JP4224020B2 - アルミ電線の接続方法 - Google Patents
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Description
しかし、従来の銅製等の導線は、端子をかしめる(コーキング)だけで十分に導通(導電)可能であったが、アルミニウム製又はアルミニウム合金製の導線では、表面に酸化皮膜が形成されるので導線と端子間の接触抵抗の増大により導通し難い(電気的接続を確保し難い)という欠点があった。特に、アルミ電線をバッテリーケーブルのように温度が上がる環境下で使用する場合は、酸化皮膜の形成が促進されて、酸化皮膜が厚くなって一層導通が困難になるという問題が生じていた。
また、上記アルミ電線が自動車のバッテリーケーブルに使用されている。
本発明に係るアルミ電線の接続方法によれば、端子と導線端部の電気的接続と機械(強度)的接続を十分に確保できる。
言い換えれば、端子と導線端部は、かしめ加工とハンダ付けを併用して接続されるので、接続強度を向上させると共に導通性を長期間維持できる。
また、特に、端子と導線端部を、端子をかしめ加工する位置にて機械的に強固に接続でき、ハンダ付けする位置にて導線端部の酸化皮膜の形成を防止して(接触抵抗を低減して)十分に導通性を確保して接続できる。
まず、アルミ電線の接続構造について説明すると、図1〜図6に示す第1の実施の形態に於て、自動車のバッテリーケーブルに使用されるアルミ電線1は、アルミニウム製又はアルミニウム合金製の多数本の導線2(撚線)を絶縁体3で被覆して成るものである。アルミ電線1の一端部は、絶縁体3が剥離され、導線端部2aが露出している。また、4は端子である。
具体的には、端子4は、図外の電気機器の端子等に接続される端子本体部7と、端子本体部7の基端部に一体状に連設されるスリーブ部8とを有している。さらに、スリーブ部8には、有底孔状の挿入孔9が形成されている。その挿入孔9は、スリーブ部8の内周面部13と、端子本体部7の基端側に配置された底部12と、底部12と反対側に配置された開口部14と、から形成されている。また、端子本体部7は、自動車のバッテリーの端子を挿入して接続するための孔部10を有している。
図6の矢印P方向に、スリーブ部8の開口部14付近では、スリーブ部8の外面からプレス機等によりリング状に縮径塑性加工されている(かしめ加工されている)。その縮径塑性加工されたスリーブ部8の外面には、かしめ凹部15が形成され、かしめ凹部15に対応するスリーブ部8の内周面部13には、かしめ凸部16が形成されている。
端子4は、従来から使用されている金属製のものを適用すればよく、例えば、真鍮(Cu−Zn合金)が挙げられる。また、軽量化のためにアルミニウム合金製のものが好適である。さらには、耐食性を向上させるために、前記した真鍮(Cu−Zn合金)やアルミニウム合金からなる端子表面にSnメッキを施したものが好ましい。
また、この圧着部5は主として機械(強度)的接続のためであるが、一部には電気的接続を兼ねている。導線端部2aのかしめ凸部16と接触する部分は酸化皮膜が形成される虞があり、圧着部5での電気的接続(導通性)を長期間確保する点で、図3に示す第1の実施形態の方が好ましい。
なお、図7於て、図3と同一の符号は図3と同様の構成であるので、説明を省略する。
また、端子4の形状は種々変更自在であり、接続される電気機器の端子形状に対応させたものとすればよく、多数本の導線2は撚線ではなく直線状のものであってもよい。
言い換えれば、端子4と導線端部2aは、かしめ加工とハンダ付けを併用して接続されるので、接続強度を向上させると共に導通性を長期間維持できる。
また、特に、端子4と導線端部2aを、端子4をかしめ加工する位置にて機械的に強固に接続でき、ハンダ付けする位置にて導線端部2aの酸化皮膜の形成を防止して(接触抵抗を低減して)十分に導通性を確保して接続できる。
さらに、高温環境下で使用されてもその導通性を長期間維持できる。
言い換えれば、端子4と導線端部2aは、かしめ加工とハンダ付けを併用して接続されるので、接続強度を向上させると共に導通性を長期間維持できる。
また、特に、端子4と導線端部2aを、端子4をかしめ加工する位置にて機械的に強固に接続でき、ハンダ付けする位置にて導線端部2aの酸化皮膜の形成を防止して(接触抵抗を低減して)十分に導通性を確保して接続できる。
さらに、高温環境下で使用されてもその導通性を長期間維持できる。
また、挿入孔9内でハンダ付けされているので、外部からの衝撃等でハンダ11が割れたりしにくく、(特に導通接続部6での)耐衝撃性が向上する。
(イ)従来例1:導線2と端子4とを圧着部5にてかしめ加工して接続する(圧着の み)。
(ロ)従来例2:導線2と端子4とを導通接続部6にてハンダ付けして接続する(ハ ンダ埋めのみ)。
(ハ)本発明実施例:導線2と端子4とを、導通接続部6にてハンダ付けして接続し 、さらに、圧着部5にてかしめ加工して接続する(ハンダ埋め+圧着,図3参照 )。
そして、具体的には、(イ)(ロ)(ハ)それぞれの場合の接続方法で接続した時(初期)の電圧降下値と、その後 120℃で500 時間過熱した後の電圧降下値を測定した。
また、端子固着力(接続強度)を測定するために、(イ)(ロ)(ハ)それぞれの場合に於て、導線2に引張力を徐々に強く与えていき、導線2と端子4が破断等して分離するまでの引張力と破断状況(破断の仕方)を測定した。
なお、(イ)(ロ)(ハ)それぞれの導線2はハンダで覆い、端子4はアルミニウム合金(A6063−O)製で表面にSnメッキを施している。
それぞれの試験結果を下記の表1及び表2に示す。
なお、(ハ)の場合の端子固着力は表2では3200Nとなっているが、導線2が破断したことから測定限界値が3200Nであり、実際は3200N以上の値となる。
言い換えれば、端子4と導線端部2aは、かしめ加工とハンダ付けを併用して接続されるので、接続強度を向上させると共に導通性を長期間維持できる。
また、特に、端子4と導線端部2aを、端子4をかしめ加工する位置にて機械的に強固に接続でき、ハンダ付けする位置にて導線端部2aの酸化皮膜の形成を防止して(接触抵抗を低減して)十分に導通性を確保して接続できる。
さらに、高温環境下で使用されてもその導通性を長期間維持できる。
2 導線
2a 導線端部
3 絶縁体
4 端子
5 圧着部
6 導通接続部
9 挿入孔
11 ハンダ
12 底部
13 内周面部
14 開口部
Z 先端
Claims (5)
- アルミニウム製又はアルミニウム合金製の多数本の導線(2)を絶縁体(3)で被覆して成るアルミ電線(1)の一端部にて該絶縁体(3)を剥離して露出させた導線端部(2a)に端子(4)を接続するアルミ電線の接続方法に於て、
上記端子(4)の有底孔状の挿入孔(9)内に溶融したハンダ(11)を注入し、又は、該挿入孔(9)内でハンダ(11)を溶融し、次に、上記挿入孔(9)にて上記溶融したハンダ(11)に接触するように上記挿入孔(9)内に上記導線端部(2a)を挿入し、上記ハンダ(11)を冷却固化して、上記挿入孔(9)の上記底部(12)及び内周面部(13)のほぼ全面と、上記導線端部(2a)の挿入孔(9)内に挿入されている外面部のほぼ全面とを、上記ハンダ(11)を介して固着し、
その後、上記端子(4)の上記挿入孔(9)の開口部(14)近傍をかしめ加工し機械的接続する圧着部(5)を形成すると共に、該圧着部(5)よりも上記導線端部(2a)の先端(Z)寄りに、上記ハンダ(11)を介した電気的接続の導通接続部(6)を配設したことを特徴とするアルミ電線の接続方法。 - アルミニウム製又はアルミニウム合金製の多数本の導線(2)を絶縁体(3)で被覆して成るアルミ電線(1)の一端部にて該絶縁体(3)を剥離して露出させた導線端部(2a)に端子(4)を接続するアルミ電線の接続方法に於て、
上記端子(4)の有底孔状の挿入孔(9)内に溶融したハンダ(11)を注入し、又は、該挿入孔(9)内でハンダ(11)を溶融し、次に、上記挿入孔(9)にて上記溶融したハンダ(11)に接触するように上記挿入孔(9)内に上記導線端部(2a)を挿入し、上記溶融したハンダ(11)を冷却固化する前に、上記挿入孔(9)の開口部(14)近傍をかしめ加工し機械的接続する圧着部(5)を形成して、
その後、溶融した上記ハンダ(11)を冷却固化して、上記挿入孔(9)の上記底部(12)及び上記底部(12)近傍の内周面部(13)と、上記導線端部(2a)の先端(Z)近傍の外面部とを、上記ハンダ(11)を介して固着して、電気的接続する導通接続部(6)を形成することを特徴とするアルミ電線の接続方法。 - アルミニウム製又はアルミニウム合金製の多数本の導線(2)を絶縁体(3)で被覆して成るアルミ電線(1)の一端部にて該絶縁体(3)を剥離して露出させた導線端部(2a)に端子(4)を接続するアルミ電線の接続方法に於て、
上記端子(4)の有底孔状の挿入孔(9)内に溶融したハンダ(11)を注入し、又は、該挿入孔(9)内でハンダ(11)を溶融し、次に、上記挿入孔(9)にて上記溶融したハンダ(11)に接触するように上記挿入孔(9)内に上記導線端部(2a)を挿入し、上記挿入孔(9)の上記底部(12)及び該底部(12)近傍の内周面部(13)と、上記導線端部(2a)の先端(Z)近傍の外面部と、を上記ハンダ(11)を介して固着して、上記挿入孔(9)の上記底部(12)近傍に電気的接続する導通接続部(6)を形成すると共に上記端子(4)の上記挿入孔(9)の開口部(14)近傍をかしめ加工し機械的接続する圧着部(5)を形成することを特徴とするアルミ電線の接続方法。 - 上記端子(4)がアルミニウム合金製である請求項1,2又は3記載のアルミ電線の接続方法。
- 上記アルミ電線(1)が自動車のバッテリーケーブルに使用されている請求項1,2,3又は4記載のアルミ電線の接続方法。
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