JP4225135B2 - 現像装置および画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、現像装置およびこの現像装置を備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、電子写真方式を利用したある種の画像形成装置においては、例えばトナーとキャリアとからなる二成分現像剤を用い、適宜の撹拌手段によって摩擦帯電されたトナーを現像領域に搬送し、トナーを潜像担持体上に形成された静電潜像に付着させることによりトナー像を形成する現像方法が利用されており、このような二成分現像剤を用いた現像方法においては、現像剤におけるトナー濃度を一定に維持するために、トナー消費量に応じて新たなトナーを補給することが行われている。
【0003】
このような画像形成装置においては、画像の高画質化が求められており、このような要請に対して、例えば粒子径が小さいトナーが用いられるようになってきており、また、トナーの小粒径化に伴ってキャリアの小粒径化が図られている。
【0004】
而して、粒子径が小さいトナーおよび粒子径が小さいキャリアを用いることによって画質の高い画像を形成することができる反面、現像剤それ自体の流動性が低下して現像剤を十分に撹拌することが困難となり、その結果、新たに補給されたトナーは、所定の帯電量を有する状態とならないまま、現像領域に供給されることとなり、かぶりやトナー飛散が発生しやすくなる、という問題がある。
そして、このような問題は、例えばカラー画像を形成する場合など印字率が高い画像を連続して出力する場合に、顕著に生ずる。
【0005】
一方、近年においては、環境保全に関する社会的な意識の高まりなどに伴って、例えばトナーをリサイクルするなどして省資源化が図られるようになってきている。
しかしながら、一旦、現像に供された後に回収されたトナーは、その帯電特性が未使用のトナーに比して劣るものであるので、トナーの帯電量不足によるかぶりやトナー飛散が発生しやすくなる、という問題がある。
【0006】
このような問題に対して、従来より、現像剤の撹拌効率を向上させる技術が多数提案されており、例えば補助撹拌部材として機能する部材を設けることにより撹拌手段を高い現像剤撹拌能力を有する構成のものとしたりすることが行われている(例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開平07−013420号公報
【特許文献2】
特開平09−166918号公報
【特許文献3】
特開平09−288412号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような技術においては、いずれのものも、現像剤の撹拌効率が向上する反面、現像装置内における現像剤の循環搬送速度が低下することとなり、その結果、現像剤担持体に供給される現像剤の、現像剤担持体の回転軸方向に対するトナー濃度が不均一となり、特に、印字率が高い画像を連続して出力する場合には、画像濃度むらが顕著に生じやすく、高い画質の画像を確実に形成することが困難である、という問題がある。
【0009】
以上のように、補給された新トナーを十分な帯電量を有する状態とするために、現像剤の撹拌性能を向上させることによって、かぶりやトナー飛散の発生を防止しようとした場合には、現像剤の搬送性能が低下することによる画像濃度むらが発生しやすくなるという問題があり、結局、かぶりやトナー飛散の発生、および画像濃度むらの発生、という、いわば相反する2つの問題を同時に解決することが困難である、というのが実状である。
【0010】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、現像剤の搬送速度を低下させることなしに、十分な現像剤の撹拌性能を得ることができ、従って、画質の高い画像を確実に形成することができる新規な構成の現像装置および画像形成装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の現像装置は、前方に潜像担持体を臨む、回転されてトナーとキャリアとからなる現像剤を担持搬送する現像剤担持体と、回転されて現像剤を現像剤担持体に供給すると共に現像剤を現像剤担持体から回収する現像剤供給回収手段と、回転されて現像剤を循環搬送しながら撹拌する第1の現像剤撹拌手段および第2の現像剤撹拌手段とが、互いに平行に前後方向に対してこの順に並んだ状態で、ハウジング内に設けられてなる現像装置において、
第1の現像剤撹拌手段および第2の現像剤撹拌手段は、その回転軸方向に対する現像剤の搬送方向が互いに逆方向であり、かつ、現像剤の搬送能力が実質的に同一であるものであって、
ハウジング内の、第2の現像剤撹拌手段による現像剤の搬送方向の上流側部分に対応する位置には、回転軸方向の長さが第2の現像剤撹拌手段より小さく、回転軸方向に対する現像剤の搬送能力が実質的に零である第3の現像剤撹拌手段が、第2の現像剤撹拌手段と互いに対向して前後方向に並ぶよう配置されており、
ハウジングには、第2の現像剤撹拌手段および第3の現像剤撹拌手段が対向する部分の上方であって、第2の現像剤撹拌手段による現像剤の搬送方向の上流側に位置される個所に、トナー補給用開口が形成されており、
第3の現像剤撹拌手段は、その周面が第2の現像剤撹拌手段と対向する位置において上方から下方に向かって第2の現像剤撹拌手段と互いに順方向に移動されるよう、回転されることを特徴とする。
【0012】
本発明の現像装置において、前記第3の現像剤撹拌手段は、複数の板状の撹拌部材が、当該撹拌部材の各々に軸部材が貫通する状態で、当該軸部材に対して互いに同方向に傾斜して設けられてなるものとすることができる。
また、前記第3の現像剤撹拌手段は、軸部材の外周面に、または軸部材と互いに径方向に離間した位置において、回転軸方向に沿って延びるように設けられたリブよりなる撹拌部材を有してなるものとすることができる。
【0013】
本発明の現像装置において、第1の現像剤撹拌手段および第2の現像剤撹拌手段は、いずれも、軸部材の外周面の全周にわたって回転軸方向に螺旋状に延びる撹拌部材を有してなるものとすることができる。
【0014】
本発明の現像装置においては、現像剤担持体および現像剤供給回収手段の両者の周面が、現像剤担持体と現像剤供給回収手段とが対向する部分において、互いに逆方向に移動されることが好ましい。
【0015】
また、本発明の現像装置においては、体積平均粒径が3〜5μmであるトナーと、トナーの体積平均粒径をDt〔μm〕とするとき、体積平均粒径が5×Dt〜10×Dt〔μm〕であるキャリアとからなる二成分現像剤が用いられることが好ましい。
【0016】
本発明の画像形成装置は、潜像担持体と、当該潜像担持体上に形成される静電潜像を現像してトナー像を形成するトナー像形成手段とを有する画像形成装置において、
トナー像形成手段は、上記のいずれかに記載の現像装置よりなり、
潜像担持体の移動速度をV〔mm/sec〕、潜像担持体上に形成されるトナー像の単位面積当たりの最大付着量をM〔mg/cm2 〕、潜像担持体上に形成されるトナー像の当該潜像担持体の移動方向に直交する方向における最大幅をL〔mm〕、第1の現像剤撹拌手段によるその回転軸方向に対する現像剤移動量をW〔g/sec〕、第1の現像剤撹拌手段の回転数をR〔rpm〕とするとき、下記条件(イ)および条件(ロ)を満足することを特徴とする。
【0017】
(条件イ) W ≧ M×V×L/1000
(条件ロ) R ≦ 600
【0018】
本発明の画像形成装置は、潜像担持体と、当該潜像担持体上に形成される静電潜像を現像してトナー像を形成するトナー像形成手段と、潜像担持体上のトナー像を転写材または中間転写体に転写する転写手段と、この転写手段による転写領域を通過して潜像担持体上に残留するトナーを除去するクリーニング手段と、潜像担持体より除去されたトナーをトナー像形成手段に回収して再利用するトナーリサイクル手段とを有する画像形成装置において、
トナー像形成手段は、上記のいずれかに記載の現像装置において、ハウジングの、第2の現像剤撹拌手段と第3の現像剤撹拌手段とが互いに対向する部分の上方に位置される個所であって、第2の現像剤撹拌手段による現像剤の搬送方向に対してトナー供給用開口より上流側に位置される個所に、トナーリサイクル手段によって回収されたトナーを混入するためのリサイクルトナー混入用開口が形成されてなるものよりなることを特徴とする。
【0019】
【作用】
上記構成の現像装置によれば、第1の現像剤撹拌手段と第2の現像剤撹拌手段とによって現像剤搬送速度のバランスをとり、しかも、ハウジング内の、第2の現像剤撹拌手段による現像剤の搬送方向の上流側部分に対応する位置に、第3の現像剤撹拌手段を設け、第2の現像剤撹拌手段と第3の現像剤撹拌手段とが対向する部分において、各々の周面が上方から下方に向かって互いに順方向に移動するよう回転駆動させると共に、当該2つの現像剤撹拌手段の対向部分の上方からトナーを自由落下させて補給する構造とされていることにより、トナー補給位置における補給トナーの現像剤中への沈み込みが加速されるので、第1の現像剤撹拌手段および第2の現像剤撹拌手段によって搬送される過程において、補給トナーを確実に現像剤中に均一に分散させることができると共に、十分な混合、撹拌がなされて、トナーを所期の電荷(帯電量)を有する状態にまで帯電することができる。
従って、トナーが所期の帯電状態とされた現像剤が現像剤担持体にその軸方向に対して均一なトナー濃度で供給されるので、トナーの帯電不良によるかぶりやトナー飛散の発生が確実に防止されると共に、得られる可視画像における画像濃度むらの発生が確実に防止される。
【0020】
また、第3の現像剤撹拌手段が、新トナーを現像剤中に均一に分散させる、という効果を十分に得るために必要とされる軸方向の長さが第2の現像剤撹拌手段より小さくてよいので、第3の現像剤撹拌手段を設けることによって画像形成装置それ自体が大幅に大型化することを防止することができる。
しかも、第3の現像剤撹拌手段がその回転軸方向に対する現像剤の搬送能力が実質的に零であるものであることにより、現像剤が第2の現像剤撹拌手段により搬送される過程において、第2の現像剤撹拌手段と第3の現像剤撹拌手段との間で現像剤の入れ替えが行われて、第3の現像剤撹拌手段によって現像剤が回転軸方向に搬送されることなしに周方向に撹拌されてトナーの帯電を立ち上げる構成とされているので、十分な混合撹拌時間を確保することができ、トナーを所期の電荷(帯電量)を有する状態にまで確実に帯電させることができる。
【0021】
上記構成の画像形成装置によれば、上記のような特定の構成の現像装置を備えてなり、現像プロセスが特定の動作設定条件を満足する状態で行われることにより、現像剤の十分な混合、撹拌が行われてトナーが所期の帯電量を有する状態に帯電された現像剤が回転軸方向に対して均一なトナー濃度で現像剤担持体に供給されて、潜像担持体上の潜像が現像されるので、例えば、印字率が高い画像を連続して出力することにより大量のトナー消費およびトナー補給が繰り返して行われた現像剤が用いられる場合や、未使用のトナーに比して帯電性能が劣るリサイクルトナーを含む現像剤が用いられる場合であっても、トナー飛散、かぶり、画像濃度むら等の問題が生じることが確実に防止され、画質の高い画像が確実に得られる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について図面を参照して詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の一例における構成の概略を示す説明図、図2は、本発明の現像装置の一例における構成の概略を示す部分断面図、図3は、図2に示す現像装置におけるA−A断面を示す横断断面図、図4は、図2に示す現像装置におけるB−B断面を示す横断断面図である。
【0023】
この画像形成装置は、複数の支持ローラ11、12、13、14群によって張架された状態で配設された、無端ベルト状の中間転写体(以下、「中間転写ベルト」という。)10を備えており、この中間転写ベルト10の外周面に沿って、互いに異なる色のトナー像を形成する4つのトナー像形成ユニット20Y、20M、20C、20BKが、中間転写ベルト10が各色トナー像に係るトナー像形成ユニットにおける潜像担持体の各々に対接されながら循環移動されるよう、離間して並ぶよう設けられていると共に、中間転写ベルト10の移動方向におけるトナー像形成ユニット配置領域より下流側の位置に二次転写機構26が設けられて、構成されている。
【0024】
イエロートナー像に係るトナー像形成ユニット20Yは、潜像担持体である回転されるドラム状の感光体21と、この感光体21の外周面に沿って、各々、感光体21の回転方向に対して動作順に並ぶよう配設された、帯電手段22、露光手段23、トナー像形成手段30、一次転写機構24、および感光体クリーニング手段25とにより構成されている。
また、マゼンタトナー像、シアントナー像およびブラックトナー像に係るトナー像形成ユニット20M、20Cおよび20BKも、各々、イエロートナー像に係るトナー像形成ユニット20Yと同様の構成を有するものとされている。
【0025】
各々のトナー像形成ユニットにおける感光体21、21、21、21は、いずれも、例えば、有機光導電体を含有させた例えばポリカーボネイトなどの樹脂よりなる感光層がドラム状の金属基体の外周面に形成されてなるものにより構成されている。
【0026】
各々のトナー像形成ユニットにおけるトナー像形成手段30、30、30、30は、例えば図2乃至図4に示される構成を有する現像装置により構成されている。以下、この現像装置について具体的に説明するが、本明細書においては、図2における左右方向を「前後方向」、図2における上下方向を「軸方向」、図3および図4における上下方向を「上下方向」というものとする。
【0027】
この現像装置は、内部に現像剤供給回収部32および現像剤撹拌部33が、現像剤撹拌部33が感光体21に対して後方に位置されるよう前後方向に並んだ状態で形成されたハウジング31を備えており、このハウジング31内における現像剤供給回収部32より前方の位置には、感光体21を前方に臨む壁面に開口311を有する、現像剤担持体配置部32Aが形成されている。
このハウジング31における現像剤撹拌部33を形成する後方側部分には、現像剤供給回収部32を形成する壁面の、軸方向における一方の外端を越えて軸方向外方に突出して延びる延出部分31Aが形成されている。
【0028】
ハウジング31における現像剤担持体配置部32Aには、回転されて現像剤をその周方向に担持、搬送する現像剤担持体34が、ハウジング31における開口311を介して感光体21と対向して軸方向に延びるよう回転可能に軸支されて設けられている。
現像剤担持体34は、例えば、回転可能に設けられた例えばアルミニウムなどの非磁性材料からなる現像スリーブと、この現像スリーブの内部に固定して設けられた、例えば複数の磁極を有する円柱状の磁石体とにより構成されている。
【0029】
現像剤供給回収部32には、回転されて現像剤を現像剤担持体34に供給すると共に、トナーが消費された現像剤を回収して現像剤供給回収手段35に担持されたままの現像剤と共に現像剤撹拌部33に戻す現像剤供給回収手段35が現像剤担持体34の回転軸方向に沿って延びるよう回転可能に軸支されて設けられている。
現像剤撹拌部33には、第1の現像剤撹拌手段36および第2の現像剤手段37が、前後方向に並んだ位置において、互いに対向して軸方向に延びるよう、回転可能に軸支されて設けられている。
【0030】
現像剤供給回収手段35は、例えば図5に示されるように、円柱状の軸部材42の外周面に例えば4つの平板状の羽根部材41、41、41、41の各々が軸部材42の外周面における周方向に互いに等間隔毎に離間した位置において径方向外方に延びるよう設けられてなる十字パドル形状の回転部材40により構成されている。
【0031】
現像剤供給回収手段35は、現像剤担持体34および現像剤供給回収手段35の両者が対向する部分において現像剤担持体34と互いに逆方向に移動されるよう、回転されることが好ましい。これにより、現像剤供給回収手段35から現像剤担持体34に供給される現像剤と、現像剤担持体34上でトナーが消費され、現像剤供給回収手段35に回収される現像剤との入れ替えを確実に行うことができ、従って、現像剤担持体34上の現像剤のトナー濃度は均一となり、画像濃度むらの発生を確実に防止することができる。
【0032】
第1の現像剤撹拌手段36および第2の現像剤撹拌手段37は、現像剤を軸方向に対して互いに逆方向に搬送しながら混合、撹拌するものであって、軸方向に対する現像剤の搬送能力が同等の大きさのものにより構成されており、これにより、現像剤が、第1の現像剤撹拌手段36および第2の現像剤撹拌手段37の両者によって搬送速度のバランスがとられた状態で、循環搬送される。
第1の現像剤撹拌手段36および第2の現像剤撹拌手段37は、いずれも、軸方向のトナー濃度むらの発生を防止するという観点から、軸方向に対する現像剤の搬送能力が高い回転部材により構成されていることが好ましい。
【0033】
この例における第1の現像剤撹拌手段36および第2の現像剤撹拌手段37は、例えば図6に示されているように、円柱状の軸部材46の外周面の全周にわたって軸方向に均一な大きさのピッチpで螺旋状に延びるよう形成された螺旋状羽根部材よりなる撹拌部材47を有するスクリュー形状の回転部材45により構成されており、現像剤の搬送方向における下流側の端部部分(図2における下端側部分)が板状の羽根部材(図示せず)が軸部材46の外周面に設けられてなるパドル状のものとされている。
【0034】
上記の現像装置においては、ハウジング31における第2の現像剤撹拌手段37による現像剤の搬送方向の上流側部分に対応する部分、すなわち、ハウジング31の延出部分31Aには、ハウジング31の後端面より後方に突出して、いわば補給トナーの予備撹拌部ともいうべき撹拌領域を形成する突出部分31Bが形成されており、この突出部分31Bには、軸方向の長さが第2の現像剤撹拌手段37より小さい第3の現像剤撹拌手段38が、第2の現像剤撹拌手段37と対向して軸方向に延びるよう回転可能に軸支されて設けられている。
【0035】
突出部分31Bの軸方向に対する領域の大きさ、換言すれば、突出部分31Bに設けられる第3の現像剤撹拌手段38の軸方向長さは、第2の現像剤撹拌手段37と第3の現像剤撹拌手段38との間で現像剤の入れ替えが行われる過程において、後述するトナー補給手段からの補給トナーを確実に現像剤中に分散させることができる程度の大きさであれば、特に制限されるものではなく、例えば50〜200mm程度とされる。
【0036】
第3の現像剤撹拌手段38は、軸方向に対する現像剤の搬送能力が実質的に零であるものにより構成される。
具体的には、第3の現像剤撹拌手段38は、例えば図7に示されているように、複数の楕円板よりなる撹拌部材52が、当該撹拌部材52の各々に円柱状の軸部材51が貫通する状態で、当該軸部材51に対して互いに同方向に傾斜して設けられてなるパドル形状の回転部材50により構成されており、各々の撹拌部材52は、例えば所定の大きさの配置ピッチpで等間隔毎に設けられている。
【0037】
撹拌部材52の現像剤に接触する面積の大きさ、撹拌部材52の軸部材51に対する取付角の大きさα、隣接する2つの撹拌部材52、52の軸方向に対する離間距離(配置ピッチ)の大きさpおよびその他の構成は、目的に応じて適宜に設定することができる。
【0038】
第2の現像剤撹拌手段37および第3の現像剤撹拌手段38は、これら2つの現像剤撹拌手段が互いに対向する部分において、各々の周面が上方から下方に向かって互いに順方向に移動されるよう、適宜の駆動機構によって回転される。この例においては、第2の現像剤撹拌手段37および第3の現像剤撹拌手段38がギアにより連動される構成とされているが、互いに独立した駆動機構により回転される構成であってもよい。
【0039】
ハウジング31の延出部分31Aにおける天面板31Cの、第2の現像剤撹拌手段37および第3の現像剤撹拌手段38の両者が互いに対向する部分の上方に位置される個所には、図示しないトナー補給機構よりの未使用のトナー(以下においては、「新トナー」という。)を現像剤撹拌部33に供給するためのトナー供給用開口31Dが形成されている。
トナー補給機構は、現像により消費したトナー量に応じて新トナーを補給する機能を有し、これにより、現像剤におけるトナー濃度が一定となる状態に維持される。
【0040】
この現像装置においては、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤が用いられる。
二成分現像剤を構成するトナーは、体積平均粒径が3〜5μmであるものであることが好ましい。体積平均粒径が3〜5μmである小粒径トナーを使用することにより、高解像性と優れた細線再現性を有するトナー画像を確実に形成することができ、また、ソリッド部においては画像濃度の安定したトナー画像を確実に形成することができる。
キャリアは、トナーの体積平均粒径をDt〔μm〕とするとき、体積平均粒径が5×Dt〜10×Dt〔μm〕であるものであることが好ましい。体積平均粒径がトナーの体積平均粒径の5倍〜10倍の大きさであるキャリアを使用することにより、小粒径トナーを用いた場合でもキャリア表面の帯電付与性能を向上させることができ、これにより、かぶりやトナー飛散の発生を確実に防止することができ、しかも、キャリア付着の発生を確実に防止することができ、従って、均一な画像濃度を有すると共にきめの細かい画質の高い画像を確実に得ることができる。
【0041】
以上の画像形成装置においては、トナー像形成手段30による現像処理が、下記条件(イ)および条件(ロ)を満足する動作設定条件に調整された状態において、行われる。
条件(イ); W ≧ M×V×L/1000
条件(ロ); R ≦ 600
【0042】
上記条件(イ)および条件(ロ)において、Vは、感光体21の周速度〔mm/sec〕、Mは、感光体21上に形成されるトナー像の単位面積当たりの最大付着量〔mg/cm2 〕、Lは、感光体21上に形成されるトナー像の、感光体21の移動方向に直交する方向(軸方向)の最大幅〔mm〕、Wは、第1の現像剤撹拌手段36による軸方向に対する現像剤移動量〔g/sec〕、Rは、第1の現像剤撹拌手段36の回転数を、それぞれ示す。
【0043】
第1の現像剤撹拌手段36による軸方向に対する現像剤移動量Wが過小である場合には、第1の現像剤撹拌手段36による現像剤の搬送方向における下流側の現像剤供給領域において、現像剤中のトナー濃度が低下して十分な量のトナーを現像領域に供給することが困難となり、画像濃度むらが発生しやすくなる。
第1の現像剤撹拌手段36の回転数Rが過大である場合には、ハウジング31によって支持されている軸部が加熱されることによって現像剤が劣化しやすくなり、画質の高い画像を確実に形成することが困難である。
【0044】
上記の画像形成装置においては、次のようにして画像形成動作が行われる。
すなわち、先ず、トナー像形成ユニット20Y、20M、20C、20BKの各々において、帯電手段22による帯電処理および露光手段23による露光処理が行われて感光体21上に原稿画像に対応した静電潜像が形成され、トナー像形成手段30による現像処理が行われて感光体21の各々に各色トナー像が形成される。
【0045】
具体的には、トナー像形成手段30による静電潜像の現像処理が行われるに際しては、現像剤撹拌部33において、現像剤が、第1の現像剤撹拌手段36および第2の現像剤撹拌手段37によって循環搬送される過程において、これら2つの現像剤撹拌手段によって混合、撹拌され、これにより、トナーが所定の大きさの帯電量を有する状態に摩擦帯電された状態で、現像剤供給回収手段35によって現像剤担持体34の表面に軸方向の全域にわたって供給され、そして、現像剤担持体34上に磁気ブラシが形成されながら周方向に担持搬送され、現像剤規制部材39によって磁気ブラシが穂切りされて現像剤搬送量が適正な量に規制された状態で、現像領域において、磁気ブラシが感光体21の表面に接触されると共に適正な大きさに制御された現像バイアスが印加されることにより感光体21上に形成された静電潜像に従ってトナーが付着して現像が行われ、これにより、トナー像が形成される。
現像領域においてトナーが消費された現像剤は、現像剤供給回収手段35によって回収されて現像剤担持体34に供給されずに現像剤供給回収手段35に担持されたままの状態の現像剤(現像剤供給回収部32に残留する現像剤)とともに現像剤撹拌部33に戻され、例えば、第1の現像剤撹拌手段36の、その現像剤の搬送方向の下流側の位置に設けられたトナー濃度センサにより現像剤の透磁率を検知することにより検出されるトナー濃度に基づいて、トナーの消費量に応じた新トナーがトナー補給機構により現像剤撹拌部33に補給される。
【0046】
そして、一次転写機構24により各色トナー像が中間転写ベルト10上に順次に一次転写されて重ね合わせられることにより中間転写ベルト10上にカラートナー像が形成され、このカラートナー像は中間転写ベルト10に担持されたままの状態で二次転写領域に搬送され、二次転写領域において、搬送されてきた転写材P上に二次転写機構26によって二次転写され、その後、図示しない定着手段による定着処理が行われ、これにより、可視画像が形成される。
【0047】
而して、上記構成の画像形成装置によれば、トナー像形成手段30が、第1の現像剤撹拌手段36と第2の現像剤撹拌手段37とによって現像剤搬送速度のバランスをとり、しかも、ハウジング31内の、第2の現像剤撹拌手段37による現像剤の搬送方向の上流側部分に対応する位置に、第3の現像剤撹拌手段38を設け、第2の現像剤撹拌手段37と第3の現像剤撹拌手段38とが対向する部分において、各々の周面が上方から下方に向かって互いに順方向に移動するよう回転駆動させると共に、当該2つの現像剤撹拌手段の対向部分の上方からトナーを自由落下させて補給する構造とされていることにより、トナー補給位置における新トナーの現像剤中への沈み込みが加速されるので、第1の現像剤撹拌手段36および第2の現像剤撹拌手段37によって搬送される過程において、新トナーを確実に現像剤中に均一に分散させることができ、しかも、十分な混合、撹拌がなされ、現像剤の搬送速度を低下させることなしに、トナーが所期の電荷を有する状態にまで帯電させることができる。
【0048】
すなわち、トナー補給機構からの新トナーを、第2の現像剤撹拌手段37および第3の現像剤撹拌手段38の撹拌動作によって延出部分31A(補給位置)において現像剤中に沈み込ませた状態で、第2の現像剤撹拌手段37と第3の現像剤撹拌手段38との間で現像剤の入れ替えが、現像剤が一定の距離だけ軸方向に移動する間に繰り返し行われ、第3の現像剤撹拌手段38によって軸方向に搬送されることなしに周方向に撹拌されて、いわば予備混合撹拌が行われた後、第2の現像剤撹拌手段37によって撹拌されながら軸方向に搬送されることとなり、その結果、十分な混合撹拌時間が確保され、撹拌性能が高い回転部材を単に第1の現像剤撹拌手段36および第2の現像剤撹拌手段37として用いた構成とするだけでは、トナーを速やかに所期の帯電状態とすること(トナーの帯電立ち上がり特性を急峻なものとすること)が困難である、という問題が生ずることが確実に防止されて、現像剤が、トナーが現像剤中に均一に分散され、かつ、所期の電荷(帯電量)を有する状態にまで帯電された状態で、現像剤供給回収手段35によって現像剤担持体34に供給される。
従って、トナーが所期の帯電状態とされた現像剤が現像剤担持体34に軸方向に対して均一なトナー濃度で供給された状態において、感光体21上の静電潜像が現像されるので、トナーの帯電不良によるかぶりやトナー飛散の発生が確実に防止されると共に、得られる可視画像における画像濃度むらの発生が確実に防止され、画像濃度やカラーバランスの整った画質の高い画像が確実に得られる。
【0049】
また、ハウジング31が延出部分31Aを有することにより、基本的に、より一層長い現像剤の循環搬送路が得られて現像剤の混合撹拌時間を長くすることができ、しかも、延出部分31Aにトナー補給用開口31Dを形成することによって、新トナーが不十分な帯電状態のまま現像領域に供給されて悪影響を与えることが確実に防止される。
【0050】
また、特定の条件(イ)および条件(ロ)を満足する状態で現像プロセスが行われることにより、現像剤を、軸方向に対するトナー濃度むらがない、換言すれば軸方向のトナー濃度差が極めて小さい状態で、現像領域に供給することができ、画像濃度むらのない均一な画像濃度を有する画像を得ることができる。また、第1の現像剤撹拌手段36の回転数Rが600rpm以下に設定されること(条件(ロ))により、第1の現像剤撹拌手段36を高速に回転させた場合に軸部が加熱されることによって現像剤が劣化することを確実に防止することができる。
【0051】
更に、第3の現像剤撹拌手段38は、新トナーを現像剤中に均一に分散させる、という効果を十分に得るために必要とされる軸方向の長さが第2の現像剤撹拌手段37より小さく、しかも、画像形成装置本体に設けられる補給用トナーを収容する容器を設置することに伴って不可避的に形成される空間を利用してハウジング31の突出部分31Bを合理的に配置することができるので、第3の現像剤撹拌手段38を設けることに起因して画像形成装置それ自体が大幅に大型化することを防止することができる。
【0052】
以上のように、上記構成の画像形成装置によれば、トナーとキャリアとが十分に混合撹拌されて、十分なトナーの帯電立ち上がり特性が得られ、しかも、現像剤が軸方向に対して均一なトナー濃度で現像領域に供給されるので、例えば、印字率が高い画像を連続して出力することにより大量のトナー消費とトナー補給が繰り返し行われた現像剤が用いられる場合や、高速、例えば1分間当たりのプリント枚数が50枚以上となるようなプロセス速度で画像形成動作が行われる場合であっても、かぶりやトナー飛散が生ずることがなく、しかも画像濃度むらのない均一な画像濃度の画像を確実に形成することができる。
【0053】
以上、本発明の好適な一実施形態について説明したが、本発明の現像装置においては、第1の現像剤撹拌手段36、第2の現像剤撹拌手段37および第3の現像剤撹拌手段38は、いずれも、上記構成のものに限定されるものではなく、第1の現像剤撹拌手段36および第2の現像剤撹拌手段37が、同等の軸方向に対する現像剤の搬送能力を有する構成のもの、また、第3の現像剤撹拌手段38が、軸方向に対する現像剤の搬送能力が実質的に零である構成のものであれば、実用上十分な効果を得ることができる。
【0054】
例えば、第1の現像剤撹拌手段36および第2の現像剤撹拌手段37は、図8および図9に示される構成の回転部材により構成されてもよい。
具体的に説明すると、図8および図9に示されている回転部材55、60は、いずれも、軸方向に対するトナー濃度むらの発生を防止するために必要とされる十分な現像剤搬送能力を有し、かつ、現像剤撹拌能力が図6に示されている通常のスクリュー形状の回転部材45より高いものとされている。
【0055】
図8に示されている回転部材55は、円柱状の軸部材56の外周面の全周にわたって軸方向に均一な大きさのピッチpで螺旋状に延びる螺旋状羽根部材よりなる主撹拌部材57が形成されていると共に、軸部材56の外周面に径方向外方に向かって延びる棒状または板状の垂直羽根部材よりなる補助撹拌部材58がスクリューピッチp間毎に例えば一つずつ設けられてなるものである。この例においては、補助撹拌部材58は、主撹拌部材57のスクリューピッチp間の回転軸方向における中央位置に配設されている。
【0056】
図9に示されている回転部材60は、円柱状の軸部材61の外周面の全周にわたって軸方向に所定の大きさのピッチpで螺旋状に伸びるよう形成された螺旋状羽根部材よりなる撹拌部材62を有してなり、撹拌部材62の外周縁部に軸方向に貫通して延びる切欠部63が形成されてなるものである。この例においては、切欠部63は、例えば1スクリューピッチ当たりに4箇所ずつ、周方向に互いに等間隔毎に離間した位置に形成されている。
【0057】
以上のような回転部材55、60により第1の現像剤撹拌手段36および第2の現像剤撹拌手段37が構成された現像装置によれば、基本的には、十分な大きさの現像剤の搬送速度が得られて現像剤担持体34に供給される現像剤の軸方向に対するトナー濃度むらの発生が防止され、しかも、十分なトナーの帯電立ち上がり特性が一層確実に得られ、トナー飛散、かぶり、画像濃度むら等の問題が生じることが確実に防止される。
【0058】
本発明においては、第3の現像剤撹拌手段38は、トナー補給位置において、新トナーを沈み込ませて確実に現像剤中に分散させることができ、その結果、第2の現像剤撹拌手段37によって現像剤が搬送される過程において、十分なトナーの帯電立ち上がり特性が確実に得られるという観点から、現像剤撹拌能力が高いものである程、好ましい。
【0059】
図10および図11は、本発明の現像装置において第3の現像剤撹拌手段38として用いられる回転部材の一層好適な構成例を示す斜視図である。
【0060】
図10に示されている回転部材70は、互いに平行に軸方向に延びる複数(例えば4つ)の板状のリブ部材71の各々がその両端部が円板状のフランジ部材72、72に固定されて設けられてなるフレーム70Aを備え、複数の楕円板状の撹拌部材73がフレーム70Aの回転中心軸に対して互いに同方向に傾斜した状態でリブ部材71によって支持されて構成されており、各々の撹拌部材73は、所定の大きさの配置ピッチpで等間隔毎に設けられている。
この回転部材70は、軸方向外方に向かって延びる軸部材(図示せず)がフランジ部材72、72の各々に設けられて現像装置におけるハウジング31により回転可能に軸支されて設けられ、軸部材を中心に回転されることにより、現像剤撹拌部33における現像剤が第2の現像剤撹拌手段37により搬送される過程において、主撹拌部材として機能する楕円板状の撹拌部材73により周方向に撹拌されると共に補助撹拌部材としてのリブ部材71により周方向に撹拌される。
【0061】
図11に示されている回転部材80は、回転軸方向に延びる円柱状の軸部材81と、この軸部材81をその両端部において保持する2つの円板状のフランジ部材82、82と、これらのフランジ部材82、82に固定されて設けられた、各々、軸部材81とその径方向に離間した位置において、軸部材81に沿って軸方向に延びる板状のリブ部材83と、軸部材81に垂直な平面に沿って、軸部材81が貫通する状態でリブ部材83により支持されて設けられた複数の板状の主撹拌部材84とにより構成されている。
各々の主撹拌部材84は、いずれも、中心角が所定の大きさの切欠部84Aを有する円板状のものであって、隣接する2つの主撹拌部材84、84における切欠部84A、84Aが軸部材81の互いに反対方向の周縁位置に位置されるよう、互いに軸方向に所定の大きさの配置ピッチpで等間隔毎に離間して並んだ位置において設けられている。
【0062】
以上のような回転部材70、80により第3の現像剤撹拌手段38が構成される場合においては、主撹拌部材73、84の現像剤に接触する面積の大きさ、隣接する2つの主撹拌部材の軸方向に対する離間距離(ピッチ)pの大きさ、リブ部材71、83の現像剤に接触する面積の大きさおよびその他の構成は、目的に応じて適宜に設定することができる。
【0063】
上記のような補助撹拌部材71、83を有する回転部材70、80により第3の現像剤撹拌手段38が構成されてなる現像装置によれば、上述したような作用、効果が一層確実に得られ、トナーの帯電不良によるかぶりやトナー飛散が生ずることが確実に防止されると共に、現像剤担持体34に供給される現像剤の軸方向に対するトナー濃度の不均一性による画像濃度むらが生ずることが確実に防止される。
従って、このような現像装置を備えてなる画像形成装置によれば、十分な撹拌が行われてトナーが所期の帯電量を有する状態に帯電された現像剤が現像剤担持体34に軸方向に対して均一なトナー濃度で供給され、感光体21上の静電潜像が現像されるので、トナー飛散、かぶり、画像濃度むら等の問題が生じることが確実に防止され、画質の高い画像が確実に得られる。
【0064】
以上においては、本発明を複数のトナー像形成ユニットを備えてなるカラー画像形成用の画像形成装置に適用した場合について説明したが、このような構成の画像形成装置に限定されるものではなく、種々の構成のものに有効に適用することができ、例えばモノクロ画像形成用の画像形成装置に適用した場合であっても、上記のような作用、効果が減じられるものではない。
【0065】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る画像形成装置は、感光体クリーニング手段により除去されたトナーをトナー像形成手段に回収して再利用するトナーリサイクル手段を有するものとされている。
図12は、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置における構成の概略を示す説明図である。
この画像形成装置は、潜像担持体である回転されるドラム状の感光体110を備えてなり、この感光体110の外周面に沿って、帯電手段111、露光手段112、トナー像形成手段120、転写手段113、分離手段114、および感光体クリーニング手段115が、各々、感光体110の回転方向に対して動作順に並んで配置されて構成されており、感光体クリーニング手段115によって感光体110より除去されたトナーをトナー像形成手段120に回収する回収搬送手段131を有するトナーリサイクル手段130が設けられている。図12における132は、感光体クリーニング手段115によって感光体110上より掻き取られたトナーを、感光体110の軸方向に搬送する搬送手段である。
この画像形成装置におけるトナー像形成手段120は、例えば図13に示されているように、基本的な構成は、上記第1実施形態における現像装置(図2乃至図4)と同様のものとされており、ハウジング31の延出部分31Aの天面板31Cにおける、第2の現像剤撹拌手段37および第3の現像剤撹拌手段38が互いに対向する部分の上方位置であって、第2の現像剤撹拌手段37による現像剤の搬送方向におけるトナー供給用開口31Dより上流側の位置に、トナーリサイクル手段130によって回収されたトナー(以下、「リサイクルトナー」という。)を混入するためのリサイクルトナー混入用開口133が形成されている。
【0066】
リサイクルトナー混入用開口133が形成される軸方向における位置は、第2の現像剤撹拌手段37による現像剤の搬送方向に対してトナー補給機構による新トナーのトナー供給用開口31Dの形成位置と所定の順序を満足する状態で形成されてさえいれば、特に制限されないが、第2の現像剤撹拌手段37による現像剤の搬送方向に対してトナー供給用開口31Dの形成位置より5〜30mm上流側の位置に形成されていることが実用上好ましい。
【0067】
リサイクルトナーは、現像剤におけるリサイクルトナーの新トナーに対する比率(リサイクルトナー比率)が50質量%以下である状態が維持されるよう、その供給量が調整された状態において現像剤撹拌部33に混入される。
【0068】
上記構成の現像装置によれば、基本的には、上述したように、新トナーは、トナー補給位置において、第2の現像剤撹拌手段37および第3の現像剤撹拌手段38の撹拌動作(回転)によって現像剤中への沈み込みが加速され、現像剤が、第1の現像剤撹拌手段36および第2の現像剤撹拌手段37によって搬送される過程において、トナーが現像剤中に均一に分散され、しかも、現像剤の搬送速度を低下させることなしに十分に混合、撹拌されるので、トナーが所期の電荷(帯電量)を有する状態にまで帯電された状態で、現像剤を現像剤供給回収手段35によって軸方向に対して均一なトナー濃度で現像剤担持体34に供給することができ、しかも、リサイクルトナー混入用開口133が現像剤撹拌部33における現像剤の搬送方向におけるトナー供給用開口31Dより上流側に形成されていることにより、新トナーに比して流動性が悪く帯電性が低い(帯電しにくい、帯電立ち上がりが悪い)リサイクルトナーについても十分な混合、撹拌がなされるので、リサイクルトナーについても十分な帯電立ち上がり特性を得ることができ、従って、トナーの帯電不良によるかぶりやトナー飛散の発生を確実に防止することができると共に、得られる可視画像における画像濃度むらの発生を確実に防止することができる。
【0069】
従って、このような現像装置を備えてなる画像形成装置によれば、トナーとキャリアとが十分に混合撹拌されて、十分なトナーの帯電立ち上がり特性が得られ、しかも、現像剤が軸方向に対して均一なトナー濃度で現像領域に供給されるので、例えば、印字率が高い画像を連続して出力することにより大量のトナー消費とリサイクルトナーを含むトナー補給が繰り返し行われた現像剤が用いられる場合や、高速、例えば1分間当たりのプリント枚数が50枚以上となるようなプロセス速度で画像形成動作が行われる場合であっても、かぶりやトナー飛散が生ずることがなく、しかも画像濃度むらのない均一な画像濃度を有する画質の高い画像を確実に形成することができる。
【0070】
また、第3の現像剤撹拌手段38は、新トナーを現像剤中に均一に分散させる、という効果を十分に得るために必要とされる軸方向の長さが第2の現像剤撹拌手段37より小さくてよく、しかも、画像形成装置本体に設けられる補給用トナーを収容する容器やトナーリサイクル手段130を設置することに伴って不可避的に形成される空間を利用してハウジング31における突出部分31Bを合理的に配置することができるので、第3の現像剤撹拌手段38を設けることに起因して画像形成装置それ自体が大幅に大型化することを防止することができる。
【0071】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の態様に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
例えば、現像剤供給回収手段、第1の現像剤撹拌手段、第2の現像剤撹拌手段および第3の現像剤撹拌手段を構成する回転部材の具体的な構成、例えば、螺旋状羽根部材のピッチの大きさ、板状の撹拌部材の配置ピッチの大きさ、板状の撹拌部材の軸部材または回転中心軸に対する取付角の大きさ、補助撹拌部材の形状および大きさ、回転部材の回転数(現像剤の軸方向に対する搬送速度)およびその他の構成は目的に応じて適宜設定することができる。
また、ハウジング31に延出部分31Aを形成すると共に、この延出部分31Aの後端部に後方に突出する突出部分31Bを形成して第3の現像剤撹拌手段38を配置した構成とされているが、延出部分を有さない構成のものであってもよく、例えば、第1の現像剤撹拌手段と第2の現像剤撹拌手段との間に隔壁を設け、第2の現像剤撹拌手段による現像剤の搬送方向の上流側部分に対応する位置に後方突出部分を形成して第3の現像剤撹拌手段を後方突出部分に配置した構成とすることができる。このような構成の現像装置においても、実用上十分な効果が得られる。
【0072】
以下に、本発明の効果を確認するために行った実験例について説明する。
【0073】
〔回転部材の作製〕
現像剤供給回収手段、第1の現像剤撹拌手段、第2の現像剤撹拌手段および第3の現像剤撹拌手段として用いられる回転部材(回転部材A〜P)を作製した。
【0074】
(回転部材A)
図6に示される構成に従って、螺旋状羽根部材(撹拌部材)が右上方に巻き上がるように(左巻き)軸部材の外周面に形成された螺旋状スクリューを作製すると共に、この螺旋状羽根部材による現像剤の搬送方向下流側の長さ30mmにわたる端部領域を4つの平板状羽根部材よりなる撹拌部材が軸部材の外周面に径方向外方に延びる状態で設けられてなるパドル形状とした回転部材Aを作製した。そして、この回転部材Aの両端部に、外径寸法が24mmである円板状のフランジ部材を軸部材を挿通させた状態で設けた。この回転部材Aの具体的な諸元は、以下に示す通りである。
最大外径(d):24mm、軸部を除く回転軸方向長さ(螺旋状羽根部材および板状羽根部材が設けられた領域の大きさ):440mm、軸部材の外径:6mm、螺旋状羽根部材のスクリューピッチ(p):30mm、螺旋状羽根部材の厚み:1mm
【0075】
(回転部材B)
回転部材Aにおいて、螺旋状羽根部材を左上方に巻き上がるように(右巻き)軸部材の外周面に形成したことの他は回転部材Aと同様の構成を有する回転部材Bを作製した。
【0076】
(回転部材C)
図9に示される構成に従って、螺旋状羽根部材(撹拌部材)が右上方に巻き上がるように(左巻き)軸部材の外周面に形成され、この螺旋状羽根部材の外周縁部に切欠部が形成されてなる螺旋状スクリューを作製すると共に、この螺旋状羽根部材による現像剤の搬送方向下流側の長さ30mmにわたる端部領域を4つの平板状の撹拌部材が軸部材の外周面に径方向外方に延びる状態で設けられてなるパドル形状とした回転部材Cを作製した。そして、この回転部材Cの両端部に、外径寸法が24mmである円板状のフランジ部材を軸部材を挿通させた状態で設けた。この回転部材Cの具体的な諸元は、以下に示す通りである。
最大外径(d):24mm、軸部を除く回転軸方向長さ(螺旋状羽根部材が設けられた領域の大きさ):440mm、軸部材の外径:6mm、螺旋状羽根部材のスクリューピッチ(p):30mm、螺旋状羽根部材の厚み:1mm、切欠部の径方向長さ(t):5mm、切欠部の周方向長さ(w):2mm、切欠部の形成箇所:1ピッチ当たり4箇所ずつ周方向に対して等間隔毎に形成
【0077】
(回転部材D)
図8に示される構成に従って、右上方に巻き上がるように(左巻き)軸部材の外周面に形成された螺旋状羽根部材(主撹拌部材)を有すると共に、径方向外方に延びる複数の板状の垂直羽根部材(補助撹拌部材)を有する螺旋状スクリューを作製すると共に、この螺旋状羽根部材による現像剤の搬送方向下流側の長さ30mmにわたる端部領域を4つの平板状の撹拌部材が軸部材の外周面に径方向外方に延びる状態で設けられてなるパドル形状とした回転部材Dを作製した。そして、この回転部材Dの両端部に、外径寸法が24mmである円板状のフランジ部材を軸部材を挿通させた状態で設けた。この回転部材Dの具体的な諸元は、以下に示す通りである。
最大外径(d):24mm、軸部を除く回転軸方向長さ(螺旋状羽根部材が設けられた領域の大きさ):440mm、軸部材の外径:6mm、螺旋状羽根部材のスクリューピッチ(p):30mm、螺旋状羽根部材の厚み:1mm、垂直羽根部材の配置位置:1ピッチ当たりに1つずつ、螺旋状羽根部材のピッチ間の中央位置に配置、垂直羽根部材の回転軸方向長さ(w):3mm、垂直羽根部材の径方向長さ(h):8mm、垂直羽根部材の厚み:1mm
【0078】
(回転部材E)
回転部材Dにおいて、垂直羽根部材の回転軸方向長さ(w)を12mmとし、垂直羽根部材を、1ピッチ当たりに4つずつ周方向に対して等間隔毎に、螺旋状羽根部材のピッチ間の中央位置に配置したことの他は回転部材Dと同様の構成を有する回転部材Eを作製した。
【0079】
(回転部材F)
回転部材Dにおいて、垂直羽根部材の回転軸方向長さ(w)を20mmとし、垂直羽根部材を、1ピッチ当たりに4つずつ周方向に対して等間隔毎に、螺旋状羽根部材のピッチ間の中央位置に配置したことの他は回転部材Dと同様の構成を有する回転部材Fを作製した。
【0080】
(回転部材G)
図14に示される構成に従って、右上方に巻き上がるように(左巻き)軸部材(66)の外周面に形成された螺旋状羽根部材(67)を有すると共に、螺旋状羽根部材の外周縁における軸部材を挟んで対向した位置に形成された、各々、回転軸方向に延びる2つの平板状のリブ部材(68)を有する螺旋状スクリュー (65)を作製すると共に、この螺旋状羽根部材による現像剤の搬送方向下流側の長さ30mmにわたる端部領域を4つの平板状の撹拌部材が軸部材の外周面に径方向外方に延びる状態で設けられてなるパドル形状とした回転部材Gを作製した。そして、この回転部材Gの両端部に、外径寸法が24mmである円板状のフランジ部材を軸部材を挿通させた状態で設けた。この回転部材Gの具体的な諸元は、以下に示す通りである。
最大外径:24mm、軸部を除く回転軸方向長さ(螺旋状羽根部材および板状羽根部材が設けられた領域の大きさ):440mm、軸部材の外径:6mm、螺旋状羽根部材のスクリューピッチ(p):30mm、螺旋状羽根部材の厚み:1mm、リブ部材の径方向長さ(t):3mm、リブ部材の厚み:1mm
【0081】
(回転部材H)
回転部材Gにおいて、リブ部材の各々の径方向長さを5mmとしたことの他は回転部材Gと同様の構成を有する回転部材Hを作製した。
【0082】
(回転部材I)
回転部材Gにおいて、4つのリブ部材を螺旋状羽根部材の外周縁における、周方向に対して等間隔毎に離間した位置に、設けたことの他は回転部材Gと同様の構成を有する回転部材Iを作製した。
【0083】
(回転部材J)
図5に示される構成に従って、軸部材の外周面に4つの平板状のリブ部材(撹拌部材)を有する十字パドル形状の回転部材Jを作製した。そして、この回転部材Jの両端部に、外径寸法が24mmである円板状のフランジ部材を軸部材を挿通させた状態で設けた。この回転部材Jの具体的な諸元は、以下に示す通りである。
最大外径(d):24mm、軸部を除く軸方向長さ(撹拌部材が設けられた領域の軸方向長さ):110mm、軸部材の外径:6mm、リブ部材の径方向長さ(l):9mm、リブ部材の厚み:1mm
【0084】
(回転部材K)
図11に示される構成に従って、複数の板状部材(主撹拌部材)を有すると共に、4つの平板状のリブ部材(補助撹拌部材)が、板状部材の外周縁における、周方向に対して等間隔毎に離間した位置において、回転軸方向に延びるよう設けられた、パドル形状の回転部材Kを作製した。そして、この回転部材Kの両端部に、外径寸法が24mmである円板状のフランジ部材を軸部材を挿通させた状態で設けた。この回転部材Kの具体的な諸元は、以下に示す通りである。
最大外径(d):24mm、軸部を除く軸方向長さ(撹拌部材が設けられた領域の大きさ):110mm、軸部材の外径:6mm、板状部材の配置ピッチ(p):25mm、板状部材の軸部材に対する取付角度:90゜、板状部材の中心角(板状部材が設けられる軸部材の角度領域):270゜、板状部材の厚み:1mm、リブ部材の径方向長さ(t):5mm、リブ部材の厚み:1mm
【0085】
(回転部材L)
図7に示される構成に従って、複数の楕円板状部材(撹拌部材)を有するパドル形状の回転部材Lを作製した。そして、この回転部材Lの両端部に、外径寸法が24mmである円板状のフランジ部材を軸部材を挿通させた状態で設けた。この回転部材Lの具体的な諸元は、以下に示す通りである。
最大外径(d):24mm、軸部を除く回転軸方向長さ(楕円板状部材が設けられた領域の大きさ):110mm、軸部材の外径:6mm、楕円板状部材の軸部材に対する取付角度(α):45°、楕円板状部材の配置ピッチ(p):25mm、楕円板状部材の厚み:1mm
【0086】
(回転部材M)
図10に示される構成に従って、複数の楕円板状部材(主撹拌部材)を有すると共に、4つの平板状のリブ部材(補助撹拌部材)が、楕円板状部材の外周縁における、周方向に対して等間隔毎に離間した位置において、回転軸方向に延びるよう設けられた、パドル形状の回転部材Mを作製した。そして、この回転部材Mの両端部に、外径寸法が24mmである円板状のフランジ部材を軸部材を挿通させた状態で設けた。この回転部材Mの具体的な諸元は、以下に示す通りである。
最大外径(d):24mm、軸部を除く回転軸方向長さ(楕円板状部材が設けられた領域の大きさ):110mm、軸部材の外径:6mm、楕円板状部材の軸部材に対する取付角度(α):45°、楕円板状部材の配置ピッチ(p):25mm、楕円板状部材の厚み:1mm、リブ部材の径方向長さ(t):3mm、リブ部材の厚み:1mm
【0087】
(回転部材N)
図15に示される構成に従って、軸部材(151)に垂直な平面に対して互いに異なる方向に傾斜する第1および第2の撹拌部材配置用レベル平面の各々に沿って設けられた複数の半楕円板よりなる第1の撹拌部材(152A)群および第2の撹拌部材(152B)群を有する回転部材(150)Nを作製した。そして、この回転部材Nの両端部に、外径寸法が24mmである円板状のフランジ部材(153)を軸部材を挿通させた状態で設けた。この回転部材Nの具体的な諸元は、以下に示す通りである。
最大外径(d):24mm、軸部を除く回転軸方向長さ(撹拌部材が設けられた領域の大きさ):440mm、軸部材の外径:6mm、第1の撹拌部材群の軸部材に対する取付角度(α1):45°、第2の撹拌部材群の軸部材に対する取付角度(α2):45°、撹拌部材の配置ピッチ(p):25mm、撹拌部材の厚み:1mm
【0088】
(回転部材O)
回転部材Nにおいて、各々、径方向長さが3mmである4つの平板状のリブ部材(補助撹拌部材)を、第1の撹拌部材および第2の撹拌部材により形成される外周縁における周方向に対して等間隔毎に離間した位置において、回転軸方向に延びるよう設けたことの他は回転部材Nと同様の構成を有する回転部材Oを作製した。
【0089】
(回転部材P)
回転部材Jにおいて、軸部を除く回転軸方向長さ(撹拌部材が設けられた領域の大きさ)を360mmとしたことの他は回転部材Jと同様の構成を有する回転部材Pを作製した。
【0090】
<実験例1>
〔現像装置の作製〕
図2乃至図4に示される構成に従って、第1の現像剤撹拌手段、第2の現像剤撹拌手段および第3の現像剤撹拌手段が下記表1に従って選ばれた回転部材により構成された本発明に係る現像装置1〜6を作製した。
また、下記表1に従って選ばれた第2の現像剤撹拌手段および第3の現像剤撹拌手段を、互いに対向する部分において各々の周面が下方から上方に向かって順方向に移動するよう回転させるよう設定した比較用の現像装置7を作製した。
さらに、図16に示されるように、第3の現像剤撹拌手段を有さないことの他は図2に示されるものと同様の構成を有し、第1の現像剤撹拌手段および第2の現像剤撹拌手段が下記表1に示す組み合わせに従って選ばれた回転部材により構成された比較用の現像装置8〜17を作製した。
表1における第1の現像剤撹拌手段の回転方向は、現像剤供給回収手段との対向部分における第1の現像剤撹拌手段の周面の移動方向を示し、現像剤供給回収手段と互いに逆方向に移動されるよう回転される。
【0091】
現像剤担持体を構成する現像スリーブは、外径が30mm、軸方向長さが330mmであるものである。
現像剤供給回収手段としては、上記回転部材P(十字パドル形状のもの)を用いた。
本発明に係る現像装置1〜6および比較用の現像装置7におけるトナー供給用開口の形成位置は、第2の現像剤撹拌手段と第3の現像剤撹拌手段とが互いに対向する部分の上方位置であって、第2の現像剤撹拌手段による現像剤の搬送方向における上流側の端縁から15mm下流側の位置である。
比較用の現像装置8〜17の各々におけるトナー供給用開口の形成位置は、第2の現像剤撹拌手段の後方側の端縁部分の上方位置であって、第2の現像剤撹拌手段による現像剤の搬送方向における上流側の端縁から15mm下流側の位置である。
【0092】
現像剤としては、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーおよびブラックトナーの各々に係る現像剤のいずれのものも、トナー濃度が7質量%である二成分現像剤を用い、本発明に係る現像装置1〜6および比較用の現像装置7には1100g、比較用の現像装置8〜17には1000gの現像剤を、それぞれ充填した。
トナーは、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーおよびブラックトナーのいずれのものも、体積平均粒径が4.5±0.15μm、粒径分布の標準偏差(a)と平均粒径(b)とにより示されるCV値〔a/b×100%〕が18±2%である各色の重合トナーに、大粒径シリカ0.8質量%、小粒径シリカ0.2質量%、大粒径チタニア0.2質量%、小粒径チタニア0.4質量%、ステアリン酸カルシウム0.05質量%を外添処理したものを用いた。
キャリアは、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーおよびブラックトナーの各々に係る現像剤のいずれのものも、体積平均粒径が25μm、飽和磁化60emu/gのフェライト粒子の表面に、アクリル系樹脂をフェライト粒子に対する被覆量が3質量%となる状態でコーティングしたものを用いた。
【0093】
本発明に係る現像装置1〜6および比較用の現像装置7〜17の各々を適宜の単体駆動機に装着し、第1の現像剤撹拌手段、第2の現像剤撹拌手段および第3の現像剤撹拌手段のそれぞれの回転速度を、いずれも、400rpmに設定し、第1の現像剤撹拌手段による軸方向の現像剤移動量を測定した。結果を下記表1に示す。
現像剤移動量の測定は、現像スリーブおよび現像剤供給回収手段は駆動させずに、第1の現像剤撹拌手段、第2の現像剤撹拌手段および第2の現像剤撹拌手段のみ(現像剤撹拌部)を駆動し、第1の現像剤撹拌手段の、その現像剤搬送方向下流側の現像器ハウジングの底面に現像剤排出口を設け、この現像剤排出口から単位時間当たりに排出される現像剤の重量を測定することにより行った。
【0094】
【表1】
Figure 0004225135
【0095】
〔画像形成装置〕
図1に示される構成に従って、上記の本発明に係る現像装置1〜6および比較用の現像装置7〜17の各々が搭載されたカラー画像形成用の画像形成装置1〜17を製造し、画像出力テストを以下の画像形成条件にて行った。画像形成条件は、各色トナー像に係るトナー像形成ユニットのいずれのものも同じに設定した。
【0096】
<画像形成条件>
・プロセス速度(V):220mm/sec(1分間当たりの画像出力枚数が50枚)
・現像剤供給回収手段の回転速度:400rpm
・第1の現像剤撹拌手段の回転速度:400rpm
・第2の現像剤撹拌手段の回転速度:400rpm
・第3の現像剤撹拌手段の回転速度:400rpm
・現像スリーブ回転数:210〜280rpmの範囲内で調整して、潜像担持体上の単位面積当たりのトナー付着量(M)が0.4mg/cm2 となる状態とした。
・感光体と現像スリーブとの最近接距離(現像ギャップ):0.3mm
・現像バイアス:交流バイアス(AC)成分を直流バイアス成分(DC)に重畳したもの、
交流バイアス成分;Vac=1kVpp、fac=5kHz、波形=正弦波
直流バイアス成分;感光体における最大露光部の表面電位VLの検知結果に応じてVdc=VL−500Vとなる状態に制御した。
・現像スリーブによる現像剤搬送量:25±2mg/cm2
・現像スリーブの軸方向における磁気ブラシの形成幅:320mm
・トナー補給制御:第1の現像剤撹拌手段による現像剤の搬送方向の下流側の端縁から80mm上流側の位置にトナー濃度センサ(透磁率センサ)を設けてその検知結果に応じてトナー補給モータを制御した。
トナー補給速度:最大30g/min
・感光体表面電位:
最大露光部電位(VL):−50V〜−100V
帯電電位(未露光部電位)(VH):現像バイアスにおける直流バイアス成分の設定値に応じてVH=Vdc−150Vとなる状態に制御
【0097】
画像出力テストは、下記(1)〜(6)の画像出力を4回繰り返して行い(トータルA4×2000枚)、文字/ラインパターンのかぶり(画像のかぶり)の発生有無、文字散りの発生有無、ソリッドパターンの画像濃度むらの発生有無、および機内汚れの発生有無の評価を下記評価基準に基づいて行った。結果を下記表2に示す。
(1)シアン(C)単色の文字/ライン+中間調(10段)パターン(印字率30%)を連続して50枚出力する手順。
(2)シアン(C)のソリッドパターン(印字率80%)連続150枚出力する手順。
(3)シアン(C)単色の文字/ラインパターン(印字率7%)を連続して50枚出力する手順。
(4)青(マゼンタ(M)+シアン(C))単色の文字/ライン+中間調(10段)パターン(M、Cとも印字率30%)を連続して50枚出力する手順。
(5)青(マゼンタ(M)+シアン(C))単色のソリッドパターン(マゼンタ(M)、シアン(C)とも印字率80%)を連続して150枚出力する手順。
(6)青(マゼンタ(M)+シアン(C))単色の文字/ラインパターン(マゼンタ(M)、シアン(C)とも印字率7%)を連続して50枚出力する手順。
【0098】
<評価基準>
(イ)画像のかぶり:
画像のかぶりは、未使用の用紙の反射濃度を0としたときの、文字/ラインパターン白地部の相対反射濃度を測定し、相対反射濃度が0.004以下である場合を「○」、相対反射濃度が0.004を超え、0.006以下である場合を 「△」、相対反射濃度が0.006を超える場合を「×」として評価した。
【0099】
(ロ)文字散り:
文字散りは、4ポイントの「鐘」という文字を拡大して観察したときの、文字輪郭のシャープさおよび文字の滲み度合の状態を評価した。
そして、「鐘」の文字の空間部がすっきりと抜けていて文字の輪郭が明瞭であり、文字周辺部のトナー散りも極めて少ない場合を「○」、「鐘」の文字の空間部がややつぶれいる(トナー散りでやや埋まっている)が、文字周辺部のトナー散りは少ない場合を「△」、「鐘」の文字の空間部がつぶれており(トナー散りで埋まっている)、しかも、文字周辺部のトナー散りが多く、文字の輪郭が滲んでいる場合を「×」とした。
【0100】
(ハ)画像濃度むら:
画像濃度むらは、シアン単色のソリッドパターンまたは青単色のソリッドパターンのページ内における任意の9箇所の色差(L*a*b*空間での距離)により評価した。シアン単色のソリッドパターンについての9箇所の色差が3以下であり、かつ、青単色のソリッドパターンについての9箇所の色差が7以下である場合を「○」、シアン単色のソリッドパターンについての9箇所の色差が3を超え、5以下であり、かつ、青単色のソリッドパターンについての9箇所の色差が7以下である場合、または、シアン単色のソリッドパターンについての9箇所の色差が3以下であり、かつ、青単色のソリッドパターンについての9箇所の色差が7を超え、9以下である場合を「△」、シアン単色のソリッドパターンについての9箇所の色差が3を超え、かつ、青単色のソリッドパターンについての9箇所の色差が9を超える場合を「×」とした。
【0101】
(ニ)機内汚れ:
機内汚れは、画像出力テスト終了後に現像装置を取り外し、現像装置装着部近傍の汚れの状態を目視にて観察して評価した。
そして、機内汚れが認められない場合、または現像装置装着部のみに極軽微な汚れがみられる場合を「○」、現像装置装着部の近傍(例えば両端部等)にわずかな汚れがみられる場合を「△」、現像装置装着部の汚れが周辺部(例えば帯電装置等)にまで拡大している場合を「×」とした。
【0102】
【表2】
Figure 0004225135
【0103】
<実験例2>
実験例1で用いた画像形成装置1〜6の各々について、現像装置における現像剤供給回収手段、第1の現像剤撹拌手段、第2の現像剤撹拌手段および第3の現像剤撹拌手段の回転速度を、いずれも、300rpmに設定したことの他は実験例1と同様の画像出力テストを行った。結果を下記表3に示す。
【0104】
【表3】
Figure 0004225135
【0105】
<実験例3>
〔現像装置の作製〕
実験例1で用いた、本発明に係る現像装置1、3、4および比較用の現像装置8〜17の各々において、第2の現像剤撹拌手段による現像剤の搬送方向におけるトナー供給口より8mm上流側の位置にリサイクルトナー混入用開口を形成したことの他は現像装置1、3、4と同様の構成を有する本発明に係る現像装置18〜20、および比較用の現像装置8〜17と同様の構成を有する比較用の現像装置21〜30を作製した。
【0106】
図12に示される構成に従って、上記の本発明に係る現像装置18〜20および比較用の現像装置21〜30の各々が搭載された、トナーリサイクル手段を有するモノクロ画像形成用の画像形成装置18〜30を製造した。トナーリサイクル手段は、リサイクルトナーを現像装置に搬送するための搬送手段が、単位時間当たりのトナー搬送量が最大で30g/minであるものにより構成されてなるものである。
そして、画像形成装置18〜30の各々について、プロセス速度を320mm/sec(1分間当たりの画像出力枚数が65枚)に設定すると共に、第1の現像剤撹拌手段、第2の現像剤撹拌手段および第3の現像剤撹拌手段の各々の回転速度を下記表4に示す条件に従って設定したことの他は、実験例1のブラックトナー像に係るトナー像形成ユニットと同一の画像形成条件で、下記(7)〜(9)の画像出力を8回繰り返して行う(トータルA4×2000枚)画像出力テストを行うことにより、文字/ラインパターンのかぶり(画像のかぶり)の発生有無、文字散りの発生有無、および機内汚れの発生有無の評価を上記評価基準に基づいて行うと共に、ソリッドパターンの画像濃度むらの発生有無の評価を下記評価基準に基づいて行った。結果を下記表5に示す。
【0107】
(7)黒(BK)単色の文字/ライン+中間調(10段)パターン(印字率30%)を連続して50枚出力する手順。
(8)黒(BK)単色のソリッドパターン(印字率80%)を連続して150枚出力する手順。
(9)黒(BK)単色の文字/ラインパターン(印字率7%)を連続して50枚出力する手順。
【0108】
<評価基準>
画像濃度むらは、黒(BK)単色のソリッドパターンのページ内における任意の9箇所の相対反射濃度を測定し、黒(BK)単色のパターンについての9箇所の相対反射濃度がいずれも1.3以上であり、かつ、最大値と最小値との差が0.1以下である場合を「○」、相対反射濃度の最小値が1.2以上1.3未満であり、かつ、最大値と最小値との差が0.1以下である場合を「△」、相対反射濃度の最小値が1.2未満、または最大値と最小値との差が0.15を超える場合を「×」として評価した。
【0109】
【表4】
Figure 0004225135
【0110】
【表5】
Figure 0004225135
【0111】
以上の結果から明らかなように、本発明に係る画像形成装置によれば、印字率が高い画像を連続して出力することにより大量のトナー消費とリサイクルトナーを含むトナー補給が繰り返し行われた現像剤が用いられる場合であっても、現像剤について十分な帯電立ち上がり特性が得られると共に現像剤を軸方向に対して均一なトナー濃度で現像剤担持体に供給することができ、かぶり、文字散りおよび画像濃度むら等の画像欠陥の発生が確実に防止されると共に、トナー飛散による機内汚れの発生が確実に防止され、画質の高い画像を確実に形成することができることが確認された。
これに対して、比較用の画像形成装置においては、画像かぶり、文字散り、画像濃度むらおよび機内汚れの少なくとも一つ以上の問題が発生しており、画質の高い画像を確実に得ることができないことが確認された。
特に、トナーリサイクル機構を備えたモノクロ画像形成装置(実験例3)において、回転部材の回転速度を高くして十分な現像剤の移動速度を得、これにより、軸方向に対する画像濃度むらの発生を防止する構成とされた場合(画像形成装置24〜30)には、撹拌トルクが大幅に増加したため、画像出力テストを中止せざるをえず、出力画像を得ることができなかった。この理由について調査したところ、軸部に現像剤が融着し始めていることが確認された。
【0112】
【発明の効果】
本発明の現像装置によれば、第1の現像剤撹拌手段と第2の現像剤撹拌手段とによって現像剤搬送速度のバランスをとり、しかも、ハウジング内の、第2の現像剤撹拌手段による現像剤の搬送方向の上流側部分に対応する位置に、第3の現像剤撹拌手段を設け、第2の現像剤撹拌手段と第3の現像剤撹拌手段とが対向する部分において、各々の周面が上方から下方に向かって互いに順方向に移動するよう回転駆動させると共に、当該2つの現像剤撹拌手段の対向部分の上方からトナーを自由落下させて補給する構造とされていることにより、トナー補給位置における補給トナーの現像剤中への沈み込みが加速されるので、第1の現像剤撹拌手段および第2の現像剤撹拌手段によって搬送される過程において、補給トナーを確実に現像剤中に均一に分散させることができると共に、十分な混合、撹拌がなされて、トナーを所期の電荷(帯電量)を有する状態にまで帯電することができる。
従って、トナーが所期の帯電状態とされた現像剤が現像剤担持体にその軸方向に対して均一なトナー濃度で供給されるので、トナーの帯電不良によるかぶりやトナー飛散の発生が確実に防止されると共に、得られる可視画像における画像濃度むらの発生が確実に防止される。
【0113】
また、第3の現像剤撹拌手段が、補給トナーを現像剤中に均一に分散させる、という効果を十分に得るために必要とされる軸方向の長さが第2の現像剤撹拌手段より小さくてよく、しかも、画像形成装置本体に設けられる補給用トナーを収容する容器やトナーリサイクル手段を設置することに伴って不可避的に形成される空間を利用して現像装置を合理的に配置することができるので、第3の現像剤撹拌手段を設けることに起因して画像形成装置それ自体が大幅に大型化することを防止することができる。
しかも、第3の現像剤撹拌手段がその回転軸方向に対する現像剤の搬送能力が実質的に零であるものであることにより、現像剤が第2の現像剤撹拌手段により搬送される過程において、第2の現像剤撹拌手段と第3の現像剤撹拌手段との間で現像剤の入れ替えが行われて、第3の現像剤撹拌手段によって現像剤が回転軸方向に搬送されることなしに周方向に撹拌されてトナーの帯電を立ち上げる構成とされているので、十分な混合撹拌時間を確保することができ、トナーを所期の電荷(帯電量)を有する状態にまで確実に帯電させることができる。
【0114】
本発明の画像形成装置によれば、上記のような特定の構成を有する現像装置を備えてなり、特定の動作設定条件を満足する状態で現像プロセスが行われることにより、現像剤の十分な混合、撹拌が行われてトナーが所期の帯電量を有する状態に帯電された現像剤が回転軸方向に対して均一なトナー濃度で現像剤担持体に供給されて、潜像担持体上の潜像が現像されるので、例えば、印字率が高い画像を連続して出力することにより大量のトナー消費およびトナー補給が繰り返して行われた現像剤が用いられる場合や、未使用のトナーに比して帯電性能が劣るリサイクルトナーを含む現像剤が用いられる場合であっても、トナー飛散、かぶり、画像濃度むら等の問題が生じることが確実に防止され、画質の高い画像が確実に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の一例における構成の概略を示す説明図である。
【図2】本発明の現像装置の一例における構成の概略を示す部分断面図である。
【図3】図2に示す現像装置におけるA−A断面の横断断面図である。
【図4】図2に示す現像装置におけるB−B断面の横断断面図である。
【図5】図2に示す現像装置における現像剤供給回収手段および第3の現像剤撹拌手段を構成する回転部材の一構成例を示す平面図である。
【図6】図2に示す現像装置における第1の現像剤撹拌手段および第2の現像剤撹拌手段を構成する回転部材の一構成例を示す斜視図である。
【図7】図2に示す現像装置における第3の現像剤撹拌手段を構成する回転部材の一構成例を示す斜視図である。
【図8】第1の現像剤撹拌手段および第2の現像剤撹拌手段を構成する回転部材の他の構成例を示す平面図である。
【図9】第1の現像剤撹拌手段および第2の現像剤撹拌手段を構成する回転部材の更に他の構成例を示す斜視図である。
【図10】第3の現像剤撹拌手段を構成する回転部材の他の構成例を示す斜視図である。
【図11】第3の現像剤撹拌手段を構成する回転部材の更に他の構成例を示す斜視図である。
【図12】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の一例における構成の概略を示す説明図である。
【図13】本発明の現像装置の他の例における構成の概略を示す部分断面図である。
【図14】実験例において用いた回転部材の一構成例を示す斜視図である。
【図15】実験例において用いた回転部材の一構成例を示す斜視図である。
【図16】実験例において用いた比較用の現像装置の構成の概略を示す説明図であり、(イ)は部分断面図、(ロ)は(イ)におけるa−a断面の縦断断面図、(ハ)は(イ)におけるb−b断面の縦断断面図である。
【符号の説明】
10 中間転写体(中間転写ベルト)
11、12、13、14 支持ローラ
20Y、20M、20C、20BK トナー像形成ユニット
21 感光体
22 帯電手段
23 露光手段
24 一次転写機構
25 感光体クリーニング手段
26 二次転写機構
30 トナー像形成手段
31 ハウジング
311 開口
31A 延出部分
31B 突出部分
31C 天面板
31D トナー供給用開口
32 現像剤供給回収部
32A 現像剤担持体配置部
33 現像剤撹拌部
34 現像剤担持体
35 現像剤供給回収手段
36 第1の現像剤撹拌手段
37 第2の現像剤撹拌手段
38 第3の現像剤撹拌手段
39 現像剤規制部材
40 回転部材
41 撹拌部材
42 軸部材
45 回転部材
46 軸部材
47 撹拌部材
50 回転部材
51 軸部材
52 撹拌部材
P 転写材
55、60 回転部材
56、61 軸部材
57 主撹拌部材
58 補助撹拌部材
62 撹拌部材
63 切欠部
70、80 回転部材
70A フレーム
71、83 リブ部材
72、82 フランジ部材
73 撹拌部材
81 軸部材
84 主撹拌部材
84A 切欠部
110 感光体
111 帯電手段
112 露光手段
113 転写手段
114 分離手段
115 感光体クリーニング手段
120 トナー像形成手段
130 トナーリサイクル手段
131 回収搬送手段
132 搬送手段
133 リサイクルトナー混入用開口
65 回転部材
66 軸部材
67 主撹拌部材
68 補助撹拌部材
150 回転部材
151 軸部材
152A 第1の撹拌部材
152B 第2の撹拌部材
153 フランジ部材

Claims (8)

  1. 前方に潜像担持体を臨む、回転されてトナーとキャリアとからなる現像剤を担持搬送する現像剤担持体と、回転されて現像剤を現像剤担持体に供給すると共に現像剤を現像剤担持体から回収する現像剤供給回収手段と、回転されて現像剤を循環搬送しながら撹拌する第1の現像剤撹拌手段および第2の現像剤撹拌手段とが、互いに平行に前後方向に対してこの順に並んだ状態で、ハウジング内に設けられてなる現像装置において、
    第1の現像剤撹拌手段および第2の現像剤撹拌手段は、その回転軸方向に対する現像剤の搬送方向が互いに逆方向であり、かつ、現像剤の搬送能力が実質的に同一であるものであって、
    ハウジング内の、第2の現像剤撹拌手段による現像剤の搬送方向の上流側部分に対応する位置には、回転軸方向の長さが第2の現像剤撹拌手段より小さく、回転軸方向に対する現像剤の搬送能力が実質的に零である第3の現像剤撹拌手段が、第2の現像剤撹拌手段と互いに対向して前後方向に並ぶよう配置されており、
    ハウジングには、第2の現像剤撹拌手段および第3の現像剤撹拌手段が対向する部分の上方であって、第2の現像剤撹拌手段による現像剤の搬送方向の上流側に位置される個所に、トナー補給用開口が形成されており、
    第3の現像剤撹拌手段は、その周面が第2の現像剤撹拌手段と対向する位置において上方から下方に向かって第2の現像剤撹拌手段と互いに順方向に移動されるよう、回転されることを特徴とする現像装置。
  2. 前記第3の現像剤撹拌手段は、複数の板状の撹拌部材が、当該撹拌部材の各々に軸部材が貫通する状態で、当該軸部材に対して互いに同方向に傾斜して設けられてなるものであることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記第3の現像剤撹拌手段は、軸部材の外周面に、または軸部材と互いに径方向に離間した位置において、回転軸方向に沿って延びるように設けられたリブよりなる撹拌部材を有してなるものであることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  4. 前記第1の現像剤撹拌手段および第2の現像剤撹拌手段は、いずれも、軸部材の外周面の全周にわたって回転軸方向に螺旋状に延びる撹拌部材を有してなるものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の現像装置。
  5. 現像剤担持体および現像剤供給回収手段の両者の周面が、現像剤担持体と現像剤供給回収手段とが対向する部分において、互いに逆方向に移動されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の現像装置。
  6. 体積平均粒径が3〜5μmであるトナーと、トナーの体積平均粒径をDt〔μm〕とするとき、体積平均粒径が5×Dt〜10×Dt〔μm〕であるキャリアとからなる二成分現像剤が用いられることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の現像装置。
  7. 潜像担持体と、当該潜像担持体上に形成される静電潜像を現像してトナー像を形成するトナー像形成手段とを有する画像形成装置において、
    トナー像形成手段は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の現像装置よりなり、
    潜像担持体の移動速度をV〔mm/sec〕、潜像担持体上に形成されるトナー像の単位面積当たりの最大付着量をM〔mg/cm 2 〕、潜像担持体上に形成されるトナー像の当該潜像担持体の移動方向に直交する方向における最大幅をL〔mm〕、第1の現像剤撹拌手段によるその回転軸方向に対する現像剤移動量をW〔g/sec〕、第1の現像剤撹拌手段の回転数をR〔rpm〕とするとき、下記条件(イ)および条件(ロ)を満足することを特徴とする画像形成装置。
    (条件イ) W ≧ M×V×L/1000
    (条件ロ) R ≦ 600
  8. 潜像担持体と、当該潜像担持体上に形成される静電潜像を現像してトナー像を形成するトナー像形成手段と、潜像担持体上のトナー像を転写材または中間転写体に転写する転写手段と、この転写手段による転写領域を通過して潜像担持体上に残留す るトナーを除去するクリーニング手段と、潜像担持体より除去されたトナーをトナー像形成手段に回収して再利用するトナーリサイクル手段とを有する画像形成装置において、
    トナー像形成手段は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の現像装置において、ハウジングの、第2の現像剤撹拌手段と第3の現像剤撹拌手段とが互いに対向する部分の上方に位置される個所であって、第2の現像剤撹拌手段による現像剤の搬送方向に対してトナー供給用開口より上流側に位置される個所に、トナーリサイクル手段によって回収されたトナーを混入するためのリサイクルトナー混入用開口が形成されてなるものよりなることを特徴とする画像形成装置。
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