JP2003331771A - 電子顕微鏡 - Google Patents

電子顕微鏡

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JP2003331771A JP2002137367A JP2002137367A JP2003331771A JP 2003331771 A JP2003331771 A JP 2003331771A JP 2002137367 A JP2002137367 A JP 2002137367A JP 2002137367 A JP2002137367 A JP 2002137367A JP 2003331771 A JP2003331771 A JP 2003331771A
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光明 大崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多くの観察可能な倍率から、頻繁に使う倍率
のみを効率よく選択できるように構成した電子顕微鏡を
実現する。 【解決手段】 電子顕微鏡を操作するユーザごとにコン
ピュータ44にログオンする。このログオン時に各ユー
ザー用のデータが、図示していない補助メモリーからコ
ンピュータの主メモリー45に読み込まれる。この際
に、各個人用の倍率系列データも主メモリー45に読み
込まれる。この倍率系列データの設定は、倍率設定用の
GUI画面を開き、任意の倍率のみを選択することによ
って行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンデンサレン
ズ、対物レンズにより電子ビームを試料上に集束すると
共に、電子ビームを試料上で走査し、試料を透過した電
子を検出し、透過電子検出信号を電子ビームの走査に同
期して表示するようにした電子顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】電子顕微鏡における走査透過電子顕微鏡
モードでは、電子銃から発生し加速された電子ビーム
を、コンデンサレンズ、対物レンズにより試料上に細く
集束すると共に、試料上の所定範囲を電子ビームで走査
するようにしている。試料に電子ビームを照射すること
によってこの試料を透過した電子を検出し、この検出信
号を一次電子ビームの走査に応じてディスプレイに供給
し、試料の走査透過電子顕微鏡像を表示するようにして
いる。
【0003】このような電子顕微鏡において、試料の表
面部分から発生した2次電子や試料からの反射電子を検
出し、それらの検出信号を一次電子ビームの走査に応じ
てディスプレイに表示すれば、走査電子顕微鏡像を観察
することができる。また、試料を透過した電子を走査透
過電子顕微鏡像用の検出器に代えてCCDカメラのごと
きTVカメラで検出し、TVカメラからの信号に基づい
てディスプレイ上に像を表示させることにより、透過電
子顕微鏡像を得ることができる。
【0004】このような電子顕微鏡では、カラム内にセ
ットされた試料を移動させながら、観察すべき部位を低
倍率で探し、観察すべき部位が見つかった場合には、そ
の部位を比較的高い倍率で観察する。この場合、観察倍
率は、選択された観察視野に応じて決定される。
【0005】この視野探しと選択された視野の詳細な観
察は、一例として、視野探しを低倍率に設定された走査
電子顕微鏡モードや透過電子顕微鏡モードで行い、比較
的高い倍率での選択された視野の観察を走査透過電子顕
微鏡モードで行なうことができる。
【0006】なお、得られる像の分解能は、試料に照射
される電子ビームの非点の状態と電子ビームの軸ズレの
状態によって左右される。そのため、各レンズに非点補
正装置(スティグマ)やアライメント装置を付属させ、実
際に走査透過電子顕微鏡像を表示させ、その像を観察し
ながら、像の状態が最適になるように非点補正装置やア
ライメント装置の調整を行なっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のごとき電子顕微
鏡において、試料の目的とする視野を探す際には、低倍
率の像を用い、試料を移動させながら行っている。目的
とする視野が見つかった場合は、その視野に応じて倍率
を変化させ、詳細な観察や分析を行っている。この場
合、詳細な観察を行うための像の倍率は、多種の観察に
対応できるように細かい段階に倍率を自由に変えること
ができるように構成されている。
【0008】ところで、最近半導体デバイスの歩留まり
管理や製造工程における欠陥の有無の確認のために電子
顕微鏡が使用されるようになってきた。このようなケー
スでは、視野が決定された後の詳細な観察時に用いられ
る倍率は限定されたものとなっている。そのため、装置
のオペレータは、詳細な像観察時の倍率を選択する際に
誤った倍率を指定するケースがあり、デバイスの歩留ま
り管理上や欠陥の状態把握に支障を来たすことがある。
【0009】本発明は、このような点に鑑みてなされた
もので、その目的は、多くの観察可能な倍率から、頻繁
に使う倍率のみを効率よく選択できるように構成した電
子顕微鏡を実現するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に基づく電子顕微
鏡は、照射レンズ系により比較的大きな径の電子ビーム
を試料に照射し、試料を透過した電子を結像レンズ系で
TVカメラのスクリーン上に結像するようにし、TVカ
メラから得られた映像信号をディスプレイに供給して透
過電子顕微鏡像を表示するようにした透過電子顕微鏡像
観察モードと、照射レンズ系のレンズ強度を変化させ、
試料に照射される電子ビームプローブの径を比較的小さ
くし、更に試料に照射される電子ビームを2次元的に走
査するようにし、試料を透過した電子をTVカメラに代
えて光軸上に配置された検出器によって検出し、検出器
によって検出された映像信号を、電子ビームの走査に応
じてディスプレイに供給して走査透過電子顕微鏡像を表
示するようにした走査透過電子顕微鏡像観察モードとを
選択的に切り替えられる電子顕微鏡であって、該電子顕
微鏡は、多数の観察倍率から特定の観察倍率のみを選択
でき、選択された倍率のみでしか動作されないように構
成したことを特徴としている。
【0011】本発明では、多くの観察可能な倍率から観
察時に頻繁に使用する倍率のみを簡単に選択できるよう
に構成し、繰り返して観察を行う際に、誤った倍率を使
用することを防止する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明に基づく電
子顕微鏡の一例を示したもので、この顕微鏡では、電子
ビームを試料上で走査し、試料表面からの2次電子に基
づく走査電子顕微鏡像と、同じく電子ビームを試料上で
走査し、試料を透過した電子に基づく走査透過電子顕微
鏡像と、電子ビームを走査せず、試料を透過した電子に
基づく透過電子顕微鏡像の複数の像の観察ができるよう
に構成されている。
【0013】図において、電子顕微鏡カラム1の上部に
配置された電子銃2から発生した電子ビームは、加速管
3によって加速される。加速管3によって例えば50k
Vに加速された電子ビームは、第1のコンデンサレンズ
4と第2のコンデンサレンズ5によって集束される。
【0014】コンデンサレンズ4、5によって集束され
た電子ビームの中心部分は、コンデンサレンズアパーチ
ャ6の開口を通り、電子ビームの外側の収差の大きい部
分をアパーチャ5によって遮蔽するようにしている。な
お、コンデンサレンズアパーチャ6には、複数の径の異
なった開口が設けられており、顕微鏡の各種モードに応
じていずれかの適切な径の開口が光軸上に配置されるよ
うに構成されている。加速管3とコンデンサレンズ4と
の間には、電子銃2から発生し、加速管3によって加速
された電子ビームの軸ずれを補正するための一対のアラ
イメントコイル7,8が配置されている。
【0015】コンデンサレンズアパチャー6の開口を通
過した電子ビームは、コンデンサミニレンズ9によって
電子ビームのフォーカスの微調整がなされた後、対物レ
ンズ10の磁場中に配置された試料11に照射される。
コンデンサレンズアパーチャ6と試料11との間には、
コンデンサレンズの非点収差を補正するための非点収差
補正レンズ13、コンデンサレンズ4、5によって集束
された電子ビームの軸ずれを補正するためのアライメン
トコイル14、15が配置されている。なお、アライメ
ントコイル14、15は、走査像観察モードの際には、
電子ビームの2次元走査用のコイルとしても動作する。
【0016】対物レンズ10による試料11の前方磁場
は、電子ビームのフォーカスに寄与し、試料11の後方
磁場は、後段の中間レンズ16、17、18と投影レン
ズ19とによって結像レンズ系を構成する。なお、対物
レンズ10の前方には、対物レンズアパーチャ20が配
置されており、電子ビームの外側の収差の大きい部分を
アパーチャ20によって遮蔽するようにしている。な
お、対物レンズアパーチャ20には、複数の径の異なっ
た開口が設けられており、顕微鏡の各種モードに応じて
いずれかの適切な径の開口が光軸上に配置されるように
構成されている。また、対物レンズ10とアパーチャ2
1との間には、対物レンズ10の磁場の微調整をするた
めの対物ミニレンズ22が配置されている。
【0017】更に、対物レンズアパーチャ20の下部に
は、対物レンズ10の非点収差を補正するための非点収
差補正レンズ23、像の観察範囲を電気的に変化させる
ためのイメージシフトコイル24、25が設けられてい
る。また、中間レンズ16に接近した位置と、投影レン
ズ19の後段には、電子ビームの軸合わせ用のアライメ
ントコイル12,26が配置されている。
【0018】試料11の上部には、2次電子検出器27
が設けられている。この2次電子検出器は、走査電子顕
微鏡像観察モードの際に動作させられるもので、例え
ば、シンチレータと光電子増倍管より構成される検出器
が用いられ、試料からの2次電子を加速してシンチレー
タに導くようにされている。
【0019】また、結像レンズ系の後段には、上から順
番に、CCDカメラのごとき第1のTVカメラ28、暗
視野像観察用検出器29、明視野像観察用検出器30、
CCDカメラのごとき第2のTVカメラ31が配置され
ている。第1のTVカメラ28は、駆動機構33aによ
って光軸上に挿脱可能に構成されている。また、暗視野
像観察用検出器29、明視野像観察用検出器30は、そ
れぞれ駆動機構34、35によって光軸上に挿脱可能に
構成されている。更に、第2のTVカメラ31は、駆動
機構33bによって光軸上に挿脱可能に構成されてい
る。
【0020】カラム1内のレンズ、すなわち、コンデン
サレンズ4、5、コンデンサミニレンズ9、対物レンズ
10、対物ミニレンズ22、中間レンズ16、17、1
8、投影レンズ19および非点収差補正レンズ13、2
3には、レンズ電源36から励磁電流が供給される。ま
た、前記電子銃2と加速管3には、高電圧電源37から
所望の高電圧が印加される。
【0021】更に、電子銃アライメントコイル7、8、
コンデンサレンズアライメントコイル14、15、イメ
ージシフトコイル24、25、結像レンズ系アライメン
トコイル12,26には、アライメント電源38からそ
れぞれ所望の電流が流され、それに伴って各コイルによ
り発生した磁場により電子ビームは適宜軸ズレが補正さ
れ、また像の位置が移動させられる。
【0022】また、2次電子検出器27の駆動機構3
2、第1のTVカメラ28の駆動機構33a、暗視野像
観察用検出器29の駆動機構34、明視野像観察用検出
器30の駆動機構35、第2のTVカメラ31の駆動機
構33bは、検出器駆動電源39からの駆動電圧によ
り、選択的に駆動され、特定の検出器のみが光軸に配置
されるか、光軸に接近させられるように構成されてい
る。
【0023】また、第1のTVカメラ28および第2の
TVカメラ31からの透過電子顕微鏡像信号取得のため
のTV電源40が備えられており、また、2次電子検出
器27、暗視野像観察用検出器29、明視野像観察用検
出器30からの走査像信号は、像信号増幅器41に供給
される。
【0024】また、カラム1内の光軸に沿って配置され
るアパーチャ6、20、21は、アパーチャ駆動電源4
2によって駆動され、光軸上の各アパーチャの開口の大
きさは最適なものに選択される。
【0025】前記レンズ電源36、高電圧電源37、ア
ライメント電源38、検出器駆動電源39、TVカメラ
用電源40、検出器信号増幅器41、アパーチャ駆動電
源42は、インターフェース43を介してコンピュータ
44に接続されている。この結果、レンズ電源36、高
電圧電源37、アライメント電源38、検出器駆動電源
39、TVカメラ用電源40、信号増幅器41、アパー
チャ駆動電源42は、コンピュータ44によって制御さ
れることになる。
【0026】コンピュータ44には、メモリー45が接
続されているが、このメモリー45には、各レンズ強
度、検出器の選択、アパーチャの開口の選択などが、電
子顕微鏡の観察モード、電子銃の加速電圧や倍率に応じ
てテーブルの形式で記憶されている。
【0027】例えば、電子銃の加速電圧を変化させた場
合には、選択された加速電圧で電子ビームが最適に試料
11にフォーカスされ、試料を透過した電子像が例えば
指定された倍率となるように、第1のTVカメラ28の
スクリーン上に最適に投影されるような各レンズ強度が
あらかじめ記憶されている。
【0028】コンピュータ44には、キーボード46、
マウス47、コントロールパネル48、ディスプレイ4
9が接続されており、キーボード46、マウス47によ
ってコンピュータ44への指令や各種の条件設定を行な
うことができるように構成されている。
【0029】また、ディスプレイ49の画面には、像表
示領域50、装置の制御のためのGUI(グラフィック
ユーザーインターフェイス)51、マウス47やキーボ
ード46によって画面上を移動するポインター52が表
示されている。また、当然のことながら、コンピュータ
44内には、電子顕微鏡の各種構成要素を指定されたモ
ードや条件に応じてコントロールするためのソフトウェ
ア53が備えられている。このような構成の動作を次に
説明する。
【0030】さて、図1に示した電子顕微鏡は、透過電
子顕微鏡像の観察と、走査電子顕微鏡像の観察と、走査
透過電子顕微鏡像の観察とを行なうことができる。透過
電子顕微鏡像を観察する場合、キーボード46やマウス
47を用いて、ディスプレイ49に表示されているGU
I51中の例えば、TEMの表示がされている領域にポ
インター52を位置させ、マウス47をクリックするな
どして、TEMモードを選択する。
【0031】TEMモードが選択されると、コンピュー
タ44は検出器駆動電源39を制御し、駆動機構32に
より2次電子検出器27を光軸から遠くに退避させ、駆
動機構34により暗視野像検出器29を、駆動機構35
により明視野像検出器30を光軸上から退避させる。そ
して、駆動機構33aと33bによって、第1のTVカ
メラ28か第2のTVカメラ31のいずれか一方を光軸
上に配置し、他方を光軸から退避させる。
【0032】この第1のTVカメラ28は広視野観察用
に比較的低い倍率の像を観察する際に主として用いられ
るもので、投影レンズ19に近い位置に配置される。ま
た、第2のTVカメラ31は、高分解能のTVカメラが
用いられ、比較的高い倍率で像の観察を行う際に用いら
れる。この2種のTVカメラのいずれを用いるかは、コ
ンピュータ44のディスプレイ49のGUI51によっ
て選択することができる。
【0033】例えば、広視野の電子顕微鏡像を観察する
場合には、第1のTVカメラ28が光軸上に配置され、
第2のTVカメラ31は光軸から退避させられる。この
状態で、コンピュータ44はコンデンサレンズ4、5、
対物レンズ10の励磁電流を制御し、比較的太い径(1n
m)のプローブが試料11に照射されるように制御す
る。また、中間レンズ16〜18と投影レンズ19の励
磁電流を制御し、試料11を透過した電子による像が第
1のTVカメラ28のスクリーン上に結像されるように
制御する。
【0034】このように各レンズを制御して電子銃2か
らの電子ビームを試料11に照射すれば、第1のTVカ
メラ28のスクリーン上には試料の特定広視野の透過電
子顕微鏡像が投影される。TVカメラ28のスクリーン
上に投影された像は映像信号として読み出され、透過電
子顕微鏡像取得のためのTV電源40を介してコンピュ
ータ44に送られる。コンピュータ44に供給された映
像信号は、ディスプレイ49に供給され、ディスプレイ
49の画面の像表示領域50上には、広領域の倍率の比
較的低い透過電子顕微鏡像が表示される。
【0035】なお、比較的倍率の高い高分解能の透過電
子顕微鏡像を観察する場合には、駆動機構33aによっ
て第1のTVカメラ28が光軸上から退避させられ、駆
動機構33bによって第2のTVカメラ31が光軸上に
配置される。その際には、中間レンズ16〜18、投影
レンズ19のレンズ強度が調整され、電子像がカラム1
の下部に配置された第2のTVカメラ31のスクリーン
上に結像されるように制御される。
【0036】TVカメラ31のスクリーン上に投影され
た像は映像信号として読み出され、透過電子顕微鏡像取
得のためのTV電源40を介してコンピュータ44に送
られる。コンピュータ44に供給された映像信号は、デ
ィスプレイ49に供給され、ディスプレイ49の画面の
像表示領域50上には、倍率の高い高分解能の透過電子
顕微鏡像が表示される。なお、第1のTVカメラ28を
用いて得られた像は試料の視野探しのために用いられ、
第2のTVカメラ31を用いて得られた像は視野探しの
結果得られた試料の所望領域の高分解能の像となる。
【0037】次に、走査電子顕微鏡像(SEM像)と走
査透過電子顕微鏡像(STEM像)を観察する際の操作
について説明する。走査電子顕微鏡像あるいは走査透過
電子顕微鏡像を観察する場合、キーボード46やマウス
47を用いて、ディスプレイ49に表示されているGU
I51中の例えば、SEMあるいはSTEMの表示がさ
れている領域にポインター52を位置させ、マウス47
をクリックするなどして、SEMあるいはSTEMモー
ドを選択する。
【0038】このSEMモードが選択されると、コンピ
ュータ44は検出器駆動電源39を制御し、駆動機構3
2によって2次電子検出器27を光軸に近い位置に移動
させ、暗視野像検出器29、明視野像検出器30を光軸
上から退避させる。そして、第1のTVカメラ28と第
2のTVカメラ31も光軸から退避させる。
【0039】この状態で、コンピュータ44はコンデン
サレンズ4、5、対物レンズ10の励磁電流を制御し、
比較的細い径(0.2nm程度)のプローブが試料11に
照射されるように制御する。このように各レンズを制御
して電子銃2からの電子ビームを試料11に照射すると
共に、コンデンサレンズアライメントコイル14、15
に電子ビームの2次元走査信号を供給すれば、試料11
の所定領域で電子ビームが2次元的に走査される。
【0040】試料上の電子ビームの2次元走査に基づい
て試料11の表面から発生した2次電子は、2次電子検
出器27に導かれて検出される。検出された2次電子信
号は、映像信号として増幅器41を介してコンピュータ
44に供給される。コンピュータ44に供給された映像
信号は、ディスプレイ49に供給され、その結果、像表
示領域50には、走査電子顕微鏡像が表示されることに
なる。
【0041】次に、STEMモードが選択されると、コ
ンピュータ44は検出器駆動電源39を制御し、駆動機
構32によって2次電子検出器27を光軸から遠くに離
し、駆動機構33a、33bを駆動して、暗視野像検出
器29、明視野像検出器30のいずれか一方を光軸上に
配置し、他方を光軸上から退避させる。そして、第1の
TVカメラ28と第2のTVカメラ31も光軸から退避
させる。
【0042】この状態で、コンピュータ44はコンデン
サレンズ4、5、対物レンズ10の励磁電流を制御し、
比較的細い径(0.2nm程度)のプローブが試料11に
照射されるように制御する。このように各レンズを制御
して電子銃2からの電子ビームを試料11に照射すると
共に、コンデンサレンズアライメントコイル14、15
に電子ビームの2次元走査信号を供給すれば、試料11
の所定領域で電子ビームが2次元的に走査される。
【0043】試料上の電子ビームの2次元走査に基づい
て試料11を透過した電子は、光軸上に配置された暗視
野像用検出器29か明視野像用検出器30のいずれかに
よって検出される。検出された透過電子信号は、映像信
号として増幅器41を介してコンピュータ44に供給さ
れる。コンピュータ44に供給された映像信号は、ディ
スプレイ49に供給され、その結果、像表示領域50に
は、明視野か暗視野の走査透過電子顕微鏡像が表示され
ることになる。
【0044】ここで、像倍率の設定動作について説明す
る。まず、この電子顕微鏡を操作するユーザごとにコン
ピュータ44にログオンする。このログオン時に各ユー
ザー用のデータが、図示していない補助メモリーからコ
ンピュータの主メモリー45に読み込まれる。この際
に、各個人用の倍率系列データも主メモリー45に読み
込まれる。
【0045】この倍率系列データの設定は、倍率設定用
のGUI画面を開き、任意の倍率のみを選択することに
よって行なう。図2は開かれた倍率設定用のGUI画面
の一例を示している。このGUI画面では、各倍率に対
してSEM像(走査電子顕微鏡像)、STEM像(走査
透過電子顕微鏡像)、TEM像(透過電子顕微鏡像)の
観察が可能かどうかが表示されている。
【0046】この図2のテーブルで○が付されている倍
率と観察モードでは、その倍率で像の観察が可能である
ことを示している。また、このテーブルには使用倍率欄
が設けられており、この欄にレ印を付すことにより、そ
の倍率のみ像の観察が可能となり、レ印が付されなかっ
た倍率では像の観察が不可能な状態とされる。
【0047】このようなデータの入力がなされた後、特
定の観察モードと倍率に電子光学系を設定し、得られた
像の観察を行って視野探しがなされる。所望の視野が得
られたら、観察モードが切り換えられ、異なった観察モ
ードの像が表示される。このとき、像の観察モードが変
更されても、ディスプレイ49の像表示領域に表示され
た像の倍率には変化がない。
【0048】このようにして観察モードを変更しても、
同一倍率で像の視野が変わらないように、TEMモード
ではイメージシフトコイル24、25で電子ビームを偏
向し、視野探しの際に選択された視野の透過電子顕微鏡
像が正確に観察できるようにされる。
【0049】また、SEMモードやSTEMモードで
は、コンデンサレンズアライメントコイル14、15に
供給される走査信号に偏向補正信号を重畳させるように
し、視野探し走査で設定された視野の像の観察を正確に
行うことができる。また、回折モードにおいても、同様
に使用できるカメラ長を限定することができる。
【0050】なお、視野探しを特定の倍率、特定の観察
モードで行い、実際の像観察によるデバイスの検査を所
望の観察モードで行った後、コンピュータ44のログオ
フ時には、上記使用した各系列データは、メモリー45
からMOなどの補助メモリーに書き戻され、保存され
る。このようにデータの保存を行っておけば、次回のデ
バイス検査も同じ条件で行うことができ検査を効率よく
行うことができる。
【0051】以上本発明の実施の形態を説明したが、本
発明はこの実施の形態に限定されず幾多の変形が可能で
ある。例えば、走査像として3種の像を観察できるよう
に構成したが、2種の走査像を観察できる装置にも本発
明を適用することができる。また、2次電子を検出する
ようにしたが、反射電子を検出するようにしても良い。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に基づく電
子顕微鏡は、照射レンズ系により比較的大きな径の電子
ビームを試料に照射し、試料を透過した電子を結像レン
ズ系でTVカメラのスクリーン上に結像するようにし、
TVカメラから得られた映像信号をディスプレイに供給
して透過電子顕微鏡像を表示するようにした透過電子顕
微鏡像観察モードと、照射レンズ系のレンズ強度を変化
させ、試料に照射される電子ビームプローブの径を比較
的小さくし、更に試料に照射される電子ビームを2次元
的に走査するようにし、試料を透過した電子をTVカメ
ラに代えて光軸上に配置された検出器によって検出し、
検出器によって検出された映像信号を、電子ビームの走
査に応じてディスプレイに供給して走査透過電子顕微鏡
像を表示するようにした走査透過電子顕微鏡像観察モー
ドとを選択的に切り替えられる電子顕微鏡であって、該
電子顕微鏡は、多数の観察倍率から特定の観察倍率のみ
を選択でき、選択された倍率のみでしか動作されないよ
うに構成したことを特徴としている。
【0053】その結果、本発明では、多くの観察可能な
倍率から観察時に頻繁に使用する倍率のみを簡単に選択
できるようになり、また、繰り返して観察を行う際に、
誤った倍率を使用することを防止することができる。更
に、像の種類を変えても、倍率および観察視野は変わら
ないので、視野探しの手間が省けることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく電子顕微鏡の一例を示す図であ
る。
【図2】使用する倍率を指定するためのGUI画面の一
例を示す図である。
【符号の説明】
1 カラム 2 電子銃 3 加速管 6、20、21 アパーチャ 7、8 電子銃アライメントコイル 10 対物レンズ 11 試料 13、23 非点補正レンズ 14、15 コンデンサレンズアライメントコイル 16、17、18 中間レンズ 19 投影レンズ 24、25 イメージシフトコイル 26 投影レンズアライメントコイル 27、29、30 検出器 28、31 TVカメラ 32a、32b TVカメラ駆動機構 33、34、35 検出器駆動機構 36 レンズ電源 37 高電圧電源 38 アライメントコイル用電源 39 検出器駆動電源 40 TEM像のためのTV電源 41 走査像用信号増幅器 42 アパーチャ駆動電源 43 インターフェース 44 コンピュータ 45 メモリー 46 キーボード 47 マウス 48 コントロールパネル 49 ディスプレイ 50 像表示領域 51 GUI 52 ポインター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 行人 東京都昭島市武蔵野三丁目1番2号 日本 電子株式会社内 Fターム(参考) 5C033 EE03 EE06 FF03 FF06 SS09

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 照射レンズ系により比較的大きな径の電
    子ビームを試料に照射し、試料を透過した電子を結像レ
    ンズ系でTVカメラのスクリーン上に結像するように
    し、TVカメラから得られた映像信号をディスプレイに
    供給して透過電子顕微鏡像を表示するようにした透過電
    子顕微鏡像観察モードと、照射レンズ系のレンズ強度を
    変化させ、試料に照射される電子ビームプローブの径を
    比較的小さくし、更に試料に照射される電子ビームを2
    次元的に走査するようにし、試料を透過した電子をTV
    カメラに代えて光軸上に配置された検出器によって検出
    し、検出器によって検出された映像信号を、電子ビーム
    の走査に応じてディスプレイに供給して走査透過電子顕
    微鏡像を表示するようにした走査透過電子顕微鏡像観察
    モードとを選択的に切り替えられる電子顕微鏡であっ
    て、該電子顕微鏡は、多数の観察倍率から特定の観察倍
    率のみを選択でき、選択された倍率のみでしか動作され
    ないように構成された電子顕微鏡。
  2. 【請求項2】 試料の上方に2次電子検出器あるいは反
    射電子検出器を配置し、走査電子顕微鏡像を観察できる
    ように構成した請求項1記載の電子顕微鏡。
  3. 【請求項3】 走査電子顕微鏡像あるいは走査透過電子
    顕微鏡像の観察から透過電子顕微鏡像の観察に変化させ
    た場合、イメージシフト手段により視野の移動が補正さ
    れるように構成された請求項1〜2記載の電子顕微鏡。
  4. 【請求項4】 透過電子顕微鏡像の観察から走査電子顕
    微鏡像あるいは走査透過電子顕微鏡像の観察に切り換え
    た場合、コンデンサレンズアライメントコイルによって
    電子ビームの偏向幅を補正し、視野の移動が生じないよ
    うに構成された請求項1〜2記載の電子顕微鏡。
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