JP4223830B2 - 水溶性鋳造用鋳型及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水溶性鋳造用鋳型及びその製造方法に関し、特に、粘結剤が水溶性で繰り返し使用が可能であり且つ鋳型の強度を十分に確保可能な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋳造用鋳型を製造する際に、珪砂等の鋳物砂用耐火性粒状物に粘結剤を被覆させる技術が広く用いられているが、その際に使用される粘結剤は大きく分けて有機粘結剤と無機粘結剤とに区別される。しかし、有機粘結剤は、一般的に約400℃で分解が開始してしまうため、回収して繰り返し使用することができず、粘結剤を回収して繰り返し使用する必要がある場合には無機粘結剤が使用されることが多い。この無機粘結剤の中でも、特に、硫酸マグネシウム等の水に易溶の硫酸化合物を用いれば、鋳型への注湯後に鋳型を水没させるだけで容易に鋳型を崩壊させることができ、粘結剤の回収も容易である。
【0003】
ところで、自動車用エンジンのシリンダヘッド等、アルミニウム合金鋳物の鋳造においては、注湯温度が約770℃に達する。従って、アルミニウム合金鋳物の鋳型に用いられる粘結剤中の無機硫酸化合物の融点が770℃よりも低いと、注湯時に無機硫酸化合物が溶融してガラス化してしまい、注湯後に粘結剤を回収できなくなるため、融点が770℃以上である無機硫酸化合物を用いる必要がある。ここで、このような無機化合物としては、例えば、硫酸マグネシウムがあるが、従来より、この硫酸マグネシウムを鋳造用鋳型に使用した種々の技術が既に提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、硫酸マグネシウム自体を骨材として成型し、高圧ダイカスト水溶性中子として使用する技術が開示されている。また、特許文献2には、鋳物砂用耐火性粒状物に粘結剤として硫酸マグネシウムを使用し、耐火性粒状物と硫酸マグネシウムと水を混合させた後に200℃〜300℃の温度で強制的に乾燥させて鋳型を得る技術が開示されている。さらに、特許文献3には、粘結剤として硫酸カルシウム及び硫酸マグネシウムを用い、この粘結剤を珪砂等の耐火性粒状物に混合してから350℃で4時間乾燥させて鋳型を得る技術が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特公昭46−4818号公報(第1−2頁)
【特許文献2】
特開昭53−119724号公報(第1−2頁)
【特許文献3】
特開平11−285777号公報(第3−4頁、図3)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記特許文献1に記載の鋳型においては、硫酸マグネシウム自体を骨材として成型するため、得られた鋳型は通気性を有さないために注湯時に鋳込み金属などから発生するガスが鋳型から十分に排出されず、鋳造された鋳物に欠陥が生じやすい。また、特許文献2に記載の鋳型においては、耐火性粒状物と硫酸マグネシウムと水を混合させた後に200℃〜300℃の温度で強制乾燥させているが、硫酸マグネシウム水和物は、200℃以上の温度では脱水してしまうため、鋳型内の硫酸マグネシウムは無水和物となっていると考えられる。しかし、硫酸マグネシウムは、無水和物の状態では、結晶水を含む水和物の状態と比較して強度がかなり低くなるため、鋳型の強度を十分に確保するには、硫酸マグネシウムの添加量を増やさなくてはならず、鋳型の成型性、乾燥の容易さ、あるいは粘結剤の回収面において非常に不利であり、作業効率が低下する。
【0007】
さらに、特許文献3に記載の鋳型においては、乾燥が350℃の高温条件下で行われ、硫酸マグネシウムを単独で粘結剤として用いた場合のテストピースの曲げ強度は0.04kg/mm2と極めて低い値となっていることからも、前記特許文献2と同様に、鋳型内の硫酸マグネシウムは脱水して無水和物となっていると考えられる。従って、鋳型の強度を十分に確保するには硫酸マグネシウムの添加量をかなり多くしなければならない。さらに、硫酸カルシウムの水に対する溶解度は最大でも42℃で0.210g/100gというかなり低い値であり、水溶性鋳型としては実用に耐えない。
【0008】
本発明の目的は、水溶性の硫酸化合物を主とする粘結剤を用いて粘結剤の回収を容易にして粘結剤を効率よく繰り返し使用可能にすること、適量の粘結剤で鋳型の強度を十分に確保すること、等である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の水溶性鋳造用鋳型は、鋳物砂用耐火性粒状物と、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸ナトリウム、硫酸ニッケル、硫酸マンガンのうちの少なくとも1種の無機硫酸化合物を含む水溶性の粘結剤とを有し、乾燥状態において無機硫酸化合物が結晶水を含有することを特徴とするものである
【0010】
この鋳型の粘結剤に含まれる無機硫酸化合物である、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸ナトリウム、硫酸ニッケル、硫酸マンガンは、夫々水に対する溶解性が良好である。従って、この粘結剤を用いて得られた鋳型を、複雑形状を有する鋳物用の中子として使用する場合でも、鋳型を水没させるだけで容易に鋳型を崩壊させて粘結剤を回収でき、粘結剤の繰り返し使用も可能である。さらに、これらの無機硫酸化合物の融点は夫々770℃以上である。従って、例えば、自動車用部品などのアルミニウム合金鋳物の鋳造にこの鋳型を用いた場合でも、アルミニウム合金鋳物の注湯温度は一般的に770℃程度であることから、硫酸化合物が溶融してガラス化することがなく、容易に粘結剤を回収できる。
【0011】
ところで、一般的に、無機硫酸化合物は、結晶水を含有する水和物の状態では、結晶水を含有しない無水和物の状態に比べて強度が大きくなる性質を持つが、この水溶性鋳造用鋳型は、乾燥状態においては粘結剤の無機硫酸化合物が結晶水を含有するため、鋳型の強度が非常に高くなる。また、粘結剤は、前記複数種類の無機硫酸化合物の1種類のみを含むものに限られない。各無機硫酸化合物は、所定の水和物の状態で最も強度を発現するが、吸湿劣化等により含有する結晶水の量が変化すると、無機硫酸化合物の強度が低下してしまう。また、鋳物砂の乾燥時に無機硫酸化合物の結晶水が鋳物砂内で均一に蒸発するとも限らない。そこで、複数種類の無機硫酸化合物を所定の割合で混合させて、鋳物砂の乾燥時に混晶とし、粘結剤の含有する結晶水の量に対する強度発現のピークを緩やかにして、結晶水の量が変化したり、鋳型内で結晶水の含有量にばらつきがある場合でも、鋳型全体の強度を十分確保することができる。
【0012】
請求項2の水溶性鋳造用鋳型は、鋳物砂用耐火性粒状物100重量部と、7水和物相当の硫酸マグネシウム0.5〜10.0重量部を含む粘結剤とを有し、乾燥状態において硫酸マグネシウムが結晶水を含有することを特徴とするものである。硫酸マグネシウムは水に対する溶解性が良好なため、注湯後に水を加えるだけで鋳型を崩壊させて粘結剤を回収することが容易である。さらに、硫酸マグネシウムの融点は1185℃であるが、自動車用部品などのアルミニウム合金鋳物の鋳造にこの鋳型を用いた場合に、アルミニウム合金鋳物の注湯温度は一般的に770℃程度であることから、硫酸マグネシウムが溶融してガラス化することがなく、容易に粘結剤を回収できる。
【0013】
さらに、粘結剤は硫酸マグネシウムを0.5〜10.0重量部含むことから、適度な量の硫酸マグネシウムで十分な鋳型の強度を確保できる。即ち、硫酸マグネシウムの量が0.5重量部未満であれば鋳型の十分な強度が得られず、一方、硫酸マグネシウムの量が10.0重量部より多ければ、鋳物砂用耐火性粒状物に粘結剤を加えて混合させる際に、硫酸マグネシウムを溶解させる為の水を大量に加えなければならず、鋳物砂を造型するために鋳物砂を型に充填する際の充填性が悪くなるし、造型後の鋳物砂を乾燥させたときに鋳物砂内の大量の水が気化して鋳型に空洞ができてしまって鋳型の強度が低下してしまう。
【0014】
請求項3の水溶性鋳造溶鋳型は、請求項2の発明において、乾燥状態において硫酸マグネシウムが1〜5水和物相当の結晶水を含有することを特徴とするものである。硫酸マグネシウムは、水和物の状態では無水和物の状態に比べて強度を発現するため、乾燥状態において鋳型内の硫酸マグネシウムが1〜5水和物相当の結晶水を含有するように構成することで、鋳型の強度を十分に確保できる。さらに、硫酸マグネシウムは、3〜4水和物の状態で最も高い強度を発現するため、乾燥状態における鋳型内の硫酸マグネシウムは3〜4水和物相当の結晶水を含有することがさらに望ましい。
【0015】
請求項4の水溶性鋳造用鋳型は、請求項1の発明において、前記粘結剤は、前記無機硫酸化合物に、リン酸二水素ナトリウムとリン酸二水素カリウムのうちの少なくとも1種を75重量%以下の割合で配合したものであることを特徴とするものである。注湯時には、鋳型の一部が局部的に高温となり、無機硫酸化合物の結晶水が分離蒸発して脱水し、無機硫酸化合物が無水和物になってしまって強度が低下する。そこで、無機硫酸化合物に、リン酸二水素ナトリウムとリン酸二水素カリウムのうちの少なくとも1種を75重量%以下の割合で配合することで、鋳型の水溶性を確保しつつ耐熱性を向上させることができる。
【0016】
請求項5の水溶性鋳造用鋳型は、請求項1の発明において、前記粘結剤は、前記無機硫酸化合物に、リン酸三カルシウム、リン酸アルミニウム、リン酸三ナトリウム、二リン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム12水和物のうちの少なくとも1種を50重量%以下の割合で配合したものであることを特徴とするものである。注湯時には、鋳型の一部が局部的に高温となり、無機硫酸化合物の結晶水が分離蒸発して脱水し、無機硫酸化合物が無水和物になってしまって強度が低下する。そこで、無機硫酸化合物に、リン酸三カルシウム、リン酸アルミニウム、リン酸三ナトリウム、二リン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム12水和物のうちの少なくとも1種を50重量%以下の割合で配合することで、鋳型の水溶性を確保しつつ耐熱性を向上させることができる。
【0017】
請求項6の水溶性鋳造用鋳型は、請求項1の発明において、前記粘結剤は、前記無機硫酸化合物に、塩化マグネシウムを75重量%以下の割合で配合したものであることを特徴とするものである。注湯時には、鋳型の一部が局部的に高温となり、無機硫酸化合物の結晶水が分離蒸発して脱水し、無機硫酸化合物が無水和物になってしまって強度が低下する。そこで、無機硫酸化合物に、塩化マグネシウムを75重量%以下の割合で配合することで、鋳型の水溶性を確保しつつ耐熱性を向上させることができる。
【0018】
請求項7の水溶性鋳造用鋳型の製造方法は、鋳物砂用耐火性粒状物に、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸ナトリウム、硫酸ニッケル、硫酸マンガンのうちの少なくとも1種の無機硫酸化合物を含む水溶性の粘結剤と、水とを加えて混合して鋳物砂を得る第1工程と、この鋳物砂で造型する第2工程と、鋳物砂内の無機硫酸化合物が少なくとも一部の結晶水を含有する状態を維持しつつ鋳物砂を乾燥させて鋳型を得る第3工程とを備えたことを特徴とするものである。
【0019】
鋳型を製造する際には、まず、第1工程において、珪砂等の鋳物砂用耐火性粒状物に、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸ナトリウム、硫酸ニッケル、硫酸マンガンのうちの少なくとも1種の無機硫酸化合物を含む水溶性の粘結剤と、この粘結剤を溶解させる為の水を加えて混合し鋳物砂を得る。そして、第2工程においてこの鋳物砂を所定の型に造型する。さらに、第3工程において、造型後の鋳物砂を加熱するなどして鋳物砂から水を除去して乾燥させるが、その際に、鋳物砂内の無機硫酸化合物が少なくとも一部の結晶水を含有する状態を維持しつつ鋳物砂を乾燥させるので、乾燥後の鋳型内に無機硫酸化合物が水和物の状態で存在することになり、鋳型の強度が発現する。
【0020】
尚、第3工程における、鋳物砂の乾燥方法としては、無機硫酸化合物が少なくとも一部の結晶水を含有する状態を維持しつつ水を除去するために、鋳物砂にマイクロ波を照射して結晶水よりも誘電率の高い鋳物砂内の水分を先に蒸発させる方法が望ましい。但し、無機硫酸化合物が無水和物とならなければ、このようなマイクロ波を利用した方法以外の方法も適用できる。具体的には、鋳型に温風を供給してその熱により水分を蒸発させる方法、金型を加熱してその中に鋳物砂を充填して硬化させる方法、型内に鋳物砂を充填させた後に減圧して水分を蒸発させる方法などを適用できる。さらに、これらの方法を組み合わせて適用してもよい。
【0021】
請求項8の水溶性鋳造用鋳型の製造方法は、鋳物砂用耐火性粒状物100重量部に、7水和物相当の硫酸マグネシウム0.5〜10.0重量部を含む粘結剤と、この粘結剤中の硫酸マグネシウムを完全に溶解可能な量の水とを加えて混合して鋳物砂を得る第1工程と、この鋳物砂で造型する第2工程と、鋳物砂内の硫酸マグネシウムが少なくとも一部の結晶水を含有する状態を維持しつつ鋳物砂を乾燥させて鋳型を得る第3工程とを備えたことを特徴とするものである。
【0022】
鋳型を製造する際には、まず、第1工程において、珪砂等の鋳物砂用耐火性粒状物100重量部に、7水和物相当の硫酸マグネシウム0.5〜10.0重量部を含む水溶性の粘結剤と、この粘結剤中の硫酸マグネシウムを完全に溶解可能な量の水を加えて混合し鋳物砂を得る。そして、第2工程においてこの鋳物砂を所定の型に造型する。さらに、第3工程において、造型後の鋳物砂を加熱するなどして鋳物砂から水を除去して乾燥させるが、その際に、鋳物砂内の硫酸マグネシウムが少なくとも一部の結晶水を含有する状態を維持しつつ鋳物砂を乾燥させるので、乾燥後の鋳型内に硫酸マグネシウムが水和物の状態で存在することになるため、鋳型の強度が発現する。
【0023】
また、硫酸マグネシウムを完全に溶解可能な量の水を加えるため、粘結剤が鋳物砂用耐火性粒状物に十分行き渡って、鋳物砂用耐火性粒状物が確実に粘結剤により被覆される。
尚、第3工程における、鋳物砂の乾燥方法としては、請求項7の発明と同様、マイクロ波や温風等を利用した種々の方法を適用することができる。
【0024】
請求項9の水溶性鋳造用鋳型の製造方法は、請求項7の発明において、前記粘結剤は、前記無機硫酸化合物に、リン酸二水素ナトリウムと、リン酸二水素カリウムのうちの少なくとも1種を75重量%以下の割合で配合したものであることを特徴とするものである。このように、無機硫酸化合物に、リン酸二水素ナトリウムと、リン酸二水素カリウムのうちの少なくとも1種を75重量%以下の割合で配合することで、鋳型の水溶性を確保しつつ耐熱性を向上させることができる。
【0025】
請求項10の水溶性鋳造用鋳型の製造方法は、請求項7の発明において、前記粘結剤は、前記無機硫酸化合物に、リン酸三カルシウム、リン酸アルミニウム、リン酸三ナトリウム、二リン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム12水和物のうちの少なくとも1種を50重量%以下の割合で配合したものであることを特徴とするものである。このように、無機硫酸化合物に、リン酸三カルシウム、リン酸アルミニウム、リン酸三ナトリウム、二リン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム12水和物のうちの少なくとも1種を50重量%以下の割合で配合することで、鋳型の水溶性を確保しつつ耐熱性を向上させることができる。
【0026】
請求項11の水溶性鋳造用鋳型の製造方法は、請求項7の発明において、前記粘結剤は、前記無機硫酸化合物に、塩化マグネシウムを75重量%以下の割合で配合したものであることを特徴とするものである。このように、無機硫酸化合物に、塩化マグネシウムを75重量%以下の割合で配合することで、鋳型の水溶性を確保しつつ耐熱性を向上させることができる。
【0027】
請求項12の水溶性鋳造用鋳型の製造方法は、請求項7〜11の何れかの発明において、前記第3工程において、前記鋳物砂をマイクロ波又は温風により加熱して乾燥させることを特徴とするものである。鋳物砂にマイクロ波を照射させると、鋳物砂内の水分は無機硫酸化合物の結晶水よりも誘電率が高いため、結晶水よりも先に蒸発しやすくなる。従って、無機硫酸化合物が少なくとも一部の結晶水を含有する状態を維持しつつ水を除去することが可能になる。
【0028】
また、鋳物砂に温風を当てて鋳物砂を加熱する場合には、温風の温度を、無機硫酸化合物中の結晶水が完全に脱水しない所定の温度(例えば、200℃)以下に設定すれば、鋳物砂内の水分は常圧の条件下で100℃で先に蒸発するため、前述のマイクロ波による乾燥と同様に、無機硫酸化合物が少なくとも一部の結晶水を含有する状態を維持しつつ水を蒸発させることが可能になる。
【0029】
請求項13の水溶性鋳造用鋳型の製造方法は、請求項7〜12の何れかの発明において、前記第2工程において、前記鋳物砂を通気性のセラミック型内のキャビティに充填して造型することを特徴とするものである。従って、第3工程で鋳物砂を乾燥する際に、蒸発した水分を通気性のセラミック型から均等に外部へ放出させることができるため、鋳型の強度を均一化することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について説明する。本実施形態は、アルミニウム合金鋳物の鋳造用鋳型及びその製造方法に本発明を適用した一例である。最初に、本発明を適用した水溶性鋳造用鋳型について説明する。
【0031】
まず、フラタリー珪砂等の鋳物砂用耐火性粒状物(以下、耐火性粒状物という)に混合する粘結剤が硫酸マグネシウム水和物を有する水溶性鋳造用鋳型について説明する。この鋳型を製造する場合には、耐火性粒状物に、硫酸マグネシウム・7水和物と、この硫酸マグネシウム・7水和物を完全に溶解可能な水を加えて混合し、耐火性粒状物を粘結剤で被覆して鋳物砂とする。そして、この鋳物砂を型に充填して鋳物砂を所定の形状に造型した後、鋳物砂内の水分を蒸発させて鋳型を得る。
【0032】
ところで、硫酸マグネシウムは、含有する結晶水の量により発現する強度にかなり差が出る。図1は硫酸マグネシウムの水和量と鋳型強度の関係を示し、以下のような実験により得られたものである。即ち、耐火性粒状物としてフラタリー珪砂100重量部を用い、これに硫酸マグネシウム・7水和物3重量部と水とを添加して鋳物砂とした。造型は直径30mm、高さ50mmの試験片をJIS Z 2601に定められる試験片搗き固め機を用いて3回搗き固めて成型し試験片とした。そして、出力700Wのマイクロ波を照射して試験片を乾燥させた。この際、乾燥時間(マイクロ波の照射時間)を調整することにより試験片中の硫酸マグネシウムが含有する結晶水量を変化させて、夫々の試験片の圧縮強度を測定した。試験片中の硫酸マグネシウムの結晶水量の算出は、マイクロ波乾燥後の試験片をさらに300℃で硫酸マグネシウムが完全に無水和物となるまで乾燥させ、この乾燥前後で減った試験片の重量を、試験片内の硫酸マグネシウムが含有する結晶水の量とみなし、添加した硫酸マグネシウムの量からモル比により算出した。
【0033】
硫酸マグネシウムの水和物は1,4,7及び12水和物であるが、図1で示すように、約1〜6水和物のものが鋳型用として利用可能であり、さらに、強度が発現する好ましい範囲は1〜5水和物である。従って、乾燥状態で鋳型内の硫酸マグネシウムが1〜5水和物相当の結晶水を含有することが望ましい。さらに望ましくは、硫酸マグネシウムが3〜4水和物相当の結晶水を含有することが望ましい。
【0034】
次に、硫酸マグネシウム・7水和物の添加量と鋳型の圧縮強度並びに硫酸マグネシウムの結晶水量の関係について説明する。ここでは、出力700Wのマイクロ波を所定時間照射する方法と、200℃の温風で1時間乾燥する方法を用いて、前述と同様の方法で成型した試験片の水分を蒸発させて、試験片の強度と硫酸マグネシウムの結晶水を測定した。ここで、試験片内の水分の誘電率は、硫酸マグネシウムの結晶水の誘電率よりも高いため、マイクロ波を試験片に照射した場合には、水分が結晶水よりも先に蒸発しやすくなる。従って、マイクロ波の照射時間を調整することで、硫酸マグネシウムが含有する結晶水量を変化させることができる。この結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
表1に示すように、マイクロ波1分乾燥では高い圧縮強度が得られ、その時の結晶水の量は水和物換算で1〜3水和である。200℃、1時間乾燥の試験片では圧縮強度が殆ど発現せず、結晶水も1水和未満であり、さらに、この結晶水は、大気中から吸収した水分によるものと考えられる。硫酸マグネシウム・7水和物の添加量が0.5重量部の場合では生型鋳型程度の強度が得られた。硫酸マグネシウム・7水和物の添加量12.5重量部以上の場合では、試験片の乾燥時に、試験片内に存在する大量の自由水の気化により試験片内部に空洞を生じ、順次、強度が低下した。
【0037】
また、硫酸マグネシウム・7水和物の添加量を多くした場合には、この硫酸マグネシウム・7水和物を溶解させる為に添加する水の量も必然的に多く必要となる。すると、鋳物砂を造型する場合に、型への鋳物砂の充填性が非常に悪くなってしまう。特に、自動車用エンジンのウォータージャッケット用の中子のような複雑形状の中子を製造する場合には、特に充填性が問題となる。従って、鋳型に必要な強度を発現でき且つ型への充填性に優れるのは、硫酸マグネシウム・7水和物の添加量が0.5重量部から10重量部の場合である。
【0038】
ところで、硫酸マグネシウム・7水和物を単独で添加した場合には、図1に示すように、所定の結晶水(3〜4水和物相当の結晶水)の際に圧縮強度が最大となるが、乾燥時に鋳型内の結晶水が均一に蒸発するとは限らない。また、硫酸マグネシウムは吸湿により結晶水量が変化して強度が劣化する問題がある。そこで、硫酸マグネシウムに他の無機硫酸化合物を組み合わせて乾燥時に混晶とし、結晶水に対して異なるモル比で強度が発現しないか、更には吸湿時に強度が劣化し難くならないか検討した。表2に、硫酸マグネシウムと他の無機硫酸化合物を組み合わせた場合の、試験片のマイクロ波乾燥後の強度及び吸湿後の圧縮強度、並びに600℃水溶性試験を示す。
【0039】
【表2】
【0040】
ここで、他の無機硫酸化合物としては、硫酸アルミニウム・12水和物、硫酸アルミニウム、硫酸ナトリウム・10水和物、硫酸ニッケル・6水和物、硫酸マンガン・5水和物を用いた。耐火性粒状物としてはフラタリー珪砂を用い、この耐火性粒状物に、粘結剤として硫酸マグネシウム・7水和物2.7重量部と他の無機硫酸化合物を0.3重量部とを添加し、さらに、水を2.4重量部添加して鋳物砂とした。造型は前述と同様の方法で行い、直径30mm、高さ50mmの試験片を作製した。マイクロ波の照射時間は1分及び3分とし、乾燥直後に圧縮強度を測定した。さらに、試験片を吸湿させる為に、各々のマイクロ波乾燥後の試験片を水張りデシケータに24時間放置して、試験片を吸湿させてから再度圧縮強度を測定した。
【0041】
硫酸マグネシウム・7水和物単独では、マイクロ波を3分照射した場合の圧縮強度が低下するが、他の無機硫酸化合物を組み合わせることで強度低下が防止されている。更に、硫酸アルミニウム・12水和物、硫酸アルミニウム、硫酸ニッケル・6水和物、硫酸マンガン・5水和物では、硫酸マグネシウム・7水和物単独添加の場合よりも吸湿後の強度が発現しており、吸湿後の強度改善が認められる。
【0042】
硫酸マグネシウムと組み合わせる他の無機化合物としては、融点がアルミニウム合金鋳物の平均的な注湯温度である770℃以上であって注湯時に溶融せず、水に易溶であり、さらに、硫酸マグネシウムと混晶となり易い、表3に示す無機硫酸化合物が望ましい。
【0043】
【表3】
【0044】
これらの無機硫酸化合物を含む粘結剤を有する鋳型は、表2に示すように、600℃水溶性試験において、容易に水中で試験片が崩壊する。ここで、この600℃水溶性試験はマイクロ波を1分照射した後の試験片を600℃で15分間焼成し、冷却した後に、水に浸して崩壊するか否かを判定したものである。尚、その他の無機化合物であっても、770℃以上の融点を有し、表3の無機硫酸化合物と同様に、水100gに対する溶解量の最低値である19.4g(20℃)以上で水溶性が良好なものであれば、どのようなものを用いても良い。
【0045】
さらに、表4〜表7に、硫酸マグネシウム・7水和物に、混合比率を変化させて他の無機硫酸化合物を配合した場合の、夫々の試験片の圧縮強度、並びに600℃水溶性試験を示す。
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】
【表6】
【0049】
【表7】
【0050】
耐火性粒状物にはフラタリー珪砂を用い、粘結剤を総量で3重量部、水を2.4重量部添加して試験片を作製し、マイクロ波照射による乾燥及び参考データとして200℃での1時間乾燥を行い、圧縮試験を行った。硫酸アルミニウム・12水和物、硫酸ナトリウム・10水和物、硫酸ニッケル・6水和物、硫酸マンガン・5水和物は単独で粘結剤を構成した場合でも、マイクロ波照射による乾燥で強度が発現し、硫酸マグネシウム・7水和物に混合することによっても強度が発現する。さらに、全ての組み合わせにおいて600℃水溶性試験の結果は良好であり、これらの組み合わせによる粘結剤を有する鋳型を水没させて容易に崩壊させることが可能である。特に、表4〜表7から明らかなように、硫酸マグネシウムと硫酸アルミニウムとの配合例において、高い圧縮強度を得ることができる。
【0051】
尚、200℃、1時間乾燥では全ての組み合わせで強度発現が無いことから、無水和物の状態では強度が得られないため、無機硫酸化合物中に結晶水を残すことが重要であることがわかる。また、粘結剤として無機硫酸化合物の無水和物を用いても、水分添加時に水和物が得られることから、同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0052】
次に、硫酸マグネシウム・7水和物に、他の無機化合物を添加した場合について説明する。アルミニウム合金鋳物の平均的な注湯温度は約770℃であり、注湯時には鋳型の一部が局部的に高温となるが、200℃以上で硫酸マグネシウムの結晶水が分離蒸発して脱水し、硫酸マグネシウムが無水和物になってしまうため、局部的に強度が低下してしまう。そこで、以下に説明するような他の無機化合物を、硫酸マグネシウム・7水和物とともに耐火性粒状物に添加することで、耐熱性を向上させる。
【0053】
まず、表8、表9に、硫酸マグネシウム・7水和物にリン酸二水素ナトリウム又はリン酸二水素カリウムを組み合わせて鋳型とした場合の圧縮強度、並びに600℃水溶性試験を示す。
【0054】
【表8】
【0055】
【表9】
【0056】
耐火性粒状物としてはフラタリー珪砂を用い、粘結剤を総量で3重量部、水を2.4重量部添加して試験片を作製し、マイクロ波照射による乾燥並びに参考データとして200℃での1時間乾燥を行い、圧縮試験を行った。リン酸二水素ナトリウムとリン酸二水素カリウムは、ともに単独使用においても強度が発現し粘結剤として使用可能であるが、600℃水溶性試験では水に不溶となる。しかし、これらを、硫酸マグネシウム・7水和物に対して、75重量%以下の割合で配合した場合では、水中で加圧しつつ攪拌すれば砂粒に崩壊し(60秒以上、加圧により崩壊と称した)、水溶性が確保されている。また、200℃,1時間乾燥後でも強度が発現していることから耐熱性が良好であり、注湯時の鋳型の洗われ、変形、割れなどの諸問題が解決できる。尚、リン酸二水素ナトリウムとリン酸二水素カリウムは、前述のように何れも耐熱性向上に寄与するものであるため、混合して用いてもよく、この場合も、硫酸マグネシウム・7水和物に対して75重量%以下の割合で配合するのがよい。
【0057】
次に、表10〜表14に、硫酸マグネシウム・7水和物に、他の無機リン酸化合物を組み合わせて鋳型とした場合の圧縮強度、並びに600℃水溶性試験を示す。
【0058】
【表10】
【0059】
【表11】
【0060】
【表12】
【0061】
【表13】
【0062】
【表14】
【0063】
他の無機リン酸化合物としては、リン酸三カルシウム、リン酸アルミニウム、リン酸三ナトリウム・12水和物、二リン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム12水和物を用いた。これらのリン酸化合物は単独では強度が発現せず、粘結剤としては使用できない。しかしながら、硫酸マグネシウムに、50重量%以下の割合で配合した場合には、マイクロ波乾燥及び200℃乾燥の両方の条件で、圧縮強度が発現し且つ水溶性も確保されていることから、粘結剤として使用可能である。
【0064】
さらに、表15に、硫酸マグネシウム・7水和物に、塩化マグネシウムを組み合わせて鋳型とした場合の圧縮強度、並びに600℃水溶性試験を示す。
【0065】
【表15】
【0066】
塩化マグネシウムは単独使用においても強度が発現し粘結剤として使用可能であるが、600℃水溶性試験では水に不溶となる。しかし、硫酸マグネシウム・7水和物に対して、塩化マグネシウムを75重量%以下の割合で配合した場合では、水溶性は確保されている。また、200℃,1時間乾燥後でも強度が発現していることから耐熱性が良好であり、注湯時の鋳型の洗われ、変形、割れなどの諸問題が解決できる。さらに、マイクロ波照射による乾燥では30秒の短い照射時間で強度が高いために、造型時の生産性が改善できる。
【0067】
以上説明した水溶性鋳造用鋳型に関し、表16に、一般的に使用される種々の耐火性粒状物に硫酸マグネシウム・7水和物単独で用い、または、硫酸マグネシウム・7水和物に、融点が770℃以上で且つ水溶性を示す他の無機硫酸化合物を種々の混合比率で配合し、各種乾燥方法で鋳型を作製した場合の、圧縮強度を示す。また、表17に、この比較例として、前述の特許文献2に記載の鋳型に関する追試結果を示す。
【0068】
【表16】
【0069】
【表17】
【0070】
そして、表16、表17により、本発明を適用した鋳型は、特許文献2の鋳型と比較して、粘結剤の量が少なくて済む上、十分な圧縮強度が発現できることが確認された。また、本発明における粘結剤の配合例としては、各表の鋳型の圧縮強度及び崩壊性のデータから、硫酸マグネシウムと硫酸アルミニウムとの配合例、硫酸マグネシウムとリン酸二水素ナトリウム及びリン酸二水素カリウムなどを配合した例、硫酸マグネシウムと硫酸アルミニウムとリン酸二水素ナトリウム及びリン酸二水素カリウムなどを配合した例などが、好ましい配合例である。
【0071】
尚、耐火性粒状物としては、鋳物砂として使用される平均粒子径がおよそ0.05mm(280mesh)〜1mm(16mesh)に位置する粒子サイズのものなら、いかなる種類を用いても良い。例えば、国内珪砂、輸入珪砂、ジルコンサンド、クロマイトサンド、オリビンサンド、スラグサンド、カーボンサンド、ムライトサンド、アルミナサンド、シャモットサンド、セラミックサンド、多孔質セラミックサンド、溶融セラミックサンド、各種ガラス砂、中空ガラス球状砂、各種耐火材料の粉砕物、ショット玉等の金属粒状物及びこれらの再生砂等の鋳物砂として用いられる各種鋳物砂用耐火性粒状物である。
【0072】
また、鋳物砂あるいは粘結剤には、鋳造欠陥を防止するために通常鋳物砂に添加されるベンガラ、鉄粉、石炭粉、黒鉛粉、木粉、タルク、澱粉、穀物粉、シリカフラワー、ジルコンフラワー、オリビンフラワーなどを所定量配合できる。
【0073】
さらに、鋳物砂あるいは粘結剤には、型への充填性を改善するために、無機潤滑剤として二硫化タングステン、二硫化モリブデン、有機潤滑剤として炭化水素系、ポリアルキレングリコール、シリコーン系、フッ素系、フェニルエーテル、リン酸エステル潤滑剤を所定量配合できる。
【0074】
さらに、鋳型にはアルコール性塗型、水性塗型、粉末塗型、表面安定剤、ひけ防止用テルル粉末などの通常、鋳型表面に塗布する造型材料を用いることができる。
【0075】
次に、前述した種々の無機硫酸化合物を含む水溶性の粘結剤を用いて鋳型を製造する製造方法について説明する。この鋳型の製造方法は、特に、アルミニウム合金鋳造用の中子に本発明を適用した一例である。
この鋳型の製造方法は、耐火性鋳物砂に、無機硫酸化合物を含む前述の水溶性の粘結剤と、水とを加えて混合して鋳物砂を得る第1工程と、この鋳物砂で造型する第2工程と、鋳物砂内の無機硫酸化合物が少なくとも一部の結晶水を含有する状態を維持しつつ鋳物砂を乾燥させて鋳型を得る第3工程を備えている。
【0076】
まず、第1工程において、耐火性鋳物砂に加えられる粘結剤には、アルミニウム合金鋳造の平均的な注湯温度(770℃)以上の融点を有する無機硫酸化合物が含まれる。具体的には、前述したように、硫酸マグネシウム・7水和物を単独で使用したもの、あるいは、この硫酸マグネシウム・7水和物に硫酸アルミニウム等の他の無機硫酸化合物を混合したもの、あるいは、これら他の無機硫酸化合物を単独で使用したものなどである。さらには、粘結剤の耐熱性を高めるために、リン酸二水素ナトリウム等、前述した種々のリン酸化合物や、塩化マグネシウムを、水溶性を確保できる範囲内で所定量配合したものでもよい。
【0077】
ここで、水分の添加量は粘結剤を溶解可能な量であることが望ましい。なぜなら、粘結剤が溶解して初めて耐火性粒状物に均一に被覆されて強度が高く発現するからである。しかし、溶解量は温度によって異なり、例えば、耐火性粒状物を事前に200℃(無機硫酸化合物中の結晶水が脱水する温度)以下に加熱した場合、あるいは鋳型を200℃以下で乾燥する場合に、水分が熱せられることにより粘結剤の溶解度が上がる。従って、第1工程における水の添加量の最小値は200℃において粘結剤を完全に溶解可能な量であり、最大値はおよそ常温において粘結剤を完全に溶解可能な量である。
【0078】
尚、水は大気圧中では100℃が沸点であるが、加圧することで沸点が上昇する。図2に、異なる水の温度における硫酸マグネシウム・7水和物の水に対する溶解度を示す。このように、水の温度が上昇すると硫酸マグネシウムの溶解度も上がる。例えば、0℃における溶解度は53.9%であり、この場合は粘結剤53.9に対して水は46.1の比率となる。一方、200℃における溶解度は95.5%であり、粘結剤95.5に対して水は4.5となり、水の添加量はごく僅かである。しかしながら、工業的には水を加圧して水の沸点を上昇させて200℃とする装置を鋳造用造型機に組み込むことはやや困難であるため、100℃強程度が限界と思われる。100℃における濃度は74.7%となり、この場合は粘結剤74.7に対して水は15.3となる。
【0079】
次に、図3に示すように、第2工程においては、第1工程で得られた鋳物砂Sを通気性のセラミック型1の中子成形キャビティ2内に吹き込む。セラミック型1は、上下に2分割された型分割体1a,1bで構成され、セラミック型は、アルミニウム製のケース部材3で覆われている。鋳物砂Sをキャビティ2内に充填する際には、セラミック型1の上側に設置したブローヘッド4内に加圧エアを作用させ、ブローノズル5を介してセラミック型1の内部に形成された中子成形キャビティ2内に鋳物砂Sを吹き込み、このキャビティ2内に鋳物砂Sを加圧充填して鋳物砂Sで所定の形状に造型する。
【0080】
さらに、図4に示すように、第3工程においては、鋳物砂Sを充填したセラミック型1に対して均等にマイクロ波が照射されるようにスターラー6を回転させつつ、マグネトロン7からマイクロ波を所定時間照射する。このマイクロ波はセラミック型1を透過してキャビティ2内の鋳物砂Sに作用する。ここで、鋳物砂S内には、自由水と無機硫酸化合物の結晶水という2つの状態で水分が存在するが、自由水の方が結晶水よりも誘電率が高いため、自由水が結晶水よりも先に蒸発しやすくなり、鋳物砂S内の無機硫酸化合物が少なくとも一部の結晶水を含有する状態を維持しつつ鋳物砂S内の自由水を蒸発させる。蒸発して発生した水蒸気は、吸引ポンプ8により吸引フード9、吸引ホース10を介してセラミック型の外部へ排出される。このようにして鋳物砂を乾燥させることで、乾燥状態において粘結剤の無機硫酸化合物が結晶水を含有することになって強度が発現するため、乾燥により得られる鋳型の強度を十分に確保することができる。
【0081】
ここで、セラミック型1は通気性を有するため、蒸発した水分が通気性のセラミック型1から均等に外部へ放出されるため、無機硫酸化合物が含有する結晶水の量のばらつきを極力抑えて、得られた鋳型の強度を均一化することができる。尚、キャビティ2を形成する型は、セラミック型1に限らず、合成樹脂製の型など、マイクロ波を透過するものであれば、他の材質のものでも使用できる。
【0082】
また、第3工程において、鋳物砂Sを充填した型に温風を供給し、この温風により鋳物砂Sを加熱して鋳物砂Sを乾燥させるようにしてもよい。即ち、図5に示すように、型1の上部に設けられたエアフード11に、エアホース12を介して温風を供給し、さらに、エアフード11から温風を型1に送って、型1のキャビティ2内に充填された鋳物砂Sを加熱する。この際、温風は、鋳物砂S内の無機硫酸化合物が無水和物とならない程度の温度(例えば、200℃以下)と供給時間で供給する必要がある。
【0083】
さらに、金型を200℃以下に加熱して鋳物砂を充填させ硬化させる方法、鋳物砂を200℃以下に加熱して型内に充填し水分を蒸発させることで鋳物砂を硬化させる方法、型内に鋳物砂を充填させた後に減圧して水分を蒸発させる方法等、粘結剤中の無機硫酸化合物が結晶水を含有する状態を維持しつつ鋳物砂を乾燥させる方法であれば、どのような方法を用いてもよい。
【0084】
【発明の効果】
本発明の水溶性鋳造用鋳型及びその製造方法によれば、次のような効果が得られる。
1)水に対する溶解性が良好な無機硫酸化合物を含む粘結剤を用いて水溶性鋳造用鋳型を構成したので、鋳型を水没させるだけで容易に鋳型を崩壊させて粘結剤を容易に回収でき、粘結剤を効率よく繰り返し使用できる。また、無機硫酸化合物の融点が770℃以上であるため、アルミニウム合金鋳物の鋳造にこの鋳型を用いた場合に、無機硫酸化合物が溶融してガラス化することがないため、容易に粘結剤を回収できる。また、鋳造時に発生するガスは水蒸気のみであり、安全な環境下で鋳造作業を行うことができる。
【0085】
また、無機硫酸化合物は、結晶水を含有する水和物の状態では、無水和物の状態に比べて強度が大きくなるが、本発明の水溶性鋳造用鋳型の乾燥状態においては、粘結剤の無機硫酸化合物が結晶水を含有するため、鋳型の強度を十分に確保できる。さらに、複数種類の無機硫酸化合物を所定の割合で混合させて、鋳物砂の乾燥時に混晶とすることで、粘結剤全体の強度発現のピークを緩やかにして、幅広いモル比に対して強度を発現させることができるため、結晶水の量が変化したり、鋳型内で結晶水の含有量にばらつきがある場合でも、鋳型全体の強度を十分確保することができる。
【0086】
2)粘結剤が硫酸マグネシウムを0.5〜10.0重量部含むため、適度な量の硫酸マグネシウムで十分な鋳型の強度を確保できるし、硫酸マグネシウムを溶解させる為に加える水の量も少なくて済むため、鋳物砂の充填性も良好である。さらに、硫酸マグネシウムは、無水和物の状態よりも水和物の状態、特に、3〜4水和物の状態で強度を発現するため、乾燥状態において鋳型内の硫酸マグネシウムが1〜5水和物相当の結晶水を含有するように構成することで、鋳型の強度を十分に確保できる。
【0087】
3)無機硫酸化合物に、リン酸化合物や塩化マグネシウムを所定の割合で配合した粘結剤を用いることで、鋳型の水溶性を確保しつつ注湯時の耐熱性を向上させることができる。
【0088】
4)水溶性鋳造用鋳型を製造する際、耐火性粒状物に、無機硫酸化合物を含む水溶性の粘結剤と、無機硫酸化合物を溶解可能な量の水を加えて得られた鋳物砂に、マイクロ波を照射して鋳物砂を乾燥させるので、無機硫酸化合物が含有する結晶水よりも、誘電率の高い鋳物砂内の自由水が先に蒸発しやすくなり、無機硫酸化合物が少なくとも一部の結晶水を含有する状態を維持しつつ鋳物砂を乾燥させることができる。また、無機硫酸化合物が脱水する所定温度以下の温度で温風を鋳物砂に供給することによっても、同様の効果が得られる。
【0089】
5)水溶性鋳造用鋳型を製造する際に、鋳物砂を通気性のセラミック型内のキャビティに充填して造型するので、造型後に鋳物砂を乾燥させる場合に、蒸発した水分が通気性のセラミック型から均等に外部へ放出されるため、無機硫酸化合物が含有する結晶水の量のばらつきを極力抑えて、鋳型の強度を均一化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る硫酸マグネシウム水和物と圧縮強度の関係を示す図である。
【図2】硫酸マグネシウム・7水和物の水に対する溶解度を示す図である。
【図3】第2工程における鋳物砂の型への充填作業を説明する説明図である。
【図4】第3工程におけるマイクロ波による乾燥作業を説明する説明図である。
【図5】第3工程における温風による乾燥作業を説明する説明図である。
【符号の説明】
S 鋳物砂
1 セラミック型
2 キャビティ
Claims (13)
- 鋳物砂用耐火性粒状物と、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸ナトリウム、硫酸ニッケル、硫酸マンガンのうちの少なくとも1種の無機硫酸化合物を含む水溶性の粘結剤とを有し、乾燥状態において無機硫酸化合物が結晶水を含有することを特徴とする水溶性鋳造用鋳型。
- 鋳物砂用耐火性粒状物100重量部と、7水和物相当の硫酸マグネシウム0.5〜10.0重量部を含む粘結剤とを有し、乾燥状態において硫酸マグネシウムが結晶水を含有することを特徴とする水溶性鋳造用鋳型。
- 乾燥状態において硫酸マグネシウムが1〜5水和物相当の結晶水を含有することを特徴とする請求項2に記載の水溶性鋳造用鋳型。
- 前記粘結剤は、前記無機硫酸化合物に、リン酸二水素ナトリウムとリン酸二水素カリウムのうちの少なくとも1種を75重量%以下の割合で配合したものであることを特徴とする請求項1に記載の水溶性鋳造用鋳型。
- 前記粘結剤は、前記無機硫酸化合物に、リン酸三カルシウム、リン酸アルミニウム、リン酸三ナトリウム、二リン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム12水和物のうちの少なくとも1種を50重量%以下の割合で配合したものであることを特徴とする請求項1に記載の水溶性鋳造用鋳型。
- 前記粘結剤は、前記無機硫酸化合物に、塩化マグネシウムを75重量%以下の割合で配合したものであることを特徴とする請求項1に記載の水溶性鋳造用鋳型。
- 鋳物砂用耐火性粒状物に、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸ナトリウム、硫酸ニッケル、硫酸マンガンのうちの少なくとも1種の無機硫酸化合物を含む水溶性の粘結剤と、水とを加えて混合して鋳物砂を得る第1工程と、この鋳物砂で造型する第2工程と、鋳物砂内の無機硫酸化合物が少なくとも一部の結晶水を含有する状態を維持しつつ鋳物砂を乾燥させて鋳型を得る第3工程とを備えたことを特徴とする水溶性鋳造用鋳型の製造方法。
- 鋳物砂用耐火性粒状物100重量部に、7水和物相当の硫酸マグネシウム0.5〜10.0重量部を含む粘結剤と、この粘結剤中の硫酸マグネシウムを完全に溶解可能な量の水とを加えて混合して鋳物砂を得る第1工程と、この鋳物砂で造型する第2工程と、鋳物砂内の硫酸マグネシウムが少なくとも一部の結晶水を含有する状態を維持しつつ鋳物砂を乾燥させて鋳型を得る第3工程とを備えたことを特徴とする水溶性鋳造用鋳型の製造方法。
- 前記粘結剤は、前記無機硫酸化合物に、リン酸二水素ナトリウムと、リン酸二水素カリウムのうちの少なくとも1種を75重量%以下の割合で配合したものであることを特徴とする請求項7に記載の水溶性鋳造用鋳型の製造方法。
- 前記粘結剤は、前記無機硫酸化合物に、リン酸三カルシウム、リン酸アルミニウム、リン酸三ナトリウム、二リン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム12水和物のうちの少なくとも1種を50重量%以下の割合で配合したものであることを特徴とする請求項7に記載の水溶性鋳造用鋳型の製造方法。
- 前記粘結剤は、前記無機硫酸化合物に、塩化マグネシウムを75重量%以下の割合で配合したものであることを特徴とする請求項7に記載の水溶性鋳造用鋳型の製造方法。
- 前記第3工程において、前記鋳物砂をマイクロ波又は温風により加熱して乾燥させることを特徴とする請求項7〜11の何れかに記載の水溶性鋳造用鋳型の製造方法。
- 前記第2工程において、前記鋳物砂を通気性のセラミック型内のキャビティに充填して造型することを特徴とする請求項7〜12の何れかに記載の水溶性鋳造用鋳型の製造方法。
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