JP4223734B2 - 電子顕微鏡 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンデンサレンズ、対物レンズにより電子ビームを試料上に集束すると共に、電子ビームを試料上で走査し、試料を透過した電子を検出し、透過電子検出信号を電子ビームの走査に同期して表示するようにした電子顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子顕微鏡における走査透過電子顕微鏡モードでは、電子銃から発生し加速された電子ビームを、コンデンサレンズ、対物レンズにより試料上に細く集束すると共に、試料上の所定範囲を電子ビームで走査するようにしている。試料に電子ビームを照射することによってこの試料を透過した電子を検出し、この検出信号を一次電子ビームの走査に応じてディスプレイに供給し、試料の走査透過電子顕微鏡像を表示するようにしている。
【0003】
このような電子顕微鏡において、試料の表面部分から発生した2次電子や試料からの反射電子を検出し、それらの検出信号を一次電子ビームの走査に応じてディスプレイに表示すれば、走査電子顕微鏡像を観察することができる。また、試料を透過した電子を走査透過電子顕微鏡像用の検出器に代えてCCDカメラのごときTVカメラで検出し、TVカメラからの信号に基づいてディスプレイ上に像を表示させることにより、透過電子顕微鏡像を得ることができる。
【0004】
このような電子顕微鏡では、カラム内にセットされた試料を移動させながら、観察すべき部位を低倍率で探し、観察すべき部位が見つかった場合には、その部位を比較的高い倍率で観察する。この場合、観察倍率は、選択された観察視野に応じて決定される。
【0005】
この視野探しと選択された視野の詳細な観察は、一例として、視野探しを低倍率に設定された走査電子顕微鏡モードや透過電子顕微鏡モードで行い、比較的高い倍率での選択された視野の観察を走査透過電子顕微鏡モードで行なうことができる。
【0006】
なお、得られる像の分解能は、試料に照射される電子ビームの非点の状態と電子ビームの軸ズレの状態によって左右される。そのため、各レンズに非点補正装置(スティグマ)やアライメント装置を付属させ、実際に走査透過電子顕微鏡像を表示させ、その像を観察しながら、像の状態が最適になるように非点補正装置やアライメント装置の調整を行なっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のごとき電子顕微鏡において、試料の目的とする視野を探す際には、低倍率の像を用い、試料を移動させながら行っている。目的とする視野が見つかった場合は、その視野に応じて倍率を変化させ、詳細な観察や分析を行っている。この場合、詳細な観察を行うための像の倍率は、多種の観察に対応できるように細かい段階に倍率を自由に変えることができるように構成されている。
【0008】
ところで、最近半導体デバイスの歩留まり管理や製造工程における欠陥の有無の確認のために電子顕微鏡が使用されるようになってきた。このようなケースでは、視野が決定された後の詳細な観察時に用いられる倍率は限定されたものとなっている。そのため、装置のオペレータは、詳細な像観察時の倍率を選択する際に誤った倍率を指定するケースがあり、デバイスの歩留まり管理上や欠陥の状態把握に支障を来たすことがある。
【0009】
本発明は、このような点に鑑みてなされたもので、その目的は、多くの観察可能な倍率から、頻繁に使う倍率のみを効率よく選択できるように構成した電子顕微鏡を実現するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に基づく電子顕微鏡は、照射レンズ系により比較的大きな径の電子ビームを試料に照射し、試料を透過した電子を結像レンズ系でTVカメラのスクリーン上に結像するようにし、TVカメラから得られた映像信号をディスプレイに供給して透過電子顕微鏡像を表示するようにした透過電子顕微鏡像観察モードと、照射レンズ系のレンズ強度を変化させ、試料に照射される電子ビームプローブの径を比較的小さくし、更に試料に照射される電子ビームを2次元的に走査するようにし、試料を透過した電子又は試料から発生した電子を検出器によって検出し、検出器によって検出された映像信号を、電子ビームの走査に応じてディスプレイに供給して走査透過電子顕微鏡像又は走査電子顕微鏡像を表示するようにした走査透過電子顕微鏡像観察モード又は走査電子顕微鏡像観察モードとを選択的に切り替えられる電子顕微鏡であって、該電子顕微鏡は、各観察倍率に対して前記2つの観察モードの像観察が可能かどうかを示すテーブルをディスプレイに表示し、前記テーブル上で多数の観察倍率から特定の観察倍率のみを前記全ての観察モードに対して一括して選択でき、各観察モードにおいて選択された倍率のみでしか動作されないように構成すると共に、観察モードが切り替えられてもディスプレイに表示される像の倍率に変化がないように構成されたことを特徴としている。
【0011】
本発明では、多くの観察可能な倍率から観察時に頻繁に使用する倍率のみを簡単に選択できるように構成し、繰り返して観察を行う際に、誤った倍率を使用することを防止する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明に基づく電子顕微鏡の一例を示したもので、この顕微鏡では、電子ビームを試料上で走査し、試料表面からの2次電子に基づく走査電子顕微鏡像と、同じく電子ビームを試料上で走査し、試料を透過した電子に基づく走査透過電子顕微鏡像と、電子ビームを走査せず、試料を透過した電子に基づく透過電子顕微鏡像の複数の像の観察ができるように構成されている。
【0013】
図において、電子顕微鏡カラム1の上部に配置された電子銃2から発生した電子ビームは、加速管3によって加速される。加速管3によって例えば50kVに加速された電子ビームは、第1のコンデンサレンズ4と第2のコンデンサレンズ5によって集束される。
【0014】
コンデンサレンズ4、5によって集束された電子ビームの中心部分は、コンデンサレンズアパーチャ6の開口を通り、電子ビームの外側の収差の大きい部分をアパーチャ5によって遮蔽するようにしている。なお、コンデンサレンズアパーチャ6には、複数の径の異なった開口が設けられており、顕微鏡の各種モードに応じていずれかの適切な径の開口が光軸上に配置されるように構成されている。加速管3とコンデンサレンズ4との間には、電子銃2から発生し、加速管3によって加速された電子ビームの軸ずれを補正するための一対のアライメントコイル7,8が配置されている。
【0015】
コンデンサレンズアパチャー6の開口を通過した電子ビームは、コンデンサミニレンズ9によって電子ビームのフォーカスの微調整がなされた後、対物レンズ10の磁場中に配置された試料11に照射される。コンデンサレンズアパーチャ6と試料11との間には、コンデンサレンズの非点収差を補正するための非点収差補正レンズ13、コンデンサレンズ4、5によって集束された電子ビームの軸ずれを補正するためのアライメントコイル14、15が配置されている。なお、アライメントコイル14、15は、走査像観察モードの際には、電子ビームの2次元走査用のコイルとしても動作する。
【0016】
対物レンズ10による試料11の前方磁場は、電子ビームのフォーカスに寄与し、試料11の後方磁場は、後段の中間レンズ16、17、18と投影レンズ19とによって結像レンズ系を構成する。なお、対物レンズ10の前方には、対物レンズアパーチャ20が配置されており、電子ビームの外側の収差の大きい部分をアパーチャ20によって遮蔽するようにしている。なお、対物レンズアパーチャ20には、複数の径の異なった開口が設けられており、顕微鏡の各種モードに応じていずれかの適切な径の開口が光軸上に配置されるように構成されている。また、対物レンズ10とアパーチャ21との間には、対物レンズ10の磁場の微調整をするための対物ミニレンズ22が配置されている。
【0017】
更に、対物レンズアパーチャ20の下部には、対物レンズ10の非点収差を補正するための非点収差補正レンズ23、像の観察範囲を電気的に変化させるためのイメージシフトコイル24、25が設けられている。また、中間レンズ16に接近した位置と、投影レンズ19の後段には、電子ビームの軸合わせ用のアライメントコイル12,26が配置されている。
【0018】
試料11の上部には、2次電子検出器27が設けられている。この2次電子検出器は、走査電子顕微鏡像観察モードの際に動作させられるもので、例えば、シンチレータと光電子増倍管より構成される検出器が用いられ、試料からの2次電子を加速してシンチレータに導くようにされている。
【0019】
また、結像レンズ系の後段には、上から順番に、CCDカメラのごとき第1のTVカメラ28、暗視野像観察用検出器29、明視野像観察用検出器30、CCDカメラのごとき第2のTVカメラ31が配置されている。第1のTVカメラ28は、駆動機構33aによって光軸上に挿脱可能に構成されている。また、暗視野像観察用検出器29、明視野像観察用検出器30は、それぞれ駆動機構34、35によって光軸上に挿脱可能に構成されている。更に、第2のTVカメラ31は、駆動機構33bによって光軸上に挿脱可能に構成されている。
【0020】
カラム1内のレンズ、すなわち、コンデンサレンズ4、5、コンデンサミニレンズ9、対物レンズ10、対物ミニレンズ22、中間レンズ16、17、18、投影レンズ19および非点収差補正レンズ13、23には、レンズ電源36から励磁電流が供給される。また、前記電子銃2と加速管3には、高電圧電源37から所望の高電圧が印加される。
【0021】
更に、電子銃アライメントコイル7、8、コンデンサレンズアライメントコイル14、15、イメージシフトコイル24、25、結像レンズ系アライメントコイル12,26には、アライメント電源38からそれぞれ所望の電流が流され、それに伴って各コイルにより発生した磁場により電子ビームは適宜軸ズレが補正され、また像の位置が移動させられる。
【0022】
また、2次電子検出器27の駆動機構32、第1のTVカメラ28の駆動機構33a、暗視野像観察用検出器29の駆動機構34、明視野像観察用検出器30の駆動機構35、第2のTVカメラ31の駆動機構33bは、検出器駆動電源39からの駆動電圧により、選択的に駆動され、特定の検出器のみが光軸に配置されるか、光軸に接近させられるように構成されている。
【0023】
また、第1のTVカメラ28および第2のTVカメラ31からの透過電子顕微鏡像信号取得のためのTV電源40が備えられており、また、2次電子検出器27、暗視野像観察用検出器29、明視野像観察用検出器30からの走査像信号は、像信号増幅器41に供給される。
【0024】
また、カラム1内の光軸に沿って配置されるアパーチャ6、20、21は、アパーチャ駆動電源42によって駆動され、光軸上の各アパーチャの開口の大きさは最適なものに選択される。
【0025】
前記レンズ電源36、高電圧電源37、アライメント電源38、検出器駆動電源39、TVカメラ用電源40、検出器信号増幅器41、アパーチャ駆動電源42は、インターフェース43を介してコンピュータ44に接続されている。この結果、レンズ電源36、高電圧電源37、アライメント電源38、検出器駆動電源39、TVカメラ用電源40、信号増幅器41、アパーチャ駆動電源42は、コンピュータ44によって制御されることになる。
【0026】
コンピュータ44には、メモリー45が接続されているが、このメモリー45には、各レンズ強度、検出器の選択、アパーチャの開口の選択などが、電子顕微鏡の観察モード、電子銃の加速電圧や倍率に応じてテーブルの形式で記憶されている。
【0027】
例えば、電子銃の加速電圧を変化させた場合には、選択された加速電圧で電子ビームが最適に試料11にフォーカスされ、試料を透過した電子像が例えば指定された倍率となるように、第1のTVカメラ28のスクリーン上に最適に投影されるような各レンズ強度があらかじめ記憶されている。
【0028】
コンピュータ44には、キーボード46、マウス47、コントロールパネル48、ディスプレイ49が接続されており、キーボード46、マウス47によってコンピュータ44への指令や各種の条件設定を行なうことができるように構成されている。
【0029】
また、ディスプレイ49の画面には、像表示領域50、装置の制御のためのGUI(グラフィックユーザーインターフェイス)51、マウス47やキーボード46によって画面上を移動するポインター52が表示されている。また、当然のことながら、コンピュータ44内には、電子顕微鏡の各種構成要素を指定されたモードや条件に応じてコントロールするためのソフトウェア53が備えられている。このような構成の動作を次に説明する。
【0030】
さて、図1に示した電子顕微鏡は、透過電子顕微鏡像の観察と、走査電子顕微鏡像の観察と、走査透過電子顕微鏡像の観察とを行なうことができる。透過電子顕微鏡像を観察する場合、キーボード46やマウス47を用いて、ディスプレイ49に表示されているGUI51中の例えば、TEMの表示がされている領域にポインター52を位置させ、マウス47をクリックするなどして、TEMモードを選択する。
【0031】
TEMモードが選択されると、コンピュータ44は検出器駆動電源39を制御し、駆動機構32により2次電子検出器27を光軸から遠くに退避させ、駆動機構34により暗視野像検出器29を、駆動機構35により明視野像検出器30を光軸上から退避させる。そして、駆動機構33aと33bによって、第1のTVカメラ28か第2のTVカメラ31のいずれか一方を光軸上に配置し、他方を光軸から退避させる。
【0032】
この第1のTVカメラ28は広視野観察用に比較的低い倍率の像を観察する際に主として用いられるもので、投影レンズ19に近い位置に配置される。また、第2のTVカメラ31は、高分解能のTVカメラが用いられ、比較的高い倍率で像の観察を行う際に用いられる。この2種のTVカメラのいずれを用いるかは、コンピュータ44のディスプレイ49のGUI51によって選択することができる。
【0033】
例えば、広視野の電子顕微鏡像を観察する場合には、第1のTVカメラ28が光軸上に配置され、第2のTVカメラ31は光軸から退避させられる。この状態で、コンピュータ44はコンデンサレンズ4、5、対物レンズ10の励磁電流を制御し、比較的太い径(1nm)のプローブが試料11に照射されるように制御する。また、中間レンズ16〜18と投影レンズ19の励磁電流を制御し、試料11を透過した電子による像が第1のTVカメラ28のスクリーン上に結像されるように制御する。
【0034】
このように各レンズを制御して電子銃2からの電子ビームを試料11に照射すれば、第1のTVカメラ28のスクリーン上には試料の特定広視野の透過電子顕微鏡像が投影される。TVカメラ28のスクリーン上に投影された像は映像信号として読み出され、透過電子顕微鏡像取得のためのTV電源40を介してコンピュータ44に送られる。コンピュータ44に供給された映像信号は、ディスプレイ49に供給され、ディスプレイ49の画面の像表示領域50上には、広領域の倍率の比較的低い透過電子顕微鏡像が表示される。
【0035】
なお、比較的倍率の高い高分解能の透過電子顕微鏡像を観察する場合には、駆動機構33aによって第1のTVカメラ28が光軸上から退避させられ、駆動機構33bによって第2のTVカメラ31が光軸上に配置される。その際には、中間レンズ16〜18、投影レンズ19のレンズ強度が調整され、電子像がカラム1の下部に配置された第2のTVカメラ31のスクリーン上に結像されるように制御される。
【0036】
TVカメラ31のスクリーン上に投影された像は映像信号として読み出され、透過電子顕微鏡像取得のためのTV電源40を介してコンピュータ44に送られる。コンピュータ44に供給された映像信号は、ディスプレイ49に供給され、ディスプレイ49の画面の像表示領域50上には、倍率の高い高分解能の透過電子顕微鏡像が表示される。なお、第1のTVカメラ28を用いて得られた像は試料の視野探しのために用いられ、第2のTVカメラ31を用いて得られた像は視野探しの結果得られた試料の所望領域の高分解能の像となる。
【0037】
次に、走査電子顕微鏡像(SEM像)と走査透過電子顕微鏡像(STEM像)を観察する際の操作について説明する。走査電子顕微鏡像あるいは走査透過電子顕微鏡像を観察する場合、キーボード46やマウス47を用いて、ディスプレイ49に表示されているGUI51中の例えば、SEMあるいはSTEMの表示がされている領域にポインター52を位置させ、マウス47をクリックするなどして、SEMあるいはSTEMモードを選択する。
【0038】
このSEMモードが選択されると、コンピュータ44は検出器駆動電源39を制御し、駆動機構32によって2次電子検出器27を光軸に近い位置に移動させ、暗視野像検出器29、明視野像検出器30を光軸上から退避させる。そして、第1のTVカメラ28と第2のTVカメラ31も光軸から退避させる。
【0039】
この状態で、コンピュータ44はコンデンサレンズ4、5、対物レンズ10の励磁電流を制御し、比較的細い径(0.2nm程度)のプローブが試料11に照射されるように制御する。このように各レンズを制御して電子銃2からの電子ビームを試料11に照射すると共に、コンデンサレンズアライメントコイル14、15に電子ビームの2次元走査信号を供給すれば、試料11の所定領域で電子ビームが2次元的に走査される。
【0040】
試料上の電子ビームの2次元走査に基づいて試料11の表面から発生した2次電子は、2次電子検出器27に導かれて検出される。検出された2次電子信号は、映像信号として増幅器41を介してコンピュータ44に供給される。コンピュータ44に供給された映像信号は、ディスプレイ49に供給され、その結果、像表示領域50には、走査電子顕微鏡像が表示されることになる。
【0041】
次に、STEMモードが選択されると、コンピュータ44は検出器駆動電源39を制御し、駆動機構32によって2次電子検出器27を光軸から遠くに離し、駆動機構33a、33bを駆動して、暗視野像検出器29、明視野像検出器30のいずれか一方を光軸上に配置し、他方を光軸上から退避させる。そして、第1のTVカメラ28と第2のTVカメラ31も光軸から退避させる。
【0042】
この状態で、コンピュータ44はコンデンサレンズ4、5、対物レンズ10の励磁電流を制御し、比較的細い径(0.2nm程度)のプローブが試料11に照射されるように制御する。このように各レンズを制御して電子銃2からの電子ビームを試料11に照射すると共に、コンデンサレンズアライメントコイル14、15に電子ビームの2次元走査信号を供給すれば、試料11の所定領域で電子ビームが2次元的に走査される。
【0043】
試料上の電子ビームの2次元走査に基づいて試料11を透過した電子は、光軸上に配置された暗視野像用検出器29か明視野像用検出器30のいずれかによって検出される。検出された透過電子信号は、映像信号として増幅器41を介してコンピュータ44に供給される。コンピュータ44に供給された映像信号は、ディスプレイ49に供給され、その結果、像表示領域50には、明視野か暗視野の走査透過電子顕微鏡像が表示されることになる。
【0044】
ここで、像倍率の設定動作について説明する。まず、この電子顕微鏡を操作するユーザごとにコンピュータ44にログオンする。このログオン時に各ユーザー用のデータが、図示していない補助メモリーからコンピュータの主メモリー45に読み込まれる。この際に、各個人用の倍率系列データも主メモリー45に読み込まれる。
【0045】
この倍率系列データの設定は、倍率設定用のGUI画面を開き、任意の倍率のみを選択することによって行なう。図2は開かれた倍率設定用のGUI画面の一例を示している。このGUI画面では、各倍率に対してSEM像(走査電子顕微鏡像)、STEM像(走査透過電子顕微鏡像)、TEM像(透過電子顕微鏡像)の観察が可能かどうかが表示されている。
【0046】
この図2のテーブルで○が付されている倍率と観察モードでは、その倍率で像の観察が可能であることを示している。また、このテーブルには使用倍率欄が設けられており、この欄にレ印を付すことにより、その倍率のみ像の観察が可能となり、レ印が付されなかった倍率では像の観察が不可能な状態とされる。
【0047】
このようなデータの入力がなされた後、特定の観察モードと倍率に電子光学系を設定し、得られた像の観察を行って視野探しがなされる。所望の視野が得られたら、観察モードが切り換えられ、異なった観察モードの像が表示される。このとき、像の観察モードが変更されても、ディスプレイ49の像表示領域に表示された像の倍率には変化がない。
【0048】
このようにして観察モードを変更しても、同一倍率で像の視野が変わらないように、TEMモードではイメージシフトコイル24、25で電子ビームを偏向し、視野探しの際に選択された視野の透過電子顕微鏡像が正確に観察できるようにされる。
【0049】
また、SEMモードやSTEMモードでは、コンデンサレンズアライメントコイル14、15に供給される走査信号に偏向補正信号を重畳させるようにし、視野探し走査で設定された視野の像の観察を正確に行うことができる。また、回折モードにおいても、同様に使用できるカメラ長を限定することができる。
【0050】
なお、視野探しを特定の倍率、特定の観察モードで行い、実際の像観察によるデバイスの検査を所望の観察モードで行った後、コンピュータ44のログオフ時には、上記使用した各系列データは、メモリー45からMOなどの補助メモリーに書き戻され、保存される。このようにデータの保存を行っておけば、次回のデバイス検査も同じ条件で行うことができ検査を効率よく行うことができる。
【0051】
以上本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されず幾多の変形が可能である。例えば、走査像として3種の像を観察できるように構成したが、2種の走査像を観察できる装置にも本発明を適用することができる。また、2次電子を検出するようにしたが、反射電子を検出するようにしても良い。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に基づく電子顕微鏡は、照射レンズ系により比較的大きな径の電子ビームを試料に照射し、試料を透過した電子を結像レンズ系でTVカメラのスクリーン上に結像するようにし、TVカメラから得られた映像信号をディスプレイに供給して透過電子顕微鏡像を表示するようにした透過電子顕微鏡像観察モードと、照射レンズ系のレンズ強度を変化させ、試料に照射される電子ビームプローブの径を比較的小さくし、更に試料に照射される電子ビームを2次元的に走査するようにし、試料を透過した電子又は試料から発生した電子を検出器によって検出し、検出器によって検出された映像信号を、電子ビームの走査に応じてディスプレイに供給して走査透過電子顕微鏡像又は走査電子顕微鏡像を表示するようにした走査透過電子顕微鏡像観察モード又は走査電子顕微鏡像観察モードとを選択的に切り替えられる電子顕微鏡であって、該電子顕微鏡は、各観察倍率に対して前記2つの観察モードの像観察が可能かどうかを示すテーブルをディスプレイに表示し、前記テーブル上で多数の観察倍率から特定の観察倍率のみを前記全ての観察モードに対して一括して選択でき、各観察モードにおいて選択された倍率のみでしか動作されないように構成すると共に、観察モードが切り替えられてもディスプレイに表示される像の倍率に変化がないように構成されたことを特徴としている。
【0053】
その結果、本発明では、多くの観察可能な倍率から観察時に頻繁に使用する倍率のみを簡単に選択できるようになり、また、繰り返して観察を行う際に、誤った倍率を使用することを防止することができる。更に、像の種類を変えても、倍率および観察視野は変わらないので、視野探しの手間が省けることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく電子顕微鏡の一例を示す図である。
【図2】使用する倍率を指定するためのGUI画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 カラム
2 電子銃
3 加速管
6、20、21 アパーチャ
7、8 電子銃アライメントコイル
10 対物レンズ
11 試料
13、23 非点補正レンズ
14、15 コンデンサレンズアライメントコイル
16、17、18 中間レンズ
19 投影レンズ
24、25 イメージシフトコイル
26 投影レンズアライメントコイル
27、29、30 検出器
28、31 TVカメラ
32a、32b TVカメラ駆動機構
33、34、35 検出器駆動機構
36 レンズ電源
37 高電圧電源
38 アライメントコイル用電源
39 検出器駆動電源
40 TEM像のためのTV電源
41 走査像用信号増幅器
42 アパーチャ駆動電源
43 インターフェース
44 コンピュータ
45 メモリー
46 キーボード
47 マウス
48 コントロールパネル
49 ディスプレイ
50 像表示領域
51 GUI
52 ポインター

Claims (1)

  1. 照射レンズ系により比較的大きな径の電子ビームを試料に照射し、試料を透過した電子を結像レンズ系でTVカメラのスクリーン上に結像するようにし、TVカメラから得られた映像信号をディスプレイに供給して透過電子顕微鏡像を表示するようにした透過電子顕微鏡像観察モードと、照射レンズ系のレンズ強度を変化させ、試料に照射される電子ビームプローブの径を比較的小さくし、更に試料に照射される電子ビームを2次元的に走査するようにし、試料を透過した電子又は試料から発生した電子を検出器によって検出し、検出器によって検出された映像信号を、電子ビームの走査に応じてディスプレイに供給して走査透過電子顕微鏡像又は走査電子顕微鏡像を表示するようにした走査透過電子顕微鏡像観察モード又は走査電子顕微鏡像観察モードとを選択的に切り替えられる電子顕微鏡であって、該電子顕微鏡は、各観察倍率に対して前記2つの観察モードの像観察が可能かどうかを示すテーブルをディスプレイに表示し、前記テーブル上で多数の観察倍率から特定の観察倍率のみを前記全ての観察モードに対して一括して選択でき、各観察モードにおいて選択された倍率のみでしか動作されないように構成すると共に、観察モードが切り替えられてもディスプレイに表示される像の倍率に変化がないように構成された電子顕微鏡。
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