンクカマチは、凹部を覆うように形成され、タンクカマチには、外壁において凹部を形成する部分が当接していることを特徴とする。
このフライヤにおいては、キャビネットの外壁には、貫通孔を有する凹部がタンクカマチに沿って形成されている。そのため、タンク内に貯留された調理油がヒータにより加熱されて、キャビネット内(タンクの側壁とキャビネットの外壁との間)の空気が加熱されても、この加熱された空気を貫通孔から外部に排気することができる。更に、貫通孔を有する凹部を覆うようにタンクカマチが形成されているため、フライヤを洗浄する際等に水が貫通孔からキャビネット内に浸入するのを防止することができる。しかも、タンクカマチが凹部を覆うように形成されていることで、タンクカマチがキャビネットの外壁から外側に張り出すのを防止することができ、フライヤの設置スペースの拡大を抑えることが可能になる。以上により、このフライヤによれば、設置スペースの拡大を抑えて、洗浄の際等に水がキャビネット内に浸入するのを防止することができると共に、加熱された空気をキャビネット内から外部に排気することができる。
また、本発明に係るフライヤにおいては、タンクカマチには、外壁において凹部を形成する部分が当接している。これにより、調理油が加熱された際にタンクの側壁を伝ってきた熱は、凹部を形成する部分を介してキャビネットの外壁に伝わるだけでなく、タンクカマチにおいて凹部を覆うように形成された部分にも伝わることになる。このようにタンクの側壁を伝ってきた熱が分散されるため、調理油が加熱された際におけるキャビネットの外壁の温度を低下させることができる。
本発明によれば、設置スペースの拡大を抑えて、洗浄の際等に水がキャビネット内に浸入するのを防止することができると共に、加熱された空気をキャビネット内から外部に排気することができる。
以下、本発明に係るフライヤの好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、フライヤ1は、調理油を貯留するための直方体状のタンク2を備えている。このタンク2は、その側壁2aの上端部によって区画された矩形状の開口部3を有しており、この開口部3の縁(すなわち、側壁2aの上端部)には、タンクカマチ4が一体的に形成されている。タンクカマチ4は、側壁2aの上端部から外側に向かってフランジ状に形成されたものである。
タンク2は、矩形状のベース6に立設されたキャビネット7の内側に配置されている。このキャビネット7は、タンク2の側壁2aから所定の間隔をとって配置された外壁8を有しており、この外壁8の上端部は、ネジ9によってタンクカマチ4に固定されている。ベース6の四隅には、フライヤ1を所定の場所に設置するための脚11が設けられている。また、タンク2の側壁2a及び底壁2bの外面には断熱部材12が貼り付けられている。
更に、フライヤ1は、タンク2内に貯留された調理油を加熱するためのヒータユニット13を備えている。このヒータユニット13は、フライヤ1の後部においてタンクカマチ4上に回動自在に取り付けられた電装ボックス14と、この電装ボックス14からタンク2内に延在してその底部で蛇行するパイプ状のヒータ15とから主に構成されている。なお、電装ボックス14から前方に延在するレバー16を押し上げて電装ボックス14を回動させ、ヒータ15をタンク2外に配置させことで、タンク2内の底部に溜まった油カスを取り除くことができる。
次に、上述したタンクカマチ4及びキャビネット7の外壁8について、より詳細に説明する。
図3及び図4に示すように、外壁8には、貫通孔17を有する凹部18がタンクカマチ4に沿って形成されている。この凹部18は、外壁8において内側に傾斜する下側傾斜部分8a及び外側に傾斜する上側傾斜部分8bにより断面三角形状に形成されている。下側傾斜部分8aには、長穴状の貫通孔17がタンクカマチ4に沿って所定の間隔置きに複数形成されている。また、上側傾斜部分8bの外側端部は下方に向かって折り曲げられている。
タンクカマチ4の外側端部4aも下方に向かって折り曲げられており、下側傾斜部分8aに形成された貫通孔17を外部から隠すように凹部18を部分的に覆っている。このように折り曲げられたタンクカマチ4の裏面には、外壁8の上側傾斜部分8bが面接触しており、タンクカマチ4の外側端部4aと上側傾斜部分8bの外側端部とがネジ9により互いに固定されている。
以上のように構成されたフライヤ1においては、タンク2内に貯留された調理油がヒータ15により加熱されて、キャビネット7内(タンク2の側壁2aとキャビネット7の外壁8との間)の空気が加熱されると、この加熱された空気は、タンク2の側壁2aとキャビネット7の外壁8との間を上昇する。そのため、図3において矢印で示すように、加熱された空気を外壁8の下側傾斜部分8aに形成された貫通孔17から外部に排気することができる。
また、フライヤ1においては、下側傾斜部分8aに形成された貫通孔17を外部から隠すようにタンクカマチ4の外側端部4aが凹部18を覆っている。そのため、タンクカマチ4周辺の外観を良好に維持しつつ、フライヤ1を洗浄する際等に水が貫通孔17からキャビネット7内に浸入するのを防止することができる。
更に、タンクカマチ4が凹部18を覆うように形成されていることで、タンクカマチ4がキャビネット7の外壁8から外側に張り出すのを防止することができ、フライヤ1の設置スペースの拡大を抑えることが可能になる。
また、フライヤ1においては、外壁8において凹部18を形成する上側傾斜部分8bがタンクカマチ4に当接している。これにより、図5において矢印で示すように、調理油が加熱された際にタンク2の側壁2aを伝ってきた熱は、凹部18を形成する上側傾斜部分8b及び下側傾斜部分8aを介して外壁8に伝わるだけでなく、タンクカマチ4の外側端部4aにも伝わることになる。このようにタンク2の側壁2aを伝ってきた熱が分散されるため、調理油が加熱された際におけるキャビネット7の外壁8の温度を低下させることができる。
一例として、従来のフライヤでは、図6において矢印で示すように、調理油が加熱された際にタンク51の側壁51aを伝ってきた熱の殆どがタンクカマチ52を介してキャビネットの外壁53に伝わるため、調理油が加熱された際における外壁53の温度は約60℃になった。これに対し、上述したフライヤ1では、調理油が加熱された際における外壁8の温度は約40℃に低減された。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、図7に示すように、凹部18を形成する上側傾斜部分8bの外側端部が下方に向かって折り曲げられていなくてもよい。また、凹部18は、貫通孔17を有し且つタンクカマチ4に沿って形成されるものであれば、下側傾斜部分8a及び上側傾斜部分8bにより形成される断面三角形状のものでなくてもよい。更に、貫通孔17の形状は長穴状に限定されない。
本発明に係るフライヤの一実施形態を示す斜視図である。 図1に示すII−IIに沿っての断面図である。 図1に示すフライヤのタンクカマチ周辺の拡大断面図である。 図1に示すフライヤのタンクカマチ周辺の拡大斜視図である。 図1に示すフライヤのタンクカマチ周辺における熱の伝わり方を説明するための拡大断面図である。 従来のフライヤのタンクカマチ周辺における熱の伝わり方を説明するための拡大断面図である。 本発明に係るフライヤの変形例におけるタンクカマチ周辺の拡大断面図である。
符号の説明
1…フライヤ、2…タンク、2a…側壁、3…開口部、4…タンクカマチ、7…キャビネット、8…外壁、17…貫通孔、18…凹部、15…ヒータ。

Claims (1)

  1. タンク内に貯留された調理油をヒータにより加熱し、加熱された調理油によって被調理物を揚げるフライヤにおいて、
    前記タンクの開口部の縁に形成されたタンクカマチと、
    前記タンクの側壁から所定の間隔をとって配置された外壁を有するキャビネットとを備え、
    前記外壁には、貫通孔を有する凹部が前記タンクカマチに沿って形成されており、前記タンクカマチは、前記凹部を覆うように形成され、前記タンクカマチには、前記外壁において前記凹部を形成する部分が当接していることを特徴とするフライヤ。
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